JPH10315667A - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録媒体及びその製造方法

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JPH10315667A
JPH10315667A JP8052598A JP8052598A JPH10315667A JP H10315667 A JPH10315667 A JP H10315667A JP 8052598 A JP8052598 A JP 8052598A JP 8052598 A JP8052598 A JP 8052598A JP H10315667 A JPH10315667 A JP H10315667A
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Application number
JP8052598A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Ogawa
善広 小川
Kazumi Nagano
和美 長野
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ID個人情報の改ざんを困難にし、偽造を困
難とする情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 カード基材表面に印刷受容層2を備えた
情報記録媒体であって、該印刷受容層2の表面の一部に
偽造防止層4を備え、該偽造防止層4は表面に印刷可能
であって、かつ該印刷受容層2に埋め込まれている情報
記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、個人によって携帯される情報記録
媒体として、クレジットカードや銀行カード等の磁気記
録カードが普及しており、近年はより記録容量の大きな
携帯用情報録媒体として、ICカードや光カード等が提
案され、その大きな記録容量を利用して電子マネーや銀
行の取引データーを記録した通帳カード等の応用も考え
られている。
【0003】又、パスポートや運転免許証等は個人の認
証手段として用いられているが、これらに例えば光カー
ドやICカードを用いる提案がなされている。
【0004】ICカード及び光カードなどをIDカード
として利用するには、新たに、ICカード及び光カード
の記録再生装置が必要となる。ICカード及び光カード
の普及とともに、これら、ICカード及び光カードの記
録再生装置が末端まで普及するには時間が必要である。
したがって、従来のシステムとの併用過程では、顔写
真、ID番号、名前などの目視情報をカードに付与する
ことが好ましい。
【0005】人間が通常可視で読み取ることができる文
字情報、写真等の画像情報(以降「可視情報」と記す)
のカード表面への付与は、例えば熱転写プリンタ(昇華
型熱転写プリンター、溶融転写型熱転写プリンタなど)
で設けることができる。これら、カードの表面に形成さ
れた画像や文字を形成している顔料、色素の一部は、プ
ラスチックカードの表面を形成している樹脂に拡散した
り、又は樹脂と混合することで、印刷文字の耐摩耗性、
密着性が向上するように設計されている。
【0006】ところでこのような重要な情報を取扱う携
帯用情報記録媒体は、盗難や拾得等によって、正規の所
有者以外の第3者が不正に使用する可能性を少しでも小
さくするために、偽造しにくい構成とすることが求めら
れている。その方法としては、例えば、発行者のデータ
ーや固有のマークをホログラム情報として媒体にあらか
じめ設ける方法、透かし模様やマイクロライン等の一見
しただけでは解らない半隠蔽情報を設ける方法が提案さ
れている。
【0007】しかしながら、光記録情報を再生せずに表
面の可視個人情報のみで識別カードとして使用する場合
には、可視情報さえ偽造できれば、正規のカード所有者
になりすますことが可能である。ここで想定し得るもっ
とも安易な偽造方法は、例えば拾得した情報記録媒体の
表面にある本来の所有者の個人情報を取り去って、新た
に第3者の個人情報を印刷する方法である。具体的には
例えば、印刷情報を溶剤で溶解して取り除く、または微
粒子研磨剤等で徐々に研磨し印刷情報やその痕跡を取り
除いて、再び熱転写印刷等の印刷を行って偽の可視情報
を形成する方法等が挙げられる。そしてこの様な偽造を
より有効に防止し得る情報記録媒体が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
みなされたものであり、可視情報の偽造防止効果が高
い、偽造情報記録媒体の市場流通を困難にする情報記録
媒体を提供することを目的とするものである。
【0009】また本発明の目的は、可視情報が付与され
るか、或いは可視情報が付与されている光記録層を備え
た情報記録媒体に付与される、あるいは付与されている
可視構報の改ざんが困難であり、大量の情報が記録し得
ることから不正に使用された場合の被害が大きいことが
予測される情報記録媒体の市場への流通を困難にするこ
とのできる情報記録媒体を提供する点にある。
【0010】また本発明の目的は、偽造の極めて困難な
可視情報を付与することのできる、光記録層を備えた情
報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。ま
た本発明の目的は、光記録層を備えた情報記録媒体に対
して偽造し難い可視情報を付与する方法を提供すること
を目的とするものである。
【0011】また本発明の目的は、表面に付与され得る
可視情報の改ざんが困難であり、また改ざんした場合に
はそのことが明らかになるようなICチップを備えた情
報記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とのできる、本発明の一実施態様にかかる情報記録媒体
は、基材表面に印刷受容層を備えた情報記録媒体であっ
て、該印刷受容層の表面の一部に偽造防止層を備え、該
偽造防止層は表面に印刷可能であって、且つ該印刷受容
層に埋め込まれていることを特徴とするものである。
【0013】また上記の目的を達成することのできる、
本発明の一実施態様にかかる情報記録媒体は、透明基
板、光記録層、保護基板及び印刷受容層をこの順で有
し、該印刷受容層は偽造防止層を備え、該偽造防止層は
その外側表面が該印刷受容層の外側表面と実質的に同一
平面を構成する様に配置され、また該偽造防止層は該印
刷受容層とは目視にて識別可能な表面を備え、更に該偽
造防止層は0.1〜lμmの厚さを有することを特徴と
するものである。
【0014】また上記の目的を達成することのできる、
本発明の一実施態様にかかる情報記録媒体の製造方法
は、透明基板、光記録層、保護基板及び印刷受容層をこ
の順で有し、該印刷受容層は偽造防止層を備え、該偽造
防止層はその外側表面が該印刷受容層の外側表面と実質
的に同一平面を構成する様に配置され、また該偽造防止
層は該印刷受容層とは目視にて識別可能な表面を備え、
更に該偽造防止層は0.1〜lμmの厚さを有する情報
記録媒体の製造方法であって、(i)該透明基板の表面
に該光記録層を形成する工程、(ii)該保護基板の表
面に印刷受容層を形成する工程、(iii)該印刷受容
層の外側表面に偽造防止層を形成する工程、(iv)該
偽造防止層を該印刷受容層に埋め込む工程、及び(v)
該光記録層を有する該透明基板と、該偽造防止層が埋め
込まれた印刷受容層を有する保護基板とを、該光記録層
と該保護基板の該印刷受容層が形成されていない側の面
とが対向するように貼り合せて情報記録媒体を得る工
程、を有することを特徴とするものである。
【0015】また上記目的を達成することのできる、本
発明の一実施態様にかかる情報記録媒体へ可視情報を付
与する方法は、光記録層を備えた情報記録媒体に可視情
報を付与する方法であって、透明基板、光記録層、保護
基板及び印刷受容層をこの順で有し、該印刷受容層は該
印刷受容層とは目視にて識別可能な外側表面を有し、且
つ0.1〜lμmの厚さの偽造防止層を備え、該偽造防
止層はその外側表面が該印刷受容層の外側表面と実質的
に同一平面を構成する様に配置されている情報記録媒体
の該印刷受容層の外側表面、及び該偽造防止層の外側表
面の双方にまたがるように可視情報を設ける工程、を有
することを特徴とするものである。
【0016】更にまた上記目的を達成することのでき
る、本発明の一実施態様にかかる情報記録媒体は、IC
チップが配置されている基材を有する情報記録媒体に於
いて、該基材の少なくとも一方の表面に印刷受容層が配
置され、該印刷受容層は該印刷受容層とは目視にて識別
可能な外側表面を有し、且つ0.1〜lμmの厚さの偽
造防止層を備え、該偽造防止層はその外側表面が該印刷
受容層の外側表面と実質的に同一平面を構成する様に配
置されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明を図面を用いて詳細に
説明する。図1〜図3に示した本発明の一実施態様にか
かる情報記録媒体の構成について説明する。図1は、本
発明の一実施態様にかかる情報記録媒体の概略平面図、
図2は、図1のAA線断面図、図3は、図1の情報記録
媒体の他の面の概略平面図である。
【0018】同図において、8は透明基板であり、その
一方の裏面にハードコート層7が形成され、他方の表面
に案内溝9及び光記録層10が形成されてる。光記録層
10の上には接着層11を介して保護基板12が積層さ
れてる。保護基板12の内側表面には予めデザイン印刷
6が形成され、保護基板12の外側表面に隠蔽層13が
形成され、該隠蔽層13の上にデザイン印刷6が設けら
れてる。そして隠蔽層13上には印刷受容層2及び偽造
防止層4が形成されてる。そして偽造防止層4の一方の
表面は、印刷受容層2の一方の表面と共に情報記録媒体
の一方の表面を構成している。また5は情報記録媒体に
付与されている可視情報(例えば情報記録媒体の所有者
のサイン、名前、顔写真等のID情報)であり、可視情
報5は印刷受容層2の外側表面及び偽造防止層4の外側
表面の双方にまたがる様に、例えば印刷によって付与さ
れてる。14は光記録情報、15は光記録部分を示す。
【0019】このような情報記録媒体において、偽造防
止層4の外側表面と印刷受容層2の外側表面との間には
実質的に段差がないことが好ましく、具体的には段差が
0.2μm以下、特には0.lμm以下とすることが好
ましい。また偽造防止層4の厚さは0.1〜lμm、特
には0.2〜lμmとすることが好ましく、更に偽造防
止層4の外側表面と印刷受容層2の外側表面とは目視に
て識別可能な様に、互いに異なる光学特性、例えば反射
率等を有することが好ましい。
【0020】上記した種々の構成は、偽造防止層4の表
面に付与された可視情報に改ざんを加えることを困難に
するものである。例えば偽造防止層4の表面に付与され
ている可視情報を改ざんする方法として、たとえば研磨
により該可視情報を削り取った後、新たな可視情報を付
与する方法が考えられるが、偽造防止層を厚さ0.1〜
lμmとした場合には偽造防止層表面の印刷のみを削り
取るのは極めて困難であり、偽造防止層自体も削り取っ
てしまうことになる。その結果、偽造防止層の光学特性
に変化が生じたり、或は印刷受容層2との間に段差が生
じる等、偽造防止層に何らかの改ざんが加えられた痕跡
が残ることになる。
【0021】また偽造防止層を研磨して除去した後に、
可視情報を印刷等によって付与しようとしても、偽造防
止層のあった位置と印刷受容層の表面との間に0.2μ
mを越える段差があると、偽造防止層の存在した部位に
可視情報をきれいに印刷することは困難であり、特に印
刷受容層表面と偽造防止層のあった部位の表面との間に
またがって、連続性のある可視情報を印刷することは極
めて困難である。
【0022】また一度偽造防止層を削り取った後に、新
たに偽造防止層を形成し、そこに新たな可視情報を付与
して可視情報の改ざんを図ることも考えられる。しかし
光記録層の機能を損なうこと無しに、当初存在した偽造
防止層と同様の光学特性を備えた偽造防止層を、その外
表面が印刷受容層の外表面と段差が実質的に無いように
構成することは困難である。またこのような改ざんをよ
り困難とする為には光記録層として耐熱性が比較的弱い
有機色素を含む記録層を採用したり、或は情報記録媒体
中に示温度材料を含有させておくことが好ましい。
【0023】即ち偽造防止層の外側表面と印刷受容層の
それとの間の段差を実質的に無くすには、本明細書にて
後述するように印刷受容層上に偽造防止層を形成した
後、熱プレス等によって該偽造防止層を印刷受容層に埋
め込む方法が最も好適に用いられる。しかし印刷受容層
が形成されている保護基板が、光記録層を備えた透明基
板に結合されている状態で、印刷受容層に偽造防止層を
埋め込む為の熱プレス等を行なった場合、熱や圧力等に
よって光記録層の機能を損なってしまう為、その情報記
録媒体に何らかの改ざんが加えられた可能性を情報記録
媒体に痕跡として残すことができる。より具体的には例
えば印刷受容層として硬質塩化ビニル樹脂シートを用
い、偽造防止層としてウレタンアクリレート系の紫外線
硬化樹脂の硬化物を用いた場合、該偽造防止層の印刷受
容層への埋め込みには例えば140〜150℃、30秒
程度で加熱することが好ましい。このとき光記録層の耐
熱温度を例えば140〜150℃に設定しておくこと
で、光カードを形成した後に偽造防止層を埋め込むこと
で光記録層の機能が破壊される。
【0024】次に本実施態様の情報記録媒体を構成する
各部材につて説明する。 (印刷受容層)印刷受容層2としては、表面に印刷等に
よって可視情報を付与可能なものが好適に用いられる。
また偽造防止層の埋め込みが容易な材料が好ましい。具
体例としては例えば塩化ビニル樹脂が挙げられる。また
印刷受容層の厚さとしては、情報記録媒体の厚さに影響
を与えず、また偽造防止層の埋め込みが容易な様に、3
0〜100μmとすることが好ましい。
【0025】(偽造防止層)偽造防止層の材料に好まし
い特性としては、例えば、 偽造防止層の表面に例えば昇華型熱転写プリンターに
よる印刷が可能である。 偽造防止層を印刷受容層に埋め込みの時の加熱プレス
加工で、プレス材料の金属板(アルミ、ステンレス)に
貼り付かない。 顔料や他の物質を混入することが可能である。 等の物性が挙げられる。
【0026】上記の〜の項目を満足する偽造防止層
を形成するための材料としては、例えば下記の樹脂に顔
料や他の物質等を配合した材料が挙げられる。
【0027】樹脂としては、2液硬化型樹脂および紫外
線硬化樹脂が好ましい。2液硬化型樹脂には、特に制限
はないが、たとえば、アクリル樹脂および塩化ビニル樹
脂を混合したウレタンアクリレート樹脂が有効である。
塩化ビニル樹脂の含有量は、他の樹脂分に対して、20
〜60重量%程度混入した場合には、熱転写プリンタに
よる印字がきれいにでき、熱プレス加工で樹脂が金属板
に貼り付いてしまうこともない。
【0028】紫外線硬化樹脂には、特に制限はないが、
例えばアクリルポリオール(ウレタンアクリレート)、
エポキシアクリレートまたは不飽和ポリエステルアクリ
レートを主成分とする樹脂が好ましい。また、塩化ビニ
ル樹脂を添加しても良い。光重合開始剤としては、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン又は1−ヒド
ロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサンなどのケトン類
が用いられる。なお、偽造防止層を塩化ビニル樹脂シー
トに埋め込むための熱プレス工程(加工)で樹脂がプレ
ス金属板に貼り付かないことが重要である。
【0029】顔料および他の物質としては、金属箔の1
0〜200μm角程度の小片、金属粒子、パール顔料、
紫外線発光インキなどを用いることができる。
【0030】樹脂中の顔料および他の物質の添加量は、
偽造防止層を目視で印刷受容層と識別できる程度であれ
ばよく、例えば10重量%以下、好ましくは1〜5重量
%が望ましい。
【0031】偽造防止層の厚さは、0.1〜lμm、好
ましくは0.2〜lμmの範囲が望ましい。即ち、この
範囲とした場合、例えば偽造防止層を残しつつ、偽造防
止層表面の可視情報層を削り取ることは極めて困難であ
る。又、可視情報層を偽造防止層と共に削り取ると、印
刷受容層と偽造防止層が存在していた領域との間に段差
が生じ、偽造防止層に何らかの改ざんが加えられた痕跡
が残る。
【0032】(透明基板)透明基板としては、PVC,
ポリメチルメタクリレート,ポリカーボネート,ポリス
ルフォン,ポリオレフィン樹脂等などの透明性の良いプ
ラスチック板などを使用することができる。
【0033】(保護基板)また、保護基板12は、記録
媒体全体に“そり”が発生し難い材質のプラスチック材
料が好ましく、例えばPMMA、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニルが適当である。また、保護基板はカード全
体の光透過率を小さくするために着色されていてもよ
い。
【0034】(ハードコート層)ハードコート層7の材
料としては、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステ
ル、エポキシアクリレートなどの紫外線硬化樹脂、シリ
コン系熱硬化樹脂を使用することができる。特に硬度が
高いウレタンアクリレートが好ましい。
【0035】(接着層)接着層11は、下記に示される
共重合体からなるホットメルト接着剤が好ましい。ま
た、下記に示される共重合体を主成分とする接着剤は、
光記録層の保存耐久性に優れており、特にポリメチン系
色素の保存耐久性に対しては優れた効果がある。
【0036】接着層に含まれる共重合体の重量平均分子
量は約10,000〜1,000,000、好ましくは
30,000〜800,000の範囲が好ましい。
【0037】接着層に含まれるエチレン−アクリル酸共
重合体は、例えば下記構造式(II)で示される様に
【0038】
【化1】 (但し、a,b,nは正の整数) ポリエチレンの構造中にランダムにカルボキシル基が含
まれた構造を有するものであり、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体は、例えば下記構造式(III)に示
される通りエチレンとアクリル酸エステルの共重合体で
あり、
【0039】
【化2】 (但し、a,b,nは正の整数、R:CH,C
,C) 又エチレン−メタアクリル酸共重合体は、例えば下記構
造式(IV)で示される様にポリエチレンの分子構造中
にカルボキシル基がランダムに含まれる構造を有するも
ので、
【0040】
【化3】 (但し、a,b,nは正の整数)
【0041】更にエチレン−メタアクリル酸エステル共
重合体は、例えば下記構造式(V)で示される通りの構
造を有するものである。
【0042】
【化4】 (但し、a,b,nは正の整数、R:CH,C
,C
【0043】上記の共重合体の中で、特にエチレン−ア
クリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸メ
チル共重合体(EMA)、エチレン−メタアクリル酸共
重合体(EMAA)及びエチレン−メタアクリル酸メチ
ル共重合体(EMMA)が好ましい。
【0044】そして、接着層は上記4種類の共重合体の
少なくとも1種を含有するものであり、又2種以上の共
重合体の混合物を含有させてもよい。そして又本発明に
於いては、同種の共重合体の2つ以上の異なる共重合
体、例えばエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体と
エチレン−メタアクリル酸エチル共重合体の混合物を接
着層中に含有させても良い。
【0045】なお、共重合体におけるアクリル酸、アク
リル酸エステル、メタアクリル酸、或いはメタアクリル
酸エステルの含有量は赤外吸収スペクトルでカルボニル
の吸収を定量することによって算出できる。
【0046】接着層に添加する添加剤としては、例えば
粘着付与剤や軟化剤が挙げられ、粘着付与剤としては例
えばロジン,重合ロジン,水素添加ロジン,ロジンエス
テル等の天然樹脂及びその変成品,脂肪族化合物,脂環
式化合物,芳香族,石油樹脂,テルペン樹脂,テルペン
・フェノール樹脂,水素添加テルペン樹脂,クマロン樹
脂などが挙げられ,又軟化剤としては、例えばプロセス
オイル,パラフィンオイル,ヒマシ油,ポリブテン,低
分子量ポリイソプレン等が挙げられる。更に、本発明に
おける接着層には光記録層との相互作用を生じず、且つ
上記した物性を変化させない範囲で必要に応じて紫外線
吸収剤等を添加してもよい。
【0047】接着剤は、上記のものが好ましいが、80
℃以下で光記録層に影響がなく、密着力の高いものであ
れば、特に限定されない。より本発明の効果を増すため
には少なくとも100〜150℃で溶融する接着剤が好
ましい。なぜならば、偽造防止層を再生しようとする場
合には、130〜150℃の熱プレス工程が必要であ
り、熱プレス成形で接着剤が溶融し光カードの外周部に
はみ出す、または光記録層の反射率を低下する、または
溶融によって接着層に泡を発生させるなどの証拠が残る
ために光カードの偽造が判明するためである。
【0048】(光記録層)次に、光記録層10は、記録
に使用する光の波長、例えば半導体レーザーの様に光ビ
ームの波長が650nm以上、特に700〜900nm
の範囲にある場合、該光ビームの波長域に吸収極大波長
を有することが好ましく、又光ビームの照射によって光
学的に検出可能な変化が生ずるのに必要なエネルギーの
小さいことが好ましい。又、再生に使用する光に対し
て、情報の記録部と非記録部とで光学特性の差が大きい
ものが好ましい。
【0049】そして光記録層10に用いられる物質とし
ては、例えば、アントラキノン誘導体(特にインダスレ
ン骨格を有するもの),ジオキサジン化合物及びその誘
導体,トリフェノジチアジン化合物,フェナンスレン誘
導体,シアニン化合物,メロシアニン化合物,ピリリウ
ム系化合物,キサンテン系化合物,トリフェニルメタン
系化合物,クロコニウム系色素,アゾ色素,クロコン
類,アジン類,インジゴイド類,ポリメチン系色素,ア
ズレン系色素,スクアリウム系色素,ポリメチン鎖を有
するシアニン系色素,テトラフェニルシアニン系色素等
の有機色素物質が挙げられる。
【0050】特に、下記一般式(I)で示されるポリメ
チン色素を光記録層に用いた場合、特に耐久性に優れた
情報記録媒体を得ることができる。
【0051】
【化5】
【0052】(式中、A,B,D及びEは水素原子,ア
ルキル基,アルケニル基,アラルキル基,アリール基,
スチリルおよび複素環基から選ばれる基を示す。
′,r′は水素原子,アルキル基,環式アルキル
基,アルケニル基,アラルキル基およびアリール基から
選ばれる基を示し、kは0又は1、Lは0,1又は2
で、Xはアニオンを意味する。なお、A,B,D,
E,r′及びr′におけるアラルキル基,アリール
基,スチリル基,複素環基は置換されているものでもよ
い。)
【0053】上記一般式中の略号についてさらに詳しく
述べる。A,B,D及びEは、水素原子又はアルキル基
(例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,is
o−プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基,i
so−ブチル基,t−ブチル基,n−アミル基,t−ア
ミル基,n−ヘキシル基,n−オクチル基,t−オクチ
ル基など)を示し、さらに他のアルキル基、例えば置換
アルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基,3−ヒ
ドロキシプロピル基,4−ヒドロキシブチル基,2−ア
セトキシエチル基,カルボキシメチル基,2−カルボキ
シエチル基,3−カルボキシプロピル基,2−スルホエ
チル基,3−スルホプロピル基,4−スルホブチル基,
3−スルフェートプロピル基,4−スルフェートブチル
基、N−(メチルスルホニル)−カルバミルメチル基,
3−(アセチルスルフアミル)プロピル基,4−(アセ
チルスルフアミル)ブチル基など,環式アルキル基(例
えば、シクロヘキシル基など),アルケニル基(ビニル
基,プロペニル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセ
ニル基,ヘプテニル基,オクテニル基,ドデシニル基,
プレニル基など),アラルキル基(例えば、ベンジル
基,フェネチル基,α−ナフチルメチル基,β−ナフチ
ルメチル基など),置換アラルキル基(例えば、カルボ
キシベンジル基,スルホベンジル基,ヒドロキシベンジ
ル基など),アリール基(例えばフェニル基など),置
換アリール基(例えばジエチルアミノフェニル基など)
を包含する。
【0054】r′,r′は水素原子又はアルキル基
(例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,is
o−プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基,i
so−ブチル基,t−ブチル基,n−アミル基,t−ア
ミル基,n−ヘキシル基,n−オクチル基,t−オクチ
ル基など)を示し、さらに他のアルキル基、例えば置換
アルキル基、(例えば、2−ヒドロキシエチル基,3−
ヒドロキシプロピル基,4−ヒドロキシブチル基,2−
アセトキシエチル基,カルボキシメチル基,2−カルボ
キシエチル基,3−カルボキシプロピル基,2−スルホ
エチル基,3−スルホプロピル基,4−スルホブチル
基,3−スルフェートプロピル基,4−スルフェートブ
チル基,N−(メチルスルホニル)−カルバミルメチル
基,3−(アセチルスルファミル)プロピル基,4−
(アセチルスルファミル)ブチル基など)、環式アルキ
ル基(例えば、シクロヘキシル基など)、アルケニル基
(ビニル基,プロペニル基,ブテニル基,ペンテニル
基,ヘキセニル基,ヘプテニル基,オクテニル基,ドデ
シニル基,プレニル基など)、アラルキル基(例えば、
ベンジル基,フェネチル基,α−ナフチルメチル基,β
−ナフチルメチル基など)、置換アラルキル基(例え
ば、カルボキシベンジル基,スルホベンジル基,ヒドロ
キシベンジル基など)を包含する。
【0055】これらの有機色素を含有する光記録層に
は、耐光性の向上を目的として赤外線吸収化合物などの
スタビライザーを含有していてもよい。スタビライザー
として用いられる材料としては、たとえば、特開昭60
−163245号公報および特開昭60−236131
号公報に示される様な物質、または下記の(VI),
(VII)式に示す物質が挙げられる。
【0056】
【化6】 (式中、Rは水素原子,低級アルキル基、Xは酸イオ
ン、Aは
【0057】
【化7】 を示す。但しnは1又は2の整数である。)
【0058】又上記式(VI),(VII)式に於て、
置換基Rをアルコキシアルキル基(例えばメトキシエチ
ル基など)、アルケニル基(例えばプロペニル基な
ど)、アルキニル基(例えばプロパギル基など)、更に
は環式アルキル基(例えばシクロペンチル基など)とし
た化合物は、有機色素を安定化させる機能に優れると共
に溶剤への溶解性に優れるために光記録層を湿式塗布で
形成する場合には特に好適な材料である。
【0059】本発明において光記録層を構成する材料
は、温度140℃、60秒程度で分解又は溶融し、光記
録層の反射率が低下するものが好ましい。また、前記
(VI),(VII)式に示す物質を添加することが好
ましい。
【0060】又、有機色素を安定化させる効果を有する
クエンチャーとして、例えば下記の(VIII)〜(X
II)式に示される金属錯体を用いることもできる。
【0061】
【化8】
【0062】
【化9】
【0063】(ただし、R ないしR は同じかま
たは異なっていてもよく、それぞれは置換もしくは未置
換のアルキル基,アリール基またはアミノ基を表わし、
ないしR は同じかまたは異なっていてもよく、
それぞれは水素原子、ハロゲン原子または置換もしくは
未置換のアルキル基またはアミノ基を表わし、MはN
i,Co,Mn,Cu,PdおよびPtから選ばれた遷
移金属を表わす。)
【0064】光記録層10に含有されるスタビライザー
やクエンチャーの含有量は、色素の含有量に対して通常
5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲が
望ましい。又、本発明における光記録層に於て、上記し
た有機色素やスタビライザー,クエンチャーをバインダ
ー中に分散状態或いは溶解状態で含有させてもよい。
【0065】本発明に用いられるバインダーとしては、
例えば、ニトロセルロース,リン酸セルロース,硫酸セ
ルロース,酢酸セルロース,プロピオン酸セルロース,
酪酸セルロース,ミリスチン酸セルロース,パルミチン
酸セルロース,酢酸・プロピオン酸セルロース,酢酸・
酪酸セルロースなどのセルロースエステル類,メチルセ
ルロース,エチルセルロース,プロピルセルロース,ブ
チルセルロースなどのセルロースエーテル類、ポリスチ
レン,ポリ塩化ビニルなどを用いることができる。
【0066】また光記録層として有機色素を湿式塗布で
形成する場合、塗工の際に使用できる有機溶剤は、有機
色素を分散状態とするか、あるいは、溶解状態にするか
によって異なるが、一般にメタノール,エタノール,イ
ソプロパノール,ジアセントアルコールなどのアルコー
ル類,アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘサキノ
ンなどのケトン類,N,N−ジメチルホルムアミド,
N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類,ジメチ
ルスルホキシドなどのスルホキシド類,テトラヒドロフ
ラン,ジオキサン,エチレングリコールモノメチルエー
テルなどのエーテル類,ジクロロメタン,ジクロロエチ
レン,トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化、炭
化水素などを用いることができる。
【0067】また、これらの塗布液の透明基板への塗布
方法としては、公知の塗布方法、例えば、ディップコー
ト,スプレーコート,スピナーコート,バーコート,ブ
レードコート,ロールコート,カーテンコート等の方法
により形成される。
【0068】又、光記録層の膜厚は、400〜1200
Åの範囲が好ましいが、通常、光記録層の膜厚と反射率
の相関関係により表面反射率が最大となる膜厚に設定す
ると優れたC/Nの信号が得られる点で好ましく、又光
記録層の光ビーム入射面側と反対側の面に反射層を設け
た場合、光記録層の表面反射率が最小となる様な膜厚に
設定すると記録感度が向上するため好ましい。
【0069】(光カードの製法)次に図1〜3に示した
光カードの製造方法について説明する。まず一方の面に
案内溝9を備えた、透明基板8を用意し、該案内溝9が
形成されている側とは反対側の面にハードコート層7を
形成する。次に透明基板8の案内溝9が形成されている
側の面上に光記録層10を形成する。一方、保護基板1
2の一方の面には可視情報としてのデザイン印刷6を施
し、また反対側の面には隠蔽層13を形成した後に例え
ばデザイン印刷6を施す。
【0070】(隠蔽層)ここで隠蔽層13は透明基板8
側から、保護基板12の両側に配置したデザイン印刷6
が両方とも目視認識されることを防止するためのもので
ある。
【0071】隠蔽層8としては例えば、可視光の透過率
が低いこと、例えば波長400〜900nmの光に対す
る透過率が10%以下であることが好ましい。また光記
録媒体(特に光カード)の厚さに影響を与えないよう
に、3〜30μmとすることが好ましい。このような隠
蔽層13は例えば印刷層を用いることによって得られ
る。そして、遮蔽層13を印刷によって形成する場合、
アルミニウム粉体や酸化アルミニウム粉体を含有する印
刷層は好適に用いることができる。この場合、粉体の印
刷層中の含有量は、上記の光透過率を達成し、また印刷
層の媒体からの剥離やクラックの発生を抑えるために3
0〜70wt%、特には30〜60wt%とすることが
好ましい。
【0072】そして、かかる印刷層で3〜30μmの厚
さを有するものは、例えば、上述の印刷インク用液状樹
脂にアルミニウム粉体や酸化アルミニウム粉体を10〜
30wt%添加したものを、一般的な印刷手法を用いて
形成できる。より具体的には、例えばポリエステル樹脂
を10〜20wt%程度含有する液状樹脂(商品名:セ
リコールEGS、帝国インキ製造(株)社製)に平均粒
径0.1〜3μm程度のアルミニウム粉や同程度の粒径
を有する酸化アルミニウム粉を10〜30wt%添加し
たものを一般的な印刷方法(例えばスクリーン印刷等)
で厚さ3〜30μm程度に塗布することで、可視光不透
過性に優れると共に光カード屈曲時の剥がれやクラック
の発生も少ない、隠蔽層として好適に用いられる印刷層
が得られる。なおこのような隠蔽層の材料は、例えば赤
外領域の光に対しては30%を超える反射率を呈するこ
とがあり、光記録層の光学的再生信号にノイズを生じさ
せることがある場合には遮蔽層13を複数の層、例えば
印刷層の積層膜で構成してもよい。例えば、上記したア
ルミニウムや酸化アルミニウムの粒子を混合したインク
で形成した厚さ5μmの印刷層と、酸化チタンを含む白
色インクで形成した厚さ4μmの印刷層との積層膜は、
可視光の透過率を10%以下にできるため、遮蔽層13
として好ましく用いられる。
【0073】(印刷受容層/偽造防止層)次いで保護基
板12の隠蔽層13を介してデザイン印刷6を施した側
の面に印刷受容層2を設ける。保護基板12の表面への
印刷受容層2の形成は、各々に用いる材料によって適宜
選択すれば良く、例えば保護基板12にポリカーボネー
ト樹脂、印刷受容層2に塩化ビニル樹脂を用いる場合に
は例えば130〜140℃程度の温度で圧着することに
よって可能である。また印刷受容層を接着層を用いて保
護基板に結合してもよく、或いは印刷受容層の材料を溶
剤等で溶解、分散させ、それを保護基板表面に塗布する
ことで保護基板表面に印刷受容層を形成してもよい。
【0074】次に印刷受容層2の所定の位置に、偽造防
止層4を形成し、偽造防止層の表面と印刷受容層の表面
との間に実質的な段差がなくなる様に、該偽造防止層を
印刷受容層に埋め込む。ここで印刷受容層への偽造防止
層の埋め込みと、印刷受容層の保護基板への結合を同時
に行なってもよく、あるいは先立って行なってもよい。
具体的には印刷受容層の外側表面の所定の位置に偽造防
止層を配置した後、その印刷受容層を保護基板の、隠蔽
層13を介してデザイン印刷6を施した面に載せ、次い
で該偽造防止層及び印刷受容層に熱及び圧力を加えて偽
造防止層の印刷受容層への埋め込みと印刷受容層の保護
基板への結合を同時に行なうことができる。更には印刷
受容層の外側表面の所定の位置に偽造防止層を配置し、
熱圧着によって偽造防止層を埋め込んだ印刷受容層を、
保護基板に接着剤を用いたり、熱圧着等によって結合す
ることができる。
【0075】次いで光記録層を形成した透明基板と、偽
造防止層が埋め込まれた印刷受容層を備えた保護基板と
を、保護基板の偽造防止層が形成されている側とは反対
側の面と光記録層とが対向するように配置し、接着層1
1で結合することによって光カードが得られる。このよ
うにして得られた光カードの偽造防止層4の表面、若し
くは印刷受容層2の表面及び偽造防止層4の表面に可視
情報を例えば熱転写印刷等の方法で付与することで、図
1〜3に示したような可視情報付の光カードが得られ
る。
【0076】(第2の実施態様)本発明の第2の実施態
様に係る情報記録媒体の概略断面図を図4に示す。図4
に於いてはシート状のコア材料1の両面にデザイン印刷
6が施され、該デザイン印刷6を被覆する様に透明な印
刷受容層2が形成され、一方の印刷受容層2には偽造防
止層4が設けられている。また3はICチップであり、
コア材料1に埋め込まれ、固定されている。更に印刷受
容層2の表面及び偽造防止層4の表面にまたがる様に、
例えばID個人情報等の可視情報5が付与されている。
【0077】この実施態様にかかる情報記録媒体に於い
て、偽造防止層4の表面と印刷受容層2の表面とは前記
した第1の態様に係る情報記録媒体と同様に、実質的に
段差が無いように構成されている。また印刷受容層及び
偽造防止層、更にはこれらの表面に形成される可視情報
(ID個人情報等)については、前記した第1の実施態
様と全く同様のものを用いることができる。
【0078】コア材料の厚みは好ましくは500〜70
0μmであり、材質は、PVC,PET,ABSなどが
使われる。
【0079】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0080】実施例1 図4に示す構成のICカードを作製した。コア材として
の白色の塩化ビニル樹脂シート(厚さ550μm、筒中
プラスチック社製)の両面にデザイン印刷を行なった。
次に、印刷層上に、100μmの厚みの硬質塩化ビニル
樹脂シート(ヘキスト社製)を積層し、さらに下記に示
す材料を所定の位置に印刷及び硬化させて偽造防止層を
設けた。
【0081】 偽造防止層 (A)インキ 紫外線硬化樹脂 90重量部 UVFIL 50112(帝国インキ社製) パール顔料 10重量部 (B)印刷、硬化の条件 印刷 タンポ印刷 硬化条件 メタルハライドランプ 80W/cm 2灯 ランプ高さ 15cm 送り速度 10m/分
【0082】上記の偽造防止層を温度150℃、30
秒、圧力2kg/cm の熱プレスによって、上記の
厚さ100μmの硬質塩化ビニル樹脂シートに埋め込む
と共に硬質塩化ビニル樹脂シートを白色の塩化ビニル樹
脂シートに結合させた。次に、IDカードのサイズに切
断し、ICチップを埋め込むための穴をミーリング加工
によって開け、8kBの容量があるICチップを埋め込
み、ICカードを得た。
【0083】実施例2 図1〜3と同様の構成の光カードを作製した。表面に案
内溝を備えたポリカーボネート基板(厚さ400μm)
の、案内溝を有していない表面に、紫外線硬化型ウレタ
ンアクリレート樹脂(大日本インキ社製、ユニディック
17−824−9)からなるハードコート層を厚さ5μ
mに形成した。
【0084】次に、案内溝を形成した面に下記式(A)
及び(B)の構造の色素を含む光記録層を形成した。
【0085】
【化10】
【0086】光記録層は上記式(1)の色素を75wt
%、上記式(2)の色素を25wt%を含むものであ
る。
【0087】次に、デザイン印刷をした透明のポリカー
ボネート保護基板(厚さ280μm)を準備した。印刷
層の厚みはロゴ印刷、遮光印刷層を含め30μmであ
る。印刷後、印刷層の表面に厚さ40μmの塩化ビニル
樹脂フィルムを60℃の温度のロールラミネートを用い
て仮に貼り付け、該塩化ビニル樹脂フィルムの所定の位
置に下記に示す材料を印刷し、光硬化せしめて偽造防止
層を設けた。偽造防止層の厚さは5000Åとした。
【0088】 偽造防止層 (A)インキ 紫外線硬化樹脂 90重量部 UVSPS50112(帝国インキ社製) ニッケル金属箔 10重量部 (厚み2000Åのニッケル金属膜を10μm角に切断したもの) (B)印刷、硬化の条件 印刷 タンポ印刷 硬化条件 メタルハライドランプ 80W/cm 2灯 ランプ高さ 15cm 送り速度 10m/分
【0089】上記の偽造防止層を熱プレス装置を用い
て、温度150℃、30秒、圧力2kg/cmの熱プ
レス成形によって塩化ビニル樹脂シートに埋め込んだ。
次に光記録層を形成した基板と、印刷層を形成した保護
基板を、厚さ50μmのホットメルト接着剤(クラウン
ベターP−2200、クラボー社製)を介して貼り合わ
せ光カードを得た。貼り合わせ温度は、120℃であっ
た。
【0090】次に、得られた光カードの印刷受容層及び
偽造防止層の上に、熱転写プリンターを用いて各々ID
個人情報、名前を印刷した。偽造防止層の外側表面はニ
ッケル金属箔の金属光沢が部分的に認められ、周囲の印
刷受容層とは目視にて識別可能であった。
【0091】該偽造防止層の名前を、研磨材と布を用い
てけずり取ったところ、研磨材で削ると名前と共に偽造
防止層もまた削りとれてしまった。再度熱転写プリンタ
ーを用いてID個人情報、名前を塩化ビニル樹脂の表面
に印刷することは可能であった。しかし、偽造防止層が
無いために光カード表面に段差が生じ、容易に偽造した
ことが判明した。
【0092】実施例3 実施例2の光カードの接着剤をクラウンベターO−41
21(ホットメルト接着剤、倉敷紡績(株)製)とし、
実施例2と同様に光カードを作成した。光カードの塩化
ビニル樹脂フィルムの表面に熱転写プリンターで名前と
顔写真を印刷した。顔写真の一部は偽造防止層の表面に
印刷した。
【0093】次に、研磨材を用いて顔写真を剥離し、I
D個人情報の偽造を試みた。顔写真をけずり落とすこと
ができた。しかし、偽造防止層も剥離してしまった。次
に、偽造防止層を再現するために、偽造防止層の形成に
用いたニッケル金属箔を含む液状樹脂組成物を塩化ビニ
ル樹脂の表面に塗布し下記の試験を行った。
【0094】(i)液状樹脂組成物の塗布及び光硬化だ
けで偽造防止層を塩化ビニル樹脂表面に埋め込まない場
合 熱転写プリンターで再度顔写真を印刷すると、偽造防止
層の塩化ビニル樹脂の界面の段差の周辺には顔写真の印
刷はできなかった。偽造防止層の表面には凹凸があり、
きれいに顔写真の印刷ができなかった。
【0095】(ii)(i)で再生した偽造防止層を熱
プレスで埋め込んだ場合 温度145℃、圧力2kg/cm 、時間45秒の条
件で偽造防止層を塩化ビニル樹脂表面に埋め込むと、偽
造防止層を再現できたが、接着剤層が分解、発泡したた
めに記録情報が破壊された。また、追記記録できなかっ
た。
【0096】実施例4 実施例2で作成した光カードの塩化ビニル樹脂の表面に
熱転写プリンターで顔写真と名前を、顔写真の一部が偽
造防止層の表面にかかる様に印刷した。
【0097】実施例3と同様に光カードの偽造実験を行
なった。偽造防止層を再現するために、実施例3と同様
に熱プレス加工を行なったところ、光記録層の反射率が
低下して追記記録できなかった。また、すでに記録して
ある情報を読むことはできなかった。したがって、本発
明は、光カードのID可視情報の偽造、変造を行なうこ
とを防止できることが認められる。
【0098】比較例1 実施例1のICカードに偽造防止層だけを設けないでI
Cカードを作製した。実施例3と同様にカードの偽造を
試みた。ID可視情報を研磨材で容易にけずり取れた。
再度熱転写プリンターで顔写真を印刷受容層の塩化ビニ
ル樹脂表面に印刷することができた。偽造防止層がない
カードでは、可視情報に改ざんを加えた痕跡がICカー
ドに残らなかった。
【0099】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の各実施態様
によれば、情報記録媒体に付与された可視情報に改ざん
を加えた場合にはその痕跡を情報記録媒体に残すことが
できる。その結果他人の情報記録媒体、例えばIDカー
ドの目視ID情報をけずり取り、自分の目視ID情報を
熱転写プリンターで印刷するなどのIDカードの偽造を
防止できる。
【0100】光カードを用いたIDカードの場合、本発
明の構成は特にカードの偽造を抑制できる。すなわち、
偽造防止層を再生しようとすると、光カードの光記録再
生機能が破壊されるためにカードの偽造を防止できる等
の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様にかかる情報記録媒体の概
略平面図である。
【図2】図1のAA線断面図である。
【図3】図1の情報記録媒体の他の面の概略平面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施態様にかかる情報記録媒体の
概略断面図である。
【符号の説明】
1 コア材料 2 印刷受容層 3 ICチップ 4 偽造防止層 5 可視情報 6 デザイン印刷 7 ハードコート層 8 透明基板 9 案内溝 10 光記録層 11 接着層 12 保護基板 13 隠蔽層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に印刷受容層を備えた情報記録
    媒体であって、該印刷受容層の表面の一部に偽造防止層
    を備え、該偽造防止層は表面に印刷可能であって、かつ
    該印刷受容層に埋め込まれていることを特徴とする情報
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 該偽造防止層の厚さが0.1〜1μmで
    ある請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 該偽造防止層が、顔料を含む紫外線硬化
    樹脂の硬化物からなる請求項1記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 該顔料がパール顔料である請求項3記載
    の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 該顔料が金属箔の小片である請求項3記
    載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 該顔料が紫外線発光物質である請求項3
    記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 該偽造防止層の表面に個人に関する情報
    が昇華型熱転写プリンタで印刷されている請求項1記載
    の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 該情報記録媒体が光記録層を具備してい
    る請求項1記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 該光記録層の耐熱温度が100〜140
    ℃である請求項8記載の情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 透明基板、光記録層、保護基板及び印
    刷受容層をこの順で有し、該印刷受容層は偽造防止層を
    備え、該偽造防止層はその外側表面が該印刷受容層の外
    側表面と実質的に同一平面を構成する様に配置され、ま
    た該偽造防止層は該印刷受容層とは目視にて識別可能な
    表面を備え、更に該偽造防止層は0.1〜lμmの厚さ
    を有することを特徴とする情報記録媒体。
  11. 【請求項11】 該偽装防止層の外側表面は、該印刷受
    容層のそれとは異なる反射率を有する請求項10記載の
    情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 該偽造防止層の厚さが0.2〜lμm
    である請求項10または11記載の情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 可視情報を表す層が該印刷受容層の外
    側表面及び該偽造防止層の外側表面にまたがる様に配置
    されている請求項10記載の情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 透明基板、光記録層、保護基板及び印
    刷受容層をこの順で有し、該印刷受容層は偽造防止層を
    備え、該偽造防止層はその外側表面が該印刷受容層の外
    側表面と実質的に同一平面を構成する様に配置され、ま
    た該偽造防止層は該印刷受容層とは目視にて識別可能な
    表面を備え、更に該偽造防止層は0.1〜lμmの厚さ
    を有する情報記録媒体の製造方法であって、(i)該透
    明基板の表面に該光記録層を形成する工程、(ii)該
    保護基板の表面に印刷受容層を形成する工程、(ii
    i)該印刷受容層の外側表面に偽造防止層を形成する工
    程、(iv)該偽造防止層を該印刷受容層に埋め込む工
    程、及び(v)該光記録層を有する該透明基板と、該偽
    造防止層が埋め込まれた印刷受容層を有する保護基板と
    を、該光記録層と該保護基板の該印刷受容層が形成され
    ていない側の面とが対向するように貼り合せて情報記録
    媒体を得る工程、を有することを特徴とする情報記録媒
    体の製造方法。
  15. 【請求項15】 該偽造防止層の該印刷受容層への埋め
    込みを熱プレスによって行なう請求項14記載の情報記
    録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】 該熱プレスの条件が、該偽造防止層の
    該印刷受容層への埋め込みを該情報記録媒体の製造後に
    行なった場合には該光記録層が破壊されてしまう様な条
    件である請求項15記載の情報記録媒体の製造方法。
  17. 【請求項17】 光記録層を備えた情報記録媒体に可視
    情報を付与する方法であって、透明基板、光記録層、保
    護基板及び印刷受容層をこの順で有し、該印刷受容層は
    該印刷受容層とは目視にて識別可能な外側表面を有し、
    且つ0.1〜lμmの厚さの偽造防止層を備え、該偽造
    防止層はその外側表面が該印刷受容層の外側表面と実質
    的に同一平面を構成する様に配置されている情報記録媒
    体の該印刷受容層の外側表面、及び該偽造防止層の外側
    表面の双方にまたがるように可視情報を設ける工程、を
    有することを特徴とする情報記録媒体へ可視情報を付与
    する方法。
  18. 【請求項18】 ICチップが配置されている基材を有
    する情報記録媒体に於いて、該基材の少なくとも一方の
    表面に印刷受容層が配置され、該印刷受容層は該印刷受
    容層とは目視にて識別可能な外側表面を有し、且つ0.
    1〜lμmの厚さの偽造防止層を備え、該偽造防止層は
    その外側表面が該印刷受容層の外側表面と実質的に同一
    平面を構成する様に配置されていることを特徴とする情
    報記録媒体。
  19. 【請求項19】 該偽造防止層の厚さが0.2〜lμm
    である請求項18記載の情報記録媒体。
  20. 【請求項20】 可視情報を表す層が該印刷受容層の外
    側表面及び該偽造防止層の外側表面にまたがる様に配置
    されている請求項18記載の情報記録媒体。
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Cited By (7)

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