JPH10314895A - 金属薄帯製造のための溶融金属供給方法および溶融金属保持容器 - Google Patents

金属薄帯製造のための溶融金属供給方法および溶融金属保持容器

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JPH10314895A
JPH10314895A JP12446997A JP12446997A JPH10314895A JP H10314895 A JPH10314895 A JP H10314895A JP 12446997 A JP12446997 A JP 12446997A JP 12446997 A JP12446997 A JP 12446997A JP H10314895 A JPH10314895 A JP H10314895A
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container
maximum height
sectional area
metal
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Shigekatsu Ozaki
茂克 尾崎
Yuichi Sato
有一 佐藤
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、溶融金属を移動する冷却基板上で
急冷凝固させる液体急冷法により、極薄の金属薄帯を製
造する場合、タンディッシュへの溶融金属の供給制御
を、容易に、かつ、安価に実現可能とする溶融金属の供
給方法と溶融金属保持容器を提供する。 【解決手段】 噴出ノズル上部に、底部開口部の上端に
なる底面から溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )が
0.5m以上10m以下で、この最大高さ(h0 )での
容器内の水平方向断面積(A0 )が、最大高さ(h0 )
から底面に向かうにつれて減少する形状で、任意高さ
(h)での容器内の水平方向断面積(A)が下記(1)
式で示される関係を満足する容器を配設し、この容器の
底部開口部から溶融金属を供給する溶融金属供給方法
と、この方法を実施するための溶融金属保持容器。
A/A0 ≦(0.75/h0 )×h+0/25 ・・・
(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融状態の金属
(ここでいう金属とは金属単体以外に各種合金を含む。
本明細書では、これらを総称して「金属」という。)
を、移動する冷却基板上で急冷凝固させて、薄帯状の金
属薄帯(ここでいう金属薄帯には板幅と板厚の差が小さ
い細線状のものも含み、以下、「金属薄帯」という。)
を製造する液体急冷法において用いられる溶融金属供給
方法および溶融金属保持容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば金属薄帯を製造するための液体急
冷法として、1個の高速回転している冷却ロール上に溶
融金属を供給して金属薄帯を得る単ロール法や、1対の
高速回転している冷却ロール間に溶融金属を供給して金
属薄帯を得る双ロール法などがある。液体急冷法により
金属薄帯を得る方法について、例えば単ロール法を例に
とって説明する。
【0003】単ロール法とは、概略的には図3に示すよ
うに、溶融金属を高速回転している冷却ロール6の表面
に噴出し、噴出された溶融金属を冷却ロール6上で急冷
凝固させて連続的に金属薄帯5を得る方法であり、溶融
金属2は、例えばタンディッシュ7に収容、保持された
後、噴出ノズル8を介して冷却ロール6の表面に、タン
ディッシュ7内の溶湯静圧に応じて噴出される。
【0004】ここでは、溶融金属は冷却ロール6の横か
ら噴出させるように構成しているが、実際には、例えば
真上や斜め上の位置から噴出させるように構成すること
もある。この単ロール法で得られる金属薄帯5は、冷却
ロール6上に良く張り付いているので、連続鋳造するた
めに、剥離ノズル9からガスを吹き付ける方法などによ
り金属薄帯5を冷却ロール6上から剥離している。
【0005】このようにして、連続鋳造により金属薄帯
を得る場合、タンディッシュ内の湯面高さの変動は即、
冷却ロールへ噴出される溶融金属の供給量の変動を招
き、結果として得られる金属薄帯の板厚に変動を生じさ
せる。板厚変動が大きいことは、工業材料として用いる
場合には大きな品質欠陥となることが多い。なかでも、
例えばアモルファス合金薄帯のような極薄の金属薄帯を
製造する場合には、板厚変動の品質に及ぼす影響が大き
いため、板厚変動はおよそ±5%以下に抑えることの要
請が強い。このような要請に応えて板厚変動の小さい金
属薄帯を得るためには、タンディッシュへ供給する溶融
金属の供給量の変動を極力小さくする必要がある。
【0006】そこで、溶融金属の供給量の変動を小さく
する供給制御方法として、例えば特開平1−34550
号公報記載の方法が提案されている。この方法は、タン
ディッシュの上部の溶融金属保持容器(例えば取鍋)か
ら、タンディッシュに溶融金属を供給する場合に、該溶
融金属保持容器に取り付けたストッパーで供給量を制御
し、供給量の変動を小さくするために、溶融金属を供給
中のタンディッシュ内の溶融金属の重量を測定し、この
測定値を基に該溶融金属保持容器に取り付けたストッパ
ーの昇降速度および位置を制御して溶融金属の供給量を
制御する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−34550号公報記載の方法では、溶融金属保
持容器からタンディッシュに溶融金属を供給中に、タン
ディッシュの重量を測定し、その測定値を基に溶融金属
保持容器のストッパーの昇降速度および位置を逐次制御
する必要があることから、供給制御が複雑となるばかり
でなく、測定装置や演算装置を搭載するために設備コス
トが嵩み、製造コストが高くなるという問題がある。
【0008】本発明は、単ロール法や双ロール法等の液
体急冷法を用いて、極薄の金属薄帯を製造する場合にお
いて、上記のような問題を解消するものであって、冷却
基盤上への溶融金属の供給制御を、容易に、かつ、安価
に実現可能とする溶融金属供給方法および溶融金属保持
容器を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明は、
溶融金属を移動する冷却基板上で急冷凝固させる液体急
冷法により金属薄帯を製造する際に、噴出ノズル上部に
配設される溶融金属保持容器として、底部開口部の上端
になる底面から溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )が
0.5m以上10m以下で、この最大高さ(h0 )にお
ける容器内の水平方向断面積(A0 )が最大高さ(h0
)から容器の底面に向かうにつれて減少する形状を有
し、任意高さ(h)での容器内の水平方向断面積(A)
が下記(1)式で示される関係を満足するように形成さ
れた容器を用い、この容器の底部の開口部から溶融金属
を供給することを特徴とする金属薄帯製造のための溶融
金属供給方法であり、 A/A0 ≦(0.75/h0 )×h+0.25 ・・・(1) 第二の発明は、第一の発明において、底部開口部の上端
になる底面から溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )が
0.5m以上5m以下で、この最大高さ(h0)におけ
る容器内の水平方向断面積(A0 )が0.2m2 以上1
0m2 以下であることを特徴とする金属薄帯製造のため
の溶融金属供給方法である。
【0010】また第三の発明は、底部開口部の上端にな
る底面から溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )が0.
5m以上10m以下で、この最大高さ(h0 )における
容器内の水平方向断面積(A0 )が最大高さ(h0 )か
ら容器の底面に向かうにつれて減少する形状を有し、任
意高さ(h)での容器内の水平方向断面積(A)が下記
(1)式で示される関係を満足するように形成されたこ
とを特徴とする金属薄帯製造のための溶融金属保持容器
であり、 A/A0 ≦(0.75/h0 )×h+0.25 ・・・(1) 第四の発明は、第三の発明において、底部開口部の上端
になる底面から溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )が
0.5m以上5m以下で、この最大高さ(h0)におけ
る容器内の水平方向断面積(A0 )が0.2m2 以上1
0m2 以下のものであることを特徴とする金属薄帯製造
のための溶融金属保持容器である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、溶融金属を移動する
冷却基板上で急冷凝固させる液体急冷法により、例えば
アモルファス金属薄帯、その他の極薄の金属薄帯などの
金属薄帯を製造する際に、噴出ノズル上部に配設される
溶融金属保持容器の溶融金属収容領域(容器底面から製
造中に管理する溶融金属の湯面の最大高さまでの領域で
あり、以下、「溶融金属収容領域」という。)の内部形
状に特徴を有している。
【0012】ここでいう溶融金属保持容器とは、噴出ノ
ズル上部に配設されて溶融金属を収容、保持するための
ものであり、具体的には、溶融金属を得るための溶解
炉、溶解炉からの溶融金属を収容する取鍋、あるいは、
これらの機能の2つ以上を同時に兼備したもの、例えば
溶解機能を備えた取鍋等を指している。
【0013】本発明で特定する内部形状を有する溶融金
属保持容器は、噴出ノズル上に配設される溶融金属保持
容器の1個以上に適用するものであり、タンディッシュ
の上部に溶融金属保持容器を配設する場合には、少なく
とも、このタンディッシュ上部の溶融金属保持容器に適
用することが好ましい。
【0014】以下に、本発明を図に基づいて具体的に説
明する。図1は、溶融金属を移動する冷却基板上で急冷
凝固させる液体急冷法を実施する、単ロール薄帯製造装
置例において、タンディッシュの上部に本発明の溶融金
属保持容器を配設した場合について模式的に示したもの
である。
【0015】図1において、溶融金属保持容器1に収
容、保持される溶融金属2は、この容器1の下部に設け
たロングノズル3を介してタンディッシュ7に供給され
る。タンディッシュ7に収容された溶融金属2は、タン
ディッシュストッパー10の操作により開度調整された
開口部7oを経て、噴出ノズル8に供給され、このノズ
ルから高速回転する冷却ロール6の表面に噴出され、こ
の冷却ロールで冷却されて金属薄帯5となる。
【0016】本発明では、ここで溶融金属を収容、保持
する溶融金属保持容器1の内部形状条件に特徴を有して
いる。本発明で用いる溶融金属保持容器1は、模式図で
ある図2に示すように、底部開口部1oの上端になる底
面1fから溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )を0.
5m以上10m以下とし、この容器1内の水平方向断面
積(A0 )が、最大高さ(h0 )から容器1の底面方向
に向かうにつれて減少し、この容器1内の任意高さ
(h)での容器1内の水平方向断面積(A)が下記
(1)式の関係を満足する形状を有するものであること
を特徴とするものである。 A/A0 ≦(0.75/h0 )×h+0.25 ・・・(1)
【0017】この関係式を満足するような形状の溶融金
属保持容器1を用いれば、タンディッシュ7への溶融金
属2の供給量の変動を、従来の溶融金属保持容器に比較
して格段に小さくでき、金属薄帯の板厚変動を小さくで
きる。なかでも、溶融金属収容領域の最大高さ(h0 )
における容器内の水平方向断面積(A0 )が0.2m2
以上10m2 以下で、かつ容器1の最大高さ(h0 )を
0.5m以上5m以下として、上記(1)式を満足させ
た場合に、より効果が顕著である。
【0018】この本発明の溶融金属保持容器1を、図2
を用いてさらに詳細に説明する。ここでいう「最大高さ
(h0 )」とは、容器1内の底部開口部1oの上端にな
る底面1fから溶融金属収容領域の最上部までの垂直方
向距離であり、「容器内の水平方向断面積(A0 )」と
は最大高さ(h0 )における容器1内の水平方向断面積
であり、「容器内の任意高さ(h)」とは、容器1内の
底面1fから溶融金属収容領域の最上部までの間の任意
の位置での、この容器1内の底面1fからの垂直距離
で、「容器の任意高さ(h)での水平方向断面積
(A)」とは、容器1内の任意高さ(h)における水平
方向断面積である。
【0019】本発明者等は、主にFe−B−Si−C系
の合金を溶融して、溶融金属とし、これを液体急冷法中
の単ロール法により急冷凝固させてアモルファス金属薄
帯を製造する場合において、水平方向断面積を上下方向
で変化させた溶融金属保持容器に収容し、この溶融金属
の湯面高さ、湯面面積とタンディッシュに対する溶融金
属の供給量との関係を明らかにするため、溶融金属の供
給実験を行うと同時に、得られたアモルファス金属薄帯
の板厚変動の調査を行い、溶融金属の供給量の変動と板
厚変動との関係について検討を行った。
【0020】その結果、溶融金属保持容器1の底部開口
部1oの開度を固定しても、この容器内の水平方向断面
積を、この容器の底面1f方向に向かうにつれて減少さ
せた場合、この容器の水平方向断面積の形状によらず、
溶融金属の供給量の変動が減少し、金属薄帯の板厚変動
が減少する傾向があることを見出した。
【0021】そこで、溶融金属保持容器内の形状を逆円
錐台型として、さらに実験、検討を繰り返した結果、上
記(1)式の関係を満たす形状を有する容器であれば、
得られるアモルファス金属薄帯の板厚変動をほとんど問
題とならないレベルまで減少させられることを確認する
に至った。これが、本発明において溶融金属保持容器の
形状を上記(1)式で規定した理由である。
【0022】本発明による溶融金属保持容器の形状は、
容器内部の溶融金属収容領域の形状が上記(1)式の関
係を満たしていれば良く、図4(a)に示す逆円錐台
型、図4(b)に示す逆角錐台型や、図4(c)に示す
ような容器1の底面1fに向かうにつれて、水平方向断
面積が複数段で減少する形状や、図4(d)または図4
(e)に示すような、内側面が外向きまたは内向きの曲
面になっており、容器1の底面1fに向かうにつれて容
器1内の水平方向断面積が減少する形状でも良い。容器
外部の形状は特に規定するものではない。
【0023】本発明では、上記のような内部形状を有す
る溶融金属保持容器を採用するため、例えば溶融金属2
をこの溶融金属保持容器1を介してタンディッシュ7に
供給するようにした場合、タンディッシュ7に溶融金属
2を供給中に、容器ストッパー4の位置を所定の位置に
固定してよいことから、従来のような、タンディッシュ
7の重量を測定し容器ストッパー4の位置を上下して溶
融金属2の供給量を制御することが必要でなくなるの
で、溶融金属2を、容易に、かつ、安価に供給量の変動
を小さくしてタンディッシュ7に供給することが可能と
なる。
【0024】容器ストッパー4の位置は、タンディッシ
ュ7への供給開始時に一旦所定量だけ上昇させ固定すれ
ばよく、タンディッシュ7への溶融金属2の供給を終了
するまで、そのままの位置にして、溶融金属2を供給す
ることができる。
【0025】もちろん、必要に応じて容器ストッパー4
の位置を変更させることで、さらに良い精度で溶融金属
2の供給量を実現できるが、この時の容器ストッパー4
の位置の制御は、従来法に示されるように、逐次供給量
を測定して制御するのでなく、容器1内の湯面高さに応
じて、あらかじめ、実験や計算で算出した高さとなった
位置で数度変更するだけで、タンディッシュへ7の溶融
金属2の供給量の変化を小さく制御することが可能とな
る。
【0026】このようにして、溶融金属保持容器1から
タンディッシュ7へ溶融金属2を供給量変動を小さくし
てタンディッシュ7に供給し、タンディッシュストッパ
ー10を所定の位置に上昇させ、溶融合金2を高速回転
している冷却ロール6上に噴出して板厚変動の小さい良
好な金属薄帯5を製造することができる。
【0027】なお、図1,2では、容器ストッパー4を
用い、容器1の底部開口部1oの面積(開度)を調整
し、この開口部1oからの溶融金属2の供給量を制御し
て、溶融金属2をロングノズル3を介してタンディッシ
ュ7に供給しているが、本発明では、開口部1oの面積
(開度)を容器ストッパー4で制御することに限定する
わけではなく、例えばスライディングノズルなどを用い
て制御してもよい。
【0028】また、本発明を適用する基本的な薄帯製造
装置は、上記したように、溶融金属2を、噴出ノズル8
を介して冷却ロール6等の冷却基板上に噴出させ熱的接
触によって急冷凝固させる液体急冷装置の内、単ロール
薄帯製造装置または双ロール薄帯製造装置であり、これ
らの装置により、特に溶融金属の供給量の変動が板厚変
動に結び付きやすい、例えば前記したアモルファス金属
薄帯、その他の金属薄帯など極薄の金属薄帯を製造する
場合に本発明を適用して顕著な効果を奏するものであ
る。
【0029】前記の単ロール薄帯製造装置には、ドラム
の内壁を冷却基板とする遠心型液体急冷装置やエンドレ
スタイプのベルトを冷却基板とするベルト型液体急冷装
置や、これらの改良型、例えば補助ロールや、ロール表
面温度制御装置を付属させたもの、さらには減圧下ない
し真空中または不活性ガス中で鋳造を行う単ロール式の
鋳造装置等が含まれる。
【0030】本発明の溶融金属保持容器を用いる溶融金
属供給方法を採用する例えば単ロール薄帯製造装置で
は、冷却基板である冷却ロールに対する溶融金属の噴出
圧力は、0.01〜3kg/cm2 で、主にタンディッシュ
内の湯面高さを考慮して設定する。
【0031】冷却ロールの回転速度(表面速度)は5〜
60m/秒の範囲であり、溶融金属保持容器の内部形
状、サイズ、開口部径、ストッパー径、開口部の設定開
度等の条件は、製造対象条件、製造装置条件、操業条件
等に応じて最適な値を選択する。
【0032】
【実施例】図1に示すような単ロール薄帯製造装置を用
いて、Fe−B12−Si6.5 −C1 (原子%)合金を溶
融金属とし、この溶融金属による板厚55μmを目標と
したアモルファス金属薄帯を製造した。製造条件を下記
に示し、製造結果を表1に基づいて説明する。
【0033】[製造条件]合金の溶解は、図1に示すよ
うな高周波誘導方式の溶解機能(図示省略)を有する、
ストッパー4およびロングノズル3付きの取鍋を用いて
行った。この取鍋は、本発明による溶融金属保持容器1
として位置付けられるもので、ここでは溶解炉を兼ねる
ものである。
【0034】この取鍋1はアルミナ製で、内部の形状は
逆円錐台型とし、取鍋1の溶融合金収容領域の最大高さ
(h0 )を1500mm、最大高さ(h0 )での取鍋内径
を1000mm、取鍋1の底面1oの径を300mm、底部
中央部の開口部1oの径を30mmとした。
【0035】また、用いたロングノズル3はアルミナグ
ラファイト製の中空円管で、最上部の内径が30mm、最
下部の内径が12mm、長さが1mのものである。タンデ
ィッシュ7へ溶融金属2の供給を開始する前の取鍋1内
の溶融金属の湯面高さは250mmであった。
【0036】なお、取鍋ストッパー4は、ロングノズル
3と同じくアルミナグラファイト製で、長さ800mm、
径60mmの棒状体で先端から35mmまでの部分に球面部
(R120mmとR15mmの球面の組合せよりなる)を形
成したものである。
【0037】このストッパー4を5mm上昇させ、取鍋1
の底部開口部1oの開度を設定開度にして、取鍋1内の
溶融金属2をロングノズル3を経てタンディッシュ7へ
供給を開始し、直後にタンディッンュストッパー10を
20mm上昇させてタンディッシュ7の開口部7oの開度
を設定開度にして噴出ノズル8から冷却ロール6表面に
溶融金属2を噴出させ、金属薄帯5の製造を開始した。
【0038】なお、取鍋のストッパー4およびタンディ
ッシュストッパー10は、金属薄帯5の製造が終了する
までいずれも上昇させた位置で固定し、開口部の開度を
所定の開度に固定した。
【0039】比較例として、取鍋1以外の条件を実施例
と同様として、取鍋1の内部形状を一般的な形状(溶融
金属収容領域の内径を上部から底面1fまでほぼ同じに
した)とし、取鍋1の底面径を400mm、底部の中央部
の開口部1oの径を30mmとして、本発明の実施例と同
じ溶解量および湯面高さでアモルファス金属薄帯の製造
を行った。
【0040】[その他の製造条件] 取鍋内溶融合金温度:ストッパーに供給する時の温度1
350℃ ノズル8の開口形状:120mm×0.7mmの矩形状スリ
ットを1.5mm間隔に2本並べた開口 製造時の冷却ロール6の表面速度:20m/s ノズル8と冷却ロール6とのギャップ:0.3mm A/A0 の関係 本実施例:A/A0 =0.6×h+0.09 比較例 :A/A0 =1
【0041】
【表1】
【0042】上記の条件で製造した結果、実施例および
比較例ともに、幅がおよそ120mmで、全長がほぼ同じ
長さの金属薄帯5が得られた。得られた金属薄帯5を比
較例および実施例ともに長手方向で間隔を均等とした5
箇所の位置で、それぞれ長さ20mのサンプルを採取
し、それぞれのサンプルの重量を測定した。サンプル採
取位置は金属薄帯の先端側からそれぞれA,B,C,
D,Eとした。
【0043】その結果を、表1に示した。表1から明ら
かなように、サンプルの重量は実施例で0.99〜0.
94kg、比較例で0.99〜0.78kgであり、得られ
た金属薄帯の板厚はそれぞれおよそ57〜54μmと5
7〜45μmであった。
【0044】この金属薄帯の長手方向での板厚の変動
は、長手方向中央部(Cでの位置)を基準として、比較
例が最大およそ20%程度であるのに対し、本実施例で
は5%以内であり、板厚変動の小さい良好な金属薄帯が
得られた。
【0045】以上の結果から、本発明の溶融金属保持容
器を用いた溶融金属の供給方法を採用することにより、
タンディッシュに供給する溶融金属の供給量の変動を小
さくして板厚変動の小さい良好な金属薄帯を製造できる
ことが確認できた。
【0046】
【発明の効果】本発明により、単ロール法などの液体急
冷法において、例えば取鍋などの溶融金属保持容器から
タンディッシュへ溶融金属を供給する際に、容易に、か
つ、安価に、タンディッシュに供給する溶融金属の供給
量の変動を小さくすることが可能となり、板厚変動の小
さい良好な金属薄帯を低コストで安定生産することが可
能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した単ロール薄帯製造装置例を説
明するための模式図(側断面図)である。
【図2】本発明の溶融金属保持容器例を説明するための
模式図(側断面図)である。
【図3】単ロール薄帯製造装置例を説明するための模式
図(側断面図)である。
【図4】(a)図は本発明の溶融金属保持容器の内部形
状例を示す模式図、(b)図は本発明の溶融金属保持容
器の内部形状の他の例を示す模式図、(c)図は本発明
の溶融金属保持容器の内部形状の他の例を示す模式図、
(d)図は本発明の溶融金属保持容器の内部形状の他の
例を示す模式図、(e)図は本発明の溶融金属保持容器
の内部形状の他の例を示す模式図。
【符号の説明】
1 溶融金属保持容器(取鍋) 1o 開口部 1f 底面 2 溶融金属 3 ロングノズル 4 容器ストッパー 5 金属薄帯 6 冷却ロール 7 タンディッシュ 7o 開口部 8 噴出ノズル 9 剥離ノズル 10 タンディッシュストッパー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を移動する冷却基板上で急冷凝
    固させる液体急冷法により金属薄帯を製造する際に、噴
    出ノズル上部に配設される溶融金属保持容器として、底
    部開口部の上端になる底面から溶融金属収容領域の最大
    高さ(h0 )が0.5m以上10m以下で、この最大高
    さ(h0 )における容器内の水平方向断面積(A0 )が
    最大高さ(h0 )から容器の底面に向かうにつれて減少
    する形状を有し、任意高さ(h)での容器内の水平方向
    断面積(A)が下記(1)式で示される関係を満足する
    ように形成された容器を用い、この容器の底部開口部か
    ら溶融金属を供給することを特徴とする金属薄帯製造の
    ための溶融金属供給方法。 A/A0 ≦(0.75/h0 )×h+0.25 ・・・(1)
  2. 【請求項2】 溶融金属保持容器として用いる容器が、
    底部開口部の上端になる底面から溶融金属収容領域の最
    大高さ(h0 )が0.5m以上5m以下で、この最大高
    さ(h0 )における容器内の水平方向断面積(A0 )が
    0.2m2 以上10m2 以下のものであることを特徴と
    する請求項1記載の金属薄帯製造のための溶融金属供給
    方法。
  3. 【請求項3】 底部開口部の上端になる底面から溶融金
    属収容領域の最大高さ(h0 )が0.5m以上10m以
    下で、この最大高さ(h0 )における容器内の水平方向
    断面積(A0 )が最大高さ(h0 )から容器の底面に向
    かうにつれて減少する形状を有し、任意高さ(h)での
    容器内の水平方向断面積(A)が、下記(1)式で示さ
    れる関係を満足するように形成されたことを特徴とする
    金属薄帯製造のための溶融金属保持容器。 A/A0 ≦(0.75/h0 )×h+0.25 ・・・(1)
  4. 【請求項4】 底部開口部の上端になる底面から溶融金
    属収容領域の最大高さ(h0 )が0.5m以上5m以下
    で、この最大高さ(h0 )における容器内の水平方向断
    面積(A0 )が0.2m2 以上10m2 以下のものであ
    ることを特徴とする請求項3記載の金属薄帯製造のため
    の溶融金属保持容器。
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