JPH10311799A - 継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵検出方法 - Google Patents

継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵検出方法

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JPH10311799A
JPH10311799A JP13760997A JP13760997A JPH10311799A JP H10311799 A JPH10311799 A JP H10311799A JP 13760997 A JP13760997 A JP 13760997A JP 13760997 A JP13760997 A JP 13760997A JP H10311799 A JPH10311799 A JP H10311799A
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plug
slit
slit light
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Manabu Nakamura
学 中村
Yoshihiko Ishikawa
吉彦 石川
Ko Okuyama
耕 奥山
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵を自動的
に精度良く検出できる手段を提供する。 【解決手段】 例えば図5の装置を用い、検体である継
目無し鋼管穿孔用プラグの表面にレ−ザスリット光13を
“プラグの軸方向とほぼ垂直な複数の方向”から照射す
ると共に、プラグ表面に投影された前記スリット光13を
プラグの軸方向前方からカメラ5により撮像し、この撮
像したスリット光投影画を画像処理装置によって線画
(スリット線)として抽出して、 そのスリット線の形状
に基づいて検体の表面疵の有無を検出するに当り、 前記
“スリット線”と“このスリット線を基に最小自乗法に
より近似させて作成される近似楕円”との偏差の大小に
より疵であるか否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、継目無し鋼管の穿孔
に用いられるプラグの表面疵を的確に精度良く検出する
ことができる表面疵の検出方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】継目無し鋼管の穿孔に用いられ
るプラグは砲弾型の紡錘形状をしており、そのため先端
部は他の部位に比較して熱容量が相対的に小さく、しか
も穿孔の際には強圧下を受けるので、穿孔作業中に部分
的な熱溶損を起こして表面疵が生じやすい。このような
先端部の熱溶損に限るものではないが、プラグの表面に
溶損部が発生すると、プラグは形状不良の状態となり、
穿孔後の鋼管に内面の性状不良や肉厚精度の不良を来す
ことになるため、できるだけ早期にプラグ自身の表面疵
を発見する必要がある。
【0003】しかし、従前は、定期的な目視観察によっ
て継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵を検出する以外に
は適当な手段が見当たらず、そのため、見逃しによる溶
損部検出の遅れが生じたり、観察者による熱溶損許容範
囲の判断バラツキから溶損部発見に遅れを生じたりして
穿孔された鋼管に品質不良を来たすという事態を根絶す
ることができなかった。また、観察者による熱溶損許容
範囲の判断バラツキはプラグ廃棄の時期を早める結果を
招くこともあり、これがコスト増となって不利益をもた
らす場合もしばしばであった。
【0004】このため、本出願人は、継目無し鋼管穿孔
用プラグ溶損部の早期かつ自動的な検出を可能ならしめ
るため、先に、次のような“継目無し鋼管穿孔用プラグ
表面疵の検出手段”を提案した(特開平8−15164
号)。
【0005】即ち、図5及び図6は上記先の提案に従っ
た“継目無し鋼管穿孔用プラグ表面疵の検出に用いる装
置”の説明図(図5は側面説明図、 図6は要部正面説明
図)であり、符号1はレ−ザ光源、2はシリンドリカル
レンズ、3はビ−ムスプリッタ、4, 4′は反射ミラ−、
5は検体であるプラグの軸方向前方に対向配置されたC
CDカメラであり、これらは何れも架台6に把持されて
いる。また、反射ミラ−4及びCCDカメラ5はそれぞ
れ可動機構7, 7′に支持されており、何れも検体である
プラグの軸方向に移動可能で、特にCCDカメラ5は反
射ミラ−4に追従して移動するようになっている。そし
て、符号8はCCDカメラ5の前面に取付けられた外乱
光の影響を低くするための干渉フィルタ−、9は可動機
構7′に取付けられた位置検出器、10は架台6に設けら
れた光学窓であり、粉塵等の影響が光学窓の汚れだけで
済むように保守性への配慮がなされている。更に、符号
11は画像処理装置、12は疵判定装置である。
【0006】さて、先の提案によると、上記装置によっ
て継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵を検出するが、表
面疵の検出に当っては、まず検査を受けるプラグが図示
した所定位置に配置される。そして、このプラグの表面
に向けてレ−ザ光源1よりレ−ザ光が照射される。する
と、プラグ表面に照射されたスリット光13はプラグの表
面に“照射箇所の曲面に沿った光の帯(投影スリット
光:スリット光投影画)"を描き出すが、この投影スリッ
ト光をプラグの軸方向前方に対向配置されたCCDカメ
ラ5により撮像する。なお、このとき、プラグの軸線と
CCDカメラ5の撮像軸線とが一致するように両者の配
置位置は調整されている。また、反射ミラ−4は可動機
構7により支持されており、この可動機構7によって反
射ミラ−4をプラグの軸方向に移動させスリット光13の
照射位置(即ち検査位置)を変更するようになってい
る。同様に、CCDカメラ5も可動機構7′で支持さ
れ、反射ミラ−4に追従してプラグの軸方向に移動する
ようにされており、そのため常にスリット光照射位置に
ピントが合った状態で投影スリット光の撮像を行う。上
述のようにして、設定されたピッチ毎にプラグ軸方向の
各位置で投影スリット光(スリット光投影画)の撮像を
行うが、撮像した投影スリットは画像処理装置11により
画像処理を施して投影スリット光の中心線だけの単純な
線画(スリット線)とする。この場合、「“レ−ザスリ
ット光をプラグの軸方向と垂直な方向からプラグの表面
に照射した時に観察される投影スリット光”をプラグ軸
方向前方から撮像すると、 もしもプラグ表面のスリット
光投影部位が完全に健全であれば、撮像された投影スリ
ット光は“円弧の一部”となっているかあるいはスリッ
ト光を投影する方向の数によっては“完全な円”となっ
ている筈であるが、 プラグ表面のスリット光投影部位に
熱溶損等の疵が発生しているならば投影スリット光は疵
の形状に応じて変形するために撮像される投影スリット
光が円弧又は円ではなくなり歪んだ形状のものとなる」
として、疵判定装置12により“投影スリット光を画像処
理して得られた各スリット線”と“これに近似する真
円”とを対比し、各スリット線について該近似する真円
からの偏差を算出して、その偏差の大小を予め設定した
“しきい値(閾値)”により弁別することで疵(溶損
等)であるか否かを判定する。
【0007】そして、この“先の提案手段”では、画像
処理して得られたスリット線の形状変化を定量的に評価
して疵(溶損)の判定を行うため、健全なプラグとの比
較を行う必要がなくて判定を極めて簡易に行うことがで
きることから、プラグの管理基準にバラツキが生じるこ
とがなく適切な管理が可能になると考えられた。
【0008】ところが、本発明者等は、前記“先の提案
手段”を実際に適用し、長期にわたり各種のプラグにつ
いて表面疵(溶損)の検出を行ってきた過程で、プラグ
表面が健全面であるにもかかわらずその判定結果が「疵
有り」となってしまうことが多々生じたことから、表面
疵の検出精度の更なる改善が必要であるとの結論を持つ
に至った。そのため、本発明が目的としたのは、プラグ
の種類によらず表面疵(熱溶損部を主とする表面疵)の
検出を全周にわたって常に的確かつ自動的に行うことが
できる継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵検出手段を確
立することであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行ったところ、前記“先の提案
手段”では「プラグ表面のスリット光投影部位が完全に
健全であれば撮像された投影スリット光は“円弧の一
部”となっているかあるいはスリット光を投影する方向
の数によっては“完全な円”となっている」として疵の
判定を行っている点に大きな問題のあることが明らかと
なった。
【0010】即ち、“先の提案手段”において「スリッ
ト線の近似真円からの偏差の大小」で疵を検出できるの
は、カメラの撮像軸線とプラグの軸線が完全に一致して
いる場合のみである。つまり、カメラの撮像軸線とプラ
グの軸線が一致しているときに限って“撮像したプラグ
健全面への投影スリット光”は真円あるいは真円の一部
となり得るので、これを画像処理して得られるスリット
線と“それに近似する真円”とを対比して疵の存在を判
定できるものの、カメラの撮像軸線とプラグの軸線が一
致しない場合には“プラグ健全面への投影スリット光”
であっても撮像したものは真円あるいは真円の一部とは
なり得ずに歪んでしまい、画像処理して得られたスリッ
ト線が近似真円と大きな偏差を生じていたとしてもそれ
が疵を意味するのがどうかを判定することができなくな
る筈である。
【0011】しかるに、次の理由から、カメラの撮像軸
線とプラグの軸線を完全に一致させることは実際には極
めて困難であることを知った。なぜなら、“先の提案手
段”によってプラグの表面疵を検出する際にはプラグは
その後端を“芯金”と呼ばれる円柱状の金属棒で支えら
れて表面疵検査装置の所定位置に配置されることになる
が、このとき前記芯金にはプラグの自重(20〜100
kg超程度)によってどうしても多少のたわみが生じる。
そして、このたわみの程度は一定ではなく、プラグの重
さ(即ちプラグの種類)によって当然に異なる。ここ
で、カメラの撮像軸線は常に一定方向を指していること
から、上述のように芯金にプラグの重さに応じたたわみ
が生じるということは、カメラからみたプラグの軸線方
向が“検査するプラグの重さ”によって変化することを
意味するものである。そのため、例え1つのプラグを用
いてカメラの撮像軸線とプラグの軸線とが一致するよう
に調整したとしても、重さの異なる別のプラグを検査す
るときには、図1に示すように、プラグの軸線方向がカ
メラの撮像軸線からずれてしまうことになる。
【0012】従って、カメラの撮像軸線とプラグの軸線
とがずれている状態でスリット光をプラグの健全面に照
射して撮像した“投影スリット光”を画像処理すると、
図2に示したように、スリット線の形状は「楕円」また
は「楕円の一部をなす弧」となる。そのため、このスリ
ット線を基にして“近似真円”からの偏差の大小により
疵判定を行うと、前記軸線のずれの程度によってはスリ
ット線(楕円又は楕円の一部をなす弧)と近似真円との
間に“設定したしきい値”を超える偏差が発生すること
があるから、健全面であるにもかかわらずその判定結果
は「疵有り」となってしまう。また、カメラの撮像軸線
の調整不具合が生じてもこの場合と同様の結果が生じ
る。
【0013】上述のような問題点を解明した本発明者等
は、更に、カメラの撮像軸線とプラグの軸線がずれてい
る状態ではプラグの健全面において撮像した投影スリッ
ト光の形状が前述したように「楕円」又は「楕円の一部
をなす弧」となることに着目した。そして、疵判定装置
において、投影スリット光を画像処理して得た“スリッ
ト線”を“これに近似する真円”と対比するのではなく
て“該スリット線に近似する楕円”と対比し、この楕円
からの偏差を算出してその大小を予め設定した“しきい
値”により弁別することにより、的確な疵判定を行える
ことを知見するに至った。
【0014】本発明は上記知見事項等に基づいて完成さ
れたものであり、「“先の提案手段”と同様に、 検体プ
ラグの表面にレ−ザスリット光を“プラグの軸方向とほ
ぼ垂直な複数の方向”から照射すると共に、 プラグ表面
に投影された前記スリット光(投影スリット光)をプラ
グの軸方向前方から撮像し、 この撮像したスリット光投
影画(投影スリット光)を画像処理装置によって線画
(スリット線)として抽出して、 そのスリット線の形状
に基づいて検体である継目無し鋼管穿孔用プラグの表面
疵の有無を検出するに当り、 前記“スリット線”と“こ
のスリット線を基に最小自乗法により近似させて作成さ
れる近似楕円”との偏差の大小により疵であるか否かを
判定することを特徴とする、 継目無し鋼管穿孔用プラグ
の表面疵検出方法」を提供するものである。
【0015】ここで、レ−ザスリット光の照射方向を
「プラグの軸方向とほぼ垂直な方向」としたのは次の理
由による。即ち、前述したように検査時のプラグの軸方
向は検査するプラグの重さによって多少の変化を生じる
ので、1つの検体を基にしてその軸方向と垂直な方向か
らレ−ザスリット光が照射されるように調整がなされて
いたとしても、検体(プラグ)が変わると照射方向が
“検体軸方向に垂直な方向”から多少ずれるおそれが出
てくる。しかし、このように“レ−ザスリット光の照射
方向”と“検体軸方向に垂直な方向”とに多少のずれが
生じても本発明方法による判定精度には影響はなく、レ
−ザスリット光の照射方向を厳密に“検体軸方向に垂直
な方向”に調整しなくても良いことから、「プラグの軸
方向とほぼ垂直な方向」とした。
【0016】さて、本発明に係る継目無し鋼管穿孔用プ
ラグの表面疵検出方法においても、やはり図5に示した
ような“先に提案した表面疵検査装置”と同様の装置が
使用され、表面疵の検査手順もほぼ“先の提案手段”と
同様である。即ち、図5で示すように、検査を受けるプ
ラグが所定位置に配置されると、このプラグの表面に向
けてレ−ザ光源1よりレ−ザ光が照射される(レ−ザ光
源としては例えばHe−Ne等のガスレ−ザや半導体レ−ザ
を使用することができる)。レ−ザ光源1より射出され
たレ−ザ光は、まずシリンドリカルレンズ2によってス
リット形状に変換される。そして、スリット形状に変換
されたレ−ザ光(スリット光13)は更にビ−ムスプリッ
タ3により2つのスリット光束に分割され、分割された
各スリット光13はそれぞれ反射ミラ−4, 4′を介してプ
ラグの軸方向とほぼ垂直な方向からプラグ表面に照射さ
れる。プラグ表面に照射されたスリット光13は、プラグ
の表面に照射箇所の曲面に沿った光の帯(投影スリット
光)を描き出すが、この投影スリット光をプラグの軸方
向前方に対向配置されたCCDカメラ5により撮像す
る。
【0017】投影スリット光の撮像については、プラグ
自身をその軸方向に移動させるか、もしくはスリット光
の投影位置と撮像器(カメラ)の位置を変化させること
なくこれらを対でプラグ軸方向に移動するようにすれ
ば、溶損等による疵のでやすいプラグ先端部のみでな
く、プラグのほぼ全面を検査することができる。なお、
図5に示した実施例装置では、反射ミラ−4及びCCD
カメラ5を移動することによりプラグ軸方向の複数の位
置での投影スリット光の撮像が可能なように図られてい
る。即ち、この装置では反射ミラ−4は可動機構7によ
り支持されており、この可動機構7によって反射ミラ−
4をプラグの軸方向に移動させスリット光の照射位置
(即ち検査位置)を変更するようになっている。同様
に、CCDカメラ5も可動機構7′で支持し、反射ミラ
−4に追従してプラグの軸方向に移動するようにされて
おり、そのため常にスリット光照射位置にピントが合っ
た状態で投影スリット光の撮像を行うことが可能であ
る。
【0018】設定されたピッチ毎にプラグ軸方向の各位
置で撮像した投影スリット光(スリット光投影画)は、
画像処理装置11で画像処理が施されて投影スリット光の
中心線だけの単純なスリット線とされる。続いて、本発
明では、疵判定装置12において“これら各スリット線”
の“これに近似する楕円”からの偏差を算出し、その大
小により疵(溶損等)であるか否かを判定する。即ち、
疵判定装置12において“スリット線”のこれに近似する
楕円”からの偏差を算出し、その大小を予め設定した
“しきい値”により弁別することにより疵判定を行う。
【0019】前記投影スリット光からのスリット線の抽
出や、“各スリット線”と“これに近似する楕円”との
対比は、例えば次のようにして行うことができる。即
ち、まず、CCDカメラ5により撮像された投影スリッ
ト光をA/D変換器によってりA/D変換処理して画像
メモリにデジタル信号として記憶させ、記憶させた投影
スリット光を別の画像メモリに転送されるタイミングで
適当な“しきい値”により2値化した後、細線化処理等
を施し、これより投影スリット光の中心位置を算出して
スリット線抽出画を後者の画像メモリに記憶させる。次
に、プラグの軸方向に反射ミラ−4及びCCDカメラ5
を移動し、可動機構7′に取付けられた位置検出器9の
出力を基に予め設定された検査ピッチ毎に次の投影スリ
ット光をCCDカメラ5により撮像する。そして、撮像
された投影スリット光を先と同様に画像メモリにデジタ
ル信号として記憶させ、また記憶させた投影スリット光
を先と同様に画像処理して別の画像メモリにおいて先に
記憶されたスリット線抽出画の上に重ね書きする。以
降、同様の手順を繰り返えして、プラグ軸方向の検査ピ
ッチに応じて各位置のスリット線抽出画を重ね書きし、
最終的にプラグの検査領域全体のスリット線抽出画の合
成画を後者の画像メモリに作成する。
【0020】この合成画では、溶損のある箇所ではスリ
ット光が変形しているので観測が可能である。即ち、画
像処理装置11によりスリット線合成画が得られると、こ
れを基に次の疵判定装置16で疵(溶損等)であるか否か
の自動判定がなされる。判定ロジックとしては、各スリ
ット線を基にその楕円を近似し、この近似楕円と実際の
スリット線との偏差の大小を予め設定した“しきい値”
により弁別する手法を採用する。この疵判定のロジック
を図3により説明する。
【0021】まず、スリット線を構成する画像メモリ上
の座標(Xi ,Yi )を求める。ここで、「i=1,
2,…,n(nは点の数)」とする。そして、座標(X
i ,Yi )を最も良く近似し得るような楕円を求める。
具体的には、楕円の式「X2 +AY2 +BXY+CX+
DY+E=0」に最小自乗法を適用して、Σ(Xi 2
AYi 2 +BXi i +CXi +DYi +E)が最小と
なるような(A,B,C,D,E)の組を計算で求め
る。次に、得られた楕円の式から楕円中心を求める。楕
円中心は、求めたA〜Eに対して「(Xc ,Yc )=
{(BD−2AC)/(4A−B2),(BC−2D)/
(4A−B2)}である。
【0022】このように、近似楕円とその中心を算出し
た後、スリット線の各座標(Xi ,Yi )と楕円中心を
通る直線が近似楕円と交わる点(Xdi ,Ydi )を求
め、(Xi ,Yi )と(Xdi ,Ydi )との距離を偏
差(図2を参照)として求める。そして、求めた偏差が
設定値(しきい値)を超えたときに「疵有り」の判定を
する。なお、設定した値(しきい値)以上の偏差が全ス
リット線の中に1つでもあれば不良とするか、あるいは
その個数がある値以上になった時に不良とするかは任意
に決めれば良い。
【0023】上述のような本発明法によると、カメラの
撮像軸線とプラグの軸線とにズレが生じていたとしても
疵の判定精度が低下することがなく、プラグの管理基準
を定量的かつ適切に設定することが可能となって、判断
のバラツキを無くすることが叶う。続いて、本発明の効
果を実施例により具体的に説明する。
【0024】
【実施例】図5に示す如き継目無し鋼管穿孔用プラグの
表面疵検出装置を用い、深さ2mmの疵を有するプラグに
対して表面疵検出試験を行った。この試験においては、
まずカメラの撮像軸線とプラグの軸線とがなす角(θ)
を0°〜20°まで変化させ(即ち各々の軸線を数段階
にわたってずらせ)、その各状態で投影スリット光を撮
像した。そして、画像処理によりそれら各投影スリット
光をスリット線とし、本発明手段(スリット線を近似楕
円と対比する手段)と先の提案手段(スリット線を近似
真円と対比する手段)とにより、疵部における線画(ス
リット線)の近似曲線との偏差を各々算出した。この結
果を図4に示す。
【0025】図4に示される結果から明らかなように、
先の提案手段に従う“近似真円を用いた偏差算出方法”
では、カメラの撮像軸線とプラグの軸線のズレが大きく
なるに従って“疵深さの測定精度”は次第に悪化する。
特に、カメラの撮像軸線とプラグの軸線がなす角度
(θ)が20°のときには約2mmもの測定誤差が生じ
た。
【0026】これに対して、本発明手段に従う“近似楕
円を用いた偏差算出方法”では、カメラの撮像軸線とプ
ラグの軸線とのズレに関係なく“疵深さの測定誤差”は
画像処理段階で発生する 0.2mm程度で一定しており、こ
の方法による前記偏差は適正な判断基準となることが分
かる。
【0027】ここで、プラグの表面疵は「スリット線の
近似曲線からの偏差の大小」によって検出するのである
から、カメラの撮像軸線とプラグの軸線とのズレに関係
なく前記偏差がプラグの表面状態と適切に対応している
ことが疵判定精度を高める上で極めて重要となる。しか
るに、上述の如く、本発明手段に従う“近似楕円を用い
た疵判定手法”では、算出される“スリット線の近似曲
線からの偏差”はカメラの撮像軸線とプラグの軸線との
ズレによらずプラグの表面状態と適切に対応しているこ
とから、先の提案手段に比べて疵の判定精度が大幅に向
上する上、表面疵検査装置の取り扱いや保守性の面でも
大きな便益がもたらされる。
【0028】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、プラグの種類によらず誤判定なしに高精度の表面疵
判定ができる上、カメラの撮像軸線とプラグの軸線を完
全に一致させなくても判定精度が低下することのないよ
り実際的な表面疵検出方法を提供することができ、継目
無し鋼管の穿孔用プラグに生じた表面疵の検知を自動的
に早期かつ高精度で行うことが可能となるなど、産業上
極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】“先の提案手段”で起きがちな投影スリット光
を撮像する際のカメラ撮像軸線とプラグ軸線との関係を
示した説明図である。
【図2】カメラ撮像軸線とプラグ軸線とにズレが生じて
いる場合の“撮像した投影スリット光を画像処理したス
リット線”の説明図である。
【図3】本発明に係る“継目無し鋼管穿孔用プラグの表
面疵判定方法”の疵判定ロジックの説明図である。
【図4】実施例での試験結果を整理したグラフである。
【図5】“継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵検査装
置”の側面説明図である。
【図6】“継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵検査装
置”の要部正面説明図である。
【符号の説明】
1 レ−ザ光源 2 シリンドリカルレンズ 3 ビ−ムスプリッタ 4 反射ミラ− 4′反射ミラ− 5 CCDカメラ 6 架台 7 可動機構 7′可動機構 8 干渉フィルタ 9 位置検出器 10 光学窓 11 画像処理装置 12 疵判定装置 13 スリット光

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体プラグの表面にレ−ザスリット光を
    “プラグの軸方向とほぼ垂直な複数の方向”から照射す
    ると共に、プラグ表面に投影された前記スリット光をプ
    ラグの軸方向前方から撮像し、この撮像したスリット光
    投影画を画像処理装置によって線画として抽出して、そ
    の線画の形状に基づいて検体である継目無し鋼管穿孔用
    プラグの表面疵の有無を検出するに当り、前記“線画”
    と“この線画を基に最小自乗法により近似させて作成さ
    れる近似楕円”との偏差の大小により疵であるか否かを
    判定することを特徴とする、継目無し鋼管穿孔用プラグ
    の表面疵検出方法。
JP13760997A 1997-05-13 1997-05-13 継目無し鋼管穿孔用プラグの表面疵検出方法 Pending JPH10311799A (ja)

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