JPH10311069A - オゾン水手洗機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水道水を利用してオゾン含有洗浄水を製造
し、洗浄水に含まれるオゾン含有空気を外部に発散させ
ることなく手の洗浄を行えるようにする。 【解決手段】 洗浄水が供給されるシンク３の上面に手
の差し入れ口４ａを備えたカバー４を取り付けるととも
に、シンク３の上縁部の差し入れ口４ａと対向する部位
に、シンク３内に発散するオゾン含有空気を吸引するダ
クト１２を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、病院、老人ホー
ム、給食センター、学校、食品加工工場等の各種施設で
手を洗浄するためのオゾン水手洗機の技術分野に属する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】今日、学校、病院、各種施設等で給食が
実施されるところがあり、また、ホテル、旅館、レスト
ラン等では、様々な食事が提供される。そしてこの様な
ところでは、食中毒に細心の注意を払う必要がある。そ
のためには、食物や厨房用器具類を洗浄し殺菌処理する
等厳格な洗浄措置を講じることはもちろんであるが、こ
れらの食事は人の手を介して賄われるものであるから、
料理人等の取り扱う者が自己の手を清潔に洗浄して殺菌
処理した状態でこのような仕事に携わることが要求され
る。また、病院では、手術や未熟児のケア等で、手を殺
菌消毒することが要求されている。このような場合、単
に水道水と石鹸や殺菌力のある洗剤を用いただけの洗浄
では不十分であり、様々な洗浄殺菌のための装置が開発
されているが、その中で、強力な殺菌力を有するオゾン
を使用して、これらに携わるものの手の洗浄殺菌するこ
とが提唱されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが従来、オゾン
を含有した洗浄水を製造するにあたり、水を電気分解す
ることによりオゾンが溶け込んだ洗浄水を製造し、これ
により洗浄することが試みられるが、このものを水道水
で実施したとき、水道水は塩素消毒されることもあって
残留塩素がどうしても存在し、このものを電気分解する
と有毒な塩素ガスが発生するという問題があり、このた
め純水しか使用できず、装置自体も高価であるうえ、ラ
ンニングコストも嵩むという問題がある。そのうえ、洗
浄水から外気中に発散したオゾンが作業環境基準を越え
ると人間に悪影響を及ぼす惧れがあるため、オゾン発生
量に制限を受け、短時間で殺菌するのに必要な量のオゾ
ンを発生させることが作業環境上できないという問題が
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、オゾン水を用いて手を洗浄するた
めの手洗機であって、該手洗機は、洗浄水が供給される
シンクと、該シンクに洗浄水を供給するための水供給手
段と、シンクに供給された洗浄水を排出するための排出
手段と、外気を取り込んでオゾン含有空気を発生するた
めのオゾン発生手段と、オゾン含有空気を洗浄水の供給
経路途中で洗浄水に混入してオゾン含有洗浄水とするた
めのオゾン混入手段と、シンクに供給されたオゾン含有
洗浄水から発生したオゾン含有空気を吸引するための空
気吸引手段と、該吸引された空気に含まれるオゾンを分
解して外気に放出するオゾン分解手段と、シンク上面に
取り付けられ、手を挿入する挿入口が開設されたカバー
とを備えているものである。これにより、従来のオゾン
手洗器のようにオゾン洗浄水を純水を用いて製造する必
要がなく、水道水を用いることができて、装置のコスト
および手洗機のランニングコストを低くできる。しかも
シンクに供給されるオゾン含有洗浄水から発生したオゾ
ン含有空気は、カバーによって外部流出が防止されると
ともに、空気吸引手段によって速やかに吸引され分解処
理されて外気に排出されるため、オゾンにより作業環境
が悪化することを回避でき、その分、オゾン発生手段は
オゾン発生能力の高いものを採用することができ、より
殺菌能力の優れたものにできる。また、このものにおい
て、カバー内に差し込まれた手を検知する手検知手段を
備え、該手検知手段による手の検知に基づいてオゾン含
有空気が混入した洗浄水を自動供給すると共に、空気吸
引手段、オゾン分解手段が作動するように制御されるも
のであり、これにより、シンクの挿入口に手を差し込む
だけで、オゾン含有洗浄水による手の洗浄、これに伴い
発生するオゾン含有空気の分解処理および排出を環境汚
染を招くことなく自動的に行うことができる。さらに、
このものにおいて、手検知手段による手の検知に基づく
オゾン含有空気が混入した洗浄水の供給停止は、予め設
定される第一タイマ時間の経過か、手の検知がなくなる
までとし、空気吸引手段、オゾン分解の作動停止は、前
記オゾン含有空気の混入した洗浄水の供給停止から第二
タイマ時間遅延してなされるように制御されているもの
である。これにより、手の洗浄が終了後、洗浄水の供給
を自動的に停止することができると同時に、洗浄水に細
かい気泡状態となって含まれ、シンク内に発散するオゾ
ン含有空気の吸引および分解処理は、洗浄水の供給が停
止された後も所定の時間行われることとなって、オゾン
含有空気がシンク内に残留するようなことがない。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図１〜図３を用いて説明する。図において、１は、手
を洗浄するための手洗機であって、該手洗機１は、基台
２と、該基台２の上面に凹陥状に形成されたシンク３
と、手を差し入れる部位としての差し入れ口４ａが開設
された状態でシンク３を山形状に覆蓋するカバー４とを
備えて構成されている。前記基台２には、前記シンク３
に水を供給するための蛇口５が設けられているが、該蛇
口５に接続される配管５ａには、後述するエジェクタ
６、配管５ａの開閉をするための開閉弁（本実施の形態
では電磁弁を採用している）７、外部から水道水を供給
すべく水道配管が接続される給水用ソケット８が直列状
に設けられている。

【０００６】９は、基台２に内装したオゾン発生器であ
って、該オゾン発生器９は、取り込んだ外気中の酸素の
一部を放電等によりオゾンに変化させてオゾン含有空気
にする通常知られたものが採用されている。このオゾン
発生器９は配管９ａを介して前記エジェクタ６に連結さ
れ、そうして、該エジェクタ６により、前記水道水用配
管５ａを流れる水道水にオゾン含有空気を噴射供給する
ように設定されて、これによって水道水はオゾン含有洗
浄水になる。因みに、水道水に混入するオゾン含有空気
は、細かい気泡状態となって水道水に混入する。そして
オゾンの一部は水道水に溶解してオゾン水になる一方、
気泡は、溶解しないオゾンを含んだ状態で破裂してシン
ク内の空気に混じるものと洗浄水と共に排水口１０から
排出されるものとがある。尚、１０ａは下水へ連結され
る排水出口、１０ｂは排水口１０と排水出口１０ａとを
連結する排水管、１０ｃはシンク３と排水管１０ｂとを
連結するオーバーフロー配管である。尚、オゾン発生器
９の外気取込み口９ｂにはエアーポンプ１１が接続され
ているが、該エアーポンプ１１は、配管５ａを流れる水
道水の水量（水圧）が不足してオゾン含有空気の噴出が
充分に確保できない場合にこれを補うもので、水道水の
水量が常に充分に確保される場合には必ずしも必要では
ない。

【０００７】一方、前記シンク３の上縁部の差し入れ口
４ａと対向する部位には、吸引用のダクト１２が設けら
れている。このダクト１２に接続される排気管１２ａ
は、オゾンを酸素に分解するための触媒が内装されたオ
ゾン分解器１３を介して排気用ファン１４に接続され、
該排気用ファン１４の駆動により、カバー４内の空気を
吸引して排気口１４ａを通って外気に排出するように設
定されている。また、１５は、投受光器（例えば光電セ
ンサ）からなる手検知センサであって、前記差し入れ口
４ａから手が差し込まれたことを検知するようになって
いる。因みに、オゾン分解器１３に用いられる触媒とし
ては、オゾン分解能の高いものが好ましく、この様なも
のとしては、空気の接触面積を高くなるようハニカム構
造になったフィルターが好適で、またフィルター素材と
しては、例えば特開平３−２４２２２７号公報で知られ
るように、活性炭、遷移金属素材（ニッケル、マンガ
ン、コバルト、銅等の酸化物）、セラミックス等の素材
を用いて製造することができる。

【０００８】そして本実施の形態では、開閉弁７、オゾ
ン発生器９、排気用ファン１４によるオゾン含有空気の
混入した洗浄水の供給は、マイクロコンピュータシステ
ムにより自動的に制御されるように設定されている。つ
まり、マイクロコンピュータシステムを構成する制御部
（ＣＰＵ）１６は、始動スイッチ（メインスイッチ）１
７、手検知センサ１５、手動−自動切換スイッチ１７ａ
が接続され、これらからの信号が入力するように設定さ
れると共に、これらからの入力信号に基づき、開閉弁
７、オゾン発生器９、エアポンプ１１（尚、エアポンプ
はオゾン発生器９と同じ駆動制御がなされるので、以
降、説明は省略する）、排気用ファン１４、さらにはカ
バー４の外に設けられた表示器１８に後述するような制
御信号を出力するようになっている。

【０００９】つぎに、制御部１６による制御手順の一例
について図５のフローチャート図に基づいて説明する。
まず始動スイッチ１７がＯＮされて電源投入がなされ、
必要な情報の読み込みをする初期設定がなされて制御状
態になる。そして自動−手動切換スイッチ１７ａが自動
側に切り換えられている場合に、自動制御がなされる
が、そこでは、手検知センサ１５が手検知をしているか
否かの判断がなされる。そして手が差し込み口４ａから
差し込まれることにより手検知の信号が入力すると、制
御部１６に内蔵する第一タイマが始動すると共に、開閉
弁７には開作動指令を、オゾン発生器９および排気用フ
ァン１４には駆動指令を出力し、これによって、オゾン
含有空気が細泡となって混入する洗浄水がシンク３に供
給され、オゾン水による手の洗浄ができる。そうして制
御部１６は、このオゾン水の供給が第一タイマ時間（洗
浄に充分とされる時間で、例えば３０秒間）を経過した
か否かの判断をし、経過したと判断された場合には、開
閉弁７に対して閉作動指令を出力し、オゾン発生器９に
対して駆動停止指令を出力する一方で、排気用ファン１
４に対しては駆動を続行するよう制御指令が出力し、さ
らに第二タイマを始動する。そしてこの第二タイマ時間
（例えば８秒間）を経過したことに伴い排気用ファン１
４の駆動停止指令が出力される。一方、前記第一タイマ
時間が経過したか否かの判断において、経過していない
と判断される場合にはオゾン水の供給が続行されるが、
第一タイマ時間が経過するまでのあいだに手検知がなく
なった場合（この手検知がなくなったことの判断は、瞬
間的なもの許りでなく、手洗いの動きに伴い瞬間的に手
検知がなくなることも考慮し、例えば２秒間等、予め設
定される時間、継続して手検知がない場合も含むもの
で、この様に継続した非検知によるものに設定すること
で安定性のある自動制御ができるメリットがある）に
は、前記第一タイマ時間が経過した場合と同様の手順で
オゾン水の供給停止がなされるように設定されている。
また、制御部１６は、表示器１８に対し第一タイマ時間
の残存時間を表示するよう表示指令を出力するように設
定されている。これに対し、自動−手動切換スイッチ１
７ａを自動から手動に切り換えると、該手動に切り換え
られているあいだ、オゾン発生器９、開閉弁７、排気用
ファン１４が起動してオゾン含有空気が混入した洗浄水
がシンク３に供給され続ける。従って、排水口１０を栓
（図示せず）しておけば、オゾン含有空気が混入した洗
浄水をシンク３にオーバーフロー状態まで溜めることが
でき、野菜や果物等の食物、食器等、適宜のものを洗浄
することができる。この様な洗浄にあたっては、オゾン
含有洗浄水はオーバーフローさせることが好ましい。そ
して自動−手動切換スイッチ１７ａを自動に切り換える
ことでオゾン含有洗浄水の供給は停止するが、この場合
に、前記自動制御と同じに排気用ファン１４は第二タイ
マ時間だけ遅延してから停止するよう制御される設定に
なっている。

【００１０】叙述のごとく構成された本発明の実施の形
態において、手の洗浄消毒は、手をカバー４の差し入れ
口４ａに差し入れるだけで自動的にオゾン含有洗浄水が
供給されて行われることとなるが、オゾン含有洗浄水
は、オゾン発生器９から発生するオゾン含有空気を水道
水に噴射混入することで製造される。従って、従来のオ
ゾン手洗器のようにオゾン洗浄水を純水を用いて製造す
る必要がなく、水道水を用いることができて、装置のコ
ストおよび手洗器のランニングコストを低くできる。し
かも、オゾン含有洗浄水に混じるオゾン含有空気の気泡
が外気に混じるべく破裂するときに発生する超音波が洗
浄力を高めることになって、手についた細菌を積極的に
洗い落とすことに寄与することになる。しかもシンク３
に供給されａオゾン含有洗浄水からは、オゾン含有空気
が発生するが、該発生したオゾン含有空気は、シンク３
を覆蓋するカバー４によって外部に流出することが防止
されるとともに、シンク３の上縁部に設けられたダクト
１２によって速やかに吸引されオゾン分解器１３によっ
てオゾンは酸素に分解処理されて外気に排出されるた
め、オゾンにより作業環境が悪化することを回避でき、
その分、オゾン発生器９のオゾン発生能力の高いものを
採用することができ、より殺菌能力の優れたものにでき
る。また、オゾン含有洗浄水の供給は、手をカバー４に
差し込むことで自動的になされるが、オゾン含有空気の
供給停止をした後も、ダクト１２はさらに第二タイマ時
間のあいだ有効に生きていてカバー４内の空気を吸引し
てオゾン分解を計っているため、同時停止した場合のよ
うに、カバー４内に残存するオゾンが分解されることな
く外気に混じることがない。因みに、前記実施の形態で
は、オゾン含有洗浄水で洗浄した手には、オゾン含有洗
浄水が付着したままの状態になり、その手をカバー４か
ら引出したときにオゾンが外気に混じることが考えられ
る。これを回避したい要望がある場合には、第一タイマ
ー時間が経過してオゾン発生器 が停止した後、予め設
定されるタイマー時間（前記第二タイマー時間と同じで
も異なっていてもよい）だけ遅延してから水道水の供給
停止をするように設定しておけばよく、これにより手に
付着したオゾン含有洗浄水を洗い流すことができるよう
に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】オゾン水手洗機の正面図である。

【図２】オゾン水手洗機の概略断面側面図である。

【図３】オゾン水手洗機の平面図である。

【図４】オゾン水手洗システムを示すブロック図であ
る。

【図５】オゾン水手洗機による自動洗浄システムを示す
フローチャート図である。

【符号の説明】

１ オゾン水手洗機 ２ 基台 ３ シンク ４ カバー ４ａ 差し入れ口 ５ 蛇口 ６ エジェクタ ７ 開閉弁 ８ 給水用ソケット ９ オゾン発生器 １０ 排水口 １１ エアポンプ １２ ダクト １３ オゾン分解器 １４ 排気用ファン １５ 手検知センサ １６ 制御部 １７ 始動スイッチ １８ 表示器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オゾン水を用いて手を洗浄するための手
   洗機であって、該手洗機は、洗浄水が供給されるシンク
   と、該シンクに洗浄水を供給するための水供給手段と、
   シンクに供給された洗浄水を排出するための排出手段
   と、外気を取り込んでオゾン含有空気を発生するための
   オゾン発生手段と、オゾン含有空気を洗浄水の供給経路
   途中で洗浄水に混入してオゾン含有洗浄水とするための
   オゾン混入手段と、シンクに供給されたオゾン含有洗浄
   水から発生したオゾン含有空気を吸引するための空気吸
   引手段と、該吸引された空気に含まれるオゾンを分解し
   て外気に放出するオゾン分解手段と、シンク上面に取り
   付けられ、手を挿入する挿入口が開設されたカバーとを
   備えているオゾン水手洗機。
2. 【請求項２】 請求項１において、カバー内に差し込ま
   れた手を検知する手検知手段を備え、該手検知手段によ
   る手の検知に基づいてオゾン含有空気が混入した洗浄水
   を自動供給すると共に、空気吸引手段、オゾン分解手段
   が作動するように制御されるオゾン水手洗機。
3. 【請求項３】 請求項２において、手検知手段による手
   の検知に基づくオゾン含有空気が混入した洗浄水の供給
   停止は、予め設定される第一タイマ時間の経過か、手の
   検知がなくなるまでとし、空気吸引手段、オゾン分解の
   作動停止は、前記オゾン含有空気の混入した洗浄水の供
   給停止から第二タイマ時間遅延してなされるように制御
   されているオゾン水手洗機。