JPH1161913A - オゾン洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般の家庭で大規模な装置を備えることなく
オゾンを用いて食物や厨房用器具類を洗浄殺菌できるよ
うにする。 【解決手段】 家庭用システムキッチンを構成する二漕
式の一方のシンク３を蓋体として開閉移動自在、表裏交
換自在なまな板９を覆蓋し、該シンク３内にオゾン発生
器１１によりオゾン含有空気を供給してオゾン洗浄する
とともに、シンク３内に溜ったオゾン含有空気をオゾン
分解器１８、オゾン排出用ポンプ１９により吸引し無害
化して外気に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、野菜、果物等の食
物、包丁、まな板等の厨房用器具類などの被洗浄物を洗
浄するためのオゾン洗浄機の技術分野に属するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】今日、一般家庭で料理する場合において
も食中毒に細心の注意を払う必要があり、そのために
は、食物や厨房用器具類を洗浄するにあたり、殺菌処理
するまでするには単に水道水を用いただけの洗浄では無
理がある。そこで煮沸消毒することが試みられるが、野
菜や果物のように生で食する慣習のあるものには採用で
きない。これに対し、洗剤を用いて洗浄することがあげ
られる。しかしながら洗剤を用いた場合に、該洗剤の残
留が問題になるうえ、洗剤が下水に流れ込んで環境汚染
につながる等の問題もある。これに対し、然るべき時間
の経過により酸素に自然分解するオゾンを用いての殺菌
洗浄が試みられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが従来のオゾン
を用いた洗浄手段は、何れも大規模的な利用を目的とし
て開発されたもので、一般家庭用のものは提案されてい
ない。そしてこの様な大規模的なものとして、例えば特
開昭６４−８５６５５公報、特開平２−２０３７３９号
公報、特開平２−２３１０６６号公報、特開平７−２３
６４６１号公報に示されるものがある。これらのもの
は、開放容器内の水にオゾンを供給してオゾン水溶液を
形成し、ここに食物を浸漬して殺菌するようにしたもの
が提唱される。しかしながらこのものは、開放系で容器
内の水にオゾン供給を行うため、オゾンが洗浄室内に発
散して作業環境が低下するためダクト等の強制的な排気
システムが必要なうえ、洗浄後のオゾン水溶液の処理に
ついても問題になる。これに対し、オゾンが高濃度に溶
解した高濃度オゾン水を別途製造し、該製造された高濃
度オゾン水を洗浄容器に入れて、ここに野菜等の食物を
浸漬させることで殺菌洗浄するようにしたものが提唱さ
れる。しかしながらこのものでは、高濃度オゾン水を製
造するための専用の装置と、該製造された高濃度オゾン
水に食物を浸漬するための専用の洗浄容器とがそれぞれ
必要になるうえ、高濃度オゾン水の洗浄容器への移し換
え行程が必要で、さらに、該洗浄容器からオゾンが発散
することに変わりはなく、発散したオゾンが洗浄室に籠
もらないようダクト等を利用して室外に強制排出しなけ
ればならない。この結果、前記各従来のものは、装置全
体が大型化し家庭用としてはとても採用することができ
ず、コスト的にも不利にならざるを得ないという問題が
あり、ここに本発明が解決せんとする課題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、オゾンを用いて洗浄するための洗
浄機は、上面が開放し被洗浄物と水を収容する容器と、
該容器に水を供給するための水供給手段と、容器内の水
を排出するための水排出手段と、容器内の水にオゾン含
有空気を供給するためのオゾン供給手段と、容器の上面
を蓋するための蓋体と、容器内に供給された空気を排出
するための空気排出手段と、該排出される空気中のオゾ
ンを分解するためのオゾン分解手段とから構成されもの
である。これによって、被洗浄物を洗浄するためのオゾ
ンを供給する装置や、空気に含有し洗浄するために使用
されたオゾンを排出するためにダクトを別途専用に設け
たりする必要がなく、装置自体を小型化することができ
ると同時に、水や空気中に残存するオゾンを空気の洗浄
室への排出行程の途中で分解して、ダクトを用いること
なく洗浄室の作業環境を良好に保ち得て、オゾンによる
高い殺菌効果を発揮しながら環境にやさしい食物の洗浄
機を提供することができる。また、このものにおいて、
容器は、家庭用システムキッチンを構成する流し台のシ
ンクであり、これによって、被洗浄物と水を収容するた
めの容器を別途設ける必要がなく、システムキッチンの
一部として構成されるシンクをそのまま利用することが
できる。さらに、このものにおいて、シンクは、少なく
とも二つ並設されるうちの一つであり、これによって、
殺菌洗浄する必要のないものと、殺菌洗浄する必要のあ
るものとを分別して効率的に洗浄することができる。そ
して、このものにおいて、蓋体は、シンクを開閉移動自
在で、表裏交換自在なまな板であり、これによって、蓋
体がシンク内に発生するオゾン含有空気を外部に排出し
ない役割を果たすと同時に、殺菌済みのまな板として使
用することができる。また、食中毒防止のために食材毎
にまな板を殺菌洗浄して使用することが奨励されている
今日、まな板を表裏交換することにより簡単に殺菌洗浄
することができるとともに、料理の途中でまな板を洗浄
する手間が省けて効率的に料理に専念することができ
る。さらにまた、このものにおいて、空気排出手段は、
強制排気手段が設けられており、これによって、シンク
内に滞留した空気を強制的に外部に排出することができ
る。また、このものにおいて、強制排気手段の強制排気
量は、オゾン供給手段の空気供給量より大きいものに設
定されており、これによって、シンク内を常に負圧状態
にすることができて、オゾン発生器１１により供給され
たオゾン含有空気が、蓋体となるまな板９の封止能力に
劣るものであっても外気に流出してしまうことを回避す
ると同時に、オーバーフロー口７からのオゾン含有空気
の排出が促進される。

【０００５】本発明を実施するにあたり、容器等の部材
装置は、腐食しにくいステンレス鋼等の素材で形成する
ことが好ましい。そして容器としては、一般家庭で用い
られるシステムキッチンのシンクとすることができ、こ
の場合にシンクが二漕式以上であるとき、その選択され
た一つとすることができる。オゾン発生手段としては、
通常知られた汎用のオゾン発生器を採用することがで
き、その場合に、オゾン発生器の電源のＯＮ−ＯＦＦに
よりオゾン含有空気を供給する場合とオゾンを含有しな
い空気のみを供給する場合とに切り換えるようにしたも
のが好ましいが、これらを各別にしてもよい。オゾン含
有空気を容器内へ供給する場合に、細かい気泡となった
空気を供給することが好ましく、そのためシンクの空気
供給口に連通性のある多孔質素材を取付けることが好ま
しい。空気排出経路中に設けられるオゾン分解手段とし
ては、オゾン分解能の高いものが好ましく、この様なも
のとしては、空気の接触面積を高くなるようハニカム構
造になったフィルターが好適で、またフィルター素材と
しては、例えば特開平３−２４２２２７号公報で知られ
るように、活性炭、遷移金属素材（ニッケル、マンガ
ン、コバルト、銅等の酸化物）、セラミックス等の素材
を用いて製造することができる。さらに空気排出手段
に、ブロア等の強制排出手段を設けることが好ましく、
この場合に、強制排出量を、オゾン供給手段の空気供給
量より多いものにしておけば、洗浄中、シンク内は負圧
状態になり、これにより、蓋で厳格な容器の封止をしな
いでもオゾン含有空気が周囲に漏れてしまうことが回避
できて、作業環境基準が損なわれてしまうことを防止で
きる。また、前記のものでオゾン洗浄をするにあたり、
容器内の水に超音波を発振して被洗浄物に付着する付着
物の離脱を促進するようにしてもよい。この場合に用い
られる超音波発振手段としては、容器自体を超音波振動
させるものを採用できるが、振動子を水中に直接入れて
超音波を発振するものの方が装置自体を簡略化できて好
ましいものと言える。そして、超音波を発振させながら
オゾン洗浄をした場合には、超音波により被洗浄物に付
着する付着物の脱落が促進され、これによって殺菌力が
高まりより好ましいといえる。また、オゾンの水への溶
解度を高めるため、水冷却装置を備え、該冷却された水
を容器に供給するように構成することができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図１〜図２を用いて説明する。図において、１はシス
テムキッチンを構成する二漕式の流し台であって、該流
し台１には、大小容量の異なるシンク２、３が仕切り４
を介して左右に隣設されているが、本実施の形態では、
小容量側のシンク３に本発明が実施されている。つまり
シンク３は、開閉栓（図示せず）付きの排水口５と、オ
ゾン含有空気を供給するための供給口６とが形成される
一方、大容量側シンクとは逆側の側壁上縁部にはオーバ
ーフロー口７がそれぞれ形成されている。シンク２、３
の上縁部は、段差面部８が形成されるが、該段差面部８
をガイドとしてまな板９が左右方向移動自在に設けられ
ている。そしてこのまな板９は、シンク３を表裏何れの
面からも覆蓋する大きさに形成されている。尚、１０は
水道の蛇口である。

【０００７】また、１１はオゾン発生器、１２はエアポ
ンプであって、後述する電源投入に伴い稼働してオゾン
含有空気を供給できるようになっている。尚、１３はオ
ゾン含有空気を供給するための配管、１４は該配管１３
の途中に設けられる逆止弁である。そしてこの配管１３
は前記供給口６に接続されるが、供給口６には、連通性
を有した多孔質の散気板１５がナット１５ａとパッキン
１５ｂを介して固定されている。前記配管１３を介して
オゾン発生器１１とエアポンプ１２により供給されオゾ
ン供給口６に到達したオゾン含有空気は、前記散気板１
５の孔からシンク内に溜った水に細泡となって送出され
るようになっている。一方、シンク３の側壁上縁部に設
けられるオーバーフロー口７は配管１６に接続されてお
り、該配管１６の途中には、オーバーフロー口７から流
出したオゾン水が流れ込むオゾン水排出室１７が設けら
れている。該オゾン水排出室１７の上方には、オゾン分
解器１８、オゾン排出用ポンプ１９に連結される配管２
０が配されている。そしてオゾン排出用ポンプ１９の駆
動によりオーバーフロー口７から吸引されるオゾン含有
空気は前記オゾン水排出室１７に達し、配管２０により
オゾン分解器１８に達して分解されて無害化され、外気
に排出される構成となっている。この場合、オゾン排出
用ポンプ１９による強制排気量は、オゾン発生器１１に
よる空気供給量より大きく設定されており、その結果、
シンク３内は常に負圧状態になるようになっており、こ
れによって、オゾン発生器１１により供給されたオゾン
含有空気が、蓋体となるまな板９の封止能力に劣るもの
であっても外気に流出してしまうことを回避すると同時
に、オーバーフロー口７からのオゾン含有空気の排出が
促進される。尚、２１は、シンク２の排水管であり、該
排水管２１は、配管１６に接続されて、該配管１６から
排出される水を、シンク２から排出される水とともに外
部に排水するようになっている。

【０００８】本実施の形態では、食物のオゾン洗浄をタ
イマ２２により行うように設定されている。つまり、タ
イマ２２には、選択可能な洗浄時間（例えば１〜３０分
までの時間が選択できる）が設定された目盛が刻印され
ており、この中から食材の量および性質に適した洗浄時
間を選択設定することができる。前記タイマ２２は、本
実施の形態ではオゾン洗浄の始動スイッチも兼ねてお
り、タイマ２２を０分状態から適宜洗浄時間に回すこと
により始動するように設定されている。以下にタイマ２
２によるオゾン洗浄の手順を記す。まずオゾン洗浄の準
備段階として、野菜、果物等の被洗浄物をシンク３に入
れて簡単な予備洗いをする。その後、前記シンク３内を
水で満たし、シンク３の開口部をまな板９で覆蓋する。
この準備段階が完了した後、タイマ２２を選択した所要
の洗浄時間の目盛に合わせて回すと、スイッチＯＮとな
って、エアポンプ１２、オゾン発生器１１が稼働して、
オゾン含有空気が配管１３を通ってシンク３内に送り込
まれ、シンク３内の被洗浄物は、オゾン洗浄されること
となる。一方、タイマ２２の設定と同時に、オゾン排出
用ポンプ１９が稼働し、これによってシンク３内のオゾ
ン含有空気は、オーバーフロー口７から前記オゾン分解
器１８に達して分解され、外気に排出される。そしてタ
イマ２２の設定時間が経過すると、オゾン発生器１１は
停止してオゾン供給はなくなるが、その後さらに一定時
間（例えば１分間）、エアポンプ１２とオゾン排出用ポ
ンプ１９は駆動し続けて、配管１３内に残るオゾン含有
空気を排出処理するよう配慮されている。

【０００９】叙述のごとく構成された本発明の実施の形
態において、食物等の被洗浄物のオゾンによる殺菌洗浄
は、システムキッチンを構成する二漕式のシンクのうち
小容量のシンク３を利用して行うこととなり、別途大き
な装置を必要とすることなく家庭においても簡単に食物
の殺菌洗浄を行うことができると同時に、シンク３の蓋
体として使用するまな板９が表裏交換自在であるので、
一面で料理をしながら他面を殺菌洗浄することが可能で
あるために、食品別に殺菌洗浄されたまな板を使用する
ことができて、料理の途中でまな板を洗浄する手間が省
けて効率的に料理に専念することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】オゾン洗浄機を組込んだ二漕式のシンクの概略
平面図である。

【図２】オゾン洗浄機を組込んだ二漕式のシンクの概略
正面図である。

【符号の説明】

１ 流し台 ３ シンク ６ 供給口 ７ オーバーフロー口 ９ まな板 １１ オゾン発生器 １２ エアポンプ １３ 配管 １５ 散気板 １６ 配管 １７ オゾン水排出室 １８ オゾン分解器 １９ オゾン排出用ポンプ ２０ 配管 ２２ タイマ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オゾンを用いて洗浄するための洗浄機で
   あって、該洗浄機は、上面が開放し被洗浄物と水を収容
   する容器と、該容器に水を供給するための水供給手段
   と、容器内の水を排出するための水排出手段と、容器内
   の水にオゾン含有空気を供給するためのオゾン供給手段
   と、容器の上面を蓋するための蓋体と、容器内に供給さ
   れた空気を排出するための空気排出手段と、該排出され
   る空気中のオゾンを分解するためのオゾン分解手段とか
   ら構成されているオゾン洗浄機。
2. 【請求項２】 請求項１において、容器は、家庭用シス
   テムキッチンを構成する流し台のシンクであるオゾン洗
   浄機。
3. 【請求項３】 請求項２において、シンクは、少なくと
   も二つ並設されるうちの一つであるオゾン洗浄機。
4. 【請求項４】 請求項３において、蓋体は、シンクを開
   閉移動自在で、表裏交換自在なまな板であるオゾン洗浄
   機。
5. 【請求項５】 請求項１、２、３または４において、空
   気排出手段は、強制排気手段が設けられているオゾン洗
   浄機。
6. 【請求項６】 請求項５において、強制排気手段の強制
   排気量は、オゾン供給手段の空気供給量より大きいもの
   に設定されているオゾン洗浄機。