JPH10310588A - テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体およびその製造方法 - Google Patents
テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体およびその製造方法Info
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- JPH10310588A JPH10310588A JP5723198A JP5723198A JPH10310588A JP H10310588 A JPH10310588 A JP H10310588A JP 5723198 A JP5723198 A JP 5723198A JP 5723198 A JP5723198 A JP 5723198A JP H10310588 A JPH10310588 A JP H10310588A
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Abstract
剤、各種テトラキス(フッ化アリール)ボレート誘導体
を製造するための中間体等として好適なテトラキス(フ
ッ化アリール)ボレート・エーテル錯体およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 テトラキス(フッ化アリール)ボレート
・エーテル錯体は、一般式(1) 【化13】 (式中、R1 〜R10はそれぞれ独立してH、F、炭化水
素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該R1 〜R5 の
うちの少なくとも一つはFであり、該R6 〜R10のうち
の少なくとも一つはFであり、R11、R12はそれぞれ独
立してヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化
水素基、Yは炭化水素二価基を表し、MはH、アルカリ
金属、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハライ
ドを表し、nは2または3であり、mはMがH、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属ハライドである場合に
1、アルカリ土類金属である場合に2である)で表され
る。
Description
錯体重合反応に供されるメタロセン触媒(重合触媒)の
助触媒、光化学的活性化または電子ビーム照射による、
官能性ポリマーまたはモノマーの重合に供されるカチオ
ン重合開始剤、各種テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート誘導体を製造するための中間体等として有
用な、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテ
ル錯体およびその製造方法に関するものである。
オロフェニル)ボレート誘導体を製造するための中間体
として有用なテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レートを製造する方法が知られている。
(1964) p245には、乾燥ペンタン中、−78℃で臭化ペ
ンタフルオロフェニルとブチルリチウムとを反応させて
生成させたペンタフルオロフェニルリチウムと、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素とを、乾燥ペンタン
中、−78℃で反応させてテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート・リチウムを得る方法が開示されて
いる。
は、N,N−ジメチルアニリン・塩酸塩からN,N−ジ
メチルアニリニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートを製造する方法に用いるテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート・リチウムの調製方法
として、以下のような方法が開示されている。
エーテル中、−65℃で、ペンタフルオロフェニルブロ
マイドとt−ブチルリチウムとを反応させて、ペンタフ
ルオロフェニルリチウムを生成させ、次いで、上記ペン
タフルオロフェニルリチウムと三塩化ホウ素とを、乾燥
ペンタン中、−65℃〜−55℃で反応させて、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウムを
調製する方法が開示されている。
m., 2, (1964) p245に記載の方法は、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート・リチウムの収率が低い
(43%)という問題点を有している。
載の方法においては、(1)反応系の温度を−65℃以
下に維持しなければならないので、特殊な設備が必要で
あると共に冷却に要する費用が嵩む;(2)高価な有機
リチウム化合物(t−ブチルリチウム)を用いなければ
ならず、しかも、該化合物は水等との反応により発火す
るおそれがあるので、その取り扱いに危険を伴う;
(3)高価なハロゲン化ホウ素(三塩化ホウ素)を用い
なければならず、しかも、該化合物はガス状であり、強
い腐食性を有するので、その取り扱いが困難である;と
いう問題点を有している。従って、該公報に記載の方法
は、工業的に実施することが困難である。
は、グリニャール (Grignard) 試薬であるペンタフルオ
ロフェニルマグネシウムブロマイドと三フッ化ホウ素・
ジエチルエーテル錯体との反応により、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート誘導体を得る方法が開
示されている。
グリニャール試薬であるペンタフルオロフェニルマグネ
シウムブロマイドと三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル
錯体との反応によりテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート・マグネシウムブロマイドを得る方法、お
よび、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
・マグネシウムブロマイドとN,N−ジメチルアニリン
・塩酸塩の水溶液との反応により、N,N−ジメチルア
ニリニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レートを得る方法が、開示されている。
公報の方法では、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート・マグネシウムブロマイドと共に副生され
たフッ化臭化マグネシウム(MgBrF)等のハロゲン
化マグネシウムが、反応系から分離・除去されず、不純
物として残る。ハロゲン化マグネシウムを不純物として
含むテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
マグネシウムブロマイドを用いてテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート誘導体を製造すると、該誘導
体をメタロセン触媒の助触媒として用いた場合の触媒活
性が著しく低下する。
特開平6−247980号公報に記載の方法では、得ら
れたテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
マグネシウムブロマイドが、グリニャール反応に由来す
る着色成分によって着色する。このため、上記各方法に
より得たテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト・マグネシウムブロマイドを用いてテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート誘導体を製造すると、上
記着色成分がテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート誘導体に残留するという問題点を有している。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート誘導体
の製造方法は、次のような問題点も有している。即ち、
上記方法では、反応後の溶液が、副生した水酸化マグネ
シウムによってゲル化する。従って、該溶液を濾過する
ことが困難であり、また、該溶液からテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート誘導体を単離することが
困難である。また、上記方法では、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート誘導体を単離するために
は、クロロホルム或いはジクロロエタン等の塩素系溶媒
を用いて粗生成物を再結晶させる必要がある。
の方法により得られたテトラキス(フッ化アリール)ボ
レート・マグネシウムブロマイドは、副生塩および着色
成分を不純物として含んでいるので、テトラキス(フッ
化アリール)ボレート誘導体を製造するための中間体と
して不適である。
ル)ボレート誘導体を製造するための中間体として好適
なテトラキス(フッ化アリール)ボレート誘導体が切望
されている。
たものであり、その目的は、例えば、メタロセン触媒の
助触媒やカチオン重合開始剤、各種テトラキス(フッ化
アリール)ボレート誘導体を製造するための中間体等と
して好適な新規物質であるテトラキス(フッ化アリー
ル)ボレート・エーテル錯体およびその製造方法を提供
することにある。
的を達成するために鋭意検討した結果、テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレートを特定のエーテル化合物と反応
させることにより、各種テトラキス(フッ化アリール)
ボレート誘導体を製造するための中間体として好適な新
規物質であるテトラキス(フッ化アリール)ボレート・
エーテル錯体が、安価に、かつ、高収率、高純度で得ら
れることを見い出した。
ル)ボレートとして、グリニャール反応に由来する着色
成分、および、グリニャール反応により副生したフッ化
臭化マグネシウム(MgBrF)等の副生塩を含むテト
ラキス(フッ化アリール)ボレート・マグネシウムハラ
イドを用いた場合においても、テトラキス(フッ化アリ
ール)ボレート・エーテル錯体が高純度の結晶として得
られ、上記着色成分および副生塩を容易に分離・除去で
きることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体は、上記課
題を解決するために、一般式(1)
R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表
し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ
素原子であり、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つは
フッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立してヘテ
ロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化水素基を表
し、Yは炭化水素二価基を表し、Mは水素原子、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハラ
イドを表し、nは2または3であり、mはMが水素原
子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ハライドであ
る場合に1、アルカリ土類金属である場合に2である)
で表されることを特徴としている。
媒の助触媒やカチオン重合開始剤、各種テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレート誘導体を製造するための中間体
等として好適な新規物質を提供することができる。
R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表
し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ
素原子であり、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つは
フッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立してヘテ
ロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化水素基を表
し、Yは炭化水素二価基を表し、Mは水素原子、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハラ
イドを表し、nは2または3であり、mはMが水素原
子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ハライドであ
る場合に1、アルカリ土類金属である場合に2である)
で表されるテトラキス(フッ化アリール)ボレート・エ
ーテル錯体の製造方法は、上記の課題を解決するため
に、一般式(2)
R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表
し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ
素原子であり、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つは
フッ素原子であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アル
カリ土類金属またはアルカリ土類金属ハライドを表し、
nは2または3であり、mはMが水素原子、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属ハライドである場合に1、ア
ルカリ土類金属である場合に2である)で表されるテト
ラキス(フッ化アリール)ボレートを、一般式(3)
テロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化水素基を
表し、Yは炭化水素二価基を表す)で表されるエーテル
化合物と反応させることを特徴としている。
媒の助触媒やカチオン重合開始剤、各種テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレート誘導体を製造するための中間体
等として好適な新規物質を安価に、かつ、高収率、高純
度で製造することができる。
ス(フッ化アリール)ボレートが不純物を含んでいて
も、不純物が除去された高純度のテトラキス(フッ化ア
リール)ボレート・エーテル錯体が得られる。
化アリール)ボレート・エーテル錯体は、高純度である
から、例えば、メタロセン触媒の助触媒やカチオン重合
開始剤、各種テトラキス(フッ化アリール)ボレート誘
導体を製造するための中間体等として好適である。
にかかる製造方法は、前記一般式(2)で表されるテト
ラキス(フッ化アリール)ボレートを、前記一般式
(3)で表されるエーテル化合物と反応させる方法であ
る。これにより、本発明にかかる前記一般式(1)で表
されるテトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテ
ル錯体が得られる。
れるテトラキス(フッ化アリール)ボレートは、式中、
R1 〜R10で示される置換基が、それぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基で構
成され、かつ、該R1 〜R5で示される置換基のうちの
少なくとも一つがフッ素原子であり、該R6 〜R10で示
される置換基のうちの少なくとも一つがフッ素原子であ
り、Mで示される置換基が水素原子、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、またはアルカリ土類金属ハライドで構
成され、nが2または3であり、mが、Mが水素原子、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属ハライドである場
合に1、アルカリ土類金属である場合に2である化合物
である。
ール基、炭素数1〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状、また
は環状のアルキル基、および、炭素数2〜12の直鎖
状、枝分かれ鎖状、または環状のアルケニル基等を示
す。尚、上記の炭化水素基は、本発明にかかる反応に対
して不活性な官能基をさらに有していてもよい。該官能
基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、メチル
チオ基、N,N−ジメチルアミノ基、o−アニス基、p
−アニス基、トリメチルシリル基、ジメチル−t−ブチ
ルシリルオキシ基、トリフルオロメチル基等が挙げられ
る。
a で示される炭化水素基とは、具体的には、例えば、ア
リール基、炭素数1〜12の直鎖状、枝分かれ鎖状、ま
たは環状のアルキル基、および、炭素数2〜12の直鎖
状、枝分かれ鎖状、または環状のアルケニル基等を示
す。尚、上記の炭化水素基は、本発明にかかる反応に対
して不活性な官能基をさらに有していてもよい。
としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、イソブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、シクロヘキシルオキシ基、アリルオキシ基、フェ
ノキシ基等が挙げられる。
ウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。上記のア
ルカリ土類金属としては、カルシウム、バリウム等が挙
げられる。上記のアルカリ土類金属ハライドとしては、
マグネシウムクロライド、マグネシウムブロマイド、マ
グネシウムヨーダイド等が挙げられる。
(フッ化アリール)ボレートのうち、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート・マグネシウムブロマイ
ド、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート・ナトリウム、およびテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート・カリウムが、特に好ましい。
製造方法は、特に限定されるものではない。テトラキス
(フッ化アリール)ボレート・アルカリ土類金属ハライ
ドは、例えば、1)フッ化アリールマグネシウムハライ
ドとハロゲン化ホウ素とを、モル比4:1で反応させる
方法;2)フッ化アリールマグネシウムハライドとトリ
ス(フッ化アリール)ホウ素とを、モル比1:1で反応
させる方法;等により、容易に得ることができる。これ
ら方法におけるグリニャール反応の反応条件は、特に限
定されるものではない。
マグネシウムハライドは、グリニャール反応を行う際に
用いた溶媒に溶解した溶液の状態で得られる。該溶媒と
しては、具体的には、例えば、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等
のエーテル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン等の脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン等の
芳香族炭化水素系溶媒;等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これら溶媒は、混合溶媒であっても
よい。尚、フッ化アリールマグネシウムハライドとハロ
ゲン化ホウ素とを反応させてテトラキス(フッ化アリー
ル)ボレート・マグネシウムハライドを製造した場合に
は、例えば、フッ化臭化マグネシウム等の副生したハロ
ゲン化マグネシウムが不純物として上記溶液に溶解して
いる。
ートの水素化合物、アルカリ金属塩および/またはアル
カリ土類金属塩は、1)上記のテトラキス(フッ化アリ
ール)ボレート・マグネシウムハライドをカルボン酸ア
ルカリ金属塩および/またはカルボン酸アルカリ土類金
属塩で処理する方法(の処理方法);2)上記のテト
ラキス(フッ化アリール)ボレート・マグネシウムハラ
イドを酸で処理する方法(の処理方法);3)上記の
テトラキス(フッ化アリール)ボレート・マグネシウム
ハライドを酸で処理した後、アルカリ金属水酸化物およ
び/またはアルカリ土類金属水酸化物で処理する方法
(の処理方法);4)上記のテトラキス(フッ化アリ
ール)ボレート・マグネシウムハライドを酸で処理した
後、カルボン酸アルカリ金属塩および/またはカルボン
酸アルカリ土類金属塩で処理する方法(の処理方
法);等により調製できる。
ン酸アルカリ金属塩としては、具体的には、例えば、ギ
酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウ
ム等の、飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩;
シュウ酸一ナトリウム、シュウ酸二ナトリウム、シュウ
酸一カリウム、シュウ酸二カリウム、マロン酸一ナトリ
ウム、マロン酸二ナトリウム、マロン酸一カリウム、マ
ロン酸二カリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二
ナトリウム、コハク酸一カリウム、コハク酸二カリウム
等の、飽和脂肪族ジカルボン酸のモノまたはジアルカリ
金属塩;アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、
メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム等の、
不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩;マレイ
ン酸一ナトリウム、マレイン酸二ナトリウム、マレイン
酸一カリウム、マレイン酸二カリウム、フマル酸一ナト
リウム、フマル酸二ナトリウム、フマル酸一カリウム、
フマル酸二カリウム等の、不飽和脂肪族ジカルボン酸の
モノまたはジアルカリ金属塩;安息香酸ナトリウム、安
息香酸カリウム等の、芳香族モノカルボン酸のアルカリ
金属塩;フタル酸一ナトリウム、フタル酸二ナトリウ
ム、フタル酸一カリウム、フタル酸二カリウム、イソフ
タル酸一ナトリウム、イソフタル酸二ナトリウム、イソ
フタル酸一カリウム、イソフタル酸二カリウム、テレフ
タル酸一ナトリウム、テレフタル酸二ナトリウム、テレ
フタル酸一カリウム、テレフタル酸二カリウム等の、芳
香族ジカルボン酸のモノまたはジアルカリ金属塩;等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、本発
明においては、カルボン酸アルカリ金属塩に、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩も含まれることとす
る。
ン酸アルカリ土類金属塩としては、具体的には、例え
ば、ギ酸カルシウム、ギ酸バリウム、酢酸カルシウム、
酢酸バリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸
バリウム等の、飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ土
類金属塩;シュウ酸カルシウム、シュウ酸バリウム、マ
ロン酸カルシウム、マロン酸バリウム、コハク酸カルシ
ウム、コハク酸バリウム等の、飽和脂肪族ジカルボン酸
のアルカリ土類金属塩;アクリル酸カルシウム、アクリ
ル酸バリウム、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸
バリウム等の、不飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ
土類金属塩;マレイン酸カルシウム、マレイン酸バリウ
ム、フマル酸カルシウム、フマル酸バリウム等の、不飽
和脂肪族ジカルボン酸のアルカリ土類金属塩;安息香酸
カルシウム、安息香酸バリウム等の、芳香族モノカルボ
ン酸のアルカリ土類金属塩;フタル酸カルシウム、フタ
ル酸バリウム、イソフタル酸カルシウム、イソフタル酸
バリウム、テレフタル酸カルシウム、テレフタル酸バリ
ウム等の、芳香族ジカルボン酸のアルカリ土類金属塩;
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、
本発明においては、カルボン酸アルカリ土類金属塩に、
炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩も含まれるこ
ととする。但し、本発明においては、カルボン酸アルカ
リ土類金属塩にカルボン酸マグネシウム塩は含まれない
こととする。
ルボン酸アルカリ土類金属塩(以下、両者を総称する場
合にはカルボン酸塩と記す)は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の
カルボン酸塩のうち、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウ
ム、酢酸バリウムがより好ましい。カルボン酸塩の使用
量は、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・マグネ
シウムハライドに対して1当量以上であればよく、特に
限定されるものではない。また、カルボン酸アルカリ金
属塩とカルボン酸アルカリ土類金属塩とを併用する場合
における両者の割合は、特に限定されるものではない。
としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸、炭酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸等の有機酸;が挙げられる
が、特に限定されるものではない。
また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の酸のう
ち、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸がよ
り好ましい。酸の使用量は、テトラキス(フッ化アリー
ル)ボレート・マグネシウムハライドを製造する際に用
いた(反応系に仕込んだ)マグネシウムに対して1当量
以上であればよく、特に限定されるものではない。ま
た、無機酸と有機酸とを併用する場合における両者の割
合は、特に限定されるものではない。
属水酸化物としては、具体的には、例えば、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ
る。また、の処理方法に用いられるアルカリ土類金属
水酸化物としては、具体的には、例えば、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム等が挙げられる。但し、本発明に
おいては、アルカリ土類金属水酸化物に水酸化マグネシ
ウムは含まれないこととする。
リ土類金属水酸化物(以下、両者を総称する場合には水
酸化物と記す)は、一種類のみを用いてもよく、また、
二種類以上を併用してもよい。水酸化物の使用量は、テ
トラキス(フッ化アリール)ボレート・マグネシウムハ
ライドに対して1当量以上であればよく、特に限定され
るものではない。また、アルカリ金属水酸化物とアルカ
リ土類金属水酸化物とを併用する場合における両者の割
合は、特に限定されるものではない。
マグネシウムハライドをカルボン酸塩で処理する場合
(の処理方法)には、テトラキス(フッ化アリール)
ボレート・マグネシウムハライドとカルボン酸塩とを混
合・撹拌すればよい。また、酸で処理する場合(の処
理方法)には、テトラキス(フッ化アリール)ボレート
・マグネシウムハライドと酸とを混合・撹拌すればよ
い。また、酸で処理した後、水酸化物で処理する場合
(の処理方法)には、酸を分離・除去した後、水酸化
物を混合・撹拌すればよい。さらに、酸で処理した後、
カルボン酸塩で処理する場合(の処理方法)には、酸
を分離・除去した後、カルボン酸塩を混合・撹拌すれば
よい。
マグネシウムハライドの溶液と、上記カルボン酸塩や
酸、水酸化物とを混合する方法は、特に限定されるもの
ではない。カルボン酸塩、酸および水酸化物は、そのま
まの状態(固体または液体)でテトラキス(フッ化アリ
ール)ボレート・マグネシウムハライドの溶液と混合し
てもよく、或いは、必要に応じて溶液の状態で混合して
もよい。
とする場合において好適に用いられる溶媒としては、具
体的には、例えば、水;ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等のエー
テル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の
脂環式炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル等のエ
ステル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素
系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール等のアル
コール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン系溶媒;等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これら溶媒は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。
法、および、混合順序は、特に限定されるものではな
い。例えば、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
マグネシウムハライドの溶液に、カルボン酸塩や酸、水
酸化物を混合してもよく、または、カルボン酸塩や酸、
水酸化物に、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
マグネシウムハライドの溶液を混合してもよい。
マグネシウムハライドの溶液と、カルボン酸塩や酸、水
酸化物とを混合・撹拌する際の温度並びに時間、即ち、
処理条件は、特に限定されるものではない。上記〜
の処理方法においては、テトラキス(フッ化アリール)
ボレート・マグネシウムハライドの溶液と、カルボン酸
塩や酸、水酸化物とを混合した後、室温で所定時間、撹
拌することにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレ
ート・マグネシウムハライドを容易に処理することがで
きる。また、酸で処理した後、水酸化物またはカルボン
酸塩で処理する場合において、酸を分離・除去する方法
は、特に限定されるものではない。酸は、例えば分液
(油水分離)等の簡単な操作を行うことにより、テトラ
キス(フッ化アリール)ボレートのアルカリ金属塩およ
び/またはアルカリ土類金属塩の溶液と分離することが
できる。処理後、テトラキス(フッ化アリール)ボレー
トのアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩
は、溶媒に溶解した溶液の状態で得られる。
トのアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩
の溶液にカルボン酸塩や酸、水酸化物が含まれている場
合には、必要に応じて洗浄等を行って、これらカルボン
酸塩や酸、水酸化物を除去すればよい。また、カルボン
酸塩や酸、水酸化物、或いはこれらの溶液にテトラキス
(フッ化アリール)ボレートのアルカリ金属塩および/
またはアルカリ土類金属塩が含まれている場合には、必
要に応じて抽出等を行って、テトラキス(フッ化アリー
ル)ボレートのアルカリ金属塩および/またはアルカリ
土類金属塩を回収すればよい。さらに、テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレートのアルカリ金属塩および/また
はアルカリ土類金属塩の溶液に水が含まれている場合に
は、必要に応じて無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤を該
溶液に添加して、除去(乾燥)すればよい。
式(3)で表されるエーテル化合物は、式中、R11、R
12で示される置換基が、それぞれ独立してヘテロ原子を
含む置換基を有していてもよい炭化水素基で構成され、
Yで示される置換基が炭化水素二価基で構成される化合
物である。
えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ベ
ンジル基等が挙げられるが、炭素数1〜10のアルキル
基、およびアリール基が特に好ましい。上記ヘテロ原子
を含む置換基としては、具体的には、例えば、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、シクロアルキルオキシ基、ア
シルオキシ基等の酸素原子を含む置換基;ジアルキルア
ミノ基等の窒素原子を含む置換基;アルキルチオ基、ア
リールチオ基等の硫黄原子を含む置換基;等が挙げられ
る。
つの酸素原子を結合する炭素鎖の長さが炭素数1〜6の
アルキレン基、即ち、置換基を有していてもよいメチレ
ン基、置換基を有していてもよいエチレン基、置換基を
有していてもよいトリメチレン基、置換基を有していて
もよいテトラメチレン基、置換基を有していてもよいペ
ンタメチレン基、置換基を有していてもよいヘキサメチ
レン基からなる群より選ばれる1種の二価基が好まし
い。さらに、これら二価基における置換基は、炭素数1
〜6のアルキル基であることが好ましい。
物(以下、多官能エーテルと称する)の種類としては、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン;エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エ
チレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレング
リコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコール
ジイソブチルエーテル、エチレングリコールジ−sec −
ブチルエーテル、エチレングリコールジ−t−ブチルエ
ーテル、エチレングリコールジペンチルエーテル、エチ
レングリコールジネオペンチルエーテル、エチレングリ
コールジヘキシルエーテル、エチレングリコールジヘプ
チルエーテル、エチレングリコールジオクチルエーテ
ル、エチレングリコールジノニルエーテル、エチレング
リコールジデシルエーテル等のエチレングリコールジア
ルキルエーテル;エチレングリコールジシクロプロピル
エーテル、エチレングリコールジシクロブチルエーテ
ル、エチレングリコールジシクロペンチルエーテル、エ
チレングリコールジシクロヘキシルエーテル、エチレン
グリコールジヘプチルエーテル、エチレングリコールジ
シクロオクチルエーテル、エチレングリコールジシクロ
ノニルエーテル、エチレングリコールジシクロデシルエ
ーテル等のエチレングリコールジシクロアルキルエーテ
ル;エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレ
ングリコールメチルイソプロピルエーテル、エチレング
リコールメチルブチルエーテル等の非対称エチレングリ
コールメチルアルキルエーテル;ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレング
リコールジぺンチルエーテル、ジエチレングリコールジ
ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジヘプチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジオクチルエーテル、ジ
エチレングリコールジノニルエーテル、ジエチレングリ
コールジデシルエーテル等のジエチレングリコールジア
ルキルエーテル;トリエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリ
エチレングリコールジイソプロピルエーテル、トリエチ
レングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジペンチルエーテル、トリエチレングリコールジヘ
キシルエーテル、トリエチレングリコールジヘプチルエ
ーテル、トリエチレングリコールジオクチルエーテル、
トリエチレングリコールジノニルエーテル、トリエチレ
ングリコールジデシルエーテル等のトリエチレングリコ
ールジアルキルエーテル;ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルメタクリレート等の、アシルオキシ基を有
するエチレングリコールジアルキルエーテル;エチレン
グリコールジ−2−メチルチオエチルエーテル等の、ア
ルキルチオ基を有するエチレングリコールジアルキルエ
ーテル;エチレングリコールジ−2−ジメチルアミノエ
チルエーテル等の、ジアルキルアミノ基を有するエチレ
ングリコールジアルキルエーテル;エチレングリコール
ジフェニルエーテル等のエチレングリコールジアリール
エーテル;ジエチレングリコールジフェニルエーテル等
のジエチレングリコールジアリールエーテル;トリエチ
レングリコールジフェニルエーテル等のトリエチレング
リコールジアリールエーテル;エチレングリコールジベ
ンジルエーテル;等が挙げられる。
が好ましいが、常温で固体であっても、加熱等により融
解して液体にすればよい。上記例示の化合物のうち、高
純度のテトラキス(フッ化アリール)ボレートに容易に
変換でき、また、工業的に入手が可能であり、安価であ
ることから、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエ
トキシエタン、および、ジエチレングリコールジメチル
エーテルが特に好ましい。
るものではないが、テトラキス(フッ化アリール)ボレ
ートと多官能エーテルとがモル比1:1以上で錯体を形
成することから、テトラキス(フッ化アリール)ボレー
トに対して等モル以上であることが好ましい。
キス(フッ化アリール)ボレートと多官能エーテルとを
反応させる方法は、特に限定されるものではないが、溶
媒中でテトラキス(フッ化アリール)ボレートと多官能
エーテルとを混合する方法が好適である。
機合成に使用される溶媒であれば使用可能であり、特に
限定されるものではないが、脂肪族炭化水素系溶媒、脂
環式炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶
媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル
系溶媒等の有機溶媒、および、水が挙げられる。これら
溶媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を混合して用いてもよい。
ッ化アリール)ボレート・エーテル錯体の溶解度が比較
的低い溶媒、即ち、ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル
系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化
水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環
式炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶
媒;が、特に好ましい。これら溶媒を用いることによ
り、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル
錯体を結晶として容易に析出させることができ、溶液か
らの分離が容易となる。
エーテル錯体の溶解度が高い溶媒、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール等のアルコール系溶媒、或い
は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒を
用いた場合には、テトラキス(フッ化アリール)ボレー
ト・エーテル錯体を形成させた後、そのままでは結晶が
析出しないので、これら溶媒を留去すればよい。尚、ニ
トロメタンやアセトニトリル等の極性溶媒は、多官能エ
ーテルよりも配位力が強く、エーテル錯体の形成を阻害
するので、好ましくない。
ないが、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エー
テル錯体のみを結晶として析出させて反応系外に取り出
す場合には、テトラキス(フッ化アリール)ボレートが
溶媒に全て溶解する量であることが好ましい。これによ
り、着色成分や副生塩を含むテトラキス(フッ化アリー
ル)ボレートを用いて錯体を形成させたときに、着色成
分や副生塩が反応系内に留まるため、濾過等の操作によ
って着色の無い高純度のテトラキス(フッ化アリール)
ボレート・エーテル錯体が得られる。
ール)ボレートが全て溶解しない量の溶媒であってもよ
く、例えば、懸濁状態で反応を行っても錯体化を進行さ
せることができる。この場合には、テトラキス(フッ化
アリール)ボレートを、懸濁状態で多官能エーテルと反
応させ、その結果生成したテトラキス(フッ化アリー
ル)ボレート・エーテル錯体を、濾過等の方法で反応系
外に取り出せばよい。取り出したテトラキス(フッ化ア
リール)ボレート・エーテル錯体が着色成分や副生塩等
の不純物を含んでいる場合には、これら不純物を溶解す
る適当な溶媒(例えば、エーテル系溶媒)で洗浄するこ
とが好ましい。これにより、着色の無い高純度のテトラ
キス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体が得ら
れる。
テル中でテトラキス(フッ化アリール)ボレートと多官
能エーテルとを反応させ、テトラキス(フッ化アリー
ル)ボレート・エーテル錯体を形成させた後に、錯体を
形成しなかった分の多官能エーテルを留去してもよい。
この場合には、得られた生成物が着色成分や副生塩等の
不純物を含んでいる場合には、これら不純物を溶解する
適当な溶媒(例えば、エーテル系溶媒)で洗浄すること
が好ましい。
ートと多官能エーテルとの混合の方法および順序は何ら
制限されるものではない。混合方法としては、例えば、
テトラキス(フッ化アリール)ボレートの溶液に多官能
エーテルを加える方法;或いは、多官能エーテルにテト
ラキス(フッ化アリール)ボレートの溶液を加える方
法;等が挙げられる。
が、多官能エーテルの沸点以下であることが好ましく、
さらに、溶媒を使用する場合には、該溶媒の沸点以下で
あることが好ましい。
ートと多官能エーテルとの反応は非常に速く、混合律速
であるが、生成した錯体が成長して析出してくる迄の時
間が必要である。従って、反応時間は、生成した錯体が
成長して析出してくる迄の時間以上となるように、適宜
設定すれば良い。さらに、反応圧力は、常圧、減圧、加
圧の何れであってもよい。
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。実施例中に示したNMR(核磁気共鳴)スペ
クトルデータは、 1H−NMRの場合にはテトラメチル
シラン(TMS)を標準物質として測定し、19F−NM
Rの場合にはトリフルオロ酢酸を標準物質として測定し
た。そして、標準物質のシグナルを0ppmとした。
却管および撹拌器を備えた反応容器に、テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレートとしてのテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート・リチウム0.045モルを
含むジ−n−ブチルエーテル溶液200mlを仕込ん
だ。また、多官能エーテルとしての1,2−ジメトキシ
エタン0.45モルを滴下ロートに仕込んだ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを10分
間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)で30分
間撹拌した。これにより、反応溶液から結晶が析出し
た。反応容器の内容物を吸引濾過して析出した結晶を集
め、集めた結晶をイソプロピルエーテル20mlで洗浄
した。
圧下で乾燥することにより、テトラキス(フッ化アリー
ル)ボレート・多官能エーテル錯体としてのテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウム・1,
2−ジメトキシエタン錯体を、白色の結晶として得た。
ニル)ボレート・リチウム・1,2−ジメトキシエタン
錯体の収率は、19F−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
を測定することによって求めた。即ち、p−フルオロト
ルエンを内部標準として用い、19F−NMRを所定の条
件下で測定した。そして、得られたチャートから、p−
フルオロトルエンのフッ素原子の積分値と、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウム・1,
2−ジメトキシエタン錯体におけるペンタフルオロフェ
ニル基のオルト位のフッ素原子の積分値との比を求め、
該積分比からテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート・リチウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の重
量を算出した。
ェニル)ボレート・リチウムに対するテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート・リチウム・1,2−ジ
メトキシエタン錯体の収率は85.2モル%であり、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウ
ム・1,2−ジメトキシエタン錯体の純度は99%であ
った。
として用い、 1H−NMRを所定の条件下で測定した。
そして、得られたチャートから、p−フルオロトルエン
のメチル基の積分値と、1,2−ジメトキシエタンのメ
チル基の積分値との積分比を求め、該積分比から1,2
−ジメトキシエタンのモル量を算出した。
ェニル)ボレート・リチウム・1,2−ジメトキシエタ
ン錯体におけるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・リチウムと1,2−ジメトキシエタンとのモ
ル比は、1:2であった。
レート・リチウム・1,2−ジメトキシエタン錯体は、
融点測定、IR(赤外吸収スペクトル)、19F−NM
R、 1H−NMR、および元素分析の各分析を行うこと
により同定した。各分析により得られたデータは、 融点:119℃〜120℃ IR(KBr,cm-1):2947,1642,151
5,1464,1279,1121,1083,97
8,86819 F−NMR(CDCl3,δ):−56.9,−87.
1,−91.11 H−NMR(CDCl3,δ):3.41(6H,
s),3.57(4H,s) 元素分析:C24F20BLi・2C4 H10O2 として 計算値(%)・水素;2.33,炭素;44.37,フッ素;43.87 分析値(%)・水素;2.47,炭素;44.36,フッ素:43.33 であった。
に、ジエチルエーテルとジ−n−ブチルエーテルとの混
合溶媒(ジエチルエーテルとジ−n−ブチルエーテルと
の体積比は1:1)中にテトラキス(フッ化アリール)
ボレートとしてのテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート・ナトリウム0.0214モルが溶解して
いる混合溶液100mlを仕込んだ。また、1,2−ジ
メトキシエタン0.900モルを滴下ロートに仕込ん
だ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを室温で
10分間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)で
30分間撹拌した。次いで、減圧下でジエチルエーテル
と過剰の1,2−ジメトキシエタンとを反応容器から留
去したところ、結晶が析出した。反応容器の内容物を吸
引濾過して析出した結晶を集め、集めた結晶をn−ヘキ
サン100mlで洗浄した。
ことにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
多官能エーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキ
シエタン錯体を、黄白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウムに対するテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン錯体
の収率は95.7モル%であり、その純度は99%であ
った。
ル)ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン
錯体におけるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート・ナトリウムと1,2−ジメトキシエタンとのモ
ル比は、1:3であった。
ル)ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン
錯体は、以下に示す各分析データ 融点:159℃〜162℃ IR(KBr,cm-1):2948,2908,164
5,1471,1278,1128,1087,97
5,86019 F−NMR(CDCl3,δ):−57.4,−86.
8,−91.21 H−NMR(CDCl3,δ):3.35(6H,
s),3.53(4H,s) 元素分析:C24F20BNa・3C4 H10O2 として 計算値(%)・水素;3.06,炭素:43.73,フッ素:38.43 分析値(%)・水素:3.03,炭素:45.13,フッ素:38.86 により同定した。
に、テトラキス(フッ化アリール)ボレートとしてのテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリウ
ム0.0414モルを含むジ−n−ブチルエーテル溶液
200mlを仕込んだ。また、1,2−ジメトキシエタ
ン0.900モルを滴下ロートに仕込んだ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを室温で
10分間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)で
30分間撹拌した。次いで、反応溶液の温度を110℃
まで昇温して、過剰の1,2−ジメトキシエタンを留去
した後、室温まで冷却した。これにより、反応溶液から
結晶が析出した。反応容器の内容物を吸引濾過して析出
した結晶を集め、集めた結晶をn−ヘキサン100ml
で洗浄した。そして、洗浄後の結晶を減圧下で乾燥する
ことにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
多官能エーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート・カリウム・1,2−ジメトキシ
エタン錯体を、黄白色の粉体として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリ
ウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の収率は71.5
モル%であり、その純度は99%であった。また、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリウム
・1,2−ジメトキシエタン錯体におけるテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリウムと1,
2−ジメトキシエタンとのモル比は、1:3であった。
ル)ボレート・カリウム・1,2−ジメトキシエタン錯
体は、以下に示す各分析データ 融点:127℃〜130℃ IR(KBr,cm-1):2944,2906,164
5,1515,1466,1277,1125,108
7,978,85719 F−NMR(CDCl3,δ):−57.2,−86.
7,−90.91 H−NMR(CDCl3,δ):3.33(6H,
s),3.51(4H,s) 元素分析:C24F20BK・3C4 H10O2 として 計算値(%)・水素;3.08,炭素;44.44,フッ素;39.09 分析値(%)・水素;3.07,炭素:44.03,フッ素:37.98 により同定した。
で、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
リチウム0.0214モルをイオン交換水50mlに懸
濁させ、得られた懸濁液を50℃に加熱して、溶解させ
た。得られた溶液に、多官能エーテルとしての1,2−
ジエトキシエタン50mlを加え、10分間撹拌した
後、反応混合液を有機層と水層とに分液した。さらに、
水層を1,2−ジエトキシエタン50mlで抽出し、得
られた有機層を、先に分液した有機層と合わせた。
で乾燥した後、減圧下で溶媒(1,2−ジエトキシエタ
ン)を留去した。これにより、テトラキス(フッ化アリ
ール)ボレート・多官能エーテル錯体としてのテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウム・
1,2−ジエトキシエタン錯体を、茶色の結晶として得
た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチ
ウム・1,2−ジエトキシエタン錯体の収率は91.1
モル%であり、その純度は99%であった。また、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウム
・1,2−ジエトキシエタン錯体におけるテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチウムと1,
2−ジエトキシエタンとのモル比は、1:3であった。
ル)ボレート・リチウム・1,2−ジエトキシエタン錯
体は、以下に示す各分析データ 融点:170℃〜172℃ IR(KBr,cm-1):2986,2941,164
5,1516,1465,1276,1119,108
4,1066,98019 F−NMR(DMSO−d6,δ):−56.8,−8
7.3,−91.11 H−NMR(DMSO−d6,δ):1.24(6H,
t,J=7.2Hz),3.66(4H,q,J=7.
2Hz),3.69(4H,s) により同定した。
で、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
ナトリウム0.010モルをイオン交換水50mlに懸
濁させた。得られた懸濁液に、1,2−ジエトキシエタ
ン50mlを加え、10分間撹拌した後、反応混合液を
有機層と水層とに分液した。さらに、水層を1,2−ジ
エトキシエタン50mlで抽出し、得られた有機層を、
先に分液した有機層と合わせた。
で乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。これにより、
テトラキス(フッ化アリール)ボレート・多官能エーテ
ル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・ナトリウム・1,2−ジエトキシエタン錯体
を、薄茶色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・1,2−ジエトキシエタン錯体の収率は94.
2モル%であり、その純度は99%であった。また、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナトリ
ウム・1,2−ジエトキシエタン錯体におけるテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナトリウムと
1,2−ジエトキシエタンとのモル比は、1:3であっ
た。
ル)ボレート・ナトリウム・1,2−ジエトキシエタン
錯体は、以下に示す各分析データ 融点:167℃〜169℃ IR(KBr,cm-1):2986,2940,164
5,1516,1465,1275,1119,108
5,1066,98019 F−NMR(DMSO−d6,δ):−55.5,−8
4.6,−89.31 H−NMR(DMSO−d6,δ):1.13(6H,
t,J=7.2Hz),3.45(4H,q,J=7.
2Hz),3.49(4H,s) により同定した。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
カリウム0.004モルを含むジ−n−ブチルエーテル
溶液20mlを仕込んだ。次いで、上記溶液に1,2−
ジエトキシエタン0.020モルを加え、室温で10時
間撹拌したところ、結晶が析出した。反応容器の内容物
を吸引濾過することによって析出した結晶を集め、集め
た結晶をジ−n−ブチルエーテル10mlで洗浄した。
ことにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
多官能エーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート・カリウム・1,2−ジエトキシ
エタン錯体を、白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリ
ウム・1,2−ジエトキシエタン錯体の収率は70.7
モル%であり、その純度は99.9%であった。また、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリ
ウム・1,2−ジエトキシエタン錯体におけるテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリウムと
1,2−ジエトキシエタンとのモル比は、1:3であっ
た。
ル)ボレート・カリウム・1,2−ジエトキシエタン錯
体は、以下に示す各分析データ 融点:113℃〜114℃ IR(KBr,cm-1):2983,2935,164
5,1515,1464,1276,1085,97819 F−NMR(DMSO−d6,δ):−56.6,−8
5.6,−90.11 H−NMR(DMSO−d6,δ):1.11(6H,
t,J=7.2Hz),3.44(4H,q,J=7.
2Hz),3.45(4H,s) により同定した。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
リチウム0.004モルを含むジ−n−ブチルエーテル
溶液20mlを仕込んだ。次いで、上記溶液に、多官能
エーテルとしてのジエチレングリコールジメチルエーテ
ル0.016モルを加え、室温で10時間撹拌したとこ
ろ、結晶が析出した。反応容器の内容物を吸引濾過する
ことによって析出した結晶を集め、集めた結晶をジ−n
−ブチルエーテル10mlで洗浄した。
ことにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
多官能エーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート・リチウム・ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル錯体を、白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・リチ
ウム・ジエチレングリコールジメチルエーテル錯体の収
率は85.0モル%であり、その純度は99%であっ
た。また、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート・リチウム・ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル錯体におけるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・リチウムとジエチレングリコールジメチルエ
ーテルとのモル比は、1:2.5であった。
ル)ボレート・リチウム・ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル錯体は、以下に示す各分析データ 融点:193℃〜195℃ IR(KBr,cm-1):2940,1644,151
5,1464,1279,1114,1084,97919 F−NMR(CDCl3,δ):−56.7,−87.
3,−91.11 H−NMR(CDCl3,δ):3.36(6H,
s),3.54〜3,56(4H,m),3.63〜
3.65(4H,m) により同定した。
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナトリウ
ム0.005モルを含むジ−n−ブチルエーテル溶液2
0mlを仕込んだ。次いで、上記溶液にジエチレングリ
コールジメチルエーテル0.016モルを加え、室温で
10時間撹拌したところ、結晶が析出した。反応容器の
内容物を吸引濾過することによって析出した結晶を集
め、さらに、集めた結晶をジ−n−ブチルエーテル10
mlで洗浄した。
ことにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
多官能エーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート・ナトリウム・ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル錯体を、白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・ジエチレングリコールジメチルエーテル錯体の
収率は85.4モル%であり、その純度は99%であっ
た。また、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート・ナトリウム・ジエチレングリコールジメチルエー
テル錯体におけるテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート・ナトリウムとジエチレングリコールジメ
チルエーテルとのモル比は、1:3であった。
ル)ボレート・ナトリウム・ジエチレングリコールジメ
チルエーテル錯体は、以下に示す各分析データ 融点:167℃〜169℃ IR(KBr,cm-1):2941,1644,151
4,1461,1276,1113,1085,97719 F−NMR(CDCl3,δ):−56.4,−87.
3,−91.31 H−NMR(CDCl3,δ):3.38(6H,
s),3.38〜3,57(4H,m),3.59〜
3.61(4H,m) により同定した。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
カリウム0.005モルを含むジ−n−ブチルエーテル
溶液20mlを仕込んだ。次いで、上記溶液にジエチレ
ングリコールジメチルエーテル0.016モルを加え、
室温で10時間撹拌したところ、結晶が析出した。反応
容器の内容物を吸引濾過することによって析出した結晶
を集め、集めた結晶をジ−n−ブチルエーテル10ml
で洗浄した。
ことにより、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・
多官能エーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート・カリウム・ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル錯体を、白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・カリ
ウム・ジエチレングリコールジメチルエーテル錯体の収
率は98.5モル%であり、その純度は99%であっ
た。また、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート・カリウム・ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル錯体におけるテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・カリウムとジエチレングリコールジメチルエ
ーテルとのモル比は、1:3であった。
ル)ボレート・カリウム・ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル錯体は、以下に示す各分析データ 融点:96℃〜97℃ IR(KBr,cm-1):2940,2906,164
5,1514,1465,1276,1110,108
7,98019 F−NMR(CDCl3,δ):−56.9,−87.
1,−91.11 H−NMR(CDCl3,δ):3.33(6H,
s),3.51〜3,53(4H,m),3.55〜
3.58(4H,m) により同定した。
に、ジエチルエーテルとジ−n−ブチルエーテルとの混
合溶媒(ジエチルエーテルとジ−n−ブチルエーテルと
の体積比は1:1)中にテトラキス(フッ化アリール)
ボレートとしてのテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート・マグネシウムブロマイド0.0259モ
ルとフッ化臭化マグネシウム0.0194モルとが溶解
している混合溶液100mlを仕込んだ。また、1,2
−ジメトキシエタン0.0550モルを滴下ロートに仕
込んだ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを室温で
15分間かけて滴下した後、さらに、撹拌を続けながら
反応容器の内容物を140℃まで昇温して、ジエチルエ
ーテルと過剰の1,2−ジメトキシエタンとを留去し
た。反応混合物を室温まで冷却して結晶を析出させた
後、反応混合物を吸引濾過して析出した結晶を集め、集
めた結晶をジ−n−ブチルエーテル100mlで洗浄し
た。
り、テトラキス(フッ化アリール)ボレート・多官能エ
ーテル錯体としてのテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート・マグネシウムブロマイド・1,2−ジメ
トキシエタン錯体を、淡黄色の粉体として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・マグ
ネシウムブロマイド・1,2−ジメトキシエタン錯体の
収率は94.5モル%であり、その純度は99%であっ
た。また、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート・マグネシウムブロマイド・1,2−ジメトキシエ
タン錯体を蛍光X線で分析したところ、マグネシウムは
検出されず、フッ化臭化マグネシウムは完全に除去され
ていた。各分析により得られたデータは、 融点:230℃以上 IR(KBr,cm-1):2953,1631,151
6,1465,1112,1087,98019 F−NMR(CDCl3,δ):−56.6,−87.
6,−90.11 H−NMR(CDCl3,δ):3.26(6H,
s),3.44(4H,s) であった。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
水素化合物0.040モルを含むジ−n−ブチルエーテ
ル溶液100mlを仕込んだ。また、滴下ロートに1,
2−ジメトキシエタン0.140モルを仕込んだ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを室温で
15分間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)で
1時間撹拌した。撹拌終了後、反応容器の内容物を減圧
下で加熱して、ジ−n−ブチルエーテルと、過剰の1,
2−ジメトキシエタンとを留去した。
より、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
・1,2−ジメトキシエタン錯体を淡茶色の油状物とし
て得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・1,
2−ジメトキシエタン錯体の収率は90.0モル%であ
り、その純度は98%であった。各分析により得られた
データは、19 F−NMR(CDCl3,δ):−56.8,−87.
4,−91.31 H−NMR(CDCl3,δ):3.39(6H,
s),3.60(4H,s)9.83(1H,br) であった。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
ナトリウム(0.050モル)を32.43重量%の割
合で含むジ−n−ブチルエーテル溶液108gを仕込ん
だ。また、滴下ロートに1,2−ジメトキシエタン0.
100モルを仕込んだ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを20℃
で10分間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)
で10時間撹拌したところ、結晶が析出した。反応容器
の内容物を吸引濾過して析出した結晶を集め、集めた結
晶をジ−n−ブチルエーテル18gで洗浄した。
ことにより、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン錯体を
淡黄色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の収率は70.
0モル%であり、その純度は99%であった。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
ナトリウム(0.050モル)を32.43重量%の割
合で含むジ−n−ブチルエーテル溶液108gを仕込ん
だ。また、滴下ロートに1,2−ジメトキシエタン0.
125モルを仕込んだ。
ら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタンを20℃
で10分間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)
で10時間撹拌したところ、結晶が析出した。反応容器
の内容物を吸引濾過して析出した結晶を集め、集めた結
晶をジ−n−ブチルエーテル18gで洗浄した。そし
て、洗浄後の結晶を減圧下で乾燥することにより、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナトリウ
ム・1,2−ジメトキシエタン錯体を白色の結晶として
得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の収率は80.
9モル%であり、その純度は99%であった。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
ナトリウム(0.050モル)を32.43重量%の割
合で含むジ−n−ブチルエーテル溶液108gを仕込ん
だ。また、滴下ロートに1,2−ジメトキシエタン0.
150モルを仕込んだ。上記反応容器の内容物を室温で
撹拌しながら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタ
ンを20℃で10分間かけて滴下した後、さらに、同温
度(室温)で10時間撹拌したところ、結晶が析出し
た。
結晶を集め、集めた結晶をジ−n−ブチルエーテル18
gで洗浄した。そして、洗浄後の結晶を減圧下で乾燥す
ることにより、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン錯体
を白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の収率は85.
8モル%であり、その純度は99%であった。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
ナトリウム(0.028モル)を22.0重量%の割合
で含むジ−n−ブチルエーテル溶液90gを仕込んだ。
また、滴下ロートに、1,2−ジメトキシエタン0.0
98モルを仕込んだ。上記反応容器の内容物を室温で撹
拌しながら、滴下ロート内の1,2−ジメトキシエタン
を20℃で10分間かけて滴下した後、さらに、同温度
(室温)で10時間撹拌したところ、結晶が析出した。
結晶を集め、集めた結晶をジ−n−ブチルエーテル10
gで洗浄した。そして、洗浄後の結晶を減圧下で乾燥す
ることにより、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン錯体
を白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の反応収率は9
5.3モル%であり、その純度は99%であった。
に、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・
ナトリウム(0.028モル)を22.0重量%の割合
で含むジ−n−ブチルエーテル溶液90gを仕込んだ。
また、滴下ロートに1,2−ジメトキシエタン0.11
2モルを仕込んだ。上記反応容器の内容物を室温で撹拌
しながら、上記の1,2−ジメトキシエタンを20℃で
10分間かけて滴下した後、さらに、同温度(室温)で
10時間撹拌したところ、結晶が析出した。
結晶を集め、集めた結晶をジ−n−ブチルエーテル10
gで洗浄した。そして、洗浄後の結晶を減圧下で乾燥す
ることにより、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート・ナトリウム・1,2−ジメトキシエタン錯体
を白色の結晶として得た。
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・ナト
リウム・1,2−ジメトキシエタン錯体の反応収率は9
4.5モル%であり、その純度は93.5%であった。
ッ化アリール)ボレート・エーテル錯体は、以上のよう
に、一般式(1)
R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表
し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ
素原子であり、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つは
フッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立してヘテ
ロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化水素基を表
し、Yは炭化水素二価基を表し、Mは水素原子、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハラ
イドを表し、nは2または3であり、mはMが水素原
子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ハライドであ
る場合に1、アルカリ土類金属である場合に2である)
で表される構成である。
媒の助触媒やカチオン重合開始剤、各種テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレート誘導体を製造するための中間体
等として好適な新規物質を提供することができるという
効果を奏する。
(1)
R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表
し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ
素原子であり、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つは
フッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立してヘテ
ロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化水素基を表
し、Yは炭化水素二価基を表し、Mは水素原子、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハラ
イドを表し、nは2または3であり、mはMが水素原
子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ハライドであ
る場合に1、アルカリ土類金属である場合に2である)
で表されるテトラキス(フッ化アリール)ボレート・エ
ーテル錯体の製造方法は、以上のように、一般式(2)
R6 、R7 、R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表
し、かつ、該R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ
素原子であり、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つは
フッ素原子であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アル
カリ土類金属またはアルカリ土類金属ハライドを表し、
nは2または3であり、mはMが水素原子、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属ハライドである場合に1、ア
ルカリ土類金属である場合に2である)で表されるテト
ラキス(フッ化アリール)ボレートを、一般式(3)
テロ原子を含む置換基を有していてもよい炭化水素基を
表し、Yは炭化水素二価基を表す)で表されるエーテル
化合物と反応させる方法である。
媒の助触媒やカチオン重合開始剤、各種テトラキス(フ
ッ化アリール)ボレート誘導体を製造するための中間体
等として好適な新規物質を、安価に、かつ、高収率、高
純度で製造することができるという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、
R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素原子、フッ素
原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該
R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ素原子であ
り、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つはフッ素原子
であり、R11、R12はそれぞれ独立してヘテロ原子を含
む置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Yは炭
化水素二価基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハライドを表
し、nは2または3であり、mはMが水素原子、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属ハライドである場合に
1、アルカリ土類金属である場合に2である)で表され
ることを特徴とするテトラキス(フッ化アリール)ボレ
ート・エーテル錯体。 - 【請求項2】一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、
R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素原子、フッ素
原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該
R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ素原子であ
り、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つはフッ素原子
であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属またはアルカリ土類金属ハライドを表し、nは2また
は3であり、mはMが水素原子、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属ハライドである場合に1、アルカリ土類
金属である場合に2である)で表されるテトラキス(フ
ッ化アリール)ボレートを、一般式(3) 【化3】 (式中、R11、R12はそれぞれ独立してヘテロ原子を含
む置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Yは炭
化水素二価基を表す)で表されるエーテル化合物と反応
させることを特徴とする一般式(1) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、
R8 、R9 、R10はそれぞれ独立して水素原子、フッ素
原子、炭化水素基またはアルコキシ基を表し、かつ、該
R1 〜R5 のうちの少なくとも一つはフッ素原子であ
り、該R6 〜R10のうちの少なくとも一つはフッ素原子
であり、R11、R12はそれぞれ独立してヘテロ原子を含
む置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Yは炭
化水素二価基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属またはアルカリ土類金属ハライドを表
し、nは2または3であり、mはMが水素原子、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属ハライドである場合に
1、アルカリ土類金属である場合に2である)で表され
るテトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05723198A JP3892137B2 (ja) | 1997-03-10 | 1998-03-09 | テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-55311 | 1997-03-10 | ||
JP5531197 | 1997-03-10 | ||
JP05723198A JP3892137B2 (ja) | 1997-03-10 | 1998-03-09 | テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10310588A true JPH10310588A (ja) | 1998-11-24 |
JP3892137B2 JP3892137B2 (ja) | 2007-03-14 |
Family
ID=26396208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05723198A Expired - Fee Related JP3892137B2 (ja) | 1997-03-10 | 1998-03-09 | テトラキス(フッ化アリール)ボレート・エーテル錯体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3892137B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5558103B2 (ja) * | 2007-11-01 | 2014-07-23 | 株式会社Adeka | 塩化合物、カチオン重合開始剤およびカチオン重合性組成物 |
-
1998
- 1998-03-09 JP JP05723198A patent/JP3892137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5558103B2 (ja) * | 2007-11-01 | 2014-07-23 | 株式会社Adeka | 塩化合物、カチオン重合開始剤およびカチオン重合性組成物 |
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