JPH1031019A - 糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及び検査薬 - Google Patents
糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及び検査薬Info
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- JPH1031019A JPH1031019A JP20276496A JP20276496A JPH1031019A JP H1031019 A JPH1031019 A JP H1031019A JP 20276496 A JP20276496 A JP 20276496A JP 20276496 A JP20276496 A JP 20276496A JP H1031019 A JPH1031019 A JP H1031019A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及びそれ
に使用する検査薬を提供することを目的とする。 【解決手段】 ヒト房水中の血管内皮細胞増殖因子/血
管透過性因子の量を測定することからなる糖尿病性血管
新生緑内障の検査方法及び血管内皮細胞増殖因子/血管
透過性因子と特異的に反応する物質からなる糖尿病性血
管新生緑内障の検査薬である。
に使用する検査薬を提供することを目的とする。 【解決手段】 ヒト房水中の血管内皮細胞増殖因子/血
管透過性因子の量を測定することからなる糖尿病性血管
新生緑内障の検査方法及び血管内皮細胞増殖因子/血管
透過性因子と特異的に反応する物質からなる糖尿病性血
管新生緑内障の検査薬である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、房水中の血管内皮
細胞増殖因子/血管透過性因子(Vascular endothelial
growth factor/vascular permeability factor, 以下V
EGF/VPF又はVPFと称する)の量を測定するこ
とによる糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及びそれに
使用する検査薬に関するものであり、医療の診断技術及
び検査薬技術に関するものである。
細胞増殖因子/血管透過性因子(Vascular endothelial
growth factor/vascular permeability factor, 以下V
EGF/VPF又はVPFと称する)の量を測定するこ
とによる糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及びそれに
使用する検査薬に関するものであり、医療の診断技術及
び検査薬技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の合併症として網膜症が発症する
ことは、すでに一般的によく知られている。また、前増
殖性及び単純網膜症や増殖性網膜症で、患者の房水中に
VEGF/VPF量が健常者と比較して高値を示すこと
が報告されている(Adamis A.P.et. al., Am. J. Ophtha
lmol., 118: 445-450(1994)、Aiello L.P. et. al., N.
Engl. J. Med., 331:1480-7(1994))。
ことは、すでに一般的によく知られている。また、前増
殖性及び単純網膜症や増殖性網膜症で、患者の房水中に
VEGF/VPF量が健常者と比較して高値を示すこと
が報告されている(Adamis A.P.et. al., Am. J. Ophtha
lmol., 118: 445-450(1994)、Aiello L.P. et. al., N.
Engl. J. Med., 331:1480-7(1994))。
【0003】また、血管新生すなわち毛細血管内皮細胞
の増殖、移動及び組織への浸潤は胎児の生長、創傷治
癒、癌細胞の増殖などの生理的又は病理的現象において
重要な役割を果たしていることが知られている[(Folkma
n J., Cancer Res. 46:467(1986)] 。血管新生を誘導す
る因子としては、直接的に血管内皮細胞に作用する物質
として塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast gr
owth factor, bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(acidic
fibroblast growth factor, aFGF)、血管内皮細胞増殖
因子/血管透過性因子(vascular endothelial growth f
actor/vascular permeability factor, VEGF/VPF)、血
小板由来内皮細胞増殖因子(platelet-derived endothel
ial cell growth factor, PD-ECGF)などが、また間接的
に血管内皮細胞に作用する物質としてtransforming gro
wth factor-α(TGF-α)、transforminggrowth factor-
β(TGF-β)、angiogenin、tumor necrosis factor-α(T
NF-α)などが見つけられている[Folkman J. & Shing
Y., J. Biol. Chem., 267:10931(1992)]。
の増殖、移動及び組織への浸潤は胎児の生長、創傷治
癒、癌細胞の増殖などの生理的又は病理的現象において
重要な役割を果たしていることが知られている[(Folkma
n J., Cancer Res. 46:467(1986)] 。血管新生を誘導す
る因子としては、直接的に血管内皮細胞に作用する物質
として塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast gr
owth factor, bFGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(acidic
fibroblast growth factor, aFGF)、血管内皮細胞増殖
因子/血管透過性因子(vascular endothelial growth f
actor/vascular permeability factor, VEGF/VPF)、血
小板由来内皮細胞増殖因子(platelet-derived endothel
ial cell growth factor, PD-ECGF)などが、また間接的
に血管内皮細胞に作用する物質としてtransforming gro
wth factor-α(TGF-α)、transforminggrowth factor-
β(TGF-β)、angiogenin、tumor necrosis factor-α(T
NF-α)などが見つけられている[Folkman J. & Shing
Y., J. Biol. Chem., 267:10931(1992)]。
【0004】VPFに関しては、マウス、ラット、モル
モット、ウシ及びヒトの正常又は腫瘍細胞株で分泌され
ており、また組織別では脳、下垂体、腎臓、卵巣に存在
することが明らかにされている[(Ferrara N. et.al., E
ndocrine Reviews 13:18(1992)]。またヒトVPFは乳
癌の血管新生と転移[Weider N. et.al., N. Engl. J.Me
d. 324:1(1991)]や腎細胞癌の血管新生[医学のあゆみ 1
68:231(1994)]、あるいは網膜疾患における血管新生[Ad
amis A.P. et.al., Biochem. Biophys. Res.Comm. 193:
631(1993)]に関与していることが報告されている。
モット、ウシ及びヒトの正常又は腫瘍細胞株で分泌され
ており、また組織別では脳、下垂体、腎臓、卵巣に存在
することが明らかにされている[(Ferrara N. et.al., E
ndocrine Reviews 13:18(1992)]。またヒトVPFは乳
癌の血管新生と転移[Weider N. et.al., N. Engl. J.Me
d. 324:1(1991)]や腎細胞癌の血管新生[医学のあゆみ 1
68:231(1994)]、あるいは網膜疾患における血管新生[Ad
amis A.P. et.al., Biochem. Biophys. Res.Comm. 193:
631(1993)]に関与していることが報告されている。
【0005】さらにヒトVPF遺伝子についてはそのc
DNAがすでに単離されて塩基配列が決定され、アミノ
酸配列も推定されている。この遺伝子は1つの遺伝子か
らアミノ酸残基数の異なる4種類の蛋白(アミノ酸残基
数が121個、165個、189個および206個の4
種類)が作られ、それらの中で121個のアミノ酸残基
数のもの(VPF121)と165個のアミノ酸残基数のも
の(VPF165)が分泌蛋白であると言われている[(Ferra
ra,N., et.al. Endocrine Reviews 13:18(1992)]。VP
F121はVPF165のカルボキシル末端の44個のアミノ
酸が欠損したものであるが、VPF121とVPF165の間
に、血管内皮細胞に対する作用の違いがあるかどうかに
ついては明らかにはされていない。
DNAがすでに単離されて塩基配列が決定され、アミノ
酸配列も推定されている。この遺伝子は1つの遺伝子か
らアミノ酸残基数の異なる4種類の蛋白(アミノ酸残基
数が121個、165個、189個および206個の4
種類)が作られ、それらの中で121個のアミノ酸残基
数のもの(VPF121)と165個のアミノ酸残基数のも
の(VPF165)が分泌蛋白であると言われている[(Ferra
ra,N., et.al. Endocrine Reviews 13:18(1992)]。VP
F121はVPF165のカルボキシル末端の44個のアミノ
酸が欠損したものであるが、VPF121とVPF165の間
に、血管内皮細胞に対する作用の違いがあるかどうかに
ついては明らかにはされていない。
【0006】一方、ヒトVPF121に対するモノクロー
ナル抗体はすでに本発明者らにより取得されている(特
願平6−152805号「ペプチド及びモノクローナル
抗体」。さらに、そのモノクローナル抗体及びヒトVP
F121に対するポリクローナル抗体を用いた酵素免疫測
定法により、数pg/mlのVPFが測定できることを明ら
かにしている(特願平7−141271号「血管透過性
因子の測定方法」。
ナル抗体はすでに本発明者らにより取得されている(特
願平6−152805号「ペプチド及びモノクローナル
抗体」。さらに、そのモノクローナル抗体及びヒトVP
F121に対するポリクローナル抗体を用いた酵素免疫測
定法により、数pg/mlのVPFが測定できることを明ら
かにしている(特願平7−141271号「血管透過性
因子の測定方法」。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、以上の
様な状況の中で、房水中のVPFの量と糖尿病性血管新
生緑内障との間に何らかの相関性が無いか、その量を測
定することにより糖尿病性血管新生緑内障の診断に寄与
することが出来ないか検討を行ったのである。
様な状況の中で、房水中のVPFの量と糖尿病性血管新
生緑内障との間に何らかの相関性が無いか、その量を測
定することにより糖尿病性血管新生緑内障の診断に寄与
することが出来ないか検討を行ったのである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者らは糖尿病性血管新生
緑内障患者の房水を試料として用い、酵素免疫測定法に
より房水中のVPF濃度を測定し、房水中のVPF濃度
と糖尿病性血管新生緑内障には強い相関関係があること
を見い出し、本発明を完成させたのである。すなわち本
発明はヒト房水中の血管内皮細胞増殖因子/血管透過性
因子(VPF)の量を測定することを特徴とする糖尿病性
血管新生緑内障の検査方法に関するものと血管内皮細胞
増殖因子/血管透過性因子(VPF)と特異的に反応する
物質からなることを特徴とする糖尿病性血管新生緑内障
の検査薬に関するものである。
緑内障患者の房水を試料として用い、酵素免疫測定法に
より房水中のVPF濃度を測定し、房水中のVPF濃度
と糖尿病性血管新生緑内障には強い相関関係があること
を見い出し、本発明を完成させたのである。すなわち本
発明はヒト房水中の血管内皮細胞増殖因子/血管透過性
因子(VPF)の量を測定することを特徴とする糖尿病性
血管新生緑内障の検査方法に関するものと血管内皮細胞
増殖因子/血管透過性因子(VPF)と特異的に反応する
物質からなることを特徴とする糖尿病性血管新生緑内障
の検査薬に関するものである。
【0009】
【実施の形態】以下本発明について詳説する。房水中の
VPF濃度の測定には、VPFと特異的に反応する物
質、例えば抗VPF抗体またはVPF受容体等を用いる
公知の標識免疫測定法が適しており、本発明においても
好ましい方法である。例えば、抗VPF抗体を用いる際
には、標識として赤血球、ラテックス、放射性同位元
素、酵素、発光物質、蛍光物質、金属分子、金属ゲル、
バクテリオファージなどを用いる標識免疫測定法が適用
される。特に、臨床で応用される場合は、酵素免疫測定
法が好適であり、また実際に臨床で酵素免疫測定法は広
く用いられている。酵素免疫測定法(EIA法)は、酵素
活性を指標として抗原抗体反応を追跡し、これから抗原
又は抗体の量を測定する方法であり、その詳細は、例え
ば北川等による「酵素免疫測定法 No.31 蛋白質核酸酵素
別冊 1987年」に明らかにされている。この測定法は、
測定対象、標識物質、抗原抗体反応の形式、結合体/遊
離体の分離方法(B/F分離法)などの違いにより、競合
法、非競合法、ホモジニアス法、ヘテロジニアス法など
の分類が施されている。本発明方法によれば、糖尿病性
血管新生緑内障と前増殖性および単純網膜症や増殖性網
膜症などの他の糖尿病性眼疾患とを明確に区別すること
が可能であり、本発明方法はそれらを区別するための臨
床検査法として有効なものである。
VPF濃度の測定には、VPFと特異的に反応する物
質、例えば抗VPF抗体またはVPF受容体等を用いる
公知の標識免疫測定法が適しており、本発明においても
好ましい方法である。例えば、抗VPF抗体を用いる際
には、標識として赤血球、ラテックス、放射性同位元
素、酵素、発光物質、蛍光物質、金属分子、金属ゲル、
バクテリオファージなどを用いる標識免疫測定法が適用
される。特に、臨床で応用される場合は、酵素免疫測定
法が好適であり、また実際に臨床で酵素免疫測定法は広
く用いられている。酵素免疫測定法(EIA法)は、酵素
活性を指標として抗原抗体反応を追跡し、これから抗原
又は抗体の量を測定する方法であり、その詳細は、例え
ば北川等による「酵素免疫測定法 No.31 蛋白質核酸酵素
別冊 1987年」に明らかにされている。この測定法は、
測定対象、標識物質、抗原抗体反応の形式、結合体/遊
離体の分離方法(B/F分離法)などの違いにより、競合
法、非競合法、ホモジニアス法、ヘテロジニアス法など
の分類が施されている。本発明方法によれば、糖尿病性
血管新生緑内障と前増殖性および単純網膜症や増殖性網
膜症などの他の糖尿病性眼疾患とを明確に区別すること
が可能であり、本発明方法はそれらを区別するための臨
床検査法として有効なものである。
【0010】
(1)抗VPFポリクローナル抗体の作製 単離したヒトVPFcDNAをグルタチオンS-トランス
フェラーゼ(GST)との融合蛋白(GST−VPF)とし
て大腸菌で産生させ、得られた蛋白を抗原として常法に
従ってウサギ抗VPFポリクローナル抗体を作製した。
抗体価の上昇したウサギの血清を分離し、陰イオン交換
カラムクロマトグラフィーによりウサギ抗VPFポリク
ローナル抗体のIgG画分を得た。
フェラーゼ(GST)との融合蛋白(GST−VPF)とし
て大腸菌で産生させ、得られた蛋白を抗原として常法に
従ってウサギ抗VPFポリクローナル抗体を作製した。
抗体価の上昇したウサギの血清を分離し、陰イオン交換
カラムクロマトグラフィーによりウサギ抗VPFポリク
ローナル抗体のIgG画分を得た。
【0011】(2)抗VPFポリクローナル抗体の酵素
標識 IgG画分の一部をペプシンで消化してF(ab')2を調製
後、ヒンジ法によりペルオキシダーゼ(西洋わさび)と結
合させ、ペルオキシダーゼ標識したウサギ抗VPFポリ
クローナル抗体を得た。
標識 IgG画分の一部をペプシンで消化してF(ab')2を調製
後、ヒンジ法によりペルオキシダーゼ(西洋わさび)と結
合させ、ペルオキシダーゼ標識したウサギ抗VPFポリ
クローナル抗体を得た。
【0012】(3)糖尿病性血管新生緑内障患者の房水
中VPF濃度の測定 糖尿病性血管新生緑内障患者9例、増殖性網膜症患者1
2例、前増殖性/単純網膜症患者9例および網膜症を有
さない糖尿病患者9例の房水中VPF濃度の測定を、以
下に示すように、酵素免疫測定法により行った。すなわ
ち、抗VPFポリクローナル抗体(5μg/ml)を100μ
l/wellずつ96穴プレートにまき4℃で一晩放置した
後、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、PBSで4
回洗浄した。1%BSA、0.1M塩化ナトリウム、0.
1%アジ化ナトリウム、0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(p
H=6.5)でブロッキング(37℃で4時間)した後、1
%BSA、0.4%ゲラチン、1mM塩化マグネシウム、
20mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、0.1M塩
化ナトリウム、0.1%アジ化ナトリウムを含む50mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)(検体希釈液)で3
倍に希釈した血清あるいは同検体希釈液に溶解した標準
VPFを入れ室温で1時間放置した。0.1%BSA、
PBSで6回洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗VPFポ
リクローナル抗体を100μl/wellずつ入れ室温で1時
間反応させた。再度、0.1%BSA、PBSで8回洗
浄後、0.125%(w/v)オルトフェニレンジアミン、
0.015%過酸化水素、0.2Mトリス(ヒドロキシメ
チル(アミノメタン)-クエン酸緩衝液(pH=5.2)を10
0μl/wellずつ入れ、室温で30分間反応させた。2N
硫酸を100μl/wellずつ入れ、反応を停止させた後、
650nmの吸光度に対する490nmの吸光度をプレート
リーダー(M-Vmax, Molecular Devices 社製)で測定し
た。
中VPF濃度の測定 糖尿病性血管新生緑内障患者9例、増殖性網膜症患者1
2例、前増殖性/単純網膜症患者9例および網膜症を有
さない糖尿病患者9例の房水中VPF濃度の測定を、以
下に示すように、酵素免疫測定法により行った。すなわ
ち、抗VPFポリクローナル抗体(5μg/ml)を100μ
l/wellずつ96穴プレートにまき4℃で一晩放置した
後、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、PBSで4
回洗浄した。1%BSA、0.1M塩化ナトリウム、0.
1%アジ化ナトリウム、0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(p
H=6.5)でブロッキング(37℃で4時間)した後、1
%BSA、0.4%ゲラチン、1mM塩化マグネシウム、
20mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、0.1M塩
化ナトリウム、0.1%アジ化ナトリウムを含む50mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH=7.0)(検体希釈液)で3
倍に希釈した血清あるいは同検体希釈液に溶解した標準
VPFを入れ室温で1時間放置した。0.1%BSA、
PBSで6回洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗VPFポ
リクローナル抗体を100μl/wellずつ入れ室温で1時
間反応させた。再度、0.1%BSA、PBSで8回洗
浄後、0.125%(w/v)オルトフェニレンジアミン、
0.015%過酸化水素、0.2Mトリス(ヒドロキシメ
チル(アミノメタン)-クエン酸緩衝液(pH=5.2)を10
0μl/wellずつ入れ、室温で30分間反応させた。2N
硫酸を100μl/wellずつ入れ、反応を停止させた後、
650nmの吸光度に対する490nmの吸光度をプレート
リーダー(M-Vmax, Molecular Devices 社製)で測定し
た。
【0013】糖尿病性血管新生緑内障患者9例、増殖性
網膜症患者12例、前増殖性/単純網膜症患者9例およ
び網膜症を有さない糖尿病患者9例の房水中VPF濃度
の測定結果を表1に示した。糖尿病性血管新生緑内障患
者房水中VPF量(平均±標準偏差)は1404.1±1
722.7pg/mlに対し、増殖性網膜症患者95.9±2
9.1pg/ml、前増殖性/単純網膜症患者41.8±25.
4pg/ml、網膜症を有さない糖尿病患者16.1±14.
5pg/mlであり、糖尿病性血管新生緑内障患者では他の
糖尿病性眼疾患および網膜症を有さない糖尿病患者と比
較して有意に高値を示した。これらのことより、房水中
のVPF量を測定することにより糖尿病性血管新生緑内
障の検査を行うことが可能であることが明らかになっ
た。
網膜症患者12例、前増殖性/単純網膜症患者9例およ
び網膜症を有さない糖尿病患者9例の房水中VPF濃度
の測定結果を表1に示した。糖尿病性血管新生緑内障患
者房水中VPF量(平均±標準偏差)は1404.1±1
722.7pg/mlに対し、増殖性網膜症患者95.9±2
9.1pg/ml、前増殖性/単純網膜症患者41.8±25.
4pg/ml、網膜症を有さない糖尿病患者16.1±14.
5pg/mlであり、糖尿病性血管新生緑内障患者では他の
糖尿病性眼疾患および網膜症を有さない糖尿病患者と比
較して有意に高値を示した。これらのことより、房水中
のVPF量を測定することにより糖尿病性血管新生緑内
障の検査を行うことが可能であることが明らかになっ
た。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上の様に、本発明方法は、糖尿病性血
管新生緑内障の検査および診断に有効なものであり、本
発明はこれまで用いられてきた検査方法に加えて、新た
な検査方法として有効なものを提供することが出来るも
のである。
管新生緑内障の検査および診断に有効なものであり、本
発明はこれまで用いられてきた検査方法に加えて、新た
な検査方法として有効なものを提供することが出来るも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 克彦 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】ヒト房水中の血管内皮細胞増殖因子/血管
透過性因子の量を測定することを特徴とする糖尿病性血
管新生緑内障の検査方法。 - 【請求項2】血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子と
特異的に反応する物質からなることを特徴とする糖尿病
性血管新生緑内障の検査薬。 - 【請求項3】血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子と
特異的に反応する物質が、抗血管内皮細胞増殖因子/血
管透過性因子抗体又は血管内皮細胞増殖因子/血管透過
性因子受容体であることを特徴とする請求項2記載の糖
尿病性血管新生緑内障の検査薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20276496A JPH1031019A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及び検査薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20276496A JPH1031019A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及び検査薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1031019A true JPH1031019A (ja) | 1998-02-03 |
Family
ID=16462789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20276496A Pending JPH1031019A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 糖尿病性血管新生緑内障の検査方法及び検査薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1031019A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002522475A (ja) * | 1998-08-13 | 2002-07-23 | ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト | 眼血管新生疾患の処置方法 |
-
1996
- 1996-07-15 JP JP20276496A patent/JPH1031019A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002522475A (ja) * | 1998-08-13 | 2002-07-23 | ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト | 眼血管新生疾患の処置方法 |
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