JPH10309779A - 木質繊維板およびその製造方法 - Google Patents

木質繊維板およびその製造方法

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JPH10309779A
JPH10309779A JP12213997A JP12213997A JPH10309779A JP H10309779 A JPH10309779 A JP H10309779A JP 12213997 A JP12213997 A JP 12213997A JP 12213997 A JP12213997 A JP 12213997A JP H10309779 A JPH10309779 A JP H10309779A
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wood
wood fiber
formaldehyde
fiber board
amino resin
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JP12213997A
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Koichi Tanaka
光一 田中
Kiyoto Doi
清人 土井
Kyoichi Ueda
恭市 上田
Nobuhiko Koto
信彦 古藤
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質繊維板の諸強度や耐水性を失うこ
となく、極めて低い放出ホルムアルデヒド量で、かつ木
材保存性良好な木質繊維板およびその製造方法。 【解決手段】 木質繊維板の表裏層部及び芯層部の全
層にアミノ樹脂を有し、木質繊維板の表裏層部及び芯層
部の全層又は何れかの層にホルムアルデヒド捕捉剤と該
アミノ樹脂と架橋しうる官能基を有するアクリルエマル
ションと木材保存剤を用いてなる耐水性良好、かつ放出
ホルムアルデヒド量が極めて少なく木材保存性の良好な
木質繊維板、および木質繊維にアミノ樹脂を混合し、木
質繊維板を製造する方法において、該アミノ樹脂を木質
繊維に混合し、該木質繊維板の表裏層部及び芯層部の全
層又は何れかにホルムアルデヒド捕捉剤と該アミノ樹脂
と架橋しうる官能基を有するアクリルエマルションと木
材保存剤をアミノ樹脂を混合する前または後に添加し、
加圧、成形することを特徴とする耐水性良好、かつ放出
ホルムアルデヒド量が極めて少なく木材保存性の良好な
木質繊維板の製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノ樹脂を用い
て製造する木質繊維板およびその製造方法に関する。さ
らに詳しくは、板状、片状、繊維状、粉状の木質繊維を
バインダーで接着し板状に成型した物であって、多層か
ら構成された木質繊維板で、かつ耐水性良好で、木質繊
維板からの放出ホルマリン量が極めて少なく木材保存性
良好な木質繊維板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、これら木質繊維板を接着成型する
場合、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン共縮合
樹脂等のホルムアルデヒド系のアミノ樹脂等が主に用い
られている。しかしホルムアルデヒド系であるアミノ樹
脂を用いる木質繊維板は、原料の一部にホルムアルデヒ
ドが使われており、熱圧による硬化時に未反応のホルム
アルデヒドが木質繊維板の中に残留するほか、硬化物も
加水分解や縮合反応の進行によってホルムアルデヒドを
遊離する。これらのホルムアルデヒドが木質繊維板の表
面へ移動し板面や側面から放出することになる。これが
いわゆるホルマリン臭で、刺激と不快感をもたらす原因
となっている。これらホルムアルデヒドの問題点を解消
するために、樹脂のホルムアルデヒド低減対策は種々検
討されている。
【0003】しかしながら、放出ホルムアルデヒドと耐
水性などの性能面とのバランスが取りにくく完全なもの
ではない。また、木質繊維板を通風のよい場所に保管し
経日により拡散させる方法、成型後の木質繊維板表面に
ホルムアルデヒドと反応し得る化合物を塗布する方法、
アンモニアガスチャンバー中で成型後の木質繊維板を処
理する方法等が提案されているが、後工程が複雑化し、
ホルムアルデヒド低減効果の持続性も不十分である。さ
らに、塗装仕上げをする方法等ホルムアルデヒドの放出
量を減少させる方法が考えられるが実用面において困難
な場合もあるが、一時対処的であり根本的な対処ではな
い。故に、ホルムアルデヒドをまったく含まないウレタ
ン樹脂、水性ビニルウレタン樹脂等の使用も考えられる
が実用上汎用樹脂として使用することは困難で大巾なコ
ストアップになることは明らかである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は木質繊維板に
煩雑な処理を行うことなく、また、木質繊維板の諸強度
や耐水性を失うことなく、過酷な使用環境下にあって
も、極めて低い放出ホルムアルデヒド量で、かつ木材保
存性良好な木質繊維板およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの課題
を達成するために鋭意検討した結果、多層構成の木質繊
維板において、アミノ樹脂をバインダーとして用い、か
つ木質繊維にホルムアルデヒドと反応しうる捕捉剤とア
ミノ樹脂と架橋しうる官能基を有するアクリルエマルシ
ョンと木材保存剤をアミノ樹脂を混合する前または後に
混合することにより、耐水性良好で、過酷な条件下にお
いても長期間放出ホルムアルデヒド量を制御させ、木材
保存性の良好な木質繊維板の製造方法を見出だすに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は木質繊維板の表裏層部
及び芯層部の全層にアミノ樹脂を有し、木質繊維板の表
裏層部及び芯層部の全層又は何れかの層にホルムアルデ
ヒド捕捉剤と該アミノ樹脂と架橋しうる官能基を有する
アクリルエマルションと木材保存剤を用いてなる耐水性
良好、かつ放出ホルムアルデヒド量が極めて少なく木材
保存性の良好な木質繊維板、および木質繊維にアミノ樹
脂を混合し、木質繊維板を製造する方法において、該ア
ミノ樹脂を木質繊維に混合し、該木質繊維板の表裏層部
及び芯層部の全層又は何れかにホルムアルデヒド捕捉剤
と該アミノ樹脂と架橋しうる官能基を有するアクリルエ
マルションと木材保存剤をアミノ樹脂を混合する前また
は後に添加し、加圧、成形することを特徴とする耐水性
良好、かつ放出ホルムアルデヒド量が極めて少なく木材
保存性の良好な木質繊維板の製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明にいう木質繊維とは、木材や、禾本科、椰子
科等の茎等が列示できる。木質繊維を、板状、片状、繊
維状、粉状とし、接着剤により板状に成型したものを本
発明では木質繊維板と称し、厚み方向に多層に構成され
ているものを対象とする。
【0008】本発明でのアミノ樹脂とは、尿素、チオ尿
素、メラミン、ベンゾグアナミン、ジシアンジアミドの
ような分子内にアミノ基を有する化合物の一種または二
種以上と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類とを反応
させたオリゴマーおよび/またはポリマーをいう。
【0009】特に耐水性を付与させるためアミノ樹脂に
メラミンを混合しアミノ−メラミン樹脂とすることによ
り、高湿度環境下での強度低下を避けることができる。
また、アミノ樹脂製造時種々の特性を付与させるためポ
リビニルアルコール、セルロース誘導体等他のポリマー
類と混合してもよいし、使用に際し必要に応じて、硬化
剤、発水剤、難燃剤等と混合使用してもよい。
【0010】また、本発明に用いるアミノ樹脂の製造方
法や性状は、特に限定するものではなく、通常適用され
る製造方法を用いてよい。アミノ樹脂は、多層で構成さ
れる木質繊維板のバインダーとして、表裏層、芯層用と
して使用できる。アミノ樹脂は触媒の使用または、加熱
により高分子化し部分的に架橋した硬化物を形成し高硬
度の接着層となるため得られる木質繊維板の曲げ強度や
剛性が高くなり望ましい。さらには表裏層に用いるアミ
ノ樹脂は上記条件が満たせる範囲で特に、木質繊維板
の、耐候性、耐久性の向上のため、メラミン樹脂、尿素
−メラミン樹脂を用いるのが好ましい。
【0011】本発明のホルムアルデヒド捕捉剤とは、ホ
ルムアルデヒドと反応しうる捕捉剤であって、ホルムア
ルデヒドと反応する物質であれば、特に限定するもので
はない。木質繊維板製造工程で、揮散したり変質しホル
ムアルデヒドとの反応性を失うようなものは、ホルムア
ルデヒド低減機能が劣るため望ましいものではない。ま
た、ホルムアルデヒドとの反応速度が遅いものも望まし
いものではない。かかる観点から、アンモニウム塩類、
分子内にアミノ基、アミド基、イミノ基を有する化合
物、および/または亜硫酸塩または重亜硫酸塩の一種ま
たは二種以上を用いることが望ましい。
【0012】アンモニウム塩類としては、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウム、燐酸アン
モニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニム等が例示
できる。また、分子内にアミノ基、アミド基、イミノ基
を有する化合物としては、尿素、チオ尿素、メラミン、
ジシアンジアミド、ベンゾグアナミン等が例示できる。
さらに、亜硫酸塩または重亜硫酸塩としては、亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸水素アンモニウム等が例示できる。
【0013】これらの化合物は、木質繊維板の表裏層部
及び芯層部の全層又は何れかの木質繊維に添加すること
ができる。ホルムアルデヒド捕捉剤の添加は、アミノ樹
脂を混合する前または後の何れに混合してもよい。ま
た、添加量は木質繊維のバインダーとして用いるアミノ
樹脂の固形分に対し、5〜40重量%が好ましく、更に
好ましくは10〜30重量%が好適である。
【0014】一方、本発明に用いるアクリルエマルショ
ン樹脂は公知の乳化重合法によって得ることができる。
即ち、乳化剤及び重合開始剤を少量添加された適量の水
中へ後記するアクリル主モノマーおよびアミノ樹脂と架
橋しうる官能性モノマーを滴下して、該アクリルモノマ
ーを乳化重合させる。
【0015】本発明で使用するアクリル主モノマーとし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等の(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエステル類、(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸等の不飽和一塩基酸およびこれ等の塩
類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テト
ラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多価ビ
ニル化合物類、およびアクリロニトリルが挙げられ、こ
れ等の一種または二種以上が使用される。尚、上記の
(メタ)アクリルは、アクリルおよびメタアクリルを意
味する。
【0016】また、アミノ樹脂と架橋しうる官能性モノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸イタコン酸マ
レイン酸フマール酸等のカルボキシ化合物、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等のアミド化合物、ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アク
リルグリシジルエーテル等のグリシジル化合物が挙げら
れ、これらの一種または二種以上が使用される。
【0017】これらアミノ樹脂と架橋しうる官能性モノ
マーの含有量は、アクリルエマルション樹脂の主モノマ
ー1モルに対し、0.01〜0.50モルが好ましく、
更に好ましくは、0.02〜0.30モルが好適であ
る。0.01モル未満ではアミノ樹脂との架橋密度が小
さくなり強固な接着が得られないので好ましくない。ま
た、0.50モルを超えるとアクリル重合時の主鎖に対
する官能性モノマーの十分な側鎖が得られず安定なアク
リルエマルション樹脂が得られないので好ましくない。
【0018】上記アクリルモノマーの乳化重合の際、使
用される乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン−
ポリプロピレンブロック共重合体等の公知の化合物が挙
げられる。
【0019】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチルニトリル、過硫
酸ベンゾイル等が使用される。また、アクリルモノマー
は予めドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等
の有機チオール化合物、クロロホルム、四塩化炭素等の
有機ハロゲン化合物の公知慣用の連鎖移動剤を少量添加
混合しておくと、分子量を調整できるので好ましい。
尚、乳化重合は前記の通り乳化剤および重合開始剤を少
量添加された水の中へアクリルモノマーを滴下する方法
で実施されるが、この時の上記水の温度は通常0〜30
℃の範囲が好ましい。
【0020】本発明では、アクリルエマルション樹脂の
固形分含有量は、容易に乳化重合を行うため40〜60
重量%が好ましい。この固形分含有量の調節は、乳化重
合の際の上記の水量で行うことができる。
【0021】また、本発明で用いる木材保存剤は、公知
の防菌剤、防カビ剤、防藻剤等が使用される。アルキル
ナフタリン化合物としては、メチルナフタリン、ジメチ
ルナフタリン、トリメチルナフタリン、エチルナフタリ
ン、プロピルナフタリン、イソプロピルナフタリン、ブ
チルナフタリンなどが挙げられる。有機錫系化合物とし
ては、ビストリブチル錫オキシド、トリブチル錫ラウレ
ート、トリブチル錫パルミテート、トリブチル錫ステア
レート、トリブチル錫オレエートなどが挙げられる。
【0022】その他、有機よう素系化合物として、ヨー
ドアルコール類のエステル誘導体が用いられる。例え
ば、1−ヨードエチルアセテート、2−ヨードエチルア
セテート、1−ヨード2−ヨードエチルアセテート、1
−ヨード2−プロピルアセテート、4−ヨードブチルア
セテート、1−ヨードエチルベンゾエート、2−ヨード
エチルベンゾエート、1.2−ジヨードエチルアセテー
トなどが挙げられる。その他、有機塩素系化合物、クロ
ム、銅、ひ素系化合物等の公知の化合物が1種または2
種以上使用される。
【0023】また、本発明の実施にあたっては、木質繊
維板のホルムアルデヒドを含んだ層のpHは6〜12が
好ましく、更に好ましくは、pH7〜10が好適であ
る。この範囲を外れると、木質繊維板製造直後は、放散
ホルムアルデヒド値が一端は低減化しても高湿度化や、
水分と接触する環境下ではホルムアルデヒドが徐放され
増加するといった問題点が残るので好ましくない。
【0024】木質繊維板のホルムアルデヒドを含んだ層
のホルムアルデヒドと反応しうる化合物の反応生成物
は、酸性下で水分が存在すると加水分解し、ホルムアル
デヒドを再び生成するためと思われる。また、木質繊維
板は通常多孔質であり、環境の湿度に応じた水分を含有
しており、加水分解制御のため水分量の減少を行うこと
は、実使用上不可能であり、本発明の重要要素である木
質繊維板の層中のpH限定するのが好ましい。木質繊維
板の層中のpHを制御する方法としては、アルカリ性物
質を適量混合添加する方法、ホルムアルデヒドと反応し
てアルカリ性を呈する化合物であればよい。
【0025】これらの化合物には、ホルムアルデヒド捕
捉剤として用いるもので、ホルムアルデヒドと反応して
アルカリ性を呈する化合物が好ましい。例えば、亜硫酸
塩または重亜硫酸塩として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アン
モニウム等が好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。ま
た、部または%は特にことわりのない限り重量部または
重量%を表す。 実施例1 撹拌機、還流コンデンサー、および温度計を備えた反応
容器に、48%ホルムアルデヒド水溶液750部をい
れ、pHを8.0に調整した後、一次尿素360部を加
え、内温を85℃まで加熱し、85℃で30分間反応さ
せた。その後pHを5.8に再調整し、15分間反応さ
せ、更にpHを7.5に調整した後、二次尿素240
部、粉末メラミン150部を添加し30分間反応させ
た。その後、冷却してアミノ樹脂を得た(以下a1と略
す)。a1は、アミノ基に対するホルムアルデヒドモル
比0.51であり、かつ全アミノ基中メラミンに係わる
アミノ基の比率が17.9モル%であった。また、不揮
発分は62.0%に調整した。
【0027】つぎに、a1を用い以下に示す方法、条件
で木質繊維板を作成した。木質繊維としてラワン材をフ
レーカーで木片とし、水分4%まで乾燥した。つぎに、
目開き1mmの篩で篩分けし、篩下の物を表裏層用木質
繊維とし、篩上の物を芯層用木質繊維とした。つぎに、
準備したa1樹脂242部、50%ワックスエマルショ
ン10部、水50部、硬化剤として塩化アンモニウム
1.0部を混合し、表裏層用木質繊維1040部にスプ
レー塗布した。a1の絶乾燥木質繊維への吹き付け率は
15%(固形分換算)となった。塗布後の木質繊維から
450部ずつ分取し、表層、裏層用とした。つぎに、芯
層用木質繊維1040部、粉末尿素15部、亜硫酸ナト
リウム1.5部、アクリルエマルション(三井東圧化学
(株)製、商品名E269、固形分43%)50部、木
材保存剤(三井東圧化学(株)製、商品名ヨートルDF
40)を芯層用木質繊維にたいし3%を均一に混合し芯
層用木質繊維とした。それに、準備したa1樹脂121
部、50%ワックスエマルション10部、水20部、硬
化剤として塩化アンモニウム0.5部を混合したものを
芯層用木質繊維にスプレー塗布した。a1の絶乾燥木質
繊維への吹き付け率は7.5%となった。また、粉末尿
素の混合比率はa1固形分換算20%となった。塗布後
の木質繊維から1100部採取し芯層用とした。つぎ
に、38cm角の枠内に裏層用木質繊維を、続けて芯層
用、さらに表層用を均一に散布し堆積した繊維マットを
180℃の熱板に挟んで、30Kgf/cmの圧力で
4分間圧締し、厚み20mm、密度750kg/m
木質繊維板を得た。物性評価結果を表1に示す。
【0028】実施例2 アミノ樹脂はa1を用い、表裏層用木質繊維1040
部、粉末尿素30部、亜硫酸ナトリウム1.5部、アク
リルエマルション50部、木材保存剤を表裏層用木質繊
維にたいし3%(固形分換算)を均一に混合し表裏層用
木質繊維とし、実施例1の芯層用木質繊維の粉末尿素、
亜硫酸ナトリウム、アクリルエマルション、木材保存剤
を除いた以外は実施例1と同様に木質繊維板を得た。物
性評価結果を表1に示す。
【0029】実施例3 実施例1の芯層用木質繊維と、実施例2の表裏層用木質
繊維を用いた以外は、実施例1と同様に木質繊維板を得
た。物性評価結果を表1に示す。
【0030】実施例4 一次尿素を320部、二次尿素を200部に変更した以
外は、実施例1と同様にアミノ樹脂を得た(以下a2と
略す)。また、不揮発分は62.0%に調整し、実施例
1と同様に木質繊維板を得た。物性評価結果を表1に示
す。
【0031】実施例5 アミノ樹脂はa2を用いた以外は、実施例2と同様に行
い、木質繊維板を得た。物性評価結果を表1に示す。
【0032】比較例1 実施例1の芯層用木質繊維用の粉末尿素15部、亜硫酸
ナトリウム1.5部を除いたほかは実施例1と同様に行
い、木質繊維板を得た。物性評価結果を表1に示す。
【0033】比較例2 実施例1の芯層用木質繊維用の木材保存剤を除いたほか
は実施例1と同様に行い、木質繊維板を得た。物性評価
結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 ・放出ホルムアルデヒド量1:木質繊維版成型後25℃
/RH60%雰囲気中に3日間放置後測定。 ・放出ホルムアルデヒド量2:木質繊維版成型後25℃
/RH60%雰囲気中に7日間放置後測定。 ・防腐試験についてはJISA−9302に規定された
木材防腐剤の防腐効力試験方法に準拠して行った。供試
菌としては、オオウズラタケを用いた。また、防腐効力
値は無処理試験体との比較により求めた。 ・ホルムアルデヒド捕捉剤A:尿素 ・ホルムアルデヒド捕捉剤B:亜硫酸ナトリウム ・アクリルエマルション:アミノ基と架橋しうる官能基
を有するアクリルエマルション
【0035】
【発明の効果】本発明は、従来技術では達成されなかっ
た木質繊維板において、極めて過酷な使用条件において
も、アミノ樹脂とホルムアルデヒドと反応しうる捕捉剤
と特定のアクリルエマルション及び木材保存剤を用いる
ことにより、耐水性良好で、過酷な条件下においても長
期間放出ホルムアルデヒド量の制御ができ、木材保存性
の良好な木質繊維板を得ることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古藤 信彦 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質繊維板の表裏層部及び芯層部の全
    層にアミノ樹脂を有し、木質繊維板の表裏層部及び芯層
    部の全層又は何れかの層にホルムアルデヒド捕捉剤と該
    アミノ樹脂と架橋しうる官能基を有するアクリルエマル
    ションと木材保存剤を用いてなる耐水性良好、かつ放出
    ホルムアルデヒド量が極めて少なく木材保存性の良好な
    木質繊維板。
  2. 【請求項2】 木質繊維にアミノ樹脂を混合し、木質
    繊維板を製造する方法において、該アミノ樹脂を木質繊
    維に混合し、該木質繊維板の表裏層部及び芯層部の全層
    又は何れかにホルムアルデヒド捕捉剤と該アミノ樹脂と
    架橋しうる官能基を有するアクリルエマルションと木材
    保存剤をアミノ樹脂を混合する前または後に添加し、加
    圧、成形することを特徴とする耐水性良好、かつ放出ホ
    ルムアルデヒド量が極めて少なく木材保存性の良好な木
    質繊維板の製造方法。
  3. 【請求項3】 ホルムアルデヒド捕捉剤がアンモニウ
    ム塩、アミノ基、アミド基、イミノ基を含む化合物およ
    び/または亜硫酸塩類または重亜硫酸塩類の少なくとも
    1種または2種以上からなる請求項2記載の木質繊維板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 アミノ樹脂と架橋しうる官能基モノマ
    ーの含有量がアクリルエマルション樹脂主モノマー1モ
    ルに対し、0.01〜0.5モルである請求項2記載の
    木質繊維板の製造方法。
  5. 【請求項5】 木材保存剤がアルキルナフタリン化合
    物、有機塩素系化合物、有機スズ系化合物、有機よう素
    系防腐剤、クロム、銅、ひ素系化合物の少なくとも1種
    または2種以上からなる請求項2記載の木質繊維板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 木質繊維板のホルムアルデヒドを含ん
    だ層のpHが6〜12である請求項2記載の木質繊維板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6項のうちいずれか1項に
    記載の方法において製造される木質繊維板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012502819A (ja) * 2008-09-19 2012-02-02 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア アルデヒド放出の少ない多層リグノセルロース含有成形体

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JP2012502819A (ja) * 2008-09-19 2012-02-02 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア アルデヒド放出の少ない多層リグノセルロース含有成形体

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