JPH10309463A - 水素化反応用触媒 - Google Patents

水素化反応用触媒

Info

Publication number
JPH10309463A
JPH10309463A JP9139206A JP13920697A JPH10309463A JP H10309463 A JPH10309463 A JP H10309463A JP 9139206 A JP9139206 A JP 9139206A JP 13920697 A JP13920697 A JP 13920697A JP H10309463 A JPH10309463 A JP H10309463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
metal
particles
ultrafine
dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9139206A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Wakabayashi
勝彦 若林
Masahiro Kishida
昌浩 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP9139206A priority Critical patent/JPH10309463A/ja
Publication of JPH10309463A publication Critical patent/JPH10309463A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属酸化物粒子の表面に水素化活性を有する
超微粒子が担持された構造の微粒子からなる水素化反応
用触媒において、表面に存在する超微粒子の割合を高め
て触媒活性を高くした水素化反応用触媒を提供する。 【解決手段】 金属酸化物粒子の表面に水素化活性を有
する超微粒子が担持された構造の平均粒径が0.5μm
以下の微粒子からなり、該水素化活性を有する超微粒子
の表面露出度が20%以上であることを特徴とする水素
化反応用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化活性を有す
る超微粒子を金属酸化物担体表面に担持した水素化反応
用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素化活性金属を含有する固体触媒は、
気相及び液相の水素化反応に広く使われている。この触
媒は、担体上に触媒成分を含浸法や共沈法等で担持させ
て製造されるが、再現性良く高活性触媒を製造するのは
困難な場合が多い。そこで、高活性担持触媒を再現性良
く製造する方法が探索され、10年位前に金属アルコキ
シドを担体原料にする方法が開発された。この方法は、
グリコール等の配位能がある親水性有機溶媒に触媒前駆
体を溶解し、該溶液に可溶性金属アルコキシドを溶解し
て均一液としてから、該アルコキシドを加水分解・熟成
して対応する金属酸化物コロイドに変え、これを乾燥後
に焼成する方法である。この方法では従来法により均質
で水素化活性の高い担持触媒が得られるが、触媒成分前
駆体を触媒成分に変える際に触媒成分を担体表面に均質
に形成させるのは困難である。例えば、担体となる金属
酸化物コロイドと触媒成分前駆体となる金属塩との均質
混合体を再現性良く製造しても、これを焼成・還元して
担持金属触媒とする際に、担体表面に形成される触媒金
属超微粒子の粒径や濃度を常に同じとすることはできな
い。従って、触媒成分の粒径や濃度に敏感な水素化反応
に該触媒を使えば、同じ方法で製造した触媒であっても
同じ反応成績が得られない。
【0003】本発明者らは、前記した金属アルコキシド
を担体原料にする方法(アルコキシド法)の欠点を除く
ために鋭意研究を重ねた結果、触媒成分又はその前駆体
を溶解した親水性有機溶媒中で金属アルコキシドを加水
分解する代わりに、あらかじめ形成した触媒活性のある
超微粒子の分散液中で金属アルコキシドを加水分解すれ
ば良いことが分かり、特許を出願した〔特開平7−24
6343〕。この方法(ME法)によれば、担体形成と
同時に触媒活性のある超微粒子がその生成担体に担持さ
れることから、触媒成分前駆体を触媒成分に変える際に
見られる前記の諸問題が起こらず、そのために従来のア
ルコキシド法で製造した触媒よりも高活性の水素化処理
触媒を再現性良く製造することができる。しかし、この
ME法で製造される触媒の場合、担体表面に存在する超
微粒子の割合はあまり大きくなく、高活性触媒を得るた
めには、担体に対する超微粒子の担持量を増加させる必
要があった。一方、超微粒子の担持量を増加させること
は、触媒コストの点からは望ましいものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属酸化物
粒子の表面に水素化活性を有する超微粒子が担持された
構造の微粒子からなる水素化反応用触媒において、表面
に存在する超微粒子の割合を高めて触媒活性を高くした
水素化反応用触媒を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、金属酸化物粒子
の表面に水素化活性を有する超微粒子が担持された構造
の平均粒径が0.5μm以下の微粒子からなり、該水素
化活性を有する超微粒子の表面露出度が20%以上であ
ることを特徴とする水素化反応用触媒が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水素化反応用触媒の製造
原料としては、水素化活性を有する超微粒子を含む分散
液が用いられる。この分散液は、油性液体中に超微粒子
状の水滴粒子と水素化活性を有する超微粒子を含む他、
イオン性界面活性剤と塩基を含む分散液である。この分
散液は触媒を得るために、金属アルコキシドと反応させ
る。分散液に使用する油性液体は、分散させる超微粒子
や水と反応せず超微粒子や水をほとんど溶解しないが、
触媒製造時に使用する金属アルコキシドを溶解する有機
溶媒であって、流動性の大きいものが好ましい。従っ
て、高流動性で撥水性のアルコールやケトン等を油性液
体としても良いが、炭化水素や炭化水素を主体とする有
機溶媒を油性液体とするのが好ましい。具体的には、ヘ
キサノール、シクロヘキサノール、オクチルアルコー
ル、シクロヘキサン、シクロヘプタン、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、イソオクタン、n−デカン、ベンゼン、
キシレン等を単独又は混合して油性液体とするのが好ま
しい。
【0007】分散液中の水の量は、分散液中の水素化活
性を有する超微粒子重量の4倍以上、好ましくは50〜
500倍、より好ましくは200〜500倍である。こ
の水は超微粒子状で分散液に含まれ、その平均粒径は1
0〜150Åである。分散液中の超微粒子は水素化活性
があれば良く、特に限定されない。すなわち、遷移金
属、特にV〜VIII族の遷移金属の中から選ばれる金属の
他、それらの金属を含む金属酸化物、金属硫化物等の金
属化合物、不溶性金属塩等であることができる。これら
の超微粒子は、単独でも2種以上混合して使っても良
い。分散液中の超微粒子の量は、油性液体100重量部
当り1.5重量部以下、好ましくは0.0005〜0.
05重量部とするのが望ましい。前記の超微粒子は、従
来公知の各種の方法で作ることができるが、特に、水溶
性金属化合物を含むマイクロエマルジョンを還元処理又
は酸化処理する方法で製造することができる。この方法
では油性液体中に超微粒子が分散している状態で超微粒
子を得ることができる。
【0008】分散液中のイオン性界面活性剤には、陽イ
オン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤が包含され
る。陽イオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24、
好ましくは12〜18の長鎖アルキル基又はアルケニル
基を有する第4級アンモニウム塩を用いることができ
る。具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジ
メチルアンモニウムブロマイド等を単独又は混合して使
うのが好ましい。陰イオン性界面活性剤としては、炭素
数8〜24、好ましくは12〜18の長鎖アルキル基又
はアルケニル基を有する慣用のもの、例えば、硫酸エス
テル酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等が
挙げられる。分散液中のイオン性界面活性剤の量は、超
微粒子と水の合計量に対するその重量比が0.5〜2
0、好ましくは1〜10の範囲となるように選定するの
が望ましい。分散液中の塩基としては、アンモニア、有
機アミン、水酸化ナトリウム等が用いられるが、アンモ
ニアの使用が好ましい。また、その添加量は分散液のp
Hが8〜11、好ましくは8〜9となる量とするのが望
ましい。
【0009】分散液は、所定量の超微粒子と界面活性剤
を油性液体に混合し、ジェットミルやボールミル等の強
力な分散機で撹拌して、油性液体中に超微粒子を分散さ
せた後、これに塩基と水を加えて撹拌分散させる方法等
で製造することができる。また、前記した水溶性金属化
合物を含むマイクロエマルジョンを還元処理又は酸化処
理することによって得た超微粒子の分散液を原料とする
場合は、その超微粒子分散液に不足する水と陽イオン性
界面活性剤を加え、強力な分散機で撹拌して、油性液体
中に超微粒子と水を良く分散させてから、これに塩基を
加えて撹拌する方法で製造することができる。
【0010】本発明による水素化活性を有する金属超微
粒子を触媒活性成分として含む触媒は、触媒金属超微粒
子を含むマイクロエマルジョン(分散液)を原料として
製造するのが好ましい。以下において、このマイクロエ
マルジョンの製造について詳述する。触媒金属超微粒子
を含むマイクロエマルジョンは、触媒金属塩水溶液を超
微粒子状で含むマイクロエマルジョンを還元することに
よって得られる。この場合の触媒金属塩水溶液を超微粒
子状で含むマイクエマルジョンは、所望の金属塩を溶解
した水溶液を油性液体中に超微粒子状で分散させること
により得られる。触媒金属塩は水溶性で還元容易な塩で
あれば特に限定されないが、塩化物や硝酸塩が好まし
い。
【0011】前記金属塩を具体的に例示すると、塩化白
金酸塩やテトラアンミン白金塩等の白金塩;塩化パラジ
ウムやテトラアンミンジクロルパラジウム等のパラジウ
ム塩;塩化ロジウム、硝酸ロジウム、ヘキサアンミンロ
ジウム等のロジウム塩;塩化ルテニウムやヘキサクロル
ルテニウム酸塩等のルテニウム塩;塩化イリジウムやヘ
キサクロルイリジウム酸塩等のイリジウム塩;塩化オス
ミウムやヘキサクロルオスミウム酸塩等のオスミウム
塩;塩化金等の金塩;塩化銅や硝酸銅等の銅塩;塩化鉄
や硝酸鉄等の鉄塩;塩化ニッケルや硝酸ニッケル等のニ
ッケル塩;塩化コバルトや硝酸コバルト等のコバルト
塩;硝酸銀等の銀塩;塩化モリブデンやモリブデン酸塩
等のモリブデン塩;塩化レニウムやヘキサクロルレニウ
ム酸塩等のレニウム塩;塩化タングステンやタングステ
ン酸塩等のタングステン塩;塩化クロムや硝酸クロム等
のクロム塩;塩化マンガンや硝酸マンガン等のマンガン
塩等である。
【0012】前記油性液体としては、前記した各種のも
のが用いられる。また、マイクロエマルジョン形成に使
われる界面活性剤は、非イオン性界面活性剤でも良い
が、好ましくはイオン性界面活性剤が用いられる。
【0013】前記のマイクロエマルジョンに含まれる金
属塩水溶液の液滴粒子は、界面活性剤添加量が多いほど
小さくなる。液滴1個内に含まれる金属分子数が少ない
ほど最終的に得られる金属超微粒子の粒径が小さくな
る。本発明の場合、界面活性剤の使用量は、エマルジョ
ン中の水の10モル%以上、好ましくは40モル%以上
の割合にするのが良い。また、水溶液中の金属塩濃度
は、0.05モル/リットル以下、好ましくは0.02
モル/リットル以下として液滴1個内の金属分子数を1
0個以下にするのが良い。前記の触媒金属塩を含むマイ
クロエマルジョンは、これを還元してその金属塩を金属
に変換させることにより、本発明の触媒製造用原料とし
て用いられ、このマイクロエマルジョンを用いることに
より、金属超微粒子を含む触媒を有利に製造することが
できる。即ち、この金属超微粒子を含むマイクロエマル
ジョンに、陽イオン性界面活性剤、水及び塩基を加え
て、分散機で撹拌分散し、次いで金属アルコキシドを加
えて加水分解し、その後、得られた沈殿物を分離し、焼
成する。これにより金属超微粒子を触媒成分として含む
触媒を得ることができる。
【0014】マイクロエマルジョン中での触媒金属塩の
還元は、ヒドラジン、水素、水素化ホウ素ナトリウム等
を還元剤とする化学的方法のほか、紫外線やγ線の照射
法でも可能であるが、ヒドラジンで行うのが最も容易で
ある。ヒドラジン還元は、液温を10〜40℃、好まし
くは20〜30℃に保ち、理論量の1モル倍以上、好ま
しくは2〜10モル倍のヒドラジンを用いて行われる。
【0015】本発明による水素化活性を有する金属酸化
物超微子を触媒成分として含む触媒は、その触媒金属酸
化物超微子を含むマイクロエマルジョンを原料として有
利に製造することができる。この場合、触媒金属酸化物
を含むマイクロエマルジョンは、前記したマイクロエマ
ルジョンの製造方法において、触媒金属塩水溶液とし
て、アルカリ性条件で加水分解して水酸化物に転換でき
る触媒金属塩の水溶液を用いてその水溶液のエマルジョ
ンを作り、そのエマルジョンにアルカリ水溶液、例えば
アンモニア水を加えて、その触媒金属塩を触媒金属水酸
化物に転換すればよい。このようにして形成された金属
水酸化物超微粒子を含むマイクロエマルジョンを用いる
ことにより、金属酸化物超微粒子を含む触媒を得ること
ができる。即ち、このマイクロエマルジョンに、イオン
性界面活性剤、水及び塩基を加えて、分散機で撹拌分散
し、次いで金属アルコキシドを加えて加水分解し、その
後、得られた沈殿物を分離し、焼成する。
【0016】本発明の触媒の製造方法は、前記した超微
粒子状の水滴粒子と触媒金属超微粒子と陽イオン性界面
活性剤と塩基を含む分散液中に、金属アルコキシドを添
加し、加水分解する工程を含む。この場合、金属アルコ
キシドは、その金属酸化物が触媒担体に使えるものであ
ればよく、特に限定されない。例えば、表面積が大きい
シリカを形成するシリコンアルコキシドや、アルミナを
形成するアルミニウムアルコキシドが好ましく使われる
し、チタニアを形成するチタニウムアルコキシドやジル
コニアを形成するジルコニウムアルコキシドも使える。
さらに、マグネシア、ボリア、ニオビア、酸化ランタン
等を与える金属アルコキシドも使用可能である。また、
金属アルコキシドは単独でも2種以上混合して使っても
良く、異種の金属から成る金属アルコキシド混合物を加
水分解すると、シリカーアルミナやシリカーアルミナー
マグネシア等の複合酸化物が得られる。
【0017】金属酸化物の製造原料に使われる金属アル
コキシドを具体的に例示すると以下の通りである。シリ
コンテトラエトキシド、シリコンテトライソプロポキシ
ド、シリコンテトラブトキシド等のシリコンアルコキシ
ド;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアル
ミニウムアルコキシド;チタニウムテトラエトキシド、
チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムブトキ
シド等のチタニウムアルコキシド;ジルコニウムエトキ
シド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニ
ウムテトラブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;
マグネシウムジブトキシド、ペンタブトキシニオブ、ト
リブトキシボラン、トリブトキシランタン、その他。こ
れらの金属アルコキシドは、所望する金属酸化物の種類
によって適宜選択して使えば良い。
【0018】金属アルコキシドは、前記分散液中の超微
粒子状水滴粒子と接触して加水分解され、触媒担体とな
る金属酸化物のコロイド粒子になる。金属アルコキシド
の添加量は、分散液中に含まれる水の量によって適当に
決められる。即ち、添加する金属アルコキシドの添加量
は、その分散液中に含まれる水によって加水分解を受け
る理論量以下、好ましくは、その理論量の1/6〜1/
15にするのがよい。加水分解温度は、金属アルコキシ
ドの種類によっても異なるが、一般に20〜60℃、好
ましくは30〜50℃である。また、前記分散液中に金
属アルコキシドを加えて加水分解を開始してから0〜2
時間、好ましくは5〜20分間撹拌下に、20〜60
℃、好ましくは30〜50℃に保って加水分解し、その
後0〜3時間、好ましくは1〜2時間前記温度で熟成さ
せるのが好ましい。この方法によれば、金属アルコキシ
ドの加水分解反応及び加水分解生成物の縮合反応が充分
進行して沈殿粒子が得られる。
【0019】以上のようにして得られた沈殿粒子は、
0.5μm以下、特に0.02〜0.05μmの平均粒
径を有する。この粒子は固液分離して母液を濾別してか
ら、アルコール等で洗浄して界面活性剤や油性液体等の
不純物を除き、次いで、常圧又は減圧下に加熱・乾燥
し、さらに焼成して触媒とすることができる。
【0020】本発明で原料の分散液中に塩基を存在させ
るのは、金属アルコキシドの加水分解時に液全体がゲル
化(高粘度化)するのを回避し、加水分解で生成する金
属酸化物をコロイド粒子状(沈殿物状)にするためと、
金属アルコキシドの加水分解速度を速くするためであ
る。
【0021】本発明においては、分散剤として陽イオン
性界面活性剤を用いるとともに、分散液中の水の量を多
量の割合とし、かつ金属アルコキシドの加水分解時間を
短くし、これによって触媒金属超微粒子の表面露出度の
高められた触媒を得ることができる。この場合、イオン
性界面活性剤は、触媒超微粒子及び水滴超微粒子の分散
を安定化させ、それら微粒子が金属アルコキシドの加水
分解終了前に容易に凝集することを防止する。従って、
本発明の場合、金属アルコキシドの加水分解過程におい
ては、分散液中には、その加水分解により生成した金属
酸化物コロイド粒子と触媒超微粒子が独立して存在し、
加水分解終了後においてはそれら微粒子の凝集が起り、
触媒金属超微粒子と金属酸化物コロイド粒子とが凝集し
た沈殿粒子が生成する。このようにして形成される沈殿
粒子は、金属アルコキシドの加水分解により生成した、
触媒金属超微粒子とは独立して存在する超微粒子状の金
属酸化物コロイド粒子と触媒金属超微粒子との凝集粒子
であることから、凝集粒子に含まれる触媒金属超微粒子
は、その内部よりも表面に存在する割合が多くなり、そ
の結果、表面露出度Rの高い触媒を得ることができる。
【0022】前記のようにして得られる沈殿粒子は、こ
れを乾燥し、焼成することにより触媒とすることができ
る。このようにして得られる触媒粒子の平均粒径は、
0.5μm以下であり、通常0.02〜0.05μmで
ある。この触媒微粒子は、金属酸化物からなる担体と触
媒金属超微粒子とからなるもので、その触媒中の触媒金
属超微粒子の含有量は、0.1〜5重量%、好ましくは
0.2〜3重量%、より好ましくは、0.2〜0.6重
量%である。
【0023】本発明の触媒においては、その担体表面に
露出する触媒金属超微粒子の割合が大きく、高い表面活
性を有する。本発明の触媒の場合、その触媒金属超微粒
子の表面露出度Rは、20〜90%、好ましくは60〜
90%である。この場合の表面露出度Rは以下の式で定
義される。 R=A/B×100(%) A:CO吸着により求められる触媒金属のモル数 B:触媒金属超微粒子の表面に存在するすべての金属モ
ル数 前記触媒超微粒子のモル数Aを求めるには、先ず触媒粒
子表面に対する50℃での一酸化炭素ガスの化学吸着量
を求め、この化学吸着量から表面に露出している触媒金
属超微粒子の表面金属のモル数を算出する。この表面金
属成分が反応に寄与する。次に、Bは、触媒中に含まれ
る全触媒金属超微粒子モル数とXRD測定及びTEM観
察から求められる触媒金属超微粒子の平均粒子径から算
出することができる。前記表面露出度Rは、その触媒製
造用原料として用いる分散液中の界面活性剤の種類や
量、水の量及び金属アルコキシドの加水分解時間等によ
って調整することができるが、本発明の場合、高い表面
露出度Rを得るために、前記のように、特に、界面活性
剤としてイオン性界面活性剤を用いるとともに、比較多
量の水を用い、さらに、金属アルコキシドの加水分解時
間を短く設定する。
【0024】前記のようにして得られる微粒子状の触媒
は、そのまま反応系に供することも可能であるが、通常
は、これを成形して、球状、顆粒状、ペレット状、筒体
状等の各種形状の固体触媒として反応に供される。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこの実施例に
よって限定されるものではない。なお、以下に記す部及
び%は重量基準である。
【0026】実施例1 内容積300mlのビーカーに、塩化ロジウム3水塩R
hCl3・3H2Oの1部とイオン交換水の20部より成
る溶液を入れ、これに1−ヘキサノール244部とセチ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド67部を加え、室
温下にマグネチックスターラーで撹拌して、100g中
にロジウムイオン0.13gを含むマイクロエマルジョ
ンを調製した。このマイクロエマルジョンは系油中水滴
型のものであり、水滴粒子の直径は18Å(平均値)と
計算され、一つの水滴中に含まれるロジウムイオンの数
は平均0.7個と計算される。このマイクロエマルジョ
ンに市販のヒドラジン1水和物N24・H2Oを0.6
部加え、室温下に30分間良く撹拌してロジウムイオン
をロジウムを含有する超微粒子に還元した。このように
して得られたロジウム超微粒子分散液のロジウム金属粒
子の粒径は、水滴の大きさ及び水滴中のロジウムイオン
数から直径25Åと推定される。
【0027】前記のロジウム超微粒子分散液332部に
イオン交換水231部を加え、均一になるまで撹拌後に
28%アンモニウム水で液のpHを8.5とした。この
液に、撹拌下で45〜50℃の温度において、シリコン
テトラエトキシド462部を添加し、5分間加水分解反
応を行なった。次に、ビーカー内容物を室温まで冷却後
に母液を濾別し、得られた沈殿を1000部のエタノー
ルで3回洗浄した。この精製沈殿を80℃で12時間乾
燥後に空気流通下500℃で4時間燒成した。この結
果、0.36%のロジウムを含むシリカゲル(触媒I)
108部が得られた。原料シリコンテトラエトキシドか
らのシリカゲル収率は理論量の84%であった。また、
ここに得られたロジウムを含むシリカゲルの粒径を電子
顕微鏡で観察したところ、その平均粒径は0.1μmで
あった。なお、この触媒のBET表面積は28m2/g
であった。表1に触媒Iの性状を示す。
【0028】以上のようにして調製した0.36%ロジ
ウム−シリカゲル触媒Iの性能を評価するために、該触
媒Iを成形機で成形して粒径:16〜24メッシュのペ
レットとし、この成形触媒1gを内径12mmの反応管
に装填して一酸化炭素の水素化反応を行った。すなわ
ち、温度幅1℃以内で温度制御の可能な電気炉内に反応
管を設置し、この反応管に一酸化炭素:水素:アルゴン
=3:6:1(モル比)の混合ガスを送入して反応させ
た。反応圧は40kg/cm2、触媒層温度は260℃
でGHSVは2000/hrとした。その実験結果を表
2に示す。
【0029】実施例2〜3 実施例1で製造したロジウム超微粒子分散液とシリコン
テトラエトキシドを原料とし、実施例1と同様にしてロ
ジウム担持量が0.47%と0.57%のシリカゲルを
調製した。ロジウム担持量0.47%の触媒II及びロジ
ウム担持量が0.57%の触媒IIIの物性を表1に示
す。このロジウム担持シリカゲルを用い、実施例1の場
合と同様な触媒性能評価試験を行った。その実験結果を
表2に示す。
【0030】比較例1 1−ヘキサノール244部とセチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイド67部の代わりに、シクロヘキサン25
4部とポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル
(非イオン界面活性剤)92部を使い、それ以外は実施
例1と同様にしてロジウム超微粒子分散液を調製した。
この分散液中のロジウム粒子の粒径は、分散液原料とな
るマイクロエマルジョンの水滴直径が22Åと計算さ
れ、一つの液滴中に平均1.3個のロジウムイオンが含
まれると計算されることから、直径約30Åと推定され
る。前記ロジウム超微粒子分散液367部にイオン交換
水30部を加え、均一になるまで撹拌後にアンモニア水
で液のpHを9.0とした。この液に440部のシリコ
ンテトラエトキシドを溶かしてから、これを湯浴で35
〜40℃に加熱しながらマグネチックスターラーで2時
間撹拌を続けた。撹拌していると、加水分解反応で形成
されたシリカコロイドで液が濁ってくるから、更に、イ
オン交換水を60部加えて2時間撹拌して加水分解反応
を完結させた。加水分解反応生成物を実施例1のそれと
同様に処理すると、0.5%のロジウムを含む粒径0.
02〜0.04μmのシリカゲル〔平均粒径:0.03
μm〕78部が得られた。以上のようにして調製した
0.5%ロジウム−シリカゲル触媒の物性を表1に示
す。また、実施例1と同じ条件で触媒評価試験を行った
結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例4 実施例1において、1−ヘキサノール244部とセチル
トリメチルアンモニウムブロマイド67部の代わりに、
シクロヘキサン224部とジ−2−エチルヘキシルスル
ホコハク酸ナトリウム82部を使い、それ以外は実施例
1と同様にしてロジウム超微粒子分散液を調製した。こ
の分散液中のロジウム粒子の粒径は、分散液原料となる
マイクロエマルジョンの水滴直径が18Åと計算され、
一つの液滴中に平均0.7個のロジウムイオンが含まれ
ると計算される。前記ロジウム超微粒子分散液327部
にイオン交換水70部を加え、均一になるまで撹拌後に
アンモニア水で液のpHを8.8とした。この液に46
2部のシリコンテトラエトキシドを溶かしてから、これ
を湯浴で35〜40℃に加熱しながらマグネチックスタ
ーラーで30分間加水分解反応を行った。後の洗浄と空
気焼成は実施例1と同様にした。この結果、0.9%の
ロジウムを含むシリカゲル43部が得られた。原料シリ
コンテトラエトキシドからのシリカゲル収率は理論量の
33%であった。この場合に得られた触媒の表面露出率
Rは38%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の触媒は、金属酸化物微粒子担体
上に水素化活性を有する超微粒子を担持した不均一触媒
で、その平均粒径は0.5μm以下であり、表面に存在
する超微粒子量が多い上に加熱等でその超微粒子が凝集
しにくいものである、従って、本発明の触媒は従来の担
持触媒より触媒成分使量が少なくても表面活性が高く、
使用中の劣化が少ない長寿命触媒である。本発明の触媒
は、各種の水素化反応における触媒、例えば、水素と一
酸化炭素との反応に有利に適用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物粒子の表面に水素化活性を有
    する超微粒子が担持された構造の平均粒径が0.5μm
    以下の微粒子からなり、該水素化活性を有する超微粒子
    の表面露出度が20%以上であることを特徴とする水素
    化反応用触媒。
  2. 【請求項2】 該超微粒子が、水素化活性を有する金属
    又は金属化合物である請求項1の水素化反応用触媒。
  3. 【請求項3】 該超微粒子が、ロジウム金属からなる請
    求項1又は2の水素化反応用触媒。
  4. 【請求項4】 該超微粒子の含有量が、0.2〜5重量
    %である請求項1〜3のいずれかの水素化反応用触媒。
JP9139206A 1997-05-13 1997-05-13 水素化反応用触媒 Pending JPH10309463A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9139206A JPH10309463A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 水素化反応用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9139206A JPH10309463A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 水素化反応用触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10309463A true JPH10309463A (ja) 1998-11-24

Family

ID=15240022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9139206A Pending JPH10309463A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 水素化反応用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10309463A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009538948A (ja) * 2006-05-31 2009-11-12 ライニッシュ−ヴェストフェリッシェ・テクニッシェ・ホッホシューレ・アーヘン コーティング溶液の作製並びに制作物
JP2012081391A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Univ Of Miyazaki 触媒微粒子、カーボン担持触媒微粒子及び燃料電池触媒、並びに当該触媒微粒子及び当該カーボン担持触媒微粒子の製造方法
CN112675872A (zh) * 2019-10-17 2021-04-20 中国石油天然气股份有限公司 一种碳二馏分前脱乙烷前加氢催化剂
CN113663687A (zh) * 2020-05-14 2021-11-19 中国石油天然气股份有限公司 一种含炔碳四加氢催化剂

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009538948A (ja) * 2006-05-31 2009-11-12 ライニッシュ−ヴェストフェリッシェ・テクニッシェ・ホッホシューレ・アーヘン コーティング溶液の作製並びに制作物
JP2012081391A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Univ Of Miyazaki 触媒微粒子、カーボン担持触媒微粒子及び燃料電池触媒、並びに当該触媒微粒子及び当該カーボン担持触媒微粒子の製造方法
CN112675872A (zh) * 2019-10-17 2021-04-20 中国石油天然气股份有限公司 一种碳二馏分前脱乙烷前加氢催化剂
CN112675872B (zh) * 2019-10-17 2022-07-05 中国石油天然气股份有限公司 一种碳二馏分前脱乙烷前加氢催化剂
CN113663687A (zh) * 2020-05-14 2021-11-19 中国石油天然气股份有限公司 一种含炔碳四加氢催化剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3590854B2 (ja) 担持触媒の製造方法
EP2075228B1 (en) Process for producing chlorine
US8173572B2 (en) Metal oxide sols
KR101197837B1 (ko) 복합 입자 담지물, 그 복합 입자 담지물의 제조 방법, 및 그 복합 입자 담지물을 화학 합성용 촉매로서 이용한 화합물의 제조 방법
CN108295848B (zh) 一种高分散纳米催化剂的制备方法
BR112013005598B1 (pt) material à base de sílica, processo para produzir o mesmo, material suportado com um metal nobre, processo para produzir um éster de ácido carboxílico, e, processo para produzir um ácido carboxílico
WO2006020648A9 (en) Fluid/slurry bed cobalt-alumina catalyst made by compounding and spray drying
WO2008043060A2 (en) Highly dispersed nickel hydrogenation catalysts and methods for making the same
CN1684765A (zh) 制备二氧化钛载体上的钴催化剂的方法
JP4295406B2 (ja) 銅含有触媒およびその製造方法
CN110947382B (zh) 一种用于碳酸乙烯酯加氢制甲醇联产乙二醇的催化剂及其制备方法
CN111905755B (zh) 一种用于2,2,4,4-四甲基-1,3-环丁二酮加氢的催化剂及其制备方法、应用
CN114450086A (zh) 铜基催化剂及制备方法
JPH10309463A (ja) 水素化反応用触媒
CN110394195B (zh) 贵金属基二维金属有机框架复合物及其制备方法和应用
CN108671910A (zh) 一种钯铂合金纳米溶胶催化剂及其制备方法
JP2005262126A (ja) 触媒担体、その調製方法及び触媒の調製方法
JPH09271667A (ja) 炭素含有触媒担体の製造法
CN1541766A (zh) 一种负载贵金属的加氢催化剂
CN107519882B (zh) 一种醋酸环己酯加氢催化剂的制备方法及所制备的加氢催化剂和醋酸环己酯的加氢方法
JPH06254414A (ja) 触媒調製法
JPH11147720A (ja) 白金又はパラジウムを超微粒状で含有する金属酸化物の製造方法
JPH09187653A (ja) メタノール分解用触媒及びその製造方法
JP4056782B2 (ja) カルボン酸エステル製造用触媒、その製法およびその触媒を用いたカルボン酸エステルの製造方法
CN116747851B (zh) 一种蒽醌法合成双氧水的球形催化剂及其制备方法