JPH10308411A - 半導体素子の接続構造及びその接続方法 - Google Patents
半導体素子の接続構造及びその接続方法Info
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- JPH10308411A JPH10308411A JP13029797A JP13029797A JPH10308411A JP H10308411 A JPH10308411 A JP H10308411A JP 13029797 A JP13029797 A JP 13029797A JP 13029797 A JP13029797 A JP 13029797A JP H10308411 A JPH10308411 A JP H10308411A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固着力が高く安定した電気的接続を得られる
半導体素子の接続構造を提供する。 【解決手段】 第1接続電極(12)が形成された半導
体素子(10)と,第1接続電極に対応する第2接続電
極(16)が形成された部品(14)とを相互に電気的
に接続する半導体素子の接続構造を形成するにあたり,
第1接続電極と第2接続電極を相互に共晶接合または合
金接合を形成する金属材料から構成し,半導体素子の第
1接続電極以外の部分には熱可塑性合成樹脂材料から成
る半導体素子保護用の保護層(20)を形成し,第1接
続電極と第2接続電極とを接触させて加熱することによ
り,接触界面に共晶接合または合金接合を形成するとと
もに,部品の第2接続電極以外の部分と保護層とを接触
させて樹脂固定する。
半導体素子の接続構造を提供する。 【解決手段】 第1接続電極(12)が形成された半導
体素子(10)と,第1接続電極に対応する第2接続電
極(16)が形成された部品(14)とを相互に電気的
に接続する半導体素子の接続構造を形成するにあたり,
第1接続電極と第2接続電極を相互に共晶接合または合
金接合を形成する金属材料から構成し,半導体素子の第
1接続電極以外の部分には熱可塑性合成樹脂材料から成
る半導体素子保護用の保護層(20)を形成し,第1接
続電極と第2接続電極とを接触させて加熱することによ
り,接触界面に共晶接合または合金接合を形成するとと
もに,部品の第2接続電極以外の部分と保護層とを接触
させて樹脂固定する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体素子の接続
構造及び接続方法にかかり,特にバンプを用いて半導体
素子を基板や他の半導体素子などの部品に接続する接続
構造及び接続方法に関する。
構造及び接続方法にかかり,特にバンプを用いて半導体
素子を基板や他の半導体素子などの部品に接続する接続
構造及び接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,液晶パネルなどの透明電極
(ITO)に対して駆動用ICチップなどの半導体素子
を接続するに際して,半導体素子の電極上にバンプを形
成し,このバンプを介して半導体素子と透明電極とを電
気的に接続する方法が知られている。例えば特公平4−
50745号(特開昭62−244142号)公報に
は,半導体素子の電極上にバンプを設け,このバンプと
電子部品である液晶パネルの透明電極との間に,弾性を
有する弾性粉体を合成樹脂材料に分散して得られた異方
性導電接着剤層を配し,電気的接続を実現する方法が開
示されている。
(ITO)に対して駆動用ICチップなどの半導体素子
を接続するに際して,半導体素子の電極上にバンプを形
成し,このバンプを介して半導体素子と透明電極とを電
気的に接続する方法が知られている。例えば特公平4−
50745号(特開昭62−244142号)公報に
は,半導体素子の電極上にバンプを設け,このバンプと
電子部品である液晶パネルの透明電極との間に,弾性を
有する弾性粉体を合成樹脂材料に分散して得られた異方
性導電接着剤層を配し,電気的接続を実現する方法が開
示されている。
【0003】上記のような従来の接続方法では,バンプ
と透明電極との間に介在する導電性粉体が分散された異
方性導電接着剤層を加圧した状態で固化している。その
結果,バンプと透明電極との間が導電性粉体を介して電
気的に接続されるとともに,半導体素子を液晶パネルに
固定することも可能となる。
と透明電極との間に介在する導電性粉体が分散された異
方性導電接着剤層を加圧した状態で固化している。その
結果,バンプと透明電極との間が導電性粉体を介して電
気的に接続されるとともに,半導体素子を液晶パネルに
固定することも可能となる。
【0004】すなわち,加圧によりバンプと透明電極間
に存在する導電性粉体が弾性変形し,バンプと透明電極
との間の導電性粉体が存在しない部分に樹脂が入り込
み,そのまま固化されることにより,バンプと透明電極
間に所望の電気的接続構造が実現される。
に存在する導電性粉体が弾性変形し,バンプと透明電極
との間の導電性粉体が存在しない部分に樹脂が入り込
み,そのまま固化されることにより,バンプと透明電極
間に所望の電気的接続構造が実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の
ような従来の接続構造では,バンプと透明電極間の接続
は,その間に充填され固化される樹脂材料の固着力だけ
に依存しているため,比較的高い温度領域,例えば80
℃以上で樹脂が軟化したり,あるいは高温多湿環境で樹
脂材料が劣化したりした場合には,導通不良が生じるこ
とがあり,その適用範囲が限定的であり,また高い信頼
性を実現することが困難であった。
ような従来の接続構造では,バンプと透明電極間の接続
は,その間に充填され固化される樹脂材料の固着力だけ
に依存しているため,比較的高い温度領域,例えば80
℃以上で樹脂が軟化したり,あるいは高温多湿環境で樹
脂材料が劣化したりした場合には,導通不良が生じるこ
とがあり,その適用範囲が限定的であり,また高い信頼
性を実現することが困難であった。
【0006】本発明は,従来の半導体素子の接続構造及
びその接続方法が有する上記問題点に鑑みて成されたも
のであり,環境変化に強く,従ってその適用範囲が広
く,しかも確実な電気的接続を実現可能であり,より強
固な固着力を得ることが可能な,新規かつ改良された半
導体素子の接続構造及びその接続方法を提供することを
目的としている。
びその接続方法が有する上記問題点に鑑みて成されたも
のであり,環境変化に強く,従ってその適用範囲が広
く,しかも確実な電気的接続を実現可能であり,より強
固な固着力を得ることが可能な,新規かつ改良された半
導体素子の接続構造及びその接続方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の観点によれば,第1接続電極が形成
された半導体素子と,第1接続電極に対応する第2接続
電極が形成された部品とを相互に電気的に接続する半導
体素子の接続構造が提供される。そして,この半導体素
子の接続構造は,請求項1に記載のように,第1接続電
極と第2接続電極は相互に共晶接合または合金接合を形
成する金属材料から成り,半導体素子の第1接続電極以
外の部分には合成樹脂材料,例えば熱可塑性合成樹脂材
料や紫外線硬化型合成樹脂材料から成る半導体素子保護
用の保護層が形成され,第1接続電極と第2接続電極と
を接触させて接触界面に共晶接合または合金接合を形成
し,部品の第2接続電極以外の部分と保護層とを接触さ
せて樹脂固定したことを特徴としている。
に,本発明の第1の観点によれば,第1接続電極が形成
された半導体素子と,第1接続電極に対応する第2接続
電極が形成された部品とを相互に電気的に接続する半導
体素子の接続構造が提供される。そして,この半導体素
子の接続構造は,請求項1に記載のように,第1接続電
極と第2接続電極は相互に共晶接合または合金接合を形
成する金属材料から成り,半導体素子の第1接続電極以
外の部分には合成樹脂材料,例えば熱可塑性合成樹脂材
料や紫外線硬化型合成樹脂材料から成る半導体素子保護
用の保護層が形成され,第1接続電極と第2接続電極と
を接触させて接触界面に共晶接合または合金接合を形成
し,部品の第2接続電極以外の部分と保護層とを接触さ
せて樹脂固定したことを特徴としている。
【0008】かかる構成によれば,樹脂の固着力だけで
はなく共晶結合または合金結合の固着力を接触界面に作
用させることができるので,従来の接続構造よりも強固
な固着力を得ることができるとともに,安定的な電気的
導通経路を形成することが可能である。また,接続部に
バンプなどの突起電極を形成する必要がなく,接続部に
樹脂をさらに充填する必要もないため,実装コストを削
減できる。
はなく共晶結合または合金結合の固着力を接触界面に作
用させることができるので,従来の接続構造よりも強固
な固着力を得ることができるとともに,安定的な電気的
導通経路を形成することが可能である。また,接続部に
バンプなどの突起電極を形成する必要がなく,接続部に
樹脂をさらに充填する必要もないため,実装コストを削
減できる。
【0009】また,請求項2に記載のように保護層を第
1接続電極と第2接続電極との接合温度で熱溶融する熱
可塑性樹脂材料から構成すれば,共晶結合または合金結
合の形成と同時に熱可塑性樹脂を硬化させることができ
るので容易に所望の接続構造を得ることができる。
1接続電極と第2接続電極との接合温度で熱溶融する熱
可塑性樹脂材料から構成すれば,共晶結合または合金結
合の形成と同時に熱可塑性樹脂を硬化させることができ
るので容易に所望の接続構造を得ることができる。
【0010】さらに,請求項3に記載のように,第2接
続電極の形状を,先端に向かって先細り形状であり,か
つ先端部の中央部がもっとも高くなるように形成した
り,あるいは請求項4に記載のように,第2接続電極の
先端部に凹凸部を形成すれば,より確実な電気的接続を
実現することが可能である。その際に,第2接続電極の
先端部の中央部から外側方向に向けて傾斜を有するよう
に構成しても良い。
続電極の形状を,先端に向かって先細り形状であり,か
つ先端部の中央部がもっとも高くなるように形成した
り,あるいは請求項4に記載のように,第2接続電極の
先端部に凹凸部を形成すれば,より確実な電気的接続を
実現することが可能である。その際に,第2接続電極の
先端部の中央部から外側方向に向けて傾斜を有するよう
に構成しても良い。
【0011】さらに,請求項5に記載のように,第1接
続電極として,アルミニウム電極または表層にアルミニ
ウム層若しくは金層が形成された多層電極を使用し,第
2接続電極として,金電極または表層に金層が形成され
た多層電極を使用すれば,上記のような優れた作用効果
を有する半導体素子の接続構造をより簡単に実現するこ
とができる。
続電極として,アルミニウム電極または表層にアルミニ
ウム層若しくは金層が形成された多層電極を使用し,第
2接続電極として,金電極または表層に金層が形成され
た多層電極を使用すれば,上記のような優れた作用効果
を有する半導体素子の接続構造をより簡単に実現するこ
とができる。
【0012】さらに,本発明の第2の観点によれば,第
1接続電極が形成された半導体素子と,第1接続電極に
対応する第2接続電極が形成された部品とを相互に電気
的に接続する半導体素子の接続方法が提供される。そし
て,この半導体素子の接続方法は,第1接続電極と第2
接続電極を相互に共晶接合または合金接合を形成する金
属材料から構成するとともに,半導体素子の第1接続電
極以外の部分に熱可塑性樹脂材料から成る半導体素子保
護用の保護層を形成する工程と,第1接続電極と第2接
続電極とが相互に接触するとともに,半導体素子の保護
層と部品の第2接続電極以外の部分とが相互に接触する
まで加圧する工程と,加圧した状態で,接触界面に共晶
接合または合金接合が形成され,保護層が溶融して半導
体素子と部品とを樹脂固定できる温度範囲まで加熱する
工程とから成ることを特徴としている。
1接続電極が形成された半導体素子と,第1接続電極に
対応する第2接続電極が形成された部品とを相互に電気
的に接続する半導体素子の接続方法が提供される。そし
て,この半導体素子の接続方法は,第1接続電極と第2
接続電極を相互に共晶接合または合金接合を形成する金
属材料から構成するとともに,半導体素子の第1接続電
極以外の部分に熱可塑性樹脂材料から成る半導体素子保
護用の保護層を形成する工程と,第1接続電極と第2接
続電極とが相互に接触するとともに,半導体素子の保護
層と部品の第2接続電極以外の部分とが相互に接触する
まで加圧する工程と,加圧した状態で,接触界面に共晶
接合または合金接合が形成され,保護層が溶融して半導
体素子と部品とを樹脂固定できる温度範囲まで加熱する
工程とから成ることを特徴としている。
【0013】かかる構成によれば,接触界面に安定的か
つ確実な電気的接続を実現可能な共晶接合または合金接
合を形成すると同時に,樹脂により接続部を固着するこ
とがきるので,より強固な固着力とより安定した電気的
経路の確保を実現できる。また,従来の方法のように,
接続部にバンプなどの突起電極を形成する工程や,接続
部にさらに樹脂を充填する工程が不要となるので,実装
コストを削減することができる。
つ確実な電気的接続を実現可能な共晶接合または合金接
合を形成すると同時に,樹脂により接続部を固着するこ
とがきるので,より強固な固着力とより安定した電気的
経路の確保を実現できる。また,従来の方法のように,
接続部にバンプなどの突起電極を形成する工程や,接続
部にさらに樹脂を充填する工程が不要となるので,実装
コストを削減することができる。
【0014】さらに,請求項7に記載のように,保護層
を,加圧前の状態において,第1接続電極と第2接続電
極との総厚みよりも厚い厚みを有するように構成すれ
ば,より強固で確実な接続構造を得ることができる。
を,加圧前の状態において,第1接続電極と第2接続電
極との総厚みよりも厚い厚みを有するように構成すれ
ば,より強固で確実な接続構造を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら本
発明にかかる半導体素子の接続構造およびその接続方法
の好適な実施形態について説明する。
発明にかかる半導体素子の接続構造およびその接続方法
の好適な実施形態について説明する。
【0016】(第1の実施形態)図1は,本実施の形態
にかかる半導体素子の接続方法が適用された接続部の構
造を部分的に破断して示す略断面図である。図中,10
はICチップなどの半導体素子であり,この半導体素子
10の表面には,入出力端子となる接続電極12,例え
ばAl電極が形成されている。また,14は,半導体素
子10が接続される部材,例えばLEDアレイのような
能動部品であり,この部品14の表面には接続電極16
が形成されている。
にかかる半導体素子の接続方法が適用された接続部の構
造を部分的に破断して示す略断面図である。図中,10
はICチップなどの半導体素子であり,この半導体素子
10の表面には,入出力端子となる接続電極12,例え
ばAl電極が形成されている。また,14は,半導体素
子10が接続される部材,例えばLEDアレイのような
能動部品であり,この部品14の表面には接続電極16
が形成されている。
【0017】この部材14の表面に付される接続電極1
6は,能動部品の出力部(図示せず。)とオーミック接
続を得るためのバリア電極(図示せず。)を介して接続
されており,例えばAuからなる接続電極16が,半導
体素子10へ向けて突出するように形成されている。
6は,能動部品の出力部(図示せず。)とオーミック接
続を得るためのバリア電極(図示せず。)を介して接続
されており,例えばAuからなる接続電極16が,半導
体素子10へ向けて突出するように形成されている。
【0018】半導体素子10の各接続電極12は,部品
14の接続電極16に対応する位置に形成されており,
接続電極16と接触するための開口部18が形成されて
いる。また,半導体素子10の開口部18以外は保護層
20で被覆されている。
14の接続電極16に対応する位置に形成されており,
接続電極16と接触するための開口部18が形成されて
いる。また,半導体素子10の開口部18以外は保護層
20で被覆されている。
【0019】かかる保護層18は絶縁性を有する熱可塑
性樹脂材料,例えばエポキシ系の熱可塑性合成樹脂材料
から成り,例えば,200℃から300℃の熱を加える
と,軟化して接着剤として作用するものである。
性樹脂材料,例えばエポキシ系の熱可塑性合成樹脂材料
から成り,例えば,200℃から300℃の熱を加える
と,軟化して接着剤として作用するものである。
【0020】次に,図2を参照しながら,本実施の形態
にかかる半導体素子の接続構造の形成方法について説明
する。まず,半導体素子10と部品14とを結合するた
めには,図2(a)に示すように,半導体素子10の接
続電極12および部品14の接続電極16とが相互に間
隔を置いて対向配置される。次いで,半導体素子10の
接続電極12と部品14の接続電極16とを圧接するた
めに,半導体素子10と部品14とが相互に押圧され
る。
にかかる半導体素子の接続構造の形成方法について説明
する。まず,半導体素子10と部品14とを結合するた
めには,図2(a)に示すように,半導体素子10の接
続電極12および部品14の接続電極16とが相互に間
隔を置いて対向配置される。次いで,半導体素子10の
接続電極12と部品14の接続電極16とを圧接するた
めに,半導体素子10と部品14とが相互に押圧され
る。
【0021】このように,半導体素子10の接続電極1
2と部品14の接続電極16とを圧接していくと,やが
て図2(b)に示すように,接続電極12と接続電極1
6の各電極表面が相互に接触し,互いの電極の表面酸化
膜を破壊する。
2と部品14の接続電極16とを圧接していくと,やが
て図2(b)に示すように,接続電極12と接続電極1
6の各電極表面が相互に接触し,互いの電極の表面酸化
膜を破壊する。
【0022】そして,半導体素子10の接続電極12と
部品14の接続電極16とを圧接した状態で,これらの
接続部を所定の温度範囲,例えば200℃〜300℃ま
で加熱することにより,図2(c)に示すように,圧接
部に両金属間の共晶結合22を形成することができる。
しかも,この加熱温度範囲において保護層20の合成樹
脂材料が軟化するので,半導体素子10と部品14とが
相互に電気的に接続された状態で半導体素子10と部品
14の間に樹脂が充填される。
部品14の接続電極16とを圧接した状態で,これらの
接続部を所定の温度範囲,例えば200℃〜300℃ま
で加熱することにより,図2(c)に示すように,圧接
部に両金属間の共晶結合22を形成することができる。
しかも,この加熱温度範囲において保護層20の合成樹
脂材料が軟化するので,半導体素子10と部品14とが
相互に電気的に接続された状態で半導体素子10と部品
14の間に樹脂が充填される。
【0023】なお,保護層20の厚みは,半導体素子1
0の接続電極12と部品14の接続電極16が接触した
ときの両電極の総厚よりも厚く設定されているので,接
続電極12と接続電極16が接触した際に,保護層20
は部品14の表面に接触して絶縁層を形成する。
0の接続電極12と部品14の接続電極16が接触した
ときの両電極の総厚よりも厚く設定されているので,接
続電極12と接続電極16が接触した際に,保護層20
は部品14の表面に接触して絶縁層を形成する。
【0024】そして,かかる状態で接続部を冷却すれ
ば,保護層20の合成樹脂材料が硬化し,電気的接続経
路が形成された状態で半導体素子10と部品14が固着
され,所望の半導体素子の接続構造を形成できる。
ば,保護層20の合成樹脂材料が硬化し,電気的接続経
路が形成された状態で半導体素子10と部品14が固着
され,所望の半導体素子の接続構造を形成できる。
【0025】ここで,半導体素子10の接続電極12と
して,例えばAlを使用し,部品14の接続電極16と
して,例えばAuを使用した場合には,接続部を250
℃〜350℃程度まで加熱することによって,接続部に
共晶結合22を形成することが可能であり,その際に,
保護層20を形成する合成樹脂材料としてエポキシ系熱
可塑性樹脂をすれば,その温度範囲で合成樹脂が軟化
し,半導体素子10と部品14間に充填され,その後冷
却により固着させることにより,良好な電気的接続状態
を保持したまま,半導体素子10と部品14とを相互に
結合することができる。
して,例えばAlを使用し,部品14の接続電極16と
して,例えばAuを使用した場合には,接続部を250
℃〜350℃程度まで加熱することによって,接続部に
共晶結合22を形成することが可能であり,その際に,
保護層20を形成する合成樹脂材料としてエポキシ系熱
可塑性樹脂をすれば,その温度範囲で合成樹脂が軟化
し,半導体素子10と部品14間に充填され,その後冷
却により固着させることにより,良好な電気的接続状態
を保持したまま,半導体素子10と部品14とを相互に
結合することができる。
【0026】また,半導体素子10の接続電極12にA
uを使用すれば,合成樹脂材料を軟化させることが可能
な温度範囲で容易に合金接合を形成することができる。
このように,本発明は,合成樹脂材料を軟化させること
が可能な温度範囲で共晶結合または合金結合を形成する
金属材料同士の組合わせであれば,半導体素子10の接
続電極12及び部品14の接続電極16の材料として,
任意の材料を使用することが可能であり,例えば低融点
半田やインジウム等を適宣採用することができる。
uを使用すれば,合成樹脂材料を軟化させることが可能
な温度範囲で容易に合金接合を形成することができる。
このように,本発明は,合成樹脂材料を軟化させること
が可能な温度範囲で共晶結合または合金結合を形成する
金属材料同士の組合わせであれば,半導体素子10の接
続電極12及び部品14の接続電極16の材料として,
任意の材料を使用することが可能であり,例えば低融点
半田やインジウム等を適宣採用することができる。
【0027】また,上記実施の形態では,保護層20を
半導体素子10に形成したが,保護層20は半導体素子
10に形成しなければならないものではなく,半導体素
子10または部品11のいずれか一方に形成すれば同様
の効果を得ることができる。また,保護層14の合成樹
脂材料としては,半導体素子10と部品14とを所定の
外部エネルギーを作用させることにより樹脂固定できる
材料であれば良く,熱可塑性樹脂材料に代えて,半硬化
状態で形成された熱可塑性合成樹脂材料や,紫外線硬化
型合成樹脂材料を用いることができる。
半導体素子10に形成したが,保護層20は半導体素子
10に形成しなければならないものではなく,半導体素
子10または部品11のいずれか一方に形成すれば同様
の効果を得ることができる。また,保護層14の合成樹
脂材料としては,半導体素子10と部品14とを所定の
外部エネルギーを作用させることにより樹脂固定できる
材料であれば良く,熱可塑性樹脂材料に代えて,半硬化
状態で形成された熱可塑性合成樹脂材料や,紫外線硬化
型合成樹脂材料を用いることができる。
【0028】以上説明したように,第1の実施形態によ
れば,半導体素子10に形成する接続電極12と部品1
4に形成する接続電極16の圧接部に共晶結合または合
金結合を形成することができるため,その接合部に樹脂
の固着力だけでなく,共晶結合または合金結合の固着力
を作用させることができる。このため,従来の異方性導
電接着剤による接続構造よりも,半導体素子10を部品
14に対して確実な電気的導通状態を保持しながら強固
に固着することができる。
れば,半導体素子10に形成する接続電極12と部品1
4に形成する接続電極16の圧接部に共晶結合または合
金結合を形成することができるため,その接合部に樹脂
の固着力だけでなく,共晶結合または合金結合の固着力
を作用させることができる。このため,従来の異方性導
電接着剤による接続構造よりも,半導体素子10を部品
14に対して確実な電気的導通状態を保持しながら強固
に固着することができる。
【0029】また,本実施の形態によれば,従来の方法
のように,接続部にバンプなどの十数ミクロンの突起電
極を形成する工程や,接続部にさらに樹脂を充填する工
程が不要となるので,実装コストを削減することができ
る。
のように,接続部にバンプなどの十数ミクロンの突起電
極を形成する工程や,接続部にさらに樹脂を充填する工
程が不要となるので,実装コストを削減することができ
る。
【0030】(第2の実施形態)図3には,本発明の第
2の実施形態にかかる半導体素子の接続構造及びその接
続方法が示されている。なお,この第2の実施形態の基
本的構成は,第1の実施形態の構成とほぼ同様であり,
従って,実質的に同一の構成及び機能を有する構成要素
について,同一の符号を付することにより重複説明を省
略する。ただし,この第2の実施形態においては,第1
の実施形態と異なり,部品14の接続電極16aの形状
が異なっている。また,この第2の実施形態では,保護
層20aをスクリーン印刷技術を用いて形成してあるた
め,半導体素子10の接続電極12上に設けられた保護
層20aの開口端部18aの周囲形状が傾斜部21を有
している点を特徴としている。
2の実施形態にかかる半導体素子の接続構造及びその接
続方法が示されている。なお,この第2の実施形態の基
本的構成は,第1の実施形態の構成とほぼ同様であり,
従って,実質的に同一の構成及び機能を有する構成要素
について,同一の符号を付することにより重複説明を省
略する。ただし,この第2の実施形態においては,第1
の実施形態と異なり,部品14の接続電極16aの形状
が異なっている。また,この第2の実施形態では,保護
層20aをスクリーン印刷技術を用いて形成してあるた
め,半導体素子10の接続電極12上に設けられた保護
層20aの開口端部18aの周囲形状が傾斜部21を有
している点を特徴としている。
【0031】次に,図3(a)〜(c)を参照しなが
ら,本発明の第2の実施形態にかかる半導体素子の接続
構造の形成方法について説明する。まず,半導体素子1
0と部品14とを結合するに際しては,図3(a)に示
す如く,第1の実施形態と同様に,半導体素子10の接
続電極12と部品14の接続電極16aとが相互に間隔
を置くように対向配置され,接続電極12と接続電極1
6aとを圧接するように半導体素子10と部品14とが
相互に押圧される。
ら,本発明の第2の実施形態にかかる半導体素子の接続
構造の形成方法について説明する。まず,半導体素子1
0と部品14とを結合するに際しては,図3(a)に示
す如く,第1の実施形態と同様に,半導体素子10の接
続電極12と部品14の接続電極16aとが相互に間隔
を置くように対向配置され,接続電極12と接続電極1
6aとを圧接するように半導体素子10と部品14とが
相互に押圧される。
【0032】ここで,本実施の形態によれば,半導体素
子10の各接続電極12上に設けられた保護層20aの
開口端部18aの周囲に滑らかな傾斜部21が形成され
ており,また部品14の接続電極16aの先端形状が底
部よりも細く形成されているため,接続電極16aの先
端部は保護層20aの開口端部18aと容易かつ確実に
位置合わせされ,押圧するだけで容易に嵌合させること
ができる。
子10の各接続電極12上に設けられた保護層20aの
開口端部18aの周囲に滑らかな傾斜部21が形成され
ており,また部品14の接続電極16aの先端形状が底
部よりも細く形成されているため,接続電極16aの先
端部は保護層20aの開口端部18aと容易かつ確実に
位置合わせされ,押圧するだけで容易に嵌合させること
ができる。
【0033】このようにして,半導体素子10の接続電
極12と部品14の接続電極16aとを圧接することに
より,図3(b)に示す如く,接続電極12と接続電極
16aの互いの電極表面が接触し,互いの電極の表面酸
化膜が破壊される。その際に,部品14側の接続電極1
6aの形状が,その先端が底部よりも細く,かつその先
端部の中央部が最も高くなっているため,圧接時の加圧
が先端部の中央部に集中し,半導体素子10側の接続電
極12の中央部付近を変形させ,その内部に突出するの
で,より確実なコンタクトを得ることができる。
極12と部品14の接続電極16aとを圧接することに
より,図3(b)に示す如く,接続電極12と接続電極
16aの互いの電極表面が接触し,互いの電極の表面酸
化膜が破壊される。その際に,部品14側の接続電極1
6aの形状が,その先端が底部よりも細く,かつその先
端部の中央部が最も高くなっているため,圧接時の加圧
が先端部の中央部に集中し,半導体素子10側の接続電
極12の中央部付近を変形させ,その内部に突出するの
で,より確実なコンタクトを得ることができる。
【0034】そして,半導体素子10の接続電極12と
部品14の接続電極16aとを圧接した状態で,接続部
を加熱することにより,図3(c)に示すように,圧接
部に両金属間の共晶結合22を形成することができる。
また,接続部の加熱により,保護層20aの合成樹脂材
料も軟化するので,半導体素子10と部品14とが接続
電極12,16aを介して相互に電気的に接続された状
態で,半導体素子10と部品14との間に樹脂を均一に
行き渡らすことができる。そして,かかる状態で接続部
を冷却すれば,半導体素子10と部品14とをその電気
的導通状態を確保した上で固着することができる。
部品14の接続電極16aとを圧接した状態で,接続部
を加熱することにより,図3(c)に示すように,圧接
部に両金属間の共晶結合22を形成することができる。
また,接続部の加熱により,保護層20aの合成樹脂材
料も軟化するので,半導体素子10と部品14とが接続
電極12,16aを介して相互に電気的に接続された状
態で,半導体素子10と部品14との間に樹脂を均一に
行き渡らすことができる。そして,かかる状態で接続部
を冷却すれば,半導体素子10と部品14とをその電気
的導通状態を確保した上で固着することができる。
【0035】以上説明したように,本発明の第2の実施
形態によれば,第1の実施形態と比較して,部品14側
の接続電極16aの形状をその先端部が底部よりも細
く,かつその先端部の中央部が最も高く,その先端部の
外形位置に向かって傾斜する形状としたため,圧接時の
加圧を先端部に集中させ,半導体素子10側の接続電極
12を変形させ,その内部に部品14側の接続電極16
aを突出させることができるので,第1の実施形態の場
合よりもより強固でより深い共晶結合または合金結合を
形成することができる。
形態によれば,第1の実施形態と比較して,部品14側
の接続電極16aの形状をその先端部が底部よりも細
く,かつその先端部の中央部が最も高く,その先端部の
外形位置に向かって傾斜する形状としたため,圧接時の
加圧を先端部に集中させ,半導体素子10側の接続電極
12を変形させ,その内部に部品14側の接続電極16
aを突出させることができるので,第1の実施形態の場
合よりもより強固でより深い共晶結合または合金結合を
形成することができる。
【0036】(第3の実施例)図4には,本発明の第4
の実施形態にかかる半導体素子の接続構造及びその接続
方法が示されている。この第3の実施形態の基本的構成
は,先に説明した第2の実施形態とほぼ同様であり,従
って,実質的に同一の構成及び機能を有する構成要素に
ついては,同一の符号を付することにより重複説明を省
略する。ただし,この第3の実施形態においては,部品
14側の接続電極16bの形状を,その先端が底部より
も細く,かつその先端部に凹凸部17を有する形状とし
ている点に特徴を有している。
の実施形態にかかる半導体素子の接続構造及びその接続
方法が示されている。この第3の実施形態の基本的構成
は,先に説明した第2の実施形態とほぼ同様であり,従
って,実質的に同一の構成及び機能を有する構成要素に
ついては,同一の符号を付することにより重複説明を省
略する。ただし,この第3の実施形態においては,部品
14側の接続電極16bの形状を,その先端が底部より
も細く,かつその先端部に凹凸部17を有する形状とし
ている点に特徴を有している。
【0037】次に,図4(a)(b)を参照しながら,
本発明の第3の実施形態にかかる半導体素子の接続構造
の形成方法について説明する。まず,半導体素子10と
部品14とを結合するに際しては,図4(a)に示す如
く,第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に,半導
体素子10の接続電極12と部品14の接続電極16b
とが相互に間隔を置くように対向配置され,接続電極1
2と接続電極16bとを圧接するように半導体素子10
と部品14とが相互に押圧される。
本発明の第3の実施形態にかかる半導体素子の接続構造
の形成方法について説明する。まず,半導体素子10と
部品14とを結合するに際しては,図4(a)に示す如
く,第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に,半導
体素子10の接続電極12と部品14の接続電極16b
とが相互に間隔を置くように対向配置され,接続電極1
2と接続電極16bとを圧接するように半導体素子10
と部品14とが相互に押圧される。
【0038】このようにして,半導体素子10の接続電
極12と部品14の接続電極16bとを圧接することに
より,図4(b)に示す如く,接続電極12と接続電極
16bの互いの電極表面が接触し,互いの電極の表面酸
化膜が破壊される。その際に,本実施の形態によれば,
部品14の接続電極16bの先端に,凹凸部17が形成
されているために,圧接時の加圧が先端部の突起部に集
中し,半導体素子10側の接続電極12を変形させ,凹
凸部17が接続電極12の内部に突出する。
極12と部品14の接続電極16bとを圧接することに
より,図4(b)に示す如く,接続電極12と接続電極
16bの互いの電極表面が接触し,互いの電極の表面酸
化膜が破壊される。その際に,本実施の形態によれば,
部品14の接続電極16bの先端に,凹凸部17が形成
されているために,圧接時の加圧が先端部の突起部に集
中し,半導体素子10側の接続電極12を変形させ,凹
凸部17が接続電極12の内部に突出する。
【0039】そして,半導体素子10の接続電極12と
部品14の接続電極16bとを圧接した状態で,接続部
を加熱することにより,図4(b)に示すように,圧接
部に両金属間の共晶結合22を形成することができる。
その際に,凹凸部17が半導体側の接続電極12の内部
に突出するので,より確実にかつ広い範囲で共晶結合2
2を形成することができる。先の実施形態と同様に,ま
た,接続部の加熱により,保護層20aの合成樹脂材料
も軟化するので,半導体素子10と部品14とが接続電
極12,16bを介して相互に電気的に接続された状態
で,半導体素子10と部品14との間に樹脂を均一に行
き渡らすことができる。そして,かかる状態で接続部を
冷却すれば,半導体素子10と部品14とをその電気的
導通状態を確保した上で固着することができる。
部品14の接続電極16bとを圧接した状態で,接続部
を加熱することにより,図4(b)に示すように,圧接
部に両金属間の共晶結合22を形成することができる。
その際に,凹凸部17が半導体側の接続電極12の内部
に突出するので,より確実にかつ広い範囲で共晶結合2
2を形成することができる。先の実施形態と同様に,ま
た,接続部の加熱により,保護層20aの合成樹脂材料
も軟化するので,半導体素子10と部品14とが接続電
極12,16bを介して相互に電気的に接続された状態
で,半導体素子10と部品14との間に樹脂を均一に行
き渡らすことができる。そして,かかる状態で接続部を
冷却すれば,半導体素子10と部品14とをその電気的
導通状態を確保した上で固着することができる。
【0040】以上説明したように,本発明の第3の実施
形態によれば,部品14側の接続電極16bの形状をそ
の先端部が底部よりも細く,かつその先端部に凹凸部1
7を設けた形状としたため,圧接時の加圧を凹凸部17
に集中させ,半導体素子10側の接続電極12を変形さ
せ,その内部に部品14側の接続電極16bの凹凸部1
7を突出させることができるので,第1の実施形態や第
2の実施形態の場合よりもより強固でより深い共晶結合
または合金結合を形成することができる。
形態によれば,部品14側の接続電極16bの形状をそ
の先端部が底部よりも細く,かつその先端部に凹凸部1
7を設けた形状としたため,圧接時の加圧を凹凸部17
に集中させ,半導体素子10側の接続電極12を変形さ
せ,その内部に部品14側の接続電極16bの凹凸部1
7を突出させることができるので,第1の実施形態や第
2の実施形態の場合よりもより強固でより深い共晶結合
または合金結合を形成することができる。
【0041】(第4の実施形態)図5には,本発明の第
4の実施形態にかかる半導体素子の接続構造及びその接
続方法が示されている。この第4の実施形態の基本的構
成は,先に説明した第1〜第3の実施形態とほぼ同様で
あり,従って,実質的に同一の構成及び機能を有する構
成要素については,同一の符号を付することにより重複
説明を省略する。ただし,この第4の実施形態において
は,半導体素子10側の接続電極12cとして,下地電
極12dと表層電極12eから成る多層電極を使用し,
部品14側の接続電極16cとして下地電極16dと表
層電極16eから成る多層電極を使用した点に特徴を有
している。そして,半導体素子10側の接続電極12c
の表層電極12eとしてアルミニウムまたは金を使用
し,部品14側の接続電極16cの表層電極16eとし
て,金材料を使用したものである。
4の実施形態にかかる半導体素子の接続構造及びその接
続方法が示されている。この第4の実施形態の基本的構
成は,先に説明した第1〜第3の実施形態とほぼ同様で
あり,従って,実質的に同一の構成及び機能を有する構
成要素については,同一の符号を付することにより重複
説明を省略する。ただし,この第4の実施形態において
は,半導体素子10側の接続電極12cとして,下地電
極12dと表層電極12eから成る多層電極を使用し,
部品14側の接続電極16cとして下地電極16dと表
層電極16eから成る多層電極を使用した点に特徴を有
している。そして,半導体素子10側の接続電極12c
の表層電極12eとしてアルミニウムまたは金を使用
し,部品14側の接続電極16cの表層電極16eとし
て,金材料を使用したものである。
【0042】次に図5(a)〜(c)を参照しながら,
本発明の第4の実施形態にかかる半導体素子の接続構造
の形成方法について説明する。まず,半導体素子10と
部品14とを結合するに際しては,図4(a)に示す如
く,第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に,半導
体素子10の接続電極12cと部品14の接続電極16
cとが相互に間隔を置くように対向配置され,接続電極
12cと接続電極16cとを圧接するように半導体素子
10と部品14とが相互に押圧される。
本発明の第4の実施形態にかかる半導体素子の接続構造
の形成方法について説明する。まず,半導体素子10と
部品14とを結合するに際しては,図4(a)に示す如
く,第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に,半導
体素子10の接続電極12cと部品14の接続電極16
cとが相互に間隔を置くように対向配置され,接続電極
12cと接続電極16cとを圧接するように半導体素子
10と部品14とが相互に押圧される。
【0043】ここで,本実施形態においては,半導体素
子10側の接続電極12cの下地電極12dと部品14
側の接続電極16cの下地電極16dは,半導体素子1
0と部品14間の押圧力を,表層電極12eと表層電極
16eに集中させる役割を果たすため,下地電極12d
及び下地電極16dとしては,表層電極12e及び表層
電極16eよりも荷重に対する変形量の少ない金属材
料,あるいはヤング率が高く,硬度の高い金属材料,例
えばニッケルや白金などを使用することができる。
子10側の接続電極12cの下地電極12dと部品14
側の接続電極16cの下地電極16dは,半導体素子1
0と部品14間の押圧力を,表層電極12eと表層電極
16eに集中させる役割を果たすため,下地電極12d
及び下地電極16dとしては,表層電極12e及び表層
電極16eよりも荷重に対する変形量の少ない金属材
料,あるいはヤング率が高く,硬度の高い金属材料,例
えばニッケルや白金などを使用することができる。
【0044】かかる構成により,押圧力が表層電極12
e及び表層電極16eに集中すると,図5(b)に示す
ように,半導体素子10側の表層電極12eと部品14
側の表層電極16eの互いの電極表面が接触し,互いの
電極の表面酸化膜を破壊するとともに互いの電極表面の
細かな凹凸同士がかみ合う状態を形成する。
e及び表層電極16eに集中すると,図5(b)に示す
ように,半導体素子10側の表層電極12eと部品14
側の表層電極16eの互いの電極表面が接触し,互いの
電極の表面酸化膜を破壊するとともに互いの電極表面の
細かな凹凸同士がかみ合う状態を形成する。
【0045】このように,半導体素子10側の表層電極
12eと部品14側の表層電極16eとを圧接させた状
態で,接続部を加熱することにより,図5(c)に示す
ように,圧接部に両金属間の共晶結合22が形成され
る。また,接続部の加熱により,保護層20の合成樹脂
材料も軟化するので,半導体素子10と部品14とが接
続電極12c,16cを介して相互に電気的に接続され
た状態で,半導体素子10と部品14との間に樹脂を均
一に行き渡らすことができる。そして,かかる状態で接
続部を冷却すれば,半導体素子10と部品14とをその
電気的導通状態を確保した上で固着することができる。
12eと部品14側の表層電極16eとを圧接させた状
態で,接続部を加熱することにより,図5(c)に示す
ように,圧接部に両金属間の共晶結合22が形成され
る。また,接続部の加熱により,保護層20の合成樹脂
材料も軟化するので,半導体素子10と部品14とが接
続電極12c,16cを介して相互に電気的に接続され
た状態で,半導体素子10と部品14との間に樹脂を均
一に行き渡らすことができる。そして,かかる状態で接
続部を冷却すれば,半導体素子10と部品14とをその
電気的導通状態を確保した上で固着することができる。
【0046】以上説明したように,本実施の形態によれ
ば,第1〜第3の実施形態に比較して,半導体素子10
側の接続電極12cとして,下地電極12dと表層電極
12eから成る多層電極を使用し,部品14側の接続電
極16cとして下地電極16dと表層電極16eから成
る多層電極を使用し,下地電極12dと下地電極16d
を構成する電極材料として,表層電極12eと表層電極
16eを構成する電極材料よりも荷重に対する変形量の
少ない金属材料を使用しているため,圧接時の加圧力を
表層電極12eと表層電極16eに集中させることがで
きるため,先の実施形態よりも,より強くより深い共晶
結合または合金結合を形成することが可能である。
ば,第1〜第3の実施形態に比較して,半導体素子10
側の接続電極12cとして,下地電極12dと表層電極
12eから成る多層電極を使用し,部品14側の接続電
極16cとして下地電極16dと表層電極16eから成
る多層電極を使用し,下地電極12dと下地電極16d
を構成する電極材料として,表層電極12eと表層電極
16eを構成する電極材料よりも荷重に対する変形量の
少ない金属材料を使用しているため,圧接時の加圧力を
表層電極12eと表層電極16eに集中させることがで
きるため,先の実施形態よりも,より強くより深い共晶
結合または合金結合を形成することが可能である。
【0047】以上,添付図面を参照しながら本発明にか
かる半導体素子の接続構造及びその接続方法の好適な実
施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定さ
れない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された
技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例
に想到しうることは明らかであり,それらについても当
然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
かる半導体素子の接続構造及びその接続方法の好適な実
施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定さ
れない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された
技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例
に想到しうることは明らかであり,それらについても当
然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
半導体素子に形成する接続電極と部品に形成する接続電
極の圧接部に共晶結合または合金結合を形成することが
できるため,その接合部に樹脂の固着力だけでなく,共
晶結合または合金結合の固着力を作用させることができ
る。このため,従来の異方性導電接着剤による接続構造
よりも,半導体素子を部品に対して確実な電気的導通状
態を保持しながら強固に固着することができる。その際
に,本発明によれば,接続電極の先端部の形状を変える
ことで,より強固で深い共晶結合を形成することができ
る。
半導体素子に形成する接続電極と部品に形成する接続電
極の圧接部に共晶結合または合金結合を形成することが
できるため,その接合部に樹脂の固着力だけでなく,共
晶結合または合金結合の固着力を作用させることができ
る。このため,従来の異方性導電接着剤による接続構造
よりも,半導体素子を部品に対して確実な電気的導通状
態を保持しながら強固に固着することができる。その際
に,本発明によれば,接続電極の先端部の形状を変える
ことで,より強固で深い共晶結合を形成することができ
る。
【0049】また,本発明によれば,従来の方法のよう
に,接続部にバンプなどの十数ミクロンの突起電極を形
成する工程や,接続部にさらに樹脂を充填する工程が不
要となるので,実装コストを削減することができる。
に,接続部にバンプなどの十数ミクロンの突起電極を形
成する工程や,接続部にさらに樹脂を充填する工程が不
要となるので,実装コストを削減することができる。
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる半導体素子の
接続構造の概略を示す断面図である。
接続構造の概略を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる半導体素子の
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかる半導体素子の
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかる半導体素子の
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
【図5】本発明の第4の実施形態にかかる半導体素子の
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
接続構造の形成手順の概略を示す断面図であり,(a)
は加圧前の状態,(b)は加圧時の状態,(c)は加圧
後の状態をそれぞれ示している。
10 半導体素子 12 接続電極 14 部品 16 接続電極 18 開口端部 20 保護層 22 共晶結合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 渉 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 第1接続電極が形成された半導体素子
と,前記第1接続電極に対応する第2接続電極が形成さ
れた部品とを相互に電気的に接続する半導体素子の接続
構造であって:前記第1接続電極と前記第2接続電極
は,相互に共晶接合または合金接合を形成する金属材料
から成り;前記半導体素子の前記第1接続電極以外の部
分には合成樹脂材料から成る半導体素子保護用の保護層
が形成され;前記第1接続電極と第2接続電極とを接触
させて接触界面に共晶接合または合金接合を形成し,前
記部品の第2接続電極以外の部分と前記保護層とを接触
させて樹脂固定したことを特徴とする,半導体素子の接
続構造。 - 【請求項2】 前記保護層は,前記第1接続電極と前記
第2接続電極との接合温度で熱溶融する熱可塑性樹脂材
料から成ることを特徴とする,請求項1に記載の半導体
素子の接続構造。 - 【請求項3】 前記第2接続電極は,先端に向かって先
細り形状であり,かつ先端部の中央部がもっとも高くな
る形状に形成されることを特徴とする,請求項1または
2に記載の半導体素子の接続構造。 - 【請求項4】 前記第2接続電極の先端部には,凹凸部
が形成されることを特徴とする,請求項1,2または3
のいずれかに記載の半導体素子の接続構造。 - 【請求項5】 前記第1接続電極は,アルミニウム電極
または表層にアルミニウム層若しくは金層が形成された
多層電極であり,前記第2接続電極は,金電極または表
層に金層が形成された多層電極であることを特徴とす
る,請求項1,2,3または4のいずれかに記載の半導
体素子の接続構造。 - 【請求項6】 第1接続電極が形成された半導体素子
と,前記第1接続電極に対応する第2接続電極が形成さ
れた部品とを相互に電気的に接続する半導体素子の接続
方法であって:前記第1接続電極と前記第2接続電極
を,相互に共晶接合または合金接合を形成する金属材料
から構成するとともに,前記半導体素子の前記第1接続
電極以外の部分には熱可塑性樹脂材料から成る半導体素
子保護用の保護層を形成する工程と;前記第1接続電極
と第2接続電極とが相互に接触するとともに,前記半導
体素子の保護層と前記部品の前記第2接続電極以外の部
分とが相互に接触するまで加圧する工程と;加圧した状
態で,前記接触界面に共晶接合または合金接合が形成さ
れ,前記保護層が溶融して前記半導体素子と前記部品と
を樹脂固定できる温度範囲まで加熱する工程と;から成
ることを特徴とする,半導体素子の接続方法。 - 【請求項7】 加圧前の状態において,前記第1接続電
極と前記第2接続電極との総厚みよりも厚い厚みを有す
るように,前記保護層が形成されることを特徴とする,
請求項6に記載の半導体素子の接続方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13029797A JPH10308411A (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 半導体素子の接続構造及びその接続方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13029797A JPH10308411A (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 半導体素子の接続構造及びその接続方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10308411A true JPH10308411A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=15030955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13029797A Withdrawn JPH10308411A (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 半導体素子の接続構造及びその接続方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10308411A (ja) |
-
1997
- 1997-05-02 JP JP13029797A patent/JPH10308411A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040706 |