JPH10306318A - コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH10306318A
JPH10306318A JP11106497A JP11106497A JPH10306318A JP H10306318 A JPH10306318 A JP H10306318A JP 11106497 A JP11106497 A JP 11106497A JP 11106497 A JP11106497 A JP 11106497A JP H10306318 A JPH10306318 A JP H10306318A
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rolling
sheet
magnetic flux
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Takeaki Wakizaka
岳顯 脇坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて
高い方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、0.010%≦C≦0.14% 、0.010%
≦酸可溶性Al≦0.050%、0.0030% ≦N≦0.0150% を含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを、加
熱、熱延した後、圧下率が50〜75%の最終冷延を含む1
回以上の冷延を行って最終板厚とし、脱炭焼鈍後、Ac
1 変態点以下の温度域で最終焼鈍する方向性電磁鋼板の
製造法であって、仕上熱間圧延を、下記の(1)式を満
足する条件で行うことを特徴とするコイル長手方向の磁
束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方
法。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁束密度が極めて
高い方向性電磁鋼板の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は二次再結晶により鋼板
の結晶粒を特定方位に高度に結晶粒を配向させた成品で
あることが特徴であり、圧延面に{110}面、圧延方
向に<100>軸を有するゴス方位を持つ結晶粒により
構成されている。また、方向性電磁鋼板の用途として
は、軟磁性材料として主にトランスその他の電気機器の
鉄心材料に使用されるもので、近年省エネルギー、省資
源への社会的要求がますます厳しくなっている事から、
一方向性電磁鋼板の鉄損低減、磁化特性改善への要求も
厳しくなってきている。このため磁気特性、特に良好な
励磁特性と鉄損特性が求められるようになってきてい
る。
【0003】方向性電磁鋼板の励磁特性を示す指標とし
ては、通常磁束密度B8 (磁場の強さ800A/mにお
ける磁束密度)が用いられている。また鉄損特性を示す
指標としては、W17/50 (50Hzで1.7Tまで磁化
させたときの単位重量あたりの鉄損)等が用いられてい
る。鉄損は渦電流損とヒステリシス損からなり、渦電流
損は鋼板の電気抵抗率、板厚、結晶粒度、磁区の形態、
鋼板表面の皮膜張力等の因子により支配されている。一
方、ヒステリシス損は磁束密度を支配する鋼板の結晶方
位、純度、内部歪等により支配される。
【0004】これらの因子を制御することによる鉄損を
低減させるために、鋼板の電気抵抗を大きくするために
Si含有量を高めることが行われてきた。しかしなが
ら、これに伴い飽和磁束密度が低下するため、これを従
来技術では二次再結晶方位の集積度を上昇させることで
補って高磁束密度方向性電磁鋼板を製造してきた。この
ために、従来技術では二次再結晶を安定して発現させる
とともにその方位集積度を高め、磁束密度を向上させる
因子として、インヒビターの役割が重要である。この目
的のため、従来技術ではMnS、AlN、MnSe等が
インヒビターとして用いられてきている。
【0005】従来の方向性電磁鋼板の製造法は、二次再
結晶方位制御に用いられるインヒビターの種類により大
きく3種類に大別される。まず第一に、M.F.Lit
tmannにより特公昭30−3651号公報に開示さ
れた製造法がある。この製造法はインヒビターにMnS
を用い、二回冷延法で製造することが特徴である。次
に、特公昭40−15644号公報に田口、坂倉らによ
り開示された、MnSに加えてAlNをインヒビターと
する製造方法である。このインヒビターにAlNを用い
る方法により、方向性電磁鋼板の磁束密度は1.870
T以上に向上し、磁気特性の改善による省エネルギーに
多大な貢献を果たした。第3に、特公昭51−1346
9号公報に今中等により開示されたMnSとSbもしく
はMnS、MnSeとSbを用い、二回冷延法により製
造する方法である。
【0006】これらの製造法においては本質的あるいは
良好な磁束密度を得るためにはインヒビターの析出制御
を目的として、高温スラブ加熱により一旦インヒビター
を構成する析出物を溶体化し、これを熱延工程あるいは
特公昭46−23820号公報に開示されているように
熱延板焼鈍時に微細に析出させることが必要である。こ
のように従来法では製鋼段階での成分調整と熱延の段階
でほぼ製品の特性が決定されるため、上工程での材質造
り込みの安定性確立が重要な課題であった。
【0007】この目的のために方向性電磁鋼板の熱延工
程においては析出物制御をより安定的に行う観点から、
粗圧延後のシートバーへの保熱カバー使用、ランアウト
テーブル上での冷却制御等の対策により、コイル長手方
向の析出物制御に多大の努力が払われてきた。しかしな
がら依然として方向性電磁鋼板の熱延条件の変動が製品
の磁気特性に与える影響は大きく、熱延条件の安定性、
歩留まりの点で課題を残していた。
【0008】しかしながら近年では、ヨーク材料や、磁
気シールド材料のように、従来のトランス鉄心用途の方
向性電磁鋼板とは異なり、鉄損よりも高磁束密度を重視
する用途の方向性電磁鋼板の要求が高まってきており、
その製造技術の確立が急がれていた。高磁束密度を得る
ためには従来技術で重視されたように方位集積度を上げ
ることの他に、鉄そのものの材料中の含有量を高め、飽
和磁束密度を上げることが有効である。
【0009】本発明者等は、この目的で、これまでに、
特公平7−122093号公報、特開平4−30105
3号公報等でその高磁束密度の方向性電磁鋼板製造法で
開示してきた。しかしながら、これらの製造法よる高磁
束密度方向性電磁鋼板によっても、ヨーク材料等に要求
されるような高磁場での磁束密度に対して、更に高い磁
束密度の要求が需要家から出ているのが現状であり、従
来技術の高磁束密度方向性電磁鋼板の特性を上回る製品
の開発が急がれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような昨
今の市場の要請に応え、従来技術における方向性電磁鋼
板製造上のコイル長手方向の製品磁気特性の安定性の問
題を解決しつつ、磁束密度が極めて高い方向性電磁鋼板
の製造法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは以下の通りである。 (1) 重量%で、 0.010% ≦ C ≦0.14 %、 0.010% ≦酸可溶性Al≦0.050%、 0.0030%≦ N ≦0.0150% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
ブを、加熱、熱延した後、圧下率が50〜75%の最終
冷延を含む1回以上の冷延を行って最終板厚とし、脱炭
焼鈍後、Ac1 変態点以下の温度域で最終焼鈍する方向
性電磁鋼板の製造法であって、仕上熱間圧延を、下記
(1)式を満足する条件で行うことを特徴とするコイル
長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼
板の製造方法。
【数3】
【0012】(2) 重量%で、 0.010% ≦ C ≦0.14 %、 0.010% ≦酸可溶性Al≦0.050%、 0.0030%≦ N ≦0.0150% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
ブを、加熱、熱延した後、圧下率が50〜75%の最終
冷延を含む1回以上の冷延を行って最終板厚とし、脱炭
焼鈍後、Ac1 変態点以下の温度域で最終焼鈍する方向
性電磁鋼板の製造法であって、スラブを粗圧延して得ら
れたシートバーの先端部を先行するシートバーの後端部
と接合して複数のシートバーを一体とし、この一体とし
た複数のシートバーを連続的に仕上熱延に供するととも
に、一体としたシートバーの先端のシートバーと後端の
シートバーとを除いた中間のシートバーの仕上熱間圧延
を、下記(2)式を満足する条件で行うことを特徴とす
るコイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向
性電磁鋼板の製造方法。
【数4】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来技術での検討
の主眼とされたインヒビター制御技術以外の製造プロセ
ス上の検討課題として、熱延条件を制御し熱延板の造り
込みによるコイル長手方向の磁束密度が安定して極めて
高い方向性電磁鋼板の製造法について鋭意検討した結
果、仕上熱延時に仕上圧延時の歪速度が成品の磁気特性
に密接な影響を及ぼすことを見出し、これを一定の範囲
内の変動に押さえることでコイル長手方向の磁気特性が
安定し、かつ磁束密度の高い方向性電磁鋼板を製造する
ことが可能であることを見出し、発明の完成に至った。
【0014】また、さらにこのような仕上圧延中の歪速
度の変動を抑制するために、粗圧延後のシートバーを先
行するシートバーに接合し、2本以上のシートバーを連
続して仕上熱延に供することが極めて有効であることも
見いだした。
【0015】先行シートバーと後行シートバーを接合す
る方法としては、先行シートバーの後端部と後行シート
バーの先端とを突き合わせ、突合せ部を溶接する方法
や、突合せ部に押圧力を加えて圧接する方法や、突合せ
部を溶接した後に圧接する方法等がある。また、突合せ
部に押圧力を加えつつ溶接するようにしてもよい。な
お、突合せ部を溶接する方法としては、例えばレーザ溶
接法、誘導加熱による方法等があげられる。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。まず、成
分について説明する。Cはその含有量が0.010%未
満になると二次再結晶が不安定となり、磁束密度が著し
く低下するので0.010%以上とする。一方、0.1
4%を超えると、脱炭焼鈍に要する時間が長くなりす
ぎ、不経済であるので0.14%以下とする。
【0017】酸可溶性AlはNと化合してインヒビター
であるAlNを形成する。その含有量が0.010%未
満であるとインヒビター析出量が不足し二次再結晶が不
安定となるので0.010%以上とする。一方、その含
有量が0.050%超となると析出状態が粗大化し、イ
ンヒビター効果が損なわれ磁束密度が低下するので、
0.050%以下とする。
【0018】Nは0.0030%以上0.0150%以
下にする必要がある。0.0150%を超えるとブリス
ターと呼ばれる鋼板表面の膨れが発生するとともに、一
次再結晶組織の調整が困難となるので0.0150%以
下とする。一方、N含有量が0.0030%未満である
と、インヒビターであるAlNの形成が不足し二次再結
晶の発現が困難になるのでN含有量は0.0030%以
上とする。
【0019】次に、本発明のプロセスについて説明す
る。本発明の電磁鋼スラブは、転炉または電気炉等の溶
解炉で鋼を溶製し、必要に応じて真空脱ガス処理し、次
いで連続鋳造により、あるいは造塊後分塊圧延すること
によって得られる。その後、熱間圧延に先立ちスラブ加
熱が行われる。本発明のプロセスにおいては、スラブの
加熱温度は適切に制御して主要インヒビターであるAl
Nを鋼中に再固溶させることが肝要である。このスラブ
を熱延して所定の厚みの熱延板とする。
【0020】仕上熱延時の歪速度の変動がコイル長手方
向の製品磁気特性に与える影響を調査するため下記の様
な実験を行った。表1に示す成分の鋼を溶製し、連鋳機
により200mm厚みのスラブとした。次にこれを粗圧延
により板厚70mmのシートバーとし、その後コイル状に
巻き取った。巻取り実施時のシートバーの温度は100
0℃であった。
【0021】
【表1】
【0022】その後このシートバーを巻きほどき、後行
するシートバーの先端部と先行するシートバーの後端部
とを接合し、複数のシートバーを一体として連続的に仕
上熱延を行った。ここで仕上熱延の最終スタンドにおい
て、最大歪速度は350s-1の一定としながら最低歪速
度を変化させた。熱延終了温度は900℃とし、得られ
た熱延板は仕上熱延最終スタンド通過後、冷却し550
℃で巻き取った。
【0023】巻き取った熱延板に825℃2分の熱延板
焼鈍を施した後、100℃の湯中で冷却し、次いで酸洗
し56%の冷延を施し1.1mm厚とした。830℃これ
を830℃の湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施した。その
後最終冷延率63.6%の圧延により0.40mmまで冷
延し、次いで830℃5分の脱炭焼鈍を湿水素雰囲気中
で実施した。その後890℃×10時間の仕上焼鈍を行
った。得られた製品からエプスタイン試料を切り出し、
歪取り焼鈍を施した後、磁界強度10000A/mでの
磁束密度の値を測定した。仕上熱延中の最終スタンドの
歪速度の変動と製品磁束密度の関係について図1に示
す。
【0024】図1によれば、歪速度の変動を下記式
(1)の範囲内、すなわち最大歪速度に対する歪速度の
変動量を25%以内にすることにより、磁束密度の変動
が抑制されていることが分かる。さらに、歪速度の変動
を下記式(2)の範囲内、すなわち最大歪速度に対する
歪速度の変動量を20%以内にすることにより、磁束密
度の変動をより小さい範囲に抑制できることが分かる。
【数5】
【数6】
【0025】以上のように、仕上熱延における歪速度の
変動量を一定範囲内することで、鋼板の磁束密度の変動
を抑制できる。したがって、粗圧延後のシートバーの仕
上熱延において、歪速度の変動量を一定範囲内とすれ
ば、コイル長手方向の製品の磁気特性を安定させること
が可能である。
【0026】ただし、単独のシートバー圧延の際には、
仕上熱延の噛み込み、尻抜け(「仕上げ抜け」とも称す
る)時の圧延安定性の確保のために仕上熱延最終スタン
ドの歪速度を一定範囲内に制御することは困難であるの
で、上記式(1)の範囲内とする。
【0027】これに対して、スラブを粗圧延して得られ
たシートバーの先端部を先行するシートバーの後端部と
接合して複数のシートバーを一体とし、一体とした複数
のシートバーを連続的に仕上熱延に供するようにすれ
ば、歪速度の変動量を抑制する上で有利である。特に、
複数のシートバーを一体に接合して連続的に仕上熱延を
行う場合には、先端のシートバーと後端のシートバーと
を除いた、中間のシートバーは歪速度の制御が比較的容
易である。そこで、これら中間のシートバーにおける仕
上熱延最終スタンドの歪速度の変動を上記式(2)の範
囲内とすれば、コイル長手方向の磁気特性がより安定し
た方向性電磁鋼板を得ることができる。
【0028】なお、歪速度の計算は下記の式によって行
う。ここで、rは圧下率%/100、nはロールの回転
数(rpm)、Rは圧延ロール半径(mm)、H0 は圧延
前の板厚(mm)である。 歪速度=(2πn/(60r0.5 ))(R/H0 0.5 ln
(1/(1−r))
【0029】接合前のシートバーは圧延を連続的に実行
するためにコイル上に巻き取って待機しても良い。この
際、巻き取ったシートバーの保持時間については特に規
定しないが、本成分系の方向性電磁鋼板の場合は、巻き
取ったシートバーの保持時間が過度に長くなるとインヒ
ビターが粗大析出し、仕上焼鈍時の二次再結晶が不安定
になるので、180秒以内であることが好ましい。生産
性と製品の磁気特性のかねあいからさらに好ましいシー
トバー巻取り時間は、30秒以上120秒以下である。
【0030】式(1)、式(2)の規定が製品長手方向
の磁気特性を安定させることについてその詳細な理由は
定かでないが、仕上圧延中の歪速度の変化が熱延鋼板中
のAlNの析出状態に影響を与え、鋼板長手方向全体に
わたって二次再結晶粒の核となる方位選択性が向上する
ことがその原因と推測できる。
【0031】熱延以降の行程については、析出物制御を
目的として熱延板焼鈍を行っても良い。酸洗後、1回も
しくは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延により最終板
厚とする。
【0032】ここで、高磁束密度を得るためには最終冷
延率の制御が重要である。すなわち、50〜75%以下
である必要がある。最終冷延率がこの範囲を外れると本
発明が目的とする超高磁束密度が得られないので、最終
冷延率は50%以上75%以下に定める。
【0033】次に湿水素雰囲気などの雰囲気中で脱炭焼
鈍をする。次いで焼鈍分離材を塗布し仕上焼鈍を行い、
二次再結晶および引き続いて純化を行う。本発明の鋼は
αγ変態を有するため、良好な二次再結晶方位を維持す
るために仕上焼鈍温度はαγ変態点以下で行う。二次再
結晶完了後の純化焼鈍は水素雰囲気中で実施する。
【0034】
【実施例】
[実施例1]表2の成分を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧延機により7
0mm厚のシートバーとした。その後、このシートバーを
仕上圧延機により2.5mm厚みの熱延板とした。
【0035】
【表2】
【0036】その際、仕上熱延中の歪速度の変動を抑制
するために、粗圧延後のシートバーを先行するシートバ
ーに接合し、連続して仕上熱延を行った。中間のシート
バーの最大歪速度は仕上熱延最終スタンドで345s-1
とし、かつ、式(2)を満たすように圧延時の最終スタ
ンドの歪速度が最大歪速度の80%を下回らないように
仕上圧延を行った。パススケジュールは圧延中一定と
し、熱延最終スタンドで圧下率20%で圧延を行った。
比較材は粗圧延後のシートバーを単独で仕上熱延に供し
た。この際、パススケジュールは圧延中一定としたが、
シートバーの噛み込みを安定させるため、仕上圧延開始
時には最終スタンドの歪速度が228s-1とし、その後
加速して定常状態では345s-1で仕上熱延を行い、シ
ートバー最後端部分の歪速度は269s-1とした。
【0037】得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼
鈍を施し、その後酸洗し56%の冷延を施し、1.1mm
厚に仕上げた。これを830℃の湿水素雰囲気中で脱炭
焼鈍を施した。その後最終冷延率63.6%の圧延によ
り0.40mm厚まで冷延し、次いで830℃5分の脱炭
焼鈍を湿水素雰囲気中で実施した。その後890℃×1
0時間の仕上焼鈍を行った。
【0038】エプスタイン試料は一本のシートバーの先
端部にあたる製品コイルの端部から100mの場所で採
取したものをT試料、製品コイル長手方向中心部で測定
したものをM試料、熱延終端側から100mの場所で採
取したものをB試料とし、本発明例では中間のシートバ
ーより、比較例では1本のシートバーの各部より採取し
た。
【0039】切り出したエプスタイン試料に歪取り焼鈍
を施した後、磁界強度10000A/mでの磁束密度の
値B100 を測定した。各試料の磁束密度測定結果と、試
料採取位置での熱延最終スタンドの歪速度の最大値に対
する比を併せて表3に示す。表3より、仕上熱延時の歪
速度の変動を抑制した事により、コイル長手方向の磁気
特性の変動の少ない方向性電磁鋼板を得る事が可能であ
ることがわかる。
【0040】
【表3】
【0041】[実施例2]表4の成分を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧
延機により70mm厚のシートバーとした。その後、この
シートバーを仕上圧延機により2.5mm厚みの熱延板と
した。本実施例では本発明例、比較例とも単独のシート
バーで仕上圧延を行い、シートバーの接合による連続仕
上熱延は実施しなかった。
【0042】
【表4】
【0043】その際、本発明例として仕上熱延中の歪速
度の変動を、式(1)に従って抑制しながらシートバー
の仕上熱延を行った。仕上熱延の最終スタンドでの最大
歪速度は350s-1とした。パススケジュールは圧延中
一定とした。比較材は本発明例とパススケジュールを同
一とし、かつ仕上熱延中一定としたが、シートバーの咬
み込みを安定させるため、仕上圧延開始時には最終スタ
ンドの歪速度を235s-1とし、その後加速して定常状
態では350s-1で仕上熱延を行い、シートバー最後端
部分の歪速度は245s-1とした。熱延仕上げ温度はい
ずれも900℃とし、水冷して550℃で巻き取った。
得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼鈍を施し、そ
の後酸洗し56%の冷延を施し1.1mm厚に仕上げた。
これを830℃の湿水素雰囲気中で脱炭焼鈍を施した。
その後最終冷延率63.6%の圧延により0.40mm厚
まで冷延し、次いで830℃5分の脱炭焼鈍を湿水素雰
囲気中で実施した。その後890℃×10時間の仕上焼
鈍を行った。
【0044】これからエプスタイン試料を切り出して磁
気特性を測定した。エプスタイン試料は一本のシートバ
ーの先端部にあたるコイルの端部から100mの場所で
採取したものをT試料、コイル長手方向中心部で測定し
たものをM試料、熱延終端側から100mの場所で採取
したものをB試料とし、シートバーの各部より採取し
た。
【0045】各試料の磁束密度測定結果と、試料採取位
置での熱延最終スタンドの歪速度の最大値に対する比を
併せて表5に示す。この様に仕上熱延時の歪速度の変動
を抑制したことにより、コイル長手方向の磁気特性の変
動の少ない方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0046】
【表5】
【0047】[実施例3]表6の成分を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧
延機により70mm厚のシートバーとした。その後、この
シートバーを仕上圧延機により2.8mmの厚みの熱延板
とした。
【0048】
【表6】
【0049】その際、仕上熱延中の歪速度の変動を抑制
するために、粗圧延後のシートバーを先行するシートバ
ーに接合し、連続して仕上熱延を行った。中間のシート
バーの最大歪速度は仕上熱延最終スタンドで360s-1
とし、かつ、式(2)を満たすように圧延時の最終スタ
ンドの歪速度が最大歪速度の80%を下回らないように
仕上圧延を行った。パススケジュールは圧延中一定と
し、熱延最終スタンドで圧下率20%で圧延を行った。
得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼鈍を施し、そ
の後酸洗し一回目の冷延を施し、これを830℃の湿水
素雰囲気中で脱炭焼鈍を施した。その後最終冷延率を変
えて仕上げ板厚にし、次いで脱炭焼鈍を湿水素雰囲気中
で実施した。その後890℃×10時間の仕上焼鈍を行
った。
【0050】エプスタイン試料は連続して圧延した中間
の一本のシートバーの製品コイル長手方向中心部で採取
し、切り出したエプスタイン試料に歪取り焼鈍を施した
後、磁界強度10000A/mでの磁束密度の値B100
を測定した。
【0051】最終冷延率と仕上焼鈍後の磁気特性との関
係を表7に示す。表7より、最終冷延率が50%以上7
5以下の範囲において高磁場での磁束密度B100 の値が
2.10T以上と高くなっていることがわかる。
【0052】
【表7】
【0053】
【発明の効果】このように本発明によれば、コイル長手
方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板を
製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上熱延時の最終スタンドにおける最大歪速度
に対するそれぞれの圧延位置での歪速度の比と、製品の
磁束密度の関係を示すものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 0.010% ≦ C ≦0.14%、 0.010% ≦酸可溶性Al≦0.050%、 0.0030%≦ N ≦0.0150% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを、加熱、熱延した後、圧下率が50〜75%の最終
    冷延を含む1回以上の冷延を行って最終板厚とし、脱炭
    焼鈍後、Ac1 変態点以下の温度域で最終焼鈍する方向
    性電磁鋼板の製造法であって、仕上熱間圧延を、下記
    (1)式を満足する条件で行うことを特徴とするコイル
    長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼
    板の製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 重量%で、 0.010% ≦ C ≦0.14%、 0.010% ≦酸可溶性Al≦0.050%、 0.0030%≦ N ≦0.0150% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを、加熱、熱延した後、圧下率が50〜75%の最終
    冷延を含む1回以上の冷延を行って最終板厚とし、脱炭
    焼鈍後、Ac1 変態点以下の温度域で最終焼鈍する方向
    性電磁鋼板の製造法であって、スラブを粗圧延して得ら
    れたシートバーの先端部を先行するシートバーの後端部
    と接合して複数のシートバーを一体とし、この一体とし
    た複数のシートバーを連続的に仕上熱延に供するととも
    に、一体としたシートバーの先端のシートバーと後端の
    シートバーとを除いた中間のシートバーの仕上熱間圧延
    を、下記(2)式を満足する条件で行うことを特徴とす
    るコイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向
    性電磁鋼板の製造方法。 【数2】
JP11106497A 1997-04-28 1997-04-28 コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法 Withdrawn JPH10306318A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349624A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Nec Tokin Corp 荷重センサ及びその製造方法

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