JPH10306040A - 局所麻酔用組成物 - Google Patents
局所麻酔用組成物Info
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- JPH10306040A JPH10306040A JP9116767A JP11676797A JPH10306040A JP H10306040 A JPH10306040 A JP H10306040A JP 9116767 A JP9116767 A JP 9116767A JP 11676797 A JP11676797 A JP 11676797A JP H10306040 A JPH10306040 A JP H10306040A
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- Japan
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- local anesthetic
- composition
- injection
- tetracaine
- distilled water
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期保存に際して有効成分の含有量低下や着
色のない安定な局所麻酔用組成物を提供する。 【解決手段】 ゼラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ
尿素、クエン酸、L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エ
デト酸ナトリウム、及びチオグリセリンからなる群から
選ばれる安定化剤と、例えば塩酸テトラカインなどの局
所麻酔薬とを含む医薬組成物。
色のない安定な局所麻酔用組成物を提供する。 【解決手段】 ゼラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ
尿素、クエン酸、L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エ
デト酸ナトリウム、及びチオグリセリンからなる群から
選ばれる安定化剤と、例えば塩酸テトラカインなどの局
所麻酔薬とを含む医薬組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テトラカインなど
の局所麻酔薬を有効成分として含み、長期保存後にも着
色のない安定な医薬組成物に関するものである。
の局所麻酔薬を有効成分として含み、長期保存後にも着
色のない安定な医薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩酸テトラカインは持続性の高い安全な
局所麻酔薬であり、歯科領域においては、約6%程度の水
溶液を含浸させたスポンジを用いて歯肉などの粘膜を塗
布する表面麻酔剤の有効成分として広く用いられてい
る。しかしながら、塩酸テトラカインをはじめとする局
所麻酔薬を有効成分として含む水性の医薬組成物は、長
期保存中に着色して黄変するとともに、有効成分の含有
量が低下するという問題があった。保存時の着色につい
ては黄色着色剤を用いて黄変を目立たなくする手段が採
用されているが、本質的に保存安定性を改善するもので
はなく、局所麻酔薬の保存安定性を高めるための手段の
開発が求められていた。
局所麻酔薬であり、歯科領域においては、約6%程度の水
溶液を含浸させたスポンジを用いて歯肉などの粘膜を塗
布する表面麻酔剤の有効成分として広く用いられてい
る。しかしながら、塩酸テトラカインをはじめとする局
所麻酔薬を有効成分として含む水性の医薬組成物は、長
期保存中に着色して黄変するとともに、有効成分の含有
量が低下するという問題があった。保存時の着色につい
ては黄色着色剤を用いて黄変を目立たなくする手段が採
用されているが、本質的に保存安定性を改善するもので
はなく、局所麻酔薬の保存安定性を高めるための手段の
開発が求められていた。
【0003】例えば、アミノ安息香酸エチル、プロカイ
ン、テトラカインなどのエステル化合物がカフェインと
の複合体形成によって加水分解が抑制されることが知ら
れており、ゼラチンなどの水溶性高分子の水溶液中では
エステルなどの加水分解が抑制されるとの報告もあるが
(例えば、吉岡澄江著、「医薬品の安定性−よりよい開
発と評価のための基礎から実際まで−」、株式会社南江
堂発行、1995年、第58〜62頁、第68〜70頁などを参
照)、局所麻酔薬を有効成分として含む組成物の保存時
の着色を有効に防止し、かつ有効成分の含有量低下も防
止可能な安定化剤は従来報告されていない。なお、塩酸
テトラカインの安定性に関しては以下の報告がある:Sa
rsunova, M. et al., Farm. Obzor., Iiv., pp.87-97,
1985; Goeber, B. et al., Pharmazie, 34, pp.161-16
3, 1979; 及び、Von Ullmann, E., etal., Pharm. In
d., 34, pp.490-492, 1972。
ン、テトラカインなどのエステル化合物がカフェインと
の複合体形成によって加水分解が抑制されることが知ら
れており、ゼラチンなどの水溶性高分子の水溶液中では
エステルなどの加水分解が抑制されるとの報告もあるが
(例えば、吉岡澄江著、「医薬品の安定性−よりよい開
発と評価のための基礎から実際まで−」、株式会社南江
堂発行、1995年、第58〜62頁、第68〜70頁などを参
照)、局所麻酔薬を有効成分として含む組成物の保存時
の着色を有効に防止し、かつ有効成分の含有量低下も防
止可能な安定化剤は従来報告されていない。なお、塩酸
テトラカインの安定性に関しては以下の報告がある:Sa
rsunova, M. et al., Farm. Obzor., Iiv., pp.87-97,
1985; Goeber, B. et al., Pharmazie, 34, pp.161-16
3, 1979; 及び、Von Ullmann, E., etal., Pharm. In
d., 34, pp.490-492, 1972。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、塩酸
テトラカインなどの局所麻酔薬を有効成分として含む水
性の医薬組成物の保存安定性を改善する手段を提供する
ことにある。より具体的には、上記の水性医薬組成物の
長期保存時における着色を防止するとともに、有効成分
の含有量の低下を防止する手段を提供することが本発明
の課題である。さらに、塩酸テトラカインなどの局所麻
酔薬を有効成分として含み、保存安定性の改善された水
性組成物を提供することも本発明の別の課題である。
テトラカインなどの局所麻酔薬を有効成分として含む水
性の医薬組成物の保存安定性を改善する手段を提供する
ことにある。より具体的には、上記の水性医薬組成物の
長期保存時における着色を防止するとともに、有効成分
の含有量の低下を防止する手段を提供することが本発明
の課題である。さらに、塩酸テトラカインなどの局所麻
酔薬を有効成分として含み、保存安定性の改善された水
性組成物を提供することも本発明の別の課題である。
【0005】
【課題を解決すべき手段】本発明者らは上記の課題を解
決するために鋭意努力した結果、塩酸テトラカインに対
してゼラチンや寒天などの特定の物質を配合すると、長
期保存後にも着色がなく、有効成分の含有量低下のない
医薬組成物を提供できることを見いだした。本発明は上
記の知見を基にして完成されたものである。
決するために鋭意努力した結果、塩酸テトラカインに対
してゼラチンや寒天などの特定の物質を配合すると、長
期保存後にも着色がなく、有効成分の含有量低下のない
医薬組成物を提供できることを見いだした。本発明は上
記の知見を基にして完成されたものである。
【0006】すなわち本発明は、ゼラチン、寒天、可溶
性デンプン、チオ尿素、クエン酸、L-メチオニン、果
糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウム、及びチオグリセ
リンからなる群から選ばれる安定化剤と局所麻酔薬とを
含む医薬組成物を提供するものである。この発明の好ま
しい態様によれば、局所麻酔薬が、プロカイン、テトラ
カイン、ジブカイン、及びそれらの塩からなる群から選
ばれる局所麻酔薬、好ましくは塩酸テトラカインである
上記医薬組成物が提供される。この組成物は、実質的に
保存時の着色がなく、及び/又は実質的に有効成分の含
有量低下がないことを特徴としている。
性デンプン、チオ尿素、クエン酸、L-メチオニン、果
糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウム、及びチオグリセ
リンからなる群から選ばれる安定化剤と局所麻酔薬とを
含む医薬組成物を提供するものである。この発明の好ま
しい態様によれば、局所麻酔薬が、プロカイン、テトラ
カイン、ジブカイン、及びそれらの塩からなる群から選
ばれる局所麻酔薬、好ましくは塩酸テトラカインである
上記医薬組成物が提供される。この組成物は、実質的に
保存時の着色がなく、及び/又は実質的に有効成分の含
有量低下がないことを特徴としている。
【0007】本発明の別の態様によれば、ゼラチン、寒
天、可溶性デンプン、チオ尿素、クエン酸、L-メチオニ
ン、果糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウム、及びチオ
グリセリンからなる群から選ばれる局所麻酔薬の安定化
剤が提供される。この安定化剤は局所麻酔薬を含む組成
物において、着色防止作用及び/又は有効成分の含有量
低下作用を有することを特徴としている。この安定化剤
の好ましい態様では、局所麻酔薬がプロカイン、テトラ
カイン、ジブカイン、及びそれらの塩からなる群から選
ばれ、好ましくは塩酸テトラカインが用いられる。
天、可溶性デンプン、チオ尿素、クエン酸、L-メチオニ
ン、果糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウム、及びチオ
グリセリンからなる群から選ばれる局所麻酔薬の安定化
剤が提供される。この安定化剤は局所麻酔薬を含む組成
物において、着色防止作用及び/又は有効成分の含有量
低下作用を有することを特徴としている。この安定化剤
の好ましい態様では、局所麻酔薬がプロカイン、テトラ
カイン、ジブカイン、及びそれらの塩からなる群から選
ばれ、好ましくは塩酸テトラカインが用いられる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の医薬組成物は、局所麻酔
用、例えば、脊椎麻酔用(腰椎麻酔用)、硬膜外麻酔用
(仙骨麻酔用)、伝達麻酔用、浸潤麻酔用、及び表面麻
酔用、好ましくは表面麻酔用の組成物であり、一般的に
は、水性組成物又は凍結乾燥品などの形態として、アン
プルやバイアルなどの密封容器に充填されて臨床に提供
されるが、本発明の組成物の形態はこれらのものに限定
されることはない。本明細書において用いられる「局所
麻酔」という用語は、上記の各適用方法を含めて最も広
義に解釈されるべきであり、例えば、表面麻酔という場
合には、鼻腔、口腔、咽頭、結膜、尿道などの粘膜表面
に適用されるものを全て包含する概念として用いる。
用、例えば、脊椎麻酔用(腰椎麻酔用)、硬膜外麻酔用
(仙骨麻酔用)、伝達麻酔用、浸潤麻酔用、及び表面麻
酔用、好ましくは表面麻酔用の組成物であり、一般的に
は、水性組成物又は凍結乾燥品などの形態として、アン
プルやバイアルなどの密封容器に充填されて臨床に提供
されるが、本発明の組成物の形態はこれらのものに限定
されることはない。本明細書において用いられる「局所
麻酔」という用語は、上記の各適用方法を含めて最も広
義に解釈されるべきであり、例えば、表面麻酔という場
合には、鼻腔、口腔、咽頭、結膜、尿道などの粘膜表面
に適用されるものを全て包含する概念として用いる。
【0009】本発明の医薬組成物は、局所麻酔薬、好ま
しくは、プロカイン、テトラカイン、ジブカイン、およ
びそれらの塩からなる群から選ばれる局所麻酔薬と、ゼ
ラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ尿素、クエン酸、
L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウ
ム、及びチオグリセリンからなる群から選ばれる安定化
剤とを含むことを特徴としており、長期保存後にも実質
的に着色がなく、実質的に有効成分の含有量の減少もな
いという作用効果を奏する。
しくは、プロカイン、テトラカイン、ジブカイン、およ
びそれらの塩からなる群から選ばれる局所麻酔薬と、ゼ
ラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ尿素、クエン酸、
L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウ
ム、及びチオグリセリンからなる群から選ばれる安定化
剤とを含むことを特徴としており、長期保存後にも実質
的に着色がなく、実質的に有効成分の含有量の減少もな
いという作用効果を奏する。
【0010】有効成分である局所麻酔薬は、一般的に局
所麻酔薬の成分として用いられるものであって、水溶液
又は水性組成物として長期保存した場合に着色及び/又
は含有量の実質的な低下が認められるものであれば特に
限定されない。局所麻酔薬として用いられる薬物が上記
の問題点を有しているか否かは、当業者が容易に確認す
ることが可能である。
所麻酔薬の成分として用いられるものであって、水溶液
又は水性組成物として長期保存した場合に着色及び/又
は含有量の実質的な低下が認められるものであれば特に
限定されない。局所麻酔薬として用いられる薬物が上記
の問題点を有しているか否かは、当業者が容易に確認す
ることが可能である。
【0011】例えば、コカイン、トロパコカインなどの
コカイン類似体;プロカイン、テトラカインなどの水溶
性アミノ安息香酸エステル類;ピペロカイン、ストバイ
ンなどの安息香酸エステル類;シクロメチカイン、パレ
トキシカインなどのアルコキシ安息香酸エステル類;ジ
クロニン、ファリカインなどのアミノケトン類;プラモ
キシンなどのアミノエーテル類;アモラノンなどのベン
ゾフラノン誘導体;フェナカインなどのアミジン又はグ
アニジン誘導体;ジペロドンなどのウレタン誘導体;ジ
ブカインなどのキノリン又はイソキノリン誘導体;リド
カインなどのアミノ酸アニリド;アミノ安息香酸エチル
などのアミノ安息香酸アルキルエステル類などを挙げる
ことができる。
コカイン類似体;プロカイン、テトラカインなどの水溶
性アミノ安息香酸エステル類;ピペロカイン、ストバイ
ンなどの安息香酸エステル類;シクロメチカイン、パレ
トキシカインなどのアルコキシ安息香酸エステル類;ジ
クロニン、ファリカインなどのアミノケトン類;プラモ
キシンなどのアミノエーテル類;アモラノンなどのベン
ゾフラノン誘導体;フェナカインなどのアミジン又はグ
アニジン誘導体;ジペロドンなどのウレタン誘導体;ジ
ブカインなどのキノリン又はイソキノリン誘導体;リド
カインなどのアミノ酸アニリド;アミノ安息香酸エチル
などのアミノ安息香酸アルキルエステル類などを挙げる
ことができる。
【0012】上記の局所麻酔薬の分類は、便宜上、高木
・小澤共編「薬物学」、株式会社南山堂、1976年第2刷
発行の第 202〜205 頁、表32に記載された分類に従って
記載したが、上記以外の分類も可能であること、並びに
本発明の組成物の有効成分がこれらに限定されないこと
を理解すべきである。これらの局所麻酔薬は、一般的に
は、生理学的に許容される塩の形態で使用されるが、そ
のような塩としては、例えば、塩酸塩又は硫酸塩などの
鉱酸塩を挙げることができる。これらのうち、好ましく
は、プロカイン、テトラカイン、ジブカイン、及びそれ
らの塩からなる群から選ばれる局所麻酔薬を用いること
ができる。さらに好ましくは、塩酸プロカイン、塩酸テ
トラカイン、塩酸ジブカインからなる群から選ばれる局
所麻酔薬を用いることができ、塩酸テトラカインを用い
ることが特に好ましい。
・小澤共編「薬物学」、株式会社南山堂、1976年第2刷
発行の第 202〜205 頁、表32に記載された分類に従って
記載したが、上記以外の分類も可能であること、並びに
本発明の組成物の有効成分がこれらに限定されないこと
を理解すべきである。これらの局所麻酔薬は、一般的に
は、生理学的に許容される塩の形態で使用されるが、そ
のような塩としては、例えば、塩酸塩又は硫酸塩などの
鉱酸塩を挙げることができる。これらのうち、好ましく
は、プロカイン、テトラカイン、ジブカイン、及びそれ
らの塩からなる群から選ばれる局所麻酔薬を用いること
ができる。さらに好ましくは、塩酸プロカイン、塩酸テ
トラカイン、塩酸ジブカインからなる群から選ばれる局
所麻酔薬を用いることができ、塩酸テトラカインを用い
ることが特に好ましい。
【0013】本発明の組成物に含まれる安定化剤は、ゼ
ラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ尿素、クエン酸、
L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウ
ム、及びチオグリセリンからなる群から選ばれる。これ
らのうちの1種を用いてもよいが、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。ゼラチン又は寒天としては、日本薬
局方に記載された品質のものを用いることが好ましい
が、ゼラチンとしては、注射剤に配合可能な精製ゼラチ
ン(日本薬局方収載)を用いることが特に好ましい。例
えば、ゼラチンを配合する場合には粉末状ゼラチンや粒
状ゼラチンを用いることができ、寒天を配合する場合に
は日本薬局方に記載された寒天末、例えば、噴霧式乾燥
法などによって製造した微粉状の寒天末を用いることが
好適である。他の安定化剤についても、日本薬局方や食
品添加物公定書などの公定書に定められた品質規格があ
る場合には、その品質規格を満足するもの用いることが
好ましい。
ラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ尿素、クエン酸、
L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エデト酸ナトリウ
ム、及びチオグリセリンからなる群から選ばれる。これ
らのうちの1種を用いてもよいが、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。ゼラチン又は寒天としては、日本薬
局方に記載された品質のものを用いることが好ましい
が、ゼラチンとしては、注射剤に配合可能な精製ゼラチ
ン(日本薬局方収載)を用いることが特に好ましい。例
えば、ゼラチンを配合する場合には粉末状ゼラチンや粒
状ゼラチンを用いることができ、寒天を配合する場合に
は日本薬局方に記載された寒天末、例えば、噴霧式乾燥
法などによって製造した微粉状の寒天末を用いることが
好適である。他の安定化剤についても、日本薬局方や食
品添加物公定書などの公定書に定められた品質規格があ
る場合には、その品質規格を満足するもの用いることが
好ましい。
【0014】ゼラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ尿
素、クエン酸、L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エデ
ト酸ナトリウム、及びチオグリセリンからなる群から選
ばれる安定化剤の配合量は、有効成分である局所麻酔薬
の種類や組成物の形態に応じて適宜選択するべきである
が、一般的には、局所麻酔薬の重量に対して 0.002〜10
重量%、好ましくは 0.5〜3 重量%程度である。例え
ば、有効成分として塩酸テトラカインを用いる場合、ゼ
ラチンでは0.02〜0.8 重量%;寒天では 0.002〜0.1 重
量%;チオ尿素では 0.5〜5 重量%;クエン酸では 1〜
10重量%;L-メチオニンでは 0.5〜5 重量%;エデト酸
ナトリウムでは 0.5〜5 重量%;及びチオグリセリンで
は 0.5〜5 重量%程度を用いることができる。また、果
糖、白糖、及び乳糖では、それぞれ 0.5〜5 重量%程度
を用いることができる。
素、クエン酸、L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エデ
ト酸ナトリウム、及びチオグリセリンからなる群から選
ばれる安定化剤の配合量は、有効成分である局所麻酔薬
の種類や組成物の形態に応じて適宜選択するべきである
が、一般的には、局所麻酔薬の重量に対して 0.002〜10
重量%、好ましくは 0.5〜3 重量%程度である。例え
ば、有効成分として塩酸テトラカインを用いる場合、ゼ
ラチンでは0.02〜0.8 重量%;寒天では 0.002〜0.1 重
量%;チオ尿素では 0.5〜5 重量%;クエン酸では 1〜
10重量%;L-メチオニンでは 0.5〜5 重量%;エデト酸
ナトリウムでは 0.5〜5 重量%;及びチオグリセリンで
は 0.5〜5 重量%程度を用いることができる。また、果
糖、白糖、及び乳糖では、それぞれ 0.5〜5 重量%程度
を用いることができる。
【0015】本発明の組成物には、上記の成分以外に、
通常の水性医薬組成物に製造に用いられる製剤用添加物
を用いることができる。製剤用添加物としては、例え
ば、水酸化ナトリウムや塩酸などのpH調節剤;塩化ナト
リウムやグリセリンなどの等張化剤;リン酸塩などの緩
衝剤;塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、パ
ラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤などを挙げること
ができる。また、必要に応じて、局所麻酔作用の持続性
を高めるためにエプネフリンやノルエピネフリンなどを
適当量、例えば、有効成分である局所麻酔剤に対して 2
×10-7〜 6×10-6重量%程度を配合することが可能であ
る。
通常の水性医薬組成物に製造に用いられる製剤用添加物
を用いることができる。製剤用添加物としては、例え
ば、水酸化ナトリウムや塩酸などのpH調節剤;塩化ナト
リウムやグリセリンなどの等張化剤;リン酸塩などの緩
衝剤;塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、パ
ラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤などを挙げること
ができる。また、必要に応じて、局所麻酔作用の持続性
を高めるためにエプネフリンやノルエピネフリンなどを
適当量、例えば、有効成分である局所麻酔剤に対して 2
×10-7〜 6×10-6重量%程度を配合することが可能であ
る。
【0016】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
ず、上記の成分を適宜の順番で注射用蒸留水に溶解する
ことにより製造することができるが、ゼラチン又は寒天
を用いる場合には、予めゼラチン又は寒天を加温下に注
射用蒸留水に溶解しておき、その溶液を局所麻酔薬の水
溶液に添加・混合するのが好適である。このようにして
製造した水性組成物はバイアル又はアンプルに密封充填
することができ、必要に応じて、充填の前又は後に、適
宜の滅菌操作、例えば、濾過滅菌、加熱滅菌などを施し
てもよい。上記のようにして製造した水性組成物から凍
結乾燥形態の組成物を調製することも可能である。
ず、上記の成分を適宜の順番で注射用蒸留水に溶解する
ことにより製造することができるが、ゼラチン又は寒天
を用いる場合には、予めゼラチン又は寒天を加温下に注
射用蒸留水に溶解しておき、その溶液を局所麻酔薬の水
溶液に添加・混合するのが好適である。このようにして
製造した水性組成物はバイアル又はアンプルに密封充填
することができ、必要に応じて、充填の前又は後に、適
宜の滅菌操作、例えば、濾過滅菌、加熱滅菌などを施し
てもよい。上記のようにして製造した水性組成物から凍
結乾燥形態の組成物を調製することも可能である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例の範囲に限定
されることはない。 例1 塩酸テトラカイン (6 g)、チオ尿素(1 g) を注射用蒸留
水 (80 ml)に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように
注射用蒸留水を加えて本発明の組成物1を製造した。
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例の範囲に限定
されることはない。 例1 塩酸テトラカイン (6 g)、チオ尿素(1 g) を注射用蒸留
水 (80 ml)に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように
注射用蒸留水を加えて本発明の組成物1を製造した。
【0018】例2 塩酸テトラカイン (6 g)、クエン酸(1 g) を注射用蒸留
水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように
注射用蒸留水を加えて本発明の組成物2を製造した。
水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように
注射用蒸留水を加えて本発明の組成物2を製造した。
【0019】例3 塩酸テトラカイン (6 g)、L-メチオニン (1 g)を注射用
蒸留水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるよ
うに注射用蒸留水を加えて本発明の組成物3を製造し
た。
蒸留水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるよ
うに注射用蒸留水を加えて本発明の組成物3を製造し
た。
【0020】例4 塩酸テトラカイン(6 g) を注射用蒸留水(50 ml) に攪拌
溶解して溶液Aを製造した。他方、ゼラチン (日本薬局
方規格のもの、1.0 g)を注射用蒸留水(30 ml)に加熱溶
解した後に室温に冷却して溶液Bを製造した。溶液Aと
溶液Bとを混和した後、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物4を製造した。
溶解して溶液Aを製造した。他方、ゼラチン (日本薬局
方規格のもの、1.0 g)を注射用蒸留水(30 ml)に加熱溶
解した後に室温に冷却して溶液Bを製造した。溶液Aと
溶液Bとを混和した後、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物4を製造した。
【0021】例5 塩酸テトラカイン (6 g)を注射用蒸留水(50 ml) に攪拌
溶解して溶液Aを製造した。他方、寒天 (日本薬局方規
格のもの、0.1 g)を注射用蒸留水(30 ml) に加熱溶解し
た後に室温に冷却して溶液Bを製造した。溶液Aと溶液
Bとを混和した後に、全量が 100 ml となるように注射
用蒸留水を加えて本発明の組成物5を製造した。
溶解して溶液Aを製造した。他方、寒天 (日本薬局方規
格のもの、0.1 g)を注射用蒸留水(30 ml) に加熱溶解し
た後に室温に冷却して溶液Bを製造した。溶液Aと溶液
Bとを混和した後に、全量が 100 ml となるように注射
用蒸留水を加えて本発明の組成物5を製造した。
【0022】例6 塩酸テトラカイン(6 g) 及び果糖(1 g) を注射用蒸留水
(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物6を製造した。
(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物6を製造した。
【0023】例7 塩酸テトラカイン(6 g) 及び白糖(1 g) を注射用蒸留水
(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物7を製造した。
(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物7を製造した。
【0024】例8 塩酸テトラカイン(6 g) を注射用蒸留水(50 ml) に攪拌
溶解して溶液Aを製造した。他方、可溶性デンプン(1
g) を注射用蒸留水(30 ml) に加熱溶解した後に室温に
冷却して溶液Bを製造した。溶液Aと溶液Bとを混和し
た後に、全量が 100 ml となるように注射用蒸留水を加
えて本発明の組成物8を製造した。
溶解して溶液Aを製造した。他方、可溶性デンプン(1
g) を注射用蒸留水(30 ml) に加熱溶解した後に室温に
冷却して溶液Bを製造した。溶液Aと溶液Bとを混和し
た後に、全量が 100 ml となるように注射用蒸留水を加
えて本発明の組成物8を製造した。
【0025】例9 塩酸テトラカイン(6 g) 及び乳糖(1 g) を注射用蒸留水
(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物9を製造した。
(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml となるように注
射用蒸留水を加えて本発明の組成物9を製造した。
【0026】例10 塩酸テトラカイン (6 g)及びエデト酸ナトリウム (1 g)
を注射用蒸留水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml
となるように注射用蒸留水を加えて本発明の組成物10を
製造した。
を注射用蒸留水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml
となるように注射用蒸留水を加えて本発明の組成物10を
製造した。
【0027】例11 塩酸テトラカイン(6 g) 及びチオグリセリン(1 g) を注
射用蒸留水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml とな
るように注射用蒸留水を加えて本発明の組成物11を製造
した。
射用蒸留水(80 ml) に攪拌溶解し、全量が 100 ml とな
るように注射用蒸留水を加えて本発明の組成物11を製造
した。
【0028】試験例1 例1〜例10の組成物および比較用組成物1(いずれも製
造時には無色透明)をそれぞれ 20 mlのバイアル瓶に充
填し、40℃、相対湿度75% の遮光下で7日間及び14日間
保存した後の経時変化を測定した。対照として、塩酸テ
トラカイン (6g)を注射用蒸留水 (80 ml)に溶解して全
量が 100 ml となるように注射用蒸留水を加えて製造し
た比較用組成物について同様の試験を行った。結果を表
1に示す(表中、残存率は塩酸テトラカインの当初含有
量を100%として14日後に残存していたテトラカインの量
をパーセントで示した)。
造時には無色透明)をそれぞれ 20 mlのバイアル瓶に充
填し、40℃、相対湿度75% の遮光下で7日間及び14日間
保存した後の経時変化を測定した。対照として、塩酸テ
トラカイン (6g)を注射用蒸留水 (80 ml)に溶解して全
量が 100 ml となるように注射用蒸留水を加えて製造し
た比較用組成物について同様の試験を行った。結果を表
1に示す(表中、残存率は塩酸テトラカインの当初含有
量を100%として14日後に残存していたテトラカインの量
をパーセントで示した)。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の組成物は、長期保存しても着色
及び有効成分の含有量低下がないので、安定な医薬組成
物として有用である。
及び有効成分の含有量低下がないので、安定な医薬組成
物として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/26 A61K 47/26 J 47/36 47/36 J // A61K 45/00 45/00
Claims (9)
- 【請求項1】 ゼラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ
尿素、クエン酸、L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エ
デト酸ナトリウム、及びチオグリセリンからなる群から
選ばれる安定化剤と局所麻酔薬とを含む医薬組成物。 - 【請求項2】 局所麻酔薬が、プロカイン、テトラカイ
ン、ジブカイン、およびそれらの塩からなる群から選ば
れる請求項1に記載の医薬組成物。 - 【請求項3】 局所麻酔薬が塩酸テトラカインである請
求項1に記載の医薬組成物。 - 【請求項4】 実質的に保存時の着色がない請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - 【請求項5】 実質的に有効成分の含有量低下がない請
求項1ないし4のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - 【請求項6】 ゼラチン、寒天、可溶性デンプン、チオ
尿素、クエン酸、L-メチオニン、果糖、白糖、乳糖、エ
デト酸ナトリウム、及びチオグリセリンからなる群から
選ばれる局所麻酔薬の安定化剤。 - 【請求項7】 着色防止作用及び/又は有効成分の含有
量低下作用を有する請求項6に記載の安定化剤。 - 【請求項8】 局所麻酔薬がプロカイン、テトラカイ
ン、ジブカイン、およびそれらの塩からなる群から選ば
れる請求項6又は7に記載の安定化剤。 - 【請求項9】 局所麻酔薬が塩酸テトラカインである請
求項6又は7に記載の安定化剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9116767A JPH10306040A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 局所麻酔用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9116767A JPH10306040A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 局所麻酔用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10306040A true JPH10306040A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=14695233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9116767A Pending JPH10306040A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 局所麻酔用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10306040A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000063326A (ko) * | 2000-06-28 | 2000-11-06 | 임준기 | 표면마취 효과를 가진 액제 |
WO2011001676A1 (ja) | 2009-07-02 | 2011-01-06 | 国立大学法人山口大学 | 表面麻酔剤 |
-
1997
- 1997-05-07 JP JP9116767A patent/JPH10306040A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000063326A (ko) * | 2000-06-28 | 2000-11-06 | 임준기 | 표면마취 효과를 가진 액제 |
WO2011001676A1 (ja) | 2009-07-02 | 2011-01-06 | 国立大学法人山口大学 | 表面麻酔剤 |
US9107876B2 (en) | 2009-07-02 | 2015-08-18 | Yamaguchi University | Surface anesthetic agent |
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