JPH1030436A - ヒートインシュレータおよびその製造方法 - Google Patents

ヒートインシュレータおよびその製造方法

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JPH1030436A
JPH1030436A JP8185679A JP18567996A JPH1030436A JP H1030436 A JPH1030436 A JP H1030436A JP 8185679 A JP8185679 A JP 8185679A JP 18567996 A JP18567996 A JP 18567996A JP H1030436 A JPH1030436 A JP H1030436A
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JP
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insulator
metal plate
cutting edge
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peripheral
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JP8185679A
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Isamu Miki
勇 三木
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Sanwa Packing Industry Co Ltd
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Sanwa Packing Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートインシュレータで、防護片を必要位置
に装着して製造途中や製造後の取り扱い時の安全性を向
上し、ヒートインシュレータを部品とする製品のユーザ
ーに対する安全性をも向上することを目的とする。 【解決手段】 所定の周縁形状に切断された積層金属板
3、4で構成され、切断端13の鋭利な切断エッジ13
aが前記周縁部に張出し、この周縁部が取扱時に把持さ
れるインシュレータ本体1と、少なくとも表裏の金属板
3、4のうちの前記張出した切断エッジ13aを有した
側に装着されて、インシュレータ本体1周縁部の把持さ
れる部分9、12を含む範囲にある切断エッジ13aの
張出し部を覆う防護片11とを組合せ備え、インシュレ
ータ本体1の形成後にその周縁部の把持されそうな、あ
るいは把持すべき必要箇所に防護片11を装着して、上
記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のエキゾ
ーストマニホールドなどの熱源を覆って、この熱源から
の熱放散などによる周辺に対する熱害を防止するなどの
ために用いられるヒートインシュレータおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のヒートインシュレータは、ヒー
トプロテクタ或いは遮熱板、遮熱カバーとも称され、上
記エキゾーストマニホールド(以下、エキマニ)等の熱
源からの熱放散などによる周辺に対する熱害の防止のほ
か、自動車のエンジンルーム内に用いられる場合の、ボ
ンネットを開放した際の外観の向上等を目的として用い
られている。このようなヒートインシュレータの従来技
術として、実公平7−16018号に開示のものが挙げ
られる。この従来技術では、複数の金属板を断熱材を挟
んだ状態で積層して所定形状に加工するのに併せ、表裏
にある積層金属板の内の一方の金属板周縁部の所要箇所
に予め形成されている突出部を他方の側の外面部へ折り
返した上さらに表裏の金属板間でかしめるプレス加工を
行うことにより結合部を形成し、この結合部にて積層部
材の全体を表裏の各金属板間に一体に結合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
ヒートインシュレータにおいて、前記積層金属板を所定
の外形形状に加工するとき、まず、積層された平坦な金
属板に対して打抜きプレス加工を行い積層金属板を所定
の周縁形状とし、次に絞りプレス加工を行う。この絞り
プレス加工の例としてエキマニ外形に対応する所定の曲
面形状に形成する。さらに、この曲面形状となった積層
金属板に対して、前記突出部の折返しを伴うかしめ加工
を行っている。
【0004】ところで、前記打抜きプレス加工後の積層
金属板の周縁部には、打ち抜き等の所定の周縁形状とす
るための切断によるによる切断端ができ、この切断端に
切断方向下流側に張出す鋭利な切断エッジが形成され
る。この切断エッジは前記突出部を折返した結合部以外
の大半の部分で露出した状態のままとされる。このた
め、ヒートインシュレータ製造時の周縁切断加工以降の
工程で、あるいは自動車の組み立て作業におけるヒート
インシュレータを自動車に組付ける工程で、作業者が積
層金属板或いはヒートインシュレータを手に持って作業
を行う場合、前記露出したままの切断端エッジで手指に
創傷を負いやすく危険である。また、自動車のユーザー
がエンジン周囲の点検などを行う際にヒートインシュレ
ータに手を触れたり外周を掴む行為も当然予想される。
このような場合でも、ユーザーが前記切断エッジで手指
に創傷を負う危険がある。このような創傷の危険を防止
して、ヒートインシュレータの製造工程や自動車の組み
立て工程の作業者やユーザーの安全を図ることは重要で
ある。とりわけ近年ではPL法(製造物責任法)が整備
されつつあり、自動車などの最終製品の使用時のユーザ
ーの安全を確保する事が次第に重要になってきれいる。
【0005】このような危険を防止するために、前記従
来技術において、前記結合部を形成する範囲を拡大した
り、作業者やユーザーが手で持つ可能性が高い箇所に前
記結合部を設ける技術も考えられるが、このような技術
は実際には以下のような問題点を生じる。
【0006】結合部をインシュレータ周縁部の任意箇
所に形成することが困難である。
【0007】前記結合部は、積層された表裏金属板の一
方の外周一部に予め形成された突出部を折り返すことに
よって形成される。この折返し工程は金型を用いて行わ
れる。このとき、外周一部から水平方向に延びる突出部
を持ち、前記曲面状にプレス成形された積層金属板を、
例として下型上に水平状態に設置する。上型の下降動作
に伴って、その下降方向に対して傾斜した押圧面を持つ
部材が側方から水平方向に移動してきて前記突出部を押
圧し、突出部を上方或いは下方に90度程度折曲げる。
次に、折り曲げられた突出部を他の上下一対の部材が互
いに近づくように上下移動することによりプレスしかし
める。突出部はこのかしめによって前記表裏金属板の他
方の外面に折返えされて全積層部材の周縁部を挟み込
み、複数の金属板は相互に固定される。
【0008】このような技術において、前記結合部をイ
ンシュレータの曲線周縁部に形成しようとすると、前記
突出部を扇型に形成することになり、これを前述したよ
うに水平方向に移動して積層金属板の曲線周縁部に沿っ
て折返すような折曲げ加工を行うための各部材を構成す
ることが困難である。即ち、各部材が扇形の突出部の中
心に向かって集合するように移動する必要があるからで
ある。前記インシュレータの曲線周縁部は、前記取り扱
い時に作業者によって把持されることが多く、この部分
に前記結合部を形成できないことは、前述したような作
業者が手指に創傷を負う危険性が大きく、また、これに
より作業に相当の注意を要するので作業性が低下すると
いう不具合を生じる。また、ユーザーに対しても危険で
あるのは勿論である。
【0009】インシュレータ製造の工数が増大し、金
型の構造が複雑になる。
【0010】前記結合部を形成する場合、まず突出部を
直角程度折り曲げる工程と、折り曲げられた部分を更に
折り曲げて折り返し部とし、この折り返し部をその厚み
方向に沿ってプレス用金型で圧縮する工程とが必要であ
る。このため、インシュレータを製造するための金型を
前記2工程を実行できるものとする必要があり、金型の
構成が複雑になり、製造工数が増大しコストアップにな
るという問題点を生じる。また、各工程毎の金型も、結
合部を形成しようとする箇所の全てに前記加工を行う機
構を備えたものにする必要があって、金型の構造が複雑
になるので、このこともコストアップの大きな原因にな
る。
【0011】本発明は、上記のような問題点を解決しよ
うとして成されたものであり、その目的は、防護片を必
要位置に装着して、取扱い時の安全性の向上が図れるヒ
ートインシュレータおよびその製造方法を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明のヒートインシュレータは、所定の
周縁形状に切断された積層金属板で構成され、切断端の
鋭利な切断エッジが周縁部に張出し、この周縁部が取り
扱い時に把持されるインシュレータ本体と、少なくとも
表裏の金属板のうちの前記張出した切断エッジを有した
側に装着されて、インシュレータ本体周縁部の把持され
る部分を含む範囲にある切断エッジの張り出し部を覆う
防護片とを組合せ備えてたことを特徴としている。
【0013】このような構成では、インシュレータ本体
が積層金属板から所定の外形形状に加工されるときの、
所定の周縁形状とする切断によって積層金属板の周縁部
の切断端に鋭利な切断エッジが張出した状態となるが、
インシュレータ本体に組合わせ備えた別部材の防護片
が、表裏の金属板の少なくとも張り出した切断エッジを
有する側に装着されて、周縁部のインシュレータ本体取
扱時に把持される部分を含む範囲にある鋭利な切断エッ
ジの張出し部を覆って、このエッジが露出しないように
する。
【0014】従って、ヒートインシュレータの製造時や
完成品の自動車への組付け作業時などの取扱時に、作業
者が積層金属板の周縁部を手で把持して作業を行って
も、作業者の手指は積層金属板の周縁の把持される部分
に張り出している鋭利な切断エッジから前記防護片で防
護される。このため、製造途中の金属板やインシュレー
タなどの取り扱い上の安全性が格段に向上する。また、
ユーザーが自動車の点検などにヒートインシュレータの
外周部を掴む場合でも、ユーザーが手指に創傷を負う危
険性が解消され、ユーザーの安全を図ることができる。
【0015】また、防護片はインシュレータ本体とは別
体の部品であり、インシュレータ本体の周縁部の曲線状
部分に対応する形状にも容易に形成されるので、インシ
ュレータ本体の形成後にその周縁部の形状如何を問わず
把持されそうなあるいは把持すべきどのような必要箇所
にも防護片を装着することができ、必要かつ広範な部位
に亘って前記防護機能を発揮するようにし作業の安全に
万全を期すことができる。また、前記インシュレータ本
体の周縁部の曲線状部分などは取扱時に把持し易く把持
部とされやすいので請求項1の発明は特に有効である。
【0016】また、防護片を有するインシュレータを製
造するに際して、最初からインシュレータ本体と一体の
防護片を加工する必要がなく、インシュレータ本体の加
工に必要な金型の構造を複雑にせず、また、インシュレ
ータ本体の製造上の工数を増大させない。
【0017】請求項2の発明のヒートインシュレータ
は、請求項1の発明において、さらに、防護片は表裏の
金属板間にまたがって装着される横断面が略U字状に形
成された金属片である。
【0018】このような構成では、請求項1の発明に加
え、さらに防護片が横断面が略U字状であることによる
溝状部分にインシュレータ本体の周縁部を挿入して嵌め
付けるだけで防護片を装着でき、生産性の向上と製造コ
ストの低減が図れる。また、防護片は金属片であって、
表裏の金属板間をかしめ付けて結合する結合機能も発揮
して従来の結合構造を省略することができさらにコスト
が低減する。
【0019】請求項3の発明のヒートインシュレータの
製造方法は、積層金属板を周縁部の切断を含み所定の外
形形状のインシュレータ本体とする第1の工程と、イン
シュレータ本体の周縁部の取扱時把接される部分を含む
範囲にある切断端の鋭利な切断エッジの張出し部を、積
層金属板に装着した積層金属板とは別部材の防護片によ
り覆う第2の工程とを含んでヒートインシュレータを製
造することを特徴とするものであり、請求項1の発明が
奏し得る作業の安全を確保してヒートインシュレータを
製造し、その後の組み立て作業者やユーザーによる取扱
の安全をも保証できるヒートインシュレータを提供する
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の幾つかの実施の形
態につき図を参照しながら説明する。
【0021】(実施の形態1)本実施の形態1は、図1
〜図5に示すような形状および構造を有したヒートイン
シュレータの場合であり、例えば図6に示すような必要
に応じた各種形状の防護片11を組み合わせ用いて、図
7に示すフローチャートの製造工程に従って製造され
る。
【0022】本実施の形態1のヒートインシュレータ
は、例として図5に示すような内燃機関のエキマニ2
を、エキマニ2から距離をあけて覆い、熱源であるエキ
マニ2からの熱放散などによる周辺の部材、配線などに
対する熱害の防止のほか、自動車のエンジンルーム内に
用いられる場合のボンネットを開放した際の外観の向上
等を目的として用いられるものである。ヒートインシュ
レータは、エキマニ2に対向するインナプレート3と、
インナプレート3に積層されたアウタプレート4とを積
層したインシュレータ本体1を有している。場合によっ
てはこれらの間に断熱材が挟み込まれるし、断熱板や金
属板の積層枚数も特に限定されない。インシュレータ本
体1はエキマニ2の被覆領域を一方側から被覆するの
に、この被覆領域側に開放口1aを持ち、かつ前記被覆
領域の外形に対応する三次元曲面形状をした半殻状に形
成され、開放口1aの周方向の適所、本実施の形態1で
は図1の左右方向両側部6、7や一部のコーナー部8に
補強等のためのフランジ9が形成されている。
【0023】ところで、本実施の形態1におけるヒート
インシュレータを製造するのに、例えば図7に示す工程
a1の外形加工工程、および工程a2の曲面・外形加工
工程が先ず行われる。工程a1の外形加工工程ではイン
ナプレート3とアウタプレート4からなる一対の金属板
を積層した積層金属板を、後工程における絞り加工の変
形量を見込んだ概略の周縁形状を有するように切断す
る。この切断加工は打抜きプレス加工によって行える
が、これに限られない。工程a2の曲面・外形加工工程
では、前記一対の金属板の積層金属板に図1〜図5に示
される曲面形状となるように絞り加工を施し、同時に正
確な周縁形状となるように周縁部を切断する。これによ
り、図4に示される外形形状のインシュレータ本体1が
得られる。これら絞り加工および切断加工もプレス加工
によって行えるが、これに限られない。これら工程a
1、a2での切断によって、インシュレータ本体1の周
縁部にインナプレート3とアウタプレート4とが揃い切
りされた図5の(b)に示すような切断端13ができ、
この切断端13の切断方向下流側に張出す通常「バリ」
と称される鋭利な切断エッジ13aが形成される。この
ような切断端13はインシュレータ本体1の周縁部の全
域に形成されるが、特にコーナー部8に形成されたフラ
ンジ9の部分や湾曲隆起部12等が、ヒートインシュレ
ータ製造時や製造後の各種取扱時に把持されやすい。し
かしこれらの部分の切断端13にも鋭利な切断エッジ1
3aが張出している。このため、このままでは、作業者
はインシュレータ本体の取り扱い時に切断エッジ13a
に手を触れて創傷を負いやすく危険である。また、自動
車のユーザーも、自動者の点検時などにヒートインシュ
レータを掴むことが予想される。この点でも切断エッジ
13aはユーザーに対しても危険である。
【0024】そこで、本実施の形態1では、図7に示す
工程a3の防護片装着工程にて中間製品であるインシュ
レータ本体1に図6の(a)、(b)に示すような各種
の防護片11を図5の(a)に示すように装着して、前
記切断エッジ13aを被覆して防護する。この防護片1
1はインシュレータ本体1とは別部材であるので、どの
ような形状にも容易に形成でき、インシュレータ本体1
の周縁の取扱時把持され、あるいは把持すべきどのよう
な必要箇所にも装着することができる。具体的には、矩
形板状の金属板を、長手方向に沿って横断面が略U字状
になるように屈曲した防護片11とするが、装着部分の
インシュレータ本体周縁形状に応じて図6(a)に示す
直状や図6の(b)に示すような湾曲状等に形成され
る。もっとも防護片11の形成工程は、インシュレータ
本体1の製造工程とは別個であり、インシュレータ本体
1に防護片11を装着する工程に先立って別途製造され
準備される。この場合、防護片11は直状のものを長尺
に形成しておき、必要な長さに寸切りして用い、あるい
は必要な湾曲形状を全体または一部に与えて用いるよう
にすることもできる。
【0025】本実施の形態1では、インシュレータ本体
1の把持されやすいコーナー部8に形成したフランジ9
や隆起部12の周縁部がなす直状部および湾曲部に装着
するようにしてある。もっとも、防護片11は必要範囲
にどのように分割して装着してもよい。
【0026】防護片11は横断面が略U字状でありこれ
がなす溝内にインシュレータ本体1の周縁部を挿入する
だけで容易に装着でき、これの制作が容易なことと相ま
ってコスト上昇の原因にはならない。
【0027】ヒートインシュレータの製造において、工
程a3の後、図7に示す工程a4の細部加工工程、工程
a5の外周スポット工程等も行われ、工程a4の細部加
工工程では、例としてインシュレータ1をエキマニ2に
ボルト止めするためのボルト穴などの穴の形成や、防護
片11をフランジ9に仮止めするための防護片11をプ
レスし、また防護片11の複数箇所に小径の凹所11a
ができる程度のかしめる加工を行う。ここで、前記防護
片11のプレスにより、防護片11はインナープレート
3とアウタプレート4とを強く挟んで、これらに対して
固定される。但し、このプレス加工のみでは、防護片1
1がインナープレート3やアウタプレート4に対してず
れることが想定されるので、前記を防護片11の凹所1
1aとこれに対応するインナプレート3およびアウタプ
レート4の凹所3a、4aとを一挙に形成するようなか
しめ加工とすることにより、防護片11とインナプレー
ト3とアウタプレート4とは相互に積層方向に入りくみ
かしめられることになり、相互の位置ずれが防止され
る。この後、工程a5の外周スポット工程で、各防護片
11の複数箇所でインシュレータ本体1との間のスポッ
ト溶接を行う。これにより、防護片11は図1に示すよ
うにスポット溶接部10でインシュレータ本体1に対し
てさらに強固に固定される。そして防護片11はインシ
ュレータ1を構成する積層部材であるインナプレート3
やアウタプレート4等の周縁部どうしを結合する結合部
をなし従来の金属板の周縁に一体形成した突出部を折返
しかしめる結合構造が不要となりその分製造コストが低
減する。
【0028】特に本実施の形態1では、図1〜図4に示
すように防護片11の上記のような防護機能上、および
結合機能上、作業者がヒートインシュレータ製造途中の
インシュレータ本体1や最終製品であるインシュレータ
の種々な取り扱いのためにこれらを移動させる際に把持
することが想定される箇所を含む複数の箇所に、前記防
護片11を装着するようにしている。
【0029】ここで、前記把持することが想定される箇
所を含む複数の箇所とは、コーナー部8或いは湾曲隆
起部12など、インシュレータ本体1を移動作業時に作
業者が把持する箇所、インナプレート3およびアウタ
プレート4を相互に固定するための左右両側部分6、7
等の箇所、インシュレータ1の機械的強度を増大する
ための左右両側部分6、7やコーナー部8、湾曲隆起部
12等の箇所、などであり、それらの箇所の全てが安全
な把持部となり得る。インナプレート3とアウタプレー
ト4の防護片11を装着しない部分にも図1に示すよう
にスポット溶接部10を設けて一体化強度を高めてい
る。
【0030】また、この防護片11は金属板をプレス加
工等により切断して形成されるものであるが、その切断
に際して形成される鋭利な切断エッジが外方に露出しな
いように形成する。即ち、例として、金属板を一表面側
から他方表面側に向けて切断するとき、切断方向下流側
となる前記他方表面側に切断エッジが形成されるので、
防護片11を横断面が略U字状となるように屈曲すると
き、切断エッジが内側になる方向に屈曲すれば良い。
【0031】以上のように、本実施の形態1のインシュ
レータは、インシュレータ本体1の周縁部に存在する鋭
利な切断エッジ13aを、インシュレータ本体1の移動
時などに作業者が把持することが想定される箇所を含む
箇所に亘って防護片11で被覆するようにした。これに
より、インシュレータの製造時や製造後のインシュレー
タ本体1の取り扱い時に、インシュレータ本体1を手に
持って作業を行う場合でも、作業者の手指んは積層金属
板周縁部の鋭利な切断エッジ13aから前記防護片11
で防護される。このため、インシュレータ本体1の各種
取り扱い上の安全性が格段に向上される。
【0032】また、本実施の形態1のインシュレータに
おいて、防護片11は前記インシュレータ本体1とは別
体の部品であり、インシュレータ本体1の形成後にイン
シュレータ本体1の必要所定部位に自由に装着できる。
しかも、防護片11を任意の形状に形成することが容易
である。従って、インシュレータ本体1の周縁部のコー
ナー部8或いは湾曲隆起部12などの曲線状部分に対応
する形状に容易に形成することができ、インシュレータ
本体1の形成後に所定形状の防護片11を、インシュレ
ータ本体1の周縁部の曲線状部分など取扱時に把持され
易い部分や補強が必要な部分等、必要に応じたどのよう
な部分にも容易に装着することができる。
【0033】これにより、作業者が手指に創傷を負う危
険性がある広範な部位に防護片11を装着することがで
き、この点でもインシュレータ本体1の取扱時の安全性
が格段に向上される。さらに、自動車のユーザーが自動
車の点検時などにヒートインシュレータを掴むことが想
定され任意の部位に防護片11を装着することができ、
ユーザーの安全性を格段に向上することができる。この
ため、PL法などに基づいて製造者責任が問われる事態
を事前に回避できる。
【0034】また、防護片11を有するインシュレータ
1を製造するに際して、防護片11をインシュレータ本
体1と一体物として同時に加工して形成する必要がな
く、インシュレータ本体1の加工に必要な金型の構造を
簡略化することができ、また、インシュレータ本体1の
製造上の工数を削減することができる。
【0035】また、この防護片11は、横断面が略U字
状に形成されているので、防護片11をインシュレータ
本体1に装着するとき、防護片11の横断面U字状であ
ることにより形成している溝部にインシュレータ本体1
のフランジ9等の周縁部を挿入するだけでよい。従っ
て、防護片11の装着が極めて容易であり、防護片11
の装着工程を含むインシュレータの製造工程が簡略化さ
れる。
【0036】本実施の形態1では、自動車のエンジンの
エキマニ2に装着されるヒートインシュレータについて
説明したが、本発明のヒートインシュレータはこの実施
例に限定されるものではなく、周囲に対する熱害を防止
するためなどの目的で熱源に装着される広範な実施例の
ヒートインシュレータに実施されるものである。
【0037】(実施の形態2)本実施の形態2は図8に
示すように、インシュレータ本体1の切断エッジ13a
が形成される側のインナプレート3の側に横断面鉤形の
防護片14を装着して切断エッジ13を覆って露出しな
いようにし、作業の安全を図っている。
【0038】この場合の防護片14の装着はスポット溶
接によれば好適であるが、これと併用して、あるいはこ
れとは単独に、防護片14の一部に一体形成した突起を
インシュレータ本体1の周縁部に設けた穴に圧入したり
挿入してかしめつけたりしてもよい。このようにすると
積層金属板の結合機能も発揮できる。
【0039】本発明は、以上の各実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で広範
な具体例を含むものである。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のヒート
インシュレータおよび請求項2の発明の製造方法よれ
ば、積層金属板よりなるインシュレータ本体の周縁部に
所定の周縁形状とするために切断したことによる鋭利な
切断エッジが張出していて、この周縁部がインシュレー
タ本体のヒートインシュレータ製造時や製造後の各種取
扱時に手で持する把持部とされても、周縁部に装着して
前記切断エッジの張出し部を覆う防護片によって作業者
の手指は金属板周縁部の鋭利な切断エッジから防護され
る。このため、ヒートインシュレータの製造途中および
製造後のインシュレータ本体などの取扱上の安全性が格
段に向上する。
【0041】また、防護片は前記インシュレータ本体と
は別体の部品であり、インシュレータ本体の周縁部の曲
線状部分に対応する形状にも容易に形成することがで
き、インシュレータ本体の形成後にその周縁部の形状如
何を問わず把持されそうな、あるいは把持すべきどのよ
うな必要箇所にも防護片を装着することができ、必要か
つ広範な部位に亘って前記防護機能を発揮するようにし
作業の安全に万全を期すことができる。
【0042】さらに、自動車のユーザーが自動車の点検
時などにヒートインシュレータを掴むことが想定される
部位に防護片を装着することができ、ユーザーの安全性
を格段に向上する。このため、PL法などに基づいて製
造者責任が問われる事態を事前に回避できる。
【0043】また、最初からインシュレータ本体と一体
の防護片を同時に加工する必要がなく、インシュレータ
本体の加工に必要な金型の構造を簡略化することがで
き、また、インシュレータ本体の製造上の工数を削減す
ることができる。
【0044】請求項2の発明のヒートインシュレータ
は、請求項1の発明に加えて、さらに、防護片が横断面
が略U字状であることによる溝状部分にインシュレータ
本体の周縁部を挿入するだけで装着でき、生産性の向上
と製造コストの低減が図れる。
【0045】また防護片は金属製で表裏の金属板間をか
しめ付けて結合する結合機能も発揮して、従来の結合構
造を省略でき、さらにコストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示すヒートインシュレ
ータの平面図である。
【図2】図1のヒートインシュレータの正面図である。
【図3】図1のヒートインシュレータの側面図である。
【図4】図1のヒートインシュレータの斜視図である。
【図5】図1のヒートインシュレータの切断線V−Vか
ら見た断面図である。
【図6】防護片の斜視図である。
【図7】ヒートインシュレータの製造工程を説明する成
形加工の工程図である。
【図8】本発明の実施の形態2を示すヒートインシュレ
ータの一部断面図である。
【符号の説明】
1 インシュレータ本体 2 エキマニ 3 インナプレート 4 アウタプレート 8 コーナー部 9 フランジ 11、14 防護片 12 湾曲隆起部 13 切断端 13a 切断エッジ
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】ところで、前記打抜きプレス加工後の積層
金属板の周縁部には、打ち抜き等の所定の周縁形状とす
るための切断による切断端ができ、この切断端に切断方
向下流側に張出す鋭利な切断エッジが形成される。この
切断エッジは前記突出部を折返した結合部以外の大半の
部分で露出した状態のままとされる。このため、ヒート
インシュレータ製造時の周縁切断加工以降の工程で、あ
るいは自動車の組み立て作業におけるヒートインシュレ
ータを自動車に組付ける工程で、作業者が積層金属板或
いはヒートインシュレータを手に持って作業を行う場
合、前記露出したままの切断エッジで手指に創傷を負い
やすく危険である。また、自動車のユーザーがエンジン
周囲の点検などを行う際にヒートインシュレータに手を
触れたり外周を掴む行為も当然予想される。このような
場合でもユーザーが前記切断エッジで手指に創傷を負う
危険がある。このような創傷の危険を防止して、ヒート
インシュレータの製造工程や自動車の組み立て工程の作
業者やユーザーの安全を図ることは重要である。とりわ
け近年ではPL法(製造物責任法)が整備されつつあ
り、自動車などの最終製品の使用時のユーザーの安全を
確保することが次第に重要になってきている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また、防護片を有するインシュレータを製
造するに際して、最初からインシュレータ本体と一体の
防護片を加工する必要がなく、インシュレータ本体の加
工に必要な金型の構造を複雑にせず、また、インシュレ
ータ本体の製造上の工数を増大させない。この点で本発
明によれば、防護片を本体に装着する工程が簡略化さ
れ、コストダウンを図ることができる。また、本発明は
ヒートインシュレータを製造する全工程中の所定範囲の
複数の工程中の任意の工程と組み合わせることも可能で
ある。このような場合には、ヒートインシュレータの全
製造工程が簡略化されるという作用効果をも有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】以上のように、本実施の形態1のインシュ
レータは、インシュレータ本体1の周縁部に存在する鋭
利な切断エッジ13aを、インシュレータ本体1の移動
時などに作業者が把持することが想定される箇所を含む
箇所に亘って防護片11で被覆するようにした。これに
より、インシュレータの製造時や製造後のインシュレー
タ本体1の取扱い時に、インシュレータ本体1を手に持
って作業を行う場合でも、作業者の手指は積層金属板周
縁部の鋭利な切断エッジ13aから前記防護片11で防
護される。このため、インシュレータ本体1の各種取扱
い上の安全性が格段に向上する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】また、最初からインシュレータ本体と一体
の防護片を加工する必要がなく、インシュレータ本体の
加工に必要な金型の構造を簡略化することができ、ま
た、インシュレータ本体の製造上の工数を削減すること
ができる。この点で本発明によれば、防護片を本体に装
着する工程が簡略化され、コストダウンを図ることがで
きる。また、本発明はヒートインシュレータを製造する
全工程中の所定範囲の複数の工程中の任意の工程と組み
合わせることも可能である。このような場合には、ヒー
トインシュレータの全製造工程が簡略化されるという作
用効果をも有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周縁形状に切断された積層金属板
    で構成され、切断端の鋭利な切断エッジが前記周縁部に
    張出し、この周縁部が取扱時に把持されるインシュレー
    タ本体と、 少なくとも表裏の金属板のうちの前記張出した切断エッ
    ジを有した側に装着されて、インシュレータ本体周縁部
    の把持される部分を含む範囲にある切断エッジの張出し
    部を覆う防護片とを組合せ備えたことを特徴とするヒー
    トインシュレータ。
  2. 【請求項2】 前記防護片は、表裏の金属板間にまたが
    って装着される横断面が略U字状に形成された金属片で
    ある請求項1に記載のヒートインシュレータ。
  3. 【請求項3】 積層金属板を周縁部の切断を含み所定の
    外形形状のインシュレータ本体とする第1の工程と、イ
    ンシュレータ本体の周縁部の取扱時把接される部分を含
    む範囲にある切断端の鋭利な切断エッジの張出し部を、
    積層金属板に装着した積層金属板とは別部材の防護片に
    より覆う第2の工程とを含んでヒートインシュレータを
    製造することを特徴とするヒートインシュレータの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4665064B2 (ja) * 2008-03-19 2011-04-06 株式会社深井製作所 ヒートインシュレータ
KR101421945B1 (ko) * 2012-11-19 2014-07-23 전남대학교산학협력단 기체 팽창압을 이용한 다기능 알루미늄 박판 패널 제조방법

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