JPH10303376A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JPH10303376A
JPH10303376A JP9107736A JP10773697A JPH10303376A JP H10303376 A JPH10303376 A JP H10303376A JP 9107736 A JP9107736 A JP 9107736A JP 10773697 A JP10773697 A JP 10773697A JP H10303376 A JPH10303376 A JP H10303376A
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JP
Japan
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film
ferroelectric
ferroelectric film
voltage
dielectric constant
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Withdrawn
Application number
JP9107736A
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English (en)
Inventor
Ichiro Koiwa
一郎 小岩
Mitsuro Mita
充郎 見田
Toshiyuki Iwabuchi
俊之 岩渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体膜を利用した強誘電体トランジスタ
において、強誘電体膜に印加される電圧を大きくする。 【解決手段】 サンプル20は、Siウエハ10の上
に、SiO2 膜12、Pt膜14、強誘電体膜16およ
びPt膜18が順次に積層した構造である。そして、強
誘電体膜16としてBi2 MoO6 膜を用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、不揮発性半導体
記憶装置である強誘電体メモリに用いられる強誘電体膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体メモリの高密度化が進めら
れており、最近では強誘電体膜を用いるものが注目を集
めている(文献1「セラミックス,Vol.30(19
95),No.6,pp499−507」)。例えば、
このような半導体メモリとして、従来、MFS(Metal-
Ferroelectric-Semiconductor )構造のFET(電界効
果トランジスタ)素子を用いるものがある。この素子
は、通常のFETのチャネル領域に絶縁膜としての強誘
電体膜およびゲート電極としての上部電極を順次に積層
した構造である。この素子を用いたメモリセルは、ゲー
ト電極および半導体基板間に電圧を印加することによ
り、強誘電体膜の分極を反転させる。その分極により、
トランジスタのチャネル領域に電子または正孔を誘起
し、トランジスタのしきい値電圧を変える。このときの
ドレイン電流値の大きさにより記憶されている情報が識
別される。このメモリセルの特徴は、セルサイズが1ト
ランジスタ1キャパシタ(1Tr1Cp)より小さくで
きること、および情報を読み出す際に書き込んだ情報を
破壊せずに読み出せることである。
【0003】しかし、単純に、ゲート絶縁膜をシリコン
酸化膜から強誘電体膜に変更しただけでは、シリコン基
板と強誘電体膜とが直に触れ合うため、シリコン基板表
面でのトラップ準位等の制御ができず、トランジスタの
安定動作上問題がある。また、シリコン基板表面上に強
誘電体膜を良好な結晶状態で作成することが困難であ
る。このため、最近では、シリコン基板表面を安定化す
るためにシリコン酸化膜を形成し、強誘電体膜の結晶成
長を改善するために浮遊ゲート電極を用いるようにした
MFMIS(Metal-Ferroelectric-Metal-Insulator-Se
miconductor )FETのメモリセルがさかんに研究開発
されている。
【0004】この強誘電体膜を用いる際の技術課題とし
ては、分極反転に伴う膜疲労(fatigue )の問題があ
り、この解決のために酸化物電極の検討等がなされてい
る。また、この膜疲労が生じない材料としてBi(ビス
マス)層状化合物が提案され、特にSrBi2 Ta2
9 (SBT)薄膜が活発に研究されている(例えば文献
2「Jpn.J.Appl.Phys.Vol.34(1995)pp.5096-5099」)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このS
rBi2 Ta29 薄膜を用いたメモリには、以下に示
す3つの問題があった。
【0006】強誘電体膜に十分な大きさの電圧がかか
らない。
【0007】MFMIS構造では、ゲート酸化膜と強誘
電体膜とが直列に接続したキャパシタ構造となるため、
例えば、ゲート酸化膜としてのSiO2 (比誘電率3.
9)と強誘電体膜としてのSBT(比誘電率180)と
を接続すると、比誘電率の小さいゲート酸化膜にほとん
どの電圧が印加されてしまって強誘電体膜に電圧がかか
らない。また、強誘電体膜に十分な大きさの電圧をかけ
るために印加電圧を大きくすると、酸化膜の耐圧を超え
てしまい絶縁破壊を生じてしまう。従って、比誘電率が
小さい強誘電体膜が必要である。
【0008】塩基性の強いアルカリ土類金属であるS
r(ストロンチウム)を含んでいるため、汚染が懸念さ
れ、リーク電流が大きくなる。
【0009】半導体産業においては、アルカリ性の元素
特に、Na(ナトリウム)、K(カリウム)のようなア
ルカリ元素は汚染物質として敬遠されている。従って、
Srも好ましくない。さらに、このように塩基性の強い
金属は電子を放出しやすいので、膜中で電子を供与する
可能性が高い。このような電子の授受は、リーク電流の
増大に結びつくので好ましくない。
【0010】結晶化のための熱処理の温度が高く、ま
た、微細化が困難である。
【0011】SBT薄膜は、m=2のBi層状化合物で
ある。ここで、mは、酸化Bi層間のペロブスカイト格
子の数である。従って、通常のペロブスカイト構造に比
して構造が複雑である。そのため、結晶化のために施す
熱処理温度が高温(通常800℃)になってしまう。こ
のため、基板の耐熱性が高いことが必要条件となり、特
に、汚染を防止するためのバリア層(配線および基板表
面の間に設けられるメタル層)への要求水準が高くな
る。従って、バリア層の開発が困難になるばかりでな
く、バリア層が厚くなり、エッチングが困難になる。よ
って、微細化ができなくなる等の支障を生じてしまう。
【0012】従って、従来より、比誘電率が小さいBi
層状化合物であって、アルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属元素を含まず、m=1であるBi層状化合物の出
現が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の半導
体記憶装置によれば、半導体基板の上に強誘電体膜を具
える半導体記憶装置において、前記強誘電体膜としてB
iとクロム属元素とを含む複合酸化物膜を用いることを
特徴とする。
【0014】このような複合酸化物膜は、比誘電率が小
さく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含まず、
m=1のBi層状化合物である。従って、強誘電体膜に
十分な大きさの電圧をかけることが可能であり、汚染や
リーク電流の心配がなく、微細化が可能である。
【0015】この発明の半導体記憶装置において、好ま
しくは、前記クロム属元素がMo(モリブデン)である
のが良い。
【0016】また、この発明の半導体記憶装置におい
て、好ましくは、前記クロム属元素がW(タングステ
ン)であるのが良い。
【0017】さらに、この発明の半導体記憶装置におい
て、好ましくは、前記クロム属元素がCr(クロム)で
あるのが良い。
【0018】また、この発明の半導体記憶装置におい
て、好ましくは、前記複合酸化物膜をBi2 RO6 膜と
するのが良い。但し、前記Rは、Mo、WおよびCrの
いずれか一つの元素である。
【0019】Bi2 MoO6 膜の比誘電率は28であ
り、従来のSBTの比誘電率に比べて小さい。また、B
2 MoO6 膜は、アルカリ金属およびアルカリ土類金
属を含まない。そして、Bi2 MoO6 膜は、m=1の
Bi層状化合物であって結晶化温度が400℃である。
従って、従来のSBTに比べて結晶化温度が低い。
【0020】Bi2 WO6 膜の比誘電率は40であり、
従来のSBTの比誘電率に比べて小さい。また、Bi2
WO6 膜は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属を含
まない。そして、Bi2 WO6 膜は、m=1のBi層状
化合物であって結晶化温度が450℃である。従って、
従来のSBTに比べて結晶化温度が低い。
【0021】Bi2 CrO6 膜の比誘電率は40であ
り、従来のSBTの比誘電率に比べて小さい。また、B
2 CrO6 膜は、アルカリ金属およびアルカリ土類金
属を含まない。そして、Bi2 CrO6 膜は、m=1の
Bi層状化合物であって結晶化温度が450℃である。
従って、従来のSBTに比べて結晶化温度が低い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明が理解
できる程度に、大きさ、配置関係等を概略的に示してあ
るに過ぎない。また、この実施の形態で述べる使用材料
および数値条件は、この発明の範囲内の単なる一例に過
ぎず、従って、この発明はこれら使用材料および数値条
件に限定されるものではない。
【0023】[第1の実施の形態]図1は、MFMIS
構造のサンプルの断面構造を示す図である。図1に示す
ように、MFMIS構造のサンプル20は、半導体基板
としてのSiウエハ10の上に、ゲート酸化膜としての
SiO2 (酸化シリコン)膜12、下部電極としてのP
t(白金)膜14、強誘電体膜16および上部電極とし
てのPt膜18を順次に積層した構造である。そして、
この実施の形態では、Biとクロム属元素であるMoと
を含む複合酸化物膜すなわちBi2 MoO6 膜を強誘電
体膜16として用いている。
【0024】このサンプル20の製造方法につき説明す
る。先ず、直径が6インチのSiウエハ10の上面に通
常の酸化技術を用いて膜厚が100nmのSiO2 膜1
2を形成する。次に、膜厚が60nmのPt膜14を、
スパッタリング法により、SiO2 膜12の上に成膜す
る。そして、このPt膜14の上に強誘電体膜16とし
てのBi2 MoO6 膜を形成し、最後に、Bi2 MoO
6 膜の上に、膜厚が200nm、および直径が0.2m
mのPt膜18を、メタルマスクを用いて、スパッタリ
ング法により形成する。
【0025】この強誘電体膜16は、Bi2 MoO6
ーゲットを用いたRFマグネトロンスパッタリングによ
り形成する。ここでは、Ar(アルゴン)ガスに5%の
酸素を混合したガスの雰囲気中でスパッタリングを行っ
ている。そして、このガス圧を7mTorrとし、基板
温度すなわちSiウエハ10、SiO2 膜12およびP
t膜14の温度を200℃とし、500Wの放電電力で
スパッタリングを行い、膜厚が300nmのBi2 Mo
6 膜を作成する。そして、このBi2 MoO6 膜に対
して温度400℃の熱処理を施したところ、結晶化が確
認された。
【0026】このように、このBi2 MoO6 膜は、4
00℃といった低温度で結晶化する。このことは、Bi
2 MoO6 膜が、m=1のBi層状化合物であることに
起因している。ここでm=1とは酸化Bi層間のペロブ
スカイト格子の数を表しており、つまり、酸化Bi層
(Bi22 層)とペロブスカイト層(MoO4 層)と
が交互に積層した積層構造であることを意味している。
ちなみに、m=2のBi層状化合物の場合には、1層の
酸化Bi層の上に2層のペロブスカイト層が積層した構
造となっている。従って、Bi2 MoO6 膜は、Bi層
状化合物としては最も単純な構造をしており、このた
め、結晶化温度が低くなる。
【0027】また、Bi2 MoO6 膜は、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属を含んでいない。従って、汚染
が起きる可能性が低く、バリア層を厚くする必要がな
い。従って、加工性が高く、高集積のメモリが実現でき
る。
【0028】このようにして作成したサンプル20をM
OSFETに接続して擬似的な電界効果型の強誘電体ト
ランジスタを構成し、Bi2 MoO6 膜の特性評価を行
った。
【0029】図2は、擬似電界効果型強誘電体トランジ
スタの構成を示す断面図(回路図)である。尚、図2に
示す一部の断面のハッチングを省略してある。図2に示
すMOSFET36は、Si(シリコン)基板22の上
面のチャネル領域にゲート絶縁膜24を介してゲート電
極26を具えている。そして、ゲート電極26の両側の
基板22の上面部分に、それぞれドレイン電極28およ
びソース電極30としてのn+ 型導電層が形成されてい
る。そして、これらドレイン電極28およびソース電極
30の上面にそれぞれバリアメタル32が形成されてお
り、これらバリアメタル32が配線に接続されている。
また、Si基板22のゲート電極が設けられている側と
は反対側の面に、下部電極34が設けられている。
【0030】次に、電気的な接続関係につき説明する。
先ず、図2には、サンプル20が模式的に示されてい
る。図中には、図の簡略化のため、Pt膜14、強誘電
体膜16およびPt膜18の積層構造だけをサンプル2
0として示している。そして、図2に示されるように、
ゲート電極26とPt膜14とが配線により接続されて
いる。また、Pt膜18と下部電極34との間が直流電
源Vgを介して結合されている。従って、下部電極3
4、Si基板22、ゲート絶縁膜24、ゲート電極2
6、Pt膜14、強誘電体膜16およびPt膜18に
は、電源Vgによってゲート電圧Vgが印加されるよう
に構成されている。また、ソース電極30およびPt膜
18の間にも電源Vgにより電圧が印加されるようにな
っている。そして、ドレイン電極28およびソース電極
30の間は電源Vdを介して結合されている。従って、
ドレイン電極28およびソース電極30の間には電源V
dによってドレイン電圧Vdが印加される。この電源V
dによりトランジスタのチャネル領域に流れるドレイン
電流Idを制御する。尚、下部電極34およびソース電
極30は接地端子GNDに接続されている。
【0031】図3は、ドレイン電圧Vdおよびドレイン
電流Idの関係を示すグラフである。図3に示すグラフ
の横軸には、ドレイン電圧Vdを、V(ボルト)単位で
0Vから5Vまでの範囲を1Vごとに目盛って取ってあ
る。また、図3に示すグラフの縦軸には、ドレイン電流
Idを、A(アンペア)単位で10-7Aから10-2Aま
での範囲を対数表示で取ってある。
【0032】そして、図3に示す電流−電圧特性は、ゲ
ート電圧Vgを0Vとしたときに、ドレイン電圧Vdを
変化させながら、ドレイン電流Idを測定したものであ
る。また、この電流−電圧特性は、記憶状態Hの場合
(曲線a)と記憶状態Lの場合(曲線b)とを分けて測
定している。ここで、記憶状態H(ハイ状態)および記
憶状態L(ロウ状態)は、強誘電体膜16に形成されて
いる分極の方向によって決まる。そして、強誘電体膜1
6の分極状態は測定前に印加するゲート電圧Vgによっ
て決まる。
【0033】図3に示す測定結果は、測定前に最大3V
のゲート電圧Vgを印加してから測定を行い、次に、先
に印加したゲート電圧の正負の向きを変えて3Vの電圧
を印加してから測定を行った結果である。各測定結果が
それぞれ図3に示す記憶状態Hおよび記憶状態Lに対応
している。図3に示す通り、記憶状態Hの場合のドレイ
ン電流Idはドレイン電圧Vdを1Vかけた程度で飽和
値にほぼ達しており、その値は2×10-3A程度であ
る。また、記憶状態Lの場合のドレイン電流Idはドレ
イン電圧Vdを0.2Vかけた程度で飽和値に達してお
り、その値は3×10-5A程度である。このように、3
Vという実用的なゲート電圧で、ドレイン電流のウイン
ドウが開いている。すなわち、記憶状態Hと記憶状態L
とを明確に判別できることが確認される。
【0034】また、この構成例の強誘電体膜16すなわ
ちBi2 MoO6 膜の比誘電率を測定したところ28で
あった。尚、比誘電率の測定は、例えば、通常のソーヤ
・タワー(Sawyer-Tower)法により行える。あるいは、
インピーダンス・アナライザを用いて測定することがで
きる。
【0035】このように、Bi2 MoO6 膜の比誘電率
は、従来のSBT膜の比誘電率に比べて、6分の1以下
である。従って、強誘電体膜に印加される電圧のゲート
電圧に対する割合を通常より大きくすることができる。
よって、従来に比べて強誘電体膜に印加される電圧が大
きくできるから、FETの動作が安定する。このこと
は、図3に示した測定結果から明らかである。
【0036】[第2の実施の形態]次に、図1に示すサ
ンプル20において、強誘電体膜16を、Biとクロム
属元素であるWとを含む複合酸化物膜すなわちBi2
6 膜とする実施の形態につき説明する。
【0037】このサンプル20の製造方法は、第1の実
施の形態で説明した通りである。但し、強誘電体膜16
の作成は、Bi2 MoO6 ターゲットの代わりにBi2
WO6 ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタリ
ングにより形成する。作成条件等は、第1の実施の形態
と同様である。このようにして作成したBi2 WO6
は、温度450℃の熱処理を施すと結晶化することが確
認された。
【0038】このように、このBi2 WO6 膜は、45
0℃といった低温度で結晶化する。このことは、Bi2
WO6 膜が、m=1のBi層状化合物であるからであ
る。つまり、Bi2 WO6 膜は、酸化Bi層(Bi2
2 層)とペロブスカイト層(WO4 層)とが交互に積層
した積層構造となっている。従って、Bi層状化合物と
しては最も単純な構造をしており、このため、結晶化温
度が低くなる。
【0039】また、Bi2 WO6 膜は、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属を含んでいない。従って、汚染が
起きる可能性が低く、バリア層を厚くする必要がない。
従って、加工性が高く、高集積のメモリが実現できる。
【0040】また、この構成例の強誘電体膜16すなわ
ちBi2 WO6 膜の比誘電率を測定したところ40であ
った。従って、このようにして作成したサンプル20を
MOSFETに接続して擬似電界効果型強誘電体トラン
ジスタを構成し、Bi2 WO6 膜の特性評価を行うと、
第1の実施の形態と同様に、安定なFET動作が期待で
きる。すなわち、Bi2 WO6 膜の比誘電率は、従来の
SBT膜の比誘電率に比べて、4分の1以下である。従
って、強誘電体膜に印加される電圧のゲート電圧に対す
る割合を通常より大きくすることができる。よって、従
来に比べて強誘電体膜に印加される電圧が大きくできる
から、FETの動作が安定する。
【0041】また、第1の実施の形態で用いたMoの融
点が2610℃であるのに対し、この実施の形態で用い
たWの融点は3382℃である。従って、さらに拡散の
可能性が低くなり、さらにバリア層の薄膜化が容易にな
る。従って、さらに、加工性が向上し、高密度化が図れ
る。
【0042】[第3の実施の形態]次に、図1に示すサ
ンプル20において、強誘電体膜16を、Biとクロム
属元素であるCrとを含む複合酸化物膜すなわちBi2
CrO6 膜とする実施の形態につき説明する。
【0043】このサンプル20の製造方法は、第1の実
施の形態で説明した通りである。但し、強誘電体膜16
の作成は、Bi2 MoO6 ターゲットの代わりにBi2
CrO6 ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタ
リングにより形成する。作成条件等は、第1の実施の形
態と同様である。このようにして作成したBi2 CrO
6 膜は、温度450℃の熱処理を施すと結晶化すること
が確認された。
【0044】このように、このBi2 CrO6 膜は、4
50℃といった低温度で結晶化する。これは、Bi2
rO6 膜が、m=1のBi層状化合物であるからであ
る。つまり、Bi2 CrO6 膜は、酸化Bi層(Bi2
2 層)とペロブスカイト層(CrO4 層)とが交互に
積層した積層構造となっている。従って、Bi層状化合
物としては最も単純な構造をしており、このため、結晶
化温度が低くなる。
【0045】また、Bi2 CrO6 膜は、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属を含んでいない。従って、汚染
が起きる可能性が低く、バリア層を厚くする必要がな
い。従って、加工性が高く、高集積のメモリが実現でき
る。
【0046】また、この構成例の強誘電体膜16すなわ
ちBi2 CrO6 膜の比誘電率を測定したところ40で
あった。従って、このようにして作成したサンプル20
をMOSFETに接続して擬似電界効果型強誘電体トラ
ンジスタを構成し、Bi2 CrO6 膜の特性評価を行う
と、第1の実施の形態と同様に、安定なFET動作が期
待できる。すなわち、Bi2 CrO6 膜の比誘電率は、
従来のSBT膜の比誘電率に比べて、4分の1以下であ
る。従って、強誘電体膜に印加される電圧のゲート電圧
に対する割合を通常より大きくすることができる。よっ
て、従来に比べて強誘電体膜に印加される電圧が大きく
できるからFETの動作が安定する。
【0047】また、この実施の形態で用いたCrの融点
は1875℃であるが、拡散の心配はない。そして、C
rの原子半径が0.125nmであるのに対し、Wは
0.1366nm、およびMoは0.139nmであ
る。このように原子半径が小さいので、酸素との結合に
よる格子の歪みを小さくすることができる。
【0048】また、Crは6価を容易に取るため、(B
222+(CrO42-で表されるBi層状化合物
を取りやすい。すなわち、化合物内での価数の変化がな
いため、リーク電流の低い安定な膜を形成することがで
きる。
【0049】以上説明した第1、第2および第3の実施
の形態によれば、強誘電体膜としてBiとクロム属元素
とを含む複合酸化物膜を用いている。このような複合酸
化物膜はm=1のBi層状化合物であることは上述した
通りである。このように、元素数も少なく、単純な構造
であるため、CVD法によっても作成が可能である。従
って、ステップカバリッジが向上する。
【0050】
【発明の効果】この発明の半導体記憶装置によれば、強
誘電体膜としてBiとクロム属元素とを含む複合酸化物
膜を用いている。このような複合酸化物膜は、比誘電率
が小さく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含ま
ず、m=1のBi層状化合物である。従って、強誘電体
膜に十分な大きさの電圧をかけることが可能であり、汚
染やリーク電流の心配がなく、微細化が可能である。
【0051】また、この発明の半導体記憶装置によれ
ば、複合酸化物膜をBi2 RO6 膜とする。
【0052】例えば、RをMoとするBi2 MoO6
の比誘電率は28であり、従来のSBTの比誘電率に比
べて小さい。また、Bi2 MoO6 膜は、アルカリ金属
およびアルカリ土類金属を含まない。そして、Bi2
oO6 膜は、m=1のBi層状化合物であって結晶化温
度が400℃である。従って、従来のSBTに比べて結
晶化温度が低い。
【0053】また、RをWとするBi2 WO6 膜の比誘
電率は40であり、従来のSBTの比誘電率に比べて小
さい。また、Bi2 WO6 膜は、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属を含まない。そして、Bi2 WO6
は、m=1のBi層状化合物であって結晶化温度が45
0℃である。従って、従来のSBTに比べて結晶化温度
が低い。
【0054】さらに、RをCrとするBi2 CrO6
の比誘電率は40であり、従来のSBTの比誘電率に比
べて小さい。また、Bi2 CrO6 膜は、アルカリ金属
およびアルカリ土類金属を含まない。そして、Bi2
rO6 膜は、m=1のBi層状化合物であって結晶化温
度が450℃である。従って、従来のSBTに比べて結
晶化温度が低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンプルの断面構造を示す図である。
【図2】擬似電界効果型強誘電体トランジスタの構成を
示す図である。
【図3】電流−電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
10:Siウエハ 12:SiO2 膜 14、18:Pt膜 16:強誘電体膜 20:サンプル 22:Si基板 24:ゲート絶縁膜 26:ゲート電極 28:ドレイン電極 30:ソース電極 32:バリアメタル 34:下部電極 36:MOSFET

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上に強誘電体膜を具える半
    導体記憶装置において、 前記強誘電体膜としてBiとクロム属元素とを含む複合
    酸化物膜を用いることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体記憶装置におい
    て、 前記クロム属元素がMoであることを特徴とする半導体
    記憶装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体記憶装置におい
    て、 前記クロム属元素がWであることを特徴とする半導体記
    憶装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体記憶装置におい
    て、 前記クロム属元素がCrであることを特徴とする半導体
    記憶装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の半導体記憶装置におい
    て、 前記複合酸化物膜をBi2 RO6 膜とすることを特徴と
    する半導体記憶装置。但し、前記Rは、Mo、Wおよび
    Crのいずれか一つの元素である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101052413B1 (ko) * 2003-06-10 2011-07-28 카토다 타카시 고순도 산화 몰리브덴으로 형성된 전자 디바이스

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