JPH10302544A - 誘電体磁器組成物および複合誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物および複合誘電体磁器組成物

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JPH10302544A
JPH10302544A JP9108788A JP10878897A JPH10302544A JP H10302544 A JPH10302544 A JP H10302544A JP 9108788 A JP9108788 A JP 9108788A JP 10878897 A JP10878897 A JP 10878897A JP H10302544 A JPH10302544 A JP H10302544A
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dielectric
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ceramic composition
dielectric constant
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JP9108788A
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Hidenori Katsumura
英則 勝村
Masahiro Hiraga
将浩 平賀
Shigeo Furukawa
成男 古川
Ryuichi Saito
隆一 斉藤
Ryo Kimura
涼 木村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1000℃程度で焼結し、比誘電率が高く、
機械的強度が大きく、高いQ値と小さい共振周波数の温
度係数を有する誘電体磁器組成物を提供することを目的
とする。 【解決手段】 一般式xBaO−yNd23−zTiO
2−wBi23(x+y+z+w=1)で表され、上記
x,y,z,wがそれぞれ0.1≦x≦0.2,0.1
≦y≦0.2,0.05≦z0.8,0.55≦w≦
0.5の範囲内にある第1成分と、少なくともSi
2,MO(MはBa,Ca,Srから少なくとも1種
以上)、La23を含むガラスである第2成分からなる
誘電体磁器組成物であって、前記第1成分100重量%
に対して第2成分が3重量%以上50重量%以下の範囲
とした組成物を焼結して誘電体磁器組成物1を得る。焼
成温度が1000℃程度、比誘電率が40以上であり、
高いQ値と小さい共振周波数の温度係数を実現できるた
め、Cu,Au,Agなどの高導電率の内部導体2〜5
を用いた積層型の共振デバイスを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波領域で使用さ
れる各種フィルタや共振器等に使用される誘電体磁器組
成物および複合誘電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話や衛星放送など、マイク
ロ波領域の電磁波を利用する通信の進展にともない、端
末機器の小型化への要求がますます高くなっており、端
末機器を小型化するためには、機器を構成する個々の部
品を小型化する必要がある。
【0003】誘電体磁器はこれらの機器において、各種
フィルタや共振器として組み込まれている。これらの共
振デバイスの大きさは同じ共振モードを利用する場合、
使用する誘電体材料の持つ比誘電率(εr)の平方根に
逆比例するため、小型の共振デバイスを作製するには、
高い比誘電率を有する材料が必要である。また、誘電体
磁器用の誘電体材料に求められる他の特性は、マイクロ
波領域で低損失であること、すなわちQ値が高いこと、
さらに共振周波数の温度係数(τf)が小さいことであ
る。ここでQ値とは、誘電損失tanδの逆数をいう。
【0004】比誘電率の大きい材料として、(Pb,C
a)ZrO3系が特開平4−65021号公報に提案さ
れている。この系は100を越える高い比誘電率と、2
〜4GHzで800程度の高いQ値、および小さい共振
周波数の温度係数を有している。
【0005】一方、導体と誘電体磁器を積層構造にし、
共振デバイスを小型、高機能化しようとする試みが行わ
れている。導体は、マイクロ波のような高周波領域で使
用する場合、導電率が高い必要があため、Cu,Au,
Agまたはそれらの合金を使用する必要がある。また、
誘電体磁器は積層構造にする場合、導体の金属と同時に
焼成する必要があるため、導体金属が溶解せず、かつ酸
化しない焼成条件で緻密に焼結しなければならない。
【0006】すなわち、用いる導体金属の融点(Cuの
場合1083℃、Auの場合1063℃、Agの場合9
61℃)以下の低温で、かつCuを電極に用いる場合は
低い酸素分圧での焼成が必要となる。低温で焼結できる
マイクロ波誘電体磁器として、Bi23−CaO−Nb
25系が米国特許第5,273,944号明細書に提案
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のB
23−CaO−Nb25系の磁器は、1000℃程度
の低温で焼結できるが、機械的強度が140MPaと比
較的小さいため、積層素子とした場合、特に素子の厚さ
が薄く底面積が大きい場合、素子をプリント基板へ半田
実装した際に発生する熱ストレスなどによって、素子が
割れたり、素子内に欠陥が発生する恐れがあるという問
題があった。
【0008】本発明は、前記従来の問題を解決するため
機械的強度が大きく、かつ低温で焼結し、比誘電率が高
く、高いQ値と小さい共振周波数の温度係数を有する誘
電体磁器組成物を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、機械的強度が大きく、優れたマイクロ波特性
を有する一般式xBaO−yNd23−zTiO2−w
Bi23(x+y+z+w=1)で表され、上記x,
y,z,wがそれぞれ0.1≦x≦0.2,0.1≦y
≦0.2,0.55≦z≦0.8,0.05≦w≦0.
5の範囲内にある第1成分と、低温で焼結化を促進す
る、少なくともSiO2,MO(MはBa,Ca,Sr
から少なくとも1種以上)、La23を含むガラスであ
る第2成分からなる誘電体磁器組成物であって、前記第
1成分100重量%に対して第2成分が3重量%以上5
0重量%以下の範囲としたものであり、機械的強度が大
きく、1000℃程度の低温で焼結し、比誘電率が高
く、高いQ値と小さい共振周波数の温度係数を有する誘
電体磁器組成物を得ることができる。
【0010】また、この誘電体磁器組成物を用いるとA
u,Ag,Cu等を内部導体に用いた積層型マイクロ波
共振デバイスが実現でき、フィルタや共用器などの高周
波デバイスの小型化と高性能化が可能となる。
【0011】また本発明によれば、この誘電体磁器組成
物を高誘電率層とし、アルミナ(Al23)、ジルコニ
ア(ZrO2)、フォルステライト(Mg2SiO4)の
うち少なくとも一種以上の酸化物と前記第2成分のガラ
スからなる誘電体磁器組成物を低誘電率層(比誘電率は
10程度)として積層し、同時焼成して一体焼結体とす
ることが可能である。したがって高誘電率層にマイクロ
波共振デバイスや大容量のコンデンサなどを低誘電率層
にインダクタや小容量のコンデンサなどを形成すること
により、一つの部品内に複数の機能を有する複合積層部
品を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、一般式xBaO−yNd23−zTiO2−wBi2
3(x+y+z+w=1)で表され、上記x,y,
z,wがそれぞれ0.1≦x≦0.2,0.1≦y≦
0.2,0.55≦z≦0.8,0.05≦w≦0.5
の範囲内にある第1成分と、少なくともSiO2,MO
(MはBa,Ca,Srから少なくとも1種以上)、L
23を含むガラスである第2成分からなる誘電体磁器
組成物であって、前記第1成分100重量%に対して第
2成分が3重量%以上50重量%以下の範囲としたもの
であり、機械的強度が大きく、1000℃程度での温度
で焼結し、比誘電率が高く、高いQ値と小さい共振周波
数の温度係数を有する誘電体磁器組成物を得ることがで
きるという作用を有する。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記第2成分の
ガラスの成分のうちSiO2を40〜50重量%、Al2
3を0〜15重量%、B23を0〜10重量%、およ
びLa23を5〜15重量%と限定したものであり、機
械的強度や電気的特性を損なうことなく、さらに低温で
の焼結を可能にするという作用を有する。
【0014】請求項3に記載の発明は、前記第1成分1
00重量%に対して、第3成分として酸化銅をCuOに
換算して5重量%以下含有させたものであり、機械的強
度や電気的特性を損なうことなく、さらに低温での焼結
を可能にするという作用を有する。
【0015】請求項4に記載の発明は、誘電体磁器組成
物の製造過程において、焼成前の誘電体混合粉体の平均
粒子径が0.8μm以下としたものであり、電気的特性
を損なうことなく、さらに機械的強度を大きくし、低温
での焼結を可能にするという作用を有する。
【0016】請求項5に記載の発明は、誘電体磁器組成
物の焼成温度が950℃以下、比誘電率が40以上、Q
f積が1000GHz以上、共振周波数の温度係数の絶
対値が50ppm/℃以下としたものであり、導電率が
高く、かつ比較的安価な銀を内部電極とする積層型マイ
クロ波共振デバイスが実現でき、フィルタや共用器など
の高周波デバイスの小型化と高性能化が可能になるとい
う作用を有する。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1記載の
誘電体磁器組成物を高誘電率層とし、アルミナ(Al2
3)、ジルコニア(ZrO2)、フォルステライト(M
2SiO4)のうち少なくとも一種以上の酸化物と前記
第2成分のガラスからなる誘電体磁器組成物を低誘電率
層として両層を積層し、同時焼成して一体焼結体とした
ものであり、マイクロ波共振デバイスやコンデンサやイ
ンダクタ等を一体化した複合積層磁器部品を、欠陥や変
形なく得ることができるという作用を有する。
【0018】以下、本発明の一実施の形態について説明
する。 (実施の形態1)まず、第1成分として用いる粉末の合
成について述べる。出発原料には化学的に高純度(99
重量%以上)であるBaCO3,Nd23,TiO2およ
びBi23を用いた。原料の純度補正を行なった後、組
成をxBaO−yNd23−zTiO2−wBi2
3(x+y+z+w=1)で表したときのx,y,z,
wが所定の値になるように秤量した。これらの粉体を、
ジルコニアの玉石および純水とともにボールミルで17
時間混合した。混合後、スラリーを乾燥し、アルミナ製
の坩堝にいれ、温度1000〜1300℃で2時間仮焼
した。仮焼体を、解砕した後、前述したボールミルで1
7時間粉砕し、乾燥させ、第1成分の粉末とした。
【0019】次に、第2成分として用いる粉末の合成に
ついて述べる。出発原料には化学的に高純度(99重量
%以上)であるSiO2,H3BO3,Al2(OH)3
CaCO3,BaCO3,SrCO3,La23等の原料
を用いた。原料の純度補正を行った後、組成を(表1)
になるように秤量した。これらの粉体を、ジルコニアの
玉石およびエタノールとともにボールミルで17時間混
合した。混合後、スラリーを乾燥し、白金または白金ロ
ジウム坩堝にいれ、温度1400〜1500℃で溶融
し、急冷した。解砕した後、混合と同様の方法にて粉砕
し、乾燥させ、第2成分の粉末とした。合成した第2成
分の組成と特性を(表1)に示す。
【0020】
【表1】
【0021】第1成分と第2成分の粉末を(表2)の配
合比で秤量し、ボールミルにて湿式混合し、乾燥させ
た。この混合粉体の平均粒子径をレーザー回折測定法に
より計測した。得られた粉体にバインダとしてポリビニ
ルアルコールの5重量%水溶液を8重量%加えて混合
後、32メッシュのふるいを通して造粒し、100MP
aで直径13mm、厚み約5mmの円柱状にプレス成形し
た。成形体を温度600℃で3時間加熱してバインダを
焼却後、マグネシア製の磁器容器に入れ、蓋をし、温度
800〜1100℃の種々の温度で2時間保持して焼成
した。密度が最高となる温度で焼成した焼結体について
マイクロ波での誘電特性を測定した。共振周波数とQ値
は、誘電体共振器法により求めた。焼結体の寸法と共振
周波数より比誘電率(εr)を算出した。共振周波数は
2から7GHzであった。
【0022】また、−25℃、20℃及び85℃におけ
る共振周波数を測定し、最小二乗法により、その温度係
数(τf)を算出した。また焼結体の抗折強度をJIS
規格R1601に基づく方法により測定した。結果を
(表2)に示す。ここで(表2)におけるQf積とは、
Q値とこれを測定した時の周波数fの積をいう。ここ
で、周波数fは2から7GHzの間で、試料の大きさや
形状などにより変化する。そこでQf積とすることによ
り、試料の大きさや形状などに影響されない値として算
出した。この方法は当業者にとって一般的に行われてい
る方法である。
【0023】
【表2】
【0024】(表2)より、本実施の形態の範囲内の組
成の磁器である試料番号2〜15は、925℃から10
50℃の範囲の温度で焼結し、41〜88の範囲の比誘
電率(εr)、1200〜3300GHzの範囲のQf
積、−15〜+45ppm/℃の共振周波数の温度係数
(τf)と優れたマイクロ波誘電特性をもつことが確認
できた。またこの磁器の抗折強度は、いずれも180M
Pa以上であり、前記従来のBi23−CaO−Nb2
5系の磁器の抗折強度140MPaよりも大きいこと
が確認できた。
【0025】第2成分のガラスの組成は試料番号5〜8
のように、種々の組成でも優れた誘電特性を示すことか
ら、SiO2,MO(MはBa,Ca,Srから少なく
とも1種以上)、La23を含むガラスであればよいこ
とが確認できた。
【0026】第2成分の配合量が3重量%未満の試料番
号1のときは1100℃以下で焼結しなくなり、本発明
の目的にそぐわない。また試料番号16のときのように
50重量%を越えると、比誘電率が40以下となり、Q
f積も1000GHz以下と小さくなるので好ましくな
い。
【0027】第1成分のxBaO−yNd23−zTi
2−wBi23(x+y+z+w=1)におけるx,
y,z,wが、本発明の範囲外であるときは、試料番号
17〜22のように、比誘電率が40よりも小さくな
る、共振周波数の温度係数が+50ppm/℃を越える
正の大きい値となる、磁器として焼結しないなど好まし
くない。
【0028】(実施の形態2)続いて第2成分の好まし
くない実施の形態について述べる。試料の合成、特性の
評価については実施の形態1と同様の方法により行っ
た。ただし第2成分の組成については(表3)に示した
ものを用いた。結果を(表4)に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】(表4)より本実施の形態の範囲内の誘電
体磁器である試料番号23〜28は、925℃から97
5℃の範囲の温度で焼結し、57〜70の範囲の比誘電
率、1900〜3200GHzの範囲のQf積、−10
〜+3ppm/℃の範囲の共振周波数の温度係数と優れ
たマイクロ波誘電特性、180MPa以上の抗折強度を
もつことが確認できた。
【0032】SiO2が40重量%未満の第2成分Iを
用いた試料番号29の例、La23が15重量%以上で
ある第2成分Mを用いた試料番号33の例では、Qf積
が1000GHzより小さくなるので好ましくない。ま
たSiO2が50重量%より多い第2成分Jを用いた試
料番号30の例、Al23が15重量%より多い第2成
分Kを用いた試料番号31の例、La23が5重量%未
満である第2成分Mを用いた試料番号34の例では、焼
成温度が1050℃以上と高かったので、好ましくな
い。またB23が10重量%より多い第2成分Lを用い
た試料番号32の例は、焼結温度、電気的特性などには
問題ないが、この粉体に適当量のバインダと可塑剤およ
び溶剤を混合してスラリーとしドクターブレード法など
によってグリーンシートを作製しようとすると、スラリ
ーのゲル化が起こるため極めてグリーンシート化が困難
となるため、好ましくない。
【0033】(実施の形態3)次に第3成分の効果につ
いて検討した。第3成分である化学的に高純度(99重
量%以上)なCuOの粉末を第1成分、第2成分ととも
に秤量、混合し、実施の形態1と同様の方法により試料
の合成、特性の評価を行った。ただし第2成分の組成に
ついては(表1)のAを用いた。結果を(表5)に示
す。
【0034】
【表5】
【0035】(表5)より酸化銅を添加した誘電体磁器
は、添加してないものと比較して、焼結温度が50℃か
ら75℃低下することが確認できた。このとき電気的特
性の変化はほとんどない。したがって、焼成温度を確実
に950℃以下にすることができ、融点が961℃であ
る高導電率の銀を内部導体とする積層共振デバイスを得
ることが可能になる。しかし、試料番号38のようにC
uOの添加量が本発明の範囲外である5重量%を越える
と、Qf積が1000GHz未満となるので好ましくな
い。
【0036】(実施の形態4)次に混合粉体の平均粒子
径について検討した。混合粉体の平均粒子径は、混合時
間や、ジルコニアの玉石の直径を変えることによって調
整した。結果を(表6)に示す。
【0037】
【表6】
【0038】混合粉体の粒子径を0.6μm程度まで細
かくすると、焼成温度がさらに25〜50℃低下し、さ
らに抗折強度も10%程度大きくなることが確認でき
た。このとき電気的特性の変化はほとんどない。したが
って、焼成温度をより確実に950℃以下にすることが
でき、融点が961℃である高導電率の銀を内部導体と
する積層共振デバイスを得ることが可能になる。
【0039】なお、前記実施の形態以外の元素の含有
も、本発明の範囲であれば特性に悪い影響を与えない限
り使用することができる。
【0040】(実施の形態5)次に、本実施の形態の誘
電体磁器とアルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO
2)、フォルステライト(Mg2SiO4)のうち少なく
とも一種以上の酸化物と前記第2成分のガラスからなる
誘電体磁器を積層し、同時焼成したときの焼結体の外
観、およびクラックの発生について検討した結果を(表
7)に示す。
【0041】
【表7】
【0042】(表7)より、本実施の形態の誘電体磁器
組成物はアルミナ(Al23)、ジルコニア(Zr
2)、フォルステライト(Mg2SiO4)のうち少な
くとも一種以上の酸化物と前記第2成分のガラスからな
る誘電体磁器組成物と同時焼成したとき、界面の接着強
度が大きく、クラック等の欠陥の発生がない一体焼結体
を得ることが可能であることを確認できた。
【0043】(参考例1)以下図面を用いて本発明の誘
電体磁器を用いた積層型の共振デバイスの一例を説明す
る。図1は本発明の一実施の形態の誘電体組成物1を用
い、Au,Ag,Cu等からなる内部導体を設け、かつ
外部導体6,7,8を設けた積層型マイクロ波共振デバ
イスの斜視図である。
【0044】図1に示す積層型マイクロ波共振デバイス
の一例のディメンジョンは、縦8mm、横5mm、高さ2.
5mmである。図2は図1のI−I線断面図、図3は図1
のII−II線断面図であり、誘電体組成物1の内部に、A
u,Ag,Cu等の内部導体2,3,4,5と外部導体
6,7,8の配置を示している。内部導体4は、幅1m
m、長さ7mm、厚さ0.03mm(30μm)とした。内
部導体2,3,4,5はスクリーンプリント法によって
形成した。内部導体3と4の間はコンデンサーとして機
能する。このコンデンサーを介して、マイクロ波が共振
デバイスへ導入され、特定の周波数を持つマイクロ波の
みが共振し、共振器として機能する。
【0045】(参考例2)以下図面を用いた本発明の複
合磁器部品の一例を説明する(図4)。誘電体組成物9
(高誘電率層)の内部にAu,Ag,Cu等の内部導体
10,11,12,13を設け参考例1と同様にマイク
ロ波共振デバイスを形成する。高誘電率層9からなる層
の上下に、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO
2)、フォルステライト(Mg2SiO4)のうち少なく
とも一種以上の酸化物とガラスからなる誘電体磁器層1
4(低誘電率層)を積層し、この内部にAu,Ag,C
u等の内部導体15,16を設けコンデンサ、インダク
タを形成する。マイクロ波共振デバイス、コンデンサ、
インダクタは外部導体17およびビア導体18により接
続して一体化され、複合部品として機能する。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の誘電体磁器
組成物によれば、機械的強度が大きく、優れたマイクロ
波特性を有する一般式xBaO−yNd23−zTiO
2−wBi23(x+y+z+w=1)で表され、上記
x,y,z,wがそれぞれ0.1≦x≦0.2,0.1
≦y≦0.2,0.55≦z≦0.8,0.05≦w≦
0.5の範囲内にある第1成分と、低温での焼結化を促
進する、少なくともSiO2,MO(MはBa,Ca,
Srから少なくとも1種以上)、La23を含むガラス
である第2成分からなる誘電体磁器組成物であって、前
記第1成分100重量%に対して第2成分が3重量%以
上50重量%以下の範囲としたものであり、機械的強度
が大きく、1000℃程度の低温で焼結し、比誘電率が
高く、高いQ値と小さい共振周波数の温度係数を有する
誘電体磁器組成物を得ることができる。
【0047】また、本発明の誘電体磁器組成物による
と、1000℃前後の低温で焼結でき、比誘電率が40
以上と高く、高いQ値と小さいτfを実現できるためC
u,Au、あるいはAgなどを内部導体に用いた積層型
の共振デバイスを実現できる。これにより、フィルタや
共用器などの高周波デバイスの小型化と高機能化が可能
となる。
【0048】また本発明によれば、前記の誘電体磁器組
成物を高誘電率層とし、アルミナ(Al23)、ジルコ
ニア(ZrO2)、フォルステライト(Mg2SiO4
のうち少なくとも1種以上の酸化物と前記第2成分のガ
ラスからなる誘電体磁器組成物を低誘電率層として積層
し、同時焼成して一体焼結体とすることが可能である。
高誘電率層にマイクロ波共振でバイスや大容量のコンデ
ンサなどを、低誘電率層にインダクタや少量のコンデン
サなどを形成することにより、一つの部品内に複数の機
能を有する複合積層部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の誘電体組成物を用いた
積層型マイクロ波共振デバイスの斜視図
【図2】図1のI−I線断面図
【図3】図1のII−II線断面図
【図4】本発明の一実施の形態の複合積層磁器部品の断
面図
【符号の説明】
1 誘電体組成物 2,3,4,5 内部導体 6,7,8 外部導体 9 誘電体組成物(高誘電率層) 10,11,12,13 内部導体(高誘電率層内) 14 誘電体組成物(低誘電率層) 15,16 内部導体(低誘電率層内) 17 外部導体 18 ビア導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木村 涼 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式xBaO−yNd23−zTiO
    2−wBi23(ただしx+y+z+w=1)で表した
    とき上記x,y,z,wがそれぞれ0.1≦x≦0.
    2,0.1≦y≦0.2,0.55≦z≦0.8,0.
    05≦w≦0.5の範囲内にある第1成分と、少なくと
    もSiO2,MO(MはBa,Ca,Srから少なくと
    も1種以上)、La23を含むガラスである第2成分か
    らなる誘電体磁器組成物であって、前記第1成分100
    重量%に対して第2成分が3重量%以上50重量%以下
    の範囲であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 第2成分のガラスの成分のうちSiO2
    を40〜50重量%、Al23を0〜15重量%、B2
    3を0〜10重量%、およびLa23を5〜15重量
    %とする請求項1記載の誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 第1成分100重量%に対して、第3成
    分として酸化銅をCuOに換算して5重量%以下を含有
    させることを特徴とする請求項2記載の誘電体磁器組成
    物。
  4. 【請求項4】 誘電体磁器組成物の製造過程において、
    焼成前の誘電体混合粉体の平均粒子径が0.8μm以下
    であることを特徴とする請求項2または3記載の誘電体
    磁器組成物。
  5. 【請求項5】 誘電体磁器組成物の焼成温度が950℃
    以下、比誘電率が40以上、Qf積が1000GHz以
    上、共振周波数の温度係数の絶対値が50ppm/℃以
    下である請求項3または4記載の誘電体磁器組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の誘電体磁器組成物を高誘
    電率層とし、アルミナ(Al23)、ジルコニア(Zr
    2)、フォルステライト(Mg2SiO4)のうち少な
    くとも一種以上の酸化物と前記第2成分のガラスからな
    る誘電体磁器組成物を低誘電率層として両層を積層し、
    同時焼成して一体焼結体としたことを特徴とする複合誘
    電体磁器組成物。
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