JPH10302377A - 情報記録再生装置 - Google Patents

情報記録再生装置

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JPH10302377A
JPH10302377A JP10587297A JP10587297A JPH10302377A JP H10302377 A JPH10302377 A JP H10302377A JP 10587297 A JP10587297 A JP 10587297A JP 10587297 A JP10587297 A JP 10587297A JP H10302377 A JPH10302377 A JP H10302377A
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speed
movable head
head
information recording
signal
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JP10587297A
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Masahiko Kimura
雅彦 木村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録再生装置において、記録再生時にお
けるトラック走査全体のスループットを向上させるため
に、情報記録媒体を載置するキャリッジ、または、記録
媒体に情報を記録再生するヘッドが停止位置をオーバー
ランすることなく、そこに停止するようにする。 【解決手段】 前記キャリッジ、又は、前記ヘッドが反
転位置の近くに達したならば、反転位置センサーの出力
より現在位置、及び、現在速度を求め、前記キャリッ
ジ、又は、前記ヘッドの速度が反転位置でゼロになるよ
うな減速プロファイルの速度を目標速度にして速度サー
ボをかける。或いは、マイナスの等加速度の減速プロフ
ァイルの速度を目標速度にして速度サーボをかける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録再生装置に関
し、特に走査の減速制御手段を備える情報記録再生装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、情報を記録媒体に記録、再生する
情報記録再生装置としては、磁気方式と光学方式があ
り、その中でも最近では光学方式の装置が注目されてい
る。このような光学式に情報の記録/再生を行う光メモ
リとしては、CD、光ディスクや光磁気ディスクあるい
はカード状記録媒体(以下、光カードという)、光テー
プなどがある。これらの光メモリは目的に応じて使い分
けられているが、その中にあって光カードは携帯性の良
さなどの利点を持っており、今後の需要が期待されてい
る。
【0003】このような光カードを記録媒体として用い
る場合、光学ヘッドと光カードを相対的にトラック方向
に往復移動させることにより、光学ヘッドからの光ビー
ムを情報トラック上に走査させて情報の記録や再生が行
われる。また、光学ヘッドと光カードを相対的にトラッ
ク横断方向に移動させることにより、光学ヘッドの光ビ
ームを所望のトラックにアクセスさせる方法が採られて
いる。
【0004】図8はこのような光カードの一例を示した
概略的平面図である。光カードCの記録領域内には、複
数のトラッキングトラックがT1、T2、T3、…とい
うように平行に等間隔を置いて配列されている。また、
各トラッキングトラックの間には、情報を記録するため
の情報トラックがD1、D2、D3、…というように配
列されている。各情報トラックの両側には、情報トラッ
クを識別するためのトラック番号がN1、N2、N3、
…というようにプリフォーマットされており、情報の記
録/再生時には、このトラック番号を読み出して光ビー
ムの現在位置が認識されている。1本の情報トラックに
情報を記録する場合は、セクタ数とセクタサイズを任意
に設定し、各セクタタイプに応じて各々のセクタの書き
込み位置が決められている。
【0005】図5は光カードを用いた情報記録再生装置
の例を示した構成図である。図5において、1は光カー
ドCに光ビームを照射する可動ヘッドであり、図示しな
い駆動機構によりトラック方向に往復移動するように構
成されている。23は固定ヘッドで、これと可動ヘッド
1とから光学ヘッドが構成されている。固定ヘッド23
内には、半導体レーザ31、コリメータレンズ32、回
折格子33、偏光ビームスプリッタ34、集光レンズ3
5、光検出器36が内蔵されている。光検出器36は光
カードCからの反射光を受光するための光センサであ
り、複数の受光素子からなっている。
【0006】可動ヘッド1内には、反射プリズム37、
対物レンズ39、フォーカスアクチュエータ38、トラ
ッキングアクチュエータ40が設けられている。半導体
レーザ31のレーザビームは対物レンズ39で絞られ、
光カードCの情報トラック上に微小光スポットとして集
光される。
【0007】主制御装置7は各部を制御するための制御
回路であり、カードトレー駆動回路53を制御し、カー
ドトレー24をトラック横断方向に移動させる。カード
トレー24には光カードCが載置され、カードトレー駆
動回路53の駆動によりカードトレー24をトラック横
断方向に移動させることで、可動ヘッド1の光ビームを
所望のトラックにアクセスさせる。
【0008】また、主制御装置7は可動ヘッド駆動回路
54を制御し、可動ヘッド1をトラック方向に往復移動
させる。可動ヘッド駆動回路54については詳しく後述
するが、主制御装置7の制御に基づいてリニアモータが
制御され、可動ヘッド1がトラック方向に往復駆動され
ることで、光ビームが情報トラック上を走査する。
【0009】情報を光カードに記録する場合は、主制御
装置7は、光ビームを情報トラック上を走査させなが
ら、同時に記録信号を変調回路50に送って所定の変調
方式で変調させる。そして、その変調信号に応じて半導
体レーザ31を駆動することにより、強度変調された光
ビームが情報トラック上を走査して、一連の情報が記録
される。受光処理回路41では、この走査時に光検出器
36の各センサ素子の受光信号が処理され、フォーカス
誤差信号、トラッキング誤差信号が検出され、それを基
にフォーカス制御ループ及びトラッキング制御ループで
フォーカス制御とトラッキング制御が行われる。
【0010】即ち、差動増幅器42、位相補償器43、
ドライバ45によりフォーカス制御ループの一部が構成
され、フォーカス誤差信号を基にフォーカスアクチュエ
ータ38が駆動され、対物レンズ39がフォーカス方向
に変位することで、光ビームが媒体面に焦点を結ぶよう
にフォーカス制御が行われる。
【0011】また、差動増幅器46、位相補償器47、
ドライバ49によりトラッキング制御ループの一部が構
成され、トラッキング誤差信号を基にトラッキングアク
チュエータ40が駆動され、対物レンズ39がトラッキ
ング方向に変位することで、光ビームが情報トラックか
ら逸脱しないようにトラッキング制御が行われる。
【0012】一方、情報を再生する場合は、光ビームが
目的の情報トラック上を走査し、この時に受光処理回路
41で光検出器36の受光信号が処理されて情報再生信
号が作成される。情報再生信号は復調回路51で復調さ
れ、主制御装置7に送られる。なお、図5において、2
6は情報トラック上の記録情報を検出するためのCD
(キャリアディテクト)検出回路であり、記録情報を検
出した時にCD信号を出力する。また、52はフォーカ
ス誤差信号やトラッキング誤差信号を主制御装置7に取
り込むためのA/D変換器である。
【0013】以下に、可動ヘッド駆動回路について詳細
に説明する。
【0014】図9は、可動ヘッド駆動回路54の一例を
示したブロック図である。図9において、1は、図5に
示した可動ヘッドであり、その上部には、遮光板14、
位置エンコーダ2が取り付けられている。位置エンコー
ダ2は、可動ヘッド1の速度及び移動距離を検出するた
めのもので、その側部には、一定間隔おきにスリットが
形成されたスリット板15が設けられている。スリット
板15は、可動ヘッド1の走査方向に沿って設けられて
いて、可動ヘッド1が一定距離を移動するごとに位置エ
ンコーダ2から信号が出力される。また、この信号は、
速度に応じて周期が変化し、これを利用して可動ヘッド
1の速度と移動距離が検出される。16は位置エンコー
ダ2の信号を矩形波に整形して移動信号にするための波
形整形回路、104は基準周波数発生回路105から出
力された一定周波数の基準信号と波形整形回路16の出
力信号から周波数誤差信号を生成するためのFV変換
器、106はFV変換器104の出力によりリニアモー
タの速度が所定速度に達したことを検知するためのロッ
ク検出回路である。また、7は図5に示した主制御装
置、108は位相補償器、109は可動ヘッド1が所定
速度まで減速した後、目標の反転位置センサまで可動ヘ
ッド1を低速で移動させるための駆動電圧を出力する低
速駆動電圧発生回路、110はリニアモータの加速用及
び減速用電圧を発生するための加減速駆動電圧発生回路
である。
【0015】また111は、主制御装置7の指示によっ
て位相補償器108、加減速駆動電圧発生回路110、
低速駆動電圧発生回路109、及び後述する位相補償器
122からの信号を選択的に切り替えるためのスイッチ
である。
【0016】また112は、主制御装置7の指示によ
り、可動ヘッド1の移動方向に対応して、コイル駆動電
圧の極性を切り替えるための極性切替回路、12は、リ
ニアモータコイル13の駆動電圧を電力増幅するための
ドライバである。3及び4は、可動ヘッド1が反転位置
に達したことを検出するための反転位置センサである。
即ち、可動ヘッド1には、前述のように遮光板14が取
り付けられており、可動ヘッド1がL方向またはR方向
に移動し、遮光板14の端部が反転位置センサ3または
4まで移動すると、反転位置センサ3または4によって
可動ヘッド1が走査端部に到達したことが検知される。
走査をしていないときの可動ヘッド1は、後述する位置
制御回路により、この反転位置に停止制御されることと
なる。
【0017】また5は、主制御装置7の指示により反転
位置センサ3または4のいずれかの信号を選択するため
の反転位置センサ選択スイッチ、119は、反転位置セ
ンサ選択スイッチ5で選択された反転位置センサ3また
は4の出力信号を一定レベルでコンパレートし、そのコ
ンパレート回路出力信号を主制御装置7へ送るためのコ
ンパレータ回路である。このコンパレート回路119の
出力信号は、後述するように可動ヘッド1の位置制御を
行うときのスタート信号となる。120は、反転位置セ
ンサ選択スイッチ5で選択された反転位置センサの出力
信号と定電圧発生回路121から出力された目的位置に
対応した一定電圧を比較し、位置誤差信号を生成するた
めの差動増幅器、122は、その位置誤差信号を位相補
償するための位相補償器である。これらの反転位置セン
サ3または4、定電圧発生回路121、差動増幅器12
0、位相補償器122、リニアモータによってクローズ
された位置制御ループが構成されている。
【0018】次に、可動ヘッド駆動回路54の動作を図
10に基づいて説明する。まず、主制御装置7は、初期
状態のA点において、スイッチ111へスイッチ切換信
号(図10(c))を送り、スイッチ111を(ロ)側
へ接続する。このとき、極性切換回路112は、主制御
装置7の指示により、キャリッジ1をL方向へ送るべき
構成に切り替えられ、ドライバ12の駆動電圧の極性も
L方向に対応した極性に切換えられる。この状態で、主
制御装置7から加減速駆動電圧発生回路110へ加減速
信号(図10(d))が送られ、これらの構成・動作に
よってドライバ12で電力増幅された加速用駆動電圧
(図10(b)のA〜Bの区間)がリニアモータコイル
13に印加される。可動ヘッド1は、この駆動により図
10(a)に示す如く加速され、L方向へ送られる。
【0019】ところで、反転位置センサー3及び4の出
力信号の電圧は、図10に示すごとく、反転位置におい
てはVcc/2であり、反転位置から遠ざかるに従って
上昇し、遮光板14が反転位置センサーから抜ける場所
でVccになるので、例えば、コンパレート回路119
の基準電圧をVccの80%とすることにより、図10
(h)に示すようなコンパレート回路出力信号が得られ
る。
【0020】ここで、主制御装置7は、反転位置センサ
3の出力電圧の基準電圧との比較結果であるコンパレー
ト回路出力信号をコンパレータ回路119から入力し、
監視している。反転位置の初期状態のA点では、反転位
置センサ選択スイッチ5は、(ホ)側に接続され、反転
位置センサ3の出力信号がコンパレート回路119へ出
力されている。主制御装置7では、このように、コンパ
レート回路出力信号を監視し、図10(h)のようにコ
ンパレート回路出力信号がローレベルからハイレベルに
反転したら位置カウンタをリセットし、波形整形回路1
6で矩形波に波形整形されたエンコーダ信号のカウント
を開始する。このカウント値(以下、エンコーダカウン
ト値という)は、反転位置センサ3の位置を基準とした
可動ヘッド1の移動距離となる。なお、エンコーダカウ
ント値のカウントは、主制御装置7の割り込み処理が行
っている。
【0021】一方、FV変換器104では、波形整形回
路16で矩形波に変換されたエンコーダ信号と基準周波
数発生回路105の基準周波数信号から周波数誤差信号
を生成し、これをロック検知回路106へ出力する。ロ
ック検出回路106は、周波数誤差信号の電圧が所定レ
ベルになると可動ヘッド1の移動速度が所定速度に達し
たことを検知し、ロック検知信号(8B(e))を主制
御装置7へ出力する。主制御装置7は、ロック検知信号
が発生したB点において、加減速信号(図10(d))
をローレベルとし、スイッチ111を(イ)側へ切換え
る。これにより、制御モードが加速モードから速度制御
モードに切換わり、位相補供器108で位相補償された
周波数誤差信号に基づいてリニアモータコイル13が駆
動され、可動ヘッド1は、一定速度kでL方向へ送られ
る。
【0022】また、主制御装置7は、B点で反転位置セ
ンサ選択スイッチ5を(ヘ)側へ接続する(図10
(j))。即ち、今、可動ヘッド1は、L方向へ移動し
ているため、これに対応した反転位置にある反転位置セ
ンサ4を選択しておく。なお、速度制御時においては、
カードトレー24上に載置された光カードCに可動ヘッ
ド1からの光ビームが一定速度で走査しており、この速
度制御期間に情報トラック上への情報信号の記録、また
は情報トラックからの情報信号の再生が行われる。
【0023】そして、主制御装置7は、情報の記録、ま
たは再生が終了した後、図11のフローチャートに示す
ような処理を始め、エンコーダカウント値が所定のカウ
ント値Xに達するC点(図10)になるまで待つ。
【0024】図11において、処理S801では、減速
を開始するエンコーダカウント値Xを算出する。Xは、
次式で算出される。
【0025】 X=(減速開始目標位置÷エンコーダピッチ)の商 Xの値は、反転位置センサ位置から減速開始目標位置ま
でのエンコーダ信号のカウント数に対応している。
【0026】次に、主制御装置7は、分岐S802のル
ープによってエンコーダカウント数がXの値以上になる
まで待つ。そして、エンコーダカウント数がXの値以上
になり、分岐S802のループをYESで脱出したとこ
ろがC点(図10)、すなわち、反転位置からエンコー
ダピッチで測定した所定の移動距離を移動した位置とな
る。この時点で、主制御装置7は、スイッチ111を再
び(ロ)側に接続し、極性切換信号(図10(f))を
ローレベルとし、また、加減速駆動電圧発生回路110
から減速用電圧を出力することで、リニアモータコイル
13に減速用駆動電圧(図10(b)のC〜Dの区間)
を印加する。これにより、図10(a)のC〜Dの区間
に示す如く可動ヘッド1にブレーキがかかり、減速を開
始する。主制御装置7は、可動ヘッド1の速度が所定速
度mまで減速した時点Dでスイッチ111を(ハ)側に
接続し、極性切換信号(図10(f))をハイレベルと
して、更にL方向へ移動させるように設定する。また同
時に、低速駆動電圧発生回路109から低速駆動信号
(図10(i)のD〜Eの区間)を出力し、リニアモー
タコイル13に可動ヘッド1を低速駆動するための駆動
電圧(図10(b)のD〜Eの区間)を印加する。これ
により、可動ヘッド1は、L方向へ速度mの低速で移動
しつづける。この移動中には、反転位置センサ4の出力
電圧は、コンパレート回路119へ送られている。コン
パレート回路119は、反転位置センサ4の出力電圧が
所定電圧以下に達したときに、ハイレベルのコンパレー
ト回路出力信号(図10(h))はローレベルに切り替
わる。主制御装置7は、この位置E点でスイッチ111
を(ニ)側へ切換え、この結果、位置制御ループが形成
される。
【0027】一方、差動増幅器120では、反転位置セ
ンサ4の出力信号と定電圧発生回路121の一定電圧が
比較され、位置誤差信号が生成される。この位置誤差信
号は、位相補償器122で位相補償された後、スイッチ
111を介してドライバ12へ出力され、リニアモータ
コイル13に与えられる。こうして、位置制御ループが
動作し、可動ヘッド1は、自動的にL方向の目標位置に
停止する。以上で可動ヘッド1のL方向への移動が終了
する。
【0028】なお、主制御装置7は、可動ヘッド1をR
方向へ送る場合も同様の制御を行う。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、情報量が益々膨大化しており、より大容量で高速
な情報記録再生装置が望まれている。このような要求に
応えるためには、情報を高密度で記録し、かつ走査速度
を高速化する必要がある。しかしながら、直線往復駆動
で走査を行っている光カード記録再生装置において、走
査速度を高速化することは、可動ヘッド1の加速及び減
速制御に対してより精度の高い制御を要求する。すなわ
ち、可動ヘッド1は、加速制御では、限られた区間内
(反転位置からトラック番号開始位置まで)で加速完了
し一定速度に安定し、また、減速制御では限られた区間
内(トラック番号終了位置から反転位置まで)で減速完
了し反転位置で確実に停止しなければならない。
【0030】走査速度の高速化を実現するために、加速
及び減速に必要なエリアを確保しなければならないの
で、反転位置はカード端ぎりぎりの位置になっている。
このため、特に減速処理においては、停止位置のオーバ
ーランが引き起こされてしまうと、光スポットが媒体面
の外側まで逸脱してしまい、現在トラックを見失うばか
りでなく、フォーカスの引き込みからやり直さなければ
ならなくなり、大きな時間の損失が引き起こされ、走査
全体のスループットが低下してしまう。
【0031】ところが、従来例での減速処理では、反転
位置センサ4に至るまでの制御が、すべてオープン駆動
による制御であるため、反転位置センサ4への突入速度
が安定した低速駆動速度mとなる保証ができなかった。
このため、位置制御ループを構成し、停止位置に停止さ
せようとしても、停止するまでに時間がかかったり、最
悪ケースでは発振してしまい、停止制御ができない状態
に陥ることがあった。
【0032】また、たとえ低速駆動速度mで停止位置へ
の突入ができても、停止位置に到達した時に初速度mを
持つために引き込み動作による多少のオーバーランが生
じ、完全に停止するまでには時間がかかった。
【0033】このような問題点を解決するためには、減
速処理全般において速度制御を行えば良いが、走査速度
を検出するエンコーダ信号は、減速処理全般に対して速
度制御を行うには、低速を検出する精度が十分に得られ
ない。既存のエンコーダピッチでは低速駆動速度mに対
して速度制御を行うにはピッチが長すぎるので、減速処
理全般に対して速度制御を行うには、エンコーダピッチ
を、より短く設計する必要がある。ところがエンコーダ
信号は走査目標速度値kについて速度サーボを行うため
にも用いられるので、短いピッチに設計してしまうと等
速走査時のエンコーダ割り込み処理が増大してしまい、
主制御装置7の時間的な処理能力が不足してしまうこと
が起こる。また、ピッチの短いエンコーダは部品コスト
も非常に高くなってしまう。
【0034】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、既存
の構成のみを利用して停止位置に到達する際に速度がほ
ぼ0mm/sになるように制御することを実現し、確実
に停止されるまでの時間を短縮すると共に、停止位置の
オーバーランを無くすことを可能にした、情報記録再生
装置を実現することを目的としたものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明による情報記録再
生装置は、情報記録媒体を載置するキャリッジ、または
前記記録媒体に情報を記録再生するヘッド、のいずれか
一方を往復移動させることにより、記録再生信号を前記
記録媒体の情報トラック上に走査させ、情報を記録また
は再生する情報記録再生装置において、前記キャリッジ
または前記ヘッドの反転位置近傍における位置信号を検
出する反転位置検出手段と、前記反転位置近傍での前記
キャリッジまたは前記ヘッドの速度を検出する速度検出
手段と、前記反転位置へ前記キャリッジまたは前記ヘッ
ドを減速移動する際に、前記反転位置近傍において前記
速度検出手段の出力に基づく速度サーボ制御を行う速度
制御手段とを備えること特徴とする。
【0036】また、本発明による情報記録再生装置は、
減速移動する際に、前記反転位置近傍以外においては前
記キャリッジまたは前記ヘッドをオープン駆動すること
を特徴とする。
【0037】更に、本発明による情報記録再生装置は、
前記速度検出手段は、前記反転位置検出手段の出力を時
間微分することにより前記速度を求めることを特徴とす
る。
【0038】更に、本発明による情報記録再生装置は、
前記反転位置検出手段は、発光素子と受光素子からなる
1組以上のフォトインタラプタからなり、前記キャリッ
ジまたは前記ヘッドに固着された遮光板が、前記フォト
インタラプタの前記発光素子と前記受光素子との間を、
通過することによって、前記フォトインタラプタが、前
記反転位置における位置信号を出力することを特徴とす
る。
【0039】更に、本発明による情報記録再生装置は、
前記速度サーボ制御の目標速度を、前記キャリッジまた
は前記ヘッドの現在位置から反転位置までの距離に応じ
て算出することを特徴とする。
【0040】更に、本発明による情報記録再生装置は、
前記速度サーボ制御の目標速度を、等加速度運動に基づ
き算出することを特徴とする。
【0041】更に、本発明による情報記録再生装置は、
前記等加速度運動における加速度を逐次修正して最適値
に収束させる手段を備えることを特徴とする。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の光学的情
報記録再生装置の可動ヘッド駆動回路を示したブロック
図を図5に示す。その中の可動ヘッド駆動回路54の具
体的な構成例を図6に示す。本実施形態では、図8で説
明した光カードを記録媒体として使用するものとする。
【0043】図6は可動ヘッド駆動回路54の一例を示
したブロック図である。図6において、1は図5に示し
た可動ヘッドであり、その上部には遮光板14、エンコ
ーダ2が取り付けられている。
【0044】エンコーダ2は、可動ヘッド1の移動速度
及び移動距離を検出するためのもので、その側部には一
定間隔おきにスリットが形成されたスリット板15が設
けられている。スリット板15は可動ヘッド1の走査方
向に沿って設けられていて、エンコーダ2から可動ヘッ
ド1が一定距離を移動するごとに信号が出力される。
【0045】次に、7は図5に示した主制御装置であ
る。16はエンコーダ2の出力信号を矩形波に整形する
ための波形整形回路であり、波形整形された信号は、割
り込み信号として主制御装置7へ入力される(以降、エ
ンコーダ割り込み信号と称す)。この信号をカウントす
ることにより可動ヘッド1の移動距離が測定される。ま
た、この信号は速度に応じて周期が変化し、周期をタイ
マ8により計測することで、可動ヘッド1の移動速度が
測定される。タイマ8は図示しないクロックでカウント
を行うデジタルタイマであり、そのクロックの周波数は
可動ヘッド1が高速移動中に発生するエンコーダ割り込
み周期に対応した周波数と比較して非常に高く設定され
ている。
【0046】一方、図6において、リニアモータ13の
駆動回路を説明すると、リニアモータ13を制御する制
御信号はD/A変換器10によりアナログ電圧に変換さ
れ、位相補償器11を経て、リニアモータ13の駆動電
圧を電力増幅するためのドライバ12へ送られる。この
D/A変換器10は、0−5Vの出力範囲を持っている
が、ドライブ回路出力の0Vに対応した電圧はその中心
値の2.5Vに設定されている。これにより駆動力は、
D/A変換器10への出力値が中心値2.5Vを基準に
して高いか低いかによって、L(左)またはR(右)方
向への駆動方向をも同時に制御できるようになってい
る。
【0047】図6において、3及び4は可動ヘッド1が
反転位置に達したことを検出するための反転位置センサ
である。即ち、可動ヘッド1には前述のように遮光板1
4が取り付けられており、可動ヘッド1がL方向または
R方向に移動し、遮光板14の端部が反転位置センサの
位置3または4まで移動すると、反転位置センサ3また
は4の出力によって可動ヘッド1が走査端部に到達した
ことが検知される。走査をしていない時には、可動ヘッ
ド1は後述する位置制御によりこの反転位置に停止制御
されていることとなる。
【0048】反転位置センサ3及び4の出力信号は、同
時に両方の信号を読み込んで制御する必要が無いので、
二者択一する反転位置センサ選択スイッチ5により選択
するスイッチが設けられている。主制御装置7の指示に
より選択された反転位置センサ3もしくは4のいずれか
の信号はA/D変換器6によりデジタル信号に変換され
て主制御装置7に読み込まれる。
【0049】図4は反転位置センサ3及び4の具体的構
成、及び、遮光板14が通過する時のそれらの反転位置
センサ出力信号の変化を示した図である。反転位置セン
サ3及び4は図4(a)に示すように、発光ダイオード
DとフォトトランジスタQを組合わせたフォトインタラ
プタから構成されている。そして、遮光板14は反転位
置センサ3,4の発光ダイオードDとフォトトランジス
タQの間をL方向とR方向に移動するように構成されて
いる。
【0050】遮光板14が反転位置センサ4の間を通過
する時の反転位置センサ4の出力信号Exを図4(b)
に示しており、遮光板14が無い完全透過状態では、電
源電圧Vccとほぼ等しくなる。透過光は、この状態から
遮光板14がL方向に移動し、遮光板14の端部がセン
サ内にさしかかった位置から徐々に変化し、反転位置セ
ンサ4の遮光板移動方向における中点位置に達した場
合、フォトトランジスタQの光電流は反転位置センサ4
の完全透光時の半分になり、その出力信号Exの電圧は
電源電圧Vccのほぼ1/2となる。更に、遮光板がL方
向に移動し続け、反転位置センサ4が遮光板14で完全
に遮光されている時はフォトトランジスタQがオフにな
るため、その出力信号Exの電圧は、ほぼ0Vとなる。
したがって、出力信号Exの電圧がVccから0Vに変化
する範囲では、その出力信号Exの電圧は遮光板14の
位置が可動ヘッド1の位置情報を示す。この位置情報を
利用することにより、この範囲においては、可動ヘッド
1の位置制御が可能である。
【0051】上記の出力信号Exの電圧が電源電圧Vcc
の1/2となる位置は、遮光板14の端部が検知され、
可動ヘッド1がL方向の目標位置に到達した時である。
【0052】次に、可動ヘッド駆動回路54における走
査の動作を図6及び図7に基づいて説明する。まず、主
制御装置7は初期状態のA点においては、走査をしてい
ない時の可動ヘッド1への処理として、可動ヘッド1が
位置制御サーボによりこの反転位置に停止するように制
御されている。主制御装置7は、A点において反転位置
センサ選択スイッチ5を反転位置センサ3側に切り替え
ている。そして、定期的にA/D変換器6の出力の読み
込みを行い、反転位置センサ停止目標位置と可動ヘッド
1の現在位置との間の位置誤差量に対し、ゲインを乗算
し、位置サーボが行われるようにD/A変換器10へ対
応した速度信号を出力する制御ループが構成されてい
る。
【0053】この状態から、走査の加速を開始する時、
主制御装置7は、まず位置制御ループを切り、可動ヘッ
ド1をL方向へ送るべく、最大電圧に近い電圧をD/A
変換器10へ出力する。これによってドライバ12で電
力増幅された加速用コイル駆動電圧(図7(b))がリ
ニアモータ13に印加され、可動ヘッド1はこのオープ
ン駆動力により図7(a)に示す如く加速され、L方向
へ送られる。
【0054】そして、可動ヘッド1の加速中に、まず主
制御装置7は、反転位置センサ3の状態をA/D変換器
6からの入力により監視し、所定の電圧以上(図7
(d))に達するB点を検出する。このB点は反転位置
センサ3を脱出した位置を表し、このB点の位置からエ
ンコーダのカウントを開始する。エンコーダのカウント
は、この後割り込み発生の度にインクリメントされる。
このカウント数を以降エンコーダカウンタと称す。エン
コーダカウンタはB点を基準とした可動ヘッド1の位置
情報となる。
【0055】そして、その後、主制御装置7は、エンコ
ーダ割り込み信号の周期をタイマ8を用いて計測するこ
とにより、可動ヘッド1の平均移動速度を求め、検出す
ることができる。こうして、主制御装置7は、走査目標
速度値kの90%に到達するC点を監視する。
【0056】C点を検出した主制御装置7は、ここか
ら、等速制御ループを構成し、可動ヘッド1が一定速度
で走査するように制御を切り替える。この際、主制御装
置7が定期的に、エンコーダ割り込み信号の周期計測に
よって得られる可動ヘッド1の平均移動速度と目標速度
kとの間の速度エラー量にゲインを乗算し、この乗算結
果をD/A変換器10へ出力し、制御ループを構成する
ことにより等速サーボが行われる。これにより走査速度
は徐々に目標速度kに近づく。また、主制御装置7はC
点で反転位置センサ選択スイッチ5の接点を反転位置セ
ンサ4を選択するように切り替える(図7(e))。こ
れは、C点を検出した時には可動ヘッド1はL方向へ移
動しているため、左側にある次回の停止位置を検出する
反転位置センサ4を選択しておくためである。
【0057】制御モードが加速制御モードから速度制御
モードに切換わってから、可動ヘッド1は、やがて速度
が走査目標速度値kとなるD点に達する。なお、速度制
御モードにおいては、カードトレー24上に載置された
光カードCを可動ヘッド1からの光ビームが一定速度で
走査しており、この速度制御期間に情報トラック上の情
報の記録/再生が行われる。ここでは、その詳細につい
ては省略する。
【0058】そして、主制御装置7は情報の記録、また
は再生が終了した後、可動ヘッド1を停止させるために
減速開始位置E点の検出を行う。減速開始位置E点を検
出した主制御装置7は、速度制御ループを切り、可動ヘ
ッド1をR方向へ加速(L方向でみると減速)するべ
く、ほぼ最大電圧をD/Aへ出力する。即ち、これよっ
てドライバ12で電力増幅された減速用コイル駆動電圧
(図7(b))がリニアモータ13に印加され、可動ヘ
ッド1はこのオープン駆動力により図7(a)に示す如
くブレーキがかかり減速されていく。
【0059】主制御装置7は、減速中に、可動ヘッド1
の速度が低速駆動速度mまで減速したF点を検出する。
この時の低速駆動速度mは、後の停止制御ループを行う
に当たって停止制御の引き込みが行えるために規定した
突入速度である。F点を検出したらその低速駆動速度m
を維持できるだけの電圧nをL方向に印加して可動ヘッ
ド1を反転位置センサ4に送り込んでやる。これによ
り、可動ヘッド1はL方向へ低速で移動し続けることと
なり、やがて、反転位置センサ4に遮光板14が遮光し
たことがA/D変換器6の信号で確認できる。
【0060】そして、主制御装置7はG点において反転
停止位置を検出した主制御装置7は、走査をしていない
時の可動ヘッド1への処理として、位置制御ループを構
成し、可動ヘッド1が反転位置センサ4の位置に停止す
るように制御を行う。こうして、位置制御ループが動作
し、可動ヘッド1は自動的にL方向の目標位置に停止す
る。以上で可動ヘッド1のL方向への移動が終了するな
お、主制御装置7は可動ヘッド1をR方向へ送る場合も
同様の制御を行う。
【0061】可動ヘッド駆動回路54は、情報トラック
に情報を記録再生する可動ヘッド1を、情報トラックに
沿って走査させる回路であり、可動ヘッド1の速度、位
置を制御する。制御時に必要な可動ヘッド1の位置情報
は、エンコーダ1から得ているが、反転位置近傍におい
ては、更に、反転位置センサ3もしくは4から得てい
る。また、制御時に必要な可動ヘッド1のスピード信号
は、エンコーダ1からのパルスの周期をタイマ8で計測
することにより得ているが、反転位置近傍においては、
更に、反転位置センサから得られる位置情報をタイマ8
を用いて時間微分することにより得ている。可動ヘッド
駆動回路54のコントロール部分は主制御装置7の中に
組み込まれており、制御のための演算はこの中で行われ
る。可動ヘッド駆動回路54の出力信号は、可動ヘッド
を載置するリニアモータへの速度指令信号であるが、主
制御装置7より出力される速度指令信号は、DA変換器
10、位相補償器11、ドライバ12を介して、リニア
モータ13へ出力される。また、本実施形態では、図8
で説明した光カードを記録媒体として使用するものとす
る。
【0062】図6における反転位置センサ3及び4は、
可動ヘッド1の位置制御のみならず、可動ヘッド1の反
転位置センサへの突入速度を検出するためのセンサとし
ても働く。反転位置センサ3及び4の出力値から遮光板
14の位置情報を電圧値で得られることにより、出力電
圧値Exに電圧距離換算係数を乗算して距離を求めるこ
とができる。また、単位時間あたりの移動距離を求める
ことにより移動速度を検出することができる。
【0063】本実施形態において、反転位置センサ3、
4の出力信号Exの電圧が電源電圧Vccの1/2となる
位置を、走査していない時に施される可動ヘッド1の位
置を制御する位置制御ループにおける、反転位置センサ
停止目標位置L0とする。
【0064】ただし、反転位置センサ停止目標位置L0
を、可動ヘッド1の走査エリアに対して、これより外側
の位置に設定することにより、反転位置センサ3,4が
可動ヘッド1の速度を検出できるエリアを広げることが
できるので、そのように設定しても良い。
【0065】一方、遮光板14がR方向に移動した場合
の減速制御において、反転位置センサ選択スイッチ5が
反転位置センサ3を選択することにより、L方向の場合
と同様の出力信号が得られる。
【0066】次に、本実施形態における可動ヘッド駆動
回路54の走査の動作を図1に基づいて説明する。図1
は走査動作を説明するためのタイムチャートであり、
(a),(b),(c),(d),(e)の表すものは
従来例の図7のものと同一である。まず、加速から可動
ヘッド1の速度が低速駆動速度mまで減速したF点を検
出するまでの制御は、図7を用いて詳しく説明した従来
例と同様であるので説明を省略する。以下に、可動ヘッ
ド1の速度が低速駆動速度mまで減速したF点を検出し
た後の制御について説明する。
【0067】図1において、可動ヘッド1の速度が低速
駆動速度mまで減速したF点を検出した後、主制御装置
7は、その低速駆動速度mを維持できるだけの電圧nを
L方向に印加して可動ヘッド1を反転位置センサ4に送
り込んでやる。これにより、可動ヘッド1はL方向へ低
速で移動し続けることとなる。やがて、反転位置センサ
4の発光ダイオードの光を遮光板14が遮光したことが
A/D変換器6の出力信号で確認できる。
【0068】主制御装置7は、A/D変換器6の信号を
監視し、反転位置センサ4へ可動ヘッド1が突入する位
置を検出する。この突入位置を図1に示すようにF2と
して表す。突入位置F2を検出するための突入検出閾値
Eiは、例えば、反転位置センサ4の完全透過時出力電
圧の90%というように設定される。この閾値Eiは、
電源投入時等に測定された完全透過時出力電圧から算出
され、主制御装置7内のレジスタなどに記憶しておく。
【0069】F2を検出した後、主制御装置7は定期的
なタイマ割り込みイベントを発生させ、停止に至るまで
の工程に対して減速プロファイルを描き、それに対する
速度サーボループを構成し、停止位置に到達する速度を
0mm/sに近い微速になるように制御する。
【0070】この、速度サーボの実施形態について、以
下に詳細に説明する。なお、本実施形態では、デジタル
サーボで、速度サーボループを構成することによる実施
形態を説明するが、アナログサーボで速度サーボループ
を構成することも可能である。
【0071】停止目標位置L0における反転位置センサ
4の出力電圧をEtとし、突入検出位置における反転位
置センサ4の出力電圧をEiとし、反転位置センサ4の
出力電圧に対する電圧距離換算係数をklとする。
【0072】以上から、突入検出位置から停止目標位置
L0までの距離Liは Li=(Ei−Et)×kl で求めることができる。
【0073】[第1の実施形態]図1のF2を検出した
主制御装置7は、反転位置センサ4の出力信号をA/D
変換器6にて読み込み、メモリにE0として保存してお
く。そして、タイマ8を起動し、定期的に複数回の割り
込みイベントを発生させる。たとえば、200μS間隔
で30回と設定すると、6mSの速度サーボエリアを構
成することとなる。減速プロファイルの算出について
は、現在の反転位置センサ4の出力電圧をExとする
と、 Lx=(Ex−Et)×kl を用いて、現在位置から停止目標位置L0までの距離L
xを求めることができる。その位置での目標速度Vx
は、 Vx=m×Lx÷Li ・・・(1) として求めることにより、現在位置から目標位置L0ま
での距離Lxに応じて目標速度Vxを算出することがで
きる(突入速度は図1(a)における低速駆動速度
m)。図2に現在位置から目標位置L0までの距離Lx
と目標速度Vxとの関係をグラフ化して図示する。
(1)式に示すように目標位置L0までの距離に応じて
目標速度を定めることにより、目標位置L0までの距離
が0に近づくにつれて、目標速度が0に近づくので、ス
ムーズに停止する位置(速度がゼロになる位置)が目標
位置L0になるように制御できることとなる。
【0074】以下、タイマーにより発生された割り込み
イベント内の速度サーボループの処理について詳細に説
明する。
【0075】タイマ割り込みにより発生される速度サー
ボループの処理ルーチン内では、まず、反転位置センサ
4の出力信号をA/D変換器6にて読み込み、その値を
En(初めの1回目であればE1)とする。この時の可
動ヘッド1の移動速度Vnは、次式 Vn=(En−E(n−1))×kl÷200μS を用いて求めることができる。また、Enより、その位
置での目標速度Vtは、次式 Vt=m×(En−Et)×kl÷Li を用いて求めることができる。可動ヘッド1の実際の移
動速度Vnとその位置での目標速度Vtから速度エラー
量Veは、次式 Ve=Vn−Vt より求めることができる。
【0076】この速度エラー量Veにサーボ比例ゲイン
及びサーボ積分ゲインを乗じた結果得られる可動ヘッド
駆動出力値VoをD/A変換器10に出力する。図6に
示すように、反転位置近傍での速度サーボループは、速
度エラー量Veにこのサーボ比例ゲイン及びサーボ積分
ゲインを乗じる主制御装置7内の演算部、D/A変換器
10、位相補償器11、ドライバ12、リニアモータ1
3、反転位置センサ4、反転位置センサ選択スイッチ
5、A/D変換器6、A/D変換器からの入力に電圧距
離換算係数を乗算して位置を出力する主制御装置7内の
演算部、タイマ計測により位置より速度を算出する主制
御装置7内の演算部より構成される。
【0077】可動ヘッド駆動出力電圧値Voは次式で求
めることができる。
【0078】比例ゲインをGp、積分ゲインをGi、サ
ンプリング時間をT(本実施形態では200μS)、更
に、比例エラー出力値をVi、前回の比例エラー出力値
をVip、前回の速度エラー量をVepとすると、 Vi=Vip+(Gi×T×Vep) Vo=Ve×Gp+Vi そして出力終了後に、次回の算出のためにVip=V
i、Vep=Veとして、VipとVepを保存してお
く。なお、前回の比例エラー出力値Vip及び前回の速
度エラー量Vepの初期値は0としてよい。
【0079】以上のような割り込みファンクションを2
00μS間隔で30回起動することにより、可動ヘッド
1には減速の速度サーボがかかり、停止目標位置L0に
到達する時には速度がほぼ0mm/Sにすることが実現
できる。
【0080】最後に、主制御装置7はG点において走査
をしていない時の可動ヘッド1への処理として、可動ヘ
ッドの位置を表す反転位置センサ4の出力信号電圧Ex
に基づく位置制御ループを構成し、反転位置センサ4有
効範囲内の目的位置L0に停止するように制御を行う。
こうして、位置制御ループが動作し、可動ヘッド1は自
動的にL方向の目標位置L0に停止する。以上で可動ヘ
ッド1のL方向への移動が終了する。なお、図6に示す
ように、反転位置近傍での位置サーボループは、現在位
置から目標停止位置L0までの距離Lxにサーボ比例ゲ
インを乗じる主制御装置7内の演算部、D/A変換器1
0、位相補償器11、ドライバ12、リニアモータ1
3、反転位置センサ4、反転位置センサ選択スイッチ
5、A/D変換器6、A/D変換器からの入力に電圧距
離換算係数を乗算して位置を出力する主制御装置7内の
演算部より構成される。
【0081】なお、主制御装置7は可動ヘッド1をR方
向へ送る場合も、減速開始位置をR方向走査用の位置に
替え、反転位置センサ選択スイッチ5を反転位置センサ
3側へ切り替えて、同様の制御を行う。この場合、図1
の(a)に示す走査速度、(b)に示すコイル駆動電
圧、(e)に示す反転センサ選択スイッチ制御信号の極
性は、逆になる。
【0082】速度プロファイルの算出方法について、第
1の実施形態では目標位置L0までの距離に応じて目標
速度を求める方法を説明したが、目標速度を定める方法
はその限りではない。
【0083】[第2の実施形態]第2の実施形態とし
て、時間による減速プロファイルを設定する方法を説明
する。第2の実施形態では、時間の経過に比例して目標
速度が減少していくような減速プロファイルを設定す
る。速度が時間の経過に比例して減少していくので、そ
の時間微分である加速度は一定である。すなわち、この
減速プロファイルは、等加速度運動が行われるように設
定されている。
【0084】目標速度の算出方法以外の処理について
は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0085】第1の実施形態と同様に200μS間隔で
30回の速度サーボループを構成すると、突入検出閾値
を検出した時の突入速度は図1における低速駆動速度m
で、この速度を維持して移動しているはずなので、合計
30回のサンプリングで最終速度を0にするためには、
1回の割り込みイベント当たりの減速量Vdは、Vd=
m÷30となり、減速プロファイルは割り込みイベント
番号をXとするとVx=m−Vd×Xで求められる。図
3に時間経過と目標速度の関係のグラフを示す。
【0086】速度プロファイルを、このように時間の経
過に比例して減少していくように算出しても第1の実施
形態と同様の効果が得られる。第1の実施形態に比べて
第2の実施形態の方が制御を簡単に行えるが、第2の実
施形態では速度を位置の関数とせずに制御しているため
に、停止した位置が目的の位置であるようにするために
は、停止位置を計測して、それをフィードバックして、
減速プロファイルにおける加速度を修正することが必要
な場合がある。具体的には、目標の速度、及び、現在速
度が、速度制御モードの最終イベントで、ゼロに近づい
た時に、現在位置を検出して、その検出値と、目的の位
置とに開きがあれば、それを縮める方向に、減速プロフ
ァイルにおける加速度を修正し、次回の走査時に、その
減速プロファイルを使用するという動作を繰り返してい
けば、速度制御モードが終了した時点で、目的の反転位
置で速度がゼロになるように、減速プロファイルを最適
値に収束させることができる。減速プロファイルにおけ
る加速度を修正する方法について説明すると、式Vx=
m−Vd×Xで表される減速プロファイルにおいて、1
回の割り込みイベント当たりの減速量Vdは、Vd=m
÷30で表されているが、例えば、この式において、除
数30を、停止位置が目標位置L0よりも手前であれ
ば、インクリメントし、停止位置が目標位置L0よりも
行き過ぎであれば、デクリメントすればよい。または、
このインクリメント、デクリメントの処置が粗すぎるの
であれば、減速量Vdを直接修正してもよい。また、1
回の割り込みイベント当たりの減速量Vdを変化させる
のに応じて、割り込みイベント数を調整する。
【0087】なお、主制御装置7は可動ヘッド1をR方
向へ送る場合も、減速開始位置をR方向走査用の位置に
替え、反転位置センサ選択スイッチ5を反転位置センサ
3側へ切り替えて、同様の制御を行う。この場合、図1
の(a)に示す走査速度、(b)に示すコイル駆動電
圧、(e)に示す反転センサ選択スイッチ制御信号の極
性は、逆になる。
【0088】なお、上記の実施の形態では、カード状の
情報記録媒体と光ヘッドを用いた光学的情報記録再生装
置について説明したが、記録再生方式は光学方式に限定
されるものではなく、本発明は、トラックに終端位置を
持つ方式であればどのような形態の情報記録再生装置に
も適用できる。例えば、カード状の磁気媒体と磁気ヘッ
ドを用いた磁気情報記録再生装置、光磁気カードと光磁
気ヘッドを用いた光磁気情報記録再生装置、トラックに
終端のあるディスクなどにも適用できる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、移
動速度が走査速度から低速駆動速速度になるまでの減速
駆動がオープン駆動であっても、停止位置への突入速度
が安定することが保証されることになり、完全に停止す
るまでの時間が短縮され、かつ、停止位置へ達する時に
速度をほぼ0mm/Sにすることができるので、オーバ
ーランをなくすことが可能になる。これにより、高価な
部品を追加することもなく、走査全体のスループットを
向上する理想的な減速制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における図6に示す可動ヘッ
ド駆動回路の動作を説明するためのタイムチャートであ
る。
【図2】本発明の第1の実施形態で使用する減速プロフ
ァイルのグラフである。
【図3】本発明の第2の実施形態で使用する減速プロフ
ァイルのグラフである。
【図4】本発明の反転位置センサ3及び4の具体的な構
成図である。
【図5】本発明及び従来例における光カードを用いた情
報記録再生装置の一例を示した構成図である。
【図6】本発明及び従来例における図5に示す情報記録
再生装置の可動ヘッド駆動回路を詳細に示したブロック
図である。
【図7】従来例における図6に示す可動ヘッド駆動回路
の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明及び従来例における光カードの一例を示
した図である。
【図9】従来例における図6Bの装置の可動ヘッド駆動
回路のブロック図である。
【図10】本発明と従来例における可動ヘッド駆動回路
の動作の概略を説明するためのタイムチャートである。
【図11】従来例における減速開始目標位置待ち処理を
詳細に示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 可動ヘッド 2 エンコーダ 3,4 反転位置センサ 7 主制御装置 8 タイマ 9 不揮発性メモリ 13 リニアモータ 14 遮光板 16 波形整形回路 54 可動ヘッド駆動回路 C 光カード

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録媒体を載置するキャリッジ、ま
    たは前記記録媒体に情報を記録再生するヘッド、のいず
    れか一方を往復移動させることにより、記録再生信号を
    前記記録媒体の情報トラック上に走査させ、情報を記録
    または再生する情報記録再生装置において、 前記キャリッジまたは前記ヘッドの反転位置近傍におけ
    る位置信号を検出する反転位置検出手段と、 前記反転位置近傍での前記キャリッジまたは前記ヘッド
    の速度を検出する速度検出手段と、 前記反転位置へ前記キャリッジまたは前記ヘッドを減速
    移動する際に、前記反転位置近傍において前記速度検出
    手段の出力に基づく速度サーボ制御を行う速度制御手段
    とを備えること特徴とする情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の情報記録再生装置にお
    いて、減速移動する際に、前記反転位置近傍以外におい
    ては前記キャリッジまたは前記ヘッドをオープン駆動す
    ることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】 前記速度検出手段は、前記反転位置検出
    手段の出力を時間微分することにより前記速度を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記反転位置検出手段は、発光素子と受
    光素子からなる1組以上のフォトインタラプタからな
    り、前記キャリッジまたは前記ヘッドに固着された遮光
    板が、前記フォトインタラプタの前記発光素子と前記受
    光素子との間を、通過することによって、前記フォトイ
    ンタラプタが、前記反転位置における位置信号を出力す
    ることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記速度サーボ制御の目標速度を、前記
    キャリッジまたは前記ヘッドの現在位置から反転位置ま
    での距離に応じて算出することを特徴とする請求項1に
    記載の情報記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記速度サーボ制御の目標速度を、等加
    速度運動に基づき算出することを特徴とする請求項1に
    記載の情報記録再生装置。
  7. 【請求項7】 前記等加速度運動における加速度を逐次
    修正して最適値に収束させる手段を備えることを特徴と
    する請求項6に記載の情報記録再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8090469B2 (en) 2005-03-14 2012-01-03 Ricoh Company, Ltd. Printing medium conveying apparatus and printing medium conveying method

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US8090469B2 (en) 2005-03-14 2012-01-03 Ricoh Company, Ltd. Printing medium conveying apparatus and printing medium conveying method

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