JPH10301119A - 液晶配向膜用組成物、液晶配向膜、液晶挾持基板及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向膜用組成物、液晶配向膜、液晶挾持基板及び液晶表示素子

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JPH10301119A
JPH10301119A JP10902097A JP10902097A JPH10301119A JP H10301119 A JPH10301119 A JP H10301119A JP 10902097 A JP10902097 A JP 10902097A JP 10902097 A JP10902097 A JP 10902097A JP H10301119 A JPH10301119 A JP H10301119A
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JP
Japan
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liquid crystal
structural unit
alignment film
crystal alignment
composition
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Application number
JP10902097A
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English (en)
Inventor
Toshinori Tagusari
寿紀 田鎖
Mitsuo Katayose
光雄 片寄
Yoshihiro Miya
好宏 宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々のプレチルト角の液晶配向膜を容易に得
ることができ、長期にわたり安定な液晶配向膜用組成
物、この液晶配向膜を有する液晶挟持基板及びこの液晶
挟持基板を有する液晶表示素子提供する。 【解決手段】 プレチルト角が異なる液晶配向膜用化合
物を混合してなり、プレチルト角が異なる液晶配向膜用
化合物それぞれが、同じ構造単位を含むコポリマーであ
って、このコポリマーが一般式(I)で示される構造単
位Aと、一般式(II)で示される構造単位Bを含むコポ
リマーである液晶配向膜用組成物、液晶表示素子用基板
上に前記液晶配向膜を有する液晶挟持基板及びこの液晶
挟持基板の液晶配向膜間に液晶を挟持してなる液晶表示
素子。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜用組成
物、液晶配向膜、液晶挟持基板及び液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は軽量化及び薄膜化
が可能で、しかも消費電力が小さく、カラー化が容易で
あること等の利点から、パーソナルコンピュータ、ワー
ドプロセッサなどのディスプレイとして用いられてい
る。液晶表示素子には、ツイストマグネチック(TN)
タイプ、スーパーツイストネマチック(STN)タイ
プ、薄膜トランジスタ(TFT)又はメタルインシュレ
ータメタル(MIM)を用いたアクティブマトリックス
タイプなどが知られている。最近は、カラー化が容易で
かつ良好な視覚特性が得られるSTN方式及び高精細で
表示応答速度が速いアクティブマトリックスタイプが注
目を集めている。
【0003】表示を高品位とするために画素が高密度化
し、画素の隅に発生するリバースチルトドメインと呼ば
れる配向欠陥が問題となる。このリバースチルトドメイ
ンを抑えるためには、ある程度のプレチルト角が必要で
ある。要求されるプレチルト角はパネルの機種により異
なるが、配線密度に依存し、配線密度が高くなるほど高
いプレチルト角である必要があるとされている。例え
ば、汎用のOAパネル用では2〜3°のプレチルト角で
よいとされるが、配線密度の高い高精細OAパネル用で
は4°程度、さらに、基板サイズが小さく配線密度がよ
り高いプロジェクタ用では7°程度という高いプレチル
ト角が要求される。また、最近要求が多くなっている広
視野角パネル用では、配向分割方式が採用され、4〜8
°程度の高プレチルト角と1°程度の低プレチルト角の
2種類が要求される。この要求に対して、従来は、それ
ぞれのプレチルト角を示す配向剤を合成するようにして
いた。それぞれのプレチルト角を示す配向剤を合成する
ためには、その度毎に、配向剤を合成するためのモノマ
の探索、配合割合の最適化及び合成条件の検討をする必
要があり、そのために多大な時間と労力を費やす必要が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1又は2におけ
る発明は、種々のプレチルト角の液晶配向膜を容易に得
ることができ、長期にわたり安定な液晶配向膜用組成物
を提供するものである。請求項3における発明は、容易
に調整されたプレチルト角を有し、しかも、作成にあた
って安定性が優れる液晶配向膜を提供するものである。
請求項4における発明は、この液晶配向膜を有する液晶
挟持基板を提供するものである。請求項5における発明
は、この液晶挟持基板を有する液晶表示素子提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プレチル
ト角の調整方法について種々検討し、プレチルト角が異
なる液晶配向膜用化合物を混合することにより、混合し
た液晶配向膜用化合物の中間のプレチルト角を示すこと
を見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は、プレ
チルト角が異なる液晶配向膜用化合物を混合してなり、
プレチルト角が異なる液晶配向膜用化合物それぞれが、
同じ構造単位を含むコポリマーであって、このコポリマ
ーが一般式(I)で示される構造単位Aと、一般式(I
I)で示される構造単位Bを含むコポリマーである液晶
配向膜用組成物に関する。
【0006】
【化5】 (ただし、式中、nは6〜22の整数を示す)
【化6】 (ただし、式中、Aは、
【化7】 を示し、Bは、
【化8】 を示す)
【0007】一般式(I)における繰返し数nの値は、
6〜22であるのが好ましい。プレチルト角を高くする
ためには適度の疎水性が必要であるからである。
【0008】プレチルト角が異なる液晶配向膜用化合物
それぞれが、同じ構造単位からなるコポリマーであって
も、ポリマーシーケンスが異なると、プレチルト角が異
なり、かつこのような化合物はポリマーシーケンスが異
なっていても相溶性がよく、経時的に分離せず、長期に
わたって特性が変化しないので好都合である。
【0009】前記構造のポリアミド酸は、構造単位Aと
構造単位Bのブロック化度を変えることにより様々なプ
レチルト角を示す液晶配向膜用化合物が得られる。
【0010】そこで、本発明は、また、前記の液晶配向
膜用組成物において、液晶配向膜用化合物が、構造単位
Aと構造単位Bとのモル比が、構造単位Aが5〜95、
構造単位Bが95〜5であるものに関する。これによ
り、広い範囲でプレチルト角を調整することができる。
この、液晶配向膜用化合物は、構造単位Aが5〜50に
対して、構造単位Bが95〜50であるのが材料の特徴
から使用しやすいのでより好ましく、構造単位Aが10
〜40に対して、構造単位Bが90〜40であるのがさ
らに好ましい。
【0011】本発明は、また、前記液晶配向膜用組成物
を配向剤とする液晶配向膜に関する。この液晶配向膜
は、前記の液晶配向膜用組成物を適宜の方法で透明電極
を形成したガラス基板上に塗布硬化させて製造できる。
本発明は、また、ガラス基板等の液晶表示素子用基板上
に上記の液晶配向膜を有する液晶挟持基板に関する。本
発明は、また、上記の液晶挟持基板の液晶配向膜間に液
晶を挟持して液晶表示素子に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】前記構造単位A及び構造単位Bを
含むポリアミド酸は、一般式が化13で示される長鎖メ
チレン基含有酸二無水物、1,4−フェニレンジアミン
及び1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカル
ボン酸二無水物若しくは1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,
3−ジオンを反応させることによって製造することがで
きる。
【0013】前記構造単位A及び構造単位Bを含むポリ
アミド酸のブロックコポリマーは、一般式が〔化9〕で
示される長鎖メチレン基含有酸二無水物と1,4−フェ
ニレンジアミンとを、仕込みモル比を調整して反応させ
てプレポリマーを得、その後、このプレポリマーと1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
二無水物若しくは1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジ
オン(〔化10〕で示される化合物)と1,4−フェニ
レンジアミン若しくは4,4′−ジアミノジフェニルメ
タンとを反応させることによって得られる。プレポリマ
ーを生成する反応において、長鎖メチレン基含有酸二無
水物の仕込みモル比を大とすると、酸無水物両末端のプ
レポリマーとなり、1,4−フェニレンジアミンの仕込
みモル比を大とすると、アミン両末端のプレポリマーと
なる。
【0014】
【化9】 (ただし、nは6〜22の整数である)
【0015】
【化10】
【0016】同様に、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シ
クロヘキサンテトラカルボン酸二無水物若しくは1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−C]フラン−1,3−ジオンと1,4−フェ
ニレンジアミン若しくは4,4′−ジアミノジフェニル
メタンとを、仕込みモル比を調整して反応させてプレポ
リマーを得、その後、このプレポリマーと一般式が〔化
9〕で示される長鎖メチレン基含有酸二無水物と1,4
−フェニレンジアミンとを反応させることによってもポ
リアミド酸のブロックコポリマーを得ることができる。
【0017】また、一般式が〔化9〕で示される長鎖メ
チレン基含有酸二無水物と1,4−フェニレンジアミン
とを、仕込みモル比を調整して反応させてプレポリマー
を得、これとは別に1,2,3,4−シクロペンタンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキ
サンテトラカルボン酸二無水物1,2,4,5−シクロ
ヘキサンテトラカルボン酸二無水物若しくは1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−C]フラン−1,3−ジオンと1,4−フェニレンジ
アミン若しくは4,4′−ジアミノジフェニルメタンと
を、仕込みモル比を調整して、一般式が〔化9〕で示さ
れる長鎖メチレン基含有酸二無水物と1,4−フェニレ
ンジアミンとのプレポリマーとは両末端が異なるプレポ
リマーを得、両プレポリマーを反応させることによって
もポリアミド酸のブロックコポリマーを得ることができ
る。
【0018】また、一般式が〔化9〕で示される長鎖メ
チレン基含有酸二無水物と、1,2,3,4−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物若しくは1,2,4,
5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物との溶解
性の差を考慮した上で、これらの酸二無水物と1,4−
フェニレンジアミンとの反応速度ができるだけ等しくな
るようにして反応させると、ポリアミド酸のランダムコ
ポリマーが得られる。
【0019】以上のポリアミド酸の製造において、ジア
ミンの一部にシリコンジアミンを使用してもよい。シリ
コンジアミンとしては、例えば、1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)−1,1,1−テトラフェニルジシロキ
サン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,
1−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−ア
ミノブチル)−1,1,1−テトラメチルジシロキサン
等がある。シリコンジアミンを使用するときは、ジアミ
ンの総量に対して、0.1〜10モル%使用することが
好ましい。シリコンジアミンの使用により、得られるコ
ポリマーの基板に対する密着性が向上する。
【0020】プレチルト角の発現は、ブロックコポリマ
ーのミクロ相分離に深く関与するので、プレチルト角の
大きさはブロックコポリマーを用いて形成された配向膜
表面の相分離状態(ラメラ構造、海島構造、海島構造の
微細度、島部分の比率など)に依存する。すなわち、島
部分を構成するブロックセグメントの重量分率が大きく
微細な島部分が形成される相分離状態では、高いプレチ
ルト角が発現する。微細なしま部分を形成させるために
は、ブロックセグメントを形成するモノマの極性、柔軟
性などの分子構造を考慮して合成条件を適宜設定するこ
とにより、ブロックセグメント長を最適化することが好
ましい。最も好ましいブロックコポリマーの一つは、一
般式が〔化11〕で示されるブロックポリマーである。
なお、膜強度の観点から、〔化11〕において、k及び
lは、kとlとの和が10より大となるように選ばれる
ことが好ましい。また、kとlとの和の上限は、溶剤に
可溶で成膜性を有することを基準に決めることが好まし
く、特に制限はない。
【0021】
【化11】
【0022】ポリアミド酸コポリマーを生成する反応
は、一般に、有機溶媒中で行われる。使用可能な有機溶
媒としては、反応を阻害しなければよく、他に制限はな
い。特に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ
−ブチロラクトンが好ましい。これらは、単独で、又
は、2種類以上組み合わせて使用される。
【0023】反応は、ジアミンを有機溶媒に溶解させ、
これに所定量のテトラカルボン酸二無水物を徐々に加え
ることによって行われ、反応温度は100℃以下、特に
50℃以下とすることが望ましい。反応温度が高すぎる
と一部にポリイミド結合を生じゲル化という不都合が発
生する場合がある。したがって反応中は、外部冷却によ
り反応系の温度制御を行うことが望ましい。
【0024】前記のポリアミド酸のブロックコポリマー
単独で配向膜を形成すると、プレチルト角の大きい配向
膜が得られる。また、ランダムコポリマー単独で配向膜
を形成すると、プレチルト角は0ないし小さい値を示
す。そして、ポリアミド酸のランダムコポリマーとブロ
ックコポリマーとを混合して配向膜とすることにより、
ランダムコポリマー単独のときのプレチルト角とブロッ
クコポリマー単独のときのプレチルト角の間のプレチル
ト角の配向膜が得られる。
【0025】以上述べたようにして得られたポリアミド
酸は、基板に塗布した後、加熱硬化処理によって脱水閉
環させてポリイミドに転化し、液晶配向膜とする。この
ときの加熱処理温度が、樹脂のガラス転移温度より低い
ときには、イミド化率は加熱硬化処理温度及び加熱硬化
処理時間に依存し、加熱硬化処理温度が高いほど、また
加熱硬化処理時間が長いほどイミド化率が高くなる。し
たがって、100〜300℃で加熱硬化処理するのがよ
く、180〜250℃で加熱硬化処理するのがより好ま
しい。加熱硬化処理の時間は、用いる加熱機器によって
も異なり、ホットプレートの場合には1〜30分間、熱
風乾燥機の場合には30〜120分間の範囲が好まし
い。
【0026】また、溶液状態で加熱処理によって脱水閉
環させてポリイミドに転化した後に、基板に塗布し、液
晶配向膜とする。加熱処理は、100〜350℃、好ま
しくは120〜200℃で行われる。加熱処理に際して
は、トルエン、キシレン等の共沸溶媒を加えて脱水を促
進することも可能である。
【0027】さらに、公知の脱水閉環剤を使用してポリ
アミド酸を脱水閉環させてポリイミドに転化してもよ
い。脱水閉環剤としては、酸無水物、リン酸等が挙げら
れ、ピリジン、トリエチルアミンのようなアミン類、又
は、ジブチルスズジラウリレートのような有機金属錯体
触媒類のような触媒を適宜組み合わせることもできる。
得られたポリイミド溶液は、そのまま使用してもよく、
水、メタノール、エタノールのような貧溶媒で一旦沈で
んさせて単離し、その後再溶解して使用してもよい。再
溶解させる溶媒としては、得られたポリイミドを溶解す
るものであればよく、他に制限はない。再溶解させる溶
媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
γ−ブチロラクトン等が挙げられる。ポリイミドの溶液
を用いるときにも、基板上に塗布した後加熱処理される
が、この加熱処理は、溶媒除去を目的とするものである
から、その温度は、使用した溶媒に依存する。溶媒が揮
散する温度以上であればよい。
【0028】本発明の液晶配向膜用組成物は、あらかじ
めITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極又は窒化珪
素のついたガラス若しくはプラスチックフィルム等の透
明基板上に、スピナー、印刷機等を用いて塗布し、必要
に応じて加熱硬化処理をして、樹脂膜とする。塗布に際
しては、反応に用いた溶媒のほか、濡れ性等の塗膜性を
改善するために、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテルなどのセロソルブ
系溶媒を加えてもよい。
【0029】基板との密着性を良くするために、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリン
グ剤を用いてもよい。液晶配向膜が形成される液晶表示
素子用基板としては、例えば、平滑性の良好なフロリネ
ートガラスなどのガラスの他、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリカー
ボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルイミド、アセチルセルロース、ポリアミノ酸エ
ステル、芳香族ポリアミド等の耐熱性樹脂、ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のビニル系ポリマ、ポリフッ化ビニリデン等の含フ
ッ素樹脂及びそれらの変性体等から形成されたプラスチ
ックフィルム等を挙げることができる。
【0030】基板上に形成されたポリイミド膜は、表面
にラビング処理を施すことによって液晶配向膜として用
いられる。以上説明したようにして得られた液晶配向膜
を有する液晶挟持基板を用いて公知の方法により液晶表
示素子を得ることができる。液晶挟持基板間に挟持され
る液晶としては、液晶表示素子のタイプによって、T
N、STN、TFTそれぞれに適した材料が用いられ
る。両配向膜間の間隙を確保するためにスペーサが使用
される。スペーサとしては、ガラスファイバ、ガラスビ
ーズ、プラスチックビーズ、アルミナやシリカなどの金
属酸化物粒子が用いられる。
【0031】
【実施例】
実施例1 アミド酸ブロックコポリマー(1−B)の製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、1,4−フェニレンジアミン
(以下PPDとする)0.71gをN−メチル−2−ピ
ロリドン(以下NMPとする)48gに溶解し、前記
〔化9〕においてn=10の長鎖メチレン酸二無水物
(以下DBTAとする)4.57gを加え、25℃で1
時間反応させてプレポリマーを得た。このプレポリマー
に1,2,3,4,−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物(以下CPDAとする)4.28gを加え、3
0分間撹拌した後、PPD2.44gを加え、室温で2
4時間反応させ、アミド酸ブロックコポリマーを得た。
このアミド酸ブロックコポリマーの組成は、モル比で、
CPDAが70、DBTAが30、PPDが100であ
る。
【0032】アミド酸ランダムコポリマー(1−R)の
製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD3.15gをNMP48
gに溶解し、CPDA4.57gを加え、さらにDBT
A4.57gを加え、室温で24時間反応させ、アミド
酸ランダムコポリマーを得た。このアミド酸ランダムコ
ポリマーの組成は、モル比で、CPDAが70、DBT
Aが30、PPDが100である。
【0033】得られた、アミド酸ブロックコポリマー
(1−B)とアミド酸ランダムコポリマー(1−R)と
を、表1に示す重量比で混合(配合)して液晶配向膜用
組成物を調製した。
【0034】プレチルト角測定用セルの作製 液晶配向膜用組成物を、樹脂固形分が5重量%となるよ
うにNMPで希釈し、2枚のITO透明電極付きガラス
基板にスピン塗布した。液晶配向膜用組成物を塗布した
ITO透明電極付きガラス基板をホットプレートによ
り、100℃で、1分間加熱して予備乾燥し、200℃
で30分間加熱して硬化させて、厚さが70nmのポリイ
ミド膜を形成した。次に、ポリイミド膜の表面をラビン
グ処理して液晶挟持用基板とし、ラビング方向がアンチ
パラレルになるようにしてポリイミド膜面を向き合わ
せ、25μmのポリエチレンテレフタレートスペーサー
でギャップを一定に保ち、注入口を除いて周囲を熱硬化
性エポキシ系接着剤でシールし、150℃で1時間加熱
して熱硬化性エポキシ系接着剤を硬化させた。液晶(メ
ルク社製、ZLI4792)を注入して注入口を紫外線
硬化性エポキシ樹脂接着剤で封止し、130℃で1時間
アイソトロピック処理をしてプレチルト角測定用セルを
作製した。
【0035】得られたプレチルト角測定用セルについ
て、クリスタルローテーション法でプレチルト角を測定
した。その結果を表1に示す。なお、表1において、プ
レチルト角の単位は、度(°)である。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 アミド酸ブロックコポリマー(2−B)の製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD0.61gをNMP48
gに溶解し、DBTA3.9gを加え、25℃で1時間
反応させてプレポリマーを得た。このプレポリマーにC
PDA3.66gを加え、30分間撹拌した後、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン(以下DAMとする)
3.83gを加え、室温で24時間反応させ、アミド酸
ブロックコポリマーを得た。このアミド酸ブロックコポ
リマーの組成は、モル比で、CPDAが70、DBTA
が30、PPDが22.5、DAMが77.5である。
【0038】アミド酸ランダムコポリマー(2−R)の
製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD0.61g及びDAM
3.83gをNMP48gに溶解し、CPDA3.66
gを加え、さらにDBTA3.9gを加え、室温で24
時間反応させ、アミド酸ランダムコポリマーを得た。こ
のアミド酸ランダムコポリマーの組成は、モル比で、C
PDAが70、DBTAが30、PPDが22.5、D
AMが77.5である。
【0039】得られた、アミド酸ブロックコポリマー
(2−B)とアミド酸ランダムコポリマー(2−R)と
を、それぞれ実施例1の(1−B)と(1−R)に置き
換えて実施例1と同様にして表1に示す重量比で混合
(配合)して液晶配向膜用組成物を調製し、プレチルト
角を測定した。この結果を図1にグラフ1として示す。
【0040】実施例3 アミド酸ブロックコポリマー(3−B)の製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD0.69gをNMP48
gに溶解し、DBTA4.46gを加え、25℃で1時
間反応させてプレポリマーを得た。このプレポリマーに
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸に無
水物(以下CHDAとする)4.46gを加え、30分
間撹拌した後、PPD2.38gを加え、室温で24時
間反応させ、アミド酸ブロックコポリマーを得た。この
アミド酸ブロックコポリマーの組成は、モル比で、CH
DAが70、DBTAが30、PPDが100である。
【0041】アミド酸ランダムコポリマー(3−R)の
製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD3.07gをNMP48
gに溶解し、CHDA4.46gを加え、さらにDBT
A4.46gを加え、室温で24時間反応させ、アミド
酸ランダムコポリマーを得た。このアミド酸ランダムコ
ポリマーの組成は、モル比で、CPDAが70、DBT
Aが30、PPDが100である。
【0042】得られた、アミド酸ブロックコポリマー
(3−B)とアミド酸ランダムコポリマー(3−R)と
を、それぞれ実施例1の(1−B)と(1−R)に置き
換えて実施例1と同様にして表1に示す重量比で混合
(配合)して液晶配向膜用組成物を調製し、プレチルト
角を測定した。この結果を図1にグラフ2として示す。
【0043】実施例4 アミド酸ブロックコポリマー(4−B)の製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD0.61gをNMP48
gに溶解し、DBTA3.96gを加え、25℃で1時
間反応させてプレポリマーを得た。このプレポリマーに
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン(以下TDA
という)5.31gを加え、30分間撹拌した後、PP
D2.12gを加え、室温で24時間反応させ、アミド
酸ブロックコポリマーを得た。このアミド酸ブロックコ
ポリマーの組成は、モル比で、TDAが70、DBTA
が30、PPDが100である。
【0044】アミド酸ランダムコポリマー(4−R)の
製造 温度計、撹拌装置、チッ素導入管及び乾燥管を備えた四
つ口フラスコを用いて、PPD2.73gをNMP48
gに溶解し、TDA5.31gを加え、さらにDBTA
3.96gを加え、室温で24時間反応させ、アミド酸
ランダムコポリマーを得た。このアミド酸ランダムコポ
リマーの組成は、モル比で、TDAが70、DBTAが
30、PPDが100である。
【0045】得られた、アミド酸ブロックコポリマー
(4−B)とアミド酸ランダムコポリマー(4−R)と
を、それぞれ実施例1の(1−B)と(1−R)に置き
換えて実施例1と同様にして表1に示す重量比で混合
(配合)して液晶配向膜用組成物を調製し、プレチルト
角を測定した。この結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】請求項1又は2における液晶配向膜用組
成物は、プレチルト角が異なる液晶配向膜用化合物を調
製しておき、これを混合することにより、種々のプレチ
ルト角の液晶配向膜を得ることができでき、共通性の高
い構造単位を有するコポリマーを混合しているので、長
期にわたり安定な液晶配向膜用組成物とすることができ
る。請求項3における液晶配向膜は、容易に調整された
プレチルト角を有し、しかも、安定性が優れる。請求項
4における液晶挟持基板は、この液晶配向膜を有し、請
求項5における液晶表示素子は、この液晶挟持基板を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2〜3における液晶配向膜用組成物中の
プロックコポリマーの含有割合とプレチルト角の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1…実施例2のグラフ 2…実施例3のグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮 好宏 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社半導体・液晶材料事業部開 発センタ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレチルト角が異なる液晶配向膜用化合
    物を混合してなり、プレチルト角が異なる液晶配向膜用
    化合物それぞれが、同じ構造単位を含むコポリマーであ
    って、このコポリマーが一般式(I)で示される構造単
    位Aと、一般式(II)で示される構造単位Bを含むコポ
    リマーである液晶配向膜用組成物。 【化1】 (ただし、式中、nは6〜22の整数を示す) 【化2】 (ただし、式中、Aは、 【化3】 を示し、Bは、 【化4】 を示す)
  2. 【請求項2】 構造単位Aと構造単位Bとのモル比が、
    構造単位Aが5〜95に対して、構造単位Bが95〜5
    である請求項1に記載の液晶配向膜用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載の液晶
    配向膜用組成物を配向剤とする液晶配向膜。
  4. 【請求項4】 液晶表示素子用基板上に請求項3記載の
    液晶配向膜を有する液晶挟持基板。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の液晶挟持基板の液晶配向
    膜間に液晶を挟持してなる液晶表示素子。
JP10902097A 1997-04-25 1997-04-25 液晶配向膜用組成物、液晶配向膜、液晶挾持基板及び液晶表示素子 Pending JPH10301119A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8722301B2 (en) 2011-12-01 2014-05-13 Fuji Xerox Co., Ltd Transparent electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
JP2020531901A (ja) * 2017-08-17 2020-11-05 ユニヴェルシテ・ドゥ・ストラスブールUniversite De Strasbourg 液晶空間光変調器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8722301B2 (en) 2011-12-01 2014-05-13 Fuji Xerox Co., Ltd Transparent electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
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