JPH10300970A - 光ファイバ素子及び光ファイバ接続方法 - Google Patents

光ファイバ素子及び光ファイバ接続方法

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JPH10300970A
JPH10300970A JP9107610A JP10761097A JPH10300970A JP H10300970 A JPH10300970 A JP H10300970A JP 9107610 A JP9107610 A JP 9107610A JP 10761097 A JP10761097 A JP 10761097A JP H10300970 A JPH10300970 A JP H10300970A
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JP
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optical fiber
mfd
optical
connection
optical fibers
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JP9107610A
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English (en)
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Tomonori Kashiwada
智徳 柏田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種光ファイバを接続した接続損失の少ない
光ファイバ素子及び接続損失の少ない異種光ファイバ接
続方法を提供する。 【解決手段】 MFDの異なる2本の光ファイバ1、2
を融着接続した光ファイバ素子10は、MFDが軸方向
に連続的に変化しており、融着点のMFD値がそれぞれ
の光ファイバ1、2の定常部のMFDよりも大きい極大
値となっている。これにより、接続点のMFDが一致
し、電磁界分布が整合するので、接続損失が低減され
る。この光ファイバ素子10は、光ファイバ1、2を融
着接続後、光ファイバ2の接続部近傍を接続点に近い側
ほど高熱量を与えるよう分布加熱して、ドーパントを拡
散させることによってMFDを拡大させて作成すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる屈折率分布
を持つ光ファイバを接続した光ファイバ素子及びその接
続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ網には、材質や屈折率分布の
異なる様々な光ファイバ素子が用いられている。これら
のモードフィールド径(MFD)の異なる光ファイバを
そのまま接続した場合、電磁界分布の不整合により接続
部で放射損失を招くことになる。そのため、従来は、2
530823号特許に記載されているTEC(Thermall
y Expanded Core)ファイバ技術を用いた接続が行われ
てきた。この技術の工程を図16に示す。まず、MFD
が小さな光ファイバ1側の端部をバーナー12等を用い
て加熱処理することにより、ドーパントを拡散させて端
部のMFDを拡大する(同図(a)参照)。次に、この光
ファイバ1を接続するMFDが大きな光ファイバ2のM
FDと一致するMFD位置で切断する(同図(b)参
照)。続いて、このMFDを一致させた部分で2つの光
ファイバ1、2を電極11間の放電を利用して融着接続
する(同図(c)参照)。こうして接続部のMFDを一致
させた光ファイバ素子10を製造していた(同図(d)参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の光ファ
イバでは、製造工程などにより個々の光ファイバのMF
Dが異なるため、両者のMFDを正確に揃えることが困
難である。また、仮に接続前にMFDを揃えたとして
も、融着接続時の軸ずれなどにより、電磁界分布が整合
せず、接続損失が起こるおそれがあった。
【0004】本発明は、異種光ファイバを接続した接続
損失の少ない光ファイバ素子及び接続損失の少ない異種
光ファイバ接続方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ接続
方法は、コア及び/又はクラッドに添加されたドーパン
トの横断面内総量及び/又は横断面の屈折率分布の異な
る2本の光ファイバを融着接続後、接続部を軸方向に分
布加熱することを特徴とする。
【0006】これにより、ドーパントが拡散されて、M
FDが拡大し、接続された光ファイバのMFDは接続部
で連続的に変化するよう揃えられる。
【0007】さらに、融着接続した光ファイバの透過率
を測定しながら接続部の分布加熱を行い、透過率が極大
値に達した時点で加熱処理を停止してもよい。これによ
り、接続された光ファイバは高い透過率を有する。
【0008】または、加熱処理は、主として定常部のM
FDの小さい光ファイバ側を対象に行われてもよい。こ
れにより、MFDの大きい光ファイバ側のMFD分布を
変化させることなく、主としてMFDの小さい光ファイ
バ側のMFDを拡大して、接続部分近傍のMFD分布が
連続的になるよう整えられる。
【0009】一方、本発明の光ファイバ素子は、コア及
び/又はクラッドに添加されたドーパントの横断面内総
量及び/又は横断面の屈折率分布の異なる2本の光ファ
イバを備え、これらの光ファイバの融着接続された接続
部が軸方向に分布加熱されたものでもよい。これによ
り、融着部分のMFDが軸方向に連続的に変化する光フ
ァイバ素子が得られる。
【0010】また、光ファイバ素子を構成するファイバ
の1本が分散補償ファイバ(DCF)であってもよい。
これにより通常の光ファイバより高屈折率でMFDの小
さいDCFと通常の光ファイバを接続した光ファイバ素
子において、接続点におけるMFD変化が連続的にな
る。
【0011】あるいは、一本がエルビウムドープ光ファ
イバ(EDF)であってもよい。これにより通常の光フ
ァイバよりMDFの小さいEDFと通常の光ファイバを
接続した光ファイバ素子において、接続点におけるMD
F変化が連続的になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の光ファイバ素子
の一実施形態の断面図及びその軸方向のMFD分布を示
している。
【0013】図1(a)に示されるように、本実施形態の
光ファイバ素子10は、分散シフトファイバである光フ
ァイバ1と、シングルステップ型であるMFDの小さな
特殊な光ファイバ2を接続したものであり、それぞれの
光ファイバの主要パラメータを表1に示す。ファイバ外
径はともに125μmで同一である。波長1.55μm
におけるMFDは、光ファイバ1が8μm、光ファイバ
2が4.5μmと異なっている。
【0014】
【表1】
【0015】光ファイバ1は、二重構造のコア部3、4
の周囲にクラッド部5が設けられており、中心の第1コ
ア部3の屈折率が最も高く、外側のクラッド部5の屈折
率が最も低い階段状の屈折率構造になっている。一方、
光ファイバ2は、高屈折率のコア部6の周囲に低屈折率
のクラッド部7が設けられている。
【0016】図1(b)に示されるようにこの光ファイバ
素子10のMFDの軸方向分布は、光ファイバ1から光
ファイバ2に向かって連続的に変化している。より具体
的に見ると、MFDが大きな光ファイバ1側では、融着
点の極近傍(図1(b)A参照)からMFDが大きくな
り、融着点(同図B参照)でMFDが最大となった後、
光ファイバ2側では、再び減少して、光ファイバ1の定
常値を下回り(同図C参照)、そこからほぼ直線的にM
FDが小さくなり、光ファイバ2の定常値(図1(b)D
参照)に達する。MFD値がそれぞれの元の光ファイバ
のMFD値と異なる非定常部(同図A−D間)の長さ
は、MFD値の小さい光ファイバ2側(同図B−D間)
がMFD値の大きい光ファイバ1側(同図A−B間)よ
り長い。
【0017】MFDが連続的に変化しているため、導波
モードから放射モードへ移行する現象が少なくなり、本
素子の接続損失は0.1dB以下と低く抑えられてい
る。
【0018】次に、図2〜図5を参照して、この光ファ
イバ素子10の製造方法、すなわちこれらの2つの光フ
ァイバ1、2の接続方法について説明する。図2は、こ
の接続処理の工程を示す図である。図3は、この光ファ
イバ素子10のMFDの軸方向分布の時間変化を示すグ
ラフであり、図4は、光ファイバ1、2のそれぞれの融
着点近傍(図1(b)、図3に示すA、C点)におけるM
FDの加熱時間に対する変化を示すグラフである。ま
た、図5は、光ファイバ素子10の接続損失の時間変化
を示すグラフである。
【0019】図2に示されるように、光ファイバ1、2
の端面を向かい合わせて、コア位置を調整したうえで
(同図(a)参照)、これらの端面を突き合わせて(同図
(b)参照)、融着接続器により電極11間の放電を利用
して融着を行う(同図(c)参照)。その後、同図(d)に示
されるにように、融着点部分、主としてMFDの小さい
光ファイバ2側をバーナー12により、加熱する処理を
行う。この同図(d)のバーナー12上に図示した曲線
は、同図(e)で示されるようなバーナー12上の各位置
におけるバーナー12が与える熱量の分布曲線を摸式的
に表したものである。以下の図面において熱量分布を同
様の熱量分布曲線によって表すものとする。同図(d)及
び(e)に示されるようにバーナー12は、接続点部分に
与える熱量が最大で、接続点から軸方向に離れるのに従
って与える熱量が減少する熱量分布を有している。こう
した熱量分布を与えるには、例えば、同図(f)に示され
るようにバーナー12のガス流出孔を長手方向で接続点
から離れるほど小さくなるよう変化させればよい。
【0020】このバーナー12は加熱対象の光ファイバ
素子10の長手方向にあたる方向の長さが7mm、幅4mm
であり、バーナー12と光ファイバ素子10の距離は3
mmである。バーナー12は、燃焼ガスにプロパンガスを
使用し、加熱条件は、プロパンガス流量が20cc/min、
酸素流量が30cc/minである。
【0021】この加熱処理により光ファイバ2側では、
ドーパントの拡散が起こる。屈折率を向上させるドーパ
ントをコア部6に添加している場合は、このドーパント
がクラッド部7に拡散することによりMFDが拡大す
る。反対に屈折率を低下させるドーパントをクラッド部
7に添加している場合は、このドーパントがコア部6に
拡散することにより同様にMFDが拡大する。図3中実
線で示されるように、融着時t0には、MFDは融着点
Bで不連続である。ここで、融着点近傍のMFDの上昇
は、融着時の加熱によるドーパント拡散に伴うものであ
る。加熱処理によるドーパントの拡散に伴って、光ファ
イバ2側のMFDは拡大する。接続点近傍ほど与えられ
る熱量が大きいので、MFDの拡大も速く進行する(図
3の時刻t1の時点)。時刻t2で、融着点Bで双方のM
FDが一致し、軸方向にMFDが連続的に変化するよう
になる。ここまでの加熱処理に要する時間は約10分で
ある。
【0022】接続点部分のMFDが大きくなっているた
め、接続時に軸ずれがあった場合でも、接続点のMFD
つまり電磁界分布の不整合の影響が抑えられる。したが
って、融着時の軸ずれ損失を低下させる効果もある。
【0023】次に、図5を参照して、加熱処理時の光フ
ァイバ素子10の接続損失の時間変化について説明す
る。図5に示されるように、光ファイバ素子10の接続
損失は、突き合わせ時は1dBを超えるが、融着時の放
電加熱によりドーパントが拡散するため、0.5dB程
度に減少する。光ファイバ2側の加熱処理により接続部
のMFDの差がなくなるのにしたがって、電磁界分布の
不整合が解消されていくとともに接続損失は減少し、時
刻t2時点では、接続損失は約0.1dBまで減少す
る。
【0024】したがって、加熱処理の際に、光ファイバ
素子10に光を透過させながら、その光の透過率を測定
し、透過率が極大値に達した時点で加熱処理を中止すれ
ば、必要以上にドーパントを拡散させずにすむうえ、安
定した性能の光ファイバ素子を容易かつ確実に短時間で
製作することができて好ましい。
【0025】本願発明者は、加熱処理方法による接続損
失の差異を検討する実験を行った。図6(a)に示される
ように光ファイバ1’、2’を接続点を中心にバーナー
12’を用いて加熱処理を行った場合の処理結果を前述
の実施形態の加熱処理結果と比較した。バーナー12’
は、同図(b)に示されるように、接続点を中心に光ファ
イバ1’、2’側で熱量分布曲線が対称形になっている
のが特徴である。図7は、この光ファイバ素子10’の
加熱処理時におけるMFDの軸方向分布の時間変化を示
すグラフであり、図8は、各々の光ファイバ1、2の融
着点近傍(図7に示すA、C点)におけるMFDの加熱
時間に対する変化を示すグラフである。また、図9は、
光ファイバ素子10’の接続損失の時間変化を示すグラ
フである。以下、前述の主として光ファイバ2側を加熱
処理する場合を実施例1、光ファイバ1、2双方を加熱
処理する場合を実施例2と呼ぶ。
【0026】図7、図8で示されるように、実施例2で
は、光ファイバ1、2の双方を加熱処理しているため、
両方の光ファイバ1、2でドーパントの拡散が起こり、
MFDが時間と共に拡大していく。光ファイバ2側を主
に加熱する実施例1の場合(図3、図4参照)に比べる
と、実施例2では、光ファイバ1側でもMFDの拡大が
起こるため、双方のMFDを一致させるためには、その
分だけ光ファイバ2側のMFDも拡大させる必要があ
る。そのため、接続点で両方の光ファイバ1、2のMF
Dが一致するまでには実施例1よりも時間を要する。実
施例2では、加熱処理に要する時間は約15分であり、
実施例1より約5分間長くなる。
【0027】一方、実施例2の光ファイバ素子10の接
続損失の加熱処理に伴う時間変化は、図9に示されるよ
うに、図5に示される実施例1の場合と同じような傾向
で推移する。しかし、加熱処理が長時間におよぶため
に、光ファイバ1、2で透過損失が発生して損失が増大
し、加熱処理終了時t3でも接続損失は約0.3dBに
達し、実施例1に比べて接続損失は大きくなる。この結
果から、接続点のMFDの小さい光ファイバ側を重点的
に加熱することにより、短い加熱処理時間で接続点のM
FDを一致させ、最終的な接続損失も低下させることが
できることが確認された。
【0028】2本の光ファイバを接続して、接続部の片
方の光ファイバ側を重点的に加熱するには、図2(a)に
示したバーナー12の燃焼ガス流出孔を長手方向で変化
させる技術の他に、図10に示されるような種々の技術
を用いることができる。例えば、バーナー12aの前に
熱遮蔽板13を設置して光ファイバ素子10に与える熱
量を調整する技術(同図(a)参照)や、バーナー12b
を傾けて使用することで光ファイバ素子10に与える熱
量を調整する技術(同図(b)参照)、燃焼面自体に傾斜
をつけたバーナー12cを使用することで光ファイバ素
子10に与える熱量を調整する技術(同図(c)参照)等
を用いることができる。
【0029】以上の説明においては、分散シフトファイ
バとシングルステップ型であるMFDの小さな光ファイ
バを接続する場合について説明したが、接続する光ファ
イバはこの組み合わせに限られるものではなく、MFD
が異なる光ファイバであれば、各種の光ファイバの組み
合わせに対して適用できる。
【0030】ここで、各種の光ファイバについてドーパ
ント拡散によりMFDを適合させることができることを
確認するため、本願発明者は、各種の光ファイバについ
て加熱処理に伴うMFDの変化を調べる実験を行った。
表2は、実験に使用した光ファイバの特性パラメータを
示したものである。
【0031】
【表2】
【0032】ファイバ1は、高屈折率でコア径の小さい
いわゆる分散補償ファイバ(DCF)であり、ファイバ
2は、通常の通信ラインに用いられている1.3μm帯
用シングルモードファイバ(SMF)であり、ファイバ
3は、2重コア型の分散シフトファイバ(DSF)であ
る。それぞれの加熱に伴うMFDの変化を図11に示
す。図よりMFDの最も小さいファイバ1のMFD増加
が最も速く、MFDの最も大きいファイバ2では、MF
Dの増加は緩やかである。したがって、MFDの異なる
光ファイバを接続して、接続部を加熱した場合、MFD
の小さい光ファイバのMFD増加速度がMFDの大きい
光ファイバのMFD増加速度を上回る。したがって、加
熱処理により両者のMFDを一致させることが可能であ
ることが確認できた。
【0033】こうした他の光ファイバを組み合わせた実
施形態のいくつかについて以下に例示する。
【0034】まず第1の応用例として、図12を参照し
て、DCFに伝送用光ファイバであるSMFを接続した
光ファイバ素子について述べる。DCFは、伝送用光フ
ァイバと逆符号で大きな波長分散を備える光ファイバで
あり、これを通信ライン中に挿入して、伝送用光ファイ
バで発生した波長分散を相殺して零分散化するために使
用されている。特に、既存の波長1.3μm帯の零分散
光ファイバ網の使用波長を1.55μm帯に変更する際
に、発生する1.55μm帯の波長分散を相殺するのに
用いられている。
【0035】この光ファイバ網中の波長分散を相殺する
ためのDCFには、通常数km〜数十kmという長いフ
ァイバ長のものが用いられる。しかし、ファイバ長が長
いと、付加損失が増大し、ファイバの収容の点でも問題
になる。ファイバ長を短くするためには、比屈折率差を
大きくし、コア径を小さくすることによって、負の波長
分散を大きくすることができる。しかし、同時にMFD
が小さくなるため、接続損失が増大して、単位損失あた
りの補償可能な波長分散値として定義される性能指数
(FOM:Figure of Merit)が低下するという問題が
ある。
【0036】この第1の応用例の光ファイバ素子20
は、図12に示されるように所要の長さのDCF21を
コイル22に巻き付けて、両端にSMF23、24を融
着接続した後、接続部を前述のようにMFDが一致する
まで加熱処理したものである。DCF21、SMF2
3、24のそれぞれの特性を表3に示す。DCF21
は、SMF22、23に比べてMFDが小さいのが特徴
である。
【0037】
【表3】
【0038】ここで、この加熱処理は、図13に示され
るように、接続した光ファイバ素子20に光を出射する
光源25と、光ファイバ素子20を透過した光の強度を
測定する光パワーメーター26を接続し、融着点の加熱
処理を行うバーナー27をコンピューター28により光
パワーメーター26で検出した光強度を基にして制御す
ることにより行われる。この加熱処理に伴う光強度の変
化を図14に示す。
【0039】加熱処理の初期段階で光強度が低下してい
るのは、DCF側のMFDが拡大する過程で、接続部の
MFD不整合によるモード変換が一旦増大するためと考
えられる。その後、MFDの不整合の解消に伴い、接続
部の損失が少なくなるため、光強度は増大していく。加
熱開始後約450秒で光強度は最大になり、その後、光
強度は低下していく。これは、DCF側のMFD拡大が
早いため、SMF側のMFDより大きくなって再びMF
Dの不整合が起こるためである。この光強度が最大とな
る時点で加熱を停止することにより、MFDを整合さ
せ、接続損失を小さくすることができる。
【0040】続いて、分散補償素子としての性能比較の
ため、融着接続後に加熱処理を行った場合と、行わなか
った場合の光ファイバ素子20の接続損失とFOMを比
較した結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4に示されるように、加熱処理によって
接続損失が低下し、FOMも向上していることがわか
る。したがって、従来の加熱処理を行わない光ファイバ
素子に比べてDCFに負の波長分散値の大きなファイバ
を用いることができ、DCFのファイバ長も短縮でき
る。このため、コイルの巻き数も減らすことができ、収
納が容易になるなどの利点がある。
【0043】次に、第2の応用例として、図15を参照
して、EDFに通常の伝送用光ファイバであるSMFを
接続した光ファイバ素子について述べる。EDFは、コ
アにEr3+を添加したもので、石英系光ファイバが最低
損失を示す波長1.55μm帯において光増幅機能を有
するため、通信ライン中に用いる光増幅器や光ファイバ
レーザとして使用されている。EDFは、コア径を小さ
くし、比屈折率差を大きくすることにより増幅の光のパ
ワー密度を向上させることで利得係数を大きくすること
ができる。そのため、伝送用光ファイバと接続した際
に、MFDの不整合により信号光及び励起光パワーの結
合効率が低下するなどの問題が起こりやすい。
【0044】図15に示されるように、応用例2の光フ
ァイバ素子30は、所要の長さのEDF31をコイル3
2に巻き付けて、EDF31の両端をSMF33、34
に融着接続して、接続部を加熱処理してMFDを整合さ
せたものである。EDF31、SMF33、34それぞ
れの特性を表5に示す。EDFはSMFに比べて比屈折
率が高く、コア径が小さいため、MFDが小さいのが特
徴である。
【0045】
【表5】
【0046】加熱処理は前述の応用例1と同様の手法に
より行われる。光増幅素子としての性能比較のため、加
熱処理を行った光ファイバ素子30と加熱処理を行わな
かった光ファイバ素子30の両方について接続損失及び
変換効率を比較した。ここで、変換効率とは、信号増幅
量(出力信号光パワー−入力信号光パワー)を入力励起
光パワーで割った値である。光ファイバ素子30の作動
条件を表6に、比較結果を表7にそれぞれ示す。
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】表7に示されるように、加熱処理によって
接続損失が低下し、変換効率も向上していることが分か
る。したがって、コア径を小さくし、比屈折率差を大き
くすることにより、利得係数を大きくしても、EDFと
伝送用光ファイバのMFDを整合させることができる。
このため、高増幅率で結合効率も高い光増幅機能を有す
る光ファイバ素子を提供することができる。
【0050】応用例1、2のSMFのいずれかあるいは
両方をDSFとしたり、両端ではなく片側のみにSMF
あるいはDSFを接続した素子とすることもできる。こ
のほかにも、MFDの異なるSMF同士を接続する素子
などに本発明の技術を適用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の光ファ
イバの接続方法によれば、異種光ファイバを融着接続後
に接続部を軸方向に分布加熱することで、ドーパントを
拡散して、接続部での軸方向のMFD分布を連続的に変
化させるので、融着部分での軸方向の電磁界分布の変化
が連続的になり、接続された2本の光ファイバの電磁界
分布が整合するので、接続損失が低下する。
【0052】さらに、融着接続した光ファイバの透過率
を測定しながら加熱を行い、透過率が極大値に達した時
点で加熱処理を停止すれば、必要以上に長時間加熱する
ことなく、短時間で接続損失の少ない光ファイバ接続を
行うことができ、接続が容易かつ確実でかつ接続時間の
短縮が可能になる。
【0053】特に、主として定常部のMFDの小さな光
ファイバ側を対象に加熱処理を行えば、接続部分でのM
FDの軸方向分布が連続的になるまでに要する時間が短
縮されるので、長時間の加熱によって起こる透過損失が
発生しないですむため、接続損失をさらに小さくするこ
とができる。
【0054】また、本発明の接続方法によって製造され
た光ファイバ素子は、接続部分の電磁界分布が整合する
ので接続損失が低く抑えられる。
【0055】本発明の光ファイバ素子をDCFに伝送用
光ファイバを接続したものとすれば、FOMの高い分散
補償素子が提供できる。
【0056】一方、EDFに伝送用光ファイバを接続し
たものとすれば、高光増幅率で結合効率も向上させた光
増幅素子が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ファイバ素子の一実施形態の
断面図及び軸方向のMFD分布図である。
【図2】本発明にかかる光ファイバの接続方法の一実施
形態を示す図である。
【図3】図2にかかる光ファイバの接続工程におけるM
FD分布の時間変化を示す図である。
【図4】図2にかかる光ファイバの接続工程における接
続点近傍でのMFDの時間変化を示す図である。
【図5】図2にかかる光ファイバの接続工程における光
ファイバ素子の接続損失の時間変化を示す図である。
【図6】本発明にかかる光ファイバの接続工程の他の加
熱処理形態を示す図である。
【図7】図6にかかる光ファイバの接続工程におけるM
FD分布の時間変化を示す図である。
【図8】図6にかかる光ファイバの接続工程における接
続点近傍でのMFDの時間変化を示す図である。
【図9】図6にかかる光ファイバの接続工程における光
ファイバ素子の接続損失の時間変化を示す図である。
【図10】図2にかかる光ファイバの接続工程における
加熱処理工程の他の実施形態を示す図である。
【図11】異なるMFDを有するファイバの加熱処理に
伴うMFD変化を比較したグラフである。
【図12】第1の応用例の光ファイバ素子の構造図であ
る。
【図13】図12に係る光ファイバ素子の加熱処理を示
す概略図である。
【図14】図13にかかる加熱処理に伴う光ファイバ素
子の接続損失の時間変化を示すグラフである。
【図15】第2の応用例の光ファイバ素子の構造図であ
る。
【図16】異種光ファイバの従来の接続工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1、2…光ファイバ、3…第1コア部、4…第2コア
部、5…クラッド部、6…コア部、7…クラッド部、1
0、20、30…光ファイバ素子、11…電極、12、
27…バーナー、13…熱遮蔽板、21…DCF、2
2、32…コイル、23、24、33、34…SMF、
25…光源、26…光パワーメーター、28…コンピュ
ーター、31…EDF。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア及び/又はクラッドに添加されたド
    ーパントの横断面内総量及び/又は横断面の屈折率分布
    の異なる2本の光ファイバを融着接続後、接続部を軸方
    向に分布加熱することを特徴とする光ファイバ接続方
    法。
  2. 【請求項2】 融着接続した前記2本の光ファイバの透
    過率を測定しながら前記分布加熱を行い、透過率が極大
    値に達した時点でこの加熱処理を停止することを特徴と
    する請求項1記載の光ファイバ接続方法。
  3. 【請求項3】 前記軸方向分布加熱は、主として定常部
    のモードフィールド径の小さい光ファイバ側を対象とし
    て行われることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ
    接続方法。
  4. 【請求項4】 コア及び/又はクラッドに添加されたド
    ーパントの横断面内総量及び/又は横断面の屈折率分布
    の異なる2本の光ファイバを備え、前記2本の光ファイ
    バの融着接続された接続部が軸方向に分布加熱されてい
    ることを特徴とする光ファイバ素子。
  5. 【請求項5】 前記異なる2本の光ファイバのうち1本
    が分散補償ファイバであることを特徴とする請求項4記
    載の光ファイバ素子。
  6. 【請求項6】 前記異なる2本の光ファイバのうち1本
    がエルビウムドープ光ファイバであることを特徴とする
    請求項4記載の光ファイバ素子。
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