JPH10300758A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH10300758A
JPH10300758A JP11067897A JP11067897A JPH10300758A JP H10300758 A JPH10300758 A JP H10300758A JP 11067897 A JP11067897 A JP 11067897A JP 11067897 A JP11067897 A JP 11067897A JP H10300758 A JPH10300758 A JP H10300758A
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data
measurement
probes
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JP11067897A
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Inventor
Ryohei Konakawa
良平 粉川
Katsushi Furuya
克司 古谷
Naotake Mori
尚武 毛利
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Shimadzu Corp
Toyota Gauken
Original Assignee
Shimadzu Corp
Toyota Gauken
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査型プローブ顕微鏡において、広範囲にわ
たって高精度の形状測定を行う。 【解決手段】 プローブを複数個配列することによって
測定範囲を拡大し、各プローブで測定される変位信号に
ついて、プローブの配列に基づく位置ずれと各プローブ
自体が持つ特性による誤差を補正し、さらに、各プロー
ブによる測定データをつなぎ合わせて広範囲の像を得る
ものであり、同一ステージ4に複数のプローブ2を2次
元的に配列したプローブアレイ3と、プローブアレイを
3次元方向に移動可能とする移動手段5,7と、試料の
表面形状の測定データを各プローブ毎に測定する変位検
出手段10,11と、各プローブの位置誤差およびプロ
ーブ特性に基づいて、測定データを各プローブ毎に補正
する測定データ補正手段12,14,15と、各プロー
ブ毎の隣接する測定データの相互相関を求めて測定デー
タのつなぎ合わせ合成像を生成する測定データ合成手段
20を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル顕
微鏡や原子間力顕微鏡等の、微細な表面形状の凹凸を測
定する走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡として走査型トン
ネル顕微鏡や原子間力顕微鏡が知られている。図18は
走査型トンネル顕微鏡を説明するための概略図である。
走査型トンネル顕微鏡(STM)は、導電性の試料表面
に先端の鋭い金属探針を接近させて電圧を印加し、両者
間に流れるトンネル電流を用いて試料表面の形状を測定
する装置である。図18に示す走査型トンネル顕微鏡で
は、プローブ62を積層型圧電素子61x,61y,6
1zでxyz方向に変位させ、試料sとプローブ62と
の間に流れるトンネル電流を一定に制御することによっ
て、試料sの形状を測定する。
【0003】また、図19は原子間力顕微鏡を説明する
ための概略図である。原子間力顕微鏡(AFM)は、物
質間に働く力によって物質表面の形状を3次元的に観察
する装置である。図19に示す原子間力顕微鏡では、円
筒状圧電素子71の表面に配置されている電極に電圧を
印加することにより試料sをxyz方向に変位させる。
このとき、プローブ72と試料sの間に働く原子間力に
よりカンチレバー74がたわむ。このたわみを検出する
ことによって試料sの形状を測定する。
【0004】走査型プローブ顕微鏡では広範囲の測定が
求められているが、上記構成の走査型プローブ顕微鏡で
は圧電素子61,71の変位量に制限があるため、測定
範囲が制限され試料の広範囲にわたって高精度の形状測
定を行うことが困難である。例えば、図18の走査型ト
ンネル顕微鏡では最大で数10μm程度であり、また、
図19の原子間力顕微鏡では最大で数100μm程度で
ある。
【0005】そこで、前記圧電素子を用いた微動機構
と、ボールねじを用いた粗動機構とを組み合わせたり、
てこによる変位拡大機構を用いて圧電素子による変位量
を拡大して、走査範囲を広げること(「大ストロークS
TM,精密学会誌,55巻1号,PP.146−151
(1989))が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、微動
機構と粗動機構の組み合わせによって測定範囲を拡大す
る場合には、局所的に高精度に測定される形状を何らか
の方法でつなぎ合わせる必要があるが、局所的に高精度
に測定された形状を、微動機構により測定される精度と
同様の精度でつなぎ合わせることは困難である。変位拡
大機構を用いて測定範囲を拡大する場合には、変位分解
能も拡大されるため、微小変位の制御が困難であり、ま
た、てこの拡大率を大きくすると装置全体が大きくな
り、温度変化による熱変形が大きくなって、測定精度が
低下するという問題が生じる。したがって、従来の走査
型プローブ顕微鏡は測定範囲が狭いという問題があり、
測定範囲を拡大する機構を用いると測定精度が低下する
という問題がある。
【0007】そこで、本発明は前記した従来の走査型プ
ローブ顕微鏡の問題点を解決し、広範囲にわたって高精
度の形状測定を行うことができる走査型プローブ顕微鏡
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型プローブ
顕微鏡は、プローブを複数個配列することによって測定
範囲を拡大し、各プローブで測定される変位信号につい
てプローブの配列に基づく位置ずれと各プローブ自体が
持つ特性による誤差を補正し、さらに、各プローブによ
る測定データをつなぎ合わせて、広範囲の合成像を得る
ものであり、これによって、広範囲にわたって高精度の
形状測定を行うことができる。
【0009】本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記測
定データの処理を行うために、同一ステージ上に複数の
プローブを2次元的に配列したプローブアレイと、プロ
ーブアレイを3次元方向に移動可能とする移動手段と、
プローブの変位信号と移動手段による移動量から、試料
の表面形状の測定データを各プローブ毎に測定する変位
検出手段と、各プローブの位置誤差およびプローブ特性
に基づいて、測定データを各プローブ毎に補正する測定
データ補正手段と、各プローブ毎の隣接する測定データ
の相互相関を求めて測定データのつなぎ合わせを行い、
合成像を生成する測定データ合成手段を備えた構成とす
る。
【0010】プローブアレイの各プローブ間の配置間隔
と移動手段による配列方向の可動量との間には、配置間
隔が可動量より小さくなる関係を持たせる。これによっ
て、移動手段でプローブアレイを試料に対し移動させる
ことにより、プローブ1個当たりの測定範囲より大きな
測定範囲を漏れなく測定することが可能となる。
【0011】変位検出手段は、プローブの変位信号と移
動手段による移動量とを座標上で加算して、各プローブ
毎に試料の表面形状の測定データを求める。測定データ
補正手段は、各プローブで測定する変位量について、プ
ローブ毎に有する偏りを除去する手段である。この偏り
は、プローブの配列による誤差とプローブ特性による誤
差があり、あらかじめ記憶しておいた補正データを用い
て補正を行う。
【0012】測定データ合成手段は、各プローブで求め
た測定データをつなぎ合わせて広範囲の合成像を生成す
る手段である。各プローブ毎に求めた複数の測定データ
の内で隣接する測定データは、プローブ間の配置間隔と
移動手段の可動範囲との関係から重合部分を含んでい
る。測定データ合成手段は、各プローブ毎の隣接する測
定データの相互相関を求め、この相互相関が最大となる
よう測定データのデータ処理を行って、重合部分の測定
データのつなぎ合わせを行い、合成像の生成を行う。
【0013】本発明の走査型プローブ顕微鏡によれば、
試料に対してプローブアレイを対向させ、各プローブで
変位検出を行って各位置での形状測定を行うと共に、移
動手段によってプローブアレイを3次元方向に移動させ
て走査を行う。各プローブは、移動手段による走査範囲
内で変位検出を行って、各範囲内での測定データを得
る。プローブによる測定データと移動手段の走査位置を
座標上で重ねることによって、各プローブについて同位
置座標上での測定データを得ることができる。ここで、
プローブの配置間隔は移動手段の可動量より小さいた
め、隣接する測定データは一部で重合している。
【0014】求めた測定データは、各プローブ毎にプロ
ーブの配置に基づく誤差とプローブ特性に基づく誤差を
有しているため、測定データ補正手段によってこの誤差
の補正を行う。測定データの補正は、隣接する測定デー
タの重合するデータについて、プローブの配置に基づく
誤差については、例えば、同一のxy位置に対するzの
値を補正することによって行い、また、プローブ特性に
基づく誤差については、記憶したおいておいたプローブ
特性を用いて行う。
【0015】測定データ合成手段は、隣接する測定デー
タの重合部分を求め、データのつなぎ合わせを行い、こ
れによって補正した各測定データから広範囲の測定デー
タを生成する。この重合部分の検出には、隣接する測定
データの相互相関を求め、その相互相関が最大となるよ
うに座標移動等のデータ処理を行う。
【0016】本発明の実施態様において、プローブ配置
の誤差を補正する補正データを求める第1の方法は、基
準の形状に対する各プローブの測定データから補正デー
タを求める方法において、z方向のみの補正データを求
めるものである。z方向に関して基準位置を定め、測定
データの同一xy座標において、定めた基準位置からの
ずれを求め、このずれを補正する値を補正データとする
ものである。
【0017】プローブ配置の誤差を補正する補正データ
を求める第2の方法は、基準の形状に対する各プローブ
の測定データから補正データを求める方法において、y
z方向の補正データを求めるものであり、あるプローブ
で測定した測定データを基準データとして定め、この基
準データを基にして測定データとの相互相関を求め、こ
の相互相関が最大なるよう測定データの座標を移動す
る。このときの基準データに対するずれを求め、このず
れを補正する値を補正データとするものである。また、
プローブ配置の誤差を補正する補正データを求める第3
の方法は、第2の方法において位置をxyzおよびθ
x,θy,θzの6軸について求め、6軸について相互相
関を求めて補正データを求めるものである。
【0018】本発明の実施態様において、各プローブ毎
に求めた測定データの座標合わせによって合成像を求め
る第1の方法は、基準の測定データを定め、この基準の
測定データと測定データとの相互相関を求めることによ
って、像のつなぎ合わせを行う方法であって、2次元位
置について相互相関を求めて、xy方向の補正量を求
め、当該補正位置において適正なz値を定め、これによ
って、像のつなぎ合わせを行うものである。また、各プ
ローブ毎に求めた測定データの座標合わせによって合成
像を求める第2の方法は、基準の測定データを定め、こ
の基準の測定データに基づいて測定データとの相互相関
を求めることによって、像のつなぎ合わせを行う方法で
あって、3次元位置について相互相関を求めて、xyz
方向の補正量を求め、これによって、像のつなぎ合わせ
を行うものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。本発明の走査型プローブ
顕微鏡の一構成例を、図1の本発明の走査型プローブ顕
微鏡の概略を説明するための概略図、図2の本発明の走
査型プローブ顕微鏡の一部断面図、図3の本発明の走査
型プローブ顕微鏡の一部平面図を用いて説明する。走査
型プローブ顕微鏡1は、同一のステージ4上に複数のプ
ローブ2を2次元的に配列したプローブアレイ3と、プ
ローブアレイ3をxyz方向に移動し走査を行うするx
yz微動機構5およびxyz微動制御部7を含む移動手
段とを備え、各プローブ2によって試料sの表面形状の
測定を行う。なお、プローブはトンネル電流を検出する
金属探針とすることも、原子間力を検出するカンチレバ
ーを備えたプローブとすることもできる。xyz微動機
構5は圧電素子を用いた微動機構やパラレルメカニズム
等を用いることができる。
【0020】図2において、各プローブ2はステージ4
にx軸方向に対して配列間隔xpおよびy軸方向に対し
て配列間隔ypで(図示していない)配置する。また、
xyz微動機構5のx軸方向に対する可動範囲をxa
(>xp)、およびy軸方向に対する可動範囲をya
(>yp)(図示していない)とする。図4はプローブ
位置と走査範囲との関係を説明するための図である。な
お、図4では一例として4本のプローブ2a,2b,2
c,2dの場合について示し、各プローブの走査範囲を
Da,Db,Dc,Ddで示しているが、任意の複数個
とすることができる。図4において、プローブ5の配置
ピッチxp1,xp2,yp1,yp2を可動範囲x
a,yaよりも大きく設定することによって隣接する走
査範囲は重なり合い、プローブ2a,2b,2c,2d
で走査される範囲は漏れなく測定範囲とすることができ
る。図4中の斜線等の模様地で示される部分は、隣接す
る走査範囲の重合部分を示してる。したがって、プロー
ブアレイ3の投影面積とほぼ同じ面積の測定が可能とな
る。
【0021】なお、プローブの配置間隔xp1,xp
2,yp1,yp2は、可動範囲xa,yaより小さな
既知の値であれば良く、同一の値である必要はない。ま
た、プローブの配置間隔はグラファイトやニオブ等の結
晶格子を用いて測定することができ、また、プローブが
重合する部分間を走査するときの原子の個数を計数する
ことによって、プローブの走査範囲の重合量を測定する
ことができる。
【0022】プローブ変位検出部10は各プローブ2で
検出した変位量を入力して、プローブの変位を検出す
る。また、xyz変位検出部11はプローブアレイ3の
変位量を検出し、この変位量をプローブ変位検出部10
に入力して、プローブによる変位量と組み合わせ、各プ
ローブによる測定データの形成を行う。なお、プローブ
アレイ3の変位量は、ステージ4に対向して配置した変
位センサ6の検出信号、あるいはxyz微動制御部7の
制御信号を用いることができる。
【0023】また、変位センサ6は、xyz軸の各軸方
向に配置してステージ4のxyz方向の変位を測定し
て、並進運動のみの3自由度の変位を測定する構成とす
ることも、また、図3に示すようにx軸およびz軸の各
軸方向に対して二つずつの変位センサ6x1,6x2、6z
1,6z2を追加配置して、並進運動と回転運動の6自由
度の変位を測定する構成とすることもできる。図1では
3自由度の構成について示している。
【0024】測定データ補正部12は、プローブ変位検
出部10で形成した測定データに対して、プローブ特性
による誤差とプローブ配置に基づく誤差についてデータ
補正を行う。このデータ補正では、補正データ記憶部1
5にあらかじめ記憶しておいた補正データを用いること
ができる。補正データ記憶部15は、例えば、AFMの
場合には、各プローブのプローブ先端半径やカンチレバ
ーのばね定数やゲージ感度等が、また、STMの場合に
は、圧電素子の伸びと電圧との関係等がプローブ特性デ
ータ15aとして格納され、また、プローブ配置による
誤差を補正する補正値がプローブ位置補正データ15b
として格納される。
【0025】補正データ形成部14は、プローブ変位検
出部10の測定値を用いてプローブ位置補正データを形
成し、プローブ位置補正データ15bに格納する手段で
ある。このプローブ位置補正データは、各プローブで同
一の原子や校正用の基準形状を測定し、基準の測定デー
タを基にして求めることができる。なお、プローブ特性
データ15aは、プローブの変位データからも生成可能
であり、走査型プローブ顕微鏡は備える入力部50等か
らも入力することができる。測定データ記憶部13は、
測定データ補正部12で補正した測定データを格納す
る。
【0026】測定データ合成部20は、測定データ記憶
部13にから補正した測定データを取り込んで、各プロ
ーブ毎の隣接する測定データの相互相関を求めることに
よって測定データをつなぎ合わせ、合成像を生成するも
のである。この合成像は、図4中の走査範囲Da,D
b,Dc,Ddの各像をつなぎ合わせた像となる。図1
中に示す測定データ合成部20は、機能構成の一例を示
している。この機能構成例では、相互相関を求める相互
相関演算機能20aと、相互相関が最大となるようにx
y方向の補正を行うxy座標補正機能20bと、相互相
関が最大のxy座標においてz値を補正するz値補正機
能20cと、各測定データをつなぎ合わせて測定データ
を合成する測定データ合成機能20dを備える。形状デ
ータ記憶部30は、測定データ合成部20で合成した広
範囲の測定データを形状データとして格納する。表示部
40は、合成した広範囲の形状データを表示する。な
お、上記機能部分は、本発明の走査型プローブ顕微鏡の
各機能を説明するために示したものであり、必ずしも当
該機能を実現するハードウエアを備えるものではなく、
ハードウエア,ソフトウエアのいずれによっても構成す
ることができる。
【0027】次に、本発明の走査型プローブ顕微鏡の動
作について、図5〜図13を用いて説明する。図5は本
発明の走査型プローブ顕微鏡の動作を説明するためのフ
ローチャートである。複数のプローブによって広範囲の
測定を行う場合には、各プローブに基づく誤差を補正
し、また、各プローブが測定したデータをつなぎ合わせ
る必要がある。そこで、本発明の走査型プローブ顕微鏡
は、プローブ配置等に基づく誤差を補正するための補正
データをあらかじめ求めて記憶し(ステップS1)、ま
た、各プローブのプローブ特性をあらかじめ記憶してお
く。これによって、各プローブの校正が完了する(ステ
ップS2)。
【0028】測定を行う場合には、以下のステップS3
からステップS5を行う。各プローブ毎に測定データを
求め(ステップS3)、前記ステップS1,2による補
正データを用いて測定データを補正する。この補正で
は、プローブ配置の基づく誤差とプローブ特性による誤
差の補正を行う(ステップS4)。さらに、補正した測
定データについて座標合わせを行い、重合する部分をつ
ないで合成像を生成する(ステップS5)。これによっ
て、広範囲の測定像を得ることができる。一度校正を行
えば、プローブを交換しない限り再度の校正は不要とな
る。したがって、新たな試料を観察する場合には前記ス
テップS3からステップS5を繰り返す。
【0029】ステップS1のプローブ配置等に基づく誤
差を補正する補正データは、基準の形状に対する各プロ
ーブの測定データを用いて求めることができる。以下、
三つの方法例について図6〜図10を用いて説明する。
第1の方法は、z方向のみの補正データを求めるもので
あり、z方向について基準位置を定め、測定データの同
一xy座標において、基準位置からのずれを求め、この
ずれを補正する値を補正データとするものである。以
下、図6のフローチャートと図7の概略図を用いて説明
する。結晶格子等の基準形状について各プローブ毎にプ
ローブ変位を求め(ステップSa1)、変位センサ6お
よびxyz変位検出部11によってステージ位置を求め
る(ステップSa2)。xyz座標の各値の内、x値お
よびy値はステージ位置から求め(ステップSa3)、
z値はステージ位置とプローブ変位の値から求める(ス
テップSa4)。これによって、各プローブ毎の測定デ
ータ(x,y,z)を得ることができる(ステップSa
5)。
【0030】次に、z軸方向の基準位置を定める。基準
位置は測定データ中の一データ(図7(a)のSa)中
あるいは任意に定めたz軸方向の位置を用いることがで
きる(ステップS6a)。同一位置(x,y)につい
て、基準データ(図7(a)のSa)と各プローブの測
定データ(図7(b)のSb,図7(c)のSc)とを
比較しz軸方向のずれ量Δz(Δzb,Δzc)を求め
(ステップSa7)、このずれ量Δzから補正データd
zを求める(ステップSa8)。この補正データdz
は、補正データ記憶部15内に格納することができる
(ステップSa9)。
【0031】第2の方法は、xyz方向の補正データを
求めるものであり、あるプローブで測定した測定データ
を基準データとして定め、この基準データと隣接する測
定データとの相互相関、あるいは基準データに対する関
係が定まった他の測定データとの相互相関を求め、この
相互相関が最大なるよう測定データの座標を移動する。
このときの基準データとのずれを求め、このずれを補正
する値を補正データとするものである。以下、図9のフ
ローチャートと図8の概略図を用いて説明する。ステッ
プSb1〜b5において、前記第1の方法のステップS
a1〜a5と同様にして、各プローブ毎の測定データ
(x,y,z)を得る。
【0032】次に、基準の測定データ(x0,y0,z
0)を定める。基準データは測定データ中の一データ
(図8(a)のSa)を用いることができる(ステップ
Sb6)。基準データ(図8(a)のSa)あるいは基
準データに対する関係が定まった他の測定データと各プ
ローブの測定データ(図8(b)のSb,図8(c)の
Sc)との相互相関を求め(ステップSb7)、相互相
関が最大となるように相互相関データの座標を移動し、
基準データとのずれ量(Δx,Δy,Δz)を求め(ス
テップSb8)、このずれ量(Δx,Δy,Δz)から
補正データ(dx,dy,dz)を求める(ステップS
b9)。この補正データ(dx,dy,dz)は、補正
データ記憶部15内に格納することができる(ステップ
Sb10)。
【0033】なお、前記第1,2の方法は、ステージ位
置をxyzの並進運動について求めた3軸位置の場合を
示している。
【0034】第3の方法は、第2の方法において位置を
xyzおよびθx,θy,θzの6軸について求め、6軸
について相互相関を求めて補正データを求めるものであ
る。以下、図10のフローチャートを用いて説明する。
ステップSc1〜c5において、前記第2の方法のステ
ップSb1〜b5と同様にして6軸について求め、各プ
ローブ毎の測定データ(x,y,z,θx,θy,θ
z)を得る。
【0035】次に、ステップSc6〜c10において、
基準の測定データ(x0,y0,z0,θx0,θy0,θ
z0)を定め、この基準データあるいは基準データに対
する関係が定まった他の測定データと、各プローブの測
定データとの相互相関を求め、相互相関が最大となるよ
うに相互相関データの座標を6軸方向で移動し、基準デ
ータとのずれ量(Δx,Δy,Δz,Δθx,Δθy,
Δθz)を求め、補正データ(dx,dy,dz,dθ
x,dθy,dθz)を求め、補正データ記憶部15内
に格納する。なお、上記第1,2,3の方法は一例であ
り、いずれの方法を用いることも、また他の方法を用い
ることもできる。
【0036】ステップS5の各プローブ毎に求めた測定
データの座標合わせによる合成像の生成は、基準の測定
データを定め、この基準の測定データあるいは基準デー
タに対する関係が定まった他の測定データと、測定デー
タとの相互相関を求めることによって像のつなぎ合わせ
を行うものである。以下、二つの方法例について図11
〜図13を用いて説明する。第1の方法は、2次元位置
について相互相関を求めて、xy方向の補正量を求め、
該補正位置において適正なz値を定め、これによって、
像のつなぎ合わせを行うものである。以下、図11のフ
ローチャートと図13の概略図を用いて説明する。
【0037】図13は像のつなぎ合わせを概略的に示し
ており、図13(a)の試料を隣接するプローブによっ
て、重合部分Dbcを含む測定範囲Db,Dcで測定し
た場合を示している。各プローブによって測定して得た
測定データにおいて、基準の測定データ(x0,y0,z
0)を定め(ステップSA1)、各プローブの測定デー
タとの2次元位置について相互相関を求める。図13で
は、図13(b)を基準の測定データとし、図13
(c)の測定データとの相互相関を求める場合を示して
いる(ステップSA2)。
【0038】測定データを基準の測定データあるいは基
準データに対する関係が定まった他の測定データに対し
て2次元(x,y)方向にずらしながら相互相関を求め
(ステップSA3)、相互相関が最大となる2次元方向
の移動量を求める(図13(d))。これによって、隣
接する測定範囲Db,Dcの重合部分Dbcを重ね合わ
せるための補正量を求めることができる(ステップSA
4)。補正なしでは重合部分Daのz軸方向の値は、測
定範囲Db,Dcの二つの値があり、必ずしも一致する
とは限らない(図13(e)中のΔz)。そこで、この
重合部分Dbcのz軸方向の値を定める。プローブの校
正データを用いることで、DbとDcをほぼ一致させる
ことができる。それでも一致しない場合には、例えば測
定範囲Db,Dcの二つの値の平均値としたり、優先す
る測定範囲のz値を用いる等により定めることができる
(ステップSA5)。
【0039】ステップSA4で求めたxy方向の補正量
を用いて、測定データの座標を移動して像の2次元方向
のつなぎ合わせを行い、ステップSA5で定めた重合部
分のz値を用いて各プローブの測定データをつないで合
成像のデータを得る(図13(f))(ステップSA
6)。
【0040】第2の方法は、3次元位置について相互相
関を求めて、xyz方向の補正量を求め、これによっ
て、像のつなぎ合わせを行うものである。以下、図12
のフローチャートを用いて説明する。ステップSB1,
B2において、前記第1の方法のステップSA1,A2
と同様にして、基準の測定データ(x0,y0,z0)を
定め各プローブの測定データとの相互相関を求める。こ
のとき、相互相関は3次元について求め、測定データを
基準の測定データあるいは基準データに対する関係が定
まった他の測定データに対して3次元(x,y,z)方
向にずらしながら、相互相関が最大となる3次元方向の
移動量を求め(ステップSB3)、隣接する測定範囲を
重ね合わせるための補正量を求める。この補正量は、基
準の測定データにずれ量から定めることができる(ステ
ップSB4)。ステップSB4で求めたxyz方向の補
正量を用いて、測定データの座標を移動して像の3次元
方向のつなぎ合わせを行い、合成像のデータを得る(ス
テップSB5)。
【0041】次に、原子間力顕微鏡に適用したプローブ
アレイの構成例について、図14〜図17を用いて説明
する。図14、15において、ステージ4の基板に切り
欠き部分23a〜23hを形成することによってカンチ
レバー21a〜21hを設けるとともに、カンチレバー
の先端部分にプローブ22a〜22hを設ける。プロー
ブ22a〜22hは、適当な間隔xp,ypで配置する
ことができる。プローブ22a〜22hの変位を検出す
る手段として、歪みゲージやピエゾ抵抗膜等の曲がり検
出センサ21a〜21hをカンチレバーに取り付ける。
【0042】図16は、プローブ変位検出に抵抗体をセ
ンサとして用いた場合の接続例である。抵抗体はホイー
ストン・ブリッジを組み、電位の不平衡を検出すること
によって、カンチレバーの曲がりを検出することができ
る。図16中のRa11〜Ramnはカンチレバーの曲
がりを検出する抵抗体であり、Rb,Rc,Rdは抵抗
体Raとともにホイーストン・ブリッジを組むための抵
抗体である。また、ステージ4上に配置された複数の抵
抗体の選択は、2個の切換えスイッチ等のマルチプレク
サを同期させて切り換えることによって行うことがで
き、この構成によれば、ホイーストン・ブリッジを組む
ための抵抗体の個数を減少させることができる。図17
において、カンチレバー上に抵抗体Ra,Rdを配置
し、ステージ4の基板aに抵抗体Rb,Rcを配置す
る。これによって、抵抗体の温度補償を行うことができ
る。
【0043】本発明の実施の形態によれば、走査型プロ
ーブ顕微鏡において、広範囲の形状測定を、装置全体の
サイズを大きくすることなく、高精度で行うことができ
る。
【0044】また、装置を小型に構成できるため、熱等
による変形で生じる誤差の発生を抑制することができ
る。また、本発明の実施の形態によれば、プローブの配
置ずれにより生じる誤差の発生を抑制することができ
る。また、本発明の実施の形態によれば、プローブの特
性により生じる誤差の発生を抑制することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の走査型プ
ローブ顕微鏡によれば、広範囲にわたって高精度の形状
測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査型プローブ顕微鏡の概略を説明す
るための概略図である。
【図2】本発明の走査型プローブ顕微鏡の一部断面図で
ある。
【図3】本発明の走査型プローブ顕微鏡の一部平面図で
ある。
【図4】本発明のプローブ位置と走査範囲との関係を説
明するための図である。
【図5】本発明の走査型プローブ顕微鏡の動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図6】プローブ配置等に基づく誤差を補正する補正デ
ータを求める第1の方法を説明するためのフローチャー
トである。
【図7】プローブ配置等に基づく誤差を補正する補正デ
ータを求める第1の方法を説明するための概略図であ
る。
【図8】プローブ配置等に基づく誤差を補正する補正デ
ータを求める第2の方法を説明するための概略図であ
る。
【図9】プローブ配置等に基づく誤差を補正する補正デ
ータを求める第2の方法を説明するためのフローチャー
トである。
【図10】プローブ配置等に基づく誤差を補正する補正
データを求める第3の方法を説明するためのフローチャ
ートである。
【図11】合成像の生成の第1の方法を説明するためフ
ローチャートである。
【図12】合成像の生成の第2の方法を説明するためフ
ローチャートである。
【図13】合成像の生成の方法を説明するため概略図で
ある。
【図14】原子間力顕微鏡に適用したプローブアレイの
構成例を説明するための概略図である。
【図15】原子間力顕微鏡に適用したプローブアレイの
構成例を説明するための断面図である。
【図16】抵抗体センサの接続を説明するための概略回
路図である。
【図17】ステージ上の抵抗体の配置例を説明する概略
図である。
【図18】走査型トンネル顕微鏡を説明するための概略
図である。
【図19】原子間力顕微鏡を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1…走査型プローブ顕微鏡、2…プローブ、3…プロー
ブアレイ、4…ステージ、5…xyz微動機構、6…変
位センサ、7…xyz微動制御部、10…プローブ変位
検出部、11…xyz変位検出部、12…測定データ補
正部、13…測定データ記憶部、14…補正データ形成
部、15…補正データ記憶部、15a…プローブ特性デ
ータ、15b…プローブ位置補正データ、20…測定デ
ータ合成部、30…形状データ記憶部、40…表示部、
S…試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 尚武 愛知県名古屋市天白区久方2丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一ステージ上に複数のプローブを2次
    元的に配列したプローブアレイと、前記プローブアレイ
    を3次元方向に移動可能とする移動手段と、プローブの
    変位信号と移動手段による移動量から、試料の表面形状
    の測定データを各プローブ毎に測定する変位検出手段
    と、各プローブの位置誤差およびプローブ特性に基づい
    て、前記測定データを各プローブ毎に補正する測定デー
    タ補正手段と、各プローブ毎の隣接する測定データの相
    互相関を求めることによって測定データをつなぎ合わ
    せ、合成像を生成する測定データ合成手段を備えたこと
    を特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
JP11067897A 1997-04-28 1997-04-28 走査型プローブ顕微鏡 Withdrawn JPH10300758A (ja)

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