JPH1029971A - スルフィド基含有チオール化合物の製造方法 - Google Patents

スルフィド基含有チオール化合物の製造方法

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JPH1029971A
JPH1029971A JP8186372A JP18637296A JPH1029971A JP H1029971 A JPH1029971 A JP H1029971A JP 8186372 A JP8186372 A JP 8186372A JP 18637296 A JP18637296 A JP 18637296A JP H1029971 A JPH1029971 A JP H1029971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性かつ高選択的にチオール化合物にアル
キレンスルフィドを開環付加させてスルフィド基含有チ
オール化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 塩基性イオン交換樹脂の存在下にチオー
ル化合物に、一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
たは異なっていてもよい水素原子、炭素原子数1〜10
のアルキル基または炭素原子数6〜15の芳香族基を示
す。)で表わされるアルキレンスルフィドを反応させて
開環付加させることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルフィド基含有
チオール化合物の製造方法に関するものである。詳しく
述べると、チオール化合物にアルキレンスルフィドを開
環付加させてスルフィド基含有チオール化合物を製造す
る方法に関するものである。
【0002】本発明方法によって得られるスルフィド基
含有チオール化合物は、キレート剤、潤滑油添加剤、ゴ
ム用添加剤、石油精製油用添加剤、重合連鎖移動剤など
幅広く利用できる有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】チオール化合物にアルキレンスルフィド
を開環付加させてスルフィド基含有チオール化合物を製
造する方法に関しては、古くは無触媒で反応させる方法
がドイツ特許第696,774号に開示されている。し
かしながら、この方法では高温を必要とするため、これ
を改善するために、米国特許第2,490,984号で
は、三フッ化ホウ素を触媒として用いる方法が、また米
国特許第2,497,100号ではナトリウムアルコキ
シドを用いる方法が提案されている。さらに、J.A
m.Chem.Soc.(1947)69巻、2675
頁、J.Chem.Soc.(1948)第1894頁
およびJ.Chem.Soc.(1949)第282頁
においても、アルカリ金属アルコキシドを用いる方法が
提案されている。しかしながら、これらの触媒は活性は
高いものの、エチレンスルフィドを用いた反応では、そ
の重合が起こり易いため、目的とする生成物の選択率が
低いという問題点があった。
【0004】一方、Izv.Akad.Nauk SS
SR,Ser.Khim.(1975)No.3,第6
60頁では、トリエチルアミンを触媒として用いた研究
例が示されている。また、米国特許第4,163,83
2号では、同様にトリメチルアミン、トリエチルアミン
等のアミン化合物あるいはトリメチルホスフィンを用い
る方法が開示されている。さらに、J.Fluorin
e.Chem.(1975)6巻第145頁ではピリジ
ンを用いたペンタフルオロチオフェノールとエチレンス
ルフィドとの反応が示されている。しかしながら、アミ
ン化合物やピリジン類を触媒とした場合、選択性は改善
されるものの、反応性の低いチオール化合物やエチレン
スルフィド以外のアルキレンスルフィドでは反応速度が
遅いという欠点があった。さらに、チオール化合物は弱
酸性であるために、系内に存在する塩基性のアミン触媒
は、蒸留によっても完全に分離除去することが難しいと
いう問題が生じていた。
【0005】また、特公平7−5,585号では、ベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライドを触媒として水
酸化ナトリウム−ベンゼン系水溶液中で反応させる方法
が開示されているが、収率および選択率が低いという問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、スルフィド含有チオール化合物の新規な製造方
法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、種々のチオール化合
物に適用可能な高活性を有し、かつアルキレンスルフィ
ドの重合を引き起こすことなく高選択的に開環付加反応
を進行させる触媒を用いたスルフィド基含有チオール化
合物の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記
(1)〜(7)により達成される。
【0009】(1) 塩基性イオン交換樹脂の存在下に
チオール化合物に、一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 はそれぞれ同一または異なっていてもよい水素原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数
6〜15の芳香族基を示す。)で表わされるアルキレン
スルフィドを反応させて該アルキレンスルフィドを該チ
オール化合物に開環付加させることを特徴とするスルフ
ィド基含有チオール化合物の製造方法。
【0012】(2) 該塩基性イオン交換樹脂が、官能
基として第三級アミノ基を有する樹脂、第四級アンモニ
ウム基を有する樹脂およびピリジン環を有する樹脂より
なる群から選ばれた少なくとも1種のイオン交換樹脂で
ある前記(1)に記載の方法。
【0013】(3) 該アルキレンスルフィドを反応系
内に逐次添加して反応させてなる前記(1)または
(2)に記載の方法。
【0014】(4) 該チオール化合物が、一般式
(2) R5 SH (2) (ただし、式中、R5 は水素原子、炭素原子数1〜20
のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、または
6 CO−であり、R6 は炭素原子数1〜20のアルキ
ル基または炭素原子数6〜20の芳香族基である)で表
わされる化合物より選ばれた1種である前記(1)〜
(3)のいずれか一つに記載の方法。
【0015】(5) 該アルキレンスルフィドがエチレ
ンスルフィドまたはプロピレンスルフィドであり、かつ
該チオール化合物がメルカプトアルカン酸エステル類、
メルカプトアルカノール類、チオ安息香酸、チオフェノ
ールおよびアルカンチオール類よりなる群から選ばれた
1種のものである前記(1)〜(3)のいずれか一つに
記載の方法。
【0016】(6) 該チオール化合物がメルカプトア
ルカン酸エステル類およびメルカプトアルカノール類よ
りなる群から選ばれた1種のものである前記(5)に記
載の方法。
【0017】(7) 該塩基性イオン交換樹脂の使用量
は、反応混合物100重量部当り0.01〜10重量部
である前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の方
法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明によれば、チオール化合物
にアルキレンスルフィドを開環付加させてスルフィド基
含有チオール化合物を製造する反応において、触媒とし
て塩基性イオン交換樹脂が用いられる。このような塩基
性イオン交換樹脂としては、官能基として第三級アミノ
基を有するイオン交換樹脂、第四級アンモニウム基を有
するイオン交換樹脂、ピリジン環を有するイオン交換樹
脂等があり、一般に市販品として容易に入手可能であ
る。なかでも、第三級アミノ基を官能基とする弱塩基性
イオン交換樹脂は、活性および選択性が共に優れてお
り、好ましく用いられる。
【0019】このような塩基性イオン交換樹脂の市販品
としては、第三級アミノ基を有するイオン交換樹脂とし
て、例えばアンバーリストA−21、アンバーライトI
RA−93、アンバーライトIRA−94およびアンバ
ーライトIRA−68(以上、ローム・アンド・ハース
社製)、デュオライトA−368、デュオライトA−5
61およびデュオライトA−375(以上、デュオライ
ト・インターショナル社製)、ダウエックスMWA−1
(ダウ・ケミカル社製)、ダイヤイオンWA30(三菱
化学株式会社製)等がある。
【0020】第四級アンモニウム基を有するイオン交換
樹脂として、例えばアンバーライトIRA−904、ア
ンバーライトIRA−938、アンバーライトIRA−
958およびアンバーライトIRA−900(以上、ロ
ーム・アンド・ハース社製)、デュオライトA−16
1、デュオライトA−165およびデュオライトA−1
47(以上、デュオライト・インターショナル社製)、
ダウエックスMSA−1およびダウエックスSBR(以
上、ダウ・ケミカル社製)、ダイヤイオンSA10Aお
よびダイヤイオンPA306(以上、三菱化学株式会社
製)等がある。
【0021】また、ピリジン環を有するイオン交換樹脂
として、例えばスミキレートCR−2(住友化学工業株
式会社製)等がある。
【0022】この触媒を反応に用いる際の使用量は特に
制限されないが、通常反応混合物100重量部に対して
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜1重量部で
ある。すなわち、0.01重量部未満では、反応速度が
遅くなり、一方、10重量部を越えて使用しても反応に
悪影響はないが、経済的に不利となる。
【0023】この触媒の使用方法は、反応の形態によっ
ても異なるが、回分式反応では、反応の最初に添加して
もよいし、逐次添加して行なうこともできる。この触媒
は固体であるため、反応後の触媒の分離回収もデカンテ
ーションや濾過等によって極めて容易に行なうことがで
きる。また、連続式反応では、反応器内に該触媒を固定
床として保持した状態で連続的に反応混合物を流通して
反応を行なうことも可能である。
【0024】本発明において使用されるアルキレンスル
フィドは、一般式(1)
【0025】
【化3】
【0026】で表される化合物である。ここにR1 、R
2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一または異なってい
てもよい水素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1
〜6のアルキル基、炭素原子数6〜15、好ましくは6
〜10の芳香族基である。代表的なアルキレンスルフィ
ドとしては、例えばエチレンスルフィド、プロピレンス
ルフィド、イソブチレンスルフィド、スチレンスルフィ
ド等があり、特に好ましくはエチレンスルフィドおよび
プロピレンスルフィドである。
【0027】本発明において使用されるチオール化合物
は、一般式(2) R5 SH (2) で表される化合物であることが好ましい。ここにR
5 は、水素原子、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜
12のアルキル基、炭素原子数2〜20、好ましくは2
〜8のアルカノール基、炭素原子数6〜20、好ましく
は6〜12の芳香族基、またはR6 CO−であり、R6
は炭素原子数1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基
または炭素原子数6〜20、好ましくは6〜12の芳香
族基である。
【0028】代表的なチオール化合物としては、メタン
チオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタン
チオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール等のア
ルカンチオール類、エタンジチオール、プロパンジチオ
ール、ブタンジチオール、ビス(2−メルカプトエチ
ル)スルフィド等の多価チオール類、チオフェノール、
1,2−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオ
ール、4−メルカプトフェノール等の芳香族チオール
類、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパ
ノール、1−メチル−2−メルカプトエタノール、チオ
グリセロール等のメルカプトアルカノール類、3−メル
カプトプロピオン酸のメチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエス
テル、n−オクチルエステル、イソオクチルエステル、
2−エチルヘキシルエステル、ラウリルエステル、ステ
アリルエステル、エチレングリコールのエステル、グリ
セリンのエステル、トリメチロールプロパンのエステ
ル、ペンタエリスリトールのエステル、ジペンタエリス
リトールのエステル、2−メルカプトプロピオン酸のメ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブ
チルエステル、ヘキシルエステル、n−オクチルエステ
ル、イソオクチルエステル、2−エチルヘキシルエステ
ル、ラウリルエステル、ステアリルエステル、エチレン
グリコールのエステル、グリセリンのエステル、トリメ
チロールプロパンのエステル、ペンタエリスリトールの
エステル、ジペンタエリスリトールのエステル、チオグ
リコール酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピ
ルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、n−
オクチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチル
ヘキシルエステル、ラウリルエステル、ステアリルエス
テル、エチレングリコールのエステル、グリセリンのエ
ステル、トリメチロールプロパンのエステル、ペンタエ
リスリトールのエステル、ジペンタエリスリトールのエ
ステル等のメルカプトアルカン酸エステル類、チオ酢
酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸、チオ安息香酸等のチ
オカルボン酸類、さらにアリルメルカプタン、ベンジル
メルカプタン、フルフリルメルカプタン、硫化水素等が
挙げられる。これらのチオール化合物のうち、特に好ま
しくはメルカプトアルカン酸エステル類、メルカプトア
ルカノール類、芳香族チオール類、芳香族チオカルボン
酸類およびアルカンチオール類であり、特にメルカプト
アルカン酸エステル類およびメルカプトアルカノール類
である。
【0029】本発明におけるチオール化合物へのアルキ
レンスルフィドの開環付加反応では、各原料の仕込比に
より生成物におけるアルキレンスルフィドの付加モル数
を制御することが可能である。1モル付加物を得る場合
には、チオール化合物を、通常過剰に用いることにより
達成されるが、具体的には、チオール化合物をアルキレ
ンスルフィドに対して1〜10モル倍、好ましくは1〜
5モル倍用いて実施される。これ以上過剰に用いても反
応に問題はないが、生産性が低くなる。使用するチオー
ル化合物の反応性が高い場合、具体的には酸解離定数p
Kaが8.0より小さいものでは、仕込比(モル比)が
1:1においても1モル付加体を優先的に得ることがで
きる。
【0030】また、回分式反応においては、原料全てを
一括投入して反応するよりも、反応系にアルキレンスル
フィドを逐次添加して行なう方が、1モル付加物の選択
率は高くなる。アルキレンスルフィドを過剰に用いた場
合には、付加モル数は1モルより大きくなるが、多くの
場合、分布幅をもった生成物として得られる。この場
合、通常アルキレンスルフィドをチオール化合物に対し
て1〜10モル倍、好ましくは1〜3モル倍用いて実施
されるが、さらに過剰に用いた場合、付加モル数の制御
が困難となる。
【0031】本発明方法における反応温度は、通常0〜
200℃であるが、好ましくは10〜150℃である。
本発明方法において使用される塩基性イオン交換樹脂触
媒は高活性であるために、室温以下においても十分反応
可能である。反応圧力は特に制限されないが、通常1〜
100kg/cm2 、好ましくは1〜20kg/cm2
で実施される。反応中は酸素によるチオール基の酸化を
防止するために、反応系内を不活性ガス雰囲気下に保つ
ことが望ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等を用いてもよい。
【0032】本発明方法においては、必要により溶媒を
用いてもよい。溶媒を用いる場合には、反応混合物の濃
度に特に制限はないが、通常5〜90重量%、好ましく
は20〜60重量%である。すなわち、濃度が5重量%
未満では、反応速度が遅くなると同時に、生成物を単離
するために多量の溶媒を分離回収しなければならず、経
済的に不利である。一方、90重量%を越えると、溶媒
で希釈する効果が十分に表われなくなる。
【0033】本発明方法で使用される溶媒としては、チ
オール化合物およびアルキレンスルフィドに対して不活
性であれば、全て使用可能である。具体的には、例えば
ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、P−シメン、メシチレン等
の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルな
どのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド
系溶媒、さらにアセトニトリル、ニトロメタン、クロル
ベンゼン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
リックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等が挙げられる。また、溶媒還流下で行なうこと
により反応熱の除去をより容易に行なうことができる。
【0034】このような反応を行なうことにより一般式
(3)
【0035】
【化4】
【0036】(ただし、式中、R1 、R2 、R3 、R4
およびR5 は前記のとおりであり、またはnは1〜6、
好ましくは1〜3の整数である。)であらわされるスル
フィド基含有チオール化合物が得られる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらに限
定されるものではない。
【0038】実施例1 撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた
四つ口フラスコに、3−メルカプトプロピオン酸メチル
24.0g(200ミリモル)、トルエン40およびア
ンバーリストA−21(ローム・アンド・ハース社製塩
基性イオン交換樹脂)0.4gを仕込み、窒素気流下に
温度を50℃に保ちながらエチレンスルフィド2.4g
(40ミリモル)を30分間にわたって滴下した。同温
度にてさらに2時間反応を行なったのち、反応生成物を
取り出し、ガスクロマトグラフィーにて分析を行なった
ところ、エチレンスルフィド1モル付加物および2モル
付加物が89:11の比率で生成していることが見出さ
れ、エチレンスルフィド基準の合計収率は98%であっ
た。その結果を表1および表2に示す。
【0039】実施例2 反応原料として2−メルカプト酢酸エチル24.0g
(200ミリモル)およびエチレンスルフィド12.0
g(200ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様
の方法を行なったところ、表1および表2に示す結果が
得られた。
【0040】実施例3 反応原料として2−メルカプトエタノール15.6g
(200ミリモル)およびエチレンスルフィド2.4g
(40ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様の方
法を行なったところ、表1および表2に示す結果が得ら
れた。
【0041】実施例4 反応原料としてチオ安息香酸27.6g(200ミリモ
ル)およびエチレンスルフィド12.0g(200ミリ
モル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法を行なっ
たところ、表1および表2に示す結果が得られた。
【0042】実施例5 反応原料としてチオフェノール22.0g(200ミリ
モル)およびエチレンスルフィド2.4g(40ミリモ
ル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法を行なった
ところ、表1および表2に示す結果が得られた。
【0043】実施例6 反応原料としてプロパンチオール15.2g(200ミ
リモル)およびエチレンスルフィド2.4g(40ミリ
モル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法を行なっ
たところ、表1および表2に示す結果が得られた。
【0044】実施例7 反応原料として3−メルカプトプロピオン酸メチル2
4.0g(200ミリモル)およびプロピレンスルフィ
ド14.8g(200ミリモル)を用いた以外は、実施
例1と同様の方法を行なったところ、表1および表2に
示す結果が得られた。
【0045】実施例8 触媒としてアンバーライトIRA−904(ローム・ア
ンド・ハース社製塩基性イオン交換樹脂)0.4gを用
いた以外は、実施例1と同様の方法を行なったところ、
表1および表2に示す結果が得られた。
【0046】実施例9 実施例1と同様の装置を用い、チオ安息香酸13.8g
(100ミリモル)、触媒としてスミキレートCR−2
(住友化学工業株式会社製)1.2gを仕込み、窒素気
流下、温度を60℃に保ちながらエチレンスルフィド
6.0g(100ミリモル)を30分にわたって滴下し
た。同温度にてさらに6時間反応を行なった後、反応生
成物を取り出し、ガスクロマトグラフィーにて分析し、
表1および表2に示す結果を得た。
【0047】比較例1 触媒としてトリエチルアミン0.4gを用いた以外は、
実施例1と同様の方法を行なったところ、表1および表
2に示す結果が得られた。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、高活性かつ高選択的に
チオール化合物にアルキレンスルフィドを開環付加させ
て、スルフィド基含有チオール化合物を製造することが
できる。また、触媒として使用される塩基性イオン交換
樹脂は固体であるので、該触媒の反応混合物からの回収
除去は、極めて容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 327/26 7106−4H C07C 327/26 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性イオン交換樹脂の存在下にチオー
    ル化合物に、一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞ
    れ同一または異なっていてもよい水素原子、炭素原子数
    1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜15の芳香
    族基を示す。)で表わされるアルキレンスルフィドを反
    応させて該アルキレンスルフィドを該チオール化合物に
    開環付加させることを特徴とするスルフィド基含有チオ
    ール化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 該塩基性イオン交換樹脂が、官能基とし
    て第三級アミノ基を有する樹脂、第四級アンモニウム基
    を有する樹脂およびピリジン環を有する樹脂よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種のイオン交換樹脂である請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該アルキレンスルフィドを反応系内に逐
    次添加して反応させてなる請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 該チオール化合物が、一般式(2) R5 SH (2) (ただし、式中、R5 は水素原子、炭素原子数1〜20
    のアルキル基、炭素原子数6〜20の芳香族基、または
    6 CO−であり、R6 は炭素原子数1〜20のアルキ
    ル基または炭素原子数6〜20の芳香族基である)で表
    わされる化合物より選ばれた1種である請求項1〜3の
    いずれか一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 該アルキレンスルフィドがエチレンスル
    フィドまたはプロピレンスルフィドであり、かつ該チオ
    ール化合物がメルカプトアルカン酸エステル類、メルカ
    プトアルカノール類、チオ安息香酸、チオフェノールお
    よびアルカンチオール類よりなる群から選ばれた1種の
    ものである請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 該チオール化合物がメルカプトアルカン
    酸エステル類およびメルカプトアルカノール類よりなる
    群から選ばれた1種のものである請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 該塩基性イオン交換樹脂の使用量は、反
    応混合物100重量部当り0.01〜10重量部である
    請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
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