JP3083488B2 - スルフィド基含有チオール化合物の製造方法 - Google Patents

スルフィド基含有チオール化合物の製造方法

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JP3083488B2 JP09006960A JP696097A JP3083488B2 JP 3083488 B2 JP3083488 B2 JP 3083488B2 JP 09006960 A JP09006960 A JP 09006960A JP 696097 A JP696097 A JP 696097A JP 3083488 B2 JP3083488 B2 JP 3083488B2
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    • C07C319/14Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of sulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C327/22Esters of monothiocarboxylic acids having carbon atoms of esterified thiocarboxyl groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルフィド基含有
チオール化合物の製造方法に関するものである。詳しく
述べると、チオール化合物にアルキレンスルフィドを開
環付加させてスルフィド基含有チオール化合物を製造す
る方法に関するものである。
【0002】本発明の方法によって得られるスルフィド
基含有チオール化合物は、キレート剤、潤滑油添加剤、
ゴム用添加剤、石油精製用添加剤、重合連鎖移動剤など
幅広く利用できる有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】チオール化合物にアルキレンスルフィド
を開環付加させてスルフィド基含有チオール化合物を製
造する方法に関しては、古くは無触媒で反応させる方法
がドイツ特許第696,774号に開示されている。し
かしながら、この方法では高温を必要とするため、これ
を改善するために、米国特許第2,490,984号お
よび米国特許第2,497,100号において、それぞ
れ、ナトリウムアルコキシドおよび三フッ化ホウ素を触
媒として用いる方法が提案されている。さらに、J.A
m.Chem.Soc.(1947)69巻、第267
5頁、J.Chem.Soc.(1948)第1894
頁およびJ.Chem.Soc.(1949)第282
頁においても、アルカリ金属アルコキシド等を触媒とし
て用いる方法が開示されている。しかしながら、これら
の触媒は高い活性を有するものの、原料としてのアルキ
レンスルフィド自体の重合が起こり易いため、目的とす
る生成物の選択性が低いという問題点があった。
【0004】一方、Izv.Akad.Nauk.SS
SR,Ser.Khim.(1975)、No.3、第
660頁および米国特許第4,163,832号では、
トリメチルアミンやトリエチルアミン等のアミン化合物
あるいはトリメチルホスフィンを触媒として用いる方法
が開示されている。さらに、特公平7−5,585号で
は、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムを触媒として
使用して水酸化ナトリウム水溶液−ベンゼン系中で反応
させる方法が開示されている。しかしながら、上記した
いずれの方法においても副反応であるアルキレンスルフ
ィドの重合が起こりやすく、とりわけエチレンスルフィ
ドを用いる際にはエチレンスルフィドの重合の抑制は困
難であった。
【0005】上述した通り、チオール化合物にアルキレ
ンスルフィドを開環付加させてスルフィド基含有チオー
ル化合物を得る方法は従来多数報告されてきているもの
の許容できないような欠点があり、選択的に目的とする
スルフィド基含有チオール化合物を製造する方法が依然
として存在していない状況である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、スルフィド含有チオール化合物の新規な製造方
法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、アルキレンスルフィ
ドの重合を引き起こすことなく、高い選択率でスルフィ
ド基含有チオール化合物を製造する方法を提供すること
にある。
【0008】本発明のさらなる目的は、アルキレンスル
フィドの重合を引き起こすことなく高選択的に開環付加
反応を進行させる溶媒を用いたスルフィド基含有チオー
ル化合物の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記欠点
を解決したスルフィド含有チオール化合物の新規な製造
方法について鋭意検討を行った結果、アミド化合物若し
くは尿素置換体化合物を溶媒として使用して、この溶媒
中でチオール化合物にアルキレンスルフィドを開環付加
反応させることにより、スルフィド基含有チオール化合
物が高い選択率で製造できることを発見した。この知見
に基づいて本発明を完成した。
【0010】すなわち、上記諸目的は、下記(1)〜
)により達成される。
【0011】(1) アミド化合物若しくは尿素置換体
化合物の溶媒中で、一般式(5): 14 O−CO−R 15 −SH (5) (ただし、式中、R 14 は炭素原子数1〜20のアルキル
基を表わし、R 15 は炭素原子数2のアルキレン基を表わ
す。)で表わされる チオール化合物に、一般式(1):
【0012】
【化2】
【0013】(ただし、式中、R1、R2、R3およびR4
はそれぞれ同一または異なっていてもよい水素原子、炭
素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜1
5の芳香族基を表わす。)で表わされるアルキレンスル
フィドを開環付加反応させることからなり、かつ該アミ
ド化合物または該尿素置換体化合物の使用量がチオール
化合物100重量部当たり10〜1,000重量部であ
るスルフィド基含有チオール化合物の製造方法。
【0014】(2) 触媒としてアミン化合物の共存下
に反応を行う前記(1)に記載の方法。
【0015】(3) 前記アミド化合物が一般式
(2):
【0016】
【化3】
【0017】(ただし、式中、R5 、R6 およびR7
それぞれ同一または異なっていてもよい水素原子、炭素
原子数1〜4のアルキル基、またはR5 及びR6 が相互
に結合した炭素原子数2〜4のアルキレン基を表わ
す。)で表される化合物であり、さらに、前記尿素置換
体化合物が一般式(3):
【0018】
【化4】
【0019】(ただし、式中、R8 、R9 、R10および
11はそれぞれ同一または異なっていてもよい水素原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基、またはR9 及びR
10が相互に結合した炭素原子数2〜3のアルキレン基を
表わす。)で表される化合物である前記(1)または
(2)に記載の方法。
【0020】(4) 前記アミン化合物が第3級アミン
である、前記(2)または(3)に記載の方法。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】() 前記アルキレンスルフィドがエチ
レンスルフィドまたはプロピレンスルフィドである前記
(1)〜()のいずれか一つに記載の方法。
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】本発明によれば、チオール化合物
にアルキレンスルフィドを開環付加させてスルフィド基
含有チオール化合物を製造する反応において、アミド化
合物若しくは尿素置換体化合物を溶媒として使用するこ
とが必須である。
【0027】本発明において溶媒として使用されるアミ
ド化合物としては、例えば、一般式(2):
【0028】
【化5】
【0029】(ただし、式中、R5 、R6 及びR7 は前
記の通りである。)で表される化合物が好ましく用いら
れる。
【0030】上記一般式(2)で表わされるアミド化合
物の代表的な例としては、ホルムアミド、N−メチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチ
ルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,
N−ジ−n−プロピルホルムアミド、N,N−ジイソプ
ロピルホルムアミド、N−n−ブチルホルムアミド、N
−tert−ブチルホルムアミド、N,N−ジ−n−ブ
チルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジ
−n−プロピルアセトアミド、N,N−ジイソプロピル
アセトアミド、N−n−ブチルアセトアミド、N−te
rt−ブチルアセトアミド、N,N−ジ−n−ブチルア
セトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオン
アミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−エチ
ルプロピオンアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミ
ド、N,N−ジイソプロピルプロピオンアミド、N−n
−ブチルプロピオンアミド、N−tert−ブチルプロ
ピオンアミド、N,N−ジ−n−ブチルプロピオンアミ
ド、2−メチルプロピオンアミド、N−メチル−2−メ
チルプロピオンアミド、N,N−ジメチル−2−メチル
プロピオンアミド、N−エチル−2−メチルプロピオン
アミド、N,N−ジエチル−2−メチルプロピオンアミ
ド、N,N−ジ−n−プロピル−2−メチルプロピオン
アミド、N,N−ジイソプロピル−2−メチルプロピオ
ンアミド、N−n−ブチル−2−メチルプロピオンアミ
ド、N−tert−ブチル−2−メチルプロピオンアミ
ド、N,N−ジ−n−ブチル−2−メチルプロピオンア
ミド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、
1−エチル−2−ピロリドン、1−n−プロピル−2−
ピロリドン、1−イソプロピル−2−ピロリドン、1−
n−ブチル−2−ピロリドン、2−ピペリドン、1−メ
チル−2−ピペリドン、1−エチル−2−ピペリドン、
1−n−プロピル−2−ピペリドン、1−イソプロピル
−2−ピペリドン、及び1−n−ブチル−2−ピペリド
ン等が挙げられる。これらのアミド化合物のうち、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチ
ルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、及び1
−メチル−2−ピペリドンが特に好ましく使用される。
【0031】また、本発明において溶媒として使用され
る尿素置換体化合物としては、例えば、一般式(3):
【0032】
【化6】
【0033】(ただし、式中、R8 、R9 、R10及びR
11は前記の通りである。)で表される化合物が好ましく
用いられる。
【0034】上記一般式(3)で表わされる尿素置換体
化合物の代表的な例としては、1,1,3,3−テトラ
メチル尿素、1,1,3,3−テトラエチル尿素、1,
1,3,3−テトラ−n−プロピル尿素、1,1,3,
3−テトライソプロピル尿素、1,1,3,3−テトラ
−n−ブチル尿素、エチレン尿素、N,N’−トリメチ
レン尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、及び
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ
る。これらの尿素置換体化合物のうち、1,1,3,3
−テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿
素、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが特
に好ましく使用される。
【0035】本発明による反応を実施する際の、上記溶
媒の使用量は特に制限されないが、通常、チオール化合
物100重量部に対して、10〜1,000重量部、好
ましくは50〜500重量部である。すなわち、溶媒の
使用量が10重量部未満である際には、アルキレンスル
フィドの重合抑制効果が十分でなく好ましくない。一
方、溶媒の使用量が1,000重量部を超えると、反応
に悪影響はないものの、経済的に不利になり、やはり好
ましくない。また、本発明において、溶媒は、一種類で
使用しても、または二種以上を組み合わせて使用しても
よい。このような溶媒を用いることにより、反応時のア
ルキレンスルフィドの重合が効率的に抑制され、目的生
成物の選択性を向上させることが可能になる。
【0036】さらに、本発明においては、アミン化合物
を触媒として共存させて、上記溶媒と組み合わせて使用
することにより、アルキレンスルフィドの重合を抑制す
ると同時に、反応速度を増加させ、さらに、生産性を向
上させることが可能である。本発明による反応において
触媒として使用されるアミン化合物としては、第3級ア
ミン化合物が好ましく用いられる。
【0037】本発明において触媒として使用されるアミ
ン化合物の具体的な例としては、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソ
プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−
オクチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、及
びN,N−ジメチル−n−ドデシルアミン等のアルキル
3級アミン類、N,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−
1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テト
ラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,
N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、及び
N,N,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミ
ン等のアルキレンポリアミン類、N−メチルモルホリ
ン、N−メチルピペリジン、1,4−ジメチルピペラジ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジ
メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミ
ン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキ
ノリン、ピラジン、および4−ジメチルアミノピリジン
などが挙げられる。
【0038】本発明おいて、反応を実施する際の上記触
媒の使用量は特に制限されないが、通常、チオール化合
物100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.1〜5重量部である。すなわち、触媒の使用
量が0.01重量部未満である際には、反応速度が遅く
なるという欠点が生じる。また、触媒の使用量が10重
量部を超えると、反応に悪影響は生じないものの、経済
的に不利となり好ましくない。上記触媒の使用方法は、
反応の形態によっても異なるが、触媒を反応の最初に一
括して添加してもよいしまたは反応中逐次添加してもよ
い。また、本発明において、上記触媒は、単独で使用し
ても、または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】本発明において原料として使用されるアル
キレンスルフィドは、一般式(1)で表わされる化合物
である:
【0040】
【化7】
【0041】上記式(1)中、R1 、R2 、R3 及びR
4 はそれぞれ同一または異なっていてもよい水素原子、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基ま
たは炭素原子数6〜15、好ましくは6〜10の芳香族
基を示す。
【0042】本発明において使用されるアルキレンスル
フィドの代表的な例としては、エチレンスルフィド、プ
ロピレンスルフィド、イソブチレンスルフィド、及びス
チレンスルフィド等が挙げられる。これらのうち、好ま
しくは、エチレンスルフィド及びプロピレンスルフィド
であり、エチレンスルフィドを使用する際に本発明によ
る効果が顕著であるため、エチレンスルフィドが特に好
ましい。
【0043】本発明において原料として使用されるチオ
ール化合物は、特に限定されないが、アルカンチオール
類、芳香族チオール類、アルキルチオカルボン酸類、芳
香族チオカルボン酸類、メルカプトアルカン酸エステル
類、およびメルカプトアルカノール類よりなる群から選
ばれた化合物が好ましく用いられる。これらの化合物は
主として一般式(4): R12SH (4) で表わされる化合物である。上記式(4)中、R12は炭
素原子数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基、
炭素原子数6〜20、好ましくは6〜12の芳香族基、
またはR13CO−を表わし、R13は炭素原子数1〜2
0、好ましくは1〜8のアルキル基または炭素原子数が
6〜20、好ましくは6〜12の芳香族基を表わす。
【0044】また、本発明においてチオール化合物がメ
ルカプトアルカン酸エステルである際のメルカプトアル
カン酸エステルの例としては、下記一般式(5)で表わ
される化合物が本発明の方法において好ましく使用され
る: R14O−CO−R15−SH (5) 上記式(5)において、R14は炭素原子数1〜20、好
ましくは1〜12のアルキル基を表わし、R15は炭素原
子数が1〜4、好ましくは1または2のアルキレン基を
表わす。
【0045】本発明において使用されるチオール化合物
の代表的な例としては、メタンチオール、エタンチオー
ル、プロパンチオール、ブタンチオール、ヘキサンチオ
ール、及びオクタンチオール等のアルカンチオール類、
エタンジチオール、プロパンジチオール、ブタンジチオ
ール、及びビス(2−メルカプトエチル)スルフィド等
の多価チオール類、チオフェノール、1,2−ベンゼン
ジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、及び4−メ
ルカプトフェノール等の芳香族チオール類、2−メルカ
プトエタノール、3−メルカプトプロパノール、1−メ
チル−2−メルカプトエタノール、及びチオグリセロー
ル等のメルカプトアルカノール類、3−メルカプトプロ
ピオン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピル
エステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、n−オ
クチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチルヘ
キシルエステル、ラウリルエステル、ステアリルエステ
ル、エチレングリコールのエステル、グリセリンのエス
テル、トリメチロールプロパンのエステル、ペンタエリ
スリトールのエステルやジペンタエリスリトールのエス
テル、2−メルカプトプロピオン酸のメチルエステル、
エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピル
エステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、
tert−ブチルエステル、n−ヘキシルエステル、n
−オクチルエステル、イソオクチルエステル、2−エチ
ルヘキシルエステル、n−ドデシルエステル、ステアリ
ルエステル、エチレングリコールのエステル、グリセリ
ンのエステル、トリメチロールプロパンのエステル、ペ
ンタエリスリトールのエステルやジペンタエリスリトー
ルのエステル、及び2−メルカプト酢酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロ
ピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステ
ル、tert−ブチルエステル、n−ヘキシルエステ
ル、n−オクチルエステル、イソオクチルエステル、2
−エチルヘキシルエステル、n−ドデシルエステル、ス
テアリルエステル、エチレングリコールのエステル、グ
リセリンのエステル、トリメチロールプロパンのエステ
ル、ペンタエリスリトールのエステルやジペンタエリス
リトールのエステル等のメルカプトアルカン酸エステル
類、チオ酢酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸、及びチオ
安息香酸等のチオカルボン酸類、さらにアリルメルカプ
タン、ベンジルメルカプタン、およびフルフリルメルカ
プタン等が挙げられる。これらのチオール化合物のう
ち、好ましくはメルカプトアルカン酸エステル類、メル
カプトアルカノール類、芳香族チオール類、芳香族チオ
カルボン酸類およびアルカンチオール類であり、特にメ
ルカプトアルカン酸エステル類において本発明の効果は
顕著である。
【0046】本発明におけるチオール化合物へのアルキ
レンスルフィドの開環付加反応において、アルキレンス
ルフィドの重合を十分に抑制するためには、チオール化
合物に対してアルキレンスルフィドの使用量を2モル倍
以下にして反応を行うことが望ましい。特に、エチレン
スルフィドを本発明による開環付加反応で用いる場合に
は、エチレンスルフィドの使用量は、1.5モル倍以
下、より好ましくは等モル以下であることが好ましい。
また、アルキレンスルフィドを反応系中に逐次添加し反
応を行うことにより、アルキレンスルフィドの重合抑制
効果はさらに顕著になり、かつ反応熱の除去も容易に行
うことができるため、好ましい。
【0047】本発明の方法における反応温度は、通常、
0〜200℃であるが、好ましくは10〜150℃であ
る。本発明による反応中に触媒としてのアミン化合物を
組み合わせて用いる場合には、室温以下において十分反
応可能である。また、本発明の方法における反応圧力は
特に制限されないが、通常、1〜100kg/cm2
好ましくは1〜20kg/cm2 である。反応中は酸素
によるチオール基の酸化を防止するために反応系内を不
活性ガス雰囲気下に保つことが望ましい。この際使用さ
れる不活性ガスの例としては、窒素、アルゴン及びヘリ
ウム等が挙げられる。
【0048】上記した反応を行なうことにより、一般式
(6):
【0049】
【化8】
【0050】(ただし、式中、R1 、R2 、R3 、R4
及びR12は前記のとおりであり、またnは1〜6、好ま
しくは1〜3の整数である。)で表わされるスルフィド
基含有チオール化合物が得られる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらに限定
されるものではない。
【0052】実施例1 攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた四
つ口フラスコに3−メルカプトプロピオン酸メチル6
0.1g(0.5モル)及び1−メチル−2−ピロリド
ン60.1gを仕込み、窒素気流下で、温度を50℃に
保ちながらエチレンスルフィド6.0g(0.1モル)
を20分間にわたって滴下した。同温度にてさらに3時
間反応を行なった。この後、反応生成物を取り出したと
ころ、エチレンスルフィド重合物の不溶性沈殿は全く認
められなかった。さらに、この反応生成物をガスクロマ
トグラフィーにて分析を行なったところ、エチレンスル
フィド1モル付加物および2モル付加物がそれぞれ8
8:12(ガスクロマトグラフの面積比)の比率で生成
していることが見い出され、エチレンスルフィド基準の
合計収率は96%であった。結果を表1および表2に示
す。
【0053】実施例2 1−メチル−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチ
ルホルムアミド30.0gを溶媒として用いた以外は、
実施例1と同様の方法を行なったところ、表1および表
2に示す結果が得られた。
【0054】実施例3 1−メチル−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチ
ルアセトアミド30.0gを溶媒として用いた以外は、
実施例1と同様の方法を行なったところ、表1および表
2に示す結果が得られた。
【0055】実施例4 1−メチル−2−ピロリドンの代わりに1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン60.1gを溶媒として用い
た以外は、実施例1と同様の方法を行なったところ、表
1および表2に示す結果が得られた。
【0056】実施例5 1−メチル−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチ
ルホルムアミド30.0gを溶媒として使用し、さら
に、触媒としてトリエチルアミン0.90gを用いた以
外は、実施例1と同様の方法を行なったところ、表1お
よび表2に示す結果が得られた。
【0057】実施例6 1−メチル−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチ
ルアセトアミド30.0gを溶媒として使用し、さら
に、触媒としてトリエチルアミン0.90gを用いた以
外は、実施例1と同様の方法を行なったところ、表1お
よび表2に示す結果が得られた。
【0058】実施例7 1−メチル−2−ピロリドンの代わりにN,N−ジメチ
ルホルムアミド30.0gを溶媒として使用し、さら
に、触媒としてトリ−n−オクチルアミン0.54gを
用いた以外は、実施例1と同様の方法を行なったとこ
ろ、表1および表2に示す結果が得られた。
【0059】実施例8 3−メルカプトプロピオン酸メチル及び1−メチル−2
−ピロリドンの添加量をそれぞれ48.1g(0.4モ
ル)及び96.2gとし、さらに、触媒としてトリ−n
−ブチルアミン0.24gを用いた以外は、実施例1と
同様の方法を行なったところ、表1および表2に示す結
果が得られた。
【0060】実施例9 3−メルカプトプロピオン酸メチルの代わりに2−メル
カプト酢酸−n−ドデシル52.1g(0.2モル)を
チオール化合物として使用し、1−メチル−2−ピロリ
ドンの代わりに1,3−ジメチル−2−イミダゾジノン
52.1gを溶媒として使用し、さらに、触媒として
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
0.52gを用いた以外は、実施例1と同様の方法を行
なったところ、表1および表2に示す結果が得られた。
【0061】実施例10 3−メルカプトプロピオン酸メチルの代わりに2−メル
カプトエタノール23.4g(0.3モル)をチオール
化合物として使用し、1−メチル−2−ピロリドンの添
加量を23.4gとし、さらに、触媒としてN−メチル
モルホリン0.23gを用いた以外は、実施例1と同様
の方法を行なったところ、表1および表2に示す結果が
得られた。
【0062】実施例11 3−メルカプトプロピオン酸メチルの代わりにチオフェ
ノール22.0g(0.2モル)をチオール化合物とし
て使用し、1−メチル−2−ピロリドンの代わりにN−
メチルアセトアミド22.0gを溶媒として使用し、さ
らに、触媒としてピリジン0.22gを用いた以外は、
実施例1と同様の方法を行なったところ、表1および表
2に示す結果が得られた。
【0063】実施例12 3−メルカプトプロピオン酸メチルの代わりにチオ酢酸
7.6g(0.1モル)をチオール化合物として使用
し、1−メチル−2−ピロリドンの代わりに1,1,
3,3−テトラメチル尿素38.0gを溶媒として使用
し、さらに、触媒としてN,N−ジメチルアニリン0.
04gをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の方法
を行なったところ、表1および表2に示す結果が得られ
た。
【0064】実施例13 チオール化合物として3−メルカプトプロピオン酸メチ
ルの代わりにチオ安息香酸13.8g(0.1モル)
を、溶媒として1−メチル−2−ピロリドンの代わりに
N,N−ジメチルホルムアミド13.8gを、及びアル
キレンスルフィドとしてエチレンスルフィドの代わりに
プロピレンスルフィド7.4g(0.1モル)をそれぞ
れ使用し、さらに、触媒としてN,N−ジメチルアニリ
ン0.14gを用いた以外は、実施例1と同様の方法を
行なったところ、表1および表2に示す結果が得られ
た。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】比較例1 チオール化合物として3−メルカプトプロピオン酸メチ
ル60.1g(0.5モル)を及び触媒としてトリエチ
ルアミン0.90gをそれぞれ用い、さらに、溶媒を使
用しなかった以外は、実施例1と同様の方法を行なっ
た。この結果、滴下初期よりエチレンスルフィド重合物
が生成し、反応液が白濁したため、反応を途中で中止し
た。
【0068】
【発明の効果】上述したように、本発明のスルフィド基
含有チオール化合物の製造方法は、アミド化合物若しく
は尿素置換体化合物の溶媒中でチオール化合物に一般式
(1)で表わされるアルキレンスルフィドを開環付加反
応させることからなることを特徴とするものである。し
たがって、本発明の方法によれば、高選択的にチオール
化合物にアルキレンスルフィドを開環付加させて、スル
フィド基含有チオール化合物を製造することができる。
特に、アルキレンスルフィドとしてエチレンスルフィド
を用いた場合には、不溶性重合物の生成が抑制されるた
め、不溶性重合物の濾過等による除去操作が不要とな
り、生産効率を向上することも可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4163832(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 323/00 C07C 321/00 C07C 319/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミド化合物若しくは尿素置換体化合物
    の溶媒中で、一般式(5): 14 O−CO−R 15 −SH (5) (ただし、式中、R 14 は炭素原子数1〜20のアルキル
    基を表わし、R 15 は炭素原子数2のアルキレン基を表わ
    す。)で表わされる チオール化合物に、一般式(1): 【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ同
    一または異なっていてもよい水素原子、炭素原子数1〜
    10のアルキル基または炭素原子数6〜15の芳香族基
    を表わす。)で表わされるアルキレンスルフィドを開環
    付加反応させることからなり、かつ該アミド化合物また
    は該尿素置換体化合物の使用量がチオール化合物100
    重量部当たり10〜1,000重量部であるスルフィド
    基含有チオール化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒としてアミン化合物の共存下に反応
    を行う請求項1に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US2490984A (en) * 1947-05-09 1949-12-13 Phillips Petroleum Co Beta mercapto thioethers
US3544543A (en) * 1966-11-07 1970-12-01 Stauffer Chemical Co Reaction product of polymercaptans and episulfides
CA992105A (en) * 1970-03-26 1976-06-29 Exxon Research And Engineering Company Polythioethers formed by anionic ring opening of episulfides
DE2934948A1 (de) * 1979-08-29 1981-03-19 Agfa-Gevaert Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von 2-mercaptoalkylsulfiden und 2-mercaptoalkylethern

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