JPH1029897A - 有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法 - Google Patents
有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法Info
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- JPH1029897A JPH1029897A JP18470496A JP18470496A JPH1029897A JP H1029897 A JPH1029897 A JP H1029897A JP 18470496 A JP18470496 A JP 18470496A JP 18470496 A JP18470496 A JP 18470496A JP H1029897 A JPH1029897 A JP H1029897A
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- oxide film
- gaas substrate
- thin film
- gaas
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 AsH3 ガスを流しながらGaAs基板温度
を昇温させる際のAsH 3 ガス流量を低下させることが
でき、GaAs基板上に3−5族化合物半導体薄膜を成
長させるコストを低減させることができる有機金属気相
成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法を提
供する。 【解決手段】 GaAs基板上に3−5族化合物半導体
薄膜を成長させる有機金属気相成長法による3−5族化
合物半導体薄膜の成長方法において、前記GaAs基板
の表面に厚さが30〜45Åの表面酸化膜を設ける。
を昇温させる際のAsH 3 ガス流量を低下させることが
でき、GaAs基板上に3−5族化合物半導体薄膜を成
長させるコストを低減させることができる有機金属気相
成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法を提
供する。 【解決手段】 GaAs基板上に3−5族化合物半導体
薄膜を成長させる有機金属気相成長法による3−5族化
合物半導体薄膜の成長方法において、前記GaAs基板
の表面に厚さが30〜45Åの表面酸化膜を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FETなどの高速
電子デバイスの作製に用いる3−5族化合物半導体薄膜
をGaAs基板上に成長させる有機金属気相成長法によ
る3−5族化合物半導体薄膜の成長方法に関する。
電子デバイスの作製に用いる3−5族化合物半導体薄膜
をGaAs基板上に成長させる有機金属気相成長法によ
る3−5族化合物半導体薄膜の成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FET用のエピタキシャル積層基板を例
にとり、3−5族化合物半導体薄膜の有機金属気相成長
法について説明する。FET用のエピタキシャル積層基
板は、例えば、GaAs基板上に、原料としてAsH3
ガス、3族原料ガス、ドーピングガスを用いて、アンド
ープのGaAsまたはAlGaAsからなるバッファ
層、高濃度SiドープGaAs活性層を順次積層する。
この際、成長温度とガス流量を制御し、所望の膜厚、組
成およびキャリア濃度になるように成長を行う。
にとり、3−5族化合物半導体薄膜の有機金属気相成長
法について説明する。FET用のエピタキシャル積層基
板は、例えば、GaAs基板上に、原料としてAsH3
ガス、3族原料ガス、ドーピングガスを用いて、アンド
ープのGaAsまたはAlGaAsからなるバッファ
層、高濃度SiドープGaAs活性層を順次積層する。
この際、成長温度とガス流量を制御し、所望の膜厚、組
成およびキャリア濃度になるように成長を行う。
【0003】薄膜の成長に供するGaAs基板には、基
板と薄膜の電気的絶縁性を高めるため、表面に付着した
不純物をできるだけ低減する必要があるので、種種の表
面前処理が施される。このとき、表面酸化膜も除去さ
れ、気相成長前のGaAs基板には、雰囲気によって形
成された薄い自然酸化膜が形成されている。この自然酸
化膜は、エリプソメトリ法(偏光解析法)で測定したK
S 値(吸収係数)で0.35程度、厚さにして10〜1
5Å程度である。なお、KS 値は酸化膜の厚さの程度を
示し、KS 値が大きいことは、酸化膜が厚いことを示
す。
板と薄膜の電気的絶縁性を高めるため、表面に付着した
不純物をできるだけ低減する必要があるので、種種の表
面前処理が施される。このとき、表面酸化膜も除去さ
れ、気相成長前のGaAs基板には、雰囲気によって形
成された薄い自然酸化膜が形成されている。この自然酸
化膜は、エリプソメトリ法(偏光解析法)で測定したK
S 値(吸収係数)で0.35程度、厚さにして10〜1
5Å程度である。なお、KS 値は酸化膜の厚さの程度を
示し、KS 値が大きいことは、酸化膜が厚いことを示
す。
【0004】GaAs基板上の薄膜の成長に際しては、
基板表面からのAs解離を防止するために、基板温度が
400℃に達すると、AsH3 ガスを反応炉内に導入す
る。その後、所定の成長温度で3族原料ガス、ドーピン
グガスを導入し、所望の薄膜を成長させる。ここで、上
述のGaAs基板表面の自然酸化膜は、AsH3 の熱分
解による水素ラジカルにより反応、除去され、成長温度
に達する前に、GaAs基板の表面には、GaAs結晶
が露出する。そうすると、基板表面からのAs解離が一
層起こり易くなるので、この解離を防ぐために、AsH
3 ガス流量を大きくすることが必要になる。
基板表面からのAs解離を防止するために、基板温度が
400℃に達すると、AsH3 ガスを反応炉内に導入す
る。その後、所定の成長温度で3族原料ガス、ドーピン
グガスを導入し、所望の薄膜を成長させる。ここで、上
述のGaAs基板表面の自然酸化膜は、AsH3 の熱分
解による水素ラジカルにより反応、除去され、成長温度
に達する前に、GaAs基板の表面には、GaAs結晶
が露出する。そうすると、基板表面からのAs解離が一
層起こり易くなるので、この解離を防ぐために、AsH
3 ガス流量を大きくすることが必要になる。
【0005】以下に、上述した自然酸化膜を有するGa
As基板の温度上昇とAsH3 ガス流量の関係がGaA
s基板の表面状態に及ぼす影響について、実験した結果
に基いて説明する。第1の実験は、図1(a)、(b)
に示すように、基板温度が400℃に到達した時間t0
から基板温度が成長温度に相当する600℃になる時間
t1 (t0+20min)の20分間に、流量0.2リ
ットル/minのAsH3 ガスを流し、その間に5分毎
に基板を取り出して、基板表面の酸素濃度をSIMS
(2次イオン質量分析法)で測定し、また、表面のAs
解離の有無を顕微鏡で観察した。その結果を表1に示
す。表1からわかるように、400℃でのAsH3 ガス
導入開始から15分経過すると、As解離が生ずること
がわかる。従って、このAs解離を防ぐためには、それ
以前に、即ち、15分経過する以前にAsH3 ガス流量
を増加させておく必要がある。また、表面酸化膜はAs
H3 ガス導入開始から10分経過すると、除去されるこ
とがわかる。
As基板の温度上昇とAsH3 ガス流量の関係がGaA
s基板の表面状態に及ぼす影響について、実験した結果
に基いて説明する。第1の実験は、図1(a)、(b)
に示すように、基板温度が400℃に到達した時間t0
から基板温度が成長温度に相当する600℃になる時間
t1 (t0+20min)の20分間に、流量0.2リ
ットル/minのAsH3 ガスを流し、その間に5分毎
に基板を取り出して、基板表面の酸素濃度をSIMS
(2次イオン質量分析法)で測定し、また、表面のAs
解離の有無を顕微鏡で観察した。その結果を表1に示
す。表1からわかるように、400℃でのAsH3 ガス
導入開始から15分経過すると、As解離が生ずること
がわかる。従って、このAs解離を防ぐためには、それ
以前に、即ち、15分経過する以前にAsH3 ガス流量
を増加させておく必要がある。また、表面酸化膜はAs
H3 ガス導入開始から10分経過すると、除去されるこ
とがわかる。
【0006】 注)N.D.:SIMSでの検出感度以下
【0007】第2の実験は、図5(a)、(b)に示す
ように、基板温度が400℃に到達した時間t0 から基
板温度が600℃になる時間t1 (t0 +20min)
の20分間の最初の10分間に、第1の実験と同様に流
量0.2リットル/minのAsH3 ガスを流し、その
後の10分間に流量Vリットル/minのAsH3 ガス
を流し、600℃に達した後、基板を取り出し、基板表
面のAs解離の有無を顕微鏡で観察した。その結果を表
2に示す。表2からわかるように、400℃でのAsH
3 (流量0.2リットル/min)導入開始から10分
後に、AsH3 の流量を1.0リットル/minに増加
させると、表面のAs解離は認められなかった。
ように、基板温度が400℃に到達した時間t0 から基
板温度が600℃になる時間t1 (t0 +20min)
の20分間の最初の10分間に、第1の実験と同様に流
量0.2リットル/minのAsH3 ガスを流し、その
後の10分間に流量Vリットル/minのAsH3 ガス
を流し、600℃に達した後、基板を取り出し、基板表
面のAs解離の有無を顕微鏡で観察した。その結果を表
2に示す。表2からわかるように、400℃でのAsH
3 (流量0.2リットル/min)導入開始から10分
後に、AsH3 の流量を1.0リットル/minに増加
させると、表面のAs解離は認められなかった。
【0008】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、自然酸
化膜を有するGaAs基板を用いて、表面Asの解離を
防止しながら気相成長をおこなうためには、昇温中のA
sH3 流量を途中で増加させる必要があり、その分だけ
AsH3 ガスの費用が増加するという問題があった。ま
た、AsH3 ガスの消費量が増加すると、AsH3 ガス
の除害設備の寿命が短くなるという問題もあった。
化膜を有するGaAs基板を用いて、表面Asの解離を
防止しながら気相成長をおこなうためには、昇温中のA
sH3 流量を途中で増加させる必要があり、その分だけ
AsH3 ガスの費用が増加するという問題があった。ま
た、AsH3 ガスの消費量が増加すると、AsH3 ガス
の除害設備の寿命が短くなるという問題もあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決すべくなされたもので、GaAs基板上に3−5族化
合物半導体薄膜を成長させる有機金属気相成長法による
3−5族化合物半導体薄膜の成長方法において、前記G
aAs基板は表面に厚さが30〜45Åの表面酸化膜を
有することを特徴とするものである。
決すべくなされたもので、GaAs基板上に3−5族化
合物半導体薄膜を成長させる有機金属気相成長法による
3−5族化合物半導体薄膜の成長方法において、前記G
aAs基板は表面に厚さが30〜45Åの表面酸化膜を
有することを特徴とするものである。
【0011】本発明は鋭意検討の結果、実験的に得られ
た新しい知見に基づくものである。即ち、Ks 値が0.
5〜0.6である厚さの表面酸化膜を有するGaAs基
板については、400〜600℃の昇温中にAsH3 ガ
スを一定流量で流し、AsH 3 ガス流量を途中で増加さ
せないでも、As解離を防ぐことができるとともに、成
長温度に相当する600℃では表面酸化膜が除去されて
いる。従って、次工程での3−5族化合物半導体薄膜の
成長は妨げられることがない。なお、Ks 値が0.5〜
0.6の表面酸化膜は、厚さが30〜45Åに相当す
る。しかしながら、400〜600℃の昇温中にAsH
3 ガスを一定流量で流した場合、Ks 値が0.5よりも
小さいと、GaAs基板表面のAs解離が起こり、ま
た、Ks 値が0.6よりも大きいと、GaAs基板温度
600℃では表面酸化膜が残存する。
た新しい知見に基づくものである。即ち、Ks 値が0.
5〜0.6である厚さの表面酸化膜を有するGaAs基
板については、400〜600℃の昇温中にAsH3 ガ
スを一定流量で流し、AsH 3 ガス流量を途中で増加さ
せないでも、As解離を防ぐことができるとともに、成
長温度に相当する600℃では表面酸化膜が除去されて
いる。従って、次工程での3−5族化合物半導体薄膜の
成長は妨げられることがない。なお、Ks 値が0.5〜
0.6の表面酸化膜は、厚さが30〜45Åに相当す
る。しかしながら、400〜600℃の昇温中にAsH
3 ガスを一定流量で流した場合、Ks 値が0.5よりも
小さいと、GaAs基板表面のAs解離が起こり、ま
た、Ks 値が0.6よりも大きいと、GaAs基板温度
600℃では表面酸化膜が残存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。研磨後のGaAs基板表面をアンモニアに
より洗浄処理し、酸化膜を除去した後、このGaAs基
板を超純水中に浸漬する。この浸漬時間を変えると、G
aAs基板表面に形成される表面酸化膜の厚さが変化す
る。そこで、この浸漬時間を変えて、KS 値が0.4〜
0.7の表面酸化膜を有するGaAs基板を作製した。
このGaAs基板を、図1(a)、(b)に示すよう
に、400℃まで加熱した時点t0 でAsH3 ガスを流
量、0.2リットル/minで導入し、その状態で60
0℃まで温度を上昇させた。600℃に達した時点t1
(t0 +20min)でGaAs基板を急冷し、その表
面酸素濃度をSIMSで測定し、また、表面のAs解離
の有無を顕微鏡で観察した。その結果を表3に示す。
に説明する。研磨後のGaAs基板表面をアンモニアに
より洗浄処理し、酸化膜を除去した後、このGaAs基
板を超純水中に浸漬する。この浸漬時間を変えると、G
aAs基板表面に形成される表面酸化膜の厚さが変化す
る。そこで、この浸漬時間を変えて、KS 値が0.4〜
0.7の表面酸化膜を有するGaAs基板を作製した。
このGaAs基板を、図1(a)、(b)に示すよう
に、400℃まで加熱した時点t0 でAsH3 ガスを流
量、0.2リットル/minで導入し、その状態で60
0℃まで温度を上昇させた。600℃に達した時点t1
(t0 +20min)でGaAs基板を急冷し、その表
面酸素濃度をSIMSで測定し、また、表面のAs解離
の有無を顕微鏡で観察した。その結果を表3に示す。
【0013】
【0014】表3に示す結果から、Ks 値が0.4のG
aAs基板に上記熱処理を施すと、GaAs基板表面の
As解離が認められる。しかし、表面酸化膜が厚くな
り、K s 値が0.5〜0.6のGaAs基板に上記熱処
理を施すと、GaAs基板表面のAs解離は認められ
ず、また、表面酸化膜は残存していない。さらに表面酸
化膜を厚くして、Ks 値が0.7のGaAs基板に上記
熱処理を施すと、As解離は認められないが、表面酸化
膜が残存するようになる。以上の結果から、Ks 値が
0.5〜0.6の表面酸化膜を有するGaAs基板は、
基板温度を昇温中にAsH3 ガス流量を途中で増加させ
ないでも、As解離を防ぐことができるとともに、成長
温度に相当する600℃では表面酸化膜が除去された状
態になる。
aAs基板に上記熱処理を施すと、GaAs基板表面の
As解離が認められる。しかし、表面酸化膜が厚くな
り、K s 値が0.5〜0.6のGaAs基板に上記熱処
理を施すと、GaAs基板表面のAs解離は認められ
ず、また、表面酸化膜は残存していない。さらに表面酸
化膜を厚くして、Ks 値が0.7のGaAs基板に上記
熱処理を施すと、As解離は認められないが、表面酸化
膜が残存するようになる。以上の結果から、Ks 値が
0.5〜0.6の表面酸化膜を有するGaAs基板は、
基板温度を昇温中にAsH3 ガス流量を途中で増加させ
ないでも、As解離を防ぐことができるとともに、成長
温度に相当する600℃では表面酸化膜が除去された状
態になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。研
磨後のGaAs基板表面をアンモニアにより洗浄処理
し、酸化膜を除去した後、このGaAs基板を超純水中
に10〜15分浸漬して、溶存酸素により酸化膜を形成
し、Ks 値が0.4〜0.7の酸化膜を有するGaAs
基板を作製した。このGaAs基板1を用いて有機金属
気相成長法で、図2に示すように、GaAsバッファ層
2、AlGaAsバッファ層3およびSiドープGaA
s活性層4を順次積層して、FET用エピタキシャル積
層基板を作製した。その作製条件は、図3(a)、
(b)に示すように、GaAs基板温度が400℃に到
達した時点t0 でAsH3 ガス(流量:0.2リットル
/min)を導入し、20分間で基板温度を600℃ま
で上昇させた時点t1 (t0 +20min)で、膜成長
に必要なAsH3 ガス流量とし、3族原料およびドーピ
ングガスを導入し、GaAsバッファ層2、AlGaA
sバッファ層3およびSiドープGaAs活性層4を順
次積層した。その後、膜成長終了時点t2 で3族原料お
よびドーピングガスの導入を停止し、AsH3 ガス流量
を0.2リットル/minに戻し、GaAs基板温度を
降温して、400℃に降温した時点t3 でAsH3 ガス
の導入を停止し、さらに、GaAs基板温度が室温まで
低下してから、積層基板を取り出した。
磨後のGaAs基板表面をアンモニアにより洗浄処理
し、酸化膜を除去した後、このGaAs基板を超純水中
に10〜15分浸漬して、溶存酸素により酸化膜を形成
し、Ks 値が0.4〜0.7の酸化膜を有するGaAs
基板を作製した。このGaAs基板1を用いて有機金属
気相成長法で、図2に示すように、GaAsバッファ層
2、AlGaAsバッファ層3およびSiドープGaA
s活性層4を順次積層して、FET用エピタキシャル積
層基板を作製した。その作製条件は、図3(a)、
(b)に示すように、GaAs基板温度が400℃に到
達した時点t0 でAsH3 ガス(流量:0.2リットル
/min)を導入し、20分間で基板温度を600℃ま
で上昇させた時点t1 (t0 +20min)で、膜成長
に必要なAsH3 ガス流量とし、3族原料およびドーピ
ングガスを導入し、GaAsバッファ層2、AlGaA
sバッファ層3およびSiドープGaAs活性層4を順
次積層した。その後、膜成長終了時点t2 で3族原料お
よびドーピングガスの導入を停止し、AsH3 ガス流量
を0.2リットル/minに戻し、GaAs基板温度を
降温して、400℃に降温した時点t3 でAsH3 ガス
の導入を停止し、さらに、GaAs基板温度が室温まで
低下してから、積層基板を取り出した。
【0016】このようにして製作した積層基板(試料1
〜4)について、図2に示すように、AlGaAsバッ
ファ層3の表面から500nmの深さの位置に同心円状
のオーミック電極5(外径200μm)と電極6(内径
260μm)を形成し、電極間隔を30μmとして、電
極5に−10Vの電圧を印加して電流を測定し、リーク
電流値とした。その測定結果を表4に示す。表4からわ
かるように、Ks 値が0.4のGaAs基板(試料1)
では、リーク電流が大きく、FETのピンチオフ特性が
悪かった。Ks 値が0.5〜0.6のGaAs基板(試
料2〜3)では、リーク電流が小さく、FETのピンチ
オフ特性も良好であった。さらに、Ks 値が0.7のG
aAs基板(試料4)では、リーク電流は小さいが、残
存表面酸化膜のために表面状態が悪く、FET特性も悪
かった。
〜4)について、図2に示すように、AlGaAsバッ
ファ層3の表面から500nmの深さの位置に同心円状
のオーミック電極5(外径200μm)と電極6(内径
260μm)を形成し、電極間隔を30μmとして、電
極5に−10Vの電圧を印加して電流を測定し、リーク
電流値とした。その測定結果を表4に示す。表4からわ
かるように、Ks 値が0.4のGaAs基板(試料1)
では、リーク電流が大きく、FETのピンチオフ特性が
悪かった。Ks 値が0.5〜0.6のGaAs基板(試
料2〜3)では、リーク電流が小さく、FETのピンチ
オフ特性も良好であった。さらに、Ks 値が0.7のG
aAs基板(試料4)では、リーク電流は小さいが、残
存表面酸化膜のために表面状態が悪く、FET特性も悪
かった。
【0017】
【0018】なお、比較のために、Ks 値が0.35の
GaAs基板を作製し、図4(a)、(b)に示すよう
に、GaAs基板温度が400℃から600℃へ昇温中
のAsH3 流量を、0.2リットル/min(10mi
n)) →1.0リットル/min(10min)と増加
させて、その後、上記試料と同様にGaAsバッファ
層、AlGaAsバッファ層およびSiドープGaAs
活性層を順次積層して、積層基板(試料5)を作製し
た。この比較例について、リーク電流値(A)を測定し
たところ、2×10-9Aであった。
GaAs基板を作製し、図4(a)、(b)に示すよう
に、GaAs基板温度が400℃から600℃へ昇温中
のAsH3 流量を、0.2リットル/min(10mi
n)) →1.0リットル/min(10min)と増加
させて、その後、上記試料と同様にGaAsバッファ
層、AlGaAsバッファ層およびSiドープGaAs
活性層を順次積層して、積層基板(試料5)を作製し
た。この比較例について、リーク電流値(A)を測定し
たところ、2×10-9Aであった。
【0019】上述の結果から、Ks 値が0.5〜0.6
の表面酸化膜を有するGaAs基板上にAlGaAsバ
ッファ層を形成すると、GaAs基板温度を昇温中にA
sH 3 ガス流量を増加させることなく、従来例(試料
5)と同等の特性を有するAlGaAsバッファ層を形
成することができる。
の表面酸化膜を有するGaAs基板上にAlGaAsバ
ッファ層を形成すると、GaAs基板温度を昇温中にA
sH 3 ガス流量を増加させることなく、従来例(試料
5)と同等の特性を有するAlGaAsバッファ層を形
成することができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、G
aAs基板上に3−5族化合物半導体薄膜を成長させる
有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の
成長方法において、前記GaAs基板は表面に厚さが3
0〜45Åの表面酸化膜を有するため、GaAs基板を
昇温中のAsH3 ガス流量を低下させることができ、コ
ストを低減させることができるという優れた効果があ
る。
aAs基板上に3−5族化合物半導体薄膜を成長させる
有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の
成長方法において、前記GaAs基板は表面に厚さが3
0〜45Åの表面酸化膜を有するため、GaAs基板を
昇温中のAsH3 ガス流量を低下させることができ、コ
ストを低減させることができるという優れた効果があ
る。
【図1】(a)、(b)は本発明の実施形態における基
板温度と時間の関係およびAsH3 流量と時間の関係を
示す図である。
板温度と時間の関係およびAsH3 流量と時間の関係を
示す図である。
【図2】本発明の成長方法により作製した試料のリーク
電流の測定方法の説明図である。
電流の測定方法の説明図である。
【図3】(a)、(b)は本発明の実施例における基板
温度と時間の関係およびAsH 3 流量と時間の関係を示
す図である。
温度と時間の関係およびAsH 3 流量と時間の関係を示
す図である。
【図4】(a)、(b)は比較例における基板温度と時
間の関係およびAsH3 流量と時間の関係を示す図であ
る。
間の関係およびAsH3 流量と時間の関係を示す図であ
る。
【図5】(a)、(b)は従来技術の説明に用いた基板
温度と時間の関係およびAsH 3 流量と時間の関係を示
す図である。
温度と時間の関係およびAsH 3 流量と時間の関係を示
す図である。
1 GaAs基板 2 GaAsバッファ層 3 AlGaAsバッファ層 4 SiドープGaAs活性層 5、6 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 浩司 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 GaAs基板上に3−5族化合物半導体
薄膜を成長させる有機金属気相成長法による3−5族化
合物半導体薄膜の成長方法において、前記GaAs基板
は表面に厚さが30〜45Åの表面酸化膜を有すること
を特徴とする有機金属気相成長法による3−5族化合物
半導体薄膜の成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18470496A JPH1029897A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18470496A JPH1029897A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1029897A true JPH1029897A (ja) | 1998-02-03 |
Family
ID=16157919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18470496A Pending JPH1029897A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 有機金属気相成長法による3−5族化合物半導体薄膜の成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1029897A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021100115A (ja) * | 2019-12-20 | 2021-07-01 | アズール スペース ソーラー パワー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングAZUR SPACE Solar Power GmbH | 気相エピタキシー法 |
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1996
- 1996-07-15 JP JP18470496A patent/JPH1029897A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021100115A (ja) * | 2019-12-20 | 2021-07-01 | アズール スペース ソーラー パワー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングAZUR SPACE Solar Power GmbH | 気相エピタキシー法 |
US11280025B2 (en) | 2019-12-20 | 2022-03-22 | Azur Space Solar Power Gmbh | Vapor phase epitaxy method |
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