JPH10298703A - 降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質鋼 - Google Patents
降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質鋼Info
- Publication number
- JPH10298703A JPH10298703A JP10329197A JP10329197A JPH10298703A JP H10298703 A JPH10298703 A JP H10298703A JP 10329197 A JP10329197 A JP 10329197A JP 10329197 A JP10329197 A JP 10329197A JP H10298703 A JPH10298703 A JP H10298703A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ratio
- less
- hot forging
- content
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱間鍛造後空冷のままで優れた強度、靭
性が得られると共に優れた降伏比、耐久比が得られる熱
間鍛造用ベイナイト型非調質鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.20〜0.45%、
Si:0.02〜0.10%、Mn:1.50〜2.5
0%、Ni:0.30%以下、Cr:1.00%以下、
Mo:0.20%以下、V:0.05〜0.50%、A
l:0.010〜0.050%、N:0.005〜0.
025%を含有し、あるいはさらにTi:0.005〜
0.030%、Nb:0.005〜0.100%のうち
1種または2種、または/およびS:0.01〜0.1
0%、Pb:0.01〜0.30%、Ca:0.000
5〜0.01%、Zr:0.01〜0.20%、Te:
0.002〜0.15%、Bi:0.04〜0.20%
のうち1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび
不可避的な不純物からなることを特徴とする。
性が得られると共に優れた降伏比、耐久比が得られる熱
間鍛造用ベイナイト型非調質鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.20〜0.45%、
Si:0.02〜0.10%、Mn:1.50〜2.5
0%、Ni:0.30%以下、Cr:1.00%以下、
Mo:0.20%以下、V:0.05〜0.50%、A
l:0.010〜0.050%、N:0.005〜0.
025%を含有し、あるいはさらにTi:0.005〜
0.030%、Nb:0.005〜0.100%のうち
1種または2種、または/およびS:0.01〜0.1
0%、Pb:0.01〜0.30%、Ca:0.000
5〜0.01%、Zr:0.01〜0.20%、Te:
0.002〜0.15%、Bi:0.04〜0.20%
のうち1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび
不可避的な不純物からなることを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低Si化することに
より熱間鍛造後空冷のままで優れた強度、靭性が得られ
ると共に優れた降伏比、耐久比が得られる熱間鍛造用ベ
イナイト型非調質鋼に関するものである。
より熱間鍛造後空冷のままで優れた強度、靭性が得られ
ると共に優れた降伏比、耐久比が得られる熱間鍛造用ベ
イナイト型非調質鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用部品、機械構造用部品等
には熱間鍛造後、焼入れ・焼戻しを施した調質鋼が使用
されることが多い。近年においては、製造コストの低減
の点から熱間鍛造後の焼入れ・焼戻しを省略した非調質
鋼の使用が広がってきている。初期に登場したフェライ
ト−パーライト型非調質鋼は低温衝撃値および最大引張
強度が小さく、それらを改善するためにベイナイト型非
調質鋼が開発されている。
には熱間鍛造後、焼入れ・焼戻しを施した調質鋼が使用
されることが多い。近年においては、製造コストの低減
の点から熱間鍛造後の焼入れ・焼戻しを省略した非調質
鋼の使用が広がってきている。初期に登場したフェライ
ト−パーライト型非調質鋼は低温衝撃値および最大引張
強度が小さく、それらを改善するためにベイナイト型非
調質鋼が開発されている。
【0003】しかし、ベイナイト型非調質鋼は調質鋼に
比べて降伏比、耐久比が劣り、引張強度が上昇してもそ
の割りに降伏強度、疲労強度が低くなっていた。そのた
めベイナイト型非調質鋼の降伏比及び耐久比を上昇させ
るため、いろいろな手段が提案されている。
比べて降伏比、耐久比が劣り、引張強度が上昇してもそ
の割りに降伏強度、疲労強度が低くなっていた。そのた
めベイナイト型非調質鋼の降伏比及び耐久比を上昇させ
るため、いろいろな手段が提案されている。
【0004】例えば、熱間鍛造し、空冷の後、焼戻しを
施す方法、あるいは、熱間鍛造した後の冷却速度を制御
する方法が提案されている。
施す方法、あるいは、熱間鍛造した後の冷却速度を制御
する方法が提案されている。
【0005】しかしながら、このような降伏比、耐久比
の改善方法では、熱間鍛造後の焼戻し工程が必要なこ
と、また、冷却速度を制御する装置が必要なことから、
製造コストが増えてしまう。
の改善方法では、熱間鍛造後の焼戻し工程が必要なこ
と、また、冷却速度を制御する装置が必要なことから、
製造コストが増えてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱間鍛造後
の焼戻し工程や冷却速度の制御を行わなくとも、良好な
降伏比及び耐久比が得られるベイナイト型高強度高靭性
熱間鍛造用非調質鋼を提供することを目的とする。
の焼戻し工程や冷却速度の制御を行わなくとも、良好な
降伏比及び耐久比が得られるベイナイト型高強度高靭性
熱間鍛造用非調質鋼を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術で
は達成が困難であった熱間鍛造後、空冷したままでも良
好な降伏比及び耐久比が得られる高強度高靭性熱間鍛造
用非調質鋼について研究した結果、以下の知見を得て本
発明に到達した。
は達成が困難であった熱間鍛造後、空冷したままでも良
好な降伏比及び耐久比が得られる高強度高靭性熱間鍛造
用非調質鋼について研究した結果、以下の知見を得て本
発明に到達した。
【0008】従来のベイナイト型非調質鋼は熱間鍛造
後、空冷したままでは、良好な降伏比及び耐久比が得ら
れていなかった。その原因はベイナイト型非調質鋼の一
部のミクロ組織が島状マルテンサイト−残留オーステナ
イト混合組織(以下、M−A)が存在することによるも
のであることをつきとめた。
後、空冷したままでは、良好な降伏比及び耐久比が得ら
れていなかった。その原因はベイナイト型非調質鋼の一
部のミクロ組織が島状マルテンサイト−残留オーステナ
イト混合組織(以下、M−A)が存在することによるも
のであることをつきとめた。
【0009】そして、Siの添加量を減少させると熱間
鍛造後、空冷したままのベイナイト型非調質鋼のM−A
量が減少することをつきとめた。
鍛造後、空冷したままのベイナイト型非調質鋼のM−A
量が減少することをつきとめた。
【0010】以上の知見から、Siの添加量を減少させ
ることによりM−A量を減少させることで、熱間鍛造
後、空冷したままで良好な降伏比及び耐久比が得られる
ことを確認し、本発明に到達した。
ることによりM−A量を減少させることで、熱間鍛造
後、空冷したままで良好な降伏比及び耐久比が得られる
ことを確認し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の第1発明は重量%で、
C:0.20〜0.45%、Si:0.02〜0.10
%、Mn:1.50〜2.50%、Ni:0.30%以
下、Cr:1.00%以下、Mo:0.20%以下、
V:0.05〜0.50%、Al:0.010〜0.0
50%、N:0.005〜0.025%を含有し、残部
がFeおよび不可避的な不純物からなることを特徴とす
る降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱
間鍛造用非調質鋼で、第2発明は、さらにTi:0.0
05〜0.030%、Nb:0.005〜0.100%
のうち1種または2種を含有させることにより炭窒化物
を析出させ、靭性、降伏比、耐久比をさらに向上させた
もので、第3、第4発明は第1発明鋼並びに第2発明鋼
にそれぞれさらにS:0.01〜0.10%、Pb:
0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01
%、Zr:0.01〜0.20%、Te:0.002〜
0.15%、Bi:0.04〜0.20%のうち1種ま
たは2種以上を含有させることにより被削性を向上させ
たものである。
C:0.20〜0.45%、Si:0.02〜0.10
%、Mn:1.50〜2.50%、Ni:0.30%以
下、Cr:1.00%以下、Mo:0.20%以下、
V:0.05〜0.50%、Al:0.010〜0.0
50%、N:0.005〜0.025%を含有し、残部
がFeおよび不可避的な不純物からなることを特徴とす
る降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱
間鍛造用非調質鋼で、第2発明は、さらにTi:0.0
05〜0.030%、Nb:0.005〜0.100%
のうち1種または2種を含有させることにより炭窒化物
を析出させ、靭性、降伏比、耐久比をさらに向上させた
もので、第3、第4発明は第1発明鋼並びに第2発明鋼
にそれぞれさらにS:0.01〜0.10%、Pb:
0.01〜0.30%、Ca:0.0005〜0.01
%、Zr:0.01〜0.20%、Te:0.002〜
0.15%、Bi:0.04〜0.20%のうち1種ま
たは2種以上を含有させることにより被削性を向上させ
たものである。
【0012】次に、本発明の上記組成について限定理由
を説明する。
を説明する。
【0013】C:Cは強度を確保するために必要な元素
で0.20%以上の含有とする。しかし、0.45%を
超える多量の含有は靭性を低下させる。従って、Cの含
有量は0.20〜0.45%の範囲とした。
で0.20%以上の含有とする。しかし、0.45%を
超える多量の含有は靭性を低下させる。従って、Cの含
有量は0.20〜0.45%の範囲とした。
【0014】Si:Siは本発明において最も重要な元
素で、その含有により熱間鍛造後、空冷したままのベイ
ナイト鋼のM−A量が変化する。M−Aはベイナイト組
織中の炭素濃縮層のC濃度が高い場合、また、冷却速度
が速い場合に発生し易い。また、Si含有量の増加は炭
素濃縮層のC濃度を高める方向に働く。すなわち、Si
含有量の増加はM−A量を増加させる。0.10%を超
える含有はM−A量を増加させ、良好な降伏比、耐久比
が得られない。また、0.02%未満の含有では強度が
大きく低下する。従って、Siの含有量は0.02〜
0.10%の範囲とした。
素で、その含有により熱間鍛造後、空冷したままのベイ
ナイト鋼のM−A量が変化する。M−Aはベイナイト組
織中の炭素濃縮層のC濃度が高い場合、また、冷却速度
が速い場合に発生し易い。また、Si含有量の増加は炭
素濃縮層のC濃度を高める方向に働く。すなわち、Si
含有量の増加はM−A量を増加させる。0.10%を超
える含有はM−A量を増加させ、良好な降伏比、耐久比
が得られない。また、0.02%未満の含有では強度が
大きく低下する。従って、Siの含有量は0.02〜
0.10%の範囲とした。
【0015】Mn:Mnは焼入れ性を確保し、熱間鍛造
後、空冷したままのミクロ組織をベイナイト化させるの
に必要な元素で1.50%以上の含有を必要とする。し
かし、2.50%を超える含有は靭性を低下させる。従
って、Mnの含有量は1.50〜2.50%の範囲とし
た。
後、空冷したままのミクロ組織をベイナイト化させるの
に必要な元素で1.50%以上の含有を必要とする。し
かし、2.50%を超える含有は靭性を低下させる。従
って、Mnの含有量は1.50〜2.50%の範囲とし
た。
【0016】Ni、Cr、Mo:Ni、Cr、Moは焼
入れ性を確保する元素である。しかし、Crは1.00
%を越える含有では靭性を低下させるとともにコスト高
となる。また、Ni、Moも多量の場合にはコスト高と
なる。従って、Niの含有量は0.30%以下、なお、
好ましい範囲は0.01〜0.20%である。Crの含
有量は1.00%以下、なお、好ましい範囲は0.05
〜0.50%である。Moの含有量は0.20%以下、
なお、好ましい範囲は0.01〜0.15%である。
入れ性を確保する元素である。しかし、Crは1.00
%を越える含有では靭性を低下させるとともにコスト高
となる。また、Ni、Moも多量の場合にはコスト高と
なる。従って、Niの含有量は0.30%以下、なお、
好ましい範囲は0.01〜0.20%である。Crの含
有量は1.00%以下、なお、好ましい範囲は0.05
〜0.50%である。Moの含有量は0.20%以下、
なお、好ましい範囲は0.01〜0.15%である。
【0017】V:Vは強度を確保するために必要な元素
で、0.05%以上の含有を必要とする。しかし、0.
50%を超える含有は靭性を低下させるとともにコスト
高となる。従って、Vの含有量は0.05〜0.50%
の範囲とした。
で、0.05%以上の含有を必要とする。しかし、0.
50%を超える含有は靭性を低下させるとともにコスト
高となる。従って、Vの含有量は0.05〜0.50%
の範囲とした。
【0018】Al:AlはNと結合してAlNを生成
し、オーステナイト結晶粒度を細粒化する作用を有する
元素であり、0.010%未満の含有ではその作用が十
分ではない。一方、0.050%を超える含有は被削性
に有害なAl2O3の生成を助長する。従って、Alの含
有量は0.010〜0.050%の範囲とした。
し、オーステナイト結晶粒度を細粒化する作用を有する
元素であり、0.010%未満の含有ではその作用が十
分ではない。一方、0.050%を超える含有は被削性
に有害なAl2O3の生成を助長する。従って、Alの含
有量は0.010〜0.050%の範囲とした。
【0019】N:Nは窒化物を生成し、オーステナイト
結晶粒度を細粒化する作用を有する元素であり、0.0
05%未満の含有では、その作用が十分ではない。一
方、0.025%を超える含有ではその作用が飽和して
しまう。従って、Nの含有量は0.005〜0.025
%の範囲とした。
結晶粒度を細粒化する作用を有する元素であり、0.0
05%未満の含有では、その作用が十分ではない。一
方、0.025%を超える含有ではその作用が飽和して
しまう。従って、Nの含有量は0.005〜0.025
%の範囲とした。
【0020】Ti、Nb:TiとNbはC、Nと結合し
て炭窒化物を生成し、オーステナイト結晶粒度を細粒化
する作用を有する元素であり、Ti、Nbともに0.0
05%未満の含有ではその作用が十分ではない。一方、
Tiは0.030%を超える含有、Nbは0.100%
を超える含有では粗大な炭窒化物を形成し、靭性を低下
させる。従って、Tiの含有量は0.005〜0.03
0%、Nbの含有量は0.005〜0.10%の範囲と
した。
て炭窒化物を生成し、オーステナイト結晶粒度を細粒化
する作用を有する元素であり、Ti、Nbともに0.0
05%未満の含有ではその作用が十分ではない。一方、
Tiは0.030%を超える含有、Nbは0.100%
を超える含有では粗大な炭窒化物を形成し、靭性を低下
させる。従って、Tiの含有量は0.005〜0.03
0%、Nbの含有量は0.005〜0.10%の範囲と
した。
【0021】S、Pb、Ca、Zr、Te、Bi:S、
Pb、Ca、Zr、Te、Biは被削性の向上に効果が
ある元素で、必要に応じて単独あるいは重複して含有さ
せることができる。その効果を得るにはそれぞれ0.0
1、0.01、0.0005、0.01、0.002、
0.04%以上の含有が必要である。しかし、それぞれ
0.10、0.30、0.01、0.20、0.15、
0.20%を超える含有は靭性を低下させる。従って、
Sの含有量は0.01〜0.10%、Pbの含有量は
0.01〜0.30%、Caの含有量は0.0005〜
0.01%、Zrの含有量は0.01〜0.20%、T
eの含有量は0.002〜0.15%、Biの含有量は
0.04〜0.20%の範囲とした。
Pb、Ca、Zr、Te、Biは被削性の向上に効果が
ある元素で、必要に応じて単独あるいは重複して含有さ
せることができる。その効果を得るにはそれぞれ0.0
1、0.01、0.0005、0.01、0.002、
0.04%以上の含有が必要である。しかし、それぞれ
0.10、0.30、0.01、0.20、0.15、
0.20%を超える含有は靭性を低下させる。従って、
Sの含有量は0.01〜0.10%、Pbの含有量は
0.01〜0.30%、Caの含有量は0.0005〜
0.01%、Zrの含有量は0.01〜0.20%、T
eの含有量は0.002〜0.15%、Biの含有量は
0.04〜0.20%の範囲とした。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎに実施例を比較鋼と対比して
説明する。
説明する。
【0023】実施例1 表1に示す化学組成の鋼を20kgf真空溶解炉で溶
解、作製した鋼塊を80mm角棒に鍛伸した。80mm
角棒を長さ150mmに切断、1200℃に加熱して4
0mm角棒に熱間鍛造した。鍛造終了後は室温まで空冷
した。得られた鍛造材よりJIS4号引張試験片および
JIS3号シャルピー衝撃試験片をL方向、1/4Dの
部位より機械加工により採取した。引張試験片について
は室温にて、シャルピー衝撃試験片については室温及び
−40℃にて試験を実施した。試験結果を表2に示す。
解、作製した鋼塊を80mm角棒に鍛伸した。80mm
角棒を長さ150mmに切断、1200℃に加熱して4
0mm角棒に熱間鍛造した。鍛造終了後は室温まで空冷
した。得られた鍛造材よりJIS4号引張試験片および
JIS3号シャルピー衝撃試験片をL方向、1/4Dの
部位より機械加工により採取した。引張試験片について
は室温にて、シャルピー衝撃試験片については室温及び
−40℃にて試験を実施した。試験結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1において1〜20鋼は本発明鋼であ
り、1〜6鋼は第1発明鋼、7、8鋼は第2発明鋼、9
〜14鋼は第3発明鋼、15〜20鋼は第4発明鋼であ
る。また、21〜25鋼は比較鋼である。
り、1〜6鋼は第1発明鋼、7、8鋼は第2発明鋼、9
〜14鋼は第3発明鋼、15〜20鋼は第4発明鋼であ
る。また、21〜25鋼は比較鋼である。
【0027】表2に示す結果から明らかなように比較鋼
である21〜25鋼を本発明鋼と比較すると、21、2
2鋼はSi含有量が高いため、M−A量が増加し、降伏
比が劣るものであり、23鋼はC含有量が高いため衝撃
値が劣るものである。24、25鋼はそれぞれMn含有
量が低いためミクロ組織がベイナイト組織ではなくフェ
ライト+パーライト組織になっているため、降伏比は高
いが低温衝撃値が劣るものである。
である21〜25鋼を本発明鋼と比較すると、21、2
2鋼はSi含有量が高いため、M−A量が増加し、降伏
比が劣るものであり、23鋼はC含有量が高いため衝撃
値が劣るものである。24、25鋼はそれぞれMn含有
量が低いためミクロ組織がベイナイト組織ではなくフェ
ライト+パーライト組織になっているため、降伏比は高
いが低温衝撃値が劣るものである。
【0028】実施例2 表3に示す化学組成の鋼を65mm丸棒に熱間圧延した
後、1200℃に加熱し、1100℃の温度で図1に示
す形状に鍛造し、室温まで空冷した。得られた鍛造材よ
りJIS4号引張試験片、JIS3号シャルピー衝撃試
験片および小野式回転曲げ試験片を機械加工により採取
した。引張試験については室温にて、シャルピー衝撃試
験片については室温及び−40℃にて試験を実施した。
また、小野式回転曲げ試験片については小野式回転曲げ
疲労試験により107回の疲労強度を求め、耐久比を計
算した。また、鍛造材を用いて実体耐久試験を行った。
これらの試験結果を表4に示す。
後、1200℃に加熱し、1100℃の温度で図1に示
す形状に鍛造し、室温まで空冷した。得られた鍛造材よ
りJIS4号引張試験片、JIS3号シャルピー衝撃試
験片および小野式回転曲げ試験片を機械加工により採取
した。引張試験については室温にて、シャルピー衝撃試
験片については室温及び−40℃にて試験を実施した。
また、小野式回転曲げ試験片については小野式回転曲げ
疲労試験により107回の疲労強度を求め、耐久比を計
算した。また、鍛造材を用いて実体耐久試験を行った。
これらの試験結果を表4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表4より比較鋼と本発明鋼を比較すると引
張強さ、衝撃値は同等であるが、降伏比、耐久比、耐久
回数が本発明鋼の方が優れていることが判る。
張強さ、衝撃値は同等であるが、降伏比、耐久比、耐久
回数が本発明鋼の方が優れていることが判る。
【0032】
【発明の効果】以上の実施例からも判るように、本発明
鋼は低Si化することにより熱間鍛造後、空冷したまま
でも良好な降伏比、耐久比が得られる。従来の方法では
熱間鍛造後に冷却速度を制御することや冷却完了後焼戻
しを施すことにより降伏比、耐久比を向上させていた
が、それらの必要がなくなりコストを改善、工程の短縮
に寄与することができる。
鋼は低Si化することにより熱間鍛造後、空冷したまま
でも良好な降伏比、耐久比が得られる。従来の方法では
熱間鍛造後に冷却速度を制御することや冷却完了後焼戻
しを施すことにより降伏比、耐久比を向上させていた
が、それらの必要がなくなりコストを改善、工程の短縮
に寄与することができる。
【図1】実施例2で製造した熱間鍛造品の形状を示す図
である。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 必須成分として、重量%でC:0.20
〜0.45%、Si:0.02〜0.10%、Mn:
1.50〜2.50%、Ni:0.30%以下、Cr:
1.00%以下、Mo:0.20%以下、V:0.05
〜0.50%、Al:0.010〜0.050%、N:
0.005〜0.025%を含有し、残部がFeおよび
不可避的な不純物からなることを特徴とする降伏比、耐
久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調
質鋼。 - 【請求項2】 必須成分として、重量%でC:0.20
〜0.45%、Si:0.02〜0.10%、Mn:
1.50〜2.50%、Ni:0.30%以下、Cr:
1.00%以下、Mo:0.20%以下、V:0.05
〜0.50%、Al:0.010〜0.050%、N:
0.005〜0.025%を含有し、さらにTi:0.
005〜0.030%、Nb:0.005〜0.100
%のうち1種または2種を含有し、残部がFeおよび不
可避的な不純物からなることを特徴とする降伏比、耐久
比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質
鋼。 - 【請求項3】 必須成分として、重量%でC:0.20
〜0.45%、Si:0.02〜0.10%、Mn:
1.50〜2.50%、Ni:0.30%以下、Cr:
1.00%以下、Mo:0.20%以下、V:0.05
〜0.50%、Al:0.010〜0.050%、N:
0.005〜0.025%を含有し、さらにS:0.0
1〜0.10%、Pb:0.01〜0.30%、Ca:
0.0005〜0.01%、Zr:0.01〜0.20
%、Te:0.002〜0.15%、Bi:0.04〜
0.20%のうち1種または2種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的な不純物からなることを特徴とする
降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間
鍛造用非調質鋼。 - 【請求項4】 必須成分として、重量%でC:0.20
〜0.45%、Si:0.02〜0.10%、Mn:
1.50〜2.50%、Ni:0.30%以下、Cr:
1.00%以下、Mo:0.20%以下、V:0.05
〜0.50%、Al:0.010〜0.050%、N:
0.005〜0.025%を含有し、さらにTi:0.
005〜0.030%、Nb:0.005〜0.100
%のうち1種または2種を含有し、さらにS:0.01
〜0.10%、Pb:0.01〜0.30%、Ca:
0.0005〜0.01%、Zr:0.01〜0.20
%、Te:0.002〜0.15%、Bi:0.04〜
0.20%のうち1種または2種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的な不純物からなることを特徴とする
降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間
鍛造用非調質鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10329197A JPH10298703A (ja) | 1997-04-21 | 1997-04-21 | 降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10329197A JPH10298703A (ja) | 1997-04-21 | 1997-04-21 | 降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10298703A true JPH10298703A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14350196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10329197A Pending JPH10298703A (ja) | 1997-04-21 | 1997-04-21 | 降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10298703A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013018893A1 (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-07 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間鍛造用非調質鋼および熱間鍛造非調質品、ならびにその製造方法 |
US20130087250A1 (en) * | 2010-11-17 | 2013-04-11 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for nitriding and nitrided part |
JP2017071859A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | Jfeスチール株式会社 | 非調質鋼およびその製造方法 |
KR20240118819A (ko) | 2022-01-28 | 2024-08-05 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 강 부품 및 그 제조 방법 |
-
1997
- 1997-04-21 JP JP10329197A patent/JPH10298703A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20130087250A1 (en) * | 2010-11-17 | 2013-04-11 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for nitriding and nitrided part |
US8876988B2 (en) * | 2010-11-17 | 2014-11-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel for nitriding and nitrided part |
WO2013018893A1 (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-07 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間鍛造用非調質鋼および熱間鍛造非調質品、ならびにその製造方法 |
JP5206911B1 (ja) * | 2011-08-03 | 2013-06-12 | 新日鐵住金株式会社 | 熱間鍛造用非調質鋼および熱間鍛造非調質品、ならびにその製造方法 |
KR101458348B1 (ko) * | 2011-08-03 | 2014-11-04 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 열간 단조용 비조질강 및 열간 단조 비조질품 및 그 제조 방법 |
JP2017071859A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | Jfeスチール株式会社 | 非調質鋼およびその製造方法 |
KR20240118819A (ko) | 2022-01-28 | 2024-08-05 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 강 부품 및 그 제조 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3300500B2 (ja) | 疲労強度、降伏強度および被削性に優れる熱間鍛造用鋼の製造方法 | |
JP4057930B2 (ja) | 冷間加工性に優れた機械構造用鋼及びその製造方法 | |
JP3793391B2 (ja) | 引張強度1300MPa以上の耐遅れ破壊特性の優れた高強度ボルトおよびその製造方法 | |
JPH08277437A (ja) | 高強度・高靭性熱間鍛造用非調質鋼とその鍛造品の製造方法 | |
JPH0772323B2 (ja) | 熱間鍛造用の非調質棒鋼 | |
JPH07109545A (ja) | 引張強度、疲労強度および被削性に優れる熱間鍛造用非調質鋼 | |
JPH09263875A (ja) | 遅れ破壊特性の優れた高強度機械構造用鋼およびその製造方法 | |
JP2000319726A (ja) | 溶接性に優れた高強度鋼板の製造方法 | |
JPH10298703A (ja) | 降伏比、耐久比に優れたベイナイト型高強度高靭性熱間鍛造用非調質鋼 | |
JP3300511B2 (ja) | 強靭性、耐久比、降伏比および被削性に優れる亜熱間鍛造用鋼の製造方法 | |
JPH09194999A (ja) | フェライト・パーライト型非調質鋼 | |
JP4232242B2 (ja) | 高強度高靱性非調質鋼材 | |
JP2000160286A (ja) | ドリル被削性に優れた高強度高靱性非調質鋼材 | |
JP3419333B2 (ja) | 高周波焼入れ性に優れた冷間加工用鋼並びに機械構造用部品及びその製造方法 | |
JP3999915B2 (ja) | 加工性に優れた冷間鍛造用電縫鋼管とその製造方法 | |
JPH07278735A (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高張力ボルト用鋼 | |
JP3543581B2 (ja) | フェライト・パーライト型非調質鋼 | |
JPH10287957A (ja) | 高強度pc鋼棒およびその製造方法 | |
JPH07102340A (ja) | 疲労特性に優れる非調質鋼の製造方法 | |
JP3033459B2 (ja) | 非調質高張力鋼の製造方法 | |
JP3584726B2 (ja) | 高強度非調質鋼 | |
JP2521547B2 (ja) | 低温用鋼の製造方法 | |
JPH07157824A (ja) | 降伏強度、靭性および疲労特性に優れる亜熱間鍛造非調質鋼材の製造方法 | |
JP2001192762A (ja) | 高靱性熱間鍛造用非調質鋼 | |
JP2001059142A (ja) | 耐歪み時効特性に優れた高強度厚鋼板及びその製造方法 |