JP3606098B2 - 冷間鍛造部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機械構造用鋼、中でも冷間鍛造用非調質鋼を冷間鍛造してボルトなどの部品を製造するための方法に関し、冷間鍛造性、とくに工具寿命に優れる鋼部品を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
冷間鍛造は、材料の歩留りおよび得られる製品の寸法精度に優れることから、機械部品の製造に広範囲に用いられている。従来、この冷間鍛造用鋼としては、例えばJIS に規定される機械構造用炭素鋼および合金鋼が幅広く用いられ、冷間鍛造後、焼入れ焼もどしの熱処理により機械部品に要求される高靭性を付与するのが、一般的である。ここで熱処理を必要とするのは、冷間鍛造のままでの強度が機械部品として要求される水準を満足できないからである。しかし、この熱処理工程は、その処理に長時間を要するとともにコストが高く、該工程を省略できれば大幅なコスト低減と省エネルギーを達成できるため、その省略に対する要請が強い。
【0003】
そこで、この要請に応えるべく種々の提案がなされている。例えば、0.3 〜0.5 質量%の中炭素系Mn鋼に0.10質量%前後のVを添加したフェライトーパーライト型の非調質鋼が提案されており、熱間圧延後の冷却過程にV炭窒化物を析出させてフエライト地を強化するとともに、パーライトの強度を鋼全体の強度上昇に利用するものである。また、特開平6−271975号公報には、0.01〜0.3 質量%の低炭素系Mn鋼の組織をマルテンサイトまたはベイナイトとし、とくに残留オーステナイトを含ませた混合組織とすることを特徴とする、耐水素脆化特性に優れた高強度鋼が提案されている。
【0004】
ここに、冷間鍛造に使用する工具の寿命は、冷間鍛造時の鋼材の強度に依存し、この強度が低いほど工具の寿命が延びることが知られている。一方、上記の非調質鋼は、焼入れ焼もどし材と同等の強度を冷間鍛造のままで確保できるものの、発明者らの検討によれば、冷間鍛造時の強度も調質鋼と比べて必然的に高くなり、加工工具の磨耗や破損などをまねくため、工具寿命の観点から高強度化には限界があった。
【0005】
この問題点に関して、特開昭61−246319号公報では、0.2 〜2.0 質量%のCuを添加した低、中炭素系Mn鋼を、冷間鍛造後に400 〜550 ℃で熱処理してCuを時効析出させることによって、冷間鍛造時の負荷低減や工具の長寿命化を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発明者らの検討によれば、Cu析出に対する十分な検討がなされていないため、安定して製造することが難しいところに、問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、冷間鍛造時は比較的軟質にして工具の延命をはかり、冷間鍛造後に高強度化することを可能とする、冷間鍛造部品の製造方法について提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来の冷間鍛造後の熱処理を省略した、いわゆる非調質の工程では、工具寿命などの観点から実用的に製造できない高強度鋼でありながら、従来の焼入れ焼もどし処理材と同程度の高強度を確保する手法について鋭意究明したところ、冷間鍛造時には比較的軟質であるが、その後の時効処理にて従来の焼入れ焼もどし材と同等の強度を確保するのが可能であることを見出すに到った。しかも、製品の強度が従来レベルであっても、冷間鍛造時の強度は従来の冷間鍛造用非調質鋼より大幅に低減できるため、当然、従来の非調質鋼よりも優れた工具寿命が得られることも、判明した。
【0009】
すなわち、鋼のCを極力低減して冷間鍛造性の向上をはかり、かつCuの析出およびNiの固溶強化とNbおよびBの複合添加による鋼組織のベイナイト化とによって強度を確保すること、また調質圧延および制御冷却により、圧延のままで母相ベイナイト組織の軟質化をはかること、さらにCuの析出の抑制によって、圧延のままの硬さを比較的軟質として冷間鍛造性や工具寿命を確保するとともに、冷間鍛造後の時効処理における析出硬化の温度、時間依存性や加工量依存性を小さくして大きな強度上昇を得ること、の新規知見に由来するものである。
【0010】
この発明は、上記の知見に基づいてなされたものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
を含み、残部鉄および不可避的不純物の成分組成を有する鋼材に、900 ℃以下にて30%以上の減面率の圧延、次いで700 〜450 ℃の温度域での平均冷却速度が1〜25℃/sとなる冷却を施したのち、冷間鍛造を施し、その後再加熱して400 ℃〜650 ℃に60s以上保持することを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
【0011】
(2) 上記(1) において、鋼材がさらに
V: 0.01 〜0.50質量%、
Mo: 0.05 〜1.00質量%および
Cr: 0.05 〜3.00質量%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
【0012】
(3) 上記(1) または(2) において、鋼材がさらに
Pb: 0.05 〜0.30質量%、
P: 0.10 質量%以下および
Ca: 0.0005 〜0.0100質量%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、この発明を完成するに到った、実験結果について詳述する。
すなわち、C:0.007 質量%、Si:0.25質量%、Mn:1.6 質量%、P:0.015 質量%、S:0.007 質量%、Al:0.03質量%、Cu:1.8 質量%、Ni:1.51質量%、Nb:0.06質量%、Ti:0.025 質量%、N:0.004 質量%およびB:0.002 質量%を含む鋼スラブを、900 ℃以下での減面率を55%とした圧延を施して直径14mmの線材とする際、得られた圧延材の強度と、圧延後の冷却速度が最終の時効処理を経た線材の強度に及ぼす影響と、について調査を行った。なお、このときの時効処理条件は時効温度475 ℃および時効時間1.0 時間とした。
【0014】
図1に、圧延材の強度と時効処理後の強度に及ぼす冷却速度の影響とを示す。なお、ここでの冷却速度は、700 ℃から450 ℃までの平均速度とした。
図1に示した結果から、冷却速度が1〜25℃/sのときに、圧延まま材の軟質化と時効処理後の強度上昇量の増加が同時にはかれることがわかった。さらに、同様の現象が得られるための鋼成分の影響を詳細に検討した結果、NbとBを複合添加し、C含有量を0.015 質量%以下としたときに同様の冷却速度の範囲で得られることがわかった。また、この鋼成分でも900 ℃以下での減面率を30%未満とすると、圧延まま材の強度が高くなり、かつ時効処理によって十分な強度上昇が得られないことも判明した。
【0015】
このような現象が起こる理由の詳細は明らかではないが、NbおよびBの複合添加により 900℃以下でのγ域圧延で歪みが蓄積し、軟質なベイナイト相が得られたものと考えられる。また、この軟質なベイナイト相がCuの微細析出に有効に働くとともに、母相の軟化が少ないために、大きな強度上昇が得られたものと考えられる。一方、冷却速度が1℃/s未満では、圧延まま材にCuの析出が多くみられ、圧延まま材の強度上昇と時効処理後の強度不足につながり、逆に冷却速度25℃/sを超えると、硬質なベイナイトもしくはマルテンサイトが形成され、組織的に不利になったと推察される。
【0016】
この発明は、以上の知見に基づいてなされたものであって、次にこの発明の各条件について、鋼材の各成分範囲の限定理由から順に説明する。
C:0.015 質量%以下
鋼材の組織を、冷却速度にあまり依存せずにベイナイト主体あるいはベイナイト単相とするためには、C量を 0.015質量%以下、好ましくは0.010 質量%以下に制御する必要がある。すなわち、0.015 質量%をこえるCを含有すると、冷却速度によってはパーライト相の析出が懸念され冷間鍛造性が損なわれるおそれがあるため、0.015 質量%以下とした。
【0017】
Si:0.005 〜2.000 質量%
Siは、脱酸および固溶強化を確保するために少なくとも0.005 質量%を必要とするが、過剰に添加すると表面特性を劣化させるため上限は2.000 質量%とした。
【0018】
Mn:0.5 〜3.0 質量%
Mnは、ベイナイト組織として強度を確保するために焼入れ性を向上するのに必要な成分であり、0.5 質量%以上は必要であるが、3.0 質量%をこえると切削性が劣化するため、 0.5〜3.0 質量%の範囲に限定する。
【0019】
S:0.015 質量%以下
Sは、著しく冷間鍛造を劣化させる元素で、その影響を抑制するためには0.015 質量%以下、好ましくは0.010 質量%以下にする必要がある。
【0020】
Al:0.005 〜0.050 質量%
Alは、脱酸のために 0.005質量%以上で添加するが、0.05質量%をこえるとアルミナ系介在物が増えて冷間鍛造性が損なわれるため、0.005 〜 0.050質量%の範囲に限定する。
【0021】
Cu:1.0 超〜2.5 質量%
Cuは、析出強化を図るために添加するが、その効果を発揮するには1.0 質量%を超えて含有させる必要がある。一方、2.5 質量%を超えると、冷却時にCu析出を抑制することが困難となり、時効処理後に大きな強度上昇が得られなくなるので1.0 質量%超〜2.5 質量%の範囲とする。
【0022】
Ni:0.3 〜3.0 質量%
Niは、強度および靱性を向上させるのに有効な元素であり、またCuを添加した場合には圧延時のCu割れを防止するのにも有効であり、0.3 質量%以上で添加する。しかし、Niは高価である上、過剰に添加してもその効果が飽和するため、3.0 質量%を上限とする。とくに、Cu割れの観点からはCu含有量( 質量%) ×0.3 以上添加することが好ましい。
【0023】
Nb:0.02〜0.30質量%
Nbは、Bと複合添加して圧延材の組織制御を行うために重要な元素であり、靱性を向上する効果もある。この組織制御のためには、0.02質量%以上添加する必要があり、一方0.30質量%を超えて添加すると加工性を阻害するため、0.30質量%以下とする。
【0024】
B:0.0005〜0.0050質量%
Bは、Nbと同様に圧延材の組織制御に重要であり、その効果を発揮するには0.0005質量%以上の添加が必要である。一方、過剰に添加してもその効果は飽和するので0.0050質量%を上限とする。
【0025】
Ti:0.01〜0.05質量%
Tiは、強い窒化物形成元素であり、Bが鋼中のNによりBNとして析出固定されてBの効果が抑制されないように添加する。とくに、N含有量(質量%)×(14/48)以上添加することが好ましい。一方、0.05質量%を越えて添加すると、粗大な窒化物を形成しやすくなり、却って冷間鍛造性を劣化することになるため、0.05質量%以下とする。
【0026】
N:0.006 質量%以下
Nは鋼材中に固溶して存在すると靭性を劣化させるため、Ti窒化物として析出固定する必要がある。その際、0.006 質量%を超えて存在すると、析出固定に必要なTi量が増えるばかりか、粗大なTi窒化物を形成して冷間鍛造性を劣化させるため、0.006 質量%以下とする。
【0027】
さらに、この発明では、焼入れ性あるいは切削性の向上を目的として、鋼材に以下の成分を添加することも可能である。
V:0.01〜0.50質量%
Vは、炭窒化物を形成して組織の微細化と析出強化により強度を上昇する効果があるが、0.01質量%未満ではその効果が不明瞭であり、一方0.50質量%を超えて添加すると、効果が飽和し、 また連鋳割れ等の問題も引き起こすため、0.01〜0.50質量%の範囲で添加する。
【0028】
Mo:0.05〜1.00質量%
Moは、固溶または炭化物を形成して常温および高温での強度を上昇する効果があるが、1.00質量%を超えると、その効果が飽和し、また高価でもあるから、1.00質量%以下の範囲で添加する。なお、強度上昇効果を発揮するためには、0.05質量%以上添加することが好ましい。
【0029】
Cr:0.05〜3.00質量%
Crは、強度上昇に有効であるが、過剰に添加すると冷間鍛造性を低下するため3.00質量%以下で添加する。ただし、0.05質量%以下では、その効果を発揮しないため、0.05質量%以上添加することが好ましい。
【0030】
Pb:0.05〜0.30質量%
Pbは、切削性を向上する元素であり、0.05質量%未満ではその効果が小さく、一方0.30質量%を超えると、その効果が飽和するとともに耐疲労性が低下するため、0.05〜0.30質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0031】
P:0.10質量%以下
Pは、切削性の向上を目的として添加するが、過剰に添加すると、靭性あるいは耐疲労性に悪影響をおよぼすため、0.10質量%以下、より好ましくは0.07質量%以下の範囲で添加する。とくに、製品強度が1000MPa を超えるような高強度鋼では、水素脆化を生じる可能性があるため、0.02質量%以下とするのが好ましい。
【0032】
Ca:0.0005〜0.0100質量%
Caは、Pbとほぼ同様な効果を持つ元素で、その効果を発揮するには0.0005質量%以上は必要であり、一方0.01質量%を超えると、その効果が飽和するため、0.0005〜0.0100質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0033】
以上の成分組成になる鋼は、製鋼の一般に従って溶製すればよく、その条件はとくに限定する必要はない。また、鋳造時の鍛圧や均熱保持炉により、中心偏析の低減をはかっても良いことは勿論である。そして、溶製された鋼から、連続鋳造または造塊分塊法にて、スラブなどの鋼材を製造し、圧延以降の工程に供する。
【0034】
次いで、圧延はこの発明の鋼の特徴である、時効処理後の強度上昇に有利なベイナイト組織を得るために、圧延の後期に900 ℃以下の温度域で減面率30%以上として行い、引き続き 700℃〜450 ℃間の平均冷却速度が1〜25℃/sとなる冷却を施す必要がある。この冷却方法についてはとくに限定する必要はなく、所期の冷却速度が得られればよい。
【0035】
かくして得られた圧延材に冷間鍛造を施すが、該冷間鍛造前に行う処理は冷間鍛造非調質鋼の常法に従えばよい。すなわち、最終製品の寸法精度を得るために伸線加工などの軽加工を施しても、この発明の効果には影響しないから、この種の加工を加えても良い。さらに、バウシンガー効果による冷間鍛造時の変形抵抗低減を目的に、30%を超えるような伸線加工を施しても、軽加工と同様に、この発明の効果には影響しないから、このような加工を施すことも可能である。
【0036】
なお、上記の加工は、冷間鍛造後に機械加工などを施す場合、時効析出処理の前後どちらで施しても発明鋼の特徴を損ねることはないが、時効処理前に施すことが工具寿命の点で有利である。
【0037】
さらに、この発明では、冷間鍛造後の製品強度を上げるために、時効析出処理として400 ℃〜650 ℃で60s以上保持することが必要である。この熱処理は単独に行っても良いが、ブルーイングやめっき後のベイキング処理と兼用しても問題ないばかりか、さらに低コスト化にもなり有利である。
【0038】
ちなみに、この発明に従って得られる冷間鍛造部品は、耐食性の改善のためのめっき処理など、通常行われる表面改質などを施しても、その特徴を損ねることはない。
【0039】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する鋼(鋼記号E〜N)を転炉または電気炉で溶製し、連続鋳造にて鋳片とした後、熱間圧廷にて150mm 角のビレットとし、さらに線材圧延し14mmφの線材とした。このときの圧延の最終工程にて圧延温度とその後の冷却条件を、表2および3に示すように調整した。これらの線材に、数%のスキンパス圧延を施し、冷間にて高張力ボルトに鍛造後、表2および3に示す条件で熱処理を施した。
かくして得られたボルトおよび中間品の線材について、機械的特性を調査した。なお、機械的特性は、冷間鍛造前の線材およびボルトの軸部から引張試験片(JIS 14A 号)を採取して調査した。その調査結果を、表2および3に併記する。
【0040】
また、比較として、圧延後に常法に従い球状化焼きなまし処理を施して伸線した後冷間鍛造を行い、さらに焼入れ焼もどし処理にて約1050MPa となるように調整した従来調質鋼(鋼記号A)と、圧延後に約30%の伸線を施してから冷間にてボルトに鍛造し、さらに表2に示す条件にてブルーイング処理を行った従来非調質鋼(鋼記号B〜D)と、を製造した。これらについても、同様の調査を行った。その結果を、表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
表から、従来調質鋼B,Cでは、1000MPa を超えるような高強度ボルトを製造するのは困難であり、同Dは冷間鍛造時に1000MPa を超えるような強度となり、工具寿命が著しく短く実操業には適さないことがわかる。これに対して、発明例では、適正な圧延を施すことによって、冷間鍛造前には850MPa以下の冷間鍛造性に優れた軟質材でありながら、鍛造後の適正な熱処理にて1000MPa を超える高強度ボルトが製造できた。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、冷間鍛造後に焼入れ焼もどし処理を行うことなしに、従来の焼入れ焼もどし材と同等以上の高強度を確保することが可能であり、また冷間鍛造時には十分に軟質化しており工具の延命に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】時効処理前後の強度差に及ぼす冷却速度の影響を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
この発明は、機械構造用鋼、中でも冷間鍛造用非調質鋼を冷間鍛造してボルトなどの部品を製造するための方法に関し、冷間鍛造性、とくに工具寿命に優れる鋼部品を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
冷間鍛造は、材料の歩留りおよび得られる製品の寸法精度に優れることから、機械部品の製造に広範囲に用いられている。従来、この冷間鍛造用鋼としては、例えばJIS に規定される機械構造用炭素鋼および合金鋼が幅広く用いられ、冷間鍛造後、焼入れ焼もどしの熱処理により機械部品に要求される高靭性を付与するのが、一般的である。ここで熱処理を必要とするのは、冷間鍛造のままでの強度が機械部品として要求される水準を満足できないからである。しかし、この熱処理工程は、その処理に長時間を要するとともにコストが高く、該工程を省略できれば大幅なコスト低減と省エネルギーを達成できるため、その省略に対する要請が強い。
【0003】
そこで、この要請に応えるべく種々の提案がなされている。例えば、0.3 〜0.5 質量%の中炭素系Mn鋼に0.10質量%前後のVを添加したフェライトーパーライト型の非調質鋼が提案されており、熱間圧延後の冷却過程にV炭窒化物を析出させてフエライト地を強化するとともに、パーライトの強度を鋼全体の強度上昇に利用するものである。また、特開平6−271975号公報には、0.01〜0.3 質量%の低炭素系Mn鋼の組織をマルテンサイトまたはベイナイトとし、とくに残留オーステナイトを含ませた混合組織とすることを特徴とする、耐水素脆化特性に優れた高強度鋼が提案されている。
【0004】
ここに、冷間鍛造に使用する工具の寿命は、冷間鍛造時の鋼材の強度に依存し、この強度が低いほど工具の寿命が延びることが知られている。一方、上記の非調質鋼は、焼入れ焼もどし材と同等の強度を冷間鍛造のままで確保できるものの、発明者らの検討によれば、冷間鍛造時の強度も調質鋼と比べて必然的に高くなり、加工工具の磨耗や破損などをまねくため、工具寿命の観点から高強度化には限界があった。
【0005】
この問題点に関して、特開昭61−246319号公報では、0.2 〜2.0 質量%のCuを添加した低、中炭素系Mn鋼を、冷間鍛造後に400 〜550 ℃で熱処理してCuを時効析出させることによって、冷間鍛造時の負荷低減や工具の長寿命化を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発明者らの検討によれば、Cu析出に対する十分な検討がなされていないため、安定して製造することが難しいところに、問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、冷間鍛造時は比較的軟質にして工具の延命をはかり、冷間鍛造後に高強度化することを可能とする、冷間鍛造部品の製造方法について提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来の冷間鍛造後の熱処理を省略した、いわゆる非調質の工程では、工具寿命などの観点から実用的に製造できない高強度鋼でありながら、従来の焼入れ焼もどし処理材と同程度の高強度を確保する手法について鋭意究明したところ、冷間鍛造時には比較的軟質であるが、その後の時効処理にて従来の焼入れ焼もどし材と同等の強度を確保するのが可能であることを見出すに到った。しかも、製品の強度が従来レベルであっても、冷間鍛造時の強度は従来の冷間鍛造用非調質鋼より大幅に低減できるため、当然、従来の非調質鋼よりも優れた工具寿命が得られることも、判明した。
【0009】
すなわち、鋼のCを極力低減して冷間鍛造性の向上をはかり、かつCuの析出およびNiの固溶強化とNbおよびBの複合添加による鋼組織のベイナイト化とによって強度を確保すること、また調質圧延および制御冷却により、圧延のままで母相ベイナイト組織の軟質化をはかること、さらにCuの析出の抑制によって、圧延のままの硬さを比較的軟質として冷間鍛造性や工具寿命を確保するとともに、冷間鍛造後の時効処理における析出硬化の温度、時間依存性や加工量依存性を小さくして大きな強度上昇を得ること、の新規知見に由来するものである。
【0010】
この発明は、上記の知見に基づいてなされたものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
を含み、残部鉄および不可避的不純物の成分組成を有する鋼材に、900 ℃以下にて30%以上の減面率の圧延、次いで700 〜450 ℃の温度域での平均冷却速度が1〜25℃/sとなる冷却を施したのち、冷間鍛造を施し、その後再加熱して400 ℃〜650 ℃に60s以上保持することを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
【0011】
(2) 上記(1) において、鋼材がさらに
V: 0.01 〜0.50質量%、
Mo: 0.05 〜1.00質量%および
Cr: 0.05 〜3.00質量%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
【0012】
(3) 上記(1) または(2) において、鋼材がさらに
Pb: 0.05 〜0.30質量%、
P: 0.10 質量%以下および
Ca: 0.0005 〜0.0100質量%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、この発明を完成するに到った、実験結果について詳述する。
すなわち、C:0.007 質量%、Si:0.25質量%、Mn:1.6 質量%、P:0.015 質量%、S:0.007 質量%、Al:0.03質量%、Cu:1.8 質量%、Ni:1.51質量%、Nb:0.06質量%、Ti:0.025 質量%、N:0.004 質量%およびB:0.002 質量%を含む鋼スラブを、900 ℃以下での減面率を55%とした圧延を施して直径14mmの線材とする際、得られた圧延材の強度と、圧延後の冷却速度が最終の時効処理を経た線材の強度に及ぼす影響と、について調査を行った。なお、このときの時効処理条件は時効温度475 ℃および時効時間1.0 時間とした。
【0014】
図1に、圧延材の強度と時効処理後の強度に及ぼす冷却速度の影響とを示す。なお、ここでの冷却速度は、700 ℃から450 ℃までの平均速度とした。
図1に示した結果から、冷却速度が1〜25℃/sのときに、圧延まま材の軟質化と時効処理後の強度上昇量の増加が同時にはかれることがわかった。さらに、同様の現象が得られるための鋼成分の影響を詳細に検討した結果、NbとBを複合添加し、C含有量を0.015 質量%以下としたときに同様の冷却速度の範囲で得られることがわかった。また、この鋼成分でも900 ℃以下での減面率を30%未満とすると、圧延まま材の強度が高くなり、かつ時効処理によって十分な強度上昇が得られないことも判明した。
【0015】
このような現象が起こる理由の詳細は明らかではないが、NbおよびBの複合添加により 900℃以下でのγ域圧延で歪みが蓄積し、軟質なベイナイト相が得られたものと考えられる。また、この軟質なベイナイト相がCuの微細析出に有効に働くとともに、母相の軟化が少ないために、大きな強度上昇が得られたものと考えられる。一方、冷却速度が1℃/s未満では、圧延まま材にCuの析出が多くみられ、圧延まま材の強度上昇と時効処理後の強度不足につながり、逆に冷却速度25℃/sを超えると、硬質なベイナイトもしくはマルテンサイトが形成され、組織的に不利になったと推察される。
【0016】
この発明は、以上の知見に基づいてなされたものであって、次にこの発明の各条件について、鋼材の各成分範囲の限定理由から順に説明する。
C:0.015 質量%以下
鋼材の組織を、冷却速度にあまり依存せずにベイナイト主体あるいはベイナイト単相とするためには、C量を 0.015質量%以下、好ましくは0.010 質量%以下に制御する必要がある。すなわち、0.015 質量%をこえるCを含有すると、冷却速度によってはパーライト相の析出が懸念され冷間鍛造性が損なわれるおそれがあるため、0.015 質量%以下とした。
【0017】
Si:0.005 〜2.000 質量%
Siは、脱酸および固溶強化を確保するために少なくとも0.005 質量%を必要とするが、過剰に添加すると表面特性を劣化させるため上限は2.000 質量%とした。
【0018】
Mn:0.5 〜3.0 質量%
Mnは、ベイナイト組織として強度を確保するために焼入れ性を向上するのに必要な成分であり、0.5 質量%以上は必要であるが、3.0 質量%をこえると切削性が劣化するため、 0.5〜3.0 質量%の範囲に限定する。
【0019】
S:0.015 質量%以下
Sは、著しく冷間鍛造を劣化させる元素で、その影響を抑制するためには0.015 質量%以下、好ましくは0.010 質量%以下にする必要がある。
【0020】
Al:0.005 〜0.050 質量%
Alは、脱酸のために 0.005質量%以上で添加するが、0.05質量%をこえるとアルミナ系介在物が増えて冷間鍛造性が損なわれるため、0.005 〜 0.050質量%の範囲に限定する。
【0021】
Cu:1.0 超〜2.5 質量%
Cuは、析出強化を図るために添加するが、その効果を発揮するには1.0 質量%を超えて含有させる必要がある。一方、2.5 質量%を超えると、冷却時にCu析出を抑制することが困難となり、時効処理後に大きな強度上昇が得られなくなるので1.0 質量%超〜2.5 質量%の範囲とする。
【0022】
Ni:0.3 〜3.0 質量%
Niは、強度および靱性を向上させるのに有効な元素であり、またCuを添加した場合には圧延時のCu割れを防止するのにも有効であり、0.3 質量%以上で添加する。しかし、Niは高価である上、過剰に添加してもその効果が飽和するため、3.0 質量%を上限とする。とくに、Cu割れの観点からはCu含有量( 質量%) ×0.3 以上添加することが好ましい。
【0023】
Nb:0.02〜0.30質量%
Nbは、Bと複合添加して圧延材の組織制御を行うために重要な元素であり、靱性を向上する効果もある。この組織制御のためには、0.02質量%以上添加する必要があり、一方0.30質量%を超えて添加すると加工性を阻害するため、0.30質量%以下とする。
【0024】
B:0.0005〜0.0050質量%
Bは、Nbと同様に圧延材の組織制御に重要であり、その効果を発揮するには0.0005質量%以上の添加が必要である。一方、過剰に添加してもその効果は飽和するので0.0050質量%を上限とする。
【0025】
Ti:0.01〜0.05質量%
Tiは、強い窒化物形成元素であり、Bが鋼中のNによりBNとして析出固定されてBの効果が抑制されないように添加する。とくに、N含有量(質量%)×(14/48)以上添加することが好ましい。一方、0.05質量%を越えて添加すると、粗大な窒化物を形成しやすくなり、却って冷間鍛造性を劣化することになるため、0.05質量%以下とする。
【0026】
N:0.006 質量%以下
Nは鋼材中に固溶して存在すると靭性を劣化させるため、Ti窒化物として析出固定する必要がある。その際、0.006 質量%を超えて存在すると、析出固定に必要なTi量が増えるばかりか、粗大なTi窒化物を形成して冷間鍛造性を劣化させるため、0.006 質量%以下とする。
【0027】
さらに、この発明では、焼入れ性あるいは切削性の向上を目的として、鋼材に以下の成分を添加することも可能である。
V:0.01〜0.50質量%
Vは、炭窒化物を形成して組織の微細化と析出強化により強度を上昇する効果があるが、0.01質量%未満ではその効果が不明瞭であり、一方0.50質量%を超えて添加すると、効果が飽和し、 また連鋳割れ等の問題も引き起こすため、0.01〜0.50質量%の範囲で添加する。
【0028】
Mo:0.05〜1.00質量%
Moは、固溶または炭化物を形成して常温および高温での強度を上昇する効果があるが、1.00質量%を超えると、その効果が飽和し、また高価でもあるから、1.00質量%以下の範囲で添加する。なお、強度上昇効果を発揮するためには、0.05質量%以上添加することが好ましい。
【0029】
Cr:0.05〜3.00質量%
Crは、強度上昇に有効であるが、過剰に添加すると冷間鍛造性を低下するため3.00質量%以下で添加する。ただし、0.05質量%以下では、その効果を発揮しないため、0.05質量%以上添加することが好ましい。
【0030】
Pb:0.05〜0.30質量%
Pbは、切削性を向上する元素であり、0.05質量%未満ではその効果が小さく、一方0.30質量%を超えると、その効果が飽和するとともに耐疲労性が低下するため、0.05〜0.30質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0031】
P:0.10質量%以下
Pは、切削性の向上を目的として添加するが、過剰に添加すると、靭性あるいは耐疲労性に悪影響をおよぼすため、0.10質量%以下、より好ましくは0.07質量%以下の範囲で添加する。とくに、製品強度が1000MPa を超えるような高強度鋼では、水素脆化を生じる可能性があるため、0.02質量%以下とするのが好ましい。
【0032】
Ca:0.0005〜0.0100質量%
Caは、Pbとほぼ同様な効果を持つ元素で、その効果を発揮するには0.0005質量%以上は必要であり、一方0.01質量%を超えると、その効果が飽和するため、0.0005〜0.0100質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0033】
以上の成分組成になる鋼は、製鋼の一般に従って溶製すればよく、その条件はとくに限定する必要はない。また、鋳造時の鍛圧や均熱保持炉により、中心偏析の低減をはかっても良いことは勿論である。そして、溶製された鋼から、連続鋳造または造塊分塊法にて、スラブなどの鋼材を製造し、圧延以降の工程に供する。
【0034】
次いで、圧延はこの発明の鋼の特徴である、時効処理後の強度上昇に有利なベイナイト組織を得るために、圧延の後期に900 ℃以下の温度域で減面率30%以上として行い、引き続き 700℃〜450 ℃間の平均冷却速度が1〜25℃/sとなる冷却を施す必要がある。この冷却方法についてはとくに限定する必要はなく、所期の冷却速度が得られればよい。
【0035】
かくして得られた圧延材に冷間鍛造を施すが、該冷間鍛造前に行う処理は冷間鍛造非調質鋼の常法に従えばよい。すなわち、最終製品の寸法精度を得るために伸線加工などの軽加工を施しても、この発明の効果には影響しないから、この種の加工を加えても良い。さらに、バウシンガー効果による冷間鍛造時の変形抵抗低減を目的に、30%を超えるような伸線加工を施しても、軽加工と同様に、この発明の効果には影響しないから、このような加工を施すことも可能である。
【0036】
なお、上記の加工は、冷間鍛造後に機械加工などを施す場合、時効析出処理の前後どちらで施しても発明鋼の特徴を損ねることはないが、時効処理前に施すことが工具寿命の点で有利である。
【0037】
さらに、この発明では、冷間鍛造後の製品強度を上げるために、時効析出処理として400 ℃〜650 ℃で60s以上保持することが必要である。この熱処理は単独に行っても良いが、ブルーイングやめっき後のベイキング処理と兼用しても問題ないばかりか、さらに低コスト化にもなり有利である。
【0038】
ちなみに、この発明に従って得られる冷間鍛造部品は、耐食性の改善のためのめっき処理など、通常行われる表面改質などを施しても、その特徴を損ねることはない。
【0039】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する鋼(鋼記号E〜N)を転炉または電気炉で溶製し、連続鋳造にて鋳片とした後、熱間圧廷にて150mm 角のビレットとし、さらに線材圧延し14mmφの線材とした。このときの圧延の最終工程にて圧延温度とその後の冷却条件を、表2および3に示すように調整した。これらの線材に、数%のスキンパス圧延を施し、冷間にて高張力ボルトに鍛造後、表2および3に示す条件で熱処理を施した。
かくして得られたボルトおよび中間品の線材について、機械的特性を調査した。なお、機械的特性は、冷間鍛造前の線材およびボルトの軸部から引張試験片(JIS 14A 号)を採取して調査した。その調査結果を、表2および3に併記する。
【0040】
また、比較として、圧延後に常法に従い球状化焼きなまし処理を施して伸線した後冷間鍛造を行い、さらに焼入れ焼もどし処理にて約1050MPa となるように調整した従来調質鋼(鋼記号A)と、圧延後に約30%の伸線を施してから冷間にてボルトに鍛造し、さらに表2に示す条件にてブルーイング処理を行った従来非調質鋼(鋼記号B〜D)と、を製造した。これらについても、同様の調査を行った。その結果を、表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
表から、従来調質鋼B,Cでは、1000MPa を超えるような高強度ボルトを製造するのは困難であり、同Dは冷間鍛造時に1000MPa を超えるような強度となり、工具寿命が著しく短く実操業には適さないことがわかる。これに対して、発明例では、適正な圧延を施すことによって、冷間鍛造前には850MPa以下の冷間鍛造性に優れた軟質材でありながら、鍛造後の適正な熱処理にて1000MPa を超える高強度ボルトが製造できた。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、冷間鍛造後に焼入れ焼もどし処理を行うことなしに、従来の焼入れ焼もどし材と同等以上の高強度を確保することが可能であり、また冷間鍛造時には十分に軟質化しており工具の延命に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】時効処理前後の強度差に及ぼす冷却速度の影響を示すグラフである。
Claims (3)
- C: 0.015質量%以下、 Si: 0.005〜2.000 質量%、
Mn: 0.5〜3.0 質量%、 S: 0.015質量%以下、
Al: 0.005〜0.050 質量%、 Cu: 1.0超〜2.5 質量%、
Ni: 0.3〜3.0 質量%、 Nb: 0.02 〜0.30質量%、
B:0.0005〜0.0050質量%、 Ti: 0.01 〜0.05質量%および
N: 0.006質量%以下
を含み、残部鉄および不可避的不純物の成分組成を有する鋼材に、900 ℃以下にて30%以上の減面率の圧延、次いで700 〜450 ℃の温度域での平均冷却速度が1〜25℃/sとなる冷却を施したのち、冷間鍛造を施し、その後再加熱して400 ℃〜650 ℃に60s以上保持することを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。 - 請求項1において、鋼材がさらに
V: 0.01 〜0.50質量%、
Mo: 0.05 〜1.00質量%および
Cr: 0.05 〜3.00質量%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。 - 請求項1または請求項2において、鋼材がさらに
Pb: 0.05 〜0.30質量%、
P: 0.10 質量%以下および
Ca: 0.0005 〜0.0100質量%
の1種または2種以上を含むことを特徴とする冷間鍛造部品の製造方法。
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