JP2521547B2 - 低温用鋼の製造方法 - Google Patents

低温用鋼の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 本発明は低温用鋼の製造方法に係り、強度がYS≧60kg
f/mm2、TS≧70kgf/mm2を満足し、降伏比が0.90前後にあ
るLEG用5%Ni鋼の製造方法を提供しようとするもので
ある。
(産業上の利用分野) LEG用などの高強度構造用鋼の製造方法、特に9%Ni
鋼と同等の強度を有し、しかも降伏比が適正な5%Ni鋼
の製造方法に関するものである。
従来の技術 高Ni系鋼を直接焼入れ−焼戻し処理して製造すると、
通常の再加熱焼入れ−焼戻し処理に比し高強度が得ら
れ、Ni含有量5%程度であっても適量のCr、Mo添加によ
り9%Ni鋼と同等の強度が得られる。しかし高Ni量のた
め焼入れ性が高く、得られるミクロ組織はマルテンサイ
トと低ベイナイトの混合組織となり、降伏比(降伏点/
引張強さ)が構造用鋼として望ましくない程高くなる。
高Ni系低温用鋼の降伏比を改善する方法として、直接
焼入れ後または再加熱焼入れ後、L処理(Ac1〜Ac3間に
再加熱し焼入れ処理)を行い、Ac1点以下で焼戻しを行
うQ(QD)LT処理が知られている。
即ち、特公昭56−4608号公報では直接焼入れ後に、L
処理を組合わせ、Ac1変態点以下の焼戻しを行うこと、
およびAlNの寸法制御によりNi量5.5%で9%Ni鋼と同等
の性能を有するLNG用鋼が製造可能であることが提案さ
れている。
(発明が解決しようとする課題) 上記したような従来の直接焼入れ後にAc1〜Ac3間の焼
入れをなしてからAc1変態点以下の焼戻しを行うQLTまた
はQDLT処理によるものは、QLTまたはQDLT処理後の組織
が焼戻されたフエライトと微細なオーステナイトを含む
焼戻しマルテンサイトよりなる混合組織となり、従来一
般の焼入れ焼戻しまたは直接焼入れ焼戻ししたものに比
し、その強度が約10kgf/mm2程度低下する。
従ってこのQLTまたはQDLT処理により一般的な9%Ni
鋼と同等の強度を確保するために必要なNiその他の合金
量は、L処理のないものより多くならざるを得ず、しか
も熱処理回数が増加するので、何れの面からしても高コ
スト化せざるを得ない。
前記特許公告公報では、直接焼入れ後、Ac1変態点以
下の温度で焼戻すことも述べられているが、この場合は
構造用鋼として降伏比が高くなりすぎることは前述の通
りである。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 本発明は上記したような従来のものの課題を解決すべ
く検討を重ねて創案されたものであって、以下の如くで
ある。
C≦0.10wt%、Si≦0.30wt%、 Mn≦1.3wt%、Ni:4.5〜5.5wt%、 Cr≦0.5wt%、Mo≦0.5wt%、 Al:0.01〜0.10wt%、N:0.002〜0.003wt%、 P≦0.005wt%、S≦0.005wt% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を、10
50〜1250℃の温度範囲に加熱後、熱間圧延を行い、850
℃以上で仕上げ、直ちに焼入れ処理を施した後、焼戻し
を640〜660℃で行い、焼戻し後常温で残留γ量を8%以
上を確保することを特徴とする低温用鋼の製造方法。
(作用) 上記したような本発明の作用について説明すると、先
ず化学成分の限定理由をwt%(以下単に%という)によ
って説明すると以下の如くである。
Cは、所定の強度を得る最も安価な元素であるが、0.
10%を超えると溶接性を劣化させるので、上限を0.10%
とした。
Siは、溶鋼の脱酸に必要な元素であり、固溶強化によ
って強度を上昇をもたらすが、0.30%を越すと溶接部の
靭性が劣化するため上限を0.30%とする。
Mnは、強度と靭性確保のため必要であるが、1.3%を
超えると靭性改善効果が小さくなるため、1.3%を上限
とした。
Crは、Moとの複合添加で焼入れ性の増大がみられ、靭
性および強度の改善に有効な元素であるが、0.5%を超
えるとその効果が小さくなるため、0.5%を上限とす
る。
Moは、上記のようにCrとの複合添加で、靭性、強度の
改善効果が著しいが、0.5%を越えると溶接部の硬化性
が著しく溶接性を劣化させるため、上限を0.5%とする
ことが必要である。
Niは、マトリックスの高強度と高靭性を得るために必
要な元素であって、LEG用鋼として必要な溶接部靭性を
確保するためには4.5%以上が必要で、これを下限と
し、又5.5%を超えて含有させることは経済的に不利で
あるからこれを上限とした。
Alは、出鋼時の脱酸と固溶窒素の固定および結晶粒の
細粒化に必要な元素であり、その効果は0.01%以上で発
揮されるのでこれを下限とし、一方0.10%を超えると靭
性を劣化させるので、上限を0.10%とした。
Nは、γ粒の微細化に寄与するAlN量を確保するため
下限を0.002%とするが、又溶接部の靭性劣化を防ぐた
め上限を0.003%とした。
PおよびSは、母材部および溶接部の低温靭性を劣化
させるので低い方が好ましく、0.005%を何れも上限と
した。
次に焼戻し温度の限定理由について述べると、焼戻し
処理は焼入れ後の残留応力の低減、延靭性の向上を目的
として実施されており、通常この焼戻し温度はAc1点以
下である。然し本発明における成分範囲内の鋼をこのAc
1点以下で焼戻しした場合、その焼戻し温度が高くなる
につれて強度は低下するが、降伏比は引張強さと降伏点
の低下度合いが略同じであるため約0.99〜1.00の範囲に
あり、Ac1点以下の焼戻しでは降伏比の低下は望めな
い。即ち本発明成分範囲の鋼は、焼入れままでマルテン
サイト組織であり、Ac1〜Ac3点で焼戻されるとオーステ
ナイトが旧オーステナイト粒界、マルテンサイト粒界な
どに析出し、焼戻し温度が高くなるにつれ、量も増加し
て行く。新たに生成したオーステナイトは、生成した温
度が低い程、量も少いため溶質元素の濃度が高く、オー
ステナイトとして安定なため、焼戻し後の空冷によって
もマルテンサイト変態を生ぜず、常温で残留γとして残
るようになる。従ってAc1点直上で焼戻すと、焼戻し後
の常温状態で多量の残留γが観察されるようになり、柔
かい残留γの存在によって強度、特に降伏点が低下し、
降伏比が減少するようになる。
即ち本発明の骨子は、焼戻し温度を、焼戻し後の室温
状態で残留γが最も多くなるAc1点近傍に設定し、そう
したことにより降伏比を下げることにある。
(実施例) 本発明によるものの具体的な実施例について説明する
と、以下の如くである。
真空溶解法で次の第1表に示す化学成分の鋼を溶製
し、熱間圧延後直ちに焼入れ、X線回折用の試料を採取
した。該試料を625℃、650℃、675℃で焼戻処理(空
冷)した後、残留γ量をX線回折で計測した。
上記したようなX線回折の結果は第1図に示すが、計
算上のAc1点である648℃直上の温度、即ち650℃で焼戻
した場合、常温での残留γが最大値をとることが認めら
れる。
又第2図には熱間圧延後、直ちに焼入れした前記第1
表の鋼を、625℃、650℃および675℃で焼戻し、処理後
引張試験を行った結果を示すが、この第2図から明かな
ように625℃で焼戻した場合、降伏比は0.99と高く、又6
75℃で焼戻しを行うと降伏点が下りすぎ、9%Ni鋼と同
等の60kgf/mm2以上を確保できない。これに対し650℃の
場合には降伏点が60〜70kgf/mm2の範囲内にあり、降伏
比も0.8〜0.9の範囲内にある。
即ち、残留γ量の最も多くなる650℃附近で焼戻した
場合には降伏比が0.90程度と、現用の構造用鋼と略等し
く、しかも9%Ni鋼と同程度の強度を確保し得ることが
確認された。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは9%Ni鋼と同
等の強度を有し、しかも降伏比が一般構造用鋼の範囲内
にあるLEG用の如き5%Ni鋼を製造せしめ、需要の増大
しつつある混載型LEG船などの低コスト化を適切に得し
めるものであるから工業的にその効果の大きい発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、第1図
は本発明によるものの実施例についての残留γ量をX線
回折により計測した結果を示す図表、第2図は熱間圧延
後直ちに焼入れした結果を示す図表である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C≦0.10wt%、Si≦0.30wt%、 Mn≦1.3wt%、Ni:4.5〜5.5wt%、 Cr≦0.5wt%、Mo≦0.5wt%、 Al:0.01〜0.10wt%、N:0.002〜0.003wt%、 P≦0.005wt%、S≦0.005wt% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を、10
    50〜1250℃の温度範囲に加熱後、熱間圧延を行い、850
    ℃以上で仕上げ、直ちに焼入れ処理を施した後、焼戻し
    を640〜660℃で行い、焼戻し後常温で残留γ量を8%以
    上を確保することを特徴とする低温用鋼の製造方法。
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