JPH10298702A - 砂型共晶黒鉛鋳鉄 - Google Patents
砂型共晶黒鉛鋳鉄Info
- Publication number
- JPH10298702A JPH10298702A JP14443397A JP14443397A JPH10298702A JP H10298702 A JPH10298702 A JP H10298702A JP 14443397 A JP14443397 A JP 14443397A JP 14443397 A JP14443397 A JP 14443397A JP H10298702 A JPH10298702 A JP H10298702A
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- JP
- Japan
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- amount
- cast iron
- graphite
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】チルが発生しにくい砂型共晶黒鉛鋳鉄を得る。
【解決手段】重量%で、CE値(=C+1/3Si):
3.3〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)
が1.5〜1.8、Mn:0.2〜1.0%、P:0.
1%以下、S:0.006〜0.05%、Ti:0.0
6〜0.10%、残部がFeおよび不可避的不純物であ
る砂型共晶黒鉛鋳鉄。
3.3〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)
が1.5〜1.8、Mn:0.2〜1.0%、P:0.
1%以下、S:0.006〜0.05%、Ti:0.0
6〜0.10%、残部がFeおよび不可避的不純物であ
る砂型共晶黒鉛鋳鉄。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共晶黒鉛鋳鉄に関
するものであり、特に、砂型を用いて鋳造された砂型共
晶黒鉛鋳鉄に関するものである。
するものであり、特に、砂型を用いて鋳造された砂型共
晶黒鉛鋳鉄に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の砂型共晶黒鉛鋳鉄として、特公平
5−14005号公報には鋳物中の硫砿量を0.005
〜0.001%にしたものが示されている(例えば、
C:3.60%、Si:2.43%、Mn:0.73
%、P:0.038%、S:0.005%)。
5−14005号公報には鋳物中の硫砿量を0.005
〜0.001%にしたものが示されている(例えば、
C:3.60%、Si:2.43%、Mn:0.73
%、P:0.038%、S:0.005%)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の砂
型共晶黒鉛鋳鉄は、溶湯中の硫黄量が極めて少ないた
め、基地組織にチルが発生し易いという問題点を有して
いる。そこで、本発明は、上記問題点を解消するために
なされたものであり、基地組織にチルが発生しにくい砂
型共晶黒鉛鋳鉄を提供することを課題とする。
型共晶黒鉛鋳鉄は、溶湯中の硫黄量が極めて少ないた
め、基地組織にチルが発生し易いという問題点を有して
いる。そこで、本発明は、上記問題点を解消するために
なされたものであり、基地組織にチルが発生しにくい砂
型共晶黒鉛鋳鉄を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の砂型共晶黒鉛鋳
鉄は、重量%で、CE値(=C+1/3Si):3.3
〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)が1.
5〜1.8、Mn:0.2〜1.0%、P:0.1%以
下、S:0.006〜0.05%、Ti:0.06〜
0.10%、残部がFeおよび不可避的不純物であるこ
とを特徴とする。
鉄は、重量%で、CE値(=C+1/3Si):3.3
〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)が1.
5〜1.8、Mn:0.2〜1.0%、P:0.1%以
下、S:0.006〜0.05%、Ti:0.06〜
0.10%、残部がFeおよび不可避的不純物であるこ
とを特徴とする。
【0005】CE値が3.3%より小さくなるとチルが
発生し、切削加工性が低下するため、CE値の下限を
3.3%とし、CE値が3.7%より大きくなると片状
黒鉛が晶出するため、CE値の上限を3.7%とした。
Si量とC量との比が1.5より小さくなると片状黒鉛
が晶出するため、Si量とC量との比の下限を1.5と
し、Si量とC量との比が1.8より大きくなるとチル
化が起こるため、Si量とC量との比の上限を1.8と
した。Mn量が0.2%より小さいとパーライトが生じ
ないため、Mn量の下限を0.2%とし、Mn量が1.
0%より大きいとチルが発生するため、Mn量の上限を
1.0%とした。P量が0.2%より大きいとステダイ
トを生成して被削性が低下するため、P量の上限を0.
2%とした。S量が0.006%より小さいとチルが発
生し易いため、S量の下限を0.006%とし、S量が
0.05%より大きいと共晶黒鉛が晶出しにくいため、
S量の上限を0.05%とした。Ti量が0.06%よ
り小さいと片状黒鉛が晶出するため下限を0.06%と
し、Ti量が0.10%より大きいと切削性及び湯流れ
性が低下するため、上限を0.10%とした。
発生し、切削加工性が低下するため、CE値の下限を
3.3%とし、CE値が3.7%より大きくなると片状
黒鉛が晶出するため、CE値の上限を3.7%とした。
Si量とC量との比が1.5より小さくなると片状黒鉛
が晶出するため、Si量とC量との比の下限を1.5と
し、Si量とC量との比が1.8より大きくなるとチル
化が起こるため、Si量とC量との比の上限を1.8と
した。Mn量が0.2%より小さいとパーライトが生じ
ないため、Mn量の下限を0.2%とし、Mn量が1.
0%より大きいとチルが発生するため、Mn量の上限を
1.0%とした。P量が0.2%より大きいとステダイ
トを生成して被削性が低下するため、P量の上限を0.
2%とした。S量が0.006%より小さいとチルが発
生し易いため、S量の下限を0.006%とし、S量が
0.05%より大きいと共晶黒鉛が晶出しにくいため、
S量の上限を0.05%とした。Ti量が0.06%よ
り小さいと片状黒鉛が晶出するため下限を0.06%と
し、Ti量が0.10%より大きいと切削性及び湯流れ
性が低下するため、上限を0.10%とした。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の砂型共晶黒鉛鋳鉄は、C
O2鋳型、生砂型、ダイカル鋳型、フラン鋳型等の砂型
によって鋳造される。
O2鋳型、生砂型、ダイカル鋳型、フラン鋳型等の砂型
によって鋳造される。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。実施例1
として、重量%で、CE値:3.48%、Si/Cが
1.71、Mn:0.60%、P:0.031%、S:
0.031%、Ti:0.082%、残部がFeおよび
不可避的不純物よりなる溶湯を1460±15℃で溶製
した後、1430℃の注湯温度でCO2鋳型に注湯して
直径100mm、厚さ30mmの円盤状の供試材を採取
した。実施例2として、重量%で、CE値:3.42
%、Si/Cが1.72、Mn:0.59%、P:0.
030%、S:0.033%、Ti:0.061%、残
部がFeおよび不可避的不純物よりなる溶湯を1460
±15℃で溶製した後、1430℃の注湯温度でCO2
鋳型に注湯して直径100mm、厚さ30mmの円盤状
の供試材を採取した。実施例3として、重量%で、CE
値:3.38%、Si/Cが1.51、Mn:0.58
%、P:0.032%、S:0.033%、Ti:0.
076%、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる溶
湯を1460±15℃で溶製した後、1430℃の注湯
温度でCO2鋳型に注湯して直径100mm、厚さ30
mmの円盤状の供試材を採取した。実施例4として、重
量%で、CE値:3.63%、Si/Cが1.73、M
n:0.60%、P:0.028%、S:0.030
%、Ti:0.097%、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなる溶湯を1460±15℃で溶製した後、1
430℃の注湯温度でCO2鋳型に注湯して直径100
mm、厚さ30mmの円盤状の供試材を採取した。
として、重量%で、CE値:3.48%、Si/Cが
1.71、Mn:0.60%、P:0.031%、S:
0.031%、Ti:0.082%、残部がFeおよび
不可避的不純物よりなる溶湯を1460±15℃で溶製
した後、1430℃の注湯温度でCO2鋳型に注湯して
直径100mm、厚さ30mmの円盤状の供試材を採取
した。実施例2として、重量%で、CE値:3.42
%、Si/Cが1.72、Mn:0.59%、P:0.
030%、S:0.033%、Ti:0.061%、残
部がFeおよび不可避的不純物よりなる溶湯を1460
±15℃で溶製した後、1430℃の注湯温度でCO2
鋳型に注湯して直径100mm、厚さ30mmの円盤状
の供試材を採取した。実施例3として、重量%で、CE
値:3.38%、Si/Cが1.51、Mn:0.58
%、P:0.032%、S:0.033%、Ti:0.
076%、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる溶
湯を1460±15℃で溶製した後、1430℃の注湯
温度でCO2鋳型に注湯して直径100mm、厚さ30
mmの円盤状の供試材を採取した。実施例4として、重
量%で、CE値:3.63%、Si/Cが1.73、M
n:0.60%、P:0.028%、S:0.030
%、Ti:0.097%、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなる溶湯を1460±15℃で溶製した後、1
430℃の注湯温度でCO2鋳型に注湯して直径100
mm、厚さ30mmの円盤状の供試材を採取した。
【0008】実施例1〜4の鋳鉄成分組成、各実施例で
鋳造した供試材の黒鉛形状及び基地組織におけるチル発
生の有無を表1に示す。
鋳造した供試材の黒鉛形状及び基地組織におけるチル発
生の有無を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】表1から明らかなように、実施例1〜4で
鋳造した供試材は、共晶黒鉛が晶出し、チルの発生もな
い。
鋳造した供試材は、共晶黒鉛が晶出し、チルの発生もな
い。
【0011】比較例1〜6として、実施例1〜4と同一
溶製温度及び同一注湯温度の下、表1に併記した成分組
成の溶湯をCO2鋳型に注湯して実施例1〜4と同形状
の供試材(100φ、30mm厚)を採取した。比較例
1として、S量が0.003%の溶湯を溶製し、供試材
を採取した。比較例2として、Ti量が0.039%の
溶湯を溶製し、供試材を採取した。比較例3として、S
i/Cが1.43の溶湯を溶製し、供試材を採取した。
比較例4として、Si/Cが1.89の溶湯を溶製し、
供試材を採取した。比較例5として、CE値が3.23
%の溶湯を溶製し、供試材を採取した。比較例6とし
て、CE値が3.85%の溶湯を溶製し、供試材を採取
した。
溶製温度及び同一注湯温度の下、表1に併記した成分組
成の溶湯をCO2鋳型に注湯して実施例1〜4と同形状
の供試材(100φ、30mm厚)を採取した。比較例
1として、S量が0.003%の溶湯を溶製し、供試材
を採取した。比較例2として、Ti量が0.039%の
溶湯を溶製し、供試材を採取した。比較例3として、S
i/Cが1.43の溶湯を溶製し、供試材を採取した。
比較例4として、Si/Cが1.89の溶湯を溶製し、
供試材を採取した。比較例5として、CE値が3.23
%の溶湯を溶製し、供試材を採取した。比較例6とし
て、CE値が3.85%の溶湯を溶製し、供試材を採取
した。
【0012】比較例1〜6で鋳造した供試材の黒鉛形状
及び基地組織におけるチル発生の有無を表1に併記す
る。
及び基地組織におけるチル発生の有無を表1に併記す
る。
【0013】表1より、各比較例について以下のことが
明らかである。比較例1の如くS量が少ない溶湯から鋳
込んだ供試材は、共晶黒鉛を晶出するがチルの発生を伴
う。比較例2の如くTi量が少ない溶湯から鋳込んだ供
試材は、片状黒鉛が晶出する。比較例3の如くSi/C
が低い溶湯から鋳込んだ供試材は、片状黒鉛が晶出す
る。比較例4の如くSi/Cが高い溶湯から鋳込んだ供
試材は、共晶黒鉛を晶出するがチルの発生を伴う。比較
例5の如くCE値が低い溶湯から鋳込んだ供試材は、共
晶黒鉛を晶出するがチルの発生を伴う。比較例6の如く
CE値が高い溶湯から鋳込んだ供試材は、片状黒鉛を晶
出する。
明らかである。比較例1の如くS量が少ない溶湯から鋳
込んだ供試材は、共晶黒鉛を晶出するがチルの発生を伴
う。比較例2の如くTi量が少ない溶湯から鋳込んだ供
試材は、片状黒鉛が晶出する。比較例3の如くSi/C
が低い溶湯から鋳込んだ供試材は、片状黒鉛が晶出す
る。比較例4の如くSi/Cが高い溶湯から鋳込んだ供
試材は、共晶黒鉛を晶出するがチルの発生を伴う。比較
例5の如くCE値が低い溶湯から鋳込んだ供試材は、共
晶黒鉛を晶出するがチルの発生を伴う。比較例6の如く
CE値が高い溶湯から鋳込んだ供試材は、片状黒鉛を晶
出する。
【0014】
【発明の効果】本発明の砂型共晶黒鉛鋳鉄は、重量%
で、CE値(=C+1/3Si):3.3〜3.7%か
つSi量とC量との比(Si/C)が1.5〜1.8、
Mn:0.2〜1.0%、P:0.1%以下、S:0.
006〜0.05%、Ti:0.06〜0.10%、残
部がFeおよび不可避的不純物からなるので、基地組織
にチルが発生しにくく、安定した性状の鋳物を得ること
ができる。
で、CE値(=C+1/3Si):3.3〜3.7%か
つSi量とC量との比(Si/C)が1.5〜1.8、
Mn:0.2〜1.0%、P:0.1%以下、S:0.
006〜0.05%、Ti:0.06〜0.10%、残
部がFeおよび不可避的不純物からなるので、基地組織
にチルが発生しにくく、安定した性状の鋳物を得ること
ができる。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、CE値(=C+1/3Si):
3.3〜3.7%かつSi量とC量との比(Si/C)
が1.5〜1.8、Mn:0.2〜1.0%、P:0.
1%以下、S:0.006〜0.05%、Ti:0.0
6〜0.10%、残部がFeおよび不可避的不純物であ
ることを特徴とする砂型共晶黒鉛鋳鉄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14443397A JPH10298702A (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 砂型共晶黒鉛鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14443397A JPH10298702A (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 砂型共晶黒鉛鋳鉄 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10298702A true JPH10298702A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=15362096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14443397A Pending JPH10298702A (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 砂型共晶黒鉛鋳鉄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10298702A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1303238C (zh) * | 2001-02-14 | 2007-03-07 | 冯美才 | 新型铸铁的制备方法 |
-
1997
- 1997-04-25 JP JP14443397A patent/JPH10298702A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1303238C (zh) * | 2001-02-14 | 2007-03-07 | 冯美才 | 新型铸铁的制备方法 |
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