JPH10298578A - ステンレス鋼の冷間圧延方法および圧延油組成物 - Google Patents

ステンレス鋼の冷間圧延方法および圧延油組成物

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JPH10298578A
JPH10298578A JP10886097A JP10886097A JPH10298578A JP H10298578 A JPH10298578 A JP H10298578A JP 10886097 A JP10886097 A JP 10886097A JP 10886097 A JP10886097 A JP 10886097A JP H10298578 A JPH10298578 A JP H10298578A
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茂稔 小倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧下率でも高圧延速度で、ステンレス鋼、
特にオーステナイト系ステンレス鋼を冷間圧延して良好
な表面性状を有する製品を得ることができる冷間圧延方
法および圧延油組成物を開発する。 【解決手段】 表面改質したワークロールを用い、かつ
潤滑油として炭素数6〜22のカルボン酸と炭素数1〜
18の脂肪族アルコールからなるエステルを組成物全量
基準で2〜50質量%を含有する圧延油組成物を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステンレス鋼、特に
オーステナイト系ステンレス鋼を冷間圧延する方法およ
び圧延油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は、材料を熱間圧延、焼
鈍した後冷間圧延され製造されるが、特にオーステナイ
ト系ステンレス鋼の熱間圧延材や焼鈍材には、材料表面
に金属の結晶粒界が数多く存在している。高圧下率で冷
間圧延を行った場合には、これら結晶粒界は掻き落とさ
れ表面性状へは影響を及ぼさないが、低圧下率(30%
以下、より限定すれば20%以下)で高速冷間圧延を行
った場合には、圧延した後も結晶粒界が残るため光沢不
良や光沢むらの原因となっている。これまでは、低圧下
率で目的の表面性状を得るためには、圧延速度を低くす
ることで対応してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低圧下率でも良好な表
面性状を有する製品を得ることが必要であるにもかかわ
らず、従来の技術ではこれを解決する術がなく、低い圧
下率で目的とする表面性状を得るためには、やむを得ず
圧延速度を低くせざるを得ず、生産性向上に対する大き
な阻害要因となってきた。本発明の第1の発明は、これ
らの問題を解決するためのステンレス鋼の冷間圧延方法
を提供するものである。本発明の第2の発明は、ステン
レス鋼の冷間圧延に潤滑油として用いる圧延油組成物を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のステンレスの圧
延方法は、表面改質したワークロールを用い、かつ潤滑
油として炭素数6〜22のカルボン酸と炭素数1〜18
の脂肪族アルコールからなるエステルを組成物全量基準
で2〜50質量%を含有する圧延油組成物を用いること
を特徴とする。本発明の圧延油組成物は、表面改質した
ワークロールを用いて、ステンレス鋼の冷間圧延を行う
際に潤滑油として用いられる圧延油組成物であって、炭
素数6〜22のカルボン酸と炭素数1〜18の脂肪族ア
ルコールからなるエステルを組成物全量基準で2〜50
質量%を含有することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をより詳細に
説明する。本発明で用いられる表面改質したワークロー
ルとしては、クロムメッキロールおよび複合メッキロー
ルなどが挙げられる。
【0006】上記クロムメッキロールは、鍛鋼、クロム
鋼などを母材とし、これをクロムメッキしたものであ
る。メッキの組成については任意であるが、サージャン
ト浴から得られる6価のクロムメッキあるいはシュウ酸
浴から得られる3価のクロムメッキなどが一般に用いら
れる。メッキ厚については任意であるが、メッキの摩耗
を抑える点から、好ましくは1μm以上、より好ましく
は5μm以上であることが望ましい。また、メッキの剥
離を抑える点から、好ましくは50μm以下、より好ま
しくは30μm以下であることが望ましい。メッキ方法
としては、電解法および無電解法の何れもが使用可能で
あるが、メッキ作業の高能率化を考慮すると電解法が望
ましい。
【0007】また、上記複合メッキロールは、鍛鋼、ク
ロム鋼などを母材とし、Cr、Cu、Ni、Co、Ni
−P、Ni−Coなどをマトリックスとし、その中にS
iC、ZrB2 、ZrO2 、Si34 、Cr32
Al23 、B4 C、BN、CBN、ダイヤモンドなど
の高硬質材料の粒子を分散させたものである。この場合
のメッキ厚についても任意であるが、メッキの摩耗を抑
える点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5
μm以上であることが望ましい。また、メッキの剥離を
抑える点から、好ましくは50μm以下、より好ましく
は30μm以下であることが望ましい。
【0008】また、上記高硬質材料の粒子が均一に分散
し、均一な複合メッキを得られやすい点から、3価のク
ロムをマトリックスとすることが好ましい。さらに、上
記高硬質材料の中でも、メッキ浴中での分散性、ロール
の摩耗、製品の表面性状などの点から、SiCを用いる
ことが好ましい。高硬質材料の粒子径については任意で
あるが、耐摩耗性の点から、平均粒子径が好ましくは
0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上である
ことが望ましい。また、得られる製品の表面性状の点か
ら、またメッキの剥離を抑える点から、平均粒子径が2
0μm以下、好ましくは10μm以下であることが望ま
しい。
【0009】また、高硬質材料の粒子の配合量について
も特に制限はないが、メッキ層の全量基準で0.1〜2
0質量%が適当である。配合量が少なすぎると効果がな
く、配合量が多すぎると製品の表面性状が悪化し、また
メッキが剥離しやすくなる。メッキ方法としては、電解
法および無電解法の何れもが使用可能であるが、メッキ
作業の高能率化を考慮すると電解法が望ましい。
【0010】本発明の圧延方法で用いられるワークロー
ルの表面硬度については任意であるが、通常表面硬度が
500〜2000Hvのものが用いられる。本発明でい
う表面硬度とはビッカース硬度を表し、JIS Z 2
244「ビッカース硬さ試験方法」により得られた値で
ある。
【0011】本発明の圧延方法においては、上記したワ
ークロールを用いるだけでなく、潤滑油として炭素数6
〜22のカルボン酸と炭素数1〜18の脂肪族アルコー
ルからなるエステル(以下(A)成分という。)を2〜
50質量%を含有する圧延油組成物を用いることが必要
である。
【0012】炭素数6〜22のカルボン酸としては、一
塩基酸であっても2価以上の多塩基酸であっても良い。
一塩基酸としては、通常炭素数6〜22の脂肪酸で、直
鎖のものでも分岐のものでも良く、また飽和のものでも
不飽和のものでも良い。具体的には例えば、直鎖状また
は分岐状のヘキサン酸、直鎖状または分岐状のヘプタン
酸、直鎖状または分岐状のオクタン酸、直鎖状または分
岐状のノナン酸、直鎖状または分岐状のデカン酸、直鎖
状または分岐状のウンデカン酸、直鎖状または分岐状の
ドデカン酸、直鎖状または分岐状のトリデカン酸、直鎖
状または分岐状のテトラデカン酸、直鎖状または分岐状
のペンタデカン酸、直鎖状または分岐状のヘキサデカン
酸、直鎖状または分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状また
は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状または分岐状のヒド
ロキシオクタデカン酸、直鎖状または分岐状のノナデカ
ン酸、直鎖状または分岐状のイコサン酸、直鎖状または
分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状または分岐状のドコサ
ン酸、などの飽和脂肪酸、直鎖状または分岐状のヘキセ
ン酸、直鎖状または分岐状のヘプテン酸、直鎖状または
分岐状のオクテン酸、直鎖状または分岐状のノネン酸、
直鎖状または分岐状のデセン酸、直鎖状または分岐状の
ウンデセン酸、直鎖状または分岐状のドデセン酸、直鎖
状または分岐状のトリデセン酸、直鎖状または分岐状の
テトラデセン酸、直鎖状または分岐状のペンタデセン
酸、直鎖状または分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状また
は分岐状のペプタデセン酸、直鎖状または分岐状のオク
タデセン酸、直鎖状または分岐状のヒドロキシオクタデ
セン酸、直鎖状または分岐状のノナデセン酸、直鎖状ま
たは分岐状のイコセン酸、直鎖状または分岐状のヘンイ
コセン酸、直鎖状または分岐状のドコセン酸、などの不
飽和脂肪酸が挙げられる。これらの中でも、特に炭素数
8〜20の飽和脂肪酸、または炭素数8〜20の不飽和
脂肪酸が好ましい。
【0013】多塩基酸としては炭素数6〜22の二塩基
酸およびトリメリト酸などが挙げられる。炭素数6〜2
2の二塩基酸としては、通常脂肪族二塩基酸が用いら
れ、直鎖のものでも分岐のものでも良く、また飽和のも
のでも不飽和のものでも良い。具体的には例えば、直鎖
状または分岐状のヘキサン二酸、直鎖状または分岐状の
ヘプタン二酸、直鎖状または分岐状のオクタン二酸、直
鎖状または分岐状のノナン二酸、直鎖状または分岐状の
デカン二酸、直鎖状または分岐状のウンデカン二酸、直
鎖状または分岐状のドデカン二酸、直鎖状または分岐状
のトリデカン二酸、直鎖状または分岐状のテトラデカン
二酸、直鎖状または分岐状のペンタデカン二酸、直鎖状
または分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状または分岐状
のヘプタデカン二酸、直鎖状または分岐状のオクタデカ
ン二酸、直鎖状または分岐状のノナデカン二酸、直鎖状
または分岐状のイコサン二酸、直鎖状または分岐状のヘ
ンイコサン二酸、直鎖状または分岐状のドコサン二酸、
直鎖状または分岐状のヘキセン二酸、直鎖状または分岐
状のヘプテン二酸、直鎖状または分岐状のオクテン二
酸、直鎖状または分岐状のノネン二酸、直鎖状または分
岐状のデセン二酸、直鎖状または分岐状のウンデセン二
酸、直鎖状または分岐状のドデセン二酸、直鎖状または
分岐状のトリデセン二酸、直鎖状または分岐状のテトラ
デセン二酸、直鎖状または分岐状のペンタデセン二酸、
直鎖状または分岐状のヘキサデセン二酸、直鎖状または
分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状または分岐状のオク
タデセン二酸、直鎖状または分岐状のノナデセン二酸、
直鎖状または分岐状のイコセン二酸、直鎖状または分岐
状のヘンイコセン二酸、直鎖状または分岐状のドコセン
二酸などが挙げられる。
【0014】また、炭素数1〜18の脂肪族アルコール
としては、1価アルコールであっても、多価アルコール
であっても良いが、通常1価のアルコールが用いられ、
直鎖のものでも分岐のものでも良く、また飽和のもので
も不飽和のものでも良い。具体的には例えば、メタノー
ル、エタノール、直鎖状または分岐状のプロパノール、
直鎖状または分岐状のブタノール、直鎖状または分岐状
のペンタノール、直鎖状または分岐状のヘキサノール、
直鎖状または分岐状のヘプタノール、直鎖状または分岐
状のオクタノール、直鎖状または分岐状のノナノール、
直鎖状または分岐状のデカノール、直鎖状または分岐状
のウンデカノール、直鎖状または分岐状のドデカノー
ル、直鎖状または分岐状のトリデカノール、直鎖状また
は分岐状のテトラデカノール、直鎖状または分岐状のペ
ンタデカノール、直鎖状または分岐状のヘキサデカノー
ル、直鎖状または分岐状のヘプタデカノール、直鎖状ま
たは分岐状のオクタデカノール、アリルアルコール、直
鎖状または分岐状のブテノール、直鎖状または分岐状の
ペンテノール、直鎖状または分岐状のヘキセノール、直
鎖状または分岐状のヘプテノール、直鎖状または分岐状
のオクテノール、直鎖状または分岐状のノネノール、直
鎖状または分岐状のデセノール、直鎖状または分岐状の
ウンデセノール、直鎖状または分岐状のドデセノール、
直鎖状または分岐状のトリデセノール、直鎖状または分
岐状のテトラデセノール、直鎖状または分岐状のペンタ
デセノール、直鎖状または分岐状のヘキサデセノール、
直鎖状または分岐状のヘプタデセノール、直鎖状または
分岐状のオクタデセノールが挙げられる。これらの中で
も、より表面性状が良好な製品が得られることから、炭
素数1〜12の飽和アルコールを用いることが好まし
い。
【0015】本発明において、上記カルボン酸として多
塩基酸を用いた場合、多塩基酸中のカルボキシル基の全
てがエステル化された完全エステルでも良く、カルボキ
シル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のまま
で残っている部分エステルであっても良いが、より良好
な表面性状を有する製品が得られ、また組成物自体の安
定性がより良好となるなどの点から、完全エステルであ
ることが好ましい。
【0016】また、(A)成分のエステルとしては、上
記カルボン酸として多塩基酸を用いた場合、1種のアル
コールのみからなるエステルであっても、2種以上のア
ルコールの混合物からなるエステルであっても良い。ま
た、(A)成分としては、単一の構造を有するエステル
1種のみからなっていても良く、構造の異なる2種以上
のエステルからなっていても良い。
【0017】本発明で用いられる(A)成分のエステル
としては、一塩基酸のエステルであっても、多塩基酸の
エステルであっても良いが、より良好な表面性状を有す
る製品が得られることから、多塩基酸のエステルを用い
ることが好ましい。
【0018】本発明で用いられる圧延油組成物中におけ
る上記(A)成分の含有量は、組成物全量基準で2〜5
0質量%である。(A)成分の含有量は、良好な表面性
状を有する製品が得られることから、2質量%以上、好
ましくは5質量%以上である、また50質量%以下、好
ましくは25質量%以下である。
【0019】本発明でいう圧延油組成物は、基油に上記
したカルボン酸とアルコールとのエステルを配合したも
のである。本発明における基油は、鉱油および/または
合成油である。鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留
および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れ
き、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、
水素化精製、硫酸洗浄、白土処理などの精製処理を適宜
組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系などの
油が使用できる。
【0020】また、合成油としては、本発明の(A)成
分のエステルを除く合成油、例えば、ポリα−オレフィ
ン(ポリブテン、1−オクテンオリゴマー、1−デセン
オリゴマーなど)、アルキルベンゼン、アルキルナフタ
レン、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニル
エーテルなどが使用できる。
【0021】本発明において、基油の動粘度には何ら制
限はないが、通常40℃における動粘度が4〜25mm
2 /s、好ましくは6〜15mm2 /sのものが用いら
れる。また、当然のことながらこれらの鉱油および合成
油は単独でも、また2種以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0022】本発明で用いられる圧延油組成物として
は、上記した(A)成分を所定量含有していれば、その
他の成分については何ら制限はないが、より良好な表面
性状を有する製品が得られる点から、さらに(B)成分
として炭素数1〜18の脂肪族アルコールを配合させる
ことが好ましい。
【0023】(B)成分の脂肪族アルコールとしては、
1価アルコールであっても、多価アルコールであっても
よいが、通常1価アルコールが用いられる。また、直鎖
のものであっても分岐のものでもよく、飽和のものでも
不飽和のものでもよい。具体的には例えば、上記(A)
成分を構成する脂肪族アルコールとして列挙したものが
挙げられる。これらの中でも、より表面性状が良好な製
品が得られることから、炭素数8〜16の飽和アルコー
ルを用いることが好ましい。
【0024】(B)成分を配合する場合の含有量につい
ては任意であるが、含有量が少なすぎる場合には効果が
期待できないため、圧延油組成物全量基準で好ましくは
0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である
ことが望ましい。また、含有量が多すぎる場合には、そ
れに見合った効果の向上が見られず、また臭気の点から
作業性を悪化させる恐れがあるため、好ましくは10質
量%以下、より好ましくは8質量%以下であることが望
ましい。
【0025】また、さらにその優れた効果を向上させる
ため、必要に応じて、極圧添加剤、酸化防止剤、さび止
め剤、腐食防止剤、消泡剤などを更に、単独でまたは2
種以上組み合わせて添加することができる。
【0026】上記極圧添加剤としては、トリクレジルフ
ォスフェートなどのりん系化合物、およびジアルキルジ
チオリン酸亜鉛などの有機金属化合物、硫化油脂などの
イオウ系化合物などが例示できる。
【0027】上記酸化防止剤としては、2,6−ジター
シャリーブチル−p−クレゾール(DBPC)などのフ
ェノール系化合物、フェニル−α−ナフチルアミンなど
の芳香族アミン、およびジアルキルジチオリン酸亜鉛な
どの有機化合物が例示できる。
【0028】上記さび止め剤としては、オレイン酸など
の脂肪酸の塩、ジノニルナフタレンスルホネートなどの
スルホン酸塩、ソルビタンモノオレエートなどの多価ア
ルコールの部分エステル、アミンおよびその誘導体、リ
ン酸エステルおよびその誘導体などが例示できる。上記
腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾールなどが挙げら
れる。上記消泡剤としては、シリコン系のものなどが挙
げられる。
【0029】これら公知の添加剤を併用する場合の含有
量は任意であるが、通常、これら公知の添加剤の合計含
有量が組成物全量基準で0.1〜10質量%となるよう
な量を添加するのが望ましい。
【0030】本発明においては、上記したワークロール
を用い、かつ上記した圧延油組成物を潤滑剤として用い
て圧延を行えば、ステンレス鋼、特にオーステナイト系
ステンレス鋼を低圧下率(5〜30%、好ましくは10
〜20%)で圧延した場合にも、表面性状に優れた製品
が得られる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの内容
に何ら限定されるものではない。
【0032】本発明に係わるワークロールおよび圧延油
組成物、並びに比較のためのワークロールおよび圧延油
組成物は以下の通りである。
【0033】(ワークロール)(直径51mm) 1:JIS G 4404「合金工具鋼鋼材」で規定す
るSKD 11鋼材を母材としたクロムメッキロール
(メッキ厚5μm、表面硬度715Hv) 2:JIS G 4404「合金工具鋼鋼材」で規定す
るSKD 11鋼材を母材とし、クロムをマトリックス
としSiC粒子(平均粒子径2μm)を分散させた複合
メッキロール(SiC含有量15質量%、メッキ厚5μ
m、表面硬度1190Hv) 3:JIS G 4404「合金工具鋼鋼材」で規定す
るSKD 11鋼材のロール(表面硬度810Hv)
【0034】(圧延油組成物) 試料油1:パラフィン系鉱油(40℃動粘度6.8mm
2 /s)に、試料油全量基準でジオクチルアジペートを
22質量%含有させたもの。 試料油2:パラフィン系鉱油(40℃動粘度6.8mm
2 /s)に、試料油全量基準で7−エチルオクタデカン
二酸のジメチルエステルを22質量%含有させたもの。 試料油3:パラフィン系鉱油(40℃動粘度6.8mm
2 /s)に、試料油全量基準でジオクチルアジペートを
17質量%およびn−ドデカノールを5質量%含有させ
たもの。 試料油4:パラフィン系鉱油(40℃動粘度6.8mm
2 /s)に、試料油全量基準でブチルステアレートを2
2質量%含有させたもの。 試料油5:パラフィン系鉱油(40℃動粘度6.8mm
2 /s)のみ。
【0035】(実施例1〜9)上記したワークロールお
よび試料油を用いて、表1に示す組み合わせによりオー
ステナイト系鋼材(SUS304 2B材)の圧延試験
を下記の圧延条件で行い、下記の測定方法により圧延後
の結晶粒界の除去率、板表面光沢を測定し、結果を表1
に示す。
【0036】(比較例1〜7)上記したワークロールお
よび試料油を用いて、表1に示す組み合わせにより実施
例と同様にして圧延試験を行い圧延後の結晶粒界の除去
率、板表面光沢を測定し、結果を表1に示す。
【0037】(圧延条件) 圧延材 :オーステナイト系鋼材(SUS304 2B
材)板厚0.3mm 圧下率 :15% 圧延速度:100m/min 油温 :40℃
【0038】(結晶粒界の除去率の測定方法)圧延前後
の材料表面を光学顕微鏡により観察し、画像解析により
材料表面の直径2〜20μmの結晶粒子数をカウントし
た。圧延前の粒子数Noと圧延後の粒子数Nから、下記
式(1)で表される除去率を求めた。
【0039】
【0040】(板表面光沢の測定方法)スガ試験機
(株)製 SMカラーコンピューターを用い、圧延方向
に直角方向で60゜Gloss値を測定した。なお、こ
の数値が大きいほど表面光沢が良好であることを示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果から明らかなように、本発明の
冷間圧延方法によれば、表面性状が良好な製品が得られ
る。また、潤滑油として二塩基酸のジエステルを用いた
場合(実施例1〜6)ではより表面性状が良好な製品が
得られることが分かる。さらに、潤滑油として二塩基酸
のジエステルとアルコールを含有するものを用いた場合
(実施例5および実施例6)では、特に表面性状が良好
な製品が得られることが分かる。これに対して、ワーク
ロールとして表面処理していないワークロールを用いた
場合には、得られた製品の表面性状が悪いことが分か
る。また、潤滑油として基油のみのものを用いた場合
(比較例5〜7)には、焼き付きが生じ、板表面光沢が
悪くなることが分かる。
【0043】
【発明の効果】本発明のステンレス鋼の冷間圧延方法に
より、低圧下率でも高圧延速度で、ステンレス鋼、特に
オーステナイト系ステンレス鋼を冷間圧延して良好な表
面性状を有する製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C10M 169/00 101:02 101:00 105:34) C10N 30:06 40:24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面改質したワークロールを用い、かつ
    潤滑油として炭素数6〜22のカルボン酸と炭素数1〜
    18の脂肪族アルコールからなるエステルを組成物全量
    基準で2〜50質量%を含有する圧延油組成物を用いた
    ステンレス鋼の冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 表面改質したワークロールを用いて、ス
    テンレス鋼の冷間圧延を行う際に潤滑油として用いられ
    る圧延油組成物であって、炭素数6〜22のカルボン酸
    と炭素数1〜18の脂肪族アルコールからなるエステル
    を組成物全量基準で2〜50質量%を含有する圧延油組
    成物。
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