JPH10298573A - 冷間圧延油組成物 - Google Patents

冷間圧延油組成物

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JPH10298573A
JPH10298573A JP11396597A JP11396597A JPH10298573A JP H10298573 A JPH10298573 A JP H10298573A JP 11396597 A JP11396597 A JP 11396597A JP 11396597 A JP11396597 A JP 11396597A JP H10298573 A JPH10298573 A JP H10298573A
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弘揮 浅野
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正和 岩城
Masaaki Doi
公明 土井
Yoshihiro Harada
喜弘 原田
Masaya Wakimoto
政哉 脇本
Mitsuo Yakushiji
光男 薬師寺
Shinji Kondo
信治 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧延潤滑性、圧延機廻り等の清浄性、濃度応答
性等に優れた冷間圧延油組成物を提供すること。 【解決手段】一般式 【化1】 (式中、AはH又はRCO基を示し、Rは炭素数5〜2
1のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるト
リメチロールプロパン二量体の部分又は完全エステルと
融点20℃以下の動植物油脂との混合物である基油、及
びカチオン系界面活性剤を含有することを特徴とする冷
間圧延油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な冷間圧延油
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼乃至鋼帯の冷間圧延油は、使
用時に圧延条件に応じて、適当な濃度に水分散希釈して
エマルジョンクーラントとされ、圧延時に発生する鉄粉
を除去する磁石を利用したフィルターを備えた給油シス
テムにおいて循環使用され、消費された分を補給しつつ
長期間使用されている。
【0003】従来、上記冷間圧延油としては、牛脂、豚
脂、魚脂、パーム油等の動植物油脂を基油とする圧延油
組成物と、精製鉱油等の鉱物油を基油とする圧延油組成
物とに大別され、通常、前者は圧延仕上げ厚0.7mm未
満の薄物用の冷間圧延に用いられ、後者は圧延仕上げ厚
0.7mm以上の厚物用の冷間圧延に用いられている。
【0004】しかしながら、前者組成物には、圧延潤滑
性には優れるものの、動植物油脂の融点が、例えば牛脂
では約43℃、パーム油では約27〜30℃等と高いた
め、圧延中に発生する鉄粉と圧延油エマルジョン粒子等
とが混合し高粘度化したいわゆるスカムを生成し易く、
圧延油の消費量の増大や圧延機廻り等の清浄性が低いと
いう欠点がある。
【0005】即ち、スカムは、その高粘度のため圧延油
エマルジョン中に再分散され難く、大粒径化してエマル
ジョンクーラント上層に浮上したり、圧延機廻りや圧延
機ハウジング内に付着、蓄積し、それが被圧延材表面上
に剥離脱落して押し込み疵と称される表面欠陥をもたら
して商品価値を著しく低下させてしまう。この浮上スカ
ムは、スキミングにより除去されるため圧延油の消費量
を増大させるし、該表面欠陥防止のため圧延機廻りや圧
延機ハウジング内に付着したスカムを清掃除去すること
が不可欠の作業で、メンテナンスに人手と洗浄剤等のコ
スト負担が大きい。
【0006】一方、後者組成物には、圧延機廻り等の清
浄性には優れるものの、基油に鉱物油を使用しているた
め、圧延潤滑性が劣り、特に最近の薄物圧延の高速高圧
下での圧延には対応できないという欠点がある。
【0007】また、特公昭62−14599号には、牛
脂、ヤシ油、パーム油等の動植物油脂から得られる脂肪
酸とアルコールとのエステルを基油とする圧延油組成物
が提案されているが、このものは潤滑性が不十分であ
り、且つ高価格でコスト的に満足できない。
【0008】更に、圧延油組成物には、前記給油システ
ムに補給された圧延油が、そのまま浮上したりせず、エ
マルジョン濃度に的確に寄与できること、即ち濃度応答
性に優れることも要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、圧延
潤滑性、圧延機廻り等の清浄性、濃度応答性等に優れた
冷間圧延油組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の現状に鑑み、上記目的を達成すべく、鋭意研究を重
ねた。その結果、特定構造のトリメチロールプロパン二
量体の部分又は完全エステルと特定融点の動植物油脂と
の混合物である基油に、カチオン系界面活性剤を配合し
た組成物によれば、圧延潤滑性に優れ、スカムが生成し
難いため圧延機廻り等の清浄性に優れ、しかも濃度応答
性にも優れるため圧延油消費量が著しく低減されること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち本発明は、一般式
【0012】
【化2】
【0013】(式中、AはH又はRCO基を示し、Rは
炭素数5〜21のアルキル基又はアルケニル基を示す)
で表されるトリメチロールプロパン二量体の部分又は完
全エステルと融点20℃以下の動植物油脂との混合物で
ある基油、及びカチオン系界面活性剤を含有することを
特徴とする冷間圧延油組成物に係る。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明の冷間圧延油組成物におけ
る一般式(1)で表されるトリメチロールプロパン二量
体の部分又は完全エステルは、トリメチロールプロパン
二量体と炭素数6〜22の飽和又は不飽和脂肪酸とを公
知のエステル化反応に付して、部分又は完全エステル化
することによって、合成することができる。従って、R
基は該脂肪酸のエステル化残基である。
【0015】ここで、炭素数6〜22の飽和又は不飽和
脂肪酸としては、例えば、ヘキサン酸、オクタン酸、2
−エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸、パルミトオレ
イン酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒドロ
キシステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、イソデカ
ン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミ
チン酸、イソアラキン酸等を好ましいものとして挙げる
ことができる。これらの内、特に炭素数8〜18のもの
がより好ましい。
【0016】また、基油のもう一方の成分である動植物
油脂としては、融点が20℃以下のものであれば、特に
制限されない。好ましい融点は、0〜10℃程度であ
る。かかる動植物油脂の具体例としては、例えば、パー
ム油ウインター、ナタネ油、低沸点魚油等を挙げること
ができる。これらの内、パーム油ウインターは、パーム
油の高沸点成分を温度降下法等の手法により除去し、低
沸点成分にしたものである。
【0017】本発明組成物の基油における上記トリメチ
ロールプロパン二量体の部分又は完全エステルと融点2
0℃以下の動植物油脂との混合割合は、重量比で前者:
後者が1:1〜1:4であるのが好ましく、1:2〜
1:3であるのがより好ましい。該エステルと該油脂と
の比率が1未満となると高価格となりコスト的に好まし
くなく、又該比率が4を越えると潤滑性が低下する傾向
にあるので好ましくない。
【0018】本発明組成物におけるカチオン系界面活性
剤は、圧延油エマルジョン粒子表面を正に帯電させる作
用を発現するため、通常圧延油エマルジョンクーラント
中で正に帯電している鉄粉と該エマルジョン粒子との間
に電気的斥力が働いてこれらの付着を防止することによ
り、スカムの生成を防止できるものである。
【0019】カチオン系界面活性剤としては、公知のも
のを使用でき、例えば、特公昭62−14599号に記
載されたものを、好ましく使用できる。具体的には、ジ
メチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノメチルエチレン、ジエチルアミノメ
チルエチレン、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビ
ニルベンジルアミン等の単独重合物又は共重合物、N−
γ−アルキルエチレンジアミン酢酸塩、ドデシルアミン
酢酸塩、脂肪酸アマイド縮合体、ポリオキシエチレンア
ミド、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合物の
N,N−ジアルキルアミノアルキレンモノアミド誘導体
又はN,N−ジアルキルアミノアルキレンイミド誘導体
等を挙げることができる。これらの内、α−オレフィン
と無水マレイン酸の共重合物のN,N−ジアルキルアミ
ノアルキレンモノアミド誘導体又はN,N−ジアルキル
アミノアルキレンイミド誘導体を使用するのが、スカム
の生成量が最も少ないので好ましい。該α−オレフィン
と無水マレイン酸の共重合物におけるα−オレフィンと
しては、特に限定されず、例えば炭素数8〜50のα−
オレフィンを好適に使用できる。また、該N,N−ジア
ルキルアミノアルキレンモノアミド誘導体又はN,N−
ジアルキルアミノアルキレンイミド誘導体におけるアル
キル基としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、
アルキレン基としては炭素数1〜8特に1〜6の直鎖状
のアルキレン基が好ましい。
【0020】本発明組成物におけるカチオン系界面活性
剤の配合量は、通常、基油100重量部に対して、0.
1〜8.0重量部が好ましく、0.5〜3.0重量部が
より好ましい。0.1重量部未満ではスカム生成の抑制
が十分でなく、8.0重量部を越えると乳化が安定し過
ぎて圧延潤滑性が低下する傾向にあるので好ましくな
い。
【0021】本発明組成物には、必要に応じて、公知の
添加剤、例えば、リン系極圧添加剤、硫黄系極圧添加剤
等の極圧添加剤、酸化防止剤、ノニオン系界面活性剤等
を配合することができる。
【0022】リン系極圧添加剤としては、例えば、トリ
フェニルホスファイト、トリ(p−クレジル)ホスファ
イト、トリイソオクチルホスファイト、トリオレイルホ
スファイト、トリステアリルホスファイト等の第3級ホ
スファイト類、ジ−2−エチルヘキシルハイドロゼンホ
スファイト、ジオレイルハイドロゼンホスファイト、ジ
ラウリルハイドロゼンホスファイト等の第2級ホスファ
イト類、メチルアシッドホスフェイト、エチルアシッド
ホスフェイト、2−エチルヘキシルアシッドホスフェイ
ト、ラウリルアシッドホスフェイト、オレイルアシッド
ホスフェイト、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフ
ェイト等の酸性リン酸エステル類、トリアルキル(炭素
原子数1〜18)チオホスフェイト等のチオホスフェイ
ト類、ヒドロキシメチルホスホン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、トリエチル−3−ホスホノプロピオネイト等のホ
スホネイト類を挙げることができる。
【0023】硫黄系極圧添加剤としては、例えば、硫化
ラード、硫化コメヌカエステル等の硫化油脂類、硫化ジ
テルペン等の硫化テルペン類、ジベンジルサルファイド
等のサルファイド類、硫化イソブテン等の硫化オレフィ
ン類、キサントゲン酸ジサルファイド等のザンテート
類、Zn−ジアルキルジチオフォスファイト、Zn−ジ
アルキルジチオカーバメート等の有機金属硫黄化合物等
が挙げられる。これらの内、硫化コメヌカエステル等の
硫化油脂類が好ましい。
【0024】極圧添加剤を配合する場合の配合量は、通
常、基油100重量部に対して、0.1〜15.0重量
部が好ましく、0.5〜7.0重量部がより好ましい。
0.1重量部未満では極圧潤滑性が不足することがあ
り、15.0重量部を越えて添加してもそれ以上の極圧
潤滑性の効果は得られない。
【0025】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤が好適である。特に、炭素原子数1〜20の直鎖状
又は分枝鎖状のアルキル基を有するフェノール誘導体が
好ましい。
【0026】具体的には、例えば、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4
−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、マレイン化パ
ラクレゾール、2,2−チオビス(4−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)、2,4−ジメチル−6−tert
−ブチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン等を挙げることができる。こ
れらの内、特に、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール、2,2−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4
−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が好ま
しく使用できる。
【0027】酸化防止剤を配合する場合の配合量は、通
常、基油100重量部に対して、0.5〜8.0重量部
が好ましく、1.0〜3.5重量部がより好ましい。
0.5重量部未満では酸化防止効果が不足することがあ
り、8.0重量部を越えて添加してもそれ以上の酸化防
止効果は得られない。
【0028】ノニオン系界面活性剤は、初期乳化を容易
にするために使用することができ、例えば、炭素原子数
8〜18の脂肪酸又は脂肪族若しくは脂環族アルコール
にエチレンオキシドを付加したものが好ましい。また、
アルキルフェノールにエチレンオキシドを付加したもの
も好ましい。具体的には、例えば、ポリオキシエチレン
アルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル類、ソルビタンアルキルエーテル類等の公知のノニオ
ン系界面活性剤を挙げることができる。
【0029】ノニオン系界面活性剤を配合する場合の配
合量は、通常、基油100重量部に対して、0.5〜
3.0重量部が、初期乳化の点から好ましい。
【0030】本発明冷間圧延油組成物は、必須成分の基
油及びカチオン系界面活性剤と、任意成分の極圧添加
剤、酸化防止剤、ノニオン系界面活性剤等とを、常法に
従い、必要に応じて加温下に混合して、調製することが
でき、通常1〜10重量%程度の濃度に水分散希釈して
エマルジョンクーラントとされ、適用される。
【0031】
【実施例】以下、本発明の圧延油組成物を調製する実施
例、比較組成物を調製する比較例、及びこれらの組成物
を用いての試験例を示すが、これらの各例は本発明を制
限するものではない。
【0032】実施例1〜6及び比較例1〜3 表1に示す配合に従い、本発明及び比較の冷間圧延油組
成物を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】表中の配合量は、重量部を示す。また、表
中のα−オレフィン無水マレイン酸共重合体のN,N−
ジエチルアミノトリメチレンイミド誘導体におけるα−
オレフィンは、炭素数12〜14のα−オレフィンであ
る。
【0035】試験例1〜4 実施例及び比較例で得た各圧延油組成物について、圧延
試験、スタンドクリーン性、圧延油エマルジョン粒子の
電気泳動試験及びスカム生成率試験を、下記方法に従っ
て行い、性能を評価した。
【0036】(1)圧延試験 小型二段圧延機を使用し、下記条件下で冷間圧延を行
い、下記3回のパスの圧下率とするための圧延荷重の総
和の比を圧延荷重相対比として示した。この比の値が低
いほど圧延潤滑性に優れることになる。
【0037】圧延条件は、次の通りである。ロール径:
76mmφ×90mm(長さ)、圧延速度:200m/mi
n、前方・後方張力5kgf/mm2、被圧延材:JIS G
−3141のSPCC材(低炭素鋼、厚さ0.8mm×巾
50mm×長さ500mm)、パス回数:3(圧下率は1パ
ス20%、2パス25%、3パス25%)。
【0038】また、圧延油給油条件は、次の通りであ
る。エマルジョン濃度:3重量%、温度:50℃、スプ
レー量:2.3リットル/min、スプレー圧力:0.5k
g/cm2
【0039】(2)圧延機廻り等の清浄性 酸洗浄鋼板を、3パス圧延し、ロールやロール下板(ス
カム付着評価板)に付着したスカムの油分量及び鉄粉量
からスタンドクリーン性を評価した。これらの値が低い
ほど圧延機廻りや圧延機ハウジング内の清浄性に優れる
ことになる。
【0040】圧延条件は、次の通りである。ロール径:
150mmφ×200mm(長さ)、酸洗浄板:厚さ2.3
mm×巾50mm×長さ500mm、スカム付着評価板:厚さ
1mm×縦200mm×横300mm。
【0041】圧延油給油条件は、上記(1)圧延試験の場
合と同様である。
【0042】(3)圧延油エマルジョン粒子の電気泳動試
験 各圧延油組成物について、ホモミキサーを用いて、濃度
3重量%、温度50℃、撹拌12000rpm×10minの
条件下で、エマルジョンを調製した。このエマルジョン
について、電圧500V、電極間距離30cmで、アトー
(株)製の電気泳動測定装置「AE−3110型」(モ
ニターテレビ:三菱電気(株)製「SCT−M20
1」、顕微鏡:島津製作所(株)製「ZLB−T1」、
セル:厚さ1mm×巾2.5mm)を用いて、エマルジョン
粒子の移動速度(×10-3cm/sec・v)を求めた。
【0043】この移動速度が低いほど(マイナス値が大
きいほど)エマルジョン粒子の正帯電の度合いが大き
く、エマルジョン中で正に帯電している鉄粉との電気的
斥力が大きくなって、エマルジョン粒子と鉄粉とが付着
し難くなり、スカムの生成が防止されることになる。
【0044】(4)スカム生成率試験 各圧延油組成物について、ホモミキサーを用いて、50
0mlビーカー中で、濃度3重量%、温度50℃、撹拌1
0000rpm×5minの条件下で、エマルジョン400ml
を調製した。その後、200オングストロームの鉄粉
0.8gを加えて更に10000rpm×10minの撹拌を
した。撹拌を停止し、エマルジョンを捨てて、ビーカー
とホモミキサーに付着した鉄総量(g)を測定し、下記
計算式により、スカム生成率(%)を算出した。この値
が小さいほどスカムが生成し難いことを示す。
【0045】スカム生成率(%)=(ビーカー・ホモミ
キサーに付着した鉄総量/0.8)×100 各試験結果を、表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2より、本発明圧延油組成物は、比較圧
延油組成物に比して、圧延潤滑性に優れ、スカムが生成
し難くく、且つ圧延機廻り等の清浄性に優れることが明
らかである。
【0048】
【発明の効果】本発明冷間圧延油組成物によれば、特定
構造のトリメチロールプロパン二量体の部分又は完全エ
ステルと特定融点の動植物油脂との混合物である基油
に、カチオン系界面活性剤を配合したことにより、圧延
潤滑性に優れ、スカムが生成し難いため圧延機廻りや圧
延機ハウジング内の清浄性に優れ、しかもスカム生成量
が少なく濃度応答性にも優れるため圧延油消費量が著し
く低減されるという格別な効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105:40 101:04 149:06 133:16) C10N 20:00 30:00 30:04 40:24 (72)発明者 岩城 正和 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 土井 公明 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 原田 喜弘 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 脇本 政哉 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−1400 号 大同化学工業株式会社内 (72)発明者 薬師寺 光男 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−1400 号 大同化学工業株式会社内 (72)発明者 近藤 信治 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−1400 号 大同化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、AはH又はRCO基を示し、Rは炭素数5〜2
    1のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるト
    リメチロールプロパン二量体の部分又は完全エステルと
    融点20℃以下の動植物油脂との混合物である基油、及
    びカチオン系界面活性剤を含有することを特徴とする冷
    間圧延油組成物。
  2. 【請求項2】上記トリメチロールプロパン二量体の部分
    又は完全エステルと融点20℃以下の動植物油脂との混
    合割合が、重量比で前者:後者が1:1〜1:4である
    請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】カチオン系界面活性剤が、α−オレフィン
    と無水マレイン酸の共重合物のN,N−ジアルキルアミ
    ノアルキレンモノアミド誘導体又はN,N−ジアルキル
    アミノアルキレンイミド誘導体である請求項1に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】融点20℃以下の動植物油脂が、パーム油
    ウインターである請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】カチオン系界面活性剤の配合量が、基油1
    00重量部に対して、0.1〜8.0重量部である請求
    項1に記載の組成物。
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FR2801501A1 (fr) * 1999-11-30 2001-06-01 Oreal Composition cosmetique comprenant une cire
CN105038926A (zh) * 2015-07-03 2015-11-11 上海尤希路化学工业有限公司 纯阳离子带钢冷轧油

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