JPH10298505A - 感熱性粘着シートの印刷方法 - Google Patents

感熱性粘着シートの印刷方法

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JPH10298505A
JPH10298505A JP10781297A JP10781297A JPH10298505A JP H10298505 A JPH10298505 A JP H10298505A JP 10781297 A JP10781297 A JP 10781297A JP 10781297 A JP10781297 A JP 10781297A JP H10298505 A JPH10298505 A JP H10298505A
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JP
Japan
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heat
printing
sensitive adhesive
adhesive sheet
ink
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JP10781297A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ohashi
弘幸 大橋
Kenji Suzuki
賢治 鈴木
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、感熱性粘着シートがブロッキングし
たり、印刷面の美観を損ねることなく、しかも効率的に
印刷できる感熱性粘着シートの印刷方法に関するもので
ある。 【解決手段】基材の片面に、常温では非粘着性であるが
加熱することによって粘着性が発現する感熱性粘着剤層
を設けた感熱性粘着シートの他面に印刷を施すにあた
り、下記の式で定義される印刷インデックスPI値が
5.0以上、好ましくは10.0〜40.0であるよう
にする感熱性粘着シートの印刷方法。 【数1】 なお式中、TA :感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める
温度[℃]、T0 :印刷前の感熱性粘着シートの粘着剤
塗布面の温度[℃]、T:インキ乾燥工程での印刷面の
最高温度[℃]、α:感熱性粘着シートの厚さ方向につ
いての熱拡散率[mm2/s]、t:インキ乾燥工程の
所要時間[s]、Z:感熱性粘着シートの厚さ[m
m]。 印刷方式としては、UV硬化インキを使用し、UV照射
によってインキを乾燥させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温では非粘着性
であるが、加熱することにより粘着性が現れる感熱性粘
着シートの印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、清涼飲料水、酒類、薬品瓶等のガ
ラス瓶などへのラベル貼着は、基材の裏面にカゼインや
デンプン等の水溶性接着剤層を設けたラベルを自動ラベ
ラー等により貼着する方法、或いは上紙、粘着剤層、剥
離シートを順次積層した構成の一般的な粘着シートのラ
ベルを自動ラベラー等を使用して貼着する方法が採られ
ている。しかし、水溶性接着剤層を設けたラベルは、基
材の水溶性接着剤層に水を塗布するとラベルがカールを
生じ、ガラス瓶へ貼着後ラベルに皺や浮きが発生しラベ
ル不良となり美観を損なうという問題があった。この現
象は水溶性接着剤を塗布しながらラベルを貼着する場合
にも発生する。
【0003】一方、一般的な構成の粘着シートのラベル
は通常剥離シートを剥離して使用しているが、剥離され
た剥離シートは回収されても再利用され難く、ほとんど
の場合廃棄処分にされている。近年では省資源や環境問
題等が注目され始めており、剥離シートを必要としない
感熱性粘着ラベルが注目されてきた。
【0004】一般的に感熱性粘着シートは、基材の片面
に感熱性粘着剤を塗布した構成であり、通常、基材の他
面に印刷などを行いラベルとして使用している。感熱性
粘着剤は、常温では非粘着性であるが、加熱装置の設け
られたラベラーやオーブン等で加熱すると活性化され粘
着性が発現する。通常、活性化温度は50℃〜150℃
であり、感熱性粘着剤が粘着性を有している間にガラス
瓶等に貼着して使用される。
【0005】感熱性粘着シートは、加熱装置の設けられ
たラベラー等で連続してガラス瓶等に貼着しても、前記
のラベル裏面に水溶性接着剤を塗布してガラス瓶に貼着
する方法のようなラベル不良という問題はない。また、
前記の一般的な粘着シートのように剥離シートを使用し
ないためコスト的にも安く生産できるという利点があ
り、省資源や環境問題の観点からも有利である。
【0006】感熱性粘着シートをラベルとして使用する
ためには感熱性粘着剤がすでに塗布された感熱性粘着シ
ートに印刷を施してからガラス瓶等に貼着する方法、あ
らかじめ印刷を施した基材に感熱性粘着剤を塗布、乾燥
した後にガラス瓶等に貼着する方法、感熱性粘着シート
をガラス瓶等に貼着してから印刷を施す方法等が考えら
れるが、本発明は、感熱性粘着剤がすでに塗布された感
熱性粘着シートに印刷を施してからガラス瓶等に貼着す
る方法に関する。
【0007】感熱性粘着シートの印刷方法は、インキ中
の溶剤が感熱性粘着剤成分を溶解する恐れのないUV硬
化インキやEB硬化インキを使用する方法(特開平1−
254993号公報)が好ましいが、オイルインキやソ
ルベントインキ等を使用しても、インキ量や乾燥時間が
適正であれば特に問題はない。しかし、印刷直後のイン
キ乾燥工程において感熱性粘着シートが加熱される場
合、感熱性粘着剤が若干活性化して粘着性を発現し、印
刷後の感熱性粘着シート同士がブロッキングしたり、感
熱性粘着シートが印刷機内部でジャミング等のトラブル
を発生する場合がある。
【0008】この問題を解決するためには、たとえば、
印刷速度を上げて感熱性粘着シートが加熱される時間を
短くすることによって感熱性粘着剤の加熱活性化を防ぐ
方法が考えられるが、インキの印刷面への定着が不十分
なまま感熱性粘着シートを重ねると、インキの裏移りや
にじみが発生して印刷面の美観を損ねる場合がある。ま
た、別の方法として、インキの乾燥条件を弱くして感熱
性粘着シートが加熱されにくくする方法が考えられる
が、この場合、乾燥時間を長くする必要があるため、印
刷速度が遅くなり、生産性が低下してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感熱性粘着
シートがブロッキングしたり、印刷面の美観を損ねるこ
となく、しかも効率的に印刷できる感熱性粘着シートの
印刷方法に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、感熱性粘
着シートの印刷方法、特にインキの乾燥工程と感熱性粘
着シートの印刷面から感熱性粘着剤塗布面への熱伝達性
について鋭意研究を行った結果、感熱性粘着シートの印
刷面と感熱性粘着剤塗布面の温度差や、感熱性粘着剤層
が粘着性を発現し始める温度に達する速度と、感熱性粘
着剤の粘着性発現状況との関係を解明し、通常の印刷条
件下においては下記の式で定義される印刷インデックス
PI値が5.0以上、好ましくは10.0以上であれ
ば、感熱性粘着剤の加熱活性化を防ぐことができ、感熱
性粘着シートがブロッキングすることなく効率的に印刷
できることを見いだした。
【数2】 なお式中、TA :感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める
温度[℃]、T0 :印刷前の感熱性粘着シートの粘着剤
塗布面の温度[℃]、T:インキ乾燥工程での印刷面の
最高温度[℃]、α:感熱性粘着シートの厚さ方向につ
いての熱拡散率[mm2/s]、t:インキ乾燥工程の
所要時間[s]、Z:感熱性粘着シートの厚さ[m
m]。
【0011】
【発明の実施の形態】感熱性粘着シートの印刷方法とし
ては、活版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラ
ビア印刷、スクリーン印刷などの各種公知の印刷方法が
使用され、それぞれの印刷方法には用途に応じて水性イ
ンキ、溶剤系インキ、UV硬化インキなどの各種公知の
インキが使用される。
【0012】印刷方法やインキの種類によってインキの
乾燥方法は異なり、インキ中に含まれる溶媒を自然乾
燥、あるいは温風や赤外線照射で乾燥させる方法や、U
V、EB等の照射によってUV硬化インキ、EB硬化イ
ンキ等を乾燥させる方法等様々である。インキの乾燥条
件は印刷方法や印刷機の種類に応じて適宜決定されるも
のであるため、上記PI値を算出する式の適用方法につ
いて以下に説明する。
【0013】自然乾燥の場合、上記Tは室温あるいは印
刷機内部の温度、tは印刷してから感熱性粘着シートを
重ねる(巻き取る)まで、あるいは印刷に連続して行わ
れる次工程(多色印刷の場合は次の印刷)に入るまでの
時間とする。温風乾燥の場合は、印刷表面に吹き付ける
温風により上昇する印刷面の最高温度をT、温風を吹き
付ける時間をtとする。UV硬化でUVの照射熱等によ
り印刷面の温度が上昇する場合には、インキ量が多い等
の理由で最も温度が上昇しやすい部分の最高紙面温度を
T、UV照射時間(照射部位の長さ/ライン速度)をt
とする。
【0014】また、多色印刷等により乾燥工程を複数併
用する場合には、各々の乾燥工程についてPI値を算出
し、その最大値を本発明のPI値として適用する。
【0015】従来、感熱性粘着シートを新たに使用する
場合、もしくは感熱性粘着シートを変更する場合、さら
には印刷機を変更する場合には、その都度印刷テストを
行って印刷条件を決定する必要があった。しかし、この
場合、多量の感熱性粘着シートを無駄にしてしまった
り、感熱性粘着剤の加熱活性化により印刷機内部を汚染
する恐れがあるため、経済的、時間的に非常に無駄が多
くなってしまう。
【0016】特に、インキの乾燥不足による印刷不良の
発生であれば、無駄になった感熱性粘着シートを処分す
れば済むが、過乾燥によって感熱性粘着剤が加熱活性化
すると印刷機内で紙詰まりを発生し、印刷機が故障する
場合があるため、印刷業者にとっては大きな不安要素で
ある。
【0017】本発明のPI値を適用して実際に印刷条件
を決定する場合には、必ずしも感熱性粘着シートを使用
してデータを取る必要はなく、通常の印刷紙等を用いた
印刷時のデータから、印刷前の印刷紙の非印刷面の温
度、インキ乾燥工程での印刷面の最高温度、インキ乾燥
工程の所要時間をそのまま代用してもよい。
【0018】すなわち、本発明では、実際に感熱性粘着
シートを使用した印刷試験を行うことなく、感熱性粘着
シートの最適印刷条件を導くことができる。
【0019】本発明は印刷インデックスPI値を5.0
以上、好ましくは10.0以上とすることにより、感熱
性粘着シートのブロッキングを防ぎ、効率的に印刷する
ことができるが、ちなみにPI値が5.0未満であれ
ば、感熱性粘着剤が若干加熱活性化し始めて感熱性粘着
シートがブロッキングを起こすおそれが生じてしまう。
また、PI値が5.0から10.0の間であれば、感熱
性粘着シートがブロッキングを起こすおそれはほとんど
ないが、場合によっては感熱性粘着剤が熱により変質を
起こして接着機能が低下することがあり、またブロッキ
ングの発生を確実に防ぐためにも、PI値は10.0以
上である方がより好ましい。
【0020】一方、インキの乾燥が不十分にならない条
件でPI値を大きくするためにはインキの乾燥温度と印
刷速度を下げる必要が生じるため、必要以上にPI値を
上げると印刷効率が低下してしまう。このため、印刷効
率を低下させないためにはPI値を必要以上に大きくし
ないことが実用的であり、特に、インキの乾燥工程で、
tが大きくなるとTA <Tとなり、粘着剤が活性化する
恐れのあるような感熱性粘着シートの加熱をもたらす場
合には、PI値が40.0以下であることが好ましい。
本発明は、PI値を上記のごとく設定することにより、
最適印刷条件を失敗することなく、確実且つ極めて簡単
に決定することができる。
【0021】なお、本発明における感熱性粘着シートの
熱拡散率は、ジュール加熱・交流法(THE FOURTH ASIAN
THERMOPHYSICAL PROPERTIES CONFERENCE VOL.1 A1c1記
載)により、1mm×4mmの電極を使用して粘着剤層
を設けた側の面が熱センサーとなるように測定サンプル
を挟み、測定周波数平方根を2.5〜4.5Hz1/2
して30℃における熱拡散率を測定した。測定装置に
は、交流法熱伝導率測定装置MP−λ300(理学電気
株式会社製)を使用した。
【0022】本発明の感熱性粘着シートとは、シート状
基材の片面に感熱性粘着剤を塗布、乾燥したものであ
る。
【0023】感熱性粘着剤は主に熱可塑性樹脂、可塑
剤、粘着付与剤等から構成されるものが多く、その形態
にはエマルジョンタイプ、有機溶剤タイプ、無溶剤タイ
プ等がある。また、感熱性粘着剤を加熱活性化して生じ
た粘着性が、熱源を取り去った後に消失するまでの時間
(オープンタイム)等から、一般にホットメルト型粘着
剤、ヒートシール型粘着剤、ディレードタック型粘着剤
等に分類されている。本発明は、これらのうちオープン
タイムが比較的長く印刷時の乾燥工程での加熱活性化に
よるブロッキングが心配される感熱性粘着剤を使用した
感熱性粘着シートについて適用される。
【0024】本発明の感熱性粘着シートには、エマルジ
ョンタイプのディレードタック型粘着剤を基材の片面に
塗布、乾燥したものが好ましく用いられるが、もちろん
本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】感熱性粘着剤に使用される熱可塑性樹脂の
種類としては、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合
体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−エチ
レン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレ
ン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。これら
の熱可塑性樹脂は単独又は複数併用して用いられる。
【0026】また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度につ
いては−35℃〜80℃の範囲であり、より好ましくは
−10℃〜70℃である。熱可塑性樹脂のガラス転移温
度が−35℃未満であると常温でも粘着性を有してしま
い、耐ブロッキング性に劣るという問題がある。また8
0℃を越えると感熱性粘着剤として基材に塗布したと
き、感熱性粘着剤塗布面の表面強度が弱くなりラベルと
して使用するときに印刷適性が劣るという問題がある。
【0027】感熱性粘着剤に使用される可塑剤の種類と
しては、フタル酸ジヘキシル(融点65℃)、フタル酸
ジシクロヘキシル(融点63〜65℃)、フタル酸ジヒ
ドロアビエチル(融点65℃)、イソフタル酸ジメチル
(融点66〜67℃)、N−シクロヘキシル−p−トル
エンスルホンアミド(融点86℃)、安息香酸スクロー
ス(融点98℃)、二安息香酸エチレングリコール(融
点70℃)、三安息香酸トリメチロールエタン(融点7
3℃)、四安息香酸ペンタエリトリット(融点95
℃)、八酢酸スクロース(融点89℃)、クエン酸トリ
シクロヘキシル(融点57℃)等、融点が50〜100
℃の固体可塑剤を使用することが好ましく、融点が50
℃未満であると耐ブロッキング性に劣り、100℃を越
えると加熱活性化されにくいという問題がある。
【0028】固体可塑剤は、加熱活性化時に融点以上で
溶融し熱可塑性樹脂を可塑化するため、感熱性粘着剤と
して粘着性を与えるが、粘着性の持続時間は固体可塑剤
によって異なる。粘着性を有している時間を長くする場
合にはフタル酸ジシクロヘキシルを使用することが好ま
しい。また、固体可塑剤は単独で使用しても良いし、複
数を併用しても良い。
【0029】また、感熱性粘着剤として、熱可塑性樹脂
と可塑剤の他に、更にロジン系粘着付与剤、フェノール
樹脂系粘着付与剤、テルペン樹脂系粘着付与剤、キシレ
ン系粘着付与剤、石油樹脂系粘着付与剤等の粘着付与剤
を含有せしめて接着機能を調整してもよいし、感熱性粘
着剤層にインキ等を添加して感熱性粘着剤に着色した
り、熱膨張性微球体を含有させて接着機能を調整しても
よい。
【0030】感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める温度
(=TA )は、主に使用されている固体可塑剤の種類に
よって決まるが、固体可塑剤の純度や粒子径、および熱
可塑性樹脂や粘着付与剤の種類や配合量、さらには感熱
性粘着剤の塗布、乾燥条件等の影響も受ける。感熱性粘
着剤が粘着性を発現し始める温度は、感熱性粘着剤を所
定の基材上に塗布、乾燥して作成した感熱性粘着シート
を実際に加熱して調査する必要があるが、例えばフタル
酸ジシクロヘキシルを使用する場合、粘着性を発現し始
める温度は一般に58℃〜64℃程度である。
【0031】本発明においては、粘着性発現温度が高い
方がPI値が大きくなり好ましいが、高すぎると感熱性
粘着剤を加熱活性化するときにより多くのエネルギーを
要するため、粘着性発現温度は60℃〜80℃程度であ
ることが実用的である。
【0032】感熱性粘着剤の塗布量については、乾燥重
量で5〜20g/m2 が好ましい。より好ましくは10
〜15g/m2 である。因みに塗布量が5g/m2 未満
であると、ラベルとして使用する際十分な接着機能が得
られずラベルとして使用できないという問題がある。一
方、20g/m2 を越えることは感熱性粘着剤を加熱活
性化させるのに時間がかかり、また、接着機能が飽和し
経済性に乏しい。
【0033】感熱性粘着剤を基材上に塗布する方法とし
ては、ハケ塗り、スプレー塗布、スクリーン印刷、グラ
ビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、マイヤーバーコ
ーター、キスロールコーター、リップコーター、ダイレ
クトロールコーター、オフセットロールコーター、グラ
ビアロールコーター、リバースロールコーター、ロッド
コーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター等
の各種塗布装置によって行われる。なお、乾燥は塗布を
行う上記の装置に組み合わせた従来の方法で行うことが
できる。
【0034】本発明の感熱性粘着シートに使用される基
材の材質としては、紙類、合成紙、フィルム類、金属フ
ォイル類、不織布、織布等、さらにこれらを適宜積層し
たシートが挙げられるが、ラベルとして使用するには印
刷適性等が必要とされる。勿論これらの基材の表面に、
感熱記録層、感圧記録層、熱転写受像層、インクジェッ
ト記録層、顔料塗被層等の各種層が設けられていても構
わない。
【0035】一方、感熱性粘着剤が塗布される面には、
強度を補強したり、感熱性粘着剤が基材の中へ浸透し粘
着機能が低下するのを防ぐためのバリアー層を設けても
よい。特に、清涼飲料水、酒類、薬品瓶等のような液体
の入ったガラス瓶に貼着するラベルとして使用する場合
は、耐水性に優れた基材を使用する事が好ましい。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例における「部」、「%」は特に
指定しない限り「固形重量部」、「重量%」のことを示
す。
【0037】〔感熱性粘着シートの作成方法〕熱可塑性
樹脂としてガラス転移温度が20℃のエチレン−塩化ビ
ニル共重合体(商品名「スミエリート1210」住友化
学工業株式会社製)35部、固体可塑剤としてフタル酸
ジシクロヘキシル(融点64.7℃ 大阪有機化学工業
株式会社製)の水分散液65部、さらにロジン系粘着付
与剤(商品名「スーパーエステルE−710」荒川化学
工業株式会社製)15部からなる固形分濃度50%の感
熱性粘着剤エマルジョンを調製した。これを米坪10
4.7g/m2 の印刷用紙(商品名「金藤両面」王子製
紙株式会社製)の片面にエアーナイフコーターを用い
て、乾燥重量で12g/m2 となるように塗布、乾燥し
て感熱性粘着シート(A)を得た。なお、この感熱性粘
着シートの熱拡散率は0.079mm2 /s、厚さは9
5μm、感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める温度は6
1℃であった。
【0038】次に、基材として印刷用紙の代わりに米坪
66g/m2 の合成紙(商品名「ユポSGU80」王子
油化合成紙株式会社製)の光沢面に上記感熱性粘着剤を
10g/m2 塗布、乾燥して感熱性粘着シート(B)を
得た。なお、この感熱性粘着シートの熱拡散率は0.0
58mm2 /s、厚さは91μm、感熱性粘着剤が粘着
性を発現し始める温度は61℃であった。
【0039】さらに、基材として米坪84.9g/m2
の印刷用紙(商品名「金藤両面」王子製紙株式会社製)
の片面に上記感熱性粘着剤を12g/m2 塗布、乾燥し
て感熱性粘着シート(C)を得た。なお、この感熱性粘
着シートの熱拡散率は0.082mm2 /s、厚さは8
0μm、感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める温度は6
1℃であった。
【0040】また、市販の感熱性粘着剤エマルジョン
(商品名「サイビノールX195−009E」サイデン
化学株式会社製)を、米坪84.9g/m2 のキャスト
紙(商品名「ミラーコートゴールド」王子製紙株式会社
製)の原紙面にマイヤーバーコーターを用いて、乾燥重
量で15g/m2 となるように塗布、乾燥して感熱性粘
着シート(D)を得た。なお、この感熱性粘着シートの
熱拡散率は0.072mm2 /s、厚さは122μm、
感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める温度は63℃であ
った。
【0041】〔感熱性粘着シートの印刷方法〕 実施例1 UV硬化インキ(商品名「FDSP」東洋インキ製造株
式会社製)を使用して感熱性粘着シート(A)にライン
速度70m/分で黒一色活版輪転印刷を行った。インキ
の乾燥は1灯の冷却装置付きUVランプ(80W/c
m)で行った。印刷時の室温(印刷前の感熱性粘着シー
トの粘着剤塗布面の温度)は28℃、UV照射時間は
0.6秒、UV照射終了直後の印刷面の最高温度は64
℃であった。
【0042】実施例2 実施例1において、感熱性粘着シート(A)の代わりに
感熱性粘着シート(B)を使用した以外は実施例1と同
様にして印刷を行った。なお、印刷面の最高温度等に変
化はなかった。
【0043】実施例3 実施例1において、感熱性粘着シート(A)の代わりに
感熱性粘着シート(D)を使用した以外は実施例1と同
様にして印刷を行った。なお、印刷面の最高温度等に変
化はなかった。
【0044】実施例4 UV硬化インキ(商品名「FDO」東洋インキ製造株式
会社製)を使用して感熱性粘着シート(D)にライン速
度65m/分で四色オフセット枚葉印刷を行った。イン
キの乾燥は四色印刷後に冷却装置付きUVランプ(80
W/cm)2灯で行った。印刷時の室温(印刷前の感熱
性粘着シートの粘着剤塗布面の温度)は22℃、UV照
射時間は0.8秒、UV照射終了直後の印刷面の最高温
度は67℃であった。
【0045】実施例5 UV硬化インキ(商品名「FDSP」東洋インキ製造株
式会社製)を使用して感熱性粘着シート(D)にライン
速度50m/分で四色活版輪転印刷を行った。インキの
乾燥は一色ごとに1灯の冷却装置付きUVランプ(80
W/cm)で行った。UV照射条件は各色とも同じで、
UV照射後に感熱性粘着シートを冷却するために空冷フ
ァンを使用した。感熱性粘着シートの温度は印刷するご
とに上昇し、最後の印刷工程でPI値が最大となった。
なお、最後の印刷直前の粘着剤塗布面の温度は46℃、
UV照射時間は0.6秒、UV照射終了直後の印刷面の
最高温度は66℃であった。
【0046】実施例6 実施例5において、UV照射時間を0.5秒にした以外
は実施例5と同様にしてライン速度60m/分で印刷を
行った。なお、照射時間の変更により最後の印刷直前の
粘着剤塗布面の温度は44℃、UV照射終了直後の印刷
面の最高温度は65℃であった。
【0047】比較例1 実施例1において、インキの乾燥に使用するUVランプ
の冷却装置を十分に作動させなかった以外は実施例1と
同様にして印刷を行った。なお、UVランプの温度上昇
によりUV照射終了直後の印刷面の最高温度は67℃で
あった。
【0048】比較例2 実施例4において、感熱性粘着シート(D)の代わりに
感熱性粘着シート(A)を使用した以外は実施例4と同
様にして印刷を行った。なお、印刷面の最高温度等に変
化はなかった。
【0049】比較例3 実施例5において、感熱性粘着シート(D)の代わりに
感熱性粘着シート(C)を使用し、UV照射時間を0.
4秒に変更した以外は実施例1と同様にしてライン速度
75m/分で印刷を行った。なお、照射時間の変更によ
り最後の印刷直前の粘着剤塗布面の温度は42℃、UV
照射終了直後の印刷面の最高温度は64℃であった。
【0050】「評価」得られた感熱性粘着シートについ
て、印刷適性を以下の項目について評価し、その結果を
表1に示した。
【0051】〔インキ乾燥性〕印刷後に重なり合った感
熱性粘着シートの印刷面の状態を目視評価した。 ○:裏移り等の印刷不良が全くなく、優れた印刷状態で
ある。 △:裏移りのため若干の印刷不良が観察され、使用する
には問題がある。 ×:裏移りやインキのにじみ等の印刷不良が発生し、ラ
ベルには使用できない。
【0052】〔ブロッキング〕印刷後に重なり合った感
熱性粘着シートをそのまま3日間放置し、ブロッキング
発生の有無を確認した。 ○:全くブロッキングが観察されず、問題なく使用でき
る。 △:ブロッキングが少し観察され、使用するには問題が
ある。 ×:ブロッキングがひどく、使用できない。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
は感熱性粘着シートがブロッキングを起こさない印刷条
件を与えるものである。なお、実施例5、実施例6につ
いてはインキ乾燥性、ブロッキングとも良い結果が得ら
れたが、印刷時の乾燥条件の僅かな変化で実施例5は印
刷後の感熱性粘着シートがブロッキングを起こすため、
また、実施例6は、印刷不良を発生するため、印刷条件
を非常に狭い範囲で管理する必要があった。
【0055】また、比較例3では、あらかじめブロッキ
ングに劣ることが予想されたため、インキ乾燥性とのバ
ランスをとろうとしたが、失敗に終わった例を示した。
一方、実施例1と同様の印刷方法で、本発明の印刷イン
デックスを適用せずに、印刷テストを繰り返し行って最
適印刷条件を決定しようとしたところ、感熱性粘着シー
トの加熱活性化によって印刷機内部で紙詰まりを起こ
し、印刷機が故障してしまった。
【0056】また、実施例5と同様の印刷方法で、最適
印刷条件を決定しようとしたところ、実施例5と同程度
の印刷条件を決定するために、約3000mの感熱性粘
着シートが無駄になった。このことからも、本発明の効
果は明白である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の片面に、常温では非粘着性であるが
    加熱することによって粘着性が発現する感熱性粘着剤層
    を設けた感熱性粘着シートの他面に印刷を施すにあた
    り、下記の式で定義される印刷インデックスPI値が
    5.0以上であることを特徴とする感熱性粘着シートの
    印刷方法。 【数1】 なお式中、TA :感熱性粘着剤が粘着性を発現し始める
    温度[℃]、T0 :印刷前の感熱性粘着シートの粘着剤
    塗布面の温度[℃]、T:インキ乾燥工程での印刷面の
    最高温度[℃]、α:感熱性粘着シートの厚さ方向につ
    いての熱拡散率[mm2/s]、t:インキ乾燥工程の
    所要時間[s]、Z:感熱性粘着シートの厚さ[m
    m]。
  2. 【請求項2】該PI値が10.0〜40.0の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1記載の感熱性粘着シートの
    印刷方法。
  3. 【請求項3】印刷方式として、UV硬化インキを使用
    し、UV照射によってインキを乾燥させることを特徴と
    する請求項1記載の感熱性粘着シートの印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105299A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sekisui Chem Co Ltd 熱伝導性感圧接着剤、熱伝導性感圧接着シート及びその積層体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003105299A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sekisui Chem Co Ltd 熱伝導性感圧接着剤、熱伝導性感圧接着シート及びその積層体
JP4647865B2 (ja) * 2001-09-28 2011-03-09 積水化学工業株式会社 熱伝導性感圧接着剤、熱伝導性感圧接着シート及びその積層体

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