JPH10297663A - 液体注出具 - Google Patents

液体注出具

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JPH10297663A
JPH10297663A JP9109618A JP10961897A JPH10297663A JP H10297663 A JPH10297663 A JP H10297663A JP 9109618 A JP9109618 A JP 9109618A JP 10961897 A JP10961897 A JP 10961897A JP H10297663 A JPH10297663 A JP H10297663A
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liquid
edge
pouring
flow path
cylindrical body
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JP9109618A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Hidaka
知之 日高
Naoki Ueda
直毅 上田
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油切れないしは液切れの性能を更に向上する
ことのできる液体注出具を提供すること。 【解決手段】 本発明の液体注出具10の注出縁部36
は、流路面38と、その裏側に配置された裏路面40
と、前記流路面の先端及び前記裏路面の先端の間に連設
された縁部端面42とからなり、裏路面の先端における
接線の角度βを選定することで、液体が注出縁部の裏路
面に達することなく縁部端面から流下するようにしたこ
とを特徴としている。縁部端面は水平な平坦面であり、
鋭利なエッジがないため、射出成型による製造が容易化
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用油や果汁、ド
レッシング等の液体、好ましくは粘度約5Pa・s以下
の液体を収容する包装用容器に取り付けられる液体注出
具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばサラダオイルやてんぷら油のよう
な食用油の場合、べたつき易いことから、容器の注出口
に食用油専用の液体注出具を取り付けることが多い。か
かる注出具は、一般的に、容器の注出口に取り付けられ
る筒体と、筒体の開口部を開閉可能に閉じる蓋とから構
成されており、筒体の上端縁には末広がり状の注出縁部
が形成されている。このような注出具では、食用油は筒
体内を通り、注出縁部から流下される。
【0003】ところで、食用油用注出具においては油切
れが良いことが望まれる。「油切れが良い」とは、食用
油が容易に液滴化して注出縁部から落下することをい
う。
【0004】この油切れという観点から、従来におい
て、種々の形態の注出縁部が提案されている。例えば、
実開昭62−159457号公報には、注出縁部を外方
下向きに屈曲させ、更にその先端を注出縁部の最外周よ
りも内側に配置させたものが開示されている。また、実
開平4−27757号公報には、注出縁部の先端をカッ
ト面として鋭利な角度をもたせることが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報に記載の
手段はいずれも、注出縁部の先端に油切れの要部がある
としたものである。しかしながら、上記公報に記載の注
出具でも油切れは完全なものではない。
【0006】そこで、本発明の目的は、油切れないしは
液切れの性能を更に向上することができる新規な液体注
出具を提供することにある。
【0007】また、本発明の別の目的は、射出成型法に
より同一物を容易に且つ大量に製造することのできる液
体注出具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内部が液体の流路となる筒体を有する液
体注出具において、前記筒体における少なくとも液体注
出側となる領域の上端縁に、前記筒体の中心軸線から離
れる方向に且つ下方に延びる注出縁部が屈曲形成されて
おり、前記注出縁部が、前記筒体の内面と連続する流路
面と、その裏側に配置され前記筒体の外面と連続する裏
路面とを含み、前記注出縁部の肉厚が先端に向って漸次
小さくされており、前記筒体の中心軸線に沿う断面にお
ける前記流路面の形状が前記裏路面から離れる方向に突
出する略円弧部分を含み、前記断面における前記裏路面
の形状が前記流路面側に突出する略円弧部分を含み、液
体注出時に液体が前記裏路面に達することなく前記流路
面の先端から流下するよう、前記断面における前記裏路
面の先端における接線の角度が規定されている、ことを
特徴としている。前記流路面の前記略円弧部分の半径は
0.5mm〜1.0mmであることが好ましい。
【0009】また、前記筒体の底面の中心点から前記流
路面に対して引かれた接線と前記裏路面の前記先端にお
ける接線とのなす裏面角度(β)を80度〜160度と
することにより、液体注出時に液体は前記裏路面に達す
ることなく前記縁部端面から流下し、確実に液滴化する
ことができる。
【0010】流路面の先端と裏路面の先端との間は鋭利
であることが好ましいが、射出成型法による場合、その
ような鋭利な部分を形成するための金型を製造すること
は困難である。そこで、本発明では、流路面の先端と裏
路面の先端との間に、水平方向に延びる平坦な縁部端面
を連設し、その幅(d1)を0.01mm〜0.5mm
としている。
【0011】このような平坦な縁部端面を設けること
で、金型に鋭角の凹部を形成する必要がなく、金型の製
作が容易であり、金型キャビティ内に溶融樹脂を完全に
行き渡らせることができる。また、縁部端面の幅を0.
01mm〜0.5mmとした場合、上記の液滴化の効果
は維持される。
【0012】なお、縁部端面は平坦面に限らず、略円錐
面としてもよく、その場合、水平面に対する傾斜角度
(θ)は45度以下とすることが好ましい。
【0013】筒体の中心軸線の方向において、裏路面の
最上点と裏路面の先端との間の距離(d2)は0.2m
m〜1.0mmとすること、及び、注出縁部の肉厚を、
その根元部分から中央部分にかけて漸次大きくし、該中
央部分から先端にかけて漸次小さくすることが、射出成
型法による製造の容易化という観点から、望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による液
体注出具の好適な実施形態について説明するが、本明細
書において「上」や「下」、「水平」等の語は、液体注
出具の中心軸線を垂直方向に向けた図1〜図3に示す状
態での語として用いることとする。
【0015】図1は、サラダオイル等の食用油が収容さ
れたポリエチレン製の包装用容器1の口頚部3に取り付
けられた本発明による液体注出具10を示している。こ
の液体注出具10は、注出具本体12と、注出具本体1
2の開口部を開閉可能に閉じるための蓋体14とから構
成されている。また、図2は注出具本体12のみを示す
断面図である。
【0016】注出具本体12の下部は、容器1の口頚部
3に取り付けられる取付部分16となっており、容器口
頚部3の外周面に接する外筒部18と、外筒部18の内
側に同軸に配置され容器口頚部3の内周面に接する内筒
部20と、外筒部18及び内筒部20の上端縁同士を連
接し容器口頚部3の上端縁に接する環状部分22とから
構成されている。図示の取付部分16はいわゆる打栓式
である。すなわち、外筒部18の内周面に環状の突起2
4を有しており、この突起24を容器口頚部3の外周面
の対応の箇所に形成された環状の溝5に嵌合させること
で、注出具本体12が容器口頚部3に取り付けられるよ
うになっている。なお、取付部分16の構成は打栓式の
他、容器1の口頚部3の形態に応じてねじ式等、種々考
えられる。
【0017】取付部分16の内筒部20の上端縁からは
円筒部分26が上方に延び、更にその上端縁からは末広
がり状のテーパ部分28が上方に延びている。この取付
部分16の内筒部20、円筒部分26及びテーパ部分2
8は注出具本体12の流路を画する筒体を構成するもの
である。円筒部分26の内径及び取付部分16の内筒部
20の内径は好ましくは内径直径10〜30mm(直
径)である。また、テーパ部分18のテーパ角αは15
0〜175度程度が好ましい。テーパ角αを150度以
下とすると、この注出具本体12を合成樹脂から射出成
型により製造する場合、金型から完成品を抜き出すこと
が困難となる。更に、円筒部分26及びテーパ部分28
の肉厚は0.3〜1.0mm程度が好ましく、テーパ部
分28は上端ほど肉厚が薄くされていることが好まし
い。
【0018】図1に示すように、取付部分16と円筒部
分26との間には注出具本体12の流路を閉塞するため
の封止板30が介設されている。この封止板30は容器
1内の食用油が使用される際には取り除かれるものであ
り、そのために封止板30には環状の弱化部32、すな
わち溝が形成されている。この弱化部32により囲まれ
る部分にはプルリング34が設けられており、プルリン
グ34を引っ張って封止板30の中央部分を取り去るこ
とで、流路を開放することが可能となっている。なお、
図2は封止部分30の中央部分を除去した状態を示して
いる。
【0019】テーパ部分28の上縁部には、その全周に
わたり、食用油の注ぎ口部分となる注出縁部36が形成
されている。この注出縁部36は、テーパ部分28の上
縁部を液体注出具10の中心軸線Aから離れる方向に且
つ下方に延びるよう屈曲して形成されている。図2の楕
円部分Bの拡大端面図である図3に明示するように、注
出縁部36は、テーパ部分28の内周面と連続する流路
面38と、その裏側にてテーパ部分28の外周面と連続
する裏路面40と、流路面38及び裏路面40の先端同
士を連接する縁部端面42とを有している。
【0020】図示実施形態の液体注出具10は、封止板
30を除き、中心軸線Aを回転中心とした回転体となっ
ているため、中心軸線Aに沿う断面形状はいずれの断面
においても実質的に同一形状となる。そこで、注出縁部
36の断面形状を図3に示す断面のみに基づいて更に詳
細に説明すると、注出縁部36は、その根元部分44、
すなわちテーパ部分28の上端部分44から注出縁部3
6の中央部分にかけて、肉厚が漸次増加されており、ま
た、中央部分から先端にいくほど薄肉とされている。注
出縁部36の流路面38は上方に突出する略円弧形状
で、裏路面40も上方に突出する略円弧形状となってい
る。また、縁部端面42は水平方向において延びる平坦
面である。この縁部端面36と流路面38との交点46
は注出縁部36の最外周点となっている。
【0021】円筒部分26の肉厚が0.3〜1.0mm
程度の場合、流路面38の曲率半径は0.5mm〜1.
0mm、縁部端面42の幅d1は0.01mm〜0.5
mm程度が好ましい。また、縁部端面42を含む平面か
ら裏路面40の最上点48までの垂直方向高さd2
0.2mm〜1mmであるのが好適である。更に、注出
縁部36の最も厚い部分の肉厚d4に対する根元部分4
4の肉厚d3の肉厚d4の比d3/d4は0.3〜0.7で
あるのが好ましい。
【0022】いま、内筒部(筒体)20の底面の中心点
49(図2参照)から注出縁部36の流路面38に接線
Cを引き、この接線Cを基準として裏路面40の先端に
おける接線Dが為す角度を裏路面40の裏面角度βとす
ると、この裏面角度βは80〜160度が好ましく、よ
り好ましくは90〜150度である。
【0023】取付部分16の環状部分22の上面には環
状の流出堰50が形成されている。流出堰50は、注出
縁部36から垂れる液体を受けて注出具本体12の外部
に漏出しないようにするためのものであり、よって、流
出堰50の上縁部52は注出縁部36の最外周点46よ
りも外側に位置するよう配置されている。
【0024】図示実施形態において、流出堰50は蓋体
14を受けそれを固定する用途でも用いられている。図
1に示す蓋体14は、内径が流出堰50の外径と実質的
に同じ円筒部分54と、天板部分56とから構成されて
いる。円筒部分54の内周面には環状の溝58が形成さ
れており、蓋体14を注出具本体12の所定位置に取り
付けると、流出堰50の外周面に形成された環状の突起
60が蓋体14の溝58に嵌合し、蓋体14は注出具本
体12にしっかりと固定される。この取付状態におい
て、蓋体14の天板部分56の裏面は注出縁部36に当
接し、注出具本体12の流路を閉鎖するようになってい
る。また、蓋体14の天板部分56の裏面には、テーパ
部分28及び円筒部分26に嵌合され、それらの内周面
と当接する円筒形のシールリング62が設けられてお
り、流路の閉鎖をより完全なものとしている。
【0025】このような液体注出具10の注出具本体1
2及び蓋体14はそれぞれ合成樹脂から射出成型により
製造される。好ましく用いられる合成樹脂としては、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・α
オレフィン共重合体からなる密度0.915g/cm3
以上の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチ
レン・αオレフィン共重合体からなる密度0.915g
/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(VLDP
E)、エチレン・αオレフィン共重合体からなる直鎖状
極低密度ポリエチレン(ULDPE)、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン
・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブ
チル共重合体、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン
共重合体のいずれか又はその樹脂組成物である。射出成
型における金型抜き操作を容易にするために、更に好ま
しくは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、L
LDPE、VLDPEを用いる。また、溶融状態の樹脂
が金型に吸着する空気中酸素と反応して生じる腐食性ガ
スにより金型に腐食を生じるときには、エチレン・メタ
クリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン・アクリル酸ブチル共重合体、酸化防止剤を添加
した低密度ポリエチレン、酸化防止剤を添加したLLD
PE、酸化防止剤を添加したVLDPEを用いるのがよ
り好ましい。
【0026】例えば合成樹脂としてLLDPEを用いて
上述したような液体注出具10を実際に製造する場合、
LLDPEとしては、αオレフィンの炭素数が6である
ヘキセン−1を用いた、密度0.921g/cm3(J
IS:K−6760)、結晶融解温度125℃(DSC
法ピーク温度)、メルトフローレート16g/10mi
n(JIS:K−6760)の物性を有するものが好ま
しい。そして、射出成型工程では、住友重機械工業製の
商品名「ネオマット」シリーズ型式N800/200射
出成型機を用い、これに1個取り金型アセンブリを装着
して、型締め力200ton、ノズル設定温度220
℃、サイクル時間12秒で成型を行うことが好適であ
る。
【0027】この液体注出具10における注出具本体1
2の注出縁部36を射出成型により作り出す場合には、
図4に示すように、少なくとも2個の金型ブロック7
0,72からなる金型アセンブリを必要とする。
【0028】まず、これらの金型ブロック70,72を
図4の(A)のように組み合わせると、その内部には、
製造されるべき注出縁部36と同形の金型キャビティ7
4が形成される。金型ブロック70,72間の境界であ
る角部76は、注出縁部36の縁部端面42と流路面3
8との交差部分46に位置している。この角部76は鋭
角ではあるが、2つの金型ブロック70,72を合せる
ことで形成されるため、金型ブロック70.72それぞ
れの製作は容易である。また、裏路面40と縁部端面4
2との交差部分47に対応する金型キャビティ74内の
角部78は鈍角であるため、この部分の製作も容易であ
る。なお、金型アセンブリの製作は、鋭いエッジの加工
に適したNC切削加工が好ましい。
【0029】このように金型アセンブリの製作が容易と
なるため、その精度も向上する。従って、溶融樹脂を金
型キャビティ74内に注入すると、溶融樹脂はキャビテ
ィ74の内部全体に完全に行き渡り、バリ等の欠陥も生
じにくい。
【0030】樹脂が固化したならば、上側の金型ブロッ
ク70を引き抜く。次いで、下側の金型ブロック72を
抜くと、テーパ部分28及び注出縁部36は金型ブロッ
ク72により押し動かされる(図4の(B))。この
際、注出縁部36の先端部分は先細り形状となっている
ので、この部分で湾曲すると共に、注出縁部36の根元
部分44は薄肉とされているので、この根元部分44で
も大きく湾曲する。このように、金型ブロック72をい
わゆる「無理抜き」しても、注出縁部36が湾曲し易く
なっているため、歪みが残留せず、金型ブロック72を
引き抜いた後、注出縁部36は所望の形状に戻る。
【0031】ここで、裏路面40の最上点48の高さd
2が大きすぎると、離型時に注出縁部36の歪みが大き
くなり、一方、小さすぎると、後述の油切れ性に悪影響
を及ぼす。このため、前述したように、d2は0.2m
m〜1mmであるのが好ましい。
【0032】また、注出縁部36の最も厚い部分の肉厚
4に対する根元部分44の肉厚d3の比d3/d4は、前
述したように0.3〜0.7が好ましいが、この部分で
の撓みを容易にするためには、可能な限りその値は小さ
い方がよい。
【0033】次に、合成樹脂からなる上記構成の液体注
出具10の作用について説明する。
【0034】まず使用に際しては、蓋体14を注出具本
体12から取り外し、プルリング34を引っ張って封止
板30の中央部分を除去し、容器1内部に連通する注出
具本体12の流路を開放する。この状態で、容器1を傾
斜させると、容器1内部の食用油が注出具本体12の流
路を通り、注出縁部36を伝って流下される。
【0035】図5は、食用油が注出縁部36上を流れて
いる状態を示すものであり、これは、注出具本体12を
上記のLLDPEで製造し、円筒部分26の内径を約1
0.5mm、円筒部分26及びテーパ部分28の肉厚を
約0.5mm、注出縁部36の流路面38の曲率半径を
約0.75mm、縁部端面42の幅d1を約0.2m
m、裏路面40の高さd2を約0.4mm、肉厚の比d3
/d4を0.6、裏路面40についての裏面角度βを約
120度とし、粘度約0.050Pa・s、表面張力約
33.5dyne/cm、比重約0.98のサラダオイ
ルを用いて実際に行った実験結果に基づいて描いた状態
図である。この図から理解されるように、食用油は流路
面38の途中で落下することはなく、縁部端面42にま
で達する。そして、食用油は更に裏路面40にまで進も
うとするが、上述した80〜160度、好ましくは90
〜150度の範囲内に裏路面40についの裏面角度βが
設定されているので、食用油は裏路面40に達すること
はできず、その結果として食用油は縁部端面42を起点
として落下していく。従来、裏路面40の角度を油切れ
の要部として捕らえたものはなく、この点で特に本発明
は新規なものであるといえる。このように、食用油は断
面形状が略円弧状の縁部端面42(別言するならば、注
出縁部36の先細り形状の先端部)まで至った後に流下
するため、液滴化しやすく、よって油切れが良い状態で
食用油が注出されることとなる。また、食用油が裏路面
40に達しないため、裏路面40に続くテーパ部分28
及び円筒部分26の外周面に食用油が付着する割合が低
減され、長期にわたり液体注出具10を清潔に保ことが
できる。
【0036】また、食用油が流路面38から縁部端面4
2に移行すると、縁部端面42の幅d1が好ましくは
0.01〜0.5mmと小さくされているので、液滴が
縁部端面42に保持される領域が小さくなり、支え切れ
なくなり、その結果、縁部端面42において食用油は液
滴(約0.05〜0.07cm3)になり易く、これに
よっても油切れが改善される。
【0037】更に、図示実施形態では、食用油の流路を
画する筒体の上部がテーパ部分28で、その内径が注出
縁部36に向って徐々に大きくされている。かかる構成
により、円筒部分26からテーパ部分28を経て注出縁
部36へと進む食用油の流れは、層流に近い安定した状
態となり、注出具本体12の中心軸線Aとほぼ平行な状
態となる。
【0038】仮に小さな内径の円筒部分のみから筒体が
構成されているとすると、僅かな衝撃で食用油は蛇行し
て流れ、注出縁部に対して斜めに入ることがある。中心
軸線Aに沿う断面で規定される裏路面40についての裏
面角度βは、食用油が中心軸線Aとほぼ平行に流れるこ
とを前提として規定されているため、注出縁部36に対
して食用油が斜めに流入すると、食用油は裏面路40に
入り込む可能性がある。これに対して、図示実施形態で
はテーパ部分28を設けて流路の曲率半径を漸次大きく
しているので、食用油の流れはテーパ部分28を進行し
ていくにつれ安定し、注出縁部36にほぼ直角に流入す
るようになり、所期の効果が達成されることとなる。
【0039】なお、食用油の流れの安定化という観点か
らは、注出縁部36の流路面38、テーパ部分28及び
円筒部分26の内周面は粗面とすることが好適であり、
或はまた、食用油の案内のために中心軸線Aと平行な筋
ないしは溝(図示せず)を形成することが好ましい。
【0040】以上、本発明の好適な実施形態について詳
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない
ことは言うまでもない。例えば、上記実施形態の液体注
出具10はサラダオイル等の食用油用であるが、粘度が
約5Pa・s以下の液体ならば他の液体でも適用可能で
ある。但し、液体の粘度及び表面張力等に応じて、注出
縁部36の裏路面40の角度及び縁部端面42の幅等は
適宜選択する必要がある。
【0041】また、上記実施形態では、縁部端面42は
水平の平坦面となっているが、図6に示すように、外方
且つ下方に向けられた略円筒面としてもよい。この場
合、内側の角部47の角度が過度に小さくならないこと
が、金型の製作上重要となる。従って、水平面に対する
縁部端面42′の傾斜角度θは45度以下が好ましい。
【0042】更に、縁部端面42,42′の幅d1は、
油切れを考慮した場合、可能な限り小さい方が好ましい
ため、幅d1をゼロとし、流路面38と裏路面40とが
鋭角で交差するようにしてもよい。
【0043】また、注出縁部36が全周にわたって形成
されているが、注出縁部36は液体注出側の一定領域の
みに形成されていれば足りる。更に、かかる領域のみが
水平断面において円弧をなすよう構成されていればよ
く、従って、液体注出具10の水平断面形状は楕円形等
の円形以外の形状であってもよい。
【0044】更にまた、蓋体14はねじ式で注出具本体
12に取り付けるようにしてもよく、蓋体14と注出具
本体12とをヒンジで接合した一体成型物としてもよ
い。
【0045】更に、上記実施形態では、容器1の垂直上
向きの口頚部3に液体注出具10を取り付けているが、
容器の液体取出位置によっては斜めに取り付けることも
できる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の液体注出具
によれば、液体、特に食用油を注出する際における注出
縁部からの液切れないしは油切れが極めて良好となる。
従って、残液により液体注出具の周囲を汚す等の不具合
が低減される。
【0047】また、本発明による液体注出具は、裏路面
の角度により液滴化を促進しているため、縁部端面の形
状設計の自由度が増している。従って、鋭利な形状の部
分を設ける必要がなく、射出成型法による製造も容易と
なり、高性能の液体注出具を大量に製造することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体注出具を容器に取り付けた状
態で示す断面図である。
【図2】図1の液体注出具における注出具本体のみを示
す断面図であり、封止板の中央部分が除去された状態を
示す図である。
【図3】図2のB部の拡大端面図であり、寸法的には誇
張して示した図である。
【図4】(A)及び(B)は本発明による液体注出具の
注出縁部の製造工程を示す概略説明図である。
【図5】本発明に従って形成された液体注出具の注出縁
部での液体の流れを示す説明図である。
【図6】本発明による液体注出具の別の実施形態を示す
図3と同様な図である。
【符号の説明】
1…容器、3…口頚部、10…液体注出具、12…注出
具本体、14…蓋体、20…内筒部(筒体)、26…円
筒部分(筒体)、28…テーパ部分(筒体)、30…封
止板、32…弱化部、34…プルリング、36…注出縁
部、38…流路面、40…裏路面、42…縁部端面、4
4…根元部分、50…流出堰。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が液体の流路となる筒体を有する液
    体注出具において、 前記筒体における少なくとも液体注出側となる領域の上
    端縁に、前記筒体の中心軸線から離れる方向に且つ下方
    に延びる注出縁部が屈曲形成されており、 前記注出縁部が、前記筒体の内面と連続する流路面と、
    その裏側に配置され前記筒体の外面と連続する裏路面と
    を含み前記注出縁部の肉厚が先端に向って漸次小さくさ
    れており、 前記筒体の中心軸線に沿う断面における前記流路面の形
    状が前記裏路面から離れる方向に突出する略円弧部分を
    含み、 前記断面における前記裏路面の形状が前記流路面側に突
    出する略円弧部分を含み、 液体注出時に液体が前記裏路面に達することなく前記流
    路面の先端から流下するよう、前記断面における前記裏
    路面の先端における接線の角度が規定されている、こと
    を特徴とする液体注出具。
  2. 【請求項2】 前記流路面の先端と前記裏路面の先端と
    の間に縁部端面が連設されており、 前記縁部端面が、前記筒体の前記中心軸線に直交する面
    と平行な平坦面であり、 前記断面における前記縁部端面の幅(d1)が0.01
    mm〜0.5mmである、ことを特徴とする請求項1に
    記載の液体注出具。
  3. 【請求項3】 前記流路面の先端と前記裏路面の先端と
    の間に縁部端面が連設されており、 前記縁部端面が、外方且つ下方に向けられた略円錐面で
    あり、 前記断面における前記縁部端面の幅(d1)が0.01
    mm〜0.5mmである、ことを特徴とする請求項1に
    記載の液体注出具。
  4. 【請求項4】 前記断面において、略円錐面である前記
    縁部端面と前記筒体の前記中心軸線に直交する面とのな
    す角度(θ)が45度以下であることを特徴とする請求
    項3に記載の液体注出具。
  5. 【請求項5】 前記流路面の先端部分と前記裏路面の先
    端部分とが鋭角で交差していることを特徴とする液体注
    出具。
  6. 【請求項6】 前記流路面の前記略円弧部分の半径が
    0.5mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項
    1に記載の液体注出具。
  7. 【請求項7】 前記断面において、前記筒体の底面の中
    心点から前記流路面に対して引かれた接線と前記裏路面
    の前記先端における接線とのなす裏面角度(β)を80
    度〜160度とすることにより、液体注出時に液体が前
    記裏路面に達することなく前記縁部端面から流下するよ
    うにした、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の液体注出具。
  8. 【請求項8】 前記筒体の前記中心軸線の方向におい
    て、前記裏路面の最上点と前記裏路面の先端との間の距
    離(d2)が0.2mm〜1.0mmであることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体注出
    具。
  9. 【請求項9】 前記注出縁部の肉厚は、その根元部分か
    ら中央部分にかけて漸次大きくされ、該中央部分から先
    端にかけて漸次小さくされていることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれか1項に記載の液体注出具。
  10. 【請求項10】 前記注出縁部の最大肉厚(d4)に対
    する前記根元部分の肉厚(d3)の比(d3/d4)が
    0.3〜0.7であることを特徴とする請求項9に記載
    の液体注出具。
  11. 【請求項11】 前記筒体における少なくとも液体注出
    側となる前記領域が、水平断面において略円弧形状であ
    り、その曲率半径が上方ほど大きくされていることを特
    徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体注
    出具。
  12. 【請求項12】 上縁部が前記注出端面よりも外側に位
    置する流出堰を備えていることを特徴とする請求項1〜
    11のいずれか1項に記載の液体注出具。
  13. 【請求項13】 前記縁部端面が前記注出縁部の上面水
    平線よりも下方に位置され、且つ、前記縁部端面が前記
    注出縁部の外面垂直線よりも内側に位置されていること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の液
    体注出具。
  14. 【請求項14】 前記筒体の内部の前記流路を閉じる封
    止板を備え、 前記封止板には環状の弱化部が形成され、 前記封止板の前記弱化部により囲まれた部分を除去する
    ために当該部分に設けられた引張り部材を備えている、
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の液体注出具。
  15. 【請求項15】 前記流路面が粗面であることを特徴と
    する請求項1〜14のいずれか1項に記載の液体注出
    具。
  16. 【請求項16】 合成樹脂から一体成型されてなる請求
    項1〜15のいずれか1項に記載の液体注出具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003040299A (ja) * 2001-08-02 2003-02-13 Japan Crown Cork Co Ltd 注出筒付きキャップ
JP2003081315A (ja) * 2001-09-05 2003-03-19 Nippon Kimu Kk 開封栓、及び開封栓付き収容体
JP2004203415A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Mikasa Sangyo Kk 液体注出口
JP2020019536A (ja) * 2018-08-01 2020-02-06 三笠産業株式会社 キャップ

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