JPH10297199A - 彩色文字構成及びその形成方法 - Google Patents

彩色文字構成及びその形成方法

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JPH10297199A
JPH10297199A JP12017597A JP12017597A JPH10297199A JP H10297199 A JPH10297199 A JP H10297199A JP 12017597 A JP12017597 A JP 12017597A JP 12017597 A JP12017597 A JP 12017597A JP H10297199 A JPH10297199 A JP H10297199A
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Yoko Kotani
谷 洋 子 小
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直筆形態の文字部分に多様な模様の全体乃至そ
の模様部分を含む新規な文字構成及びその形成方法の提
供。 【解決手段】基材シート3は紙材シート1の面上に彩色
模様2を形成したものである。彩色文字構成Aは、この
基材シート3の面上に、彩色模様2部分を含む文字形態
の露出面Bが形成されるように隠蔽着色層4が積層され
ることによってなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多彩色の模様部分
を含む墨書類似の新規な文字構成及びその形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の印刷技術や写真製版の技術の発展
において、多様多彩な文字や絵画の創作が可能となって
いるが、直筆的に形成される墨書については、なおも墨
一色あるいは一色の彩色文字で形成乃至構成されるのが
一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の形成形態においては、和紙等の紙材シートの面上に墨
汁や絵の具、その他塗料を浸透乃至塗着させることによ
り得られる形態は、なおも平面的なものに過ぎず、また
その表現される文字上に多様な彩色模様を付加する発想
はなく、また、文字形成後にそれを付加することも困難
であった。
【0004】そこで、本発明では、直筆形態の文字部分
に多彩な模様の全体乃至その模様部分を含む新規な文字
構成及びその形成方法を提供することを目的とした。
【0005】
【課題を解決する手段】上記した目的を達するため、本
発明では彩色文字構成につき、次のような構成とした。
即ち、紙材シートの面上に彩色模様を形成して基材シー
トとし、この基材シートの面上に前記した彩色模様の全
体乃至一部分を含む文字の形態の露出面を形成するよう
にその他の面部分に隠蔽着色層を積層してなることを特
徴とする。
【0006】上記した構成特徴において、紙材シートと
しては、隠蔽着色層の形成、例えば、墨汁を付着させ得
る材質のものであり、和紙のほか、上質紙なども用いる
ことができる。
【0007】また、この紙材シートの面上の彩色模様
は、印刷法や写真製版の方法によって形成されたもので
あってもよいが、絵の具などの着色料によったものであ
ってもよい。またこの紙材シート面自体が予め着色され
ていてもよい。また、前記した隠蔽着色層に対する露出
面の文字形態は、特に制限はなくレタリングされたもの
であってもよいが、毛筆による墨書様の文字形態で得ら
れるものであることが、墨書の詩情性、芸術性をより高
めた創作文字として構成し得る点から好ましい。
【0008】また、前記した隠蔽着色層は、基材シート
面上に積層し得る限り、任意の水性乃至油性の着色料に
よることができるが、例えば、墨汁や絵の具であっても
よい。また得られる着色層は基板シート面上の彩色模様
を十分に隠蔽し得る厚で積層形成される。
【0009】上記した彩色文字構成は、本発明に係る次
の形成方法によって得ることができる。即ち、紙材シー
トの面上に彩色模様を形成して基材シートとし、この基
材シートの面上に前記彩色模様の全体乃至一部分を含む
部分に疎水性の剥離性皮膜を形成する剥離性塗料により
文字態様の塗布皮膜層を設ける塗布工程と、この基材シ
ートの全面上に隠蔽着色層を積層操作する着色工程と、
及び前記塗布皮膜層を剥離する剥離工程とからなること
を特徴とする。
【0010】上記した彩色文字構成の形成方法におい
て、疎水性の皮膜を形成する剥離性塗料としては、乳化
重合SBR(Styrene Butadiene Ru
bber)などの合成ゴム塗料エマルジョン等を挙げる
ことができる。なお、これに限定されるものではない。
【0011】このような合成ゴム塗料エマルジョン等に
よれば、基材シート面上に筆書き状態で塗布でき、また
塗布されると、常温下において疎水性の皮膜として形成
される。しかも、この皮膜は、それ自体軟質性状であっ
て、ヘラや硬質ゴム材によって容易に剥離操作すること
ができる。
【0012】従って、この剥離性塗料を塗布した部分を
含んで基材シートの全面上に前記した墨汁等の水性着色
料を積層する場合には、この着色料が水溶性であると
き、上記した塗布部分以外の基材シート面部分につい
て、この着色料による積層が形成させることから、その
後に、上記した剥離性塗料の塗布皮膜に対して剥離操作
することによって、その塗布皮膜の形態に対応した基材
シートの露出面が形成される。
【0013】このため、この剥離性塗料の塗布厚は、上
例の場合においても十分に疎水性を示すのに足る0.1
mm以上であることが好ましい。なお、その塗布厚の最大
限については特に制限はないが、その皮膜に対する剥離
操作の点及び経済的な点から1.0mm以下であることが
好ましい。
【0014】また、着色料が油性の場合、上記した剥離
性塗料の皮膜面上にもその着色料の積層が生じる可能性
があるが、この場合には、この着色料の積層皮膜がその
塗料皮膜の剥離性を阻害しないことが条件となる。
【0015】また、剥離性皮膜の形成が基材シート面上
の前記した彩色模様の全体乃至一部分上に渡って文字形
態を呈していることによって、その皮膜を剥離して後の
露出面は所定の文字形態であって、その文字形態の部分
に上記の彩色模様部分を含む状態の前記した彩色文字構
成が得られる。
【0016】
【実施の態様】次に、本発明の実施の態様を説明する。
図1には、彩色模様構成Aの平面形態を示した。この彩
色模様構成Aは、その平面形態において、凹面形態の文
字形露出面Bを備え、その露出面B内には、異なる色彩
の着色a、b及びcからなる彩色模様2部分を現出させ
る形態をなしている。
【0017】この彩色模様構成Aは、図2にも示すよう
に、紙材シート1面上に任意の彩色模様2を着色料を塗
布した形態で形成し、これを基材シート3とし、この基
材シート3面上に前記した露出面Bを文字形態で形成す
るように、この基材シート3面の着色とは色調乃至明度
の異なる色彩の隠蔽着色層4を積層してなる。
【0018】図1に及び図2に示した構成の彩色模様構
成Aの製造方法は次のとおりである。即ち、先ず、紙材
シート1面上に相互に異なる着色a、b及びcからなる
彩色模様2を図3に示す態様で描き、これを基材シート
3とする。
【0019】次に、合成ゴム塗料エマルジョンを低粘度
液体として調製し、この調製塗料を毛筆に含ませた状態
で、これによって基材シート3面上に毛筆による墨書形
式で図3に示す態様で塗布する。この際、この調製塗料
の塗布位置は、彩色模様2部分を被覆する態様とする。
この塗布塗料はその溶剤の揮発によって図4にも示す塗
布皮膜層5として形成される。この塗布皮膜層5は、紙
材シート1面上において彩色模様2部分について多重積
層状態で形成される。
【0020】この塗布皮膜層5の形成シートに対して
は、さらにこのシート面の全体に渡って着色料を塗布す
ることによって、隠蔽着色層4を形成した。この場合、
着色料が墨汁などの水性剤である場合には、この着色料
は塗布皮膜5面における疎水性によって、この塗布皮膜
層5面以外の基材シート3面部分のみをその面内の彩色
模様2部分を隠蔽する状態で隠蔽着色層4として形成さ
れる。このときの構成態様を図5に示した。
【0021】この構成態様のシートにおいて、塗布皮膜
層5は、その剥離性状に基づき比較的に容易に剥離が可
能である。従って、プラスチック製のへら7を用いて、
図5に示す状態で塗布皮膜層5に対して剥離操作でき
る。なお、6はこの塗布皮膜層5の剥離片部分を示す。
この剥離操作によって塗布皮膜5を除去すると、その除
却部分はその塗布形状の文字の態様の基材シート3の彩
色模様2部分を含む露出面Bが形成された彩色文字構成
Aとして得られる。
【0022】このような方法により得られる彩色文字構
成Aは、その露出面Bが毛筆による墨書形式で形成され
た塗布皮膜層5に対応した平面形態で得られる。従っ
て、各部の呈色を適宜に選択することによって、この露
出面Bは隠蔽着色層4での着色と明確に区別し得る色調
を露呈してその文字態様で現われ、しかも、その露出面
B内の彩色模様2部分からなる多彩色部分と相俟って、
多彩色で変化に富む墨書の字体、とりわけ、毛筆字体に
ついて今までにない新たな構成を提供することができ
る。またそれは彩色模様2が着色料を塗布することによ
るから露出面Bの凹面構成と相俟って、全体として立体
的に浮き出した部分を備える状態で構成されるものであ
る。
【0023】
【実施例】和紙面上に水彩絵の具を塗布することによっ
て草花の多彩色模様を図3に示した態様で描いて、この
形成模様の乾燥を侍ってこれを基材シートとした。次い
で、墨書用の毛筆にSBRエマルジョン液を含ませて、
これを用いて基材シート面上であって前記した模様部分
の面上にも及ぶように図3及び図4に示す塗布皮膜層5
の態様でSBRエマルジョン液を常温下で薄層状に塗布
した。この2〜3分後に塗布液が乾燥すると、この塗布
部分に薄層の塗布皮膜層が得られた。
【0024】次いで、この塗布皮膜層面部分を含む基材
シートの面全体に渡って墨汁を毛筆によって塗布した。
この際、上記した塗布皮膜層面は疎水性を呈し、このた
めに墨汁はこの塗布皮膜の面を除いた基材シート面部に
付着乃至積層され、この結果、この墨汁が付着等した基
材シート面部における彩色模様部分を含む面部は全て墨
汁により隠蔽された状態となった。
【0025】次いで、上記塗布した墨汁の乾燥後におい
て、前記の塗布皮膜部分を全て硬質ゴムからなるへらを
用いて図5に示した態様により剥ぎ取り操作することに
より、図1に示した文字形の露出面Bの態様の露出面を
伴なう彩色文字構成を得た。この彩色文字構成におい
て、その露出面は毛筆による墨書の形態で得られ、しか
もその露出面内には前記した彩色模様の多彩色部分が僅
かに浮き出した形態で現われた構成をなす。
【0026】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されるか
ら、次のような効果が発揮される。本発明によれば、文
字形態の露出面内に基材シート面上の彩色模様部分を伴
う構成をなすことから、多彩色で変化に富む文字形態が
得られ、特にその文字形態が毛筆字体で形成される場合
には、今までにない新たな墨書字体の構成を得ることが
できる。
【0027】また、特に、基材シート面上の彩色模様が
着色料を塗布することによって形成されている場合に
は、前記した露出面内の彩色部分を浮き出させ、全体と
して立体的な構成として得ることができる。
【0028】また、その製造方法において、剥離性塗料
によることから、得られる彩色模様構成において毛筆字
体類似の露出面形態のものとして得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る彩色模様構成の一部破断面平面図
【図2】同の部分縦断面図
【図3】同の製造過程での平面図
【図4】同の製造過程での部分縦断面図
【図5】同の製造過程での部分斜視図
【符号の説明】
A 彩色文字構成 B 露出面 1 紙材シート 2 彩色模様 3 基材シート 4 隠蔽着色層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙材シートの面上に彩色模様を形成して基
    材シートとし、この基材シートの面上に前記した彩色模
    様の全体乃至一部分を含む文字の形態の露出面を形成す
    るようにその他の面部分に隠蔽着色層を積層してなるこ
    とを特徴とする彩色文字構成。
  2. 【請求項2】彩色模様が紙材シートの面上に着色料を塗
    布することによって形成されてなることを特徴とする請
    求項1の彩色文字構成。
  3. 【請求項3】紙材シートの面上に彩色模様を形成して基
    材シートとし、この基材シートの面上に前記彩色模様の
    全体乃至一部分を含む部分に疎水性の皮膜を形成する剥
    離性塗料により文字態様の塗布皮膜層を設ける塗布工程
    と、この基材シートの全面上に隠蔽着色層を積層操作す
    る着色工程と、及び前記塗布皮膜層を剥離する剥離工程
    とからなることを特徴とする彩色文字構成の形成方法。
  4. 【請求項4】塗布工程における剥離性塗料が合成ゴム塗
    料エマルジョンからなることを特徴とする請求項3の彩
    色文字構成の形成方法。
  5. 【請求項5】紙材シートの面上に着色料を塗布すること
    によって彩色模様を形成する処理工程を含むことを特徴
    とする請求項3又は4の彩色文字構成の形成方法。
JP12017597A 1997-04-22 1997-04-22 彩色文字構成及びその形成方法 Withdrawn JPH10297199A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102535256A (zh) * 2011-11-21 2012-07-04 浙江画之都油画股份有限公司 刮刻画纸及制作方法和作画工艺
CN104149533A (zh) * 2014-08-08 2014-11-19 陈国华 一种木雕上色工艺

Cited By (3)

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