JPH10297194A - 液圧転写印刷方法 - Google Patents

液圧転写印刷方法

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JPH10297194A
JPH10297194A JP12319397A JP12319397A JPH10297194A JP H10297194 A JPH10297194 A JP H10297194A JP 12319397 A JP12319397 A JP 12319397A JP 12319397 A JP12319397 A JP 12319397A JP H10297194 A JPH10297194 A JP H10297194A
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寿夫 井上
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善仁 水田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被転写印刷体の被転写面に転写フィルムが付
着する前に転写液が流れ込むのを防止することにより、
裾切れ不良等の未転写印刷部分の発生するのを防止する
新たな液圧転写印刷方法を提供する。 【解決手段】 例えば箱型素材10 に液圧転写印刷を施
すにあたり、箱型素材10 の少なくとも最後に転写液L
内へ没入する側壁3の内面1Bもしくは側壁上面3aに
対し、防液壁7を設ける。そしてこの防液壁7により、
転写フィルムFが付着する前に箱室4内側の転写液L
が、側壁上面3aまたは外面1A側に流れ出て付着する
のを防止することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写インクの塗布
された転写フィルムを液面上で浮遊状態に支持させ、こ
れに箱型素材等の被転写印刷体を押し当て転写液内へ没
入することにより転写インクを被転写印刷体の表面上に
転写させる液圧転写印刷方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】従来から複雑な曲面等を有する被転写物
に種々の模様を印刷するにあたり、液圧転写印刷が行わ
れている。この液圧転写印刷は、転写フィルムを転写槽
の液面上に着液させて膨潤させた後、液面上で浮遊状態
とされた転写フィルムのインク面に被転写物を押し当
て、これにより生ずる液圧により転写を行うというもの
である。
【0003】ところで箱型素材10 の表面に液圧転写印
刷を施すにあたっては、一般的には図9(a)に示すよ
うに種々の所定角度に傾けて液圧転写を行っている。こ
の場合に図9(b)に示すように、最後に転写液L′に
投入される側壁3′の外面1A′の上部に、裾切れと呼
ばれる未転写印刷部分N(柄抜け不良)が比較的高い発
生率で生じるという問題点がある。これは図9(c)に
示すように未転写印刷部分Nに転写フィルムF′が付着
する前に、内面1B′側の転写液L′が側壁上面3a′
を乗り越えてこの未転写印刷部分Nに流れてしまうこと
に起因する。このように転写液L′で濡れてしまった個
所は転写フィルムF′は付着しなくなる。
【0004】また転写フィルムF′の付着より先に転写
液L′が付着してしまうという上記裾切れの発生と同様
の理由から、箱型素材10 ′の最後に転写液L′に没入
させる側壁上面3a′に液圧転写印刷することが難し
い。このため通常は側壁上面3a′には液圧転写印刷が
施されていない。しかしながら、この側壁上面3a′に
まで液圧転写印刷することができるとしたら、更にデザ
イン的に好ましい箱型製品を量産し得る。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような実情を
考慮してなされたものであって、被転写印刷体の転写形
成面に転写フィルムが付着する前に転写液が流れ込むの
を防止することにより裾切れ不良等の未転写印刷部分の
発生するのを防止する新たな液圧転写印刷方法の開発を
試みたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
液圧転写印刷方法は、担持シート上に転写インクを塗布
してなる転写フィルムを転写槽内の液面上に浮遊させ、
その上方から所定の角度に傾斜させて被転写印刷体を押
し付け転写液内へ没入させ、これによって生ずる液圧に
よって被転写印刷体の転写形成面に前記転写インクを転
写する方法において、前記転写形成面に転写フィルムが
付着する前に転写液が流れ込むのを防止する防液壁を非
転写面に設けて液圧転写印刷を行うことを特徴として成
るものである。この発明によれば、転写形成面に転写フ
ィルムが付着する前に転写液が流れ込むのが防液壁によ
り阻止され、未転写印刷部分の発生するのが防止され
る。また不良印刷製品の発生するのが大幅に抑えられる
ため、製造コストを下げることができ、また転写装置も
転写液面を通常の液圧転写印刷の域を超えて必要以上に
水平に保つ必要がなく、装置の転写条件の設定調節等も
楽となる。
【0007】また請求項2記載の液圧転写印刷方法は、
担持シート上に転写インクを塗布してなる転写フィルム
を転写槽内の液面上に浮遊させ、その上方から所定の角
度に傾斜させて箱型素材を押し付け転写液内へ没入さ
せ、これによって生ずる液圧によって箱型素材の外面及
び側壁上面もしくは外面のみに前記転写インクを転写す
る方法において、前記箱型素材の少なくとも最後に転写
液内へ没入する側壁の内面もしくは側壁上面に対し、転
写フィルムが付着する前に箱室内側の転写液が側壁上面
または外面側に流れ出て付着するのを防止する防液壁を
設けて液圧転写を行うことを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、箱型素材の内面側の転写液が側
壁上面または外面側に流れ出るのが防液壁により防がれ
る。従って例えば側壁上部に転写パターンの裾切れ等の
未転写印刷部分の発生するのが防止される。また不良印
刷製品の発生するのが大幅に抑えられるため、製造コス
トを下げることができ、また転写装置も転写液面を通常
の液圧転写印刷の域を超えて必要以上に水平に保つ必要
がなく、装置の転写条件の設定調節等も楽となる。また
防液壁が側壁内面に設けられ、箱室内側の転写液が側壁
上面に付着するのが防止された場合には、側壁上面にも
未転写印刷部分を発生することなく種々の液圧転写印刷
を施すことができ、箱型素材に対するデザインの幅が広
がる。
【0008】更に請求項3記載の液圧転写印刷方法は、
前記請求項2記載の要件に加え、前記防液壁は、側壁の
内面上部に上方へ延びるように設けられることを特徴と
して成るものである。この発明によれば、防液壁の取り
付けが簡単であり、また転写液が側壁上面または外面側
に流れ出るのも確実に阻止される。
【0009】更にまた請求項4記載の液圧転写印刷方法
は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記
防液壁は、板状部材もしくは粘着テープであることを特
徴として成るものである。この発明によれば、防液壁が
板状部材であれば、転写速度が速くても転写液中で反っ
たり折れたりすることがなく、また複数回の使用が行え
る。また防液壁が粘着テープであれば、取り付けが簡単
で速やかに行える。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づき説明する。なお以下の説明にあたっては、まず本
発明の液圧転写印刷方法を実施することにより得られる
箱型体1について説明し、次いでこの液圧転写印刷方法
を行うのに用いる液圧転写印刷ライン10について概略
的に説明し、そしてこの液圧転写印刷ライン10の作動
状態の説明と併せて本発明に係る液圧転写印刷方法につ
いて説明する。
【0011】まず液圧転写印刷が施された箱型体1につ
いて説明する。このものは図1に示すようにほぼ直方体
形状の角箱であり、底板2と側壁3とを有し、一例とし
て側壁3の下側が湾曲している。この箱型体1内部の被
収容物を収容する個所を箱室4としている。またこの箱
室4に面した底板2と側壁3の面を内面1Bとし、その
反対面を外面1Aとしている。また符号3で示す側壁の
上面部は、側壁上面3aと呼称する。なお本明細書にお
いて箱型体1及び箱型素材10 等の被転写印刷体Aの上
下は、液圧転写印刷時の姿勢を基準として呼称するもの
であり、製品時の使用としては、底板2の表面側を上面
として使用したり、あるいは側面として使用したり種々
様々である。
【0012】そして本発明の特徴として側壁3の外面1
A上部に裾切れと呼ばれる転写パターン5の未転写印刷
部分N(柄抜け不良)がなく、非常に精度の良い液圧転
写印刷が転写形成面たる外面1Aと側壁上面3aとに施
されている。なお特に側壁上面3aのすべてに液圧転写
印刷が施されているのは本発明の液圧転写印刷方法を用
いて得られる箱型体1の特徴であり、本発明の製造方法
を採らない通常の液圧転写印刷が施された箱型体にあっ
ては、この側壁上面3aのすべてに液圧転写印刷を施す
ことが難しいため側壁上面3aには液圧転写印刷が施さ
れていない。また一例として転写パターン5の更に上面
には透明なトップコート6がなされている。なお本発明
に係る液圧転写印刷方法に用いることのできる箱型素材
0 の形状としては、図6(a)(b)(c)(d)に
示すように上方から見て円形、楕円形、菱形、ひょうた
ん形等種々の形状で実施することができる。また請求項
1記載の範囲における被転写印刷体Aの形状としては、
上述したような箱型素材10 のほか、例えば図6(e)
に示すようなチャンネル状のように箱室4を有さないも
のも含むものである。
【0013】箱型体1は以上のような構成を有し、次に
液圧転写印刷ライン10について概略的に説明する。液
圧転写印刷ライン10は、図4、5に示すように液圧転
写装置20と、その側方に連続的に配置される供給コン
ベヤ11、連絡コンベヤ12、排出コンベヤ13と、連
絡コンベヤ12の上方に設けられ液圧転写装置20の側
方に位置する自動供給装置14及び自動排出装置15と
を具えて成る。
【0014】液圧転写装置20は、水を入れるための転
写槽21と、その上方に位置し被転写体保持装置22a
を一定間隔毎に設けた転写コンベヤ22と、転写フィル
ム供給装置23とを具えて成る。転写槽21内の水は図
示を省略する循環管路及びポンプにより図4、5中、右
方向へゆっくり循環されている。また転写槽21の両脇
にはガイドチェーン21aが設けられ、始端側上方には
送風装置21bが設けられる。これら転写槽21内の水
流と、ガイドチェーン21aと、送風装置21bとによ
り転写フィルムFを図4、5中右方向へ移送する。なお
符号21cに示す部材は液面上を水平に保つための波消
し板である。
【0015】転写フィルム供給装置23は、水溶性の転
写フィルムFがロール状に巻回された原反ロール24
と、担持シート上に印刷された乾燥状態の転写インクに
粘着性を持たせ、転写可能状態とする(本明細書におい
てこのような状態とすることを活性化という)活性剤S
を貯留する溶剤タンク25と、送りローラ26とを具え
て成り、原反ロール24から繰り出された転写フィルム
Fが、途中溶剤タンク25内の活性剤Sで活性化された
後、転写槽21内へ連続供給される。活性剤Sは、例え
ば樹脂分、顔料、溶剤、可塑剤等を適宜の割合で配合し
て成るものであるが、単純にはシンナー等の溶剤を用い
ることも可能である。
【0016】また自動供給装置14は把持装置14aを
具え、この把持装置14aにより供給コンベヤ11上を
移送されてきた箱型素材10 を把持して回動シリンダ1
4bにより上方に持ち上げ、前記転写コンベヤ22の被
転写体保持装置22aへ供給する。また自動排出装置1
5は自動供給装置14の逆の作業をなすもので、把持装
置15a及び回動シリンダ15bを具え、液圧転写が終
了した箱型素材10 を転写コンベヤ22の被転写体保持
装置22aから受け取り、排出コンベヤ13上へ移載す
るものである。なお連絡コンベヤ12は、例えば不良品
の箱型素材10が供給コンベヤ11上に流れた場合に、
液圧転写装置20へ移送することなく、そのまま別に設
けた不良品排出経路へ流すために設けられるものであ
る。
【0017】本発明の液圧転写印刷方法に用いられる液
圧転写印刷ライン10の一例は以上のようで、以下この
作動態様を説明しながら併せて本発明の液圧転写印刷方
法について説明する。 (1)箱型素材への防液壁の形成 本発明の特徴として、転写形成面に転写フィルムFが付
着する前に転写液Lが流れ込むのを防止する防液壁7を
非転写面に設けて液圧転写印刷を行うことを特徴とす
る。本実施の形態では図2、3に示されるように箱型素
材10 を傾斜させて転写フィルムFが浮遊した転写液L
へ没入する際に、一番最後に転写液L中に没入される側
壁3の非転写面たる内面上部に対し防液壁7が、側壁3
の高さよりも上方に延びた状態で設けられる。
【0018】防液壁7は一例としてプラスチック製や金
属製の矩形の平板状部材を用いるが、その他図7(a)
に示すような粘着テープ等を用いてもよい。また設置位
置としては、側壁上面3aへの液圧転写印刷を必要とし
ないのなら、例えば図7(b)に示すように側壁上面3
aに防液壁7を設けてもよい。また防液壁7の高さは、
斜めに保持した状態で、側壁3よりも高ければよいので
あって、図7(c)のような高さの低い堰状の形態でも
実施が可能である。しかし好ましくは液面に大きな波が
生じた際にも対応し得るような充分な高さを有したもの
が好ましい。また防液壁7の素材としては、水溶性の素
材を用いることも可能であり、このような素材を用いた
場合、転写フィルムFの脱膜工程の際に、残存する転写
フィルムFの脱膜と同時に防液壁7を除去することがで
き、別途防液壁7を取り外す手間が省ける。更にまた上
記図7(a)〜(c)に示す手法は、いずれも箱型素材
0 に対し別部材を適用して防液壁7を形成したもので
あるが、図7(d)に示すように箱型素材10 を成型す
るときに一体的に防液壁7を設けるようにし、防液壁7
と箱型素材10 とは弱化部Bによって図中仮想線に示す
ように切り離し自在としておいてもよい。また図8に示
すように切欠部1Cを有するような箱型素材10 へ液圧
転写印刷を行う場合にも、この切欠部1Cの個所へ未転
写印刷部分Nが生じやすい。このためこのような切欠部
1Cを有する箱型素材10 へ液圧転写印刷を行う場合、
図示するように切欠部1Cの内壁面側にも防液壁7を設
けることが好ましい。
【0019】(2)転写フィルムの供給 原反ロール24から繰り出された転写フィルムFを図4
に示すように途中、転写インク塗装面側に活性剤Sを塗
布した後、転写槽21内の転写液L上に供給する。活性
剤Sが塗工された転写フィルムFは、水を吸収して軟化
膨潤し、四方に延展する。なお活性剤Sを塗布するの
は、転写フィルムFは通常は原反ロール24として保管
する関係上、塗膜は乾燥状態にされているためであり、
活性剤Sを塗布することにより転写インク塗装面に粘着
性が付与される。なお転写フィルムFに活性剤Sを塗工
するタイミングは、転写フィルムFが転写液L上に供給
された後であっても構わない。
【0020】(3)箱型素材の供給 一方被転写体たる箱型素材10 は、支持具Pに支持され
て供給コンベヤ11から移送されており、自動供給装置
14の把持装置14aにより把持され、転写コンベヤ2
2の被転写体保持装置22aに受け渡される。
【0021】(4)液圧転写印刷 被転写体保持装置22aに取り付けられた被転写印刷体
Aたる箱型素材10 を延展度が適当となった転写フィル
ムFに接近させ、その後転写フィルムFを押し下げるよ
うに水没させる。これにより図3(a)に示すように転
写フィルムFが、水圧により箱型素材10 の外面1Aの
凹凸に沿って密着して皮膜状に覆い、転写パターン5が
箱型素材10 の外面1Aと側壁3の上面に転写されてい
く。そして本発明の特徴として図3(b)に示すよう
に、側壁3の上端が転写液Lの上面に達するときに、防
液壁7が箱室4側の転写液Lが側壁上面3aを乗り越え
て外面1A側へ流れ出ることをせき止めているため、側
壁3の外面上部に転写フィルムFが付着する前にここが
転写液Lで濡れることがない。従ってこの側壁3の外面
1A上部に裾切れと呼ばれる転写パターン5の未転写印
刷部分N(柄抜け不良)が生じることがない。また更に
本実施の形態の特徴として図3(c)示すように、箱型
素材10 を転写液Lに更に没入していくと、側壁上面3
aにも液圧転写印刷がなされる。
【0022】(5)箱型素材の取り出し 以上のように液圧転写印刷が終了した箱型素材10 は、
転写コンベヤ22の被転写体保持装置22aから自動排
出装置15により取り出されて排出コンベヤ13上へ移
送される。
【0023】(6)脱膜、防液壁の取り外し、乾燥 上記液圧転写印刷が終了した箱型素材10 は、担持シー
トの転写液Lに溶けなかった部分がまだ付着しているた
め、この完全除去のためシャワリング等により洗浄して
除去し、更に防液壁7も取り外す。なお内面1B側にマ
スキングを施さずに液圧転写印刷をした場合には、この
防液壁7を取り外した個所には、あたかもこの個所だけ
マスキングを施したような非転写跡が残る。その後この
洗浄された箱型素材10 を乾燥する。
【0024】(7)トップコート 転写パターン5の印刷された箱型素材10 は、この状態
でも製品たる箱型体1として成立するものであるが、更
に転写印刷個所に照り感や深み感を増すために透明なト
ップコート6をスプレー塗布等により形成し、適宜バフ
等を用いて所望の表面粗さとなるまで磨き上げられる。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の液圧転写印刷方法によれ
ば、転写形成面に転写フィルムFが付着する前に転写液
Lが流れ込むのが防液壁7により阻止されるため、未転
写印刷部分Nの発生するのが防止される。また不良印刷
製品の発生するのが大幅に抑えられるため、製造コスト
を下げることができ、また転写装置も転写液面を通常の
液圧転写印刷の域を超えて必要以上に水平に保つ必要が
なく、装置の転写条件の設定調節等も楽となる。
【0026】請求項2記載の液圧転写印刷方法によれ
ば、防液壁7により箱型素材10 の内面1B側の転写液
Lが側壁上面3aまたは外面1A側に流れ出るのが防が
れるため、側壁上部に転写パターン5の裾切れ等の未転
写印刷部分Nの発生するのが防止される。また不良印刷
製品の発生するのが大幅に抑えられるため、製造コスト
を下げることができ、また転写装置も転写液面を通常の
液圧転写印刷の域を超えて必要以上に水平に保つ必要が
なく、装置の転写条件の設定調節等も楽となる。また防
液壁7が側壁3の内面1Bに設けられ、箱室4内側の転
写液Lが側壁上面3aに付着するのが防止された場合に
は、側壁上面3aにも未転写印刷部分Nを発生すること
なく種々の液圧転写印刷を施すことができ、箱型素材1
0 に対するデザインの幅が広がる。
【0027】請求項3記載の液圧転写印刷方法によれ
ば、防液壁7は、側壁3の内面上部に上方へ延びるよう
に設けられるものであるため、防液壁7の取り付けが簡
単であり、また転写液Lが側壁上面3aまたは外面1A
側に流れ出るのも確実に阻止される。
【0028】請求項4記載の液圧転写印刷方法によれ
ば、防液壁7が板状部材であれば、転写速度が速くても
転写液L中で反ったり折れたりすることがなく、また複
数回の使用が行える。また防液壁7が粘着テープであれ
ば、取り付けが簡単で速やかに行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液圧転写印刷方法を用いて得られた箱
型体の実施の形態を一部拡大して示す斜視図である。
【図2】被転写印刷体たる箱型素材に防液壁を設けた実
施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の液圧転写印刷方法を段階的に示す説明
図である。
【図4】液圧転写印刷ラインの構成を示す側面図であ
る。
【図5】同上平面図である。
【図6】被転写印刷体の他の五種の他の実施の形態を示
す斜視図である。
【図7】防液壁としてテープを用いた他の実施の形態を
示す斜視図並びに防液壁の設置位置を異ならせた他の実
施の形態を示す縦断断面図並びに形状及び高さを異なら
せた防液壁の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】切欠部を有した箱型素材の切欠部に防液壁を設
ける他の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】従来の液圧転写印刷方法を説明する縦断断面図
並びに従来の液圧転写印刷方法により得られた箱型体を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 箱型体 10 箱型素材 1A 外面 1B 内面 1C 切欠部 2 底板 3 側壁 3a 側壁上面 4 箱室 5 転写パターン 6 トップコート 7 防液壁 10 液圧転写印刷ライン 11 供給コンベヤ 12 連絡コンベヤ 13 排出コンベヤ 14 自動供給装置 14a 把持装置 14b 回動シリンダ 15 自動排出装置 15a 把持装置 15b 回動シリンダ 20 液圧転写装置 21 転写槽 21a ガイドチェーン 21b 送風装置 21c 波消し板 22 転写コンベヤ 22a 被転写体保持装置 23 転写フィルム供給装置 24 原反ロール 25 溶剤タンク 26 送りローラ A 被転写印刷体 B 弱化部 F 転写フィルム L 転写液 N 未転写印刷部分 P 支持具 S 活性剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持シート上に転写インクを塗布してな
    る転写フィルムを転写槽内の液面上に浮遊させ、その上
    方から所定の角度に傾斜させて被転写印刷体を押し付け
    転写液内へ没入させ、これによって生ずる液圧によって
    被転写印刷体の転写形成面に前記転写インクを転写する
    方法において、前記転写形成面に転写フィルムが付着す
    る前に転写液が流れ込むのを防止する防液壁を、非転写
    面に設けて液圧転写印刷を行うことを特徴とする液圧転
    写印刷方法。
  2. 【請求項2】 担持シート上に転写インクを塗布して成
    る転写フィルムを転写槽内の液面上に浮遊させ、その上
    方から所定の角度に傾斜させて箱型素材を押し付け転写
    液内へ没入させ、これによって生ずる液圧によって箱型
    素材の外面及び側壁上面もしくは外面のみに前記転写イ
    ンクを転写する方法において、前記箱型素材の少なくと
    も最後に転写液内へ没入する側壁の内面もしくは側壁上
    面に対し、転写フィルムが付着する前に箱室内側の転写
    液が側壁上面または外面側に流れ出て付着するのを防止
    する防液壁を設けて液圧転写を行うことを特徴とする液
    圧転写印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記防液壁は、側壁の内面上部に上方へ
    延びるように設けられることを特徴とする請求項2記載
    の液圧転写印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記防液壁は、板状部材もしくは粘着テ
    ープであることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の液圧転写印刷方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6497779B1 (en) 1998-07-23 2002-12-24 Cubic Co., Ltd. Hydraulic transfer method and device and hydraulic-transfer article
KR100477159B1 (ko) * 1999-06-18 2005-03-18 가부시키가이샤 큐빅 루프형상의 워크부재에 대한 액압전사방법 및 이 방법을 적용한 가식제품

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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