JPH10296186A - 弾性表面波アクチュエータ - Google Patents

弾性表面波アクチュエータ

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JPH10296186A
JPH10296186A JP9105017A JP10501797A JPH10296186A JP H10296186 A JPH10296186 A JP H10296186A JP 9105017 A JP9105017 A JP 9105017A JP 10501797 A JP10501797 A JP 10501797A JP H10296186 A JPH10296186 A JP H10296186A
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wave actuator
actuator
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俊郎 樋口
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実 黒澤
Osamu Shinoura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の弾性表面波アクチュエータに比べては
るかに高いエネルギー効率を得ることができる弾性表面
波アクチュエータを提供する。 【解決手段】 導波路1は弾性表面波のための画定され
た周回路を構成するように備えられている。導波路1
は、弾性表面波のための画定された周回路を構成するよ
うに備えられ、弾性表面波の波長をλとしたとき、幅W
0が 2λ<W0<100λ を満たしている。弾性表面波発生部2は周回路中に配置
され、弾性表面波を一方向aに発生させる。支持基体3
は導波路1及び弾性表面波発生部2を支持している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波アクチュエ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】固体の表面に発生するレイリー波は表面
波であり、その表面の1点は楕円運動を行うため、上に
載せられた物体を移動することが可能である。同様の進
行波を用いた超音波モータは既に実用化されているが、
駆動周波数は数kHzであり、トルクは大きいが移動速度
は小さかった。
【0003】特公平1-17353号には、超音波振動子の弾
性体表面に楕円振動を形成する進行波を生じさせて動体
を摩擦駆動するモータ装置が開示されている。特にルー
プ状弾性体に圧電体を設け、弾性体のコーナー部には表
面波が伝搬できるように曲面形状に加工されている。
【0004】しかし、一方で、日経エレクトロニクス1
983年2月28日号、44ページに、特公平1-17353
号に開示されたものと同様のモータ装置が紹介され、超
音波振動子の現実的な振動周波数である30kHzから計
算すると、波長が10cmと長く、弾性体と動体の接触点
が10cmに1点となってしまうことから、このような表
面波モータは実現できないこととされ、表面波ではな
く、曲げ振動を用いた超音波モータを考案することによ
り製品化がなされた旨記載されている。
【0005】このように、表面波を用いたモータの実現
には多くの困難が伴い、現実に駆動するには問題があっ
た。
【0006】一方、超音波振動子に代えて、弾性表面波
素子を用いた弾性表面波アクチュエータの研究開発が進
められてきた。例えば、本発明者らは、ニオブ酸リチウ
ム基板上に弾性表面波を発生させ、ルビーボールや磁石
で荷重をかけたスチールボールを高速で移動できること
を見いだし、これを、弾性表面波モータとして、信学技
報US−94−74(1994ー12)31ページに発
表している。
【0007】また、特開平7ー231685号公報には、4個の
櫛型電極をXY平面に対向配置し、これらの4個の櫛型
電極を選択的に励振して、移動子をXY平面上で2次元
的に駆動する構成の弾性表面波モータが開示されてい
る。しかし、これらの公知文献にはエネルギー効率の改
善手段については、開示がない。
【0008】本発明者等は、更に、現実に駆動可能な弾
性表面波アクチュエータを提案している。この弾性表面
波アクチュエータは、圧電体基板上に櫛形電極を設け、
この櫛形電極に高周波電圧を印加することにより弾性表
面波を発生させ、移動子を駆動するものであった。しか
し発生したある1つの波について見れば、移動子を駆動
するのは1回だけであった。すなわち櫛形電極に電圧を
印加することにより発生した1つの波は一方向に進み、
その進行路の上にある移動子を1回だけ駆動する。そし
て、波は移動子を通り過ぎて更に進行するが基板端面に
到達すると、反射され散乱され、今までとは反対方向に
進んでいく。この反射波はアクチュエータとしては好ま
しくない成分のため、ダンピング物質、例えばシリコン
グリス等を基板端面に形成し吸収する手法が用いられて
いた。このため入力したエネルギーに対して実際に移動
子を動かすのに使用されるエネルギーは極めて僅かでし
かなかった。殆どの入力したエネルギーは、ダンピング
物質に吸収され熱エネルギーとして浪費されていた。
【0009】特公平1-17353号にも、発明者らが公表し
た弾性表面波アクチュエータと同様の技術が開示されて
いる。しかし、この公知文献に記載された弾性表面波ア
クチュエータの場合も、弾性表面波は波の進行に伴い広
がっていく。そして進行方向直角にある壁に到達する。
すると反射され最初と反対方向に進む。このような反射
波により振動全体が大きく乱れてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エネ
ルギー効率に優れた弾性表面波アクチュエータを提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係る弾性表面波アクチュエータは、導波
路と、弾性表面波発生部とを含む。前記導波路は、弾性
表面波に対し、画定された周回路を構成するように備え
られている。前記導波路は、弾性表面波のための画定さ
れた周回路を構成するように備えられ、前記弾性表面波
の波長をλとしたとき、幅W0が2λ<W0<100λ
を満たしている。前記弾性表面波発生部は、前記周回路
中に配置され一方向に弾性表面波を発生させる。
【0012】本発明に係る弾性表面波アクチュエータに
おいて、導波路は弾性表面波に対する周回路を構成して
おり、弾性表面波発生部は周回路中に配置され一方向に
弾性表面波を発生させるから、弾性表面波発生部で発生
した弾性表面波は導波路内を進行し、再び、弾性表面波
発生部へと戻ってくる。そして更に導波路内を進む。即
ち、弾性表面波発生部で発生した弾性表面波は、周回路
(ループ)となっている導波路内を周回することになる
から、反射波を生じることがない。しかも、弾性表面波
を伝播させるために選択され、かつ、画定された導波路
内を周回するので、散乱等を生じることがない。このた
め、従来の弾性表面波アクチュエータに比べて、はるか
に高いエネルギー効率を得ることができる。
【0013】前記導波路は、前記弾性表面波の波長をλ
としたとき、幅W0が2λ<W0<100λを満たすよ
うに設定する。導波路1の幅W0が2λよりも小さくな
ると、弾性表面波の損失が大きくなる。導波路1の幅W
0が100λよりも大きくなると、反射波の影響が大き
く、またアクチュエータが大型化してしまう。
【0014】本発明に係る弾性表面波アクチュエータ
は、各種の精密位置決め機構を必要とする精密機械、ま
たは、磁気ディスクもしくは光ディスク等の高密度記録
媒体に情報を書き込み、読み出しを行うヘッドのトラッ
ク方向位置決め装置等に用いることができる。この場
合、1つの弾性表面波により、その進行路の上にある移
動子を1周回毎に1回駆動する。この動作を、駆動周波
数に応じて繰り返すことにより、移動子を弾性表面波の
進行方向に移動させることができる。この構成によれ
ば、実際に弾性表面波の周回、及び、移動子の駆動が可
能であり、高トルクで、高速移動の可能な位置決め精度
の優れた位置決め機構を実現することができる。
【0015】弾性表面波は信号用途に広く使用されてお
り、弾性波素子技術ハンドブック(学振150委員会
編、オーム社、1991年)240ページには、固定デ
ィレイラインとして周回型素子が紹介されており、波面
の広がりを防止するためにはガイドを併用する旨の記載
がある。しかし、あくまで信号用途であって、アクチュ
エータを開示するものではなく、アクチュエータとして
固有の問題点、及び、その解決手段については何も示唆
する記載がない。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明による弾性表面波ア
クチュエータの平面図、図2は図1に示した弾性表面波
アクチュエータの正面図、図3は図1に示した弾性表面
波アクチュエータの底面図、図4は図1の4ー4線に沿
った断面図をそれぞれ示している。図示するように、本
発明に係る弾性表面波アクチュエータは、導波路1と、
弾性表面波発生部2と、支持基体3とを含む。導波路1
は、金属リボン型導波路であって、弾性表面波に対する
画定された周回路を構成する。弾性表面波発生部2は、
周回路中に配置され、矢印a方向に進行する弾性表面波
を発生させる。支持基体3は、導波路1及び弾性表面波
発生部2を支持している。
【0017】図示された弾性表面波アクチュエータにお
いて、導波路1は、支持基体3によって支持され、支持
基体3の表面、一側面、裏面及び他側面を順次に通過す
る3次元的周回路を構成する。弾性表面波発生部2は、
支持基体3の裏面に配置されている。
【0018】上述した弾性表面波アクチュエータにおい
て、導波路1は弾性表面波に対する周回路を構成してお
り、弾性表面波発生部2は周回路中に配置され、矢印a
で示す一方向に進行する弾性表面波を発生するから、弾
性表面波発生部2で発生した弾性表面波は、導波路1内
を、矢印aで示す方向に進行し、再び、弾性表面波発生
部2へと戻ってくる。そして更に導波路1内を進む。上
述のように、弾性表面波発生部2で発生した弾性表面波
は、周回路となっている導波路1内を周回することにな
るから、反射波を生じることがない。しかも、弾性表面
波を伝播させるために選択され、かつ、画定された導波
路1内を周回するので、散乱等を生じることがない。こ
のため、従来の弾性表面波アクチュエータに比べてはる
かに高いエネルギー効率を得ることができる。
【0019】導波路1の幅W0は、弾性表面波の波長λ
に関して、2λ<W0<100λとなることが重要であ
る。導波路1の幅W0が2λよりも小さくなると、弾性
表面波の損失が大きくなる。導波路1の幅W0が100
λよりも大きくなると、反射波の影響が大きく、またア
クチュエータが大型化してしまう。
【0020】支持基体3は、端面において弾性表面波が
反射されるのを回避するため、端面を曲面化する。この
曲面化加工は通常公知の各種の機械加工により形成可能
である。弾性表面波の波長をλとした時に曲率半径r
(図4参照)がr≧nλ(nは整数)となるように加工
することにより、反射が防止される。また周回するルー
プ長をLとするとL=nλ(nは整数)と設定すること
により、より一層、効率を高めることが可能である。
【0021】従来の超音波モータでは波長λが長かった
ために、曲率半径rが非常に大きくなり、現実的な大き
さで、このような周回型アクチュエータを実現すること
が不可能であった。櫛形電極により発生する弾性表面波
モータは、従来の超音波モータと類似しているが、周波
数の非常に高い弾性表面波を用いる。これにより、従
来、不可能視されていた高効率周回型弾性表面波モータ
の実現を可能にしたのもであり、その技術的価値はきわ
めて大きい。
【0022】本発明に係る弾性表面波アクチュエータ
は、導波路を進行する弾性表面波によって、移動子を弾
性表面波の進行方向に駆動するアクチュエータとして用
いることができる。さらに、例えば外部に設けられた支
点を中心に、弧を描く運動に変換することも容易であ
る。この場合には移動子は同一直線上を駆動されない。
また、同一面内周回型導波路を用いて、移動子に円周運
動をさせるすることも可能である。ここで、移動子は、
複数の点接触に近い状態で、弾性表面波駆動面と接触し
ていることが望ましい。
【0023】図5は図1〜図4に示した弾性表面波アク
チュエータを、各種精密位置決め装置等に用いた場合の
動作を説明する図である。弾性表面波発生部2によって
発生された1つの弾性表面波により、その進行路の上に
ある移動子4を1周回毎に1回駆動する。この動作を、
駆動周波数に応じて繰り返すことにより、移動子4を弾
性表面波の進行方向aと逆向きbに移動させることがで
きる。この構成によれば、高トルクで、高速移動の可能
な、位置決め精度の優れた位置決め機構を実現すること
ができる。
【0024】弾性表面波発生部2は、1MHz〜数十MHzの
周波数で駆動することが好ましい。1MHzよりも低い駆
動周波数では移動速度が遅く、数十MHzを越える駆動周
波数では、機械的な移動追従が困難で、摩擦が大きく、
信頼性が低下する。
【0025】次に、各部の具体的構成について述べる。
まず、弾性表面波発生部2は、櫛型電極を有する構造の
ものが一般的に採用される。この場合、弾性表面波発生
部2は、偶数個nの櫛型電極A、Bによって構成するこ
とが望ましい。そして、偶数個の櫛型電極A、Bによ
り、位相を空間的、時間的に90度ずらせしたレイリー
波をそれぞれ発生させ、それらを合成することにより、
一方向の進行波を発生させる。例えば、2個の櫛型電極
A、Bを用いた場合について説明すると、櫛型電極A、
Bのそれぞれに対し、時間的に90度の位相差を持つ駆
動電圧を加えた時、その振動はそれぞれ以下の式で示さ
れる。 yA=a・sin(kx)sin(wt) yB=a・cos(kx)cos(wt) なお、2つの櫛形電極間の空間的距離を5/4λ(つま
り櫛形電極Bがπ/2だけ進んでいる)としてある。上
記2つの式を足し合わせると y=yA+yB=a・sin(kxーwt) となり、一方向の進行波が得られる。また時間的なずら
し方を調整することで、櫛形電極に対して左右どちらの
方向にも、一方向の進行波を出すことが可能である。
【0026】図6は2つの櫛型電極A、Bを用いた弾性
表面波発生部2の例を示す。図6に示すように、櫛形電
極A、Bは外部との接続端子となるパッド部21と交差
櫛形電極部22から構成されている。この櫛形電極A、
Bは、圧電体20の上に形成されており、圧電体20は
支持基体3に対し、密着して搭載されている(図4参
照)。この櫛型電極Aのうち最もBに近い一本の電極
と、櫛型電極Bのうち最もAに近い一本の電極との間隔
は、弾性表面波の波長λに関して5/4λである。
【0027】図7は図6に示した2つの櫛型電極A、B
を用いた弾性表面波発生部を駆動する場合の回路構成を
示す図であり、高周波電源5より、パッド部21に電圧
を印加することにより、圧電体20上に弾性表面波を発
生させる。弾性表面波が伝搬される部分には導波路1が
設けられ、櫛形電極A、Bで発生した弾性表面波は導波
路1内を進行し、再び最初に発生した櫛形電極A、Bへ
と戻ってくる。そして更に導波路1内を進む。すなわち
ループとなっている導波路1内を周回する。
【0028】移動子4(図5参照)の移動速度は、高周
波電源5から櫛形電極A、Bに印加される電圧を変える
ことにより、制御することが可能である。これは印加電
圧により、弾性波の振幅が変化する為である。高周波電
源5を連続的に供給するのではなく、間欠的に供給し、
そのオンとオフの時間を変化することが好ましい。すな
わち1つの波が周回するために連続して新たな波を発生
する必要がない。周回を重ねるにつれ次第に減衰する分
を補うだけの波を新規に発生させる。なおこの減衰損失
は0.02〜0.06dB/λ程度である。さらに、弾
性表面波アクチュエータに対する移動子4の接触圧力を
調整することにより、移動速度を制御することも可能で
ある。
【0029】図7に示された弾性表面波発生部におい
て、圧電体20としては、従来より、SAWフィルター
用材料として知られているLiNbO3(以下LN)、LiTa
O3、Bi12GeO20、Bi12SiO20、PZT、ZnO、CdS、Li2GeO3
水晶等の単結晶材料を用いることが可能である。さらに
ZnO、CdS等の圧電薄膜やPbTiO3-PbZrO3-In(LiW)O3系等
の圧電焼結セラミックも使用可能である。
【0030】支持基体3の全体をバルクの圧電体で形成
する、すなわち弾性表面波発生部2、導波路部1分を含
む全てを圧電体によって構成することも可能であるが、
一般に上記の材料は加工性に乏しいことから、端面を曲
面化加工する場合には困難が伴う。このような場合に
は、櫛型電極部分のみを、圧電体20とし、その他の部
分を、高硬度材料、例えばアルミナ等の基板によって構
成し、圧電体20を支持基体3に対して一体化する。前
述した実施例はこのような構成例を示し、圧電体20と
支持基体3とを一体化してある。一体化とは櫛型電極部
分で発生した弾性表面波が圧電体20から支持基体3に
伝搬する際に、反射等による損失を最小限にした状態を
指す。
【0031】具体的には、圧電体20の表面位置と、支
持基体3の表面位置とを一致させると共に、両者20ー
3間の隙間を最小限にする。好ましくは、支持基体3の
一部に凹部を設け、凹部内に圧電体20を埋め込む。圧
電体20と支持基体3との接合には、樹脂接着剤、たと
えば熱硬化性エポキシ樹脂等も使用可能であるが、より
好ましくは、陽極接合や常温接合等を用いる。陽極接合
や常温接合等を用いる場合、圧電体20及び支持基体3
の少なくとも一方の接合面に、金属薄膜を形成し、この
金属膜を利用して接合することも可能である。
【0032】櫛型電極材料として薄膜金属を用いる場合
には、アルミニウム、アルミニウム銅合金、クロム金合
金、チタン金合金等が利用できる。この金属薄膜のパタ
ーンニングは、フォトリソグラフィ手法によりレジスト
マスクを形成した後、不要部分をエッチングすることで
容易に実行できる。エッチングはウェット、ドライの各
種手法が使用可能である。たとえばアルミニウム電極の
場合、ウエット法によるエッチャントとしては、リン
酸、硝酸、酢酸系のものが、エッチ面を滑らかにできる
という理由で好ましい。またドライミリングでは、アル
ゴンによるイオンビームミリングやプラズマエッチング
が使用される。但し、支持基体3に導波路2となるカー
ボン膜を形成した場合には、エッチングにより該カーボ
ン膜がミリングされないような手法、条件が選択され
る。その後、剥離液でレジストマスクを剥離することで
所望の電極パターンが形成される。また、パラジウム等
の導電体ペーストをスクリーン印刷手法を用いて所定の
電極パターンとなるように印刷することによっても、形
成することができる。
【0033】櫛形電極A、Bは、従来から知られている
SAWフィルターの設計手法により容易に設計できる。
例えばLNを基板とした10MHzでの駆動では電極幅1
00μm、ピッチ400μmで電極交差幅が12.5mmで
は電極本数40本程度が好ましい。すなわち交差幅が2
5mmでは電極本数20本となる。
【0034】次に、導波路1は、SAWフィルタ等で従
来より知られている各種の薄膜導波路によって構成でき
る。具体的には、薄膜リボン型導波路、スロット導波路
及びΔv/v導波路等がある。さらには、トポグラフィ
ック導波路として、リッジ型導波路及び溝型導波路が使
用可能である。薄膜リボン型導波路としては、金薄膜が
一般的であり、Cr、Ti、Al等が特に好ましい。ま
たスロット型との組合せで、導波路部分の外部領域に、
アルミナ、イットリア安定化ジルコニア等の高音速誘電
体膜を設けることが可能である。さらに、高音速誘電体
膜を形成することにより、トポグラフィック導波路とし
ての機能も発揮される。またエキシマレーザーやバイト
による機械加工によるトポグラフィック導波路も好まし
い形態の1つである。トポグラフィック導波路の例を図
8及び図9に示す。
【0035】図8において、導波路1は支持基体3の表
面に、互いに間隔W0を隔てて併設された矩形またはV
状等の任意の形状を持つ溝31、32によって画定され
ている。導波路1は支持基体3の表面に前述した薄膜を
付着させることによって形成されている。図9におい
て、支持基体3の表面に突条33を設け、突条33を導
波路1として用いている。突条33の表面に薄膜を形成
できることは前述した通りである。
【0036】さらに、耐久性改善のために、弾性表面波
伝搬面および/または移動子接触面に、従来公知の摺動
特性改善薄膜材料、例えば硬度の高いダイヤモンドや、
特開平2ー15169号に記載されている様なダイヤモンド.
ライク.カーボン膜を用いることがえきる。さらに、移
動子4と弾性波伝搬面(固定子)との間の摺動性改善の
ために、ディプコート法等によりフッ素系潤滑剤を塗布
する等、液体潤滑剤を使用することも可能である。但
し、弾性波の伝達を阻止しないことが重要である。さら
に、高硬度基板及び薄膜上に、さらに、100Å程度の
低硬度膜、例えばアルミニウム、インジウム等を形成す
ることにより、より一層の摺動特性改善が可能である。
【0037】移動子4を駆動する場所およびその近傍の
導波路1の幅W2をそれ以外の部分の導波路1の幅W1
に比べて狭くすることが好ましい。図10にその例を示
す。図10において、移動子4は導波路1のP1ーP2
間を往復で移動する。櫛形電極A、Bにおいて発生した
弾性表面波は、円弧形状の導波路部分P0を経由して、
P1ーP2間に至り、さらに導波路部分P3を通り周回
する。導波路部分P1ーP2間は直線状であり移動子4
は直線駆動される。また導波路部分P1ーP2間および
その近傍の導波路1の幅W2は、それ以外の部分の導波
路1の幅W1に比べて狭い。このため導波路部分P1ー
P2間においては、弾性表面波の振幅が他の部分に比べ
て高くなり、移動子4の駆動特性が向上する。
【0038】移動子4を駆動する場所及びその近傍の導
波路1の幅W2を、それ以外の部分の導波路1の幅W1
に比べて狭くする場合、特に好ましくはW1*0.2<
W2<W1である。前記範囲以下では導波路1の絞り込
みによる弾性表面波の減衰が大きい。導波路1の幅が変
化する部分で、幅を、幅W1から幅W2に徐々に狭くし
ていくことにより、絞り込みによる弾性表面波の減衰を
最小限にできる。これにより、移動子4を駆動する部分
において、弾性表面波の振幅が他の部分に比べて大きく
なり、駆動特性が向上する。この場合において導波路1
の幅の範囲は、広い幅W1が2λ<W1を満たし、狭い
幅W2がW2<100λを満たす必要がある。
【0039】なお本発明においては、櫛形電極を1つの
導波路1中に4個以上の偶数個形成し同期させながら駆
動することも可能である。
【0040】図11は本発明に係る弾性表面波アクチュ
エータの別の実施例を示している。この実施例では、支
持基体3の片面上に、円弧状の導波路100、110が
対向して形成されており、導波路100、110の間
に、2つの弾性表面波発生部210、220が配置され
ている。弾性表面波発生部210において発生した弾性
表面波は、導波路100内を矢印a1の方向に進行し、
弾性表面波発生部220において発生した弾性表面波
は、導波路110内を矢印a2の方向に進行し、弾性表
面波は、全体として、導波路100、110内を周回す
る。弾性表面波発生部210、220は、櫛型電極(A
1、B1)、(A2、B2)が弾性表面波の進行方向a
1、a2と直交するように配置する。この実施例の場合
には、導波路1の最内周部と最外周部の長さが異なるこ
とから、より大きな直径の導波路100、110が好ま
しい。
【0041】この場合、導波路100、110の最内周
部と外周部における音速を変化させることができる。具
体的には、誘電率が異なるいわゆる特性傾斜膜とするこ
とにより、損失低減が可能である。例えば最外周部と最
内周部の長さが3%異なる場合には音速を同様に3%変
化する組成とすることになる。なお、導波路長Lが最内
周部と最外周部で波長に対して実質的に異なる場合には
導波路の中央部のLがL=nλを満たすように設計され
る。この場合には基板端面を曲面化する加工が不要であ
り、通常の薄膜プロセスのみで製作することが可能とな
る。また産業上利用価値の高い回転運動が容易に得られ
る。
【0042】図12は図11に示した弾性表面波アクチ
ュエータを用いた回転装置を示す図、図13は図12に
示した回転装置の斜視図である。弾性表面波アクチュエ
ータ6は固定子として用いられ、移動子4は、軸O1の
周りにおいて矢印bの方向に回転する回転子として用い
られている。移動子4は、小さな振幅の弾性表面波で駆
動することから、点接触に近い接触状態を実現する点状
突起41を、弾性表面波アクチュエータ6と接触する部
分に点在させることが望ましい。上記の点状突起41
は、ルビー、セラミック、鉄等の硬度の高い材料からな
る球体によって構成することが好ましい。
【0043】図14は移動子4の他の実施例を示す平面
図、図15は図14に示した移動子の底面図である。こ
の実施例では、移動子4の弾性表面波アクチュエータ6
と対向する面に、上述した高硬度材料で構成された複数
個kの球体41が、集合体として付着されている。この
ような構造によれば、より大きなトルクを発生すること
が可能である。即ち、k個の接触点があれば、k倍のト
ルクが発生する。例えば1000個の0.1mmφの球体
を用いることが可能である。また全ての球体41が弾性
表面波アクチュエータ6の導波路に接触していない場合
でも、複数個の球体が接触していれば、移動子4を移動
させることができる。
【0044】図16は移動子の他の実施例を示す平面
図、図17は図16に示した移動子の底面図である。こ
の実施例は、球体と同様の点接触を実現する好ましい手
段を開示している。図において、移動子4は、シリコン
により形成された針状の突起42を有する。このような
針状突起42は、シリコン基板に、フォトリソグラフィ
手法により、保護マスクを形成した後、エッチング処理
を行うことで得ることができる。
【0045】本発明において、針状の突起とは、前述の
ように点接触に近い接触条件を実現するための手段であ
る。より具体的には、針状突起の頭頂部の面積が100
0μm2以下、特に好ましくは100μm2以下であれば、
概ね良好な駆動が可能となる。前記範囲以上では接触面
積が大きく、点接触に近いとは言えず、駆動特性が劣化
する。また、突起が設けられている面の全面積の1/1
00以下、特に好ましくは1/1000以下が突起頭頂
部の総面積となることが好ましい。凸部の高さは100
0Å以上が好ましい。また、点状の凸部でなく、2次元
的な帯状の凸部を有する面でも、弾性表面波進行方向に
直角に帯状突起を配置することにより、良好な駆動特性
を得ることが可能である。
【0046】本発明において、駆動面として圧電体以外
の基板を用いる場合には、耐久性向上のために、硬度の
高い基板を用いることが好ましい。例えばアルミナ、ア
ルミチタンカーバード等が好ましい。ジュラルミン等の
高硬度金属も使用可能である。
【0047】さらに耐久性改善のために弾性表面波伝搬
面および、または移動子接触面には従来公知の摺動特性
改善薄膜材料、例えば硬度の高いダイヤモンドや特開平
2ー15169号に記載されている様なダイヤモンド様カーボ
ン膜が用いられる。さらに移動子4と弾性波伝搬面(固
定子)間の摺動性改善のためにフッ素系潤滑剤をディプ
コート法等により塗布する等の液体潤滑剤の使用も可能
であるが、弾性波の伝達を阻止しないことが重要であ
る。さらに公知のように高硬度基板、薄膜上にさらに1
00Å程度の低硬度膜、例えばアルミニウム、インジウ
ム等を形成することにより、より一層の摺動特性改善が
可能である。
【0048】次に、実施例および比較例をあげて説明す
る。 <アクチュエータA:実施例1> (弾性表面波発生部)3インチ径、厚さ1mmのLN基板
を用い、この上に蒸着法により、1800オングストロ
ームの膜厚となるように、アルミニウム膜をLN基板の
全面に成膜した。その後、成膜されたアルミニウム膜の
上にヘキスト社ポジ型フォトレジスト(AZタイプ)を
用いてレジストミリングカバーマスクを形成した。さら
にイオンミリング装置により不要部分のアルミニウムを
除去した後、レジスト剥離を行い所定の櫛形電極をLN
基板上に形成した。櫛型電極のパターンは電極幅100
μm、ピッチ400μmで電極交差幅が8mmでは電極本数
40本とし、2つの櫛型電極間の距離は(5/4)波長
とした。すなわち本アクチュエータは、波長400μ
m、駆動周波数10MHzの設計である。
【0049】(導波路)表面波伝達方向の支持基体の端
面に、r=2mmとなるような曲面加工を施した。そして
更にフォトレジストで保護膜を形成した上で、エキシマ
レーザーを用い、幅200μm、深さ200μmの溝型導
波路を3次元的に形成した。この溝は弾性波伝達方向に
平行に形成した。導波路の幅Wは8mm(すなわち20
λ)、長さは500波長とした。得られた弾性表面波ア
クチュエータをアクチュエータAとする。
【0050】<アクチュエータB:比較例1>弾性表面
波発生部の構成及び形成手段、並びに支持基体端部の曲
面加工はアクチュエータAと同様であるが、導波路を形
成しないアクチュエータBを作製した。導波路を除け
ば、アクチュエータAと同じである。得られた弾性表面
波アクチュエータをアクチュエータBとする。
【0051】<アクチュエータC:比較例2>弾性表面
波発生部の構成及び形成手段、並びに、導波路の形成手
段は、アクチュエータAと同様であるが、導波路及び電
極交差幅の幅W0を0.8mm(すなわち2λ)とした弾
性表面波アクチュエータを作成した。これをアクチュエ
ータCとする。
【0052】<アクチュエータA〜Cの駆動実験>アク
チュエータA〜Cを用い、駆動周波数10MHz、電圧1
00V、電圧オンタイムを1ms一定とし、オフタイムを
変化させながら、直径0.5mmのスチールボール100
個を接触面とした移動子を、櫛形電極と反対面の導波路
上に配置して駆動した。
【0053】アクチュエータAについては、オフタイム
tを1、3、5、10msで駆動させた場合の0.1秒間
の移動距離は、それぞれ3、10、17、32mmであっ
た。
【0054】アクチュエータBについては、オフタイム
tを1、3、5、10msで駆動させた場合の0.1秒間
の移動距離は、それぞれ0.01、0.01、0.0
0、0.01mmであった。アクチュエータAの場合、導
波路を施してあるのに対し、アクチュエータBには、そ
のような導波路を施していないために、波が拡散し、エ
ネルギー効率が低下し、それが移動距離の違いとして現
れたものである。従って、導波路を施すことが必要であ
る。
【0055】アクチュエータCについては、オフタイム
tを1、3、5、10msで駆動させた場合の0.1秒間
の移動距離は、それぞれ0.00、0.01、0.0
2、0.05mmに過ぎなかった。アクチュエータAの場
合、導波路の幅W0が、弾性表面波の波長λとしたと
き、2λ<W0<100λの範囲に入る20λに選定さ
れているのに対し、アクチュエータCにおいては、導波
路の幅W0が前記範囲外である2λに選定されているた
め、エネルギー効率が低下し、移動距離が短くなったも
のである。従って、導波路の幅W0を、弾性表面波の波
長λとしたとき、2λ<W0の範囲に入るように選定す
る必要がある。
【0056】<アクチュエータD:実施例2>厚さ0.
2mmのLN単結晶基板に櫛形電極のみを形成した後に、
ジュラルミン板に熱硬化性エポキシ接着剤で張り付けた
構造の弾性表面波アクチュエータDを試作した。ジュラ
ルミン中での波長は0.3mmと変化するが、導波路長の
長さは308波長と整数倍となるように調整した。導波
路はLN基板にはエキシマレーザーを用い、ジュラルミ
ンの支持基体上には機械的バイト加工を用い、上記と同
様の形状、寸法で形成した。
【0057】駆動実験において、オフタイムtを1、
3、5、10msで駆動させた場合の0.1秒間の移動距
離はそれぞれ0.2、1.0、1.2、3.5mmであっ
た。接着剤部分による波の吸収の為にアクチュエータA
と比べると低い駆動能力となったが、実際に駆動するが
確認された。
【0058】<アクチュエータE:比較例3>弾性表面
波発生部の構成及び形成手段、並びに、導波路の構成及
び形成手段はアクチュエータDと同様であるが、導波路
の幅W0を3cm、すなわちW=100λとしたアクチュ
エータEも製作し、アクチュエータDと同様の手段によ
って駆動したが、駆動は確認されなかった。
【0059】<アクチュエータF:実施例3>厚さ1m
m、3インチ直径のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)基
板上に中心径57.3mm、幅5mmのドーナツ型導波路を
有する弾性表面波アクチュエータFを作成した。波長λ
は400μmであるため、導波路幅W=5mmは12.5
λ、導波路の中心長さは450λとなる。すなわち、図
11に示したように、180度異なる位置に2組の櫛形
電極を設け、周波数10MHzにて駆動した。導波路部分
には、高音速材料として、高度の高いアルミナ膜を10
μm厚で成膜し、導波路の内周部と外周部には、機械的
なバイト加工により深さ400μm、幅1mmの溝を設け
た。
【0060】移動子としては、厚さ0.5mmのシリコン
基板をフォトレジストによりパターニングを施した後、
水酸化カリウム溶液中でエッチング処理を行い、部分的
に20個/mm2の針状突起を有する状態とした。突起の
高さは約5μmであった。
【0061】また、エッチング条件を変化させ、部分的
に100個/mm2の突起を有する状態とした。突起の高
さは約2μm、頭頂部は約2μmφの円形であった。頭頂
部面積は3.1μm2であり、単位面積当たりの頭頂部総
面積割合は0.314/1000である。
【0062】このシリコン基板を5mm厚のガラスに接着
した後、固定子上に荷重1kgをかけながら密着したと
ころ、駆動電圧を変化させることにより、0.01〜3
0回転/秒の速度にて回転運動することが確認された。
なお実際には回転運動ではなく30度のみの回転の往復
運動とし櫛形電極部の損傷がないように駆動した。
【0063】<アクチュエータG:比較例4>移動子と
して、アクチュエータFと同様の工程にて、多数の突起
を有するシリコン基板を用いた。但し、エッチング条件
を変化させ、部分的に100個/mm2の針状突起を有し
ていて、突起の高さ約2μm、頭頂部40μmφの円形と
したアクチュエータGを作製した。頭頂部面積は125
6μm2であり、単位面積当たりの頭頂部総面積割合は1
25/1000である。
【0064】アクチュエータGでは、アクチュエータF
とは異なり、移動子を駆動することができなかった。
【0065】<アクチュエータH〜K:実施例5〜8>
アクチュエータFと同じ手法にて、2cmの直線部2本
と、直径1.5cmの半円状部分とを組み合わせた図10
に示す形状の弾性表面波アクチュエータを作成した。そ
して、移動子駆動部分およびその近傍の導波路の幅W2
を変え、それ以外の部分の導波路の幅W1を一定とした
数種類の弾性表面波アクチュエータを作成した。すなわ
ち、W1=6mm固定とし、W2=6mm(アクチュエータ
H)、W2=3mm(アクチュエータI)、W2=1.5
mm(アクチュエータJ)、W2=1.0mm(アクチュエ
ータK)とした。アクチュエータFと同じ手法にて形成
した多数の針状突起を有する1mm角のシリコン基板を用
い、周波数10MHzにて駆動した。電圧オンタイムを1m
s、オフタイム10msで駆動した場合、0.1秒間の移
動距離は、アクチュエータH、I、J、Kでそれぞれ3
5、50、40、10mmであった。
【0066】この結果から本発明の効果は明確である。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
ネルギー効率に優れた弾性表面波アクチュエータを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波アクチュエータの平面
図である。
【図2】図1に示した弾性表面波アクチュエータの正面
図である。
【図3】図1に示した弾性表面波アクチュエータの底面
図である。
【図4】図1の4ー4線に沿った断面図である。
【図5】図1〜図4に示した弾性表面波アクチュエータ
を、各種精密位置決め装置等に用いた場合の動作を説明
する図である。
【図6】2つの櫛型電極を用いた弾性表面波発生部の例
を示す図である。
【図7】図6に示した2つの櫛型電極を用いた弾性表面
波発生部を駆動する場合の回路構成を示す図である。
【図8】トポグラフィック導波路の例を示す斜視図であ
る。
【図9】トポグラフィック導波路の別の例を示す斜視図
である。
【図10】本発明に係る弾性表面波アクチュエータの別
の例を示す平面図である。
【図11】本発明に係る弾性表面波アクチュエータの更
に別の例を示す平面図である。
【図12】図11に示した弾性表面波アクチュエータを
用いた回転装置を示す図である。
【図13】図12に示した回転装置の斜視図である。
【図14】移動子の他の例を示す平面図である。
【図15】図14に示した移動子の底面図である。
【図16】移動子の他の実施例を示す平面図である。
【図17】図16に示した移動子の底面図である。
【符号の説明】
1 導波路 2 弾性表面波発生部 3 支持基体 4 移動子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの導波路と、少なくとも
    1つの弾性表面波発生部と、支持基体とを含む弾性表面
    波アクチュエータであって、 前記導波路は、弾性表面波のための画定された周回路を
    構成するように備えられ、前記弾性表面波の波長をλと
    したとき、幅W0が 2λ<W0<100λ を満たしており、 前記弾性表面波発生部は、前記周回路中に配置され、前
    記弾性表面波を一方向に発生させるものであり、 前記支持基体は、前記導波路及び前記弾性表面波発生部
    を支持している弾性表面波アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された弾性表面波アクチ
    ュエータであって、 前記導波路は、前記支持基体の同一平面内に形成されて
    いる弾性表面波アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された弾性表面波アクチ
    ュエータであって、 前記導波路は、前記支持基体の表面、一側面、裏面及び
    他側面を順次に通過する3次元的周回路を構成する弾性
    表面波アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3の何れかにに記載され
    た弾性表面波アクチュエータであって、 前記支持基体は、圧電体でなり、 前記弾性表面波発生部は、前記支持基体に櫛型電極を形
    成してなる
  5. 【請求項5】 請求項2または3の何れかにに記載され
    た弾性表面波アクチュエータであって、 前記支持基体は、圧電体とは異なる部材でなり、 前記弾性表面波発生部は、前記支持基体に取り付けられ
    ている弾性表面波アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載された弾性表面波アクチ
    ュエータであって、 前記支持基板は、前記弾性表面波の進行方向で見た端部
    が曲面となっている弾性表面波アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された弾性表面波アクチ
    ュエータであって、 前記曲面の曲率半径rは、r≧nλ(nは整数)を満た
    す弾性表面波アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載された弾性表面波アクチ
    ュエータであって、前記曲面の曲率半径rは、周回ルー
    プ長をLとしたとき、L=nλ(nは整数)を満たす弾
    性表面波アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載された弾性表面波アクチ
    ュエータであって、 移動子との組み合わせを含み、 前記導波路は、少なくとも一部が、前記移動子を駆動す
    る駆動部分として用いられる弾性表面波アクチュエー
    タ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載された弾性表面波アク
    チュエータであって、 前記導波路は、前記駆動部分よびその近傍部分の幅W2
    が、それ以外の部分の幅W1よりも狭い弾性表面波アク
    チュエータ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載された弾性表面波ア
    クチュエータであって、 前記導波路は、前記幅W1、W2が、 W1*0.2<W2<W1 を満たす弾性表面波アクチュエータ。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載された弾性表面波アク
    チュエータであって、 前記移動子は、前記駆動部分と接触する面に、複数の突
    起を有しており、 前記突起は、頭頂部の面積が1000μm2以下である
    性表面波アクチュエータ。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載された弾性表面波ア
    クチュエータであって、 前記複数の針状突起は、シリコンによりなる弾性表面波
    アクチュエータ。
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