JP3741875B2 - 自走式弾性表面波モータ - Google Patents

自走式弾性表面波モータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走式弾性表面波モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から弾性表面波モータは、高速、高推力、高速応答な小型リニアモータとして期待され、優れた動作特性が実現されている。移動速度としては、1m/秒以上が実現しており、極めて大きな推力を発生できるということが実験で示されている。この弾性表面波モータは、厚さ数mmでアクチュエータを実現することができ、薄型で推力が大きな高速応答が可能なモータである。
【0003】
これまでは、弾性表面波モータのステータ振動子に進行波を励振して、ステータ振動子上のスライダーを移動子として用いるモータが提案されてきた。例えば、本願発明者によって既に提案されている弾性表面波モータ(特願平9−304068号)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した弾性表面波モータは、スライダーの移動距離がステータ振動子の寸法で決まってしまい、移動範囲の制限が大きいことと、様々なアクチュエータへの応用に制限があること、また、運動の自由度としては、平面内の一次元か二次元の運動に限られているなどの問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を除去し、弾性表面波モータを自走式とすることにより、振動子の大きさに制限されていた移動距離の制約を取り除くとともに、各種の移動を実現することができる自走式弾性表面波モータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
平板状のステータと、このステータ上にセットされ、弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、この移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備する自走式弾性表面波モータであって、前記移動用素子と前記駆動用素子とが別体の素子からなり、両者の一方向性電極間を電線で接続するようにしたものである。
【0007】
平板状のステータと、このステータ上にセットされ、弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、この移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備する自走式弾性表面波モータであって、前記移動用素子と前記駆動用素子とが一体化され、両者の一方向性電極間を配線で接続するようにしたものである。
【0008】
平板状のステータと、このステータ上にセットされ、弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、この移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備する自走式弾性表面波モータであって、前記移動用素子と前記駆動用素子とが単一の基板からなり、両者の一方向性電極間を配線で接続するようにしたものである。
【0009】
〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は一軸方向へ移動可能に構成したものである。
【0010】
〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は二軸方向へ移動可能に構成したものである。
【0011】
〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は回転可能に構成したものである。
【0012】
〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子の前記ステータへの接触面に形成される摩擦駆動面を具備するようにしたものである。
【0013】
〕上記〔〕記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記摩擦駆動面は複数の突起群からなる。
【0014】
〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は、前記ステータへの接触面にエネルギー補填用櫛型電極と振動を電力に変換する一方向性電極とを具備するようにしたものである。
【0015】
10〕自走式弾性表面波モータにおいて、V溝を有するステータと、このステータ上にセットされ、前記V溝に嵌まるV突起を有する弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、この移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図、図2はその自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図であり、図2(a)はその自走式弾性表面波モータの移動子の平面図、図2(b)はその自走式弾性表面波モータの移動子の正面図、図2(c)はその自走式弾性表面波モータの移動子の側面図、図3はその自走式弾性表面波モータの駆動用素子の構成図であり、図3(a)はその自走式弾性表面波モータの駆動用素子の平面図、図3(b)はその自走式弾性表面波モータの駆動用素子の接続を示す斜視図である。
【0018】
図3に示すように、駆動用素子(基板)1には、その内側には外部電源であるEO sinωt,EO cosωtが接続されるエネルギー補填用櫛型電極(IDT)3,4が配置され、その外側には外部電源に接続されない電気・機械変換を行う一方向性電極(IDT)5,7:6,8が配置されている。ここで、この一方向性電極には変換素子としての櫛型電極(IDT)5,6とそれらの外側に配置される反射電極7,8を含んでいる。
【0019】
一方、図2に示すように、移動子(基板)21の中央部に摩擦駆動面23が形成され、その外側には、前記した駆動用素子(基板)1の一方向性電極の櫛型電極(IDT)5,6に一方向性電極の櫛型電極(IDT)24,25が接続される。つまり、一方向性電極の櫛型電極(IDT)5,6の電線9,10と一方向性電極の櫛型電極(IDT)24,25の電線28,29で接続される。また、最も外側には一方向性電極の反射電極26,27が配置されている。
【0020】
なお、図1において、30は平面が形成される自走式弾性表面波モータのステータである。このステータは制限無く広く設定することができる。ここで、移動子21の摩擦駆動面23は、スパッタ等を用いて絶縁膜もしくは金属膜などを着け、摩擦駆動面23が一方向性電極(IDT)24,26:25,27よりも高くなるようにする。
【0021】
このように構成することにより、移動子21を圧力付与手段(バネ)によりステータ30に押し付けた時、一方向性電極(IDT)24,26:25,27は接触せずに、摩擦駆動部23のみがステータ30の平面と接することになり、図1に示すように、自走式弾性表面波モータとしての動作を実現することができる。
【0022】
なお、この実施例では、駆動用素子1と移動子21は別体となっており、例えば、駆動用素子1は移動子21とは別の位置に固定するようにしているが、移動子21の上に駆動用素子1を搭載して一体化した自走式弾性表面波モータに構成するようにしてもよい。その場合には、表面側に設けられる駆動用素子の主要部分を避けた周辺部分をバネなどにより押さえて、移動子21を介してステータ30に対して圧力を付与するようにする。
【0023】
上記した自走式弾性表面波モータは、厚さ1〜2mm程度以下、幅数mm〜数cm程度の寸法で実現することができる。
【0024】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0025】
図4は本発明の第2実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図、図5はその自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図であり、図5(a)はその自走式弾性表面波モータの移動子の正面図、図5(b)はその自走式弾性表面波モータの平面図、図5(c)はその自走式弾性表面波モータの側面図、図5(d)はその自走式弾性表面波モータの裏面図である。
【0026】
この実施例では、移動子101(基板)の表面側の内側には、外部電源であるEO sinωt,EO cosωtが接続されるエネルギー補填用櫛型電極(IDT)103,104が配置され、その外側に、外部電源に接続されない一方向性電極(IDT)105,107:106,108が配置されている。つまり、一方向性電極として、櫛型電極(IDT)105,106と、それらの外側に接続される反射電極107,108が配置されている。
【0027】
一方、基板101の裏面側の中央部には摩擦駆動面109が形成され、その外側に前記した表面に搭載された一方向性電極の櫛型電極(IDT)105,106にスルホール114,115,116,117を介して接続される一方向性電極の櫛型電極(IDT)110,111が配置され、最も外側に一方向性電極の反射電極112,113が配置されている。なお、図4において、121は平面状の自走式弾性表面波モータのステータであり、このステータ121は制限無く広く設定することができる。
【0028】
このように構成したので、ステータ121上で移動子101を制限無く広範囲に駆動させることができる。また、ステータを長尺にすることにより、移動子を長い距離駆動させることができる。
【0029】
従来は弾性表面波の基板の大きさ(最大で10cm)の半分程度の移動距離しかとれなかったが、本発明によれば、数10cmの移動が可能となる。この方法では、弾性表面波素子が移動子となることができるだけでなく、移動子を固定子よりも長尺とすることが可能であり、移動距離の制約が取り除かれる。
【0030】
この自走式弾性表面波モータは、利用分野として次のようなものが上げられる。
【0031】
(1)情報端末(磁気/光磁気記憶装置、カメラ、ビデオ等)
(2)科学機器(測定装置など)
(3)製造装置(半導体関連、その他)
(4)自走式リニアモータ
図6は本発明の自走式弾性表面波モータの移動子の摩擦駆動面の変形例を示す図であり、図6(a)はその摩擦駆動面の側面図、図6(b)はその摩擦駆動面の平面図である。
【0032】
この例では、第2実施例に示す摩擦駆動面109を、複数の突起109Aを有する表面形状とすることにより、効率よく大きな摩擦力を取り出すことができる。摩擦駆動部109の全体の面積を5mm角とすると、10N程度の力を取り出すことができ、無負荷時の速度は1m/sec以上となる。移動可能な範囲は、用意できる平坦なガイド面の長さで決まる。
【0033】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0034】
図7は本発明の第3実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図、図8はその自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図であり、図8(a)はその自走式弾性表面波モータの移動子の正面図、図8(b)はその自走式弾性表面波モータの表面図、図8(c)はその自走式弾性表面波モータの側面図、図8(d)はその自走式弾性表面波モータの裏面図、図9はその自走式弾性表面波モータの駆動用素子の電極構造を示す図である。
【0035】
図9に示すように、駆動用素子(基板)11には、その内側には外部電源であるEO sinωt,EO cosωtが接続されるエネルギー補填用櫛型電極(IDT)3,4が配置され、その外側には外部電源に接続されない電気・機械変換を行う一方向性電極(IDT)5,7:6,8が配置される。ここで、この一方向性電極には変換素子としての櫛型電極(IDT)5,6とそれらの外側に配置される反射電極7,8を含んでいる。
【0036】
一方,移動子側は、図8に示すように、201は移動子(基板)、202は摩擦駆動面、203,204は前記した一方向性電極の櫛型電極(IDT)5,6が電線9,10などによって接続される一方向性電極の櫛型電極(IDT)、205,206は最も外側に配置される一方向性電極の反射電極である。
【0037】
また、これとは直角方向に、前記した一方向性電極(IDT)5,6が電線9,10などによって接続される一方向性電極の櫛型電極(IDT)207,208が、その外側には一方向性電極の反射電極209,210が配置されている。
【0038】
このように、移動子201の裏面にはXとYの二方向への一方向性電極が配置されるので、図7に示すように、移動子201をXとYの二方向へ移動させることができる自走式のリニアモータが実現される。
【0039】
なお、図7において、212は移動子201がセットされるステータである。
【0040】
次に、本発明の第4実施例について説明する。
【0041】
図10は本発明の第4実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図、図11はその自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図であり、図11(a)はその自走式弾性表面波モータの移動子の正面図、図11(b)はその自走式弾性表面波モータの表面図、図11(c)はその自走式弾性表面波モータの側面図、図11(d)はその自走式弾性表面波モータの裏面図である。
【0042】
図11において、301は基板(移動子)、302,303,304,305は摩擦駆動面、306,307,310,311,314,315,318,319は一方向性電極の櫛型電極(IDT)、308,309,312,313,316,317,320,321は一方向性電極の反射電極である。
【0043】
上記した一方向性電極の櫛型電極には、図示しないが、図9と同様の駆動素子が設けられ、各一方向性電極の櫛型電極(IDT)306,307:310,311:314,315:318,319に電線等により接続される。
【0044】
そこで、例えば、一方向性電極の櫛型電極(IDT)306,307と310,311間に互いに逆方向の進行波を発生させると、予圧が付与された移動子301の中心点を中心にして、図10に示すように、回転トルクが生じて移動子301を回転させることができる。なお、図10において、331はステータである。
【0045】
このように、一方向電極である櫛型電極を4組〔(306,307)、(310,311)、(314,315)、(318,319)〕として、隣合う組(A−A′、B−B′:C−C′、D−D′)で逆向きの進行波を励振することで移動子301を回転させることもできる。
【0046】
次に、本発明の第5実施例について説明する。
【0047】
図12は本発明の第5実施例を示す弾性表面波素子の電極構造を示す図であり、図12(a)はその弾性表面波素子の正面図、図12(b)はその弾性表面波素子の表面図、図12(c)はその弾性表面波素子の側面図、図13はその弾性表面波素子の要部拡大表面図である。
【0048】
これらの図において、401は弾性表面波素子、402,403,404は外部電源であるEO sinωtが接続されるエネルギー補填用櫛型電極(IDT)、405,406,407は外部電源であるEO cosωtが接続されるエネルギー補填用櫛型電極(IDT)、408,409は外部電源に接続されない一方向性電極の櫛型電極、410,411は一方向性電極の反射電極、412はエネルギー補填用櫛型電極(IDT)402〜407上に形成される摩擦駆動面である。
【0049】
圧電材料のコストの問題から、弾性表面波素子はなるべく小さくすることが重要である。また、アクチュエータの応答性を高める必要から、弾性波の伝搬路は短くする必要がある。
【0050】
以上の要求から、摩擦駆動面412とエネルギー補填用櫛型電極(IDT)402〜407を一緒に形成することは、極めて効果的である。
【0051】
このように構成することにより、図14に示すように、ステータ415上に予圧より接触するコンパクトな移動子を提供することができる。
【0052】
また、この移動子の場合、上面は予圧を付与する以外は何ら自走モータの部分を形成する必要がないので、計測すべき試料面や搬送部品を搭載する搭載面として用いることができる。特に、搬送部品を搭載すると移動子に下方の予圧を付与することができるので有利であり、簡素で、小型な弾性表面波素子を構成することができる。
【0053】
より詳細に電極構造を示すと、図13に示すように、エネルギー補填用型形電極(IDT)402,403,404は外部電源であるEO sinωtが接続され、エネルギー補填用櫛型電極(IDT)405,406,407は外部電源であるEO cosωtが接続され、櫛型電極ピッチbはλ(波長)/2、櫛型電極幅aはλ(波長)/4である。
【0054】
更に、図15に示すように、ウエハ421の裏面に弾性表面波素子を形成することにより、ウエハ421を移動子となし、微小移動させながら、加工や処理を行わせるようにしてもよい。なお、図15において、425はステータである。
【0055】
特に、レイリー波の励振を短い時間で定常状態の振動振幅に持っていくには、伝搬経路を短くして、駆動電極が分布した構造が有利である。そのため駆動電極は、図1〜図11に示したように、2相の駆動電極(励振電極)が分かれているのではなく、一体となった構成として摩擦駆動部の下部に分布していることが好ましい。
【0056】
このように構成することにより、振動励振が早くなり、モータの過渡応答特性も改善することができる。
【0057】
次に、本発明の第6実施例について説明する。
【0058】
図16は本発明の第6実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図、図17はその要部断面図である。
【0059】
これらの図に示すように、ステータ501にはV溝502が形成されており、一方、移動子504には、上記したV溝502に嵌まるように形成されたV突起505が形成されている。そして、V突起505には第5実施例で示した進行波を生成する弾性表面波素子をステータに対して対向するように固定して、ステータ501に対してV溝502に沿って駆動されるようにしている。
【0060】
このように構成したので、移動子504に働く重力Nと、ステータ501に働く予圧N′の関係は、図18に示すようになる。つまり、Nが小さくても、θを小さくすることで、予圧N′=N/2sinθを大きくすることができる。予圧N′を大きくすることで、モータの推力を大きくとることができる。
【0061】
また、弾性表面波素子をステータ501に固定するようにしてもよい。そのようにすると、また、ステータ501に対して、弾性表面波素子を要しない移動子を種々搭載することにより、移動させることができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0063】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0064】
(A)弾性表面波型モータを自走式とすることにより、振動子の大きさに制限されていた移動距離の制約を取り除くとともに、1つの素子でX−Y2軸方向への動きや回転を実現することができる。
【0065】
(B)移動子の裏面に、XとYの2方向への一方向性電極を配置することにより、移動子をXとYの2方向へ移動させることができる。
【0066】
(C)一方向電極である櫛型電極を4組として、隣合う組で逆向きの進行波を励振することにより、移動子を回転させることもできる。
【0067】
(D)摩擦駆動面とエネルギー補填用櫛型電極を一緒に形成することにより、コンパクトな移動子を提供することができる。
【0068】
(E)素子の片面に弾性表面波素子を構成するようにしたので、弾性表面波素子の上面には、搬送部品を搭載すると移動子に下方の予圧を付与することができるので有利であり、簡素で、小型な弾性表面波素子を構成することができる。
【0069】
(F)ステータにV溝、移動子にV突起を設けて、互いに嵌合させ、そのV突起又はV溝に弾性表面波素子を設けるようにしたので、移動子に働く重力Nが小さくても、V溝の形成角度θを小さくすることで予圧を大きくすることができる。予圧を大きくすることで、モータの推力を大きくとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図である。
【図2】 本発明の第1実施例を示す自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図である。
【図3】 本発明の第1実施例を示す自走式弾性表面波モータの駆動用素子の構成図である。
【図4】 本発明の第2実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図である。
【図5】 本発明の第2実施例を示す自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図である。
【図6】 本発明の自走式弾性表面波モータの移動子の摩擦駆動面の変形例を示す図である。
【図7】 本発明の第3実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図である。
【図8】 本発明の第3実施例を示す自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図である。
【図9】 本発明の第3実施例を示す自走式弾性表面波モータの駆動用素子の電極構造を示す図である。
【図10】 本発明の第4実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図である。
【図11】 本発明の第4実施例を示す自走式弾性表面波モータの移動子の電極構造を示す図である。
【図12】 本発明の第5実施例を示す弾性表面波素子の電極構造を示す図である。
【図13】 本発明の第5実施例を示す弾性表面波素子の要部拡大表面図である。
【図14】 本発明の第5実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図(その1)である。
【図15】 本発明の第5実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図(その2)である。
【図16】 本発明の第6実施例を示す自走式弾性表面波モータの模式図である。
【図17】 本発明の第6実施例を示す自走式弾性表面波モータの要部断面図である。
【図18】 移動子に働く重力と、ステータに働く予圧の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1,11 駆動用素子(基板)
3,4,103,104,402,403,404,405,406,407 エネルギー補填用櫛型電極(IDT)
(5,7:6,8)(24,26:25,27)(105,107:106,108) 一方向性電極(IDT)
5,6,24,25,105,106,110,111,203,204,207,208,306,307,310,311,314,315,318,319,408,409 一方向性電極の櫛型電極(IDT)
7,8,26,27,107,108,112,113,205,206,209,210,308,309,312,313,316,317,320,321,410,411 一方向性電極の反射電極
9,10,28,29 電線
21,101,201,301,504 移動子
23,109,202,302,303,304,305,412 摩擦駆動面
30,121,212,331,415,425,501 ステータ(ステージ)
109A 複数の突起
114,115,116,117 スルホール
401 弾性表面波素子
421 ウエハ
502 V溝
505 V突起

Claims (10)

  1. 平板状のステータと、該ステータ上にセットされ、弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、該移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備する自走式弾性表面波モータであって、前記移動用素子と前記駆動用素子とが別体の素子からなり、両者の一方向性電極間を電線で接続してなることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  2. 平板状のステータと、該ステータ上にセットされ、弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、該移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備する自走式弾性表面波モータであって、前記移動用素子と前記駆動用素子とが一体化され、両者の一方向性電極間を配線で接続してなることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  3. 平板状のステータと、該ステータ上にセットされ、弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、該移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備する自走式弾性表面波モータであって、前記移動用素子と前記駆動用素子とが単一の基板からなり、両者の一方向性電極間を配線で接続してなることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  4. 請求項1、2又は3記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は一軸方向へ移動可能に構成されることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  5. 請求項1、2又は3記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は二軸方向へ移動可能に構成されることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  6. 請求項1、2又は3記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は回転可能に構成されることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  7. 請求項1、2又は3記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子の前記ステータへの接触面に形成される摩擦駆動面を具備することを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  8. 請求項記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記摩擦駆動面は複数の突起群からなることを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  9. 請求項1、2又は3記載の自走式弾性表面波モータにおいて、前記移動子は、前記ステータへの接触面にエネルギー補填用櫛型電極と振動を電力に変換する一方向性電極とを具備することを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
  10. 溝を有するステータと、該ステータ上にセットされ、前記V溝に嵌まるV突起を有する弾性表面波を励振して自走する弾性表面波素子を有する移動子と、該移動子を介して前記ステータに対して圧力を付与する手段とを備え、前記移動子はエネルギー補填用櫛型電極からのエネルギー供給により、振動を電力に変換する一方向性電極を有する移動用素子と、前記エネルギー補填用櫛型電極と一方向性電極を有する駆動用素子とを具備することを特徴とする自走式弾性表面波モータ。
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