JPH10295786A - 過酸化水素消毒装置 - Google Patents

過酸化水素消毒装置

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JPH10295786A
JPH10295786A JP9104310A JP10431097A JPH10295786A JP H10295786 A JPH10295786 A JP H10295786A JP 9104310 A JP9104310 A JP 9104310A JP 10431097 A JP10431097 A JP 10431097A JP H10295786 A JPH10295786 A JP H10295786A
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hydrogen peroxide
neutralization
disinfection
contact lens
neutralizing
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JP9104310A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Wada
政勝 和田
Kenji Fukunaga
健二 福永
Kyoko Takahashi
京子 高橋
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化水素によるコンタクトレンズ等の消毒
とその後の中和を、より簡単な作業で連続して確実に行
えるようにする。 【解決手段】 過酸化水素水溶液を収納する消毒槽16
の中へ、コンタクトレンズの消毒開始後所定時間を経て
から中和片17の中和部(触媒)17bを浸漬させるよ
うに、スイッチ14の操作から所定時間後にタイマーに
よりモータを起動して、中和片17を変位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過酸化水素による
消毒を行う消毒装置に関し、特に、コンタクトレンズ、
その中でも取り分けソフトコンタクトレンズを消毒した
後に、使用した過酸化水素を中和するように構成された
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズのうち、特に含水特性
を有するソフトコンタクトレンズは、継続して使用する
うちにレンズの表面や内部に細菌などが繁殖しやすいた
め、定期的に消毒洗浄する必要がある。従来より行われ
ているコンタクトレンズ消毒方法には、大別して、煮沸
消毒等の加熱消毒方法と、殺菌剤を用いる化学消毒方法
とがあり、化学消毒方法では、殺菌剤として過酸化水素
が広く用いられている。
【0003】殺菌剤として過酸化水素を使用する場合に
は、コンタクトレンズの殺菌消毒を過酸化水素により十
分に行うようにする一方で、消毒後はコンタクトレンズ
の表面や内部に残留した過酸化水素を分解して無毒化
(中和)する必要がある。これは、コンタクトレンズに
過酸化水素が残留していると、わずかな量でも目に障害
をもたらすおそれがあるからである。このため、従来
は、コンタクトレンズを消毒した後に生理食塩水で濯い
だり、各種の還元剤、金属触媒、酵素触媒などを用いた
りして、過酸化水素を中和するようにしている。
【0004】これらの中和方法の中では、金属触媒を用
いる方法は、通常、白金等の過酸化水素分解能を有する
金属を、ステンレス鋼、カーボン、アルミナ、プラスチ
ック材料などからなる担体に担持させた形態になってい
る。
【0005】これらの触媒を用いる方法においては、過
酸化水素水溶液にコンタクトレンズを浸して消毒を終え
た後に触媒を投入して中和する手順を取ること、つまり
消毒工程と中和工程とを順を追って行うことが一般的で
ある。例えば、バーンズハインド社のコンセプトFシス
テムは、容器の蓋を回すのに連動するコンタクトレンズ
ホルダーにコンタクトレンズを装着し、このコンタクト
レンズを過酸化水素水に浸した状態で蓋を回して洗浄効
果を得るようにしたシステムであり、コンタクトレンズ
を洗浄後約10分間放置した後、容器内の過酸化水素水
を捨てて中和剤(チオ硫酸ナトリウム)を入れていった
ん濯ぎ、さらにもう一度チオ硫酸ナトリウムを入れて約
6時間放置するという方法を取っている。しかし、使用
者が消毒や中和時間を正確に待たなかったりして作業を
手順どおりに行わなかった場合は、消毒や中和が不十分
になるおそれがあった。また、過酸化水素水を捨てる作
業において、過酸化水素水が手指にかかるなど安全面に
も問題があった。
【0006】これに対して、より簡便な方法として、過
酸化水素水溶液にコンタクトレンズを浸す際に触媒を同
時に投入して、一回の作業で消毒と中和を行うようにす
る方法も検討されている。しかし、この方法において
は、触媒の投入量に関して以下のような問題があった。
つまり、市販されている金属触媒(例えばCIBA VisionC
orp.製の、フエニレンオキシドポリマーからなる担体に
白金黒を担持させた触媒(例えば商品名で表すと「AODI
SKCatalyst」等))は、消毒工程の最初から投入するの
で、初期の過酸化水素分解速度が大きくなり過ぎて、消
毒に必要な過酸化水素を短時間のうちに分解してしま
い、コンタクトレンズの消毒が不十分になりやすいとい
う問題である。なお、これに対して初期の過酸化水素分
解速度を小さくするために触媒の使用量を減らすと、中
和工程が終わっても過酸化水素が残留してしまい、コン
タクトレンズを使用したときに眼に刺激を与えることに
なってしまう。
【0007】一方、特開平6−7414号公報に記載さ
れているように、過酸化水素水の中和剤として用いる白
金を、コンタクトレンズの上部と下部で別々に位置調整
可能に配置することによって、過酸化水素の触媒反応の
速度を調節してその濃度をより長期間にわたって高いレ
ベルに維持しようとする場合や、さらには過酸化水素の
濃度を長期間高いレベルに維持した後に眼に影響のない
レベルまで急激に下げようとする場合もあるが、その場
合、装置が複雑になり、しかも使用者が決められた量の
過酸化水素水を入れなかったり、過酸化水素水を決めら
れた量より多く入れ過ぎたりした場合には、やはり過酸
化水素の分解速度を予定通りに調整できなくなってしま
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、
消毒工程と中和工程を順に行うようにした場合は、使用
者が作業を手順どおりに進めずに消毒と中和が不十分に
なってしまうおそれがあり、消毒工程と中和工程を同時
に行うようにした場合は、触媒の投入量の関係で消毒や
中和が不十分になるおそれがあった。したがって、本発
明の解決すべき技術的課題は、過酸化水素によるコンタ
クトレンズ等の消毒とその後の中和を、より簡単な作業
で連続して確実に行える装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上述の技術
的課題を解決するため、本発明に係る過酸化水素消毒装
置は、過酸化水素水溶液を収納する消毒槽と、過酸化水
素中和剤を保持するとともに該中和剤を過酸化水素水溶
液に対する非浸漬位置から浸漬位置へ変位させ得る保持
手段と、中和剤を非浸漬位置から浸漬位置へ移動させる
ように保持手段を駆動する駆動手段と、消毒対象物の消
毒開始後所定時間を経てから中和剤を非浸漬位置から浸
漬位置へ移動させるべく駆動手段を起動するタイマー手
段とを備えたことを特徴としている。なお、保持手段
は、金属触媒を用いる場合は中和剤を保持したまま過酸
化水素内に投入するように構成でき、粉末や液体の中和
剤を用いる場合は保持していた中和剤を離して過酸化水
素水溶液中に投入するように構成できる。
【0010】上記構成において、過酸化水素水溶液は、
過酸化水素を0.1%から30%程度含有するものを用
いることが可能であるが、含有量は特に3%程度にする
と安全上及び消毒作用上望ましい。この溶液には、洗浄
効果を持たせるため、また、殺菌の際にレンズや菌と過
酸化水素水の接触性をよくするため、界面活性剤を含ま
せてもよい。さらに、洗浄効果をより高めるために、リ
パーゼやプロテアーゼなどの、洗浄を助けるか司る酵素
などその他の成分を含ませるとよい。また、この溶液に
は、浸透圧やpHを調整するために、各種の塩を含ませ
ることができる。塩の種類としては、食塩、燐酸ナトリ
ウム、ホウ酸、硼砂など、一般に目薬に使用したりコン
タクトレンズ洗浄剤、消毒剤などに含ませているものを
使用することができる。
【0011】使用される中和剤は、分解速度を調節する
重要な要素であって、固体と液体の両者があり、固体触
媒には金属と酵素がある。金属の場合、種々の触媒の活
性は、単位表面積当たり高い分解速度を示すPtから、
過酸化水素を中和するには分解速度の少し低いAuま
で、単位表面積当たりの過酸化水素水の分解速度が大き
い方から順に、Pt,Os,In,Pd,Ru,Rh,
Auなどがあり、これらの触媒を適宜選択して使用すれ
ばよい。また、酵素には、パーオキシダーゼ、カタラー
ゼ等が含まれる。液体中和剤には、チオ硫酸ナトリウム
などを用いることができる。
【0012】中和剤は、パーオキシダーゼ、チオ硫酸ナ
トリウム、または白金、パラジウム等の遷移金属に限定
されず、活性炭、酸化鉄、酸化マンガン、酸化チタン触
媒立子のような化合物を含む。パーオキシダーゼ、チオ
硫酸ナトリウムは、粉末、錠剤、その他の形態で使用す
ることも可能である。また、白金、パラジウム等の金属
触媒は、そのもの自身、耐火物、プラスチック、繊維等
の適当な形態をしたものに被覆ないし含浸することによ
り製造することができる。形態は限定されるものではな
く、どのような形態にしてもよいが、例えば、円盤状、
板状、星状、ドーナツ状、ウエハー状、チューブ状、棒
状などである。金属触媒の表面は平滑でも粗でもよい
が、粗であるほうが好ましい。
【0013】上記構成においては、過酸化水素水溶液を
入れた消毒槽内にコンタクトレンズ等の消毒対象物をセ
ットして装置を起動すれば、消毒開始から所定時間を経
て十分に消毒が行われてから、駆動手段がタイマー手段
によって自動的に起動し、中和剤を保持した保持手段が
中和剤を変位させて、中和剤が過酸化水素水溶液の中に
投入される。
【0014】上記構成においては消毒開始から所定時間
が経過すると中和剤がタイマーによって自動的に投入さ
れるので、作業者が特別の操作をしなくても過酸化水素
を分解・中和することができる。したがって、使用者の
作業手順のミスで消毒と中和が不十分になることはな
い。また、タイマーを用いて消毒が完全に終わってから
中和を開始するようにしているので、中和開始前の過酸
化水素水の消毒殺菌力を高いレベルに保持できる。その
うえ、中和剤による過酸化水素水の中和速度を調整する
ような必要がないので、中和剤の投入量を微妙に調整し
なければ中和が不十分になるようなこともない。このよ
うに、上記構成によれば、コンタクトレンズ等の消毒と
その後の中和を、より簡単な作業で連続して確実に行う
ことができる。
【0015】上記構成において、上記消毒槽は、消毒液
を加温する加温手段を備えることが好ましい。消毒液を
加温する手段としては、電気、焼却熱、反応熱などの
他、最終的に過酸化水素が加温でき、温度を一般的な微
生物の増殖温度に保つことができるものであれば適宜選
択して用いることができる。加温温度は、25℃〜42
℃が適当である。消毒液を加温すると、胞子状態の微生
物は活動、発芽、分裂などの栄養増殖状態になり、さら
に栄養増殖状態の微生物はより活発に増殖が行われるた
め、過酸化水素水の消毒効果の向上が期待できる。ま
た、中和においては反応時間の短縮、さらに、洗浄にお
いては加温によって、より効果的な洗浄が期待できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る過酸化水素
消毒装置の実施の形態について、図1から図14を参照
して詳細に説明する。
【0017】図1及び図2は、それぞれ、コンタクトレ
ンズを消毒装置にセットするために用いるコンタクトレ
ンズホルダー1を示している。このコンタクトレンズホ
ルダー1は、受け部材2と押さえ部材3とがヒンジ4に
よって開閉するように構成されており、図1は開いた状
態、図2は閉じた状態で、それぞれ、(a)が平面図、
(b)が正面図を示している。
【0018】受け部材2及び押さえ部材3は、ともに平
面から見て大略長円形状で、図2の閉じた状態で互いに
重なる位置に、それぞれ円形の開口2a,3aを2つず
つ有している。この円形の開口2a,3aには、それぞ
れ複数のスポーク2b,3bが形成され、各開口2a,
3aのスポーク2b,3bは球面形状を構成するように
湾曲している。受け部材2のスポーク2bが構成する湾
曲面は、押さえ部材3のスポーク3bが構成する湾曲面
よりも曲率半径が大きく、両部材2,3を閉じたとき
に、両スポーク2b,3bの間にコンタクトレンズを入
れるためのスペースが形成されるようになっている。
【0019】また、受け部材2は、長円形状の長軸方向
に張り出した耳部2cを有し、押さえ部材3は、それと
直角な方向に突出した開閉操作用のつまみ部3cを有し
ている。つまみ部3cは、受け部材2と押さえ部材3を
重ねた厚さよりも少し厚く形成されており、その一端
に、受け部材2の側端面と係合する爪部3dを有してい
る。
【0020】図3は、この消毒装置10の外観形状を示
す斜視図である。この装置10は全体が直方体形状で、
上面側の一部が蓋11として構成されている。蓋11
は、軸Aを中心として、矢印aで示した方向へ開閉する
ように、ヒンジ13(図4参照)を介して装置本体12
と接続されている。装置本体12の上面において蓋11
の側方に示しているのは、コンタクトレンズの消毒を開
始してから所定時間後に過酸化水素水の中和を開始する
ためのタイマーの起動スイッチ14と、タイマーが作動
中であることを表示する発光ダイオード15である。
【0021】蓋11を開いた状態を図4の斜視図と図5
の平面図に示している。この装置10は、蓋11を開い
た部分に、過酸化水素水溶液を入れるための消毒槽16
を備えている。消毒槽16は、コンタクトレンズを過酸
化水素水溶液中に浸漬した位置で保持しておけるよう
に、上述したコンタクトレンズホルダー1のつまみ部3
cとヒンジ部4を載置する受け面16a,16bを、消
毒槽16の上縁よりも下がった位置に有している。
【0022】消毒槽16にコンタクトレンズホルダー1
を載置した状態を、図6の斜視図と、図7の平面図、図
7のVIII−VIII線断面図である図8、そして図7のIX−
IX線断面図である図9に示している。図8及び図9に示
すように、消毒槽16の底面は湾曲面で構成されてい
て、コンタクトレンズホルダー1のつまみ部3cとヒン
ジ部4を受け面16a,16bに載せたとき、コンタク
トレンズは消毒槽16の底面よりも上方に位置する。
【0023】図4から図9において、17は全体が白金
等の金属触媒で形成された中和片である。中和片17
は、細長い真っすぐな棒状の基部17aと、基部17a
の両端から湾曲しながら軸直角方向へ延出した幅広の中
和部17bとを有している。この中和片17は、消毒槽
16の側方位置において、基部17a側が支点軸18を
中心として回転可能に取り付けられている。以上説明し
た図4から図9には、中和片17の中和部17bが消毒
槽16内の過酸化水素水溶液に対して浸漬していない非
浸漬位置を示している。
【0024】この中和片17は、支点軸18を中心とし
て回転することによって、中和部17bが消毒槽16内
の過酸化水素水の中に浸漬した位置に移動することがで
きる。図10は、中和片17が非浸漬位置から浸漬位置
へ移動する途中の状態を示す斜視図であり、図11及び
図12は、それぞれ、中和片17が浸漬位置になった状
態を示す斜視図及び平面図である。図示するように、中
和片17は、浸漬位置において中和部17bのみが過酸
化水素水の中に浸漬して、触媒機能を果たすようになっ
ており、基部17aは、中和部17bを保持したまま非
浸漬位置から浸漬位置へ移動させるための保持手段とし
て機能している。
【0025】一方、この装置10では、コンタクトレン
ズの消毒を開始してから所定時間後に過酸化水素水の中
和を開始するため、タイマー機構を用いて、スイッチボ
タン14を押してから所定時間後に中和片17を非浸漬
位置から浸漬位置へ変位させるようにしている。そこ
で、次に、このタイマー機構を含め、中和片17を駆動
するための機構について、図13及び図14を用いて説
明する。
【0026】図13はこの消毒装置10の部分破断斜視
図であり、図14は図13のXIV部拡大図である。図1
3に示すように、この消毒装置10内には、スイッチボ
タン14の下にスイッチユニット19とタイマーユニッ
ト20が配置され、発光ダイオード15の下方に電源ユ
ニット21が配置されている。また、22は駆動モータ
ユニット、23は減速ユニットである。減速ユニット2
3は、中和片17に一体に形成されたギヤ17cに、モ
ータの出力回転を減速して伝えるように、複数の平歯車
(図では、2つの平歯車23a,23b,23cのみを
示している)を組み合わせた構成になっている。なお、
電源ユニット21は駆動モータユニット22とタイマー
ユニット20の両方に電源を供給するため各ユニット2
2,20に接続され、タイマーユニット20は、スイッ
チ14の操作後所定時間を経てから駆動モータユニット
22を起動するために駆動モータユニット22と接続さ
れている。
【0027】図15は消毒槽16の壁面を断面で示して
いる。図に示すように、この消毒槽16はその壁面の裏
面に沿って電気ヒータ板24を設けている。このヒータ
板は、フレキシブル基板に抵抗発熱体をプリント配線し
てなるものである。このヒータ板24のオン・オフは、
前記スイッチ14に接続しており、このスイッチ14の
操作でオン・オフ操作するように構成している。
【0028】上記構成の装置10を使用するのは、コン
タクトレンズを入れたコンタクトレンズホルダー1を消
毒槽16にセットし、さらに消毒槽16内に過酸化水素
水溶液を入れてスイッチ14をオンにするだけでよい。
そうすれば、消毒開始後所定時間を経て十分に消毒が行
われてから、タイマー20が作動して駆動モータユニッ
ト22が自動的に起動し、それによって中和片17が位
置変化して中和片17の中和部17bが過酸化水素水溶
液の中に浸漬し、中和を開始する。このとき、過酸化水
素水と中和剤の反応により発泡が生じ、過酸化水素水が
流動するが、消毒槽16の底面が湾曲面であるため過酸
化水素水の流動性がよく、中和作用が円滑に行われる。
中和が完了すると発光ダイオード15が消えるので、後
はコンタクトレンズホルダー1からコンタクトレンズを
取り出せばよい。なお、スイッチ14をオンにしたと
き、ヒータ板24の温度は上昇し、消毒槽16の壁面を
通して消毒液を加温する。この加温温度は25℃〜42
℃程度が好ましい。
【0029】このように、本実施形態においては、装置
10の起動後所定時間が経過すると触媒17bがタイマ
ー20によって自動的に過酸化水素水の中に入るように
なっているので、作業者が装置の起動後に特別の操作を
しなくても、過酸化水素を分解・中和することができ
る。したがって、使用者の作業手順のミスが原因で消毒
と中和が不十分になることはない。さらに、消毒液は加
温されているので消毒効率がよく短時間で消毒を完了で
きる。
【0030】また、消毒が完全に終わってから中和を開
始するようにタイマー20を用いているので、中和開始
前の過酸化水素水の消毒殺菌力を高いレベルに保持して
おけるうえ、中和作用が始まった後に中和の反応速度を
調整するような必要がないので、中和剤の投入量を微妙
に調整しなければならないといった問題もない。
【0031】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その他種々の態様で実施することができ
る。例えば、上記実施形態では、電気的な信号を利用す
るタイマー20を用いているが、タイマーは、電気式以
外にも、ゼンマイを利用したレバー式のものを用いるな
ど、種々の方式のものを適宜選択して使用すればよい。
また、上記実施形態では中和部と保持部を金属触媒で一
体に形成した中和片を用いているが、中和部と保持部を
別体にして中和部のみに金属触媒を用いたり、液体や粉
末などの中和剤を消毒開始から所定時間後に過酸化水素
水溶液の中に投入するような構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る過酸化水素消毒装置に用いるコ
ンタクトレンズホルダーを開いた状態を示し、(a)は
平面図、(b)は正面図である。
【図2】 図1のコンタクトレンズホルダーを閉じた状
態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】 本発明に係る過酸化水素消毒装置の一実施形
態を示す外観斜視図である。
【図4】 図3の装置の蓋を開いた状態の斜視図であ
る。
【図5】 図3の装置の蓋を開いた状態の平面図であ
る。
【図6】 図3の装置の蓋を開き、レンズホルダーを装
着した状態を示す斜視図である。
【図7】 図3の装置の蓋を開き、レンズホルダーを装
着した状態を示す平面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 図7のIX−IX線断面図である。
【図10】 図3の装置の蓋を開き、中和片を動作途中
の位置にした状態を示す斜視図である。
【図11】 図3の装置の蓋を開き、中和片を浸漬位置
にした状態を示す斜視図である。
【図12】 図3の装置の蓋を開き、中和片を浸漬位置
にした状態を示す平面図である。
【図13】 図3の装置のタイマー機構と駆動機構を示
す部分破断斜視図である。
【図14】 図13のXIV部拡大図である。
【図15】 図3の装置において、消毒槽にヒータ板を
設けた状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 コンタクトレンズホルダー 2 受け部 2a 開口 2b スポーク 2c 耳部 3 押さえ部 3a 開口 3b スポーク 3c つまみ部 3d 爪部 4 ヒンジ 10 消毒装置 11 蓋 12 本体 13 ヒンジ 14 スイッチ 15 発光ダイオード 16 消毒槽 16a,16b 受け面 17 中和片 17a 基部(保持手段) 17b 中和部(触媒) 17c ギヤ 18 支点軸 19 スイッチユニット 20 タイマーユニット(タイマー手段) 21 電源ユニット 22 駆動モータユニット 23 減速ユニット 23a,23b,23c 平歯車 24 ヒータ板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素水溶液を収納する消毒槽(16)
    と、過酸化水素中和剤(17b)を保持するとともに該中和
    剤(17b)を該過酸化水素水溶液に対する非浸漬位置から
    浸漬位置へ変位させ得る保持手段(17a)と、該中和剤(17
    b)を非浸漬位置から浸漬位置へ変位させるように保持手
    段(17a)を駆動する駆動手段(22,23)と、消毒対象物の消
    毒開始後所定時間を経てから中和剤(17a)を非浸漬位置
    から浸漬位置へ変位させるべく該駆動手段(22,23)を起
    動するタイマー手段(20)と、を備えたことを特徴とする
    過酸化水素消毒装置。
  2. 【請求項2】 上記消毒槽(16)は消毒液を加温する加温
    手段(24)を有することを特徴とする請求項1記載の過酸
    化水素消毒装置。
JP9104310A 1997-04-22 1997-04-22 過酸化水素消毒装置 Pending JPH10295786A (ja)

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