JPH10295362A - 細胞培養容器 - Google Patents

細胞培養容器

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JPH10295362A
JPH10295362A JP12306197A JP12306197A JPH10295362A JP H10295362 A JPH10295362 A JP H10295362A JP 12306197 A JP12306197 A JP 12306197A JP 12306197 A JP12306197 A JP 12306197A JP H10295362 A JPH10295362 A JP H10295362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 培養細胞から発せられる微弱蛍光を適正に測
定することもできる細胞培養容器を提供することを目的
とする。 【解決手段】 光学的に透明な材質で構成した培養部3
4を備えた細胞培養容器において、少なくとも培養部3
4を蛍光性を実質的に有さない材質で構成したことを特
徴とする細胞培養容器28。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は細胞培養容器、特に
その材質の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、培養細胞技術はあらゆる分野にお
いて行われている。たとえば医学分野においても細胞内
イオンの測定や、蛍光顕微鏡を用いた画像解析法などの
前提作業として培養細胞技術が重要な役割を果たしてい
る。
【0003】細胞内イオン(たとえばカルシウムイオ
ン)などから発せられる微弱蛍光を測定したり、蛍光顕
微検鏡法を用いて観察するため、細胞培養をするときに
は、培養液(または栄養剤)の入った容器(たとえばシ
ャーレ)の中に培養する細胞を付着させるガラス板(た
とえばスライドガラス)を入れて細胞培養をする。
【0004】そして、細胞培養が終了した時点で、培養
細胞が付着しているガラス板を取り出して、細胞内イオ
ン測定装置のサンプル台に設置して培養細胞の微弱蛍光
強度を測定していた。また、顕微鏡のサンプル台に設置
して培養細胞の目視観察も行って、定量、定性、計測な
どを行っていた。
【0005】また、培養細胞をスライドガラスなどへ移
動させずに細胞培養容器内の培養細胞を直接観察が可能
な技術として、たとえば特開昭60−137279号公
報に記載されたものがある。
【0006】この特開昭60−137279号公報に記
載された細胞培養容器は、材質として最も一般的な硬質
ガラスで構成されている。この硬質ガラスは、光学的に
透明な材質である。このため、培養細胞をスライドガラ
スなどへ移動させることなく、たとえば細胞培養容器の
底面部を介して培養細胞の微弱蛍光強度の測定を行うこ
とができるのである。
【0007】図1には、このような細胞内イオン測定装
置の概略構成が示されている。同図に示す細胞内イオン
測定装置10の場合、光束の発射手段である光源12の
発光方向前方には、フィルタ14が設置される。このフ
ィルタ14により特定波長の光成分(たとえば340n
m)となった励起光は、フィルタ14の前方に設置され
たダイクロイックミラー16にて入反射する。ダイクロ
イックミラー16にて反射した励起光Leは前方に設置
された細胞培養容器18内の培養細胞sに照射される。
【0008】励起光Leが照射されると培養細胞sから
は蛍光Lfが発せられ、この蛍光Lfを含む光は前方に
設置されたダイクロイックミラー16を通過し、さらに
前方に設置された反射鏡20にて入反射する。反射鏡2
0にて反射した蛍光Lfを含む光はフィルタ22を通過
する。このフィルタ22により特定波長の光成分(たと
えば500nm)が抽出された蛍光は、検出器24に入
射される。検出器24で得た電気信号は指示計26によ
り細胞内イオン濃度(たとえばカルシウムイオン濃度)
として指示される。
【0009】以上のようにして細胞内イオン測定装置1
0を構成することにより、細胞培養容器18内の培養細
胞sをたとえばスライドガラスなどへ移動させずに細胞
内イオン濃度(たとえばカルシウムイオン濃度)などを
測定することができるのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしがら、前記従来
の構成の細胞培養容器18では、培養細胞sから発せら
れる微弱蛍光を測定するとき、測定精度の観点から満足
のゆくものでなかったものの、その原因が未だ特定され
ていなかった。したがって、このような不具合を解決す
るための適切な技術も存在せず、この種の分野では、培
養細胞から発せられる微弱蛍光を測定するときの測定精
度の向上を図ることもできる技術の開発が強く望まれて
いた。
【0011】本発明は前記従来技術の事情に鑑みなされ
たものであり、その目的は培養細胞から発せられる微弱
蛍光を適正に測定することもできる細胞培養容器を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述のように前記従来の
構成の細胞培養容器18では、培養細胞sから発せられ
る微弱蛍光を測定するとき、測定精度の観点から満足の
ゆくものでなかったものの、その原因は特定されていな
かった。
【0013】そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結
果、従来、細胞培養容器、スライドガラス、カバーガラ
スなどには硬質ガラスを用いることが最も一般的であ
る。この硬質ガラス自体も微弱であるが蛍光を発してい
る。たとえば、入射光強度に比較し、蛍光強度比は15
%〜100%を越えるものがある。測定されるべき培養
細胞sの蛍光強度は、もともと非常に微弱なものである
ため、硬質ガラスから発せられる蛍光が、入射光強度に
比較し蛍光強度比が15%〜100%を越えるものであ
ると、培養細胞sの微弱蛍光を測定するとき、培養細胞
sから発せられる蛍光と硬質ガラスから発せられる蛍光
とが重なり、培養細胞からの真の蛍光強度が得られない
恐れがあることを特定した。
【0014】そして、この細胞培養容器などから発せら
れる蛍光を、入射光強度に比較し蛍光強度比を10%以
下とすることにより、培養細胞sの真の微弱蛍光強度を
測定することができることを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、前記目的を達成するために本発明
にかかる細胞培養容器は、光学的に透明な材質で構成し
た培養部を備えた細胞培養容器において、少なくとも前
記培養部を蛍光性を実質的に有さない材質で構成したこ
とを特徴とする。
【0015】なお、前記培養部の蛍光強度比は、入射光
強度に比較して10%以下であることが好適である。こ
こにいう光学的に透明な材質とは、細胞を培養するため
の培養部にて培養された細胞を目視観察や蛍光顕微鏡観
察などが可能なものをいう。
【0016】従来では光学的に透明な材質として硬質ガ
ラスを用いることが最も一般的であった。これに対し、
本発明では前述のように蛍光性を実質的に有さない材質
(たとえば合成石英)を用いる。
【0017】ここにいう蛍光性を実質的に有さない材質
とは、全く蛍光が発せられないものであれば非常に好ま
しいが、全く蛍光が発せられないものを製造することは
現実には不可能である。このため、僅かに蛍光が発せら
れるが、この蛍光強度比は入射光強度に比較して10%
以下の非常に低いものをいう。そして、この蛍光強度比
が入射光強度に比較して10%以下であれば、満足のゆ
く測定結果を得ることができる。この合成石英の製造例
を下記製造例1に示す。
【0018】<製造例1>天然の二酸化珪素から化学的
プロセスにより塩化珪素が合成される。この高純度の塩
化珪素を主原料として、蛍光強度比が入射光強度に比較
して10%以下の合成石英を製造することができる。こ
の高純度の塩化珪素を主原料とした合成石英は、構造が
ガラス状(非結晶)で不純物をいかに低減することがで
きるかが重要な課題となる。この合成石英板の不純物含
有量(ppm)の1例を下記表1に示す。
【0019】
【表1】 元素 不純物含有量(ppm) アルミニウム(Al) 0.1 ほう素(B) 0.01以下 金(Au) 測定不可 鉄(Fe) 0.1以下 カリウム(K) 0.05以下 カルシウム(Ca) 0.1 銅(Cu) 0.01以下 リチウム(Li) 0.05以下 ナトリウム(Na) 0.01以下 リン(P) 0.1以下 チタン(Ti) 0.1以下
【0020】また、この高純度の塩化珪素を主原料とし
た合成石英の特性としては、従来の細胞培養容器の最も
一般的な材質(たとえば硬質ガラス)に比較し、蛍光が
極めて少ないことの他に、光透過率が非常に高いこと、
激しい温度変化にも耐えられることなどが挙げられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の好適
な一実施形態について説明する。図2には本発明の第1
実施形態にかかる細胞培養容器の概略構成が示されてい
る。なお、同図(a)は、この実施形態にかかる細胞培
養容器の縦断面図、同図(b)は、同様の細胞培養容器
の上面図である。同図に示す細胞培養容器28は、側面
部32(たとえば高さ11mm程度)と、底面部(たと
えば直径35mm程度)を備える。
【0022】この実施形態において、細胞培養容器28
の側面部32と底面部30は、同図(a)に示すように
接着剤35で固定されている。側面部32はプラスチッ
クで構成されている。底面部30は、前記製造例1に示
した光学的に透明で、かつ、蛍光性を実質的に有さない
合成石英で構成されている。実質的に、この底面部30
で細胞sを培養するための培養部34(たとえば直径2
8mm程度)を構成している。
【0023】なお、培養液36には有機溶媒の使用も考
えられるので、接着剤35としては、有機溶媒に溶けな
いもの、培養細胞sに対して毒性が認められないものを
用いることが好適である。このような接着剤35とし
て、たとえば合成ゴムの変性体でメタクリル酸エステル
が主成分のものが例として挙げられる。
【0024】この実施形態にかかる細胞培養容器28は
概略以上のように構成され、以下にその作用について説
明する。まず、同図(a)に示すように細胞培養容器2
8の培養部34は培養液36で満たされている。この培
養部34で細胞sが培養される。そして、細胞培養が終
了した時点で、細胞培養容器28をそのまま、たとえば
前記図1に示す細胞内イオン測定装置10のサンプル台
(図示省略)に設置して、たとえば培養細胞sのカルシ
ウムイオン濃度などを測定する。
【0025】ここで、本実施形態にかかる細胞培養容器
28によれば、培養部34が蛍光性を実質的に有さない
合成石英で構成されているので、細胞培養容器28から
発せられる蛍光を大幅に低減することができる。
【0026】この実施形態のように、培養部34の蛍光
強度比が入射光強度に比較して10%以下であれば、実
質的に培養細胞sから発せられる蛍光のみを適正に測定
することができるので、測定精度の向上を大幅に図るこ
とができる。しかも、このような測定精度の向上を、細
胞培養容器28の材質の改良のみで、容易に達成するこ
とができる。
【0027】また、培養部34の材質の合成石英は光学
的に透明な材質であるので、培養部34の培養細胞sを
スライドガラスなどへ移動させることなく、培養部34
を介して細胞培養容器28内の生きたままの培養細胞を
直接たとえば細胞倍イオン測定装置、蛍光顕微鏡などで
測定、観察することができる。特に培養細胞は生きたま
まの状態で培養の過程を随時観察することができる。
【0028】つぎに、この実施形態にかかる細胞培養容
器28が有する、蛍光性を実質的に有さない特性と高光
透過性について具体的数値を用いて説明する。まず、こ
の実施形態にかかる細胞培養容器28を用いた場合
(A)と、従来の一般的な硬質ガラスで構成されたカバ
ーガラス(B)、ヘモカバーガラス(C)、スライドガ
ラス(D)を用いた場合の表面蛍光強度(相対値)の比
較結果を下記表2に示す。
【0029】ただし、測定方法は、これら(A)〜
(D)に対する励起光の入射方向と蛍光の出射方向とが
30度となるように設置して、表面蛍光を測定した。励
起波長は340mとした。また、表面蛍光強度は、測定
物のない状態の強度を0とした場合の相対値である。
【0030】
【表2】 表面蛍光波長(nm) 380 400 420 440 460 480 500 A 5.70 8.60 10.27 6.34 4.02 2.42 2.13 B 9.73 16.25 20.12 15.16 12.40 11.53 14.07 C 24.08 42.02 46.34 34.58 28.95 24.76 22.35 D 200.89 259.34 220.50 137.66 93.00 66.05 49.89
【0031】表2より明らかなように、この実施形態に
かかる細胞培養容器28を示す(A)は、従来の一般的
な硬質ガラスで構成された(B)〜(D)に比較し、表
面蛍光強度が大幅に低減されている。特にこの種の分野
で最も一般的に用いられているカバーガラスを示す
(B)の蛍光強度を1とした場合、この実施形態にかか
る細胞培養容器28を示す(A)は0.15〜0.59
程度の極めて低い蛍光性を示している。
【0032】つぎに、この実施形態にかかる細胞培養容
器28を用いた場合(A)と、前記従来の一般的なカバ
ーガラス(B)、ヘモカバーガラス(C)、スライドガ
ラス(D)を用いた場合の光透過率の比較結果を下記表
3に示す。ただし、測定方法は空気に対するこれら
(A)〜(D)の光透過率を示す。
【0033】
【表3】 波長(nm) 400nmの%Tが 400 350 300 200 1/2になる波長(nm) A 93.2 92.8 93.5 88.2 190nm以下 B 85.6 83.7 19.3 0 308nm C 89.7 89.3 62.3 0.1 322nm D 89.4 84.5 2.3 0 292nm
【0034】表3より明らかなように、この実施形態に
かかる細胞培養容器28を示す(A)は、200nm〜
400nmの全域では80%以上の光透過率を示してい
る。特に300nmから400nmでは90%以上の光
透過率を示している。
【0035】すなわち、これら表2〜3より明らかなよ
うに、この実施形態にかかる細胞培養容器28を示す
(A)は、従来の一般的なカバーガラス、ヘモカバーガ
ラス、スライドガラスを示す(B)〜(D)に比較し、
蛍光強度が大幅に低減されていると共に、光透過率の向
上も図られていることが理解される。
【0036】したがって、この実施形態にかかる細胞培
養容器28を示す(A)は、従来の一般的なカバーガラ
ス、ヘモカバーガラス、スライドガラスを示す(B)〜
(D)に比較し、細胞培養容器28の蛍光強度を、たと
えば0.15〜0.59程度と大幅に低減することがで
きると共に、光透過率の向上を図ることができるので、
実質的に培養細胞から発せられる蛍光のみを適正に測定
することができるので、測定精度の向上を大幅に図るこ
とができる。
【0037】以上のように、この実施形態にかかる細胞
培養容器28によれば、細胞培養容器28の培養部34
の蛍光強度比を、入射光強度に比較して10%以下とす
るので、実質的に培養細胞から発せられる蛍光のみを適
正に測定することができる。このため、測定精度の向上
を大幅に図ることができる。しかも、このような測定精
度の向上を、細胞培養容器28の材質の改良のみで容易
に達成することができる。
【0038】また、培養部34の材質の合成石英は光学
的に透明な材質であるので、培養部34の培養細胞をス
ライドガラスなどへ移動させることなく、培養部34を
介して細胞培養容器28内の生きたままの培養細胞を直
接たとえば細胞イオン測定装置、蛍光顕微鏡などで測
定、観察することができる。特に培養細胞は生きたまま
の状態で培養の過程を随時観察することができる。な
お、本発明にかかる細胞培養容器としては前記構成に限
定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変
形が可能である。
【0039】たとえば、本発明にかかる細胞倍培養容器
の用途としては、培養細胞、浮遊細胞、組織細胞、レー
ザー共焦点顕微鏡、細胞内イオン測定、蛍光画像解析法
などに用いることができる。
【0040】また、蛍光法などによる研究で使用する細
胞の培養部は、従来、直径10mm程度のものが主流で
あったが、これをたとえば28mm程度として培養部の
面積を比較的広くすることは広範囲にわたって細胞の測
定、観察ができる点で好適である。
【0041】これにより、培養部で培養細胞が集落をつ
くるのを大幅に低減することができるので、個々の細胞
を明確に区別することができる。しかも、均一した神経
細胞の成長が得られる。また、神経細胞の分布がしやす
い。また、細胞培養容器内の培養細胞を観察をすると
き、観察範囲を限局する手間を省くことができるので、
比較的広範囲で観察することができる。しかも、培養細
胞の比較的広範囲にわたり、蛍光感度の高い状態を観察
することができる。
【0042】さらに、細胞培養容器内をポリジン類など
でコーティングする際も均一に行える。また、前記構成
では、細胞培養容器28の培養部34のみを合成石英で
構成した場合について説明したが、細胞培養容器の全て
の材質を合成石英で構成することも可能である。
【0043】図3には本発明の第2実施形態にかかる細
胞培養容器の概略構成が示されている。なお、同図
(a)は、この実施形態にかかる細胞培養容器の縦断面
図、同図(b)は同様の細胞培養容器の上面図である。
また、前記図2と対応する部分には符号100を加えて
示し説明を省略する。
【0044】この実施形態において、細胞培養容器12
8の全ての材質は前記製造例1に示した合成石英で構成
されている。したがって、この実施形態にかかる細胞培
養容器によれば、全ての材質を前記合成石英で構成する
ので、本発明の第1実施形態にかかる細胞培養容器と同
等もしくはそれ以上に、細胞培養容器128から発せら
れる蛍光を大幅に低減することができる。
【0045】このため、実質的に培養細胞sから発せら
れる蛍光のみを適正に測定することができるので、測定
精度の向上をより図ることができる。しかも、このよう
な測定精度の向上を、細胞培養容器128の材質の改良
のみで容易に達成することができる。
【0046】図4には本発明の第3実施形態にかかる細
胞培養容器の概略構成が示されている。なお、同図
(a)は、この実施形態にかかる細胞培養容器の斜面
図、同図(b)は同様の細胞培養容器の縦断面図であ
る。この実施形態においては、細胞培養容器として6穴
のマイクロプレート228を想定している。
【0047】このマイクロプレート228の6穴の底面
部は、合成石英で構成されている。これら底面部を実質
的に細胞を培養するための培養部234として用いてい
る。したがって、この実施形態にかかるマイクロプレー
ト228(細胞培養容器)によれば、培養部234を合
成石英で構成するので、本発明の第1実施形態にかかる
細胞培養容器と同様、細胞培養容器228から発せられ
る蛍光を大幅に低減することができる。
【0048】このため、実質的に培養細胞から発せられ
る蛍光のみを適正に測定することができるので、測定精
度の向上を大幅に図ることができる。しかも、このよう
な測定精度の向上を、細胞培養容器228の材質の改良
のみで容易に達成することができる。
【0049】図5には本発明の第4実施形態にかかる細
胞培養容器の概略構成が示されている。なお、同図
(a)は、この実施形態にかかる細胞培養容器の斜面
図、同図(b)は同様の細胞培養容器の縦断面図であ
る。この実施形態において、細胞培養容器として1穴の
マイクロプレート328を想定している。
【0050】このマイクロプレート328の培養部33
4を含む全ての材質は、合成石英で構成されている。し
たがって、この実施形態にかかるマイクロプレート32
8(細胞培養容器)によれば、培養部334を含む全て
の材質を合成石英で構成するので、本発明の第1実施形
態にかかる細胞培養容器と同等もしくはそれ以上に、マ
イクロプレート328(細胞培養容器)から発せられる
蛍光を大幅に低減することができる。
【0051】このため、実質的に培養細胞から発せられ
る蛍光のみを測定することができるので、測定精度の向
上を大幅に図ることができる。しかも、このような測定
精度の向上を、マイクロプレート328(細胞培養容
器)の材質の改良のみで容易に達成することができる。
【0052】なお、前記図4、5に示すマイクロプレー
ト228,328(細胞培養容器)では、6穴、1穴の
ものを用いた場合について説明したが、たとえば96
穴、24穴、12穴、4穴のものを用いてもよい。ま
た、前記各構成では、細胞培養容器は滅菌処理が施され
ていることが好適である。これにより雑菌の繁殖を防ぐ
ことが可能となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明者らは、ま
ず、培養細胞の微弱蛍光の測定に悪影響を及ぼしていた
原因が、従来の一般的な細胞培養容器から発せられる微
弱蛍光にあることを特定することができた。そこで、本
発明にかかる細胞培養容器によれば、少なくとも培養部
を蛍光性を実質的に有さない材質で構成するので、細胞
培養容器から発せられる蛍光を大幅に低減することがで
きる。このため、実質的に培養細胞から発せられる蛍光
のみを測定することができるので、測定精度の向上を大
幅に図ることができる。しかも、このような測定精度の
向上を、細胞培養容器の材質の改良のみで容易に達成す
ることができる。なお、前記蛍光性を実質的に有さない
材質の蛍光強度比は、入射光強度に比較して10%以下
であれば、満足のゆく測定結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な細胞内イオン測定装置の概略構成の説
明図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる細胞培養容器の
説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる細胞培養容器の
説明図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる細胞培養容器の
説明図である。
【図5】本発明の第4実施形態にかかる細胞培養容器の
説明図である。
【符号の説明】
s 培養細胞 28 細胞培養容器 34 培養部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的に透明な材質で構成した培養部を
    備えた細胞培養容器において、少なくとも前記培養部を
    蛍光性を実質的に有さない材質で構成したことを特徴と
    する細胞培養容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の細胞培養容器において、
    前記培養部の蛍光強度比は、入射光強度に比較して10
    %以下であることを特徴とする細胞培養容器。
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