JPH10295313A - 豆類加工食品の製法 - Google Patents

豆類加工食品の製法

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JPH10295313A
JPH10295313A JP9112587A JP11258797A JPH10295313A JP H10295313 A JPH10295313 A JP H10295313A JP 9112587 A JP9112587 A JP 9112587A JP 11258797 A JP11258797 A JP 11258797A JP H10295313 A JPH10295313 A JP H10295313A
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JP
Japan
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beans
water
pressure
processed
washing
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JP9112587A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kaketa
博之 掛田
Shinshichirou Takemura
晋七郎 竹村
Katsushige Yamada
勝重 山田
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Fujicco Co Ltd
Original Assignee
Fujicco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】豆類の軟化・膨潤を効率良く行うことができ、
かつ豆類独特の風味や味を損なうことがない豆類加工食
品の製法を提供する。 【解決手段】水浸漬された豆類を加圧蒸煮釜に充填する
充填工程と、上記豆類が充填された加圧蒸煮釜内を脱気
する脱気工程と、上記加圧蒸煮釜内を昇温昇圧する昇圧
工程と、上記加圧蒸煮釜内を蒸気が導入された状態にす
るとともにその状態を保持する蒸煮工程と、上記加圧蒸
煮釜内を常圧まで降圧する降圧工程とを備える豆類加工
食品の製法であって、上記昇圧工程、蒸煮工程および降
圧工程の少なくとも一つの工程中において、上記豆類を
水洗浄処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、豆類の軟化・膨潤
およびあく抜き等の処理を行う豆類加工食品の製法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、豆類を加工した食品は、例え
ば、図3に示すフローシートに沿って製造されている。
すなわち、まず、原料となる豆類を準備し、これに付着
している夾雑物を除去したのち簡単に水洗する(A:水
洗工程)。ついで、上記豆類を所定時間水に浸漬し、そ
の重量が水浸漬前の2.0〜2.3倍程度になるまで吸
水させる(B:水浸漬工程)。つづいて、上記吸水した
豆類を水浴中に分散させたのち、常圧条件下で加熱処理
を行うことにより、豆類を軟化・膨潤させるとともに、
得られる豆類加工食品に苦みや渋みを与えたりするあく
成分や、酸化による褐変現象を発生させたりする成分等
の不要成分を除去する(C:水煮工程)。それから、上
記水煮工程だけでは豆類の繊維組織の軟化が不充分な場
合(例えば、大量生産する場合)には、まず上記水煮さ
れた豆類を加圧蒸煮釜に充填し(D 1 :充填工程)、つ
いで上記加圧蒸煮釜内を脱気する(D2 :脱気工程)。
そして、上記加圧蒸煮釜内を昇温昇圧し(D3 :昇圧工
程)、上記加圧蒸煮釜内に蒸気を導入してその状態を保
持した(D4 :蒸煮工程)のち、上記加圧蒸煮釜内を常
圧まで降圧して(D5 :降圧工程)、豆類の軟化・膨潤
を充分かつむらなく行う。なお、上記一連の工程(D1
〜D5 )を蒸熟工程(図3のD)という。このようにし
て軟化・膨潤された豆類は、味をつける調味工程を経由
して殺菌処理することにより、豆類加工食品が製造され
る(E:調味工程およびF:殺菌工程)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
煮工程(図3のC)は、豆類を軟化・膨潤させ、かつあ
く成分等の不要成分を除去できる有効な手段であるもの
の、上記あく成分等の不要成分とともに豆類の呈味成分
である水溶性アミノ酸や水溶性糖類(特に蔗糖)等を水
浴中に溶出させて、豆類独特の風味や味を損なってしま
うという問題がある。また、常圧条件下での加熱処理
は、豆類を軟化・膨潤させるのに長時間を要すため、製
造効率の向上を図ることができないという問題もある。
【0004】そこで、上記水煮工程を、常圧条件下で行
わず、加圧条件下で行うことがなされている。しかしな
がら、この条件での加熱処理は、確かに水煮時間を短縮
でき製造効率を向上させることができるものの、急激な
水煮処理であるため、豆類の呈味成分溶出量が多くなっ
てしまい、上記常圧条件下における問題を充分に解決し
たものとはいえない。しかも、上記急激な加熱処理に起
因して、得られる豆類加工食品が、酸化により著しく褐
変し、その結果、その色調が黒ずんだもの(黒褐色)と
なってしまうといった問題もある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、豆類の軟化・膨潤を効率良く行うことができ、
かつ豆類独特の風味や味を損なうことがない豆類加工食
品の製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の豆類加工食品の製法は、水浸漬された豆類
を加圧蒸煮釜に充填する充填工程と、上記豆類が充填さ
れた加圧蒸煮釜内を脱気する脱気工程と、上記加圧蒸煮
釜内を昇温昇圧する昇圧工程と、上記加圧蒸煮釜内を蒸
気が導入された状態にするとともにその状態を保持する
蒸煮工程と、上記加圧蒸煮釜内を常圧まで降圧する降圧
工程とを備える豆類加工食品の製法であって、上記昇圧
工程、蒸煮工程および降圧工程の少なくとも一つの工程
中において、上記豆類を水洗浄処理するという構成をと
る。
【0007】すなわち、本発明者らは、豆類の軟化・膨
潤を効率良く行うことができ、かつ豆類独特の風味や味
を損なうことがない豆類加工食品の製法について一連の
研究を重ねた。その過程で、本発明者らは、従来の豆類
加工食品の製法において、製造効率を向上させることが
できず、しかも豆類独特の風味や味の呈味成分を損なっ
てしまうという不具合を生じる水煮工程を省くことがで
きればよいと想起した。しかしながら、上記水煮工程
は、豆類の軟化・膨潤や、得られる豆類加工食品の不快
味成分であるあく成分等の不要成分の除去という重要な
役割を担っており、この工程を省くには、これにかわる
新たな手段を見いださなければならなかった。そこで、
上記水煮工程のつぎの工程である蒸熟工程において、豆
類の軟化・膨潤およびあく成分等の不要成分の除去を行
うことが可能かどうかについて、さらに研究を重ねた。
その結果、上記蒸熟工程の5つの工程のうち、充填工程
および脱気工程を除いた、昇圧工程、蒸煮工程および降
圧工程の少なくとも一つの工程において、豆類を水洗浄
処理することにより、所期の目的を達成できることを突
き止め、本発明に到達した。
【0008】なお、本発明において、「脱気」とは、空
気を除去するという趣旨で用いている。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0010】本発明の豆類加工食品の製法では、原料と
して豆類が用いられる。
【0011】上記豆類としては、大豆、小豆、いんげん
まめ、空豆、豌豆、ささげ、緑豆等、一般に豆類と称さ
れるものがあげられる。これらは単独で用いてもよい
し、二種以上併用してもよい。ただし、豆類の豆粒それ
ぞれを均一に軟化・膨潤させ、かつ均一にあく成分等の
不要成分を除去するには、豆類の種類を単一にすること
が好ましい。
【0012】本発明の豆類加工食品の製法は、例えば、
図1に示すフローシートに沿って行われる。すなわち、
まず従来と同様に、水洗工程(図1のA)および水浸漬
工程(図1のB)を経由して、上記豆類が水浸漬された
ものを準備する。ついで、これを密閉された加圧蒸煮釜
内に充填する(D1 :充填工程)。
【0013】上記豆類の水浸漬度合いとしては、特に限
定されるものではないが、豆類組織の軟化および豆粒の
膨潤を行うことを考慮して、水浸漬前の豆類の重量に対
して、1.5〜3.0倍程度まで水を吸収させることが
好ましい。
【0014】つぎに、上記水浸漬された豆類が充填され
た加圧蒸煮釜内を真空ポンプ等で真空化させることによ
り、または蒸気や高温状態で豆類と反応しない不活性ガ
ス等を導入することにより、加圧蒸煮釜内の空気を除去
する(D2 :脱気工程)。なお、上記真空ポンプ等で真
空化させて加圧蒸煮釜内を脱気する場合は、加圧蒸煮釜
内が30〜100torr程度の真空状態となるよう脱
気することが好ましい。また、上記蒸気や高温状態で豆
類と反応しない不活性ガス等を導入して加圧蒸煮釜内を
脱気する場合は、上記真空状態と同程度の脱気がなされ
ていることが好ましい。
【0015】つづいて、上記加圧蒸煮釜内に加圧蒸気を
導入するか、上記加圧蒸煮釜を加熱する等して、加圧蒸
煮釜内を温度100〜135℃程度で、かつ圧力770
〜2400mmHg程度まで昇温昇圧させる(D3 :昇
圧工程)。すなわち、上記加熱蒸煮釜内の温度および圧
力が、上記範囲内でないと、つぎに行う蒸煮を効率良く
行えなかったり、加圧蒸煮釜内に残存している酸素と豆
類とが反応して、得られる豆類加工食品に酸化による褐
変現象を生じてしまったりするおそれがあるからであ
る。
【0016】そして、上記加圧蒸煮釜内に蒸気を導入し
て、その状態を所定時間(例えば、2〜90分程度)保
持する(D4 :蒸煮工程)。
【0017】上記蒸煮工程(図1のD4 )において、す
なわち上記加圧蒸煮釜内に蒸気を導入しながら、釜内に
充填されている豆類に対して、水洗浄処理を行う。これ
が本発明のポイントである。
【0018】上記水洗浄処理としては、加圧蒸煮釜内に
充填された豆類に対して、洗浄水を上方からシャワー状
に流下させ、この流下させた洗浄水を豆類の豆粒間を通
過させることにより行われる。このように、豆類に対し
て洗浄水をシャワー状に流下させることにより、洗浄水
が均一に分散して、豆類に対する均一な洗浄を行うこと
ができ、かつ豆粒の表面近傍(例えば、胚芽等)に多く
存在するあく成分等の不要成分のみを除去することがで
きる。しかも、豆類の呈味成分は、豆粒の中心部分に多
く存在しているため、上記水洗浄処理によって溶出して
しまうことがなく、得られる豆類加工食品に豆類独特の
風味や味を付与することができる。
【0019】上記水洗浄処理における、洗浄水の総使用
量は、上記充填工程で充填された豆類100kgに対し
て、15〜220リットルの範囲に設定されていること
が好ましい。より好ましくは、30〜100リットルで
ある。すなわち、上記総使用量が、15リットル未満で
あると、水洗浄処理により豆類中のあく成分等の不要成
分を充分に除去することができず、得られる豆類加工食
品に苦みや渋みといった不快味成分を付与したり、酸化
による褐変現象により見た目を損なってしまうおそれが
あるからである。逆に、上記総使用量が、220リット
ルを超えると、豆類中のあく成分等の不要成分を充分に
除去できるものの、それとともに豆類の呈味成分を溶出
してしまうおそれがあるからである。
【0020】上記洗浄水の温度としては、50〜135
℃の範囲に設定されていることが好ましい。より好まし
くは、80〜135℃の範囲である。すなわち、上記温
度が、50℃未満であると、洗浄水の温度が低すぎて、
あく成分等の不要成分の除去効率が悪く、ひいては製造
効率の向上を図れないおそれがあるからである。逆に、
上記温度が135℃を超えると、豆類が過剰に軟化して
しまい、得られる豆類加工食品の品質に悪影響を与える
おそれがあるからである。
【0021】なお、上記水洗浄処理は、一回のみに限定
されるものではなく、二回以上行ってもよい。また、上
記水洗浄処理の洗浄水は、一度水洗浄処理に用いられた
洗浄水の排水および蒸煮工程時に生じた蒸煮ドレンを回
収して、洗浄水として循環使用してもよい。このように
排水を循環させて用いると、加圧蒸煮釜における豆粒の
位置(例えば、加圧蒸煮釜の上下の位置関係)による水
洗浄処理の不均一さを生ずるおそれをなくし、均一な水
洗浄効果を奏するようになる。また、節水にも寄与す
る。
【0022】また、本発明において、上記水洗浄処理の
形態としては、上記洗浄水をシャワー状に流下させる方
法に限定するものではなく、洗浄水を高速噴霧して豆粒
表面近傍に存在するあく成分等の不要成分を除去する方
法等、適宜の方法を用いることができる。すなわち、本
発明における水洗浄処理は、豆粒表面近傍に存在するあ
く成分等の不要成分を除去できる処理方法であればどの
ような処理方法であってもよいのである。
【0023】そして、上記蒸煮工程後、加圧蒸煮釜内を
常圧(通常、755〜765mmHg程度)まで降圧
(D5 :降圧工程)したのち、加圧蒸煮釜内から豆類を
取り出す。それから、この取り出した豆類を適宜の調味
方法で味をつけたのち、適宜の殺菌処理(例えば、加熱
殺菌処理)を施して、豆類加工食品が得られる(図1の
E:調味工程およびF:殺菌工程)。
【0024】このようにして得られた豆類加工食品は、
従来の豆類加工食品の製法における水煮工程が略されて
おり、かつ蒸煮工程において豆類が水洗浄処理されてい
るため、豆粒表面近傍に多く存在するあく成分が除去さ
れて、苦みや渋みといった不快味がしない。しかも、豆
類独特の風味や味の呈味成分は、豆類の中心部分に存在
しているため、上記水洗浄処理によっては溶出せず、豆
類独特の風味や味が活きている。また、豆粒中に呈味成
分であるアミノ酸や糖が多く残留しているため、これら
双方が、加熱殺菌処理時に反応して、豆類加工食品の色
調が赤みを帯びたもの(赤褐色)となるとともに明るく
つやがあり、見た目のよいものとなる。したがって、本
発明の豆類加工食品の製法によれば、風味や味に優れ、
見た目のよい豆類加工食品を製造できるとともに、水煮
工程という効率の悪い工程を省くことにより、製造効率
を向上させ、生産性の増大を図ることができる。そし
て、上記豆類は、水煮工程がなくても充分に軟化、膨潤
しており、水煮工程を省くことにより生じる不利益は被
らない。
【0025】なお、上記水洗浄処理は、蒸煮工程でのみ
施されるものではなく、上記昇圧工程(図1のD3 )ま
たは降圧工程(図1のD4 )で施してもよい。また、こ
れら三つの工程のうちの二つの工程で施してもよいし、
三つの工程全てで施してもよい。すなわち、本発明にお
いて、上記三つの工程のうち少なくとも一つの工程中に
おいて上記豆類を水洗浄処理すれば、上記優れた効果が
得られる。
【0026】本発明の豆類加工食品の製法は、例えば、
図2に示す装置により行うことができる。図において、
1は密閉可能な開閉蓋2を備えた竪型円筒状の加圧蒸煮
釜である。そして、この加圧蒸煮釜1の底部に排水管3
が連通しており、この排水管3は排水弁4の開閉によ
り、そのまま排水を除去するか、熱水取水管5を経由し
て循環ポンプ6の吸入側に排水を供給するようになって
いる。なお、上記加圧蒸煮釜1の内部には、底部側に、
豆類を通過させない程度の孔径(直径2〜8mm)を有
する底部パンチング板7が取り付けられている。
【0027】一方、上記開閉蓋2には、加圧蒸煮釜1内
に洗浄水および蒸気を導入したり、脱気や降圧を施した
りできる分岐配管8が連通された状態で設置されてお
り、一方の分岐配管口8aには、真空弁9を介して真空
ポンプ10が接続されており、これによって加圧蒸煮釜
1内が脱気されるようになっている。また、上記真空弁
9と分岐配管口8aの間には、蒸気供給配管11が接続
されており、蒸気弁12の切替えによって、加圧蒸煮釜
1内に蒸気を導入できるようになっている。さらに、上
記真空弁9と分岐配管口8aの間には、降圧管13が接
続されており、降圧弁14の切替えによって、加圧蒸煮
釜1内が降圧できるようになっている。なお、上記開閉
蓋2内の上部側方に温度センサ15が取り付けられてお
り、この温度センサ15からの情報により温度指示調節
器16が、蒸気弁12の切替えの指示を行うようになっ
ている。
【0028】また、上記分岐配管8の他方の分岐配管口
8bには、洗浄水供給弁17および供給弁18を介して
洗浄水供給配管24が接続されており、熱交換器19に
より高温となった水が、洗浄水供給弁17および供給弁
18の切替えにより、洗浄水として加圧蒸煮釜1内に供
給されるようになっている。さらに、上記洗浄水供給弁
17と供給弁18の間には、循環ポンプ6の吐出側から
延びる熱水循環路20が接続されており、循環弁21の
切替えによって、加圧蒸煮釜1内に排水を循環供給でき
るようになっている。
【0029】そして、上記開閉蓋2の内部側には、洗浄
水をシャワー状に流下させるための、洗浄水分散用板2
2(直径100〜500mm)および洗浄水分散用パン
チング皿23(孔径:直径2〜8mm)が設置されてい
る。
【0030】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0031】
【実施例1】大豆50kgを準備し、これを水に浸漬し
て得た大豆100kgを図2に示す加圧蒸煮釜1内に充
填したのち、密閉した。ついで、上記加圧蒸煮釜1内を
蒸気と置換して脱気した(所要時間3分間)。そして、
上記加圧蒸煮釜1内を105℃まで昇温しながら、90
6.1mmHgまで昇圧した(所要時間4分間)。つづ
いて、上記加圧蒸煮釜1内が、105±1℃を維持する
よう温度指示調節器16で調節しながら、蒸気を導入し
た(蒸煮工程、所要時間15分間)。そして、この蒸気
導入を始めてから2分後に、加圧蒸煮釜1内に、水温1
00℃の洗浄水を流速7.5リットル/minで2分間
(使用量15リットル)供給して、大豆を水洗浄した。
さらに、上記蒸気導入を始めてから10分後に、加圧蒸
煮釜1内に、水温100℃の洗浄水を流速14.3リッ
トル/minで42秒間(使用量10リットル)供給
し、その後加圧蒸煮釜1の底部から排出される排水を循
環させ、この排水を洗浄水として流速14.3リットル
/minで2分間(使用量28.6リットル)供給し
た。そして、上記蒸煮工程終了後、上記加圧蒸煮釜1内
を常圧まで降圧させた(所要時間2分間)のち、大豆を
取り出した。このようにして得られた大豆に、糖類、食
塩を主成分とする調味料で調味し、その後殺菌処理(中
心温度が120℃で4分以上となるよう加熱殺菌処理)
し、豆類加工食品である煮豆を得た。
【0032】
【実施例2】実施例1と同様にして、上記加圧蒸煮釜1
内が、105±1℃を維持するよう温度指示調節器16
で調節しながら、蒸気を導入した(所要時間15分
間)。そして、この蒸気導入を始めてから2分後に、加
圧蒸煮釜1内に、水温100℃の洗浄水を流速6.0リ
ットル/minで1分間(使用量6.0リットル)供給
して、大豆を水洗浄した。さらに、上記蒸気導入を始め
てから10分後に、加圧蒸煮釜1内に、水温100℃の
洗浄水を流速6.0リットル/minで30秒間(使用
量3.0リットル)供給し、その後加圧蒸煮釜1の底部
から排出される排水を循環させ、この排水を洗浄水とし
て流速6.0リットル/minで1分間(使用量6.0
リットル)供給した。そして、上記蒸煮工程終了後、上
記加圧蒸煮釜1内を常圧まで降圧させた(所要時間2分
間)のち、大豆を取り出した。このようにして得られた
大豆に、実施例1と同様の調味料で調味し、その後殺菌
処理(中心温度が120℃で4分以上となるよう加熱殺
菌処理)し、豆類加工食品である煮豆を得た。
【0033】
【実施例3】実施例1と同様にして、上記加圧蒸煮釜1
内が、105±1℃を維持するよう温度指示調節器16
で調節しながら、蒸気を導入した(所要時間15分
間)。そして、この蒸気導入を始めてから2分後に、加
圧蒸煮釜1内に、水温100℃の洗浄水を流速30リッ
トル/minで4分間(使用量120リットル)供給し
て、大豆を水洗浄した。さらに、上記蒸気導入を始めて
から10分後に、加圧蒸煮釜1内に、水温100℃の洗
浄水を流速30リットル/minで20秒間(使用量1
0リットル)供給し、その後加圧蒸煮釜1の底部から排
出される排水を循環させ、この排水を洗浄水として流速
30リットル/minで3分間(使用量90リットル)
供給した。そして、上記蒸煮工程終了後、上記加圧蒸煮
釜1内を常圧まで降圧させた(所要時間2分間)のち、
大豆を取り出した。このようにして得られた大豆に、実
施例1と同様の調味料で調味し、その後殺菌処理(中心
温度が120℃で4分以上となるよう加熱殺菌処理)
し、豆類加工食品である煮豆を得た。
【0034】
【実施例4】洗浄水の水温を50℃とした以外は、実施
例1と同様にして、豆類加工食品である煮豆を得た。
【0035】
【実施例5】洗浄水の水温を135℃とした以外は、実
施例1と同様にして、豆類加工食品である煮豆を得た。
【0036】
【実施例6】実施例1と同様にして、水浸漬された大豆
100kgを図2に示す加圧蒸煮釜1内に充填したの
ち、密閉した。ついで、上記加圧蒸煮釜1内を蒸気と置
換して脱気した(所要時間3分間)。そして、上記加圧
蒸煮釜1内を105℃まで昇温しながら、906.1m
mHgまで昇圧した(昇圧工程、所要時間15分間)。
なお、この昇圧工程を始めてから2分後に、加圧蒸煮釜
1内に、水温100℃の洗浄水を流速7.5リットル/
minで2分間(使用量15リットル)供給して、大豆
を水洗浄した。さらに、上記昇圧工程を始めてから10
分後に、加圧蒸煮釜1内に、水温100℃の洗浄水を流
速14.3リットル/minで42秒間(使用量10リ
ットル)供給し、その後加圧蒸煮釜1の底部から排出さ
れる排水を循環させ、この排水を洗浄水として流速1
4.3リットル/minで2分間(使用量28.6リッ
トル)供給した。そして、上記昇圧工程後、上記加圧蒸
煮釜1内が、105±1℃を維持するよう温度指示調節
器16で調節しながら、蒸気を導入し、その状態を保持
した(所要時間15分間)。それから、上記加圧蒸煮釜
1内を常圧まで降圧させた(所要時間2分間)のち、大
豆を取り出した。このようにして得られた大豆に、実施
例1と同様の調味料で調味し、その後殺菌処理(中心温
度が120℃で4分以上となるよう加熱殺菌処理)し、
豆類加工食品である煮豆を得た。
【0037】
【比較例】蒸煮工程中に洗浄水を供給しなかったこと以
外は、実施例1と同様にして、豆類加工食品である煮豆
を得た。
【0038】
【従来例】大豆50kgを準備し、これを水に浸漬して
得た大豆100kgと、水温95℃の水200リットル
とを開放型蒸気角槽に充填し、50分間水煮を行った。
ついで、水煮された豆類を、図2に示す加圧蒸煮釜1に
充填し、密閉した(所要時間5分間、開放型蒸気角槽か
ら加圧蒸煮釜1への移しかえ時間)。そして、上記加圧
蒸煮釜1内を蒸気と置換して脱気した(所要時間3分
間)。それから、上記加圧蒸煮釜1内を105℃まで昇
温しながら、906.1mmHgまで昇圧した(所要時
間4分間)。ついで、上記加圧蒸煮釜1内が、105±
1℃を維持するよう温度指示調節器16で調節しなが
ら、蒸気を導入した(所要時間8分間)。なお、所要時
間を8分間としたのは、蒸煮後の大豆の固さを実施例1
と略同一にするためである。そして、上記加圧蒸煮釜1
内を常圧まで降圧させた(所要時間2分間)のち、大豆
を取り出した。このようにして得られた大豆に、糖類、
食塩を主成分とする調味料で調味し、その後殺菌処理
(中心温度が120℃で4分以上となるよう加熱殺菌処
理)し、豆類加工食品である煮豆を得た。
【0039】このようにして得られた実施例1品〜6
品、比較例品および従来例品について、洗浄水の総使用
量(リットル)、洗浄水の温度、平均破断強度、色差、
官能評価を測定・評価し、その結果を、下記の表2およ
び表3に併せて示した。なお、上記各測定は、下記の方
法により測定した。
【0040】〔平均破断強度〕サン科学社製レオメータ
ーCR−200D型の切断応力測定用プランジャーN
o.6を用いて、煮豆1粒ずつの破断強度を測定し、そ
れらの平均値を算出した。
【0041】〔色差〕日本電色工業社製測色色差計Z−
1001DP型を用いて測定した。
【0042】〔官能評価〕10名のパネラーによる官能
試験、すなわち見栄え、風味、味、歯応え試験を行っ
た。なお、評価基準に関しては下記の表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】上記表2および表3の結果から、すべての
実施例品は、比較例品および従来例品と比較して、官能
評価が良好となっている。しかも、得られる煮豆の色彩
も暗色ではなく、明るい色合いとなっているため、食欲
のそそられるものとなっている。また、煮豆の軟化が充
分であるとともに、歯切れもよく、食感のよいものとな
っている。
【0047】つぎに、製法上の観点から、上記実施例1
および従来例を比較する。すなわち、双方について、使
用水量、排水量、排水中の可溶性固形量、調味工程前ま
での所要時間を測定し、その結果を下記の表4に示し
た。
【0048】
【表4】
【0049】上記表4の結果から、実施例1の製法で
は、供給された水(洗浄水のうち、循環させた排水を除
いたもの)は、25リットルであるため、従来例の製法
における使用水量と比較して、1/8に抑えられてい
る。また、排水量、排水中の可溶性固形量に関しても、
それぞれ約1/4、約1/3に抑えられている。したが
って、実施例1の製法は、従来例の製法と比較して、節
水、排水量の低減および排水負荷の低減が実現できてい
る。さらに、所要時間も、1/3に抑制されており、大
幅な製造効率の向上も実現している。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の豆類加工食品の
製法は、水浸漬された豆類を加圧蒸煮釜に充填する充填
工程と、上記豆類が充填された加圧蒸煮釜内を脱気する
脱気工程と、上記加圧蒸煮釜内を昇温昇圧する昇圧工程
と、上記加圧蒸煮釜内を蒸気が導入された状態にすると
ともにその状態を保持する蒸煮工程と、上記加圧蒸煮釜
内を常圧まで降圧する降圧工程とを備える豆類加工食品
の製法であって、上記昇圧工程、蒸煮工程および降圧工
程の少なくとも一つの工程中において、上記豆類を水洗
浄処理するようにしたものである。このため、豆類の軟
化・膨潤が効率良く行われるとともに、豆類のあく成分
等の不要成分のみを効果的に除去することができる。そ
して、上記あく成分等の不要成分の除去の際、豆類の呈
味成分が溶出することがないため、豆類独特の風味や味
を有する豆類加工食品が得られる。したがって、本発明
の豆類加工食品の製法によれば、優れた品質の豆類加工
食品を得ることができる。しかも、従来の製法と比較し
て、大幅な製造効率の向上を図ることができ、生産性が
増大する。
【0051】特に、上記水洗浄処理として、豆類に対し
て洗浄水を上方からシャワー状に流下させ、この流下さ
せた洗浄水を豆類の豆粒間を通過させることにより、豆
粒の中心部分の呈味成分が溶出せず、豆粒表面のあく成
分等の不要成分のみを除去できるため、得られる豆類加
工食品が、豆類独特の風味や味を有するものとなる。
【0052】また、上記水洗浄処理に用いられる洗浄水
の総使用量を特定量に設定することにより、豆類の呈味
成分の残存量と、豆類のあく成分等の不要成分の除去量
とのバランスが適度となり、得られる豆類加工食品に豆
類独特の風味や味が付与されるようになる。
【0053】さらに、上記水洗浄処理に用いられる洗浄
水の水温を特定の範囲に設定することにより、液体であ
る洗浄水を、豆粒間を通過させて、豆粒表面に多く存在
するあく成分等の不要成分のみを効率良く除去すること
ができる。
【0054】なお、本発明の豆類加工食品の製法は、原
料として豆類のみを使用しているが、とうもろこし等の
穀類や、トマト、茸類等、一般に水煮処理が行われてい
る食材にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の豆類加工食品の製法の手順を示すフロ
ーシートである。
【図2】本発明の実施に用いる装置の一例を示す説明図
である。
【図3】従来の豆類加工食品の製法の手順を示すフロー
シートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水浸漬された豆類を加圧蒸煮釜に充填す
    る充填工程と、上記豆類が充填された加圧蒸煮釜内を脱
    気する脱気工程と、上記加圧蒸煮釜内を昇温昇圧する昇
    圧工程と、上記加圧蒸煮釜内を蒸気が導入された状態に
    するとともにその状態を保持する蒸煮工程と、上記加圧
    蒸煮釜内を常圧まで降圧する降圧工程とを備える豆類加
    工食品の製法であって、上記昇圧工程、蒸煮工程および
    降圧工程の少なくとも一つの工程中において、上記豆類
    を水洗浄処理することを特徴とする豆類加工食品の製
    法。
  2. 【請求項2】 上記水洗浄処理が、豆類に対して洗浄水
    を上方からシャワー状に流下させ、この流下させた洗浄
    水を豆類の豆粒間を通過させることにより行う請求項1
    記載の豆類加工食品の製法。
  3. 【請求項3】 上記水洗浄処理に用いられる洗浄水の総
    使用量が、豆類100kgに対して、15〜220リッ
    トルの範囲に設定されている請求項1または2記載の豆
    類加工食品の製法。
  4. 【請求項4】 上記水洗浄処理に用いられる洗浄水の水
    温が、50〜135℃の範囲に設定されている請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の豆類加工食品の製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101981015B1 (ko) * 2018-10-26 2019-05-21 유연희 영양분이 풍부한 알파화된 대두의 제조방법 및 그로 인한 알파화 대두
WO2022050155A1 (ja) * 2020-09-07 2022-03-10 株式会社高井製作所 豆腐類の製造方法及び製造装置

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