JPH10293432A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JPH10293432A
JPH10293432A JP9104466A JP10446697A JPH10293432A JP H10293432 A JPH10293432 A JP H10293432A JP 9104466 A JP9104466 A JP 9104466A JP 10446697 A JP10446697 A JP 10446697A JP H10293432 A JPH10293432 A JP H10293432A
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JP
Japan
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toner
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Application number
JP9104466A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Ejima
義紀 江島
Tomoyuki Noguchi
智之 野口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境変化等による表面電位、用紙転写効率の
変化を抑制して常に良好な階調特性が得られる電子写真
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 感光体1上に複数個のテストパターンの
潜像を形成する露光光学系9と、潜像を顕画化する現像
器10K、10Y、10M、10Cと、顕画化されたト
ナー像を合成し保持する中間転写体18と、テストパタ
ーンの濃度を検出する濃度センサー25と、感光体の表
面電位を検出する表面電位検出手段70とを有し、濃度
センサ−の出力値に基づいて階調補正を行う前に、表面
電位検出手段の検出結果に基づいて感光体の表面電位を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高画質の記録画像
を出力する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からパーソナルコンピュータ、ワー
クステーション等の出力端末として、様々な原理のプリ
ンタが提案されており、特に電子写真プロセスとレーザ
走査技術を用いたレーザビームプリンタは、記録速度と
印字品質の点で優位性が高くプリンタの主流となってい
る。そして市場では、フルカラーのレーザビームプリン
タが成長期に入っているが、フルカラーでは、例えば画
像データが8ビットであれば、各色単位に256階調、
シアン・マゼンタ・イエローの組合せで約1670万色
の出力が要求されるため、階調再現性は特に重要な要素
である。
【0003】一般に、この種の装置では、画像を形成あ
るいは保持する像担持体上に規定の画像データを用いて
テストパターンを形成し、これを反射型センサー等を応
用した濃度センサーで検出し、入出力の非線形性を補正
したり(γ補正)、読み取り値が予め定められた値とな
るよう電子写真プロセスのパラメータを変更する。
【0004】以下、従来の電子写真装置について述べて
いくが、感光体上にレーザビーム等で形成された潜像を
各色の現像器で現像し、顕画化された単色画像を一旦中
間転写体(像形成媒体)上に転写して合成し、中間転写
体上の合成像を一括して用紙に転写する、いわゆる中間
転写体方式の電子写真装置について主に説明する。
【0005】まず感光体周辺の構成を説明する。図5は
従来の電子写真装置の構成図である。図5において、1
はループベルト状の感光体である。感光体1は、PET
基材、アルミ蒸着層、電荷発生層(CGL)、電荷輸送
層(CTL)で構成されている。感光体1は、3本の感
光体搬送ローラ2、3、4によって支持され、駆動モー
タ(図示せず)によって駆動方向d1に周回動する。5
は感光体位置検出用マークであり、感光体1の端部に1
つ配置されている。6は感光体位置検出マーク5を検出
する感光体位置検出センサーである。感光体1は、継目
7を有しており、画像を形成する際は、継目7を回避せ
ねばならない。この回避のために感光体位置検出センサ
ー6の出力を参照する。
【0006】感光体1の周囲には、回転方向d1に沿っ
て帯電器8、露光光学系9、ブラック(K)、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像器
10K、10Y、10M、10C、中間転写前除電器1
1、中間転写ローラ12、感光体クリーニング装置13
及び除電器14が設けられている。
【0007】帯電器8は、タングステンワイヤ等からな
る帯電線と金属板からなるシールド板、グリッド板等
(図示せず)によって構成され、帯電線へ負の高電圧を
印加すると帯電線がコロナ放電を起こし、グリッド板に
例えば−600Vの電圧を印加すると、感光体1の表面
は一ように−500V程度の負の電位に帯電する。
【0008】露光光学系9は、レーザ駆動装置、ポリゴ
ンミラー、レンズ系、ポリゴンミラー回転用のモータ
(スキャナモータ)等(図示せず)で構成され、帯電さ
れた感光体1上に静電潜像を形成する。15は露光光学
系9から照射される露光光線15である。露光光線15
は、階調変換装置(図示せず)からの画像信号をレーザ
駆動回路(図示せず)によりパルス幅変調して得られ、
感光体1上に特定色の画像データに対応する静電潜像を
形成する。
【0009】各現像器10K、10Y、10M、10C
は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの
トナーを収納している。各現像器10K、10Y、10
M、10Cは、導電性ゴム等を用いたスリーブローラ1
6K、16Y、16M、16Cを有しており、スリーブ
ローラ16K、16Y、16M、16Cを感光体1の駆
動方向d1に対して順方向に回転させると、現像器10
K、10Y、10M、10Cの内部から薄層化されたト
ナーがスリーブローラの表面に供給される。これらのト
ナーは、薄層化される時点で摩擦により負に帯電してい
る。各色の現像は、スリーブローラに負の電圧(現像バ
イアス)を印加し、スリーブローラを回転させながら、
各離接カム17K、17Y、17M、17Cに対応した
専用モータ(図示せず)を駆動し、選択された現像器、
例えばブラック現像器10Kをd3方向に移動させ、ス
リーブローラ16Kを感光体1に接触させる。即ち本例
では非磁性一成分トナーを用いた接触現像が採用されて
いる。
【0010】潜像が形成された部分の感光体1の表面電
位(明電位)は、−50〜−100V近くに上昇してお
り、スリーブローラ16Kに−300V程度の負の電位
を与えることで、感光体1からスリーブローラ16Kの
方向に電界が発生する。この結果、スリーブローラ16
K上の負に帯電したトナーには、電界の逆、即ち感光体
1の方向にクーロン力が作用し、トナーは感光体1に形
成された潜像部分に付着する。一方、潜像が形成されて
いない部分の感光体1の表面電位(暗電位)は、−50
0Vであるから、現像バイアスを印加しても、電界はス
リーブローラから感光体1の方向に生じるためトナーは
感光体1に付着しない。以上のような現像プロセスは、
光が照射された部分(即ち白)にトナーを付着させる
(即ち黒)ため一般にネガポジプロセスあるいは反転現
像と呼称されている。
【0011】中間転写前除電器11は、赤色LEDを複
数個線上に配置したものであり、感光体1に形成された
トナー像を各色画像の合成媒体である中間転写体18に
転写する直前に感光体1の表面を除電する。中間転写前
除電器11は、原則的に第一色目の転写時には動作せ
ず、二色目以降の転写の際に動作する。転写前除電は、
中間転写体18にトナー像が転写され、かつ感光体1上
にトナーが存在しない場合に、中間転写体18のトナー
像が感光体1に逆転写するのを防止する効果がある。
【0012】逆転写発生のメカニズムを以下に説明す
る。中間転写体18にトナー像が存在し、かつ感光体1
上にトナーが存在しない場合には、中間転写体18上の
トナーは、後述する中間転写ローラ12による転写バイ
アスと感光体1の表面電位による過剰な電界中にさらさ
れる。このため、トナーの真の電荷が剥奪される、いわ
ゆる電荷注入が発生し、トナーと感光体1間でファンデ
ルワールス力が支配的になりトナーが感光体1に逆転写
したり、逆帯電トナー(正に帯電したトナー)が発生し
て、クーロン力により感光体1に逆転写すると考えられ
ている。
【0013】一方、転写前除電を行った場合は、感光体
1のトナーが存在しない部分が明電位となるため、トナ
ーに過剰な電界が作用しなくなり、効率よく逆転写を防
止することができる。しかしながら、除電作用が大きす
ぎると、ドット周辺のトナーがない部分の電位のバリア
が消失し、トナーを感光体1の面方向に束縛する力が減
少するため、転写の際にドットが飛散してしまう。従っ
て、転写前除電器の発光光量は十分管理する必要があ
る。
【0014】中間転写ローラ12は、感光体支持ローラ
3の近傍にあって、中間転写体18の内側に接触する金
属ローラであり、中間転写体18を挟んで感光体1と対
向して配置されている。感光体1のアルミ蒸着層は、接
地されているため、中間転写ローラ12に正電圧を印加
すると、中間転写ローラ12から感光体1の方向に電界
が発生する。このため、感光体1上の負電荷トナーに
は、中間転写体18の方向にクーロン力が作用しトナー
は中間転写体18に転写される。
【0015】感光体クリーニング装置13は、感光体1
を挟んで感光体支持ローラ4と対向して配置されてお
り、感光体1から中間転写体18の転写後に感光体1に
残っている残留トナーを除去する。感光体1の継目7は
露光光線15の走査方向に対して3゜〜5゜程度傾斜し
て設けられており、継目7が感光体クリーニング装置1
3を通過する際の衝撃により、画像が乱れないよう配慮
されている。従って、感光体クリーニング装置13は、
感光体1に対して離接する機構を有していない。除電器
14は、赤色LEDを複数個線上に配置したものであ
り、感光体1上の残留電位を除去する。
【0016】次に、中間転写体周辺の構成について説明
する。中間転写体18は、導電性の樹脂等からなる継ぎ
目のないループ状のベルトであり、単色画像を合成して
フルカラー画像を形成するための媒体である。中間転写
体18は、3本の搬送ローラ19、20、21によって
支持され、感光体1と同一の駆動モータ(図示せず)に
より方向d2に周回動する。22は中間転写体位置検出
用マークであり、中間転写体18の端部に8つ配置され
ている。23は中間転写体位置検出マーク22を検出す
る中間転写体位置検出センサーである。画像を形成する
際には、複数個の中間転写体位置検出用マーク22から
1つを選択して画像形成位置の基準として用いる。
【0017】次に、画像形成基準の決定方法について説
明する。図5の構成の電子写真装置では、感光体1と中
間転写体18の周長は等しくなるよう設計されている
が、完全に同一ではないため各々の回転周期が異なる。
もし、感光体位置検出マーク5を画像形成基準にした場
合は、感光体1上では常に同じ位置にトナー像が形成さ
れるが、中間転写体18上で画像を重ねると各色のトナ
ー像が位置ずれを起こす。一方、中間転写体18から画
像形成基準を得た場合は、周長差に応じて感光体1上の
画像形成位置は徐々に変わって行くが、中間転写体18
上では同じ位置に合成像が形成される。従って画像形成
基準は、中間転写体18から得ねばならない。ところ
で、感光体1には継目7があり、継目7上にトナー像は
形成できないため、中間転写体18の適当な位置で画像
形成位置を見つけても、画像形成動作に移行できない場
合がある。
【0018】そこで、中間転写体18の端部に、中間転
写体位置検出マーク22を複数個配置しておき、感光体
位置検出マーク5を検出する直前の中間転写体位置検出
マーク22を、画像形成基準として選択する。更に、感
光体位置検出マーク5を検出する直前の中間転写体位置
検出マーク22を検出してから、感光体位置検出マーク
5を検出するまでの時間を位相差時間として計測し、選
択された中間転写体位置検出マーク22を検出後、全て
の作像プロセスを位相差時間だけ遅延させる処理を行っ
ている。
【0019】原理上は、中間転写体位置検出マーク22
は一つであっても構わないが、感光体1と中間転写体1
8の位置関係によっては、ファースト印字が遅くなった
り、中間転写体位置検出マーク22を検出してから画像
形成開始までに時間がかかり、中間転写体18上の画像
位置合わせ精度の劣化が考えられるため、中間転写体1
8には複数の中間転写体位置検出マーク22を配置し、
マーク検出後速やかに画像形成が開始されるよう配慮さ
れている。
【0020】中間転写体18の周面には、回転方向d2
に沿って、濃度センサー25、用紙転写手段としての用
紙転写ローラ26、中間転写体クリーニング装置27が
配置されている。濃度センサー25は、反射型センサー
を応用したものであり、中間転写体18上のトナー濃度
を検出する。濃度センサー25の発光側は、D/A変換
器(図示せず)に接続されており、D/A変換器にデー
タを設定して電流を制御することで発光光量を変化させ
ることができる構成となっている。受光側の出力は、オ
ペアンプ(図示せず)等で増幅され、CPU40(図
6)のA/D変換ポート(図示せず)に入力される。中
間転写体クリーニング装置27は、用紙転写後の中間転
写体18上の残留トナーを除去する装置であり、中間転
写体18上にトナー像が合成されている間は中間転写体
18から離間しており、クリーニングに供する時のみ当
接する。
【0021】次に、給紙系並びに定着装置の構成を説明
する。給紙系は、用紙カセット30、給紙ローラ31、
用紙搬送路32、スリップローラ33、レジストローラ
34aとその従動ローラ34bから構成されている。用
紙カセット30は、用紙を収納するためのカセットであ
り、最大100枚の用紙を装着することができる。用紙
カセット30の周辺には、用紙カセット有無センサー、
用紙サイズ判別センサー、用紙有無センサー、用紙残量
センサー(全て図示せず)等が配置されている。
【0022】給紙ローラ31は、半月形のローラであ
り、用紙カセット30から用紙28を1枚づつ用紙搬送
路32へ送り出す。用紙搬送路32の途中には、スリッ
プローラ33が配置され、給紙ローラ31によってピッ
クアップされた用紙28は、スリップローラ33により
レジストローラ34aまで搬送される。用紙28の先端
がレジストローラ34aに到達した時点では、レジスト
ローラ34aは回転しておらず、用紙28は先に進むこ
とができずにスリップローラ33位置でスリップしてい
る。レジストローラ34aと従動ローラ34bは、用紙
28と中間転写体18上の合成像の位置を一致させるた
め一時的に用紙28を停止待機させる。動作時は、共に
回動して用紙28を用紙転写ローラ26の方向へ搬送す
る。
【0023】次に、定着装置35の構成を説明する。定
着装置35は、ヒートローラ36、加圧ローラ37、温
度センサー38等で構成されている。ヒートローラ36
は、ヒータと、アルミ製の芯金、厚み0.5mm程度の
シリコンゴムによって構成されており、用紙28上に転
写されたトナー像の表面を加熱しトナーを軟化、溶融さ
せる。加圧ローラ37は、鉄製の軸と厚み3mm程度の
シリコンゴムとからなり、ヒートローラ36との間に用
紙28を挟持して圧力を加える。ヒートローラ36と加
圧ローラ37の挟持回転に伴い熱と圧力で用紙28上の
トナー像は用紙28に定着しカラー画像を形成する。
【0024】温度センサー38は、サーミスタ等のセン
サーであり、ヒートローラ36の表面温度を検出する。
温度センサー38からの出力は、適当なサンプリング周
期で検出され、検出結果に基づいて、単位時間当りのヒ
ータの点灯時間が制御され、常に規定の温度を保持して
いる。
【0025】上述してきた構成によるものを含め、電子
写真装置は、一般に環境変動等に対して敏感であり、例
えば機内温度の上昇に伴って、階調特性は経時的に変化
する。フルカラー出力を行う電子写真装置にとって、階
調性の確保、更に印刷の3原色であるシアン、マゼン
タ、イエローを合成したときのグレーバランスの確保は
重要な技術課題の一つであり、これまでにも様々なアプ
ローチがなされてきている。
【0026】従来の電子写真装置は、例えば電源投入時
の初期化の段階で階調補正を実行する。まず初期化動作
について詳細に説明する。電源が投入されると、電子写
真装置はメモリ等のハードウェア及び画像形成に必要
な、例えば現像器、定着装置35や感光体1が装着され
ているかのチェック、更に初期ジャム等の検出を行い、
異常がなければ定着装置35のヒートローラ36のヒー
タをオンにして、ヒートローラ温度が所定の温度に達す
るまで待機する。所定の温度は、トナーの軟化が始まる
温度であり、約100℃程度である。ヒートローラ36
の表面温度が所定温度に達すると初期化動作に入る。
【0027】初期化動作では、まず感光体1と中間転写
体18の駆動用モータ(メインモータ)、スリーブロー
ラ16の駆動用モータ、露光光学系9内のポリゴンミラ
ーを回転させるスキャナモータ、用紙搬送モータの駆動
を開始し、サーボ系が正常に機能することを確認する。
次に少なくともメインモータは駆動したまま、帯電器8
及び除電器14を起動し感光体1の表面電位の初期化を
開始する。
【0028】次に、各構成要素のポジションを確認す
る。まず各現像器の位置を確認し、例えば現像器10K
が現像位置に出ていれば、離接カム17Kを待機位置に
復帰させる。次に、用紙転写ローラ26の位置を確認
し、用紙転写位置にあれば待機位置に復帰させる。更
に、中間転写体クリーニング装置27の位置を確認し、
中間転写体18に対して離間していればこれを当接させ
る。中間転写体クリーニング装置27は、通常は中間転
写体18に当接しクリーニング状態を保っており、単色
画像を合成する場合にのみ中間転写体18から離間す
る。もちろんこれらの過程において、上記の構成要素を
待機位置に復帰させるべく指令を出したにもかかわらず
復帰がなされない場合は、電子写真装置は初期化を中止
し表示パネル等にエラーメッセージを出力する。
【0029】次に、現像器10Cの初期化を行う。まず
離接カム17Cを180゜回転させ現像器10Cを方向
d3に移動させる。現像器10Cが現像位置に固定され
たことを確認し、スリーブローラ16Cを回転させる。
このとき、現像バイアスは印加しないため(仮に印加し
ても潜像は形成されておらず)トナーは感光体1に付着
しない。
【0030】各現像器10K、10Y、10M、10C
は、現像位置においてトナーの残量検出を行う。まず両
側部に透明なレンズを取付けた現像器10Cにレンズを
通して外部から発光素子による光を入れる。発光素子と
反対側に配置された受光素子で光を検出すると、現像器
10C内部のトナーが不足していると判断する。発光素
子と受光素子は一本の光軸上にあり、現像器10Cが現
像位置にあるときにレンズ部分を光軸が通るように配置
されている。現像器10C内部ではトナー攪拌手段に取
り付けたワイパーにより、レンズを一定周期でクリーニ
ングしており、トナーによる汚れの影響を防止してい
る。レンズのクリーニング部材は、スリーブローラ16
Cの回転用動力に連結されているため、トナー残量検出
にはスリーブローラ16Cを回転させる必要がある。ま
た本トナー残量検出手法は現像器10Cが待機位置にあ
る(即ち離接カム17Cが待機位置にある)時は現像器
10Cの有無を検出できる。さて一定時間スリーブロー
ラ16Cを回転させた後にトナー残量検出結果に異常が
なければ、離接カム17Cを再度180゜回転させ、現
像器10Cを待機位置に復帰する。以上で現像器10C
に対する初期化を終了する。
【0031】以降現像器10M、10Y、10Kの順に
初期化を実行していく。現像器の初期化順序には根拠が
ある。初期化中は感光体1は方向d1に駆動されている
ため、駆動方向と逆の方向に現像器を初期化しないと、
例えば高圧電源が誤動作した場合等に、各現像器間でト
ナーが混色するおそれがあるのである。全ての現像器1
0C、10M、10Y、10Kの初期化が終了すると、
ヒートローラ36の駆動源である用紙搬送用のモータ以
外の駆動源の回転を停止し、帯電器8や除電器14を停
止し、定着装置内部のヒートローラ36が規定の温度に
達して定着可能になるまでウォームアップを行う。階調
補正はこのウォームアップ期間に実行される。
【0032】以降、階調補正動作について詳細に説明す
る。ウォームアップ期間に入ると、再度メインモータの
駆動を開始する。ただしこの時は、帯電器8等の高圧電
源は印加しない。メインモータ起動により中間転写体1
8と感光体1が定速に達したのち、中間転写体18を少
なくとも一周させ、中間転写体18をクリーニングす
る。まず濃度センサー25とその周辺部について説明す
る。
【0033】全構成に関係する部分の説明には図6を用
い、濃度センサー25周辺の詳細な説明には図6を用い
る。図6は従来の濃度センサー周辺のブロック構成図で
ある。図6において、40はCPU、41はD/A変換
器、42はRAM、56aと56bはオペアンプであ
る。濃度センサー25は、中間転写体18と対向して配
置されて反射型センサーであり、CPU40はD/A変
換器41へのに数値設定により、反射型センサーの発光
側電流を変化させて光量制御が可能な構成となってい
る。D/A変換器41に設定可能な値は6ビットであ
り、0〜63の値を設定することができる。濃度センサ
ー25の出力は、オペアンプ56aとオペアンプ56b
に各々入力されている。オペアンプ56aとオペアンプ
56bのゲインの比は、1/2:1に設定されている。
各オペアンプ56a、56bの出力は、CPU40の異
なるA/D変換ポートに入力され、CPU40は元は同
じ出力を2つのゲインで検出できる。
【0034】電子写真装置が、ウォームアップ期間に入
るとメインモータ(図示せず)を起動し、感光体1と中
間転写体18を駆動する。ただしこの時は、帯電器8等
の高圧電源は印加しない。メインモータ起動により感光
体1と中間転写体18が定速に達したのち、中間転写体
18を少なくとも一周させ、中間転写体18をクリーニ
ングする。
【0035】階調補正の第一段階として、彩色成分(シ
アン・マゼンタ・イエロー)と無彩色成分(ブラック)
毎に濃度センサー25の発光側の光量を決定する。以下
に濃度センサーの発光光量調整について図7を用いて詳
細に説明する。図7は従来の濃度センサーの発光光量調
整の説明図であり、図7の横軸は中間転写体18の回転
サイクル数であり、縦軸は濃度センサー出力をA/D変
換したもの、即ちCPU40が認識する濃度データを示
す。
【0036】中間転写体18が完全にクリーニングされ
た状態で、まず彩色成分の地肌濃度の調整目標値57
を、例えばアナログレベルで1.25V、即ちA/D変
換後のデータとしては「64」(=1.25V/5.0
0V×255)とする。CPU40は、D/A変換器4
1に6ビット量の中央値(=「32」)をセットし(図
7における彩色成分第一サイクル)、濃度センサー25
の発光光量を設定する。中間転写体18を一周回転さ
せ、規定のサンプリング周期(例えば20ms周期)で
中間転写体18の地肌濃度を検出しながら、その検出値
を累計する。中間転写体18の一周回転が終了すると、
累計されている値をサンプリング回数で除算し、地肌濃
度の平均値58を算出する。この平均値と地肌濃度の調
整目標値57(=「64」)を比較する。
【0037】図7では、D/A変換器41に「32」を
設定した彩色成分第一サイクルの場合、中間転写体が一
周する間の地肌濃度の平均値58は、調整目標値57を
越えているため、光量の再設定が必要と判断される。
【0038】次の彩色成分第二サイクルでは、「16」
(=32−16)をD/A変換器41に設定する。この
ときの変更幅は「16」となる。彩色成分第二サイクル
では、地肌濃度の平均値は調整目標値57を下回るた
め、やはり光量の再設定が必要となる。前回の変更幅
「16」を1/2し、今回の変更幅は「8」とする。ま
た地肌濃度の平均値<調整目標値57であるから、濃度
センサーの発光光量は増加せねばならないと判定する。
【0039】彩色成分第三サイクルでは「24」(=1
6+8)をD/A変換器41に設定し、上述してきた動
作を繰り返す。実際は、地肌濃度の平均値と調整目標値
57との差が規定値以下であれば、現在のD/A変換器
41の設定値をメモリに保持し、彩色成分計測時の濃度
センサー発光光量設定を終了するが、変更幅はサイクル
単位に1/2されており、変更幅が0となった時点で発
光量調整動作を打ち切るため、上述の動作が無限ループ
となることはない。計測サイクルが進むにつれて、D/
A変換器41の設定に対する変更幅は小さくなり、設定
値は収束する。
【0040】次に、無彩色成分に対する濃度センサーの
発光光量を決定する。この過程は、彩色成分における場
合とほぼ同様だが、地肌濃度の調整目標値59は、例え
ばアナログレベルでは3.0V、即ちA/D変換後のデ
ータとしては「153」(=3.00V/5.00V×
255)であり、彩色成分の目標値より高い値が設定さ
れる。CPU40は、D/A変換器41に6ビット量の
中央値(=「32」)をセットし(図7における無彩色
成分第一サイクル)、濃度センサー25の発光光量を設
定する。中間転写体18を一周回転させ、規定のサンプ
リング周期(例えば20ms周期)で中間転写体18の
地肌濃度を検出しながら、その検出値を累計する。
【0041】中間転写体18の一周回転が終了すると、
累計されている値をサンプリング回数で除算し、地肌濃
度の平均値60を算出し、地肌濃度の平均値と地肌濃度
の調整目標値59(=「153」)を比較する。図6で
は、D/A変換器41に「32」を設定した無彩色成分
第一サイクルの場合、中間転写体が一周する間の地肌濃
度の平均値60は、調整目標値59を下回るため、光量
の再設定が必要と判断される。
【0042】次の無彩色成分第二サイクルでは、「4
8」(=32+16)をD/A変換器41に設定する。
このときの変更幅は「16」となる。無彩色成分第二サ
イクルでは、地肌濃度の平均値は調整目標値59を下回
るため、やはり光量の再設定が必要となる。前回の変更
幅「16」を1/2し、今回の変更幅は「8」とする。
今回も地肌濃度の平均値<調整目標値59であるから、
濃度センサーの発光光量は増加せねばならないと判定す
る。
【0043】無彩色成分第三サイクルでは「56」(=
48+8)をD/A変換器41に設定し、上述してきた
動作を繰り返す。実際は地肌濃度の平均値と調整目標値
59との差が規定値以下であれば、現在のD/A変換器
41の設定値をメモリに保持し、無彩色成分計測時の濃
度センサー発光光量設定を終了するが、変更幅はサイク
ル単位に1/2されており、変更幅が0となった時点で
発光量調整動作を打ち切るため、上述の動作が無限ルー
プとなることはない。計測サイクルが進むにつれて、D
/A変換器41の設定に対する変更幅は小さくなり、設
定値は収束する。上述した動作により、彩色成分と無彩
色成分に対する濃度センサー25の発光光量が決定され
る。
【0044】彩色成分と無彩色成分で異なる発光量が決
定されると、階調補正の第二段階に入る。第二段階で
は、各色トナーの飽和濃度を検出する。飽和濃度とは、
それ以上トナーを重畳しても濃度が上昇しなくなる限界
濃度のことを指す。一般に用紙上に単色トナーの層を次
々と重ねると、トナー濃度の上昇カーブは徐々に緩やか
になり、最後はそれ以上トナー層を重ねても、トナー濃
度が上昇しなくなり飽和状態となる。これと同ように中
間転写体18上に同一の単色トナーを重畳したときの濃
度センサー25の出力も飽和状態となる。
【0045】まず飽和濃度検出用のテストパターンにつ
いて説明する。図8は従来の飽和濃度検出用のパターン
図である。飽和濃度を検出するため、画像データは最大
値(FFH)とする。テストパターンは合計2つであ
り、飽和濃度検出用パターン61の位置でブラックとマ
ゼンタの飽和濃度を検出し、飽和濃度検出用パターン6
2の位置でイエローとシアンの飽和濃度を検出する。ま
た63は中間転写体18の駆動方向を示している。
【0046】次に、中間転写体18上に同一色の単色ト
ナーを複数回合成して、飽和濃度を得る過程を説明す
る。まず露光光学系9内のポリゴンミラーの回転を開始
する。また感光体1は、駆動方向d1に、中間転写体1
8は駆動方向d2に、それぞれ駆動される。更に現像器
10K〜10C内部のスリーブローラ16K〜16Cの
駆動源の回転を開始する。また中間転写体クリーニング
装置27は、この時点で中間転写体18から離間し、中
間転写体18上に複数回数トナー像を重畳できるように
する。
【0047】各駆動源の起動直後に高圧電源に接続され
た帯電器8内の帯電線に−4000Vから−5000V
程度の高電圧を印加しコロナ放電を行なわせ、更に帯電
器8内のグリッドに−600Vを印加して、感光体1の
表面を一ように−500V程度に帯電させる。更に除電
器14を動作させ、中間転写ローラ12に+1000V
程度の高電圧を印加する。
【0048】中間転写体18と感光体1の搬送速度が定
速に達すると、感光体位置検出センサー6は、感光体位
置検出マーク5の検出を開始し、更に中間転写体位置検
出センサー23は中間転写体位置検出マーク22の検出
を開始する。感光体位置検出マーク5と中間転写体位置
検出マーク22の検出時間差に基づいて、感光体1の継
目7を回避し、かつ最も最短時間で画像形成が可能な中
間転写体位置検出マーク22が選択され、選択された中
間転写体位置検出マーク22が検出されてから実際に画
像形成プロセスを起動するまでの遅延時間が計算され
る。以降の画像形成においては、全色の画像形成開始基
準としてこの時点で選択された中間転写体位置検出マー
ク22が用いられる。
【0049】さて、上述の手順で選択された中間転写体
位置検出マーク22が、中間転写体位置検出センサー2
3によって検出されると、所定時間経過後に電子写真装
置に内蔵された飽和濃度検出用パターンデータに基づ
き、感光体1上に図8に示したテストパターンの静電潜
像が形成される。所定時間経過後にブラック現像器10
Kが感光体1に当接し、図8における飽和濃度検出用パ
ターン61の位置の潜像を顕画化する。飽和濃度検出用
パターン61の位置の現像が終了すると、現像器10K
は待機位置に復帰し、次にマゼンタ現像器10Mが感光
体1に当接し、図8における飽和濃度検出用パターン6
2の位置の潜像を顕画化する。このように感光体1が一
周する間に異なる色の現像器を当接・離間することで、
2色のテストパターンを同時に形成することができる。
【0050】顕画化されたテストパターンは、中間転写
体18に転写され、濃度センサー25の位置に搬送され
る。飽和濃度検出用パターン61が濃度センサー25の
位置に到達する直前に、CPU40は、D/A変換器4
1に無彩色成分を読み取る際の発光光量設定をおこな
い、ブラックトナー像に対する濃度センサー25の出力
の読み取りを開始する。ブラックトナー濃度を読み取る
場合、CPU40は、図9におけるオペアンプ56b
(ゲイン=1の方)のA/D変換ポートを選択する。こ
こで図9は従来の最大濃度補正パターン図である。濃度
センサー25の出力は、予め定められたサンプリング周
期でCPU40に読み込まれRAM42に格納される。
【0051】所定回数読み取ると、CPU40はD/A
変換器41に彩色成分を読み取る際の発光光量設定をお
こない、マゼンタトナー像に対する濃度センサー25の
出力の読み取りを開始する。マゼンタトナー像を読み取
る場合は、CPU40は、図6におけるオペアンプ56
a(ゲイン=1/2の方)のA/D変換ポートを選択す
る。濃度センサー25の出力は、予め定められたサンプ
リング周期でCPU40に読み込まれRAM42に格納
される。
【0052】こうして、ブラックとマゼンタの飽和濃度
検出パターンが形成された中間転写体18の読み取り結
果が、時間順にRAM42に格納される。ブラックとマ
ゼンタでCPU40のA/D変換ポートを変えるのは、
彩色成分濃度が飽和状態に近付くと、通常ゲイン(=
1)ではCPUのA/D変換ポートのリファレンス電位
(5V)を越えるためである。つまりゲイン=1/2で
CPU40に取り込み、ソフトウェアにより2倍して使
用する。この手法では読み取り精度が低下するが、飽和
濃度のような高濃度域は視覚特性上の精度も低いため、
この程度の誤差は問題にならない。
【0053】一層目の読み取りが終了すると、CPU4
0は、飽和濃度検出用パターン61及び飽和濃度検出用
パターン62の位置に対応したRAM42のアドレスか
ら読み取り結果を集計し、各色毎に一層目の濃度データ
を求めRAM42に格納する。二層目以降も同様にして
画像を形成する。二層目以降の飽和濃度検出用パターン
は中間転写体18上で一層目と全く同じ位置に合成さ
れ、濃度センサー25により濃度を計測し、RAM42
に格納する。
【0054】さて二層目の濃度計測が終了した時点で、
一層目の濃度データと二層目の濃度データを比較する。
これらの濃度データの比が予め定められた範囲を満たさ
ない場合は、CPU40は、感光体1から中間転写体1
8への転写が異常であると判定する。層が増えるに従っ
て濃度データの絶対値は収束するが、転写不良が発生し
た場合は、特に一層目から二層目の濃度上昇率が非常に
小さくなる。予め現像器内部のトナー量は、残量検出手
段によって判定されているから、転写不良を正しく検出
できる。転写不良が発生した場合は、階調補正はもとよ
り、通常の印字も不良となるため、CPU40は、直ち
に電子写真装置を停止し、ディスプレイ装置にエラーメ
ッセージを表示する。ここでは、一層目と二層目の濃度
上昇率に基づいて転写不良を検出しているが、地肌濃度
はある程度チューニングされるので、一層目の濃度デー
タそのものでもある程度の判定は可能である。また各層
の濃度データと濃度上昇率を組み合わせても転写不良は
判定可能である。
【0055】以上のようにして単層画像を合成して行く
と、四層程度の合成で中間転写体18上のトナー濃度は
飽和する。このときの濃度センサー25の出力をブラッ
ク、マゼンタ毎に求めてダーク基準としてRAM42に
格納する。飽和濃度が検出されると中間転写体クリーニ
ング装置27は当接位置に移動し、中間転写体18はク
リーニングされる。
【0056】以上のようにブラックとマゼンタのダーク
基準を検出すると、次はイエローとシアンのダーク基準
を検出する。選択された中間転写体位置検出マーク22
が中間転写体位置検出センサー23によって検出される
と、所定時間経過後に電子写真装置に内蔵された飽和濃
度検出用パターンデータに基づき、感光体1上に図8に
示したテストパターンの静電潜像が形成される。所定時
間経過後にイエロー現像器10Yが感光体1に当接し、
図8における飽和濃度検出用パターン61の位置の潜像
を顕画化する。飽和濃度検出用パターン61の位置の現
像が終了すると、現像器10Yは待機位置に復帰し、次
にシアン現像器10Cが感光体1に当接し、図8におけ
る飽和濃度検出用パターン62の位置の潜像を顕画化す
る。
【0057】顕画化されたテストパターンは、中間転写
体18に転写され、濃度センサー25の位置に搬送され
る。飽和濃度検出用パターン61が濃度センサー25の
位置に到達する直前に、CPU40は、D/A変換器4
1に彩色成分を読み取る際の発光光量設定をおこない、
イエロー及びシアントナー像に対する濃度センサー25
の出力の読み取りを開始する。このときCPU40は、
図6におけるオペアンプ56a(ゲイン=1/2の方)
のA/D変換ポートを選択する。濃度センサー25の出
力は、予め定められたサンプリング周期でCPU40に
読み込まれRAM42に格納される。こうしてイエロー
とシアンの飽和濃度検出パターンが形成された中間転写
体18の読み取り結果が時間順にRAM42に格納され
る。
【0058】一層目の読み取りが終了すると、CPU4
0は、飽和濃度検出用パターン61及び飽和濃度検出用
パターン62の位置に対応したRAM42のアドレスか
ら読み取り結果を集計し、各色毎に一層目の濃度データ
を求めRAM42に格納する。二層目以降も同様にして
画像を形成し、中間転写体18上で合成し、濃度センサ
ー25により濃度を計測し、RAM42に格納する。以
降の動作は、ブラックとマゼンタトナーの飽和濃度を検
出した場合と同じであり、こうしてイエローとシアンの
ダーク基準が検出される。
【0059】以上のようにして各色のダーク基準が検出
されると、階調補正は第三段階にはいる。第三段階以降
では、中間転写体クリーニング装置27は当接し、中間
転写体18は、常にクリーニングされている。第三段階
では、濃度センサー25の光量を彩色成分計測時、無彩
色成分計測時の2つの設定に切り換えて、中間転写体1
8の地肌濃度、即ちハイライト基準を計測する。既に画
像形成が可能な状態であるので、選択された中間転写体
位置検出マーク22を中間転写体位置検出センサー23
が検出するのを待って、電子写真装置は階調補正の第三
段階に移行する。選択された中間転写体位置検出マーク
22が、中間転写体位置検出センサー23によって検出
されると、所定時間経過後にCPU40は、D/A変換
器41に彩色成分を読み取る際の発光量設定をおこな
い、濃度センサー25の出力の読取りを開始する。濃度
センサー25の出力は、予め定められたサンプリング周
期でCPU40に読み込まれる。CPU40は、読み込
み結果を直ちにRAM42に格納する。例えば中間転写
体18の画像領域を370mm、搬送速度を100mm
/s、サンプリング周期を10msとすると中間転写体
18が一周する間に370個のデータがRAM42に格
納される。
【0060】彩色成分用の発光量設定のもとで、中間転
写体18の地肌濃度計測が終了すると、CPU40はD
/A変換器41にデータをセットして、濃度センサー2
5の発光量を無彩色成分計測時の設定にし、選択された
中間転写体位置検出マーク22の検出を待つ。再度中間
転写体位置検出マーク22が中間転写体位置検出センサ
ー23によって検出されると、彩色成分のときと全く同
ように、無彩色成分用の発光量設定のもとで中間転写体
18の地肌濃度を計測し、結果はRAM42に格納され
る。無彩色成分の発光量設定のもとで中間転写体18の
地肌濃度計測が終了すると階調補正の第三段階は終了す
る。
【0061】次に、第四段階の最大濃度補正について述
べる。前述したように、電子写真装置の用紙上濃度は、
環境変動、経時的に変化し、画像データの最大値(FF
H)に対応する濃度値は一定でない。そのため、現像バ
イアスを制御して目標最大濃度を確保するもので補正パ
ターンとして、図9に示すものが各色毎に用意される
(各パターンの描画データは一定でFFH)。そして感
光体1上に、前記パターンを形成しながら、各パターン
位置で現像バイアスを最低(−125V)から最大(−
350V)まで変化させることで、10段階の濃度パタ
ーンが顕画化され、第一転写後、濃度センサー25によ
り検出され後述する濃度検出アルゴリズムに従って、濃
度値がCPU40により認識されRAM42に格納され
る。そして、各パターンの濃度チェックを行い、目標最
大濃度(例えば反射濃度1.5)に対応する現像バイア
ス値を選択する。
【0062】第四段階が終了すると第五段階に入る。第
五段階では中間転写体18上に形成された階調を有する
テストパターンの濃度を各色毎に検出し、第三段階まで
で求められたダーク基準とハイライト基準を用いて、電
子写真装置のγ特性を補正するテーブルを作成する。
【0063】第五段階で使用されるテストパターンを図
10(従来の階調補正用テストパターン図)に示す。テ
ストパターンは、電源投入時や、適当な条件が整った場
合に形成されるため、多数回の同一パターン形成により
パターン領域が物理的に劣化しても、画質劣化が視覚的
に目だちにくいように、画像領域の端部に形成される。
テストパターンは、合計10個であり、各々異なる濃度
パターンを形成するように、予め画像データが設定され
ている。例えば先頭のパターンは、16進表現で10
H、次のパターンは20Hのように、画像の先頭から順
に濃度が高くなる設定となっている。
【0064】また中間転写体18において、テストパタ
ーンの形成位置は各色共通であり、画像データも共通で
あるが、各色画像は色によって異なるスクリーン角を用
いて形成され、例えばホストコンピュータ等から転送さ
れた画像データを印字する際のスクリーン角と階調補正
実行時のスクリーン角は色毎に共通である。次に、中間
転写体18に形成された彩色成分並びに無彩色成分のト
ナーを、濃度センサー25で検出した時の一般的な特性
について、図11を用いて説明する。図11は従来の彩
色成分及び無彩色成分の階調補正用テストパターンに対
する濃度センサーの出力例示図である。簡単のため、ト
ナーが無い状態の中間転写体18を濃度センサー25で
検出した時の出力は、グラフの中央を示すものとする。
また彩色成分と無彩色成分のパターンは、先頭から順に
濃度が上昇するよう予め定められているとする。
【0065】彩色成分の場合、階調補正用テストパター
ンの濃度上昇とともに、濃度センサー25の出力も上昇
する。厳密には各色で特性は異なるが、パターン濃度の
上昇に応じて濃度センサー25の出力が単調増加すると
いう点では差はない。
【0066】一方、同条件で無彩色成分のパターンを検
出した時は、パターン濃度の上昇に応じて濃度センサー
25の出力は単調減少する。パターン濃度上昇と共に彩
色成分と無彩色成分でグラフの中央、即ち中間転写体1
8の地肌レベルを挟んで異なる方向に値が変化するのが
大きな特徴である。
【0067】誘電体である中間転写体18は、カーボン
が分散されているため黒色であるが、表面は滑らかであ
り、ある程度の反射率を有する。彩色成分を検出する場
合は、トナーの反射率と光の散乱が共に増加し濃度セン
サー出力は単調増加する。一方、無彩色成分に対する特
性は、パターン濃度に応じて濃度センサーからの照射光
はトナー表面で吸収されるため、濃度センサーの出力は
単調減少する。
【0068】さて階調補正の第二段階終了後に、選択さ
れた中間転写体位置検出マーク22が検出されると、所
定時間経過後に電子写真装置に内蔵された濃度データに
基づき、感光体1上にテストパターンの静電潜像が形成
される。既に各高電圧等の画像形成に必要な構成要素は
起動され、この時点では画像形成の準備は整っている。
【0069】画像形成プロセスは、選択された中間転写
体位置検出マーク22を基準にして進行されるため、以
降の動作は選択された1つの中間転写体位置検出マーク
22の検出に基づくものである。所定時間経過後に現像
器10Kが、感光体1に当接し、階調補正用テストパタ
ーンを顕画化する。顕画化されたブラックのテストパタ
ーンは、中間転写体18に転写され、濃度センサー25
まで搬送される。
【0070】更に所定時間経過後に、CPU40は、D
/A変換器41に無彩色成分を読み取る際の発光量設定
をおこない、濃度センサー25の出力の読み取りを開始
する。濃度センサー25の出力は、予め定められたサン
プリング周期でCPU40に読み込まれる。読み込み
は、全画像領域に対して行い、CPU40は読込み結果
を直ちにRAM42に格納する。
【0071】以上のようにして、無彩色成分のテストパ
ターンの濃度測定が終了すると、CPU40は、D/A
変換器41に彩色成分を読み取る際の発光量設定をおこ
ない、選択された中間転写体位置検出マーク22が再度
検出されるのを待つ。以降は、ブラックと同じ画像デー
タを用いて、シアン、マゼンタ、イエローのテストパタ
ーンを中間転写体位置検出マーク22が検出される毎に
形成し、ブラックの場合と同ようにRAM42に格納す
る。前述したように、この時点で中間転写体クリーニン
グ装置27は、当接状態であり、中間転写体18は常に
クリーニングされているので、濃度センサー25は色毎
に階調補正パターンを読み取ることができる。
【0072】こうして、無彩色成分の光量設定における
中間転写体18の地肌濃度、無彩色成分のテストパター
ンの濃度検出結果、並びに彩色成分の光量設定における
中間転写体18の地肌濃度、シアン・マゼンタ・イエロ
ーの各テストパターンの濃度検出結果が、それぞれRA
M42に格納される。このデータは、濃度センサー25
の出力を単に時間順に取得したものに過ぎないため、テ
ストパターン形成・読み取り動作が終了すると、電子写
真装置は、各モータや帯電器8等の動作をすべて停止
し、データ処理を行う。
【0073】RAM42内のデータは、すべて同じ中間
転写体位置検出マーク22の検出に基づき得られたもの
なので、地肌濃度とテストパターン読み取り開始点は中
間転写体18の同一地点のものである。また中間転写体
位置検出マーク22を検出してから、CPU40が濃度
センサー25の出力の取り込みを開始するまでの時間は
定まっているので、1つ1つのテストパターン位置に対
応した読み取り結果は容易に得られる。まずテストパタ
ーン1つに対して、8個のポイントの値を合計し、この
平均値を1つのパターンの濃度値とする。こうして無彩
色成分の光量設定における各パターン位置の地肌濃度と
トナー濃度及び彩色成分の光量設定における各パターン
位置の地肌濃度とシアン、マゼンタ、イエローのトナー
濃度を求めることができる。
【0074】各色の階調補正用テストパターンの濃度計
測が終了すると、第二段階で求めたダーク基準と第三段
階で求めたハイライト基準を用いて階調補正テーブルを
作成する。以降簡単のために、ブラック(無彩色成分)
とシアン(彩色成分)のデータ処理について説明する。
マゼンタとイエローに対するデータ処理はシアンの場合
と同様である(ただしダーク基準は独立した値を使用す
る)。また各パターン位置をn(n=0〜9)とし、n
の位置の中間転写体18の地肌濃度(ハイライト基準)
を、ブラックの場合はHL_K[n]、シアンの場合は
HL_CMY[n]とし、階調パターンのトナー濃度を
シアンの場合はD_C[n]、ブラックの場合はD_K
[n]とする(DはDensityの意味)。更にブラ
ックのダーク基準をDK_K、シアンのダーク基準をD
K_Cとする(DKはdarkの意味。配列要素が無い
のはダーク基準がパターン位置に無関係であるため)。
【0075】まずブラックに対するデータ処理を図12
を用いて説明する。図12は従来のブラックの各パター
ンの濃度計測結果、ハイライト基準とダーク基準の関係
及びデータ処理を示す図である。ブラックのデータ処理
は、ダーク基準DK_Kと、各パターン毎の濃度データ
D_K[n]と、ハイライト基準HL_K[n]を用い
て行う。
【0076】まず全てのnに対して、DIF[n]=H
L_K[n]−D_K[n]を計算し、DIF[n]を
真の濃度レベルと規定する。次に、全てのnに対して、
DL[n]=HL_K[n]−DK_Kを計算し、DL
[n]を各パターン毎のダイナミックレンジと規定す
る。次に、DIF[n]を、DL[n]に対して8ビッ
トで正規化する。即ち各パターン毎に正規化値NM
[n]を、NM[n]=DIF[n]*255/DL
[n]に基づき計算する。更に、正規化されたデータを
用紙上の濃度に変換する。濃度変換は予め実験的に取得
した濃度変換テーブルを用いる。
【0077】ブラックの濃度変換テーブルについて、図
13を用いて説明する。図13は従来のブラックの濃度
変換テーブルのグラフである。図13において、横軸
は、各パターン毎の濃度センサー25の出力を上述した
手法に基づいて正規化した値であり、縦軸は同じパター
ンを用紙に形成した時の濃度(マクベス濃度)である。
これらのテーブルは、中間転写体18に形成された階調
補正用パターンや飽和濃度検出用パターンを、濃度セン
サー25で検出し、正規化したデータと、同一パターン
を用紙上に転写・定着したサンプルがあれば容易に得る
ことができる。
【0078】ブラックの濃度変換テーブルは、中〜高濃
度域で正規化値に対する用紙上濃度が急激に変化するた
め、テストパターンの濃度が上昇するほど検出の精度が
低くなる。この特性は、一般に言われる反射率→濃度変
換特性そのものと考えてよい。フルカラー画像では、ブ
ラックは補助的な使われ方がされ、また人間の視覚特性
が高濃度域ほど濃度差に鈍感になるため、高濃度域にお
ける精度の劣化はさほど問題にならない。
【0079】次にシアンに対するデータ処理を図14を
用いて説明する。図14は従来のシアンの各パターンの
濃度計測結果、ハイライト基準とダーク基準の関係及び
データ処理を示す図である。シアンのデータ処理は、各
パターン毎の濃度データD_C[n]と、ハイライト基
準HL_CMY[n]と、ダーク基準DK_Cを用い
る。
【0080】まず全てのnに対して、DIF[n]=D
_C[n]−HL_CMY[n]を計算し、DIF
[n]を真の濃度レベルと規定する。次に、全てのnに
対して、DL[n]=DK_C−HL_C[n]を計算
し、DL[n]を各パターン毎のダイナミックレンジと
規定する。次に、DIF[n]を、DL[n]に対して
8ビットで正規化する。即ち各パターン毎に正規化値N
M[n]を、NM[n]=DIF[n]*255/DL
[n]に基づき計算する。更に、正規化されたデータを
用紙上の濃度に変換する。濃度変換には、予め実験的に
取得した濃度変換テーブルを用いる。
【0081】濃度変換テーブルについて図15を用いて
説明する。図15は従来のシアンの濃度変換テーブルの
グラフである。図15において横軸は、各パターン毎の
濃度センサー25の出力を上述した手法に基づいて正規
化した値であり、縦軸は同じパターンを用紙に形成した
時の濃度(マクベス濃度)である。これらのテーブル
は、中間転写体18に形成された階調補正用パターンや
飽和濃度検出用パターンを、濃度センサー25で検出
し、正規化したデータと、同一パターンを用紙上に転写
・定着したサンプルがあれば容易に得ることができる。
またハイライト基準とダーク基準が測定系で一意に定ま
れば、これらのグラフの形はほとんど変わらないため、
正規化後のデータから用紙上の濃度が正しく予測でき
る。
【0082】さて濃度変換テーブルは、濃度センサー2
5の出力を用紙上の画像濃度に変換するテーブルだか
ら、用紙にトナー像を転写する際の用紙転写特性と、定
着特性を含んでいる。従って、用紙転写特性が環境等に
より変動して階調性を劣化させる場合は、濃度変換テー
ブルの変換特性を環境パラメータ等に応じて変更すれ
ば、影響を吸収することができる。
【0083】以上の説明で濃度センサー25の出力から
画像濃度を検出する手法を示した。一方、階調補正用テ
ストパターンのデータ、即ち入力は、予め定められた値
であり既知である。この入力データと、用紙上濃度との
関係は電子写真装置のγ特性に他ならない。従って、用
紙上の濃度に対する入力データの関係を求めれば、γ特
性の逆関数(階調補正テーブル)を求めることができ
る。
【0084】次に、図16を用いて画像データと階調補
正テーブルの関係を説明する。図16は従来の画像デー
タの処理ブロック図である。CPU40は、作成された
階調補正テーブルを、SRAM51に転送している。コ
ントローラ52から出力された画像データ53が、SR
AM51のアドレスをアクセスすると、階調を補正され
た画像データがSRAM51からレーザドライバ54に
出力される。レーザドライバ54は、画像データに応じ
たパルス幅変調を行い、レーザダイオード55を発光さ
せる。階調補正テーブルをアクセスすることで、例えば
コントローラ52から均等ステップの画像データ53が
出力されると、電子写真装置のγ特性は逆関数である階
調補正テーブルによって打ち消され、用紙上の画像濃度
も均等ステップとなる。以上の動作により画像の階調性
が確保される。
【0085】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子写真装置には、次のような解決すべき課題がある。
すなわち、電子写真プロセスに使用される感光体1は、
一般に環境特性や経時劣化特性を持ち、表面電位が変動
し、最終の用紙上濃度も変化する。本来、階調補正は、
この様なプロセスの変動に追従して、濃度制御を行う必
要があるが、表面電位の変動幅の程度によっては、制御
能力の範囲をこえてしまうことが考えられる。たとえば
初期状態で表面電位が500Vであったものが、環境変
化や経時変化で現像バイアス350V近くまで低下した
場合、地汚れ、濃度の変動、階調特性の変動が生じる。
【0086】この時、現像バイアスをアップさせると地
よごれがひどくなり、ダウンさせると濃度が低下し目標
濃度を保持するのが困難になる。すなわち、表面電位の
変動は階調制御が不安定になる要因であり、安定化が必
要になる。別の問題として用紙転写の階調特性が環境の
変化により大きく変化してしまうことがある。たとえ
ば、初期状態から環境の変化の過程で、目標濃度に到達
できないような大きな、転写効率の変化があった場合、
その変化の程度によっては現像バイアスのアップでは対
応出来ない場合がでてくる。
【0087】表面電位、用紙転写効率は、電子写真プロ
セスの種々の要素のなかでも最も、環境、経時変化が顕
著であり、従来の構成では、これらの要素のパラメータ
の変動によっては、階調制御が不可能となる状況が発生
する。また、従来の階調補正の濃度認識アルゴリズム
は、中間転写体のトナー付着量と、そのトナーを用紙に
転写させた場合の用紙上トナー付着量(すなわち用紙上
濃度)の関係が常に一義的であること(すなわちあらゆ
る濃度レベルで転写効率が変化しない)を前提としてお
り、用紙転写特性の変動はこの前提条件が崩壊し、階調
補正が成立しない。
【0088】そこで本発明は、環境変化等による表面電
位、用紙転写効率の変化を抑制して常に良好な階調特性
が得られる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0089】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光体上に複
数個のテストパターンの潜像を形成する露光光学系と、
潜像を顕画化する現像器と、顕画化されたトナー像を合
成し保持する中間転写体と、テストパターンの濃度を検
出する濃度センサーと、感光体の表面電位を検出する表
面電位検出手段とを有し、濃度センサ−の出力値に基づ
いて階調補正を行う前に、表面電位検出手段の検出結果
に基づいて感光体の表面電位を制御する。これにより、
環境変化等による表面電位、用紙転写効率の変化を抑制
して常に良好な階調特性が得られる電子写真装置を実現
できる。
【0090】
【発明の実施の形態】請求項1記載の電子写真装置は、
感光体上に複数個のテストパターンの潜像を形成する露
光光学系と、潜像を顕画化する現像器と、顕画化された
トナー像を合成し保持する中間転写体と、テストパター
ンの濃度を検出する濃度センサーと、感光体の表面電位
を検出する表面電位検出手段とを有し、濃度センサ−の
出力値に基づいて階調補正を行う前に、表面電位検出手
段の検出結果に基づいて感光体の表面電位を制御する。
【0091】請求項2記載の電子写真装置は、感光体上
に複数個のテストパターンの潜像を形成する露光光学系
と、潜像を顕画化する現像器と、顕画化されたトナー像
を合成し保持する中間転写体と、テストパターンの濃度
を検出する濃度センサーと、中間転写体のトナー像を用
紙上に転写するための用紙転写手段と、用紙転写手段の
近傍に配置された湿度検出手段を有し、濃度センサ−の
出力値に基づいて階調補正を行う前に、湿度検出手段の
出力結果に基づいて用紙転写手段を制御する。
【0092】この構成により、環境変化及び経時変化に
対する階調特性の変動を、最小限に抑えることができ
る。それでもなお生じる階調特性の変動に対応した補正
を行うことで、良好な直線性の階調性を得ることができ
る。
【0093】以下本発明の実施の形態について、図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態に
おける電子写真装置の構成図である。ここで、初期化か
ら定着までの一連の説明は、図6に示した従来例と同様
であるため省略する。また、中間転写体18上のトナー
濃度の認識アルゴリズムも、従来例と同様のためこれも
省略する。
【0094】先ず第一段階として、電源投入後、定着器
36、37のアイドリングが開始され、並行して感光体
1の近傍に配置された帯電器8のコロナ放電により、感
光体1の表面は一様に帯電する。通常感光体1は、無電
位または0Vであるが、帯電器8に高圧が印加された場
合、その極性及び帯電電流の大きさに応じて、電位が生
じる。
【0095】図2は本発明の一実施の形態における表面
電位モデル図、図3は本発明の一実施の形態におけるフ
ァンクションブロック図である。図2において、帯電電
流を−1000μA、グリッド板の電位を−600Vと
すれば、感光体1の表面電位は約−500Vとなる。こ
の値は、感光体1の特性、帯電電流、グリッドバイアス
により変化し、さらに前述したように環境的及び経時的
に変化する。さて、感光体1の近傍には、図1に示すよ
うに、表面電位検出手段70が配置されており、帯電し
た感光体1の電位が計測される。図3に示すように、計
測された値(アナログ値)は、A/D変換器74により
デジタル値に変換され、CPU76が認識する。
【0096】ここで、あらかじめ決定された表面電位の
値が−500Vとすると、実際に計測された値が−45
0Vに低下した場合、グリッドバイアス値をアップさせ
ることで目標の表面電位に復帰させることができる。図
3に示すように、グリッドバイアス用電源の出力は、D
/A変換器73を介してCPU76によって、制御でき
るように構成され、8bitのD/A変換器73であれ
ば255stepの可変が可能である。そこで、まず1
stepだけアップさせて表面電位を計測する。そして
所定の値に達していなければ、更に1stepアップさ
せるという操作を繰り返し、目標値に収束した時点でそ
のデータ値を保持する。これにより、感光体1上の表面
電位の安定性は、常に確保されることになる。
【0097】次に用紙転写手段の制御動作について述べ
る。用紙転写手段は、前述したように、環境特性、特に
湿度の変化により、転写効率が変化しエンジンの階調特
性の変化につながる。用紙転写は、前述したように帯電
器のコロナ放電により用紙が電荷を帯び、中間転写体1
8上のトナーがクーロン力で飛翔することによりおこな
われる。すなわち、放電電流の大きさによりトナーが飛
翔する量が変化するため、電流制御により転写効率を変
化させることができる。図4は本発明の一実施の形態に
おける転写特性表であり、この転写効率と、転写電流、
湿度の関係は図4の様な特性になる。図4から解る通
り、湿度が変化した場合でも、転写効率の適性値を確保
するためには、転写電流を増減させる必要がある。
【0098】まず、本形態の電子写真装置におけるエン
ジンは、電源投入時は、転写電流の値は湿度60%での
最適値180μAが出力可能のように準備されている。
この時点で、用紙転写部近傍に配置された湿度検知手段
71により、湿度が計測される。湿度検出手段71は、
湿度の変化に応じて電圧レベルが変化するように構成さ
れており、この値とA/D変換器74によるA/D変換
後の値に対応する湿度との関係は、変換テーブルとして
RAM75に記憶されており、CPU76は、任意の時
点での湿度を認識することができる。
【0099】今、仮に湿度が30%であると計測された
場合、初期状態での設定値180μAでは転写不良の条
件となり、従来の階調補正では目標濃度を確保できなく
なり、階調性の低下につながる可能性がある。ここで、
感光体1上での露光後電位、現像プロセスによる感光体
1上へのトナー付着量には限界があり、必ず飽和点が存
在する。これは第一転写プロセスでも同様のことがいえ
る。すなわち、中間転写体18上でのトナー付着量も限
界があり、転写効率の低下の程度によっては用紙上への
トナー付着量が大きく低下するためである。これは目標
濃度を確保出来ない可能性があることを意味する。それ
故、湿度30%での転写効率がもっとも良好な条件に設
定を変更する必要がある。
【0100】すなわち図4の特性表から、最適転写電流
は120μAであり、この値に相当するデータ値をCP
U76はセットし、図3に示すD/A変換器77を介し
て転写用高圧電源78にアナログレベルとして入力され
る。転写用高圧電源78は、定電流方式の高圧電源であ
り、上述したアナログレベルに呼応して出力電流が可変
できるように構成され、転写電流120μAが出力され
る。
【0101】これにより用紙転写手段は、良好な転写効
率を確保出来るようになる。その後、他の電子写真プロ
セス要素の条件変動による階調特性の変動を階調補正で
抑制し、つねに安定した階調特性を得ることが出来る。
ここで従来技術では、起動の時点での電子写真プロセス
の階調特性を認識し、補正パラメータの定数を決定する
という操作を行う。このため補正後の一定期間は階調特
性が一定であることが望ましい(一定期間が短いと補正
の頻度が高くなり、本来機能である、通常印字の妨げと
なる)。一方、本形態における表面電位制御、用紙転写
制御は、見方を変えると階調特性を変化させるというも
のであり、少なくとも階調補正動作の前に、表面電位制
御、用紙転写制御は完了させる。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、環境変化、経時変化に
よる表面電位、用紙転写効率の大きな変化に対し、各
々、独立して制御することで、微小な変動に抑えること
ができる。あわせて階調補正を行うことで常に安定した
良好な階調特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子写真装置の
構成図
【図2】本発明の一実施の形態における表面電位モデル
【図3】本発明の一実施の形態におけるファンクション
ブロック図
【図4】本発明の一実施の形態における転写特性表を示
す図
【図5】従来の電子写真装置の構成図
【図6】従来の濃度センサー周辺のブロック構成図
【図7】従来の濃度センサーの発光光量調整の説明図
【図8】従来の飽和濃度検出用のパターン図
【図9】従来の最大濃度補正パターン図
【図10】従来の階調補正用テストパターン図
【図11】従来の彩色成分及び無彩色成分の階調補正用
テストパターンに対する濃度センサーの出力例示図
【図12】従来のブラックの各パターンの濃度計測結
果、ハイライト基準とダーク基準の関係及びデータ処理
を示す図
【図13】従来のブラックの濃度変換テーブルのグラフ
【図14】従来のシアンの各パターンの濃度計測結果、
ハイライト基準とダーク基準の関係及びデータ処理を示
す図
【図15】従来のシアンの濃度変換テーブルのグラフ
【図16】従来の画像データの処理ブロック図
【符号の説明】 1 感光体 9 露光光学系 10K、10Y、10M、10C 現像器 12 中間転写ローラ 18 中間転写体 25 濃度センサー 70 表面電位検出手段 71 湿度検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 1/407 H04N 1/40 101E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を単位画素周期毎にパルス幅変調
    を行い階調表現する電子写真装置であって、感光体上に
    複数個のテストパターンの潜像を形成する露光光学系
    と、潜像を顕画化する現像器と、顕画化されたトナー像
    を合成し保持する中間転写体と、テストパターンの濃度
    を検出する濃度センサーと、前記感光体の表面電位を検
    出する表面電位検出手段とを有し、前記濃度センサ−の
    出力値に基づいて階調補正を行う前に、前記表面電位検
    出手段の検出結果に基づいて前記感光体の表面電位を制
    御することを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】レーザ光を単位画素周期毎にパルス幅変調
    を行い階調表現する電子写真装置であって、感光体上に
    複数個のテストパターンの潜像を形成する露光光学系
    と、潜像を顕画化する現像器と、顕画化されたトナー像
    を合成し保持する中間転写体と、テストパターンの濃度
    を検出する濃度センサーと、前記中間転写体のトナー像
    を用紙上に転写するための用紙転写手段と、前記用紙転
    写手段の近傍に配置された湿度検出手段とを有し、前記
    濃度センサ−の出力値に基づいて階調補正を行う前に、
    前記湿度検出手段の出力結果に基づいて前記用紙転写手
    段を制御することを特徴とする電子写真装置。
JP9104466A 1997-04-22 1997-04-22 電子写真装置 Pending JPH10293432A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6526237B2 (en) 1999-05-10 2003-02-25 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
US6721534B2 (en) 2001-06-08 2004-04-13 Ricoh Company, Limited Image formation method and image formation apparatus
JP2005134898A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Xerox Corp ドナーロールをクリーニングする装置及び方法
JP2007171510A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Kyocera Mita Corp 画像形成装置に用いられる駆動装置
US7313336B2 (en) 2004-07-15 2007-12-25 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for image forming capable of effectively recycling toner
US7623801B2 (en) 2005-03-31 2009-11-24 Seiko Epson Corporation Image forming apparatus and control method thereof
US7680425B2 (en) 2003-07-18 2010-03-16 Seiko Epson Corporation Image forming apparatus and method for controlling tone characteristics based on tone-control patch image

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