JPH10293423A - 磁性一成分現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

磁性一成分現像剤及び画像形成方法

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JPH10293423A
JPH10293423A JP10034297A JP10034297A JPH10293423A JP H10293423 A JPH10293423 A JP H10293423A JP 10034297 A JP10034297 A JP 10034297A JP 10034297 A JP10034297 A JP 10034297A JP H10293423 A JPH10293423 A JP H10293423A
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忠洋 椿
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健三 尾形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質の画像が得られる現像剤及び画像形成方
法を提供する。 【解決手段】 少なくともバインダー樹脂、磁性酸化
鉄、帯電制御剤を含有するトナー粒子、下記一般式
(1)で表されるフェライト微粒子、及び流動性向上剤
を含有することを特徴とする磁性一成分現像剤。 一般式(1)[(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y ]・Fe2 3 (ただし、式中、x、yはモル分率を表し、xは0.0
1〜0.3、yは0.001〜0.3の数値を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンター、デジ
タルおよびアナログ複写機、ファクシミリなどに利用さ
れる電子写真方式を応用した現像剤および画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式では、各種の光導
電性物質とバインダ樹脂とを主成分とする感光層をアル
ミニウム等の金属等の基体上に被覆せしめた有機光導電
性感光体(通常はドラム状に加工された感光体ドラム)
上に、種々の手段により静電荷の電気的潜像を形成し、
該静電潜像を粉体からなる現像剤で現像し、必要に応じ
て紙あるいはフィルム等の基材上に粉体を転写した後、
加圧、加熱等の方法により定着することが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、パーソナル化、
省スペース化などの市場要求に伴い、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置の小型化が促進される傾向にある。
これらの装置の小型化を達成するためには、感光体ドラ
ムの小径化が望まれる。感光体ドラムとしては、有機光
導電性感光体ドラム、中でも積層型有機光導電性の採用
が主流となっている。一般に、感光体ドラムは、現像工
程での現像剤との摺擦およびクリーニング工程での当接
するクリーニング部材(クリーニングブレード等)によ
る押圧等により、常にその表面が激しく研磨される状態
におかれるために経時での感光層の膜減りを起こしやす
い。感光層の膜減りによって、感光体ドラムの表面電位
等の電気特性が劣化するので、結果として得られる画像
は画像濃度の低下を招くという問題があった。特に、小
径の感光体ドラムを採用しようとすると、その感光体表
面積は小さくなって表面あたりの摺擦頻度が増えるの
で、上記の感光体の膜減り現象がより顕在化しやすい傾
向にあった。
【0004】そこで、積層型有機光導電性感光体ドラム
において、これらの感光体の膜減り問題を回避し、感光
体の耐刷性を向上させるための検討もなされている。た
とえば、ドラム感光層の表面層を構成する樹脂としてポ
リカーボネート樹脂を採用することにより、表面の硬度
や機械的強度が増すので膜減りが緩和されて、耐刷性が
向上する傾向にある。従って、積層型有機光導電性感光
体ドラムとしては、その表面の構成樹脂としてポリカー
ボネートを用いて構成した小径化ドラムを採用すれば、
小型の画像形成装置での上記した問題が解消されるので
有効である。
【0005】一方、これらのパーソナルタイプの小型の
画像形成装置では、他の問題として、文字の中抜け現象
や葉書通紙などによる感光体上の紙粉跡の発生などの画
像欠陥問題が顕在化するので、特公昭63−58354
号公報や特開昭62−258472号公報等に記載され
るように、マグネタイト(Fe3 4 )に代表される磁
性体微粒子をトナー粒子へ外添して改良することがよく
行われる。
【0006】しかし、表面層としてポリカーボネート樹
脂を有する感光体ドラムに対して、これらのマグネタイ
ト粒子は強固に付着しやすいので、得られる画像上にス
ポット状の欠陥となって現れ、画像を汚染するという問
題が新たに発生することが判明した。これに関する有効
な対策としては、現状ではさほど効果的な提案は見あた
らず、実用上十分に満足する画質が得られない状態にあ
った。特に、50mm以下の小径の感光体ドラムとの組
み合わせで画質を満足するような現像剤がないことは、
感光体の小径化ひいては装置の小型化を行っていく上で
の制約となっていた。
【0007】同様に、マグネタイトを用いた場合、感光
体ドラムと対向する現像位置に配置される現像磁極と、
周方向に複数の搬送磁極とを具備するマグネットローラ
の外側に、円筒状の回転体(以後現像スリーブと称す
る)を設けた磁性一成分現像法式においては現像スリー
ブに対してマグネタイト粒子が強固に付着するため現像
スリーブ表面はマグネタイトにより汚染される。その結
果、スリーブの現像剤搬送能力は低下し、現像剤の均一
な層形成が困難となり、画像の均一性及び品質が劣悪に
なる。
【0008】本発明は、上に記した現状に鑑み、その問
題を解決すべくなされたものであって、その目的は、装
置の小型化が可能であり、かつ小型化によって引き起こ
される画像品質上の問題がなく、具体的には、感光体感
光層の膜減りが少ないために画像濃度低下がなく、文字
の中抜け現象の発生がなく、葉書通紙等による感光体上
への紙粉跡発生がなく、感光体への外添剤の付着による
画像汚染に問題がなく、さらには、磁性一成分現像方式
において良好な画像の均一性及び品質が得られる現像剤
とこれを用いた画像形成法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成すべく、小径の感光体ドラムでも良好な画質が得
られる現像剤を目指して鋭意検討した結果、直径50m
m以下の小径の感光体ドラムを用いた場合でも良好な画
質が得られる現像剤を見いだし本発明に到達した。すな
わち、本発明の要旨は、少なくともバインダー樹脂、磁
性酸化鉄、帯電制御剤を含有するトナー粒子、下記一般
式(1)で表されるフェライト微粒子、及び流動性向上
剤を含有することを特徴とする磁性一成分現像剤 一般式(1)[(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y ]・Fe2 3 (ただし、式中、x、yはモル分率を表し、xは0.0
1〜0.3、yは0.001〜0.3の数値を表す)、
及び、直径が50mm以下である感光体ドラム上に形成
される静電潜像を現像剤で現像する画像形成方法におい
て、該現像剤が上記の磁性一成分現像剤であることを特
徴とする画像形成方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法は、小径の
感光体ドラムで特に有用である。本発明を構成する感光
体ドラムとしては、たとえばセレン、ヒ素−セレン、セ
レン−テルル、アモルファスシリコン等の無機系のもの
やジアゾ化合物、色素等の有機系のものが挙げられる。
【0011】装置の小型化のためには、小径の感光体ド
ラムが望まれており、通常は直径50mm以下が採用さ
れ、より小径化を望む場合は40mm以下のサイズが採
用され、さらには30mm以下のサイズの採用も提案さ
れている。しかし、前述のように、従来の現像剤では感
光体ドラムが小径になるに従って画像品質が劣悪とな
り、装置自体は小型化を達成するものの画像品質面では
満足すべき結果は得られない。その点、本発明の画像形
成方法によれば、いずれの小径ドラムの場合も良好な画
像が得られるため、良好な性能の小型装置が実現可能で
ある。また、小径化がより進めば従来技術との差が顕著
に発現する。
【0012】前記の感光体ドラムのうち、製造のしやす
さ、電気的および光学的な性能、コスト、安全性等の面
から、特に有機系の感光体ドラムが好適である。有機系
の感光体ドラムの中でも、電荷発生層と電荷輸送層(表
面層)とを有する積層型有機光導電性感光体ドラムであ
るのが特に好ましい。また、この表面層を構成するバイ
ンダ樹脂がポリカーボネート樹脂であるのが好適であ
る。
【0013】一方、トナーはバインダ樹脂、磁性酸化
鉄、帯電制御剤、その他の物質等を溶融混練し、粉砕
し、分級した微粉末であり、本発明に係わる現像剤は、
トナー粒子に特定構造のフェライト微粒子と流動性向上
剤を添加することから構成される。前記トナー構成成分
のうち、バインダ樹脂としては、トナーに適した公知の
種々のものが使用できる。例えば、ポリスチレン、クロ
リポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン
−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化
ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチ
レン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、
スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アク
リル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル
共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体及
びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチ
レン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレ
ン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等
のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含
む単独重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジ
ン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイ
オノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケ
トン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、キシレン樹脂並びにポリ
ビニルブチラール樹脂等があるが、本発明に用いるのに
特に好ましい樹脂としては、スチレン系樹脂、飽和もし
くは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂を挙げる
ことができる。また、上記樹脂は単独で使用するに限ら
ず、2種以上を併用することもできる。さらに、特公昭
50−23354号公報、特開昭50−44836号公
報等に記載される架橋系バインダ樹脂、あるいは特公昭
55−6895号公報、特公昭63−32180号公報
等に記載される非架橋系バインダ樹脂も使用できる。
【0014】そして、該トナー用バインダ樹脂の軟化点
は、フローテスタ法で測定した値が100〜160℃で
あるのが好ましい。軟化点が100℃未満の場合、定着
での汚れ(いわゆる「ホットオフセット」現象)が発生
し易く、160℃を越える場合は、定着強度が悪化する
傾向にあるので好ましくない。また、バインダ樹脂のガ
ラス転移温度は、示差熱分析装置で測定したときの転移
温度(変曲点)が50℃以上であるのが好ましい。ガラ
ス転移温度が50℃未満の場合、長期保管時の熱安定性
が悪く、トナーの凝集や固化を招き使用上問題がある。
【0015】磁性酸化鉄としては、公知のいずれのもの
であってもよい。例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の
金属及びこれらの合金、Fe3 4 、γ−Fe2 3
コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライ
ト、NiZnフェライト等の各種のフェライト、マグネ
タイト、ヘマタイト等が使用できる。また、磁性酸化鉄
の含有量は、現像により黒色を着色するのに十分な量で
あればよく、例えば現像剤に対して20から70重量%
とするのが好ましい。
【0016】現像剤の帯電極性に関し、使用するバイン
ダ樹脂の組成により帯電制御する方策も考えられるが、
通常は各種公知の帯電制御剤を現像剤構成成分として添
加することが行われる。正帯電性トナーを得るための帯
電制御剤としては、例えば、各種ニグロシン化合物、特
公平1−54694号公報、特公平1−54695号公
報、特公平1−54696号公報等に記載される4級ア
ンモニウム塩化合物、特開昭51−455号公報、特公
昭63−57787号公報、特公平2−501506号
公報等に記載されるトリフェニルメタン化合物、特開平
3−119364号公報、特開平3−202856号公
報、特開平3−217851号公報等に記載されるイミ
ダゾール誘導体やイミダゾール類の金属錯体等が挙げら
れる。この中でも、ニグロシン化合物、4級アンモニウ
ム塩化合物及びトリフェニルメタン化合物の中から選ば
れる少なくとも1種を含有する正帯電性トナーであるの
が好ましい。上記した帯電制御剤をトナーに含有させる
方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方
法とがある。内添する場合、これら化合物の使用量は、
前記バインダ樹脂100重量部に対して、通常0.05
〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲で
用いられる。また、外添する場合は、樹脂100重量部
に対して、0.01〜10重量部が好ましい。上記添加
範囲内で、帯電制御剤の内添と外添を組み合わせて行っ
てもよい。
【0017】この他、熱特性や物理特性を改良する目的
でトナー中に内添しうる助剤としては、公知のものが使
用可能であるが、例えば、ポリアルキレンワックス、パ
ラフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、金属石
鹸等が挙げられる。その添加量は、バインダ樹脂100
重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。トナ
ーの製造方法としては、上記の各成分を混合した後、ニ
ーダー等で混練し、冷却後、粉砕し、分級すればよい。
【0018】本発明に係わる現像剤は、トナー粒子とは
独立に(いわゆる通常の外添剤として)、下記一般式
(1)で表されるフェライト微粒子と流動性向上剤を含
有することを特徴とする。
【0019】 一般式(1)[(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y ]・Fe2 3 (ただし、式中、x、yはモル分率を表し、xは0.0
1〜0.3、yは0.001〜0.3の数値を表す) yは好ましくは0.01〜0.3である。
【0020】一般式(1)で表されるMn−Zn系フェ
ライトの形状は、八面体状のものであるのが好ましい。
その場合、八面体形状を損なわない範囲において公知の
方法で粒子の角取り処理が施されてもよい。粒子径が八
面体状でない場合、例えば、球状の場合は葉書通紙等に
よる感光体上の紙粉跡を掻き取る研磨効果が少なく、針
状の場合は、感光体及び現像スリーブに吸着し易い問題
があり、いずれも画像の汚染が発生するので好ましくな
い。
【0021】また、その平均粒子径は0.1〜1.0μ
mが好ましく、特には0.3〜0.7がより好ましい。
粒子径が前記範囲より小さい場合は感光体に吸着しやす
く、大きい場合には感光体に筋状の傷が発生し、いずれ
も画像汚染の原因となるので好ましくない。なお、平均
粒子径の測定は、走査型電子顕微鏡観察により300個
以上の粒子の粒度分布を計測して累積50%径として求
めた。
【0022】さらに、本発明に係わるフェライト微粒子
は2kエルステッドの測定磁場における飽和磁化が90
emu/g以下であるのが好ましい。飽和磁化が前記範
囲より大きい場合には、連続実写等において、現像剤中
で磁気吸引による微粒子同士の凝集を生じやすく、これ
らの凝集体は感光体上に現像された場合、感光体表面及
び磁性一成分現像法式における現像スリーブに強固に吸
着して致命的な画像汚染を引き起こす原因となるので好
ましくない。一般に、本発明に係わるフェライト微粒子
は同形状、同粒子径のマグネタイト(Fe3 4 )微粒
子に比較して低い飽和磁化の値を有し、これによって本
質的に粒子同士の凝集が発生しにくくなるので、感光体
表面および非磁性一成分現像方式における現像ローラへ
の吸着も相対的に緩和され画像汚染も抑制される傾向に
ある。なお、前記した飽和磁化の測定には市販のB−H
トレーサーを用いた。
【0023】本発明においては流動性向上剤を併用して
添加することが必須である。トナー粒子としての流動性
が不足する場合はトナー粒子同士の凝集が激しくなるの
で、結果として磁性微粒子同士の凝集を招きやすく、こ
れら凝集体の感光体への吸着を悪化させる。この現象
は、特に、表面摺擦頻度の高い小径ドラムでは致命的な
画像汚染を引き起こす原因となる。
【0024】流動性向上剤としては、公知のいずれのも
のであってもよいが、特には酸化ケイ素、酸化チタン、
酸化アルミニウムなどの金属酸化物微粒子であるのが好
ましい。これらの金属酸化物は平均一次粒子径が5〜1
00nmであるのがよく、各種の疎水化処理剤で疎水化
処理されているのがよい。特には、ジメチルジクロルシ
ラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーン化合物など
で疎水化処理された酸化ケイ素微粒子であるのがより好
ましい。
【0025】これらの添加物微粒子の使用量は、トナー
粒子100重量部に対し、一般式(1)で表されるフェ
ライト微粒子が0.1〜5重量部および流動性向上剤が
0.01〜2.0重量部含有されるのが好ましい。トナ
ーの平均粒径は5〜20μmが好適であり、本トナーを
用いた画像形成方法は、感光体ドラムとトナーの荷電極
性が異極性の場合の正規現像方法および同極性の反転現
像方法のいずれにも適用可能である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例により限定されるものではない。なお、下記実施例
および比較例中、単に「部」とあるのは、いずれも「重
量部」を意味するものとする。
【0027】実施例1 スチレン系樹脂 100部 (モノマー重量比:スチレン/n−ブチルアクリレート=82/18) ニグロシン染料帯電制御剤 1部 (ボントロンN−04、オリエント化学社製) 磁性酸化鉄 90部 (EPT1000、戸田工業社製) ポリプロピレン 4部 (NP505、三井石油化学工業社製)
【0028】上記の各成分を混合、混練、粉砕し、分級
して平均11μmの正帯電性の黒色トナーを得た。この
トナー100部に対して、[(MnO)0.1 (ZnO)
0.05(FeO)0. 85]・Fe2 3 で表されるフェライ
ト微粒子(八面体形状、平均粒子径約0.5μm、飽和
磁化81emu/g)を0.5部と疎水化処理二酸化ケ
イ素(商品名アエロジルR972、日本アエロジル社
製、平均一次粒子径約16nm)0.3部とをヘンシェ
ルミキサにて外添処理した。
【0029】次に、この現像剤を用い、感光体ドラムと
して表面層の樹脂がポリカーボネート樹脂である直径3
0mmの積層型有機光導電体を用いた市販の複写機の評
価装置で実写テストを行った。実写テストに使用した補
給用のトナーは、上記現像剤用に用いられたトナーと同
一組成物のものである。実写環境は25℃、50%RH
にて行った。なお、実写方法としては、まず、官製葉書
を200枚連続コピーして転写性の確認を行った後、通
常のコピー用紙で9800枚の連続実写を行って耐久性
を確認した(現像剤通算で10000枚)。
【0030】その結果、画像中抜けやムラのない良好な
画質を有するものであった。また、感光体上への葉書通
紙による紙粉跡の発生も一切認められなかった。また、
10000枚後の画像濃度も十分高くほとんど初期の状
態と遜色がなかった。また、その他の画質も全く問題が
なく、良好な耐久性を有することがわかった。さらに、
トナー添加剤の付着による画像汚染も全く発生しなかっ
た。なお、10000枚実写後の感光体ドラムの膜減り
の状況ははなはだ軽微であり、実用上問題のないことが
わかった。
【0031】比較例1 実施例1で使用したフェライト微粒子の代わりにマグネ
タイト微粒子(形状、平均粒子径は実施例1のフェライ
ト粉と同じ、飽和磁化が91emu/g)に変更した以
外は、実施例1と全く同様にして現像剤を作製し、実写
評価を行った。その結果、葉書通紙での画像中抜けや紙
粉跡発生は見られなかったものの、連続実写の3000
〜4000枚後に画像上にスポット状の画像欠陥が見ら
れるようになり、実写枚数とともに欠陥の増加傾向が認
められ、実用上問題のあることがわかった。その時の感
光体上にはマグネタイト微粒子の付着が観察された。
【0032】比較例2 実施例1で使用した疎水化処理二酸化ケイ素微粒子を添
加しない以外は、実施例1と全く同様にして現像剤を作
製し、実写評価を行った。その結果、約5000枚前後
に感光体、現像スリーブに対する磁性粉の付着による画
像汚染、画質低下が見られるようになった。
【0033】実施例2 実施例1において、実写評価用の装置として、感光体ド
ラムの表面層の樹脂がポリカーボネート樹脂である直径
24mmの積層型有機光導電体を用いた市販複写機の改
造機を用いる以外は、実施例1と全く同様にして評価を
行った。その結果、画像中抜けやムラがなく、感光体上
への葉書通紙による紙粉跡の発生も見られなかった。ま
た、10000枚後の画像濃度も十分高く、良好な耐久
性を有することがわかった。さらに、感光体ドラム、現
像スリーブに対するトナー添加剤の付着による画像汚
染、画質低下も全く発生しなかった。
【0034】実施例3 実施例1のトナー組成において、ニグロシン染料帯電制
御剤を4級アンモニウム塩化合物(商品名ボントロンP
51、オリエント化学社)に変更する以外は、以下実施
例1と全く同様にして、トナーを作製し、実写評価を行
った。その結果、いずれの複写機でも、画像中抜けやム
ラがなく、感光体上への葉書通紙による紙粉跡の発生も
見られなかった。また、10000枚後の画像濃度も十
分高く、良好な耐久性を有することがわかった。さら
に、感光体ドラム、現像スリーブに対するトナー添加剤
の付着による画像汚染、画質低下も全く発生しなかっ
た。
【0035】実施例4 実施例1のトナー組成において、ニグロシン染料帯電制
御剤をトリフェニルメタン化合物(COPY BLU
E、ヘキスト社製)に変更する以外は、以下実施例1と
全く同様にして、トナーを作製し、実写評価を行った。
その結果、いずれの複写機でも、画像中抜けやムラがな
く、感光体上への葉書通紙による紙粉跡の発生も見られ
なかった。また、10000枚後の画像濃度も十分高
く、良好な耐久性を有することがわかった。さらに、感
光体ドラム、現像スリーブに対するトナー添加剤の付着
による画像汚染、画質低下も全く発生しなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明により、画質に起因する制約なし
に装置の小型化、省スペース化が可能である。特に感光
体ドラムを小径化した場合に発生しやすい問題を容易に
改良でき、具体的には以下の効果を有するのでその工業
的利用価値は大きい。 1.画像濃度の低下がない 2.画像中抜けの発生がない 3.葉書通紙等による紙粉跡の発生がない 4.感光体への外添剤付着による画像汚染がない 5.現像スリーブへの外添剤付着による画像の不均一性
および品質低下がない
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 15/08 507 G03G 9/08 371 381

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバインダー樹脂、磁性酸化
    鉄、帯電制御剤を含有するトナー粒子、下記一般式
    (1)で表されるフェライト微粒子、及び流動性向上剤
    を含有することを特徴とする磁性一成分現像剤。 一般式(1)[(MnO)x (ZnO)y (FeO)1-x-y ]・Fe2 3 (ただし、式中、x、yはモル分率を表し、xは0.0
    1〜0.3、yは0.001〜0.3の数値を表す)
  2. 【請求項2】 フェライト微粒子の粒子形状が八面体状
    であることを特徴とする特許請求項1に記載の磁性一成
    分現像剤。
  3. 【請求項3】 フェライト微粒子の平均粒子径が0.1
    〜1.0μmであることを特徴とする特許請求項1又は
    2に記載の磁性一成分現像剤。
  4. 【請求項4】 フェライト微粒子の2kエルステッドの
    測定磁場における飽和磁化が90emu/g以下である
    ことを特徴とする特許請求項1ないし3のいずれかに記
    載の磁性一成分現像剤。
  5. 【請求項5】 帯電制御剤として4級アンモニウム塩化
    合物、ニグロシン化合物及びトリフェニルメタン化合物
    の中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴
    とする特許請求項1ないし4のいずれかに記載の磁性一
    成分現像剤。
  6. 【請求項6】 磁性酸化鉄を20から70重量%含有す
    ることを特徴とする特許請求項1ないし5のいずれかに
    記載の磁性一成分現像剤。
  7. 【請求項7】 直径が50mm以下である感光体ドラム
    上に形成される静電潜像を現像剤で現像する画像形成方
    法において、該現像剤が特許請求項1ないし6のいずれ
    かに記載の磁性一成分現像剤であることを特徴とする画
    像形成方法。
  8. 【請求項8】 感光体ドラムの直径が40mm以下であ
    ることを特徴とする特許請求項7に記載の画像形成方
    法。
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