JPH10293263A - 光走査装置 - Google Patents
光走査装置Info
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- JPH10293263A JPH10293263A JP9104076A JP10407697A JPH10293263A JP H10293263 A JPH10293263 A JP H10293263A JP 9104076 A JP9104076 A JP 9104076A JP 10407697 A JP10407697 A JP 10407697A JP H10293263 A JPH10293263 A JP H10293263A
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- Japan
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- torsion spring
- small magnet
- magnetic field
- scanning device
- chip coil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ト−ションバネ中央部に鏡を伴った磁石を固
定し、外部より交番磁界によってその鏡を共振振動さ
せ、光ビ−ムを走査する光走査装置において、ト−ショ
ンバネの断線を防止するとともに、常温近傍の温度変化
に対して安定した光走査を行う小型で軽量化された光走
査装置を提供する。 【解決手段】 ト−ションバネに疲労強度が高く、常温
近傍の温度変化に対して弾性係数の変化の少ない恒弾性
特性を持つアモルファス合金を採用し、外部よりチップ
コイルで交番磁界を発生させ、共振振動させることによ
って、小型で常温近傍の温度変化に対して安定した光走
査をする装置を実現させる
定し、外部より交番磁界によってその鏡を共振振動さ
せ、光ビ−ムを走査する光走査装置において、ト−ショ
ンバネの断線を防止するとともに、常温近傍の温度変化
に対して安定した光走査を行う小型で軽量化された光走
査装置を提供する。 【解決手段】 ト−ションバネに疲労強度が高く、常温
近傍の温度変化に対して弾性係数の変化の少ない恒弾性
特性を持つアモルファス合金を採用し、外部よりチップ
コイルで交番磁界を発生させ、共振振動させることによ
って、小型で常温近傍の温度変化に対して安定した光走
査をする装置を実現させる
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、バ−コ−ドリ−ダ
ー、イメジースキャナ、レ−ザ−スキャンマイクロメ−
タ等の事務機器、計測機に使用されるものであって、特
に張設されたト−ションバネの中央部に固定された小磁
石を、外部の磁界発生手段によりそのト-ションバネを
軸線としてねじり振動させて、その小磁石に伴って形成
された鏡面をねじり振動させ、光源より発せられる光ビ
−ムをその鏡面に入射させることにより光ビ−ムを走査
させる光走査装置に関するものである。
ー、イメジースキャナ、レ−ザ−スキャンマイクロメ−
タ等の事務機器、計測機に使用されるものであって、特
に張設されたト−ションバネの中央部に固定された小磁
石を、外部の磁界発生手段によりそのト-ションバネを
軸線としてねじり振動させて、その小磁石に伴って形成
された鏡面をねじり振動させ、光源より発せられる光ビ
−ムをその鏡面に入射させることにより光ビ−ムを走査
させる光走査装置に関するものである。
【従来の技術】従来、ト−ションバネおよび小磁石およ
びその小磁石に形成された鏡面を交番磁界によって共振
振動させ、光源より発せられた光ビ−ムをその鏡面によ
って反射させる光走査装置として、超弾性合金を使用し
た特願平7−296788号に開示されたものがある。
これは、張設された超弾性合金ワイヤの中央部に鏡面を
伴った小磁石を固定し、その小磁石を外部に設置された
交番磁界により、共振ねじり振動を起こさせ、光ビ−ム
をそのねじり振動された鏡面で反射させ、光走査させる
ものであり、その構造は、図3に示されるような構成に
なっていた。概略を説明すると、光を反射させるため表
面に鏡面加工が施された小磁石3aは、超弾性合金(逆
変態温度Af点が室温以下に設定された形状記憶合金の
一種)であるNi−Tiからなるト−ションバネ5a
に、所定の張力を保ったまま固定治具2aによってハウ
ジング1aに取り付けられている。コア6aには、コイ
ル7aが巻き付けられてあり、コア6aは、小磁石3a
の後方に配置されている。9aは交流パルス電流発生器
であり、これを上記コイルに流すことにより、周囲に交
番磁界を発生させるものである。そして、その交番磁界
の周波数ωとト−ションバネ5aと小磁石付きミラ−3
aからなる系の機械的固有振動数ω0(=(k/
I)1/2)が一致した場合、共振ねじれ振動を起こすの
である。ただし、Iは小磁石の慣性モーメント、kはト
−ションバネの横弾性係数である。10aは、レ−ザ−
光線であり、共振ねじり振動している小磁石の鏡面によ
って反射され、走査されるものである。
びその小磁石に形成された鏡面を交番磁界によって共振
振動させ、光源より発せられた光ビ−ムをその鏡面によ
って反射させる光走査装置として、超弾性合金を使用し
た特願平7−296788号に開示されたものがある。
これは、張設された超弾性合金ワイヤの中央部に鏡面を
伴った小磁石を固定し、その小磁石を外部に設置された
交番磁界により、共振ねじり振動を起こさせ、光ビ−ム
をそのねじり振動された鏡面で反射させ、光走査させる
ものであり、その構造は、図3に示されるような構成に
なっていた。概略を説明すると、光を反射させるため表
面に鏡面加工が施された小磁石3aは、超弾性合金(逆
変態温度Af点が室温以下に設定された形状記憶合金の
一種)であるNi−Tiからなるト−ションバネ5a
に、所定の張力を保ったまま固定治具2aによってハウ
ジング1aに取り付けられている。コア6aには、コイ
ル7aが巻き付けられてあり、コア6aは、小磁石3a
の後方に配置されている。9aは交流パルス電流発生器
であり、これを上記コイルに流すことにより、周囲に交
番磁界を発生させるものである。そして、その交番磁界
の周波数ωとト−ションバネ5aと小磁石付きミラ−3
aからなる系の機械的固有振動数ω0(=(k/
I)1/2)が一致した場合、共振ねじれ振動を起こすの
である。ただし、Iは小磁石の慣性モーメント、kはト
−ションバネの横弾性係数である。10aは、レ−ザ−
光線であり、共振ねじり振動している小磁石の鏡面によ
って反射され、走査されるものである。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来例ではトーションバネとして採用した超弾性
合金は、疲労限が高く耐久性に優れてはいるものの、ト
−ションバネのバネ定数である横弾性定数kは図4に示
す如く常温近傍の温度依存性が高く、上述のように機械
的固有振動数ω0は(k/I)1/2で表わされるので、横
弾性定数kが変化するとそれに伴い共振周波数も変化
し、安定した光走査が得られないという欠点があった。
また、Ni−Tiからなる超弾性合金は、半田接合が不
可能であるため、鏡面加工された小磁石とは主に接着剤
などで固定されていた。しかしながら、接着剤は樹脂で
あるので、共振により繰り返し応力が加わると、トーシ
ョンバネとの接着面積が徐々に減少しト−ションバネの
長さが変化することにより共振周波数が変化したり、あ
るいは小磁石がトーションバネから剥離してしまうこと
があった。また、従来例ではS極、N極両方に均一な交
番磁界を発生させるための大型コイルをハウジングに取
り付けていたため、小型軽量化が困難であった。本発明
は、上述した問題点を解決するためになされたものであ
り、上記システムのト−ションバネに横弾性係数kの常
温近傍の温度依存性が小さく、かつ疲労強度の高いアモ
ルファス合金を採用し、小型で安定したねじり振動を実
現させ、入射された光ビ−ムを安定走査する小型でかつ
耐久性に優れた光走査装置を提供することを目的とす
る。
ような従来例ではトーションバネとして採用した超弾性
合金は、疲労限が高く耐久性に優れてはいるものの、ト
−ションバネのバネ定数である横弾性定数kは図4に示
す如く常温近傍の温度依存性が高く、上述のように機械
的固有振動数ω0は(k/I)1/2で表わされるので、横
弾性定数kが変化するとそれに伴い共振周波数も変化
し、安定した光走査が得られないという欠点があった。
また、Ni−Tiからなる超弾性合金は、半田接合が不
可能であるため、鏡面加工された小磁石とは主に接着剤
などで固定されていた。しかしながら、接着剤は樹脂で
あるので、共振により繰り返し応力が加わると、トーシ
ョンバネとの接着面積が徐々に減少しト−ションバネの
長さが変化することにより共振周波数が変化したり、あ
るいは小磁石がトーションバネから剥離してしまうこと
があった。また、従来例ではS極、N極両方に均一な交
番磁界を発生させるための大型コイルをハウジングに取
り付けていたため、小型軽量化が困難であった。本発明
は、上述した問題点を解決するためになされたものであ
り、上記システムのト−ションバネに横弾性係数kの常
温近傍の温度依存性が小さく、かつ疲労強度の高いアモ
ルファス合金を採用し、小型で安定したねじり振動を実
現させ、入射された光ビ−ムを安定走査する小型でかつ
耐久性に優れた光走査装置を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載の光走査装置は、トーションバネをハウ
ジングに張設支持し、そのト−ションバネの中央部に小
磁石を固定し、磁界発生手段により発生される交番磁界
の作用により、前記ト-ションバネを軸線として共振ね
じり振動させて、該小磁石に形成された鏡面も同時にね
じり振動をさせ、光源より発せられる光ビ−ムをその鏡
面に入射させ、前記鏡面のねじり振動に基づいて前記光
ビ−ムを走査させるように構成されており、そのト−シ
ョンバネは、鉄あるいはコバルトあるいはニッケルを主
成分とし、クロム,シリコン,ボロン、モリブデン等を
添加したアモルファス合金、特に恒弾性特性(エリンバ
特性)を示すアモルファス合金からなる線材あるいは箔
材を採用している。恒弾性特性を持つアモルファス合金
は、常温付近で安定した横弾性係数を示すので、これを
ト−ションバネに採用すると、温度変化に対しても安定
した共振ねじり振動を発生させることができる。そし
て、小磁石の表面には鏡面が一体に形成されているの
で、鏡面に入射された光ビ−ムは反射されて、その結果
光ビ−ムが安定的に走査される。また請求項2に記載の
光走査装置は、その小磁石が半田接合可能な皮膜あるい
は治具を伴い、間接的に半田接合により前記ト−ション
バネに固定されている。このような構成にすることによ
り、小磁石はアモルファス合金からなる軸線により強固
に固定されるため剥離することがなく、耐久性に優れた
光走査装置を提供することができる。また、請求項3に
記載の光走査装置は、その磁界発生手段に、フェライト
あるいは軟磁性材料をコアとするチップコイルを用いて
いる。従って、従来に比べはるかに小型の光走査装置を
提供できる。
に請求項1記載の光走査装置は、トーションバネをハウ
ジングに張設支持し、そのト−ションバネの中央部に小
磁石を固定し、磁界発生手段により発生される交番磁界
の作用により、前記ト-ションバネを軸線として共振ね
じり振動させて、該小磁石に形成された鏡面も同時にね
じり振動をさせ、光源より発せられる光ビ−ムをその鏡
面に入射させ、前記鏡面のねじり振動に基づいて前記光
ビ−ムを走査させるように構成されており、そのト−シ
ョンバネは、鉄あるいはコバルトあるいはニッケルを主
成分とし、クロム,シリコン,ボロン、モリブデン等を
添加したアモルファス合金、特に恒弾性特性(エリンバ
特性)を示すアモルファス合金からなる線材あるいは箔
材を採用している。恒弾性特性を持つアモルファス合金
は、常温付近で安定した横弾性係数を示すので、これを
ト−ションバネに採用すると、温度変化に対しても安定
した共振ねじり振動を発生させることができる。そし
て、小磁石の表面には鏡面が一体に形成されているの
で、鏡面に入射された光ビ−ムは反射されて、その結果
光ビ−ムが安定的に走査される。また請求項2に記載の
光走査装置は、その小磁石が半田接合可能な皮膜あるい
は治具を伴い、間接的に半田接合により前記ト−ション
バネに固定されている。このような構成にすることによ
り、小磁石はアモルファス合金からなる軸線により強固
に固定されるため剥離することがなく、耐久性に優れた
光走査装置を提供することができる。また、請求項3に
記載の光走査装置は、その磁界発生手段に、フェライト
あるいは軟磁性材料をコアとするチップコイルを用いて
いる。従って、従来に比べはるかに小型の光走査装置を
提供できる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の光走
査装置の構造を示すものである。ハウジング1には、コ
バルト,鉄,クロム,シリコン,ボロンを成分とし、長
さ10mm、外径が約100μmのアモルファス合金
(商品名:ユニチカ株式会社製 ボルファ)からなるト
−ションバネ4が所定の張力を与えられ、ジグ2によっ
て固定されている。ト−ションバネ4の中央には、縦4
mm、横8mm、厚さ0.5mmの残留磁束密度約9000ガ
ウスのニッケルメッキされたネオジウム系小磁石3が半
田接合により固定されている。さらに、半田接合された
面の裏面3mは、レ−ザ−光を反射させるため研磨加工
により鏡面となっており、その鏡面加工が施された小磁
石3のN極、S極のいずれかの後方には、小磁石3にト
ルクを与えるためのチップコイル5が同様にハウジング
1に固定されている。このチップコイル5の外形は、縦
横2.5mm高さ2mmの略直方体であり、そのインダ
クタンスは例えば、330μHである。また、チップコ
イル5は交番電流発生器6につながれており、交番電流
をそのチップコイルに流すことにより交番磁界Hをチッ
プコイルの周囲に発生させ、鏡面加工された小磁石3に
トルクを与える構成となっている。そして、後述するよ
うにこの交番電流の周波数ωとトーションバネ4と小磁
石3からなる機械系の固有振動数ω0が一致すると共振
がおこり、わずかな磁界でこの鏡面加工された小磁石3
は最大振幅でねじり振動させられるのである。そして、
磁石の鏡面に入射されたレ−ザ−ビ−ム7は反射され、
その反射ビーム8は高速に走査される構成となってい
る。本発明のト−ションバネ4に採用したアモルファス
合金は、金属液体を超急冷することによって、薄膜、薄
帯、細線の形状で得られるものである。それらは、一般
に高透磁率を示す磁性材料としてよく知られているが、
機械的特性として、高硬度、高強度材としての特質も持
ち合わせている。さらに、その成分によっては、常温付
近の広い温度範囲で熱膨張係数が極めて小さいインバ−
特性あるいは、常温付近で弾性定数の温度係数が極めて
小さい恒弾性特性(エリンバ−特性)を示すのである。
例えばその恒弾性を示す場合、その横弾性係数は約5×
103kg/mm2であり 、常温付近での温度係数は
0.7×10-5K-1であり、ほとんど変化しないのであ
る。本発明はこのようなアモルファス合金の特質を利用
するものである。すなわち、従来技術と異なり、周囲の
温度変化に対して、安定した光走査を可能とするもので
ある。次に、上述の構成の光走査装置の動作について説
明する。図2に示すように、チップコイル5に交番電流
iを流すとチップコイル5の前面には図2(a)、
(b)に示すように局所的に交番磁界Hが形成される。
ト−ションバネ4に固定され、かつチップコイルの前方
に設置されている小磁石3の磁荷を+m、固定点から磁
化+mまでの距離をL/2とすると、小磁石3は磁界H
より+m・H・L/2・cosθのトルク、すなわち磁
気モーメントM=m・Lを導入すると、1/2・MHc
osθのトルクγを受ける。(但し、θはねじれ角であ
る。) また、ねじれ角がθの時には、小磁石3はト−ションバ
ネ4による復元モ−メントkθも同時に受ける。(ただ
し、kはト−ションバネ4の横弾性係数である。)さら
に、小磁石が高速に振動する場合、小磁石と空気の摩擦
抵抗およびト−ションバネ4の内部摩擦抵抗によって、
dθ/dtに比例した減衰モ−メントも同時に受けるこ
とになる。そして、前記トルクγが周期的(角振動数
ω)に加わると、小磁石はねじり振動を始める。これ
は、減衰振動系に強制力が加わった場合の方程式で表さ
れ、その方程式と一般解は下に示す式で表わされる。方
程式は、 I・d2θ/dt2+C・dθ/dt+k・θ=1/2M
・H・cosωt であり、その解は、 2θ=M・H/I・[(ω0 2−ω2)2+4μ2ω2]-1/2・cos(ωt−α) tanα=2μω/ω0 2−ω2 μ=C/2I 但し θ:ねじれ角 I:小磁石の慣性モーメント C:減衰係数 k:横弾性係数 M:磁気モーメント H:磁界の強さ ω:交番磁界の周波数 ω0:その振動系の機械的固有振動数(=(k/
I)1/2) α:位相遅れ角 t:時間 つまり交番電流の周波数ωと鏡面加工された小磁石3と
ト−ションバネ4からなる機械系の固有振動数ω0が一
致した場合に、いわゆる共振状態となり、ねじれ角が最
大となるのである。本実施例の場合、チップコイルに約
100mA流すと周波数111Hzで共振し、その最大
ねじれ角θは約45度となる。したがって、小磁石の鏡
面に入射せられたレ−ザ−光は、反射の法則により2倍
に拡大されて、その走査角2θは約90度にも達するの
である。以上説明したように、アモルファス合金からな
るト−ションバネと小磁石を用いた簡単な構成により、
走査角が大きく常温近傍の温度変化にも動作の安定した
光走査装置を実現できるのである。上述した実施形態
は、本発明による光走査装置を実現した1例であり、本
発明の趣旨を逸脱しない限り様々な変形を行うことがで
きる。たとえば、上記実施例では鉄系のアモルファス合
金を使用したが、その他の例えばコバルト系のCO38C
r16C18あるいはニッケル系のNi78Si18B13等疲労
強度が高く、かつ恒弾性特性を示すアモルファス合金材
料ならよいのである。また、本実施例では111HZの
光走査装置を実現したが、共振周波数ω0は、ω0=(k
/I)1/2 であるので、小磁石の慣性モ−メントすな
わち形状や質量を変えることによって所望の周波数を得
ることができる。また、本実施例ではトーションバネと
小磁石を強固に固定するため、ニッケルメッキされた小
磁石にアモルファス合金を半田接合したが、フェライト
磁石などを用いる場合は、いったん微小銅板などにトー
ションバネを半田接合し、その銅板の裏面に磁石および
鏡の順で接着剤などで固定してもよいのである。この場
合、小磁石と微小銅板および鏡との接着面積は十分広い
ので、従来例のように剥離することはないのである。ま
た、上述した式によればねじれ角θの大きさは、係数M
H/Iに依存している。従って、チップコイルに流す電
流をコントロ−ルし、周囲に発生する磁界Hを変化させ
れば、そのねじれ角、すなわちレ−ザ−光の走査幅も制
御できることは言うまでもない。また、本実施例ではチ
ップコイル5を鏡面加工された小磁石のN極の後方1個
所に設置したが、対局S極の後方にさらにチップコイル
を設置し、小磁石に与えるトルクを2倍にすることも可
能である。また、本実施例ではフェライトにコイルを巻
いたチップコイルを用いたが、効率を問題としなけれ
ば、空芯の微小コイルなどでもよいのである。
て図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の光走
査装置の構造を示すものである。ハウジング1には、コ
バルト,鉄,クロム,シリコン,ボロンを成分とし、長
さ10mm、外径が約100μmのアモルファス合金
(商品名:ユニチカ株式会社製 ボルファ)からなるト
−ションバネ4が所定の張力を与えられ、ジグ2によっ
て固定されている。ト−ションバネ4の中央には、縦4
mm、横8mm、厚さ0.5mmの残留磁束密度約9000ガ
ウスのニッケルメッキされたネオジウム系小磁石3が半
田接合により固定されている。さらに、半田接合された
面の裏面3mは、レ−ザ−光を反射させるため研磨加工
により鏡面となっており、その鏡面加工が施された小磁
石3のN極、S極のいずれかの後方には、小磁石3にト
ルクを与えるためのチップコイル5が同様にハウジング
1に固定されている。このチップコイル5の外形は、縦
横2.5mm高さ2mmの略直方体であり、そのインダ
クタンスは例えば、330μHである。また、チップコ
イル5は交番電流発生器6につながれており、交番電流
をそのチップコイルに流すことにより交番磁界Hをチッ
プコイルの周囲に発生させ、鏡面加工された小磁石3に
トルクを与える構成となっている。そして、後述するよ
うにこの交番電流の周波数ωとトーションバネ4と小磁
石3からなる機械系の固有振動数ω0が一致すると共振
がおこり、わずかな磁界でこの鏡面加工された小磁石3
は最大振幅でねじり振動させられるのである。そして、
磁石の鏡面に入射されたレ−ザ−ビ−ム7は反射され、
その反射ビーム8は高速に走査される構成となってい
る。本発明のト−ションバネ4に採用したアモルファス
合金は、金属液体を超急冷することによって、薄膜、薄
帯、細線の形状で得られるものである。それらは、一般
に高透磁率を示す磁性材料としてよく知られているが、
機械的特性として、高硬度、高強度材としての特質も持
ち合わせている。さらに、その成分によっては、常温付
近の広い温度範囲で熱膨張係数が極めて小さいインバ−
特性あるいは、常温付近で弾性定数の温度係数が極めて
小さい恒弾性特性(エリンバ−特性)を示すのである。
例えばその恒弾性を示す場合、その横弾性係数は約5×
103kg/mm2であり 、常温付近での温度係数は
0.7×10-5K-1であり、ほとんど変化しないのであ
る。本発明はこのようなアモルファス合金の特質を利用
するものである。すなわち、従来技術と異なり、周囲の
温度変化に対して、安定した光走査を可能とするもので
ある。次に、上述の構成の光走査装置の動作について説
明する。図2に示すように、チップコイル5に交番電流
iを流すとチップコイル5の前面には図2(a)、
(b)に示すように局所的に交番磁界Hが形成される。
ト−ションバネ4に固定され、かつチップコイルの前方
に設置されている小磁石3の磁荷を+m、固定点から磁
化+mまでの距離をL/2とすると、小磁石3は磁界H
より+m・H・L/2・cosθのトルク、すなわち磁
気モーメントM=m・Lを導入すると、1/2・MHc
osθのトルクγを受ける。(但し、θはねじれ角であ
る。) また、ねじれ角がθの時には、小磁石3はト−ションバ
ネ4による復元モ−メントkθも同時に受ける。(ただ
し、kはト−ションバネ4の横弾性係数である。)さら
に、小磁石が高速に振動する場合、小磁石と空気の摩擦
抵抗およびト−ションバネ4の内部摩擦抵抗によって、
dθ/dtに比例した減衰モ−メントも同時に受けるこ
とになる。そして、前記トルクγが周期的(角振動数
ω)に加わると、小磁石はねじり振動を始める。これ
は、減衰振動系に強制力が加わった場合の方程式で表さ
れ、その方程式と一般解は下に示す式で表わされる。方
程式は、 I・d2θ/dt2+C・dθ/dt+k・θ=1/2M
・H・cosωt であり、その解は、 2θ=M・H/I・[(ω0 2−ω2)2+4μ2ω2]-1/2・cos(ωt−α) tanα=2μω/ω0 2−ω2 μ=C/2I 但し θ:ねじれ角 I:小磁石の慣性モーメント C:減衰係数 k:横弾性係数 M:磁気モーメント H:磁界の強さ ω:交番磁界の周波数 ω0:その振動系の機械的固有振動数(=(k/
I)1/2) α:位相遅れ角 t:時間 つまり交番電流の周波数ωと鏡面加工された小磁石3と
ト−ションバネ4からなる機械系の固有振動数ω0が一
致した場合に、いわゆる共振状態となり、ねじれ角が最
大となるのである。本実施例の場合、チップコイルに約
100mA流すと周波数111Hzで共振し、その最大
ねじれ角θは約45度となる。したがって、小磁石の鏡
面に入射せられたレ−ザ−光は、反射の法則により2倍
に拡大されて、その走査角2θは約90度にも達するの
である。以上説明したように、アモルファス合金からな
るト−ションバネと小磁石を用いた簡単な構成により、
走査角が大きく常温近傍の温度変化にも動作の安定した
光走査装置を実現できるのである。上述した実施形態
は、本発明による光走査装置を実現した1例であり、本
発明の趣旨を逸脱しない限り様々な変形を行うことがで
きる。たとえば、上記実施例では鉄系のアモルファス合
金を使用したが、その他の例えばコバルト系のCO38C
r16C18あるいはニッケル系のNi78Si18B13等疲労
強度が高く、かつ恒弾性特性を示すアモルファス合金材
料ならよいのである。また、本実施例では111HZの
光走査装置を実現したが、共振周波数ω0は、ω0=(k
/I)1/2 であるので、小磁石の慣性モ−メントすな
わち形状や質量を変えることによって所望の周波数を得
ることができる。また、本実施例ではトーションバネと
小磁石を強固に固定するため、ニッケルメッキされた小
磁石にアモルファス合金を半田接合したが、フェライト
磁石などを用いる場合は、いったん微小銅板などにトー
ションバネを半田接合し、その銅板の裏面に磁石および
鏡の順で接着剤などで固定してもよいのである。この場
合、小磁石と微小銅板および鏡との接着面積は十分広い
ので、従来例のように剥離することはないのである。ま
た、上述した式によればねじれ角θの大きさは、係数M
H/Iに依存している。従って、チップコイルに流す電
流をコントロ−ルし、周囲に発生する磁界Hを変化させ
れば、そのねじれ角、すなわちレ−ザ−光の走査幅も制
御できることは言うまでもない。また、本実施例ではチ
ップコイル5を鏡面加工された小磁石のN極の後方1個
所に設置したが、対局S極の後方にさらにチップコイル
を設置し、小磁石に与えるトルクを2倍にすることも可
能である。また、本実施例ではフェライトにコイルを巻
いたチップコイルを用いたが、効率を問題としなけれ
ば、空芯の微小コイルなどでもよいのである。
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1記載の光走査装置によれば、表面が鏡面加工され
た小磁石をアモルファス合金からなる線材あるいは箔材
に固定しトーションバネとし、、その後方に交番磁界を
発生させる磁界発生手段を設置することにより、磁界の
作用にともなってねじり振動を発生させ、その振動によ
り鏡面にて反射されたレ−ザ−ビ−ムを走査させている
ので、きわめて簡単な構造で、常温近傍の温度変化に対
して極めて安定した走査をする光走査装置を提供するこ
とができる。また、請求項2に記載の光走査装置によれ
ば、鏡面加工された小磁石が半田接合可能な皮膜あるい
は治具を伴い、間接的に半田接合により前記ト−ション
バネに固定されているので、小磁石はアモルファス合金
からなる軸線により強固に固定されるため剥離すること
がなく、耐久性に優れた光走査装置が提供可能となる。
また、請求項3に記載の光走査装置によれば、その磁界
発生手段は、フェライトあるいは軟磁性材料をコアとす
るチップコイルからなっている。従って、効率よく磁界
を発生させることができるとともに、従来よりはるかに
小型軽量化することができる。
求項1記載の光走査装置によれば、表面が鏡面加工され
た小磁石をアモルファス合金からなる線材あるいは箔材
に固定しトーションバネとし、、その後方に交番磁界を
発生させる磁界発生手段を設置することにより、磁界の
作用にともなってねじり振動を発生させ、その振動によ
り鏡面にて反射されたレ−ザ−ビ−ムを走査させている
ので、きわめて簡単な構造で、常温近傍の温度変化に対
して極めて安定した走査をする光走査装置を提供するこ
とができる。また、請求項2に記載の光走査装置によれ
ば、鏡面加工された小磁石が半田接合可能な皮膜あるい
は治具を伴い、間接的に半田接合により前記ト−ション
バネに固定されているので、小磁石はアモルファス合金
からなる軸線により強固に固定されるため剥離すること
がなく、耐久性に優れた光走査装置が提供可能となる。
また、請求項3に記載の光走査装置によれば、その磁界
発生手段は、フェライトあるいは軟磁性材料をコアとす
るチップコイルからなっている。従って、効率よく磁界
を発生させることができるとともに、従来よりはるかに
小型軽量化することができる。
【図1】本実施形態の光走査装置の構成を示す斜視図で
ある。
ある。
【図2】本実施形態に用いた鏡面加工された小磁石が、
交番磁界からトルクを受けること 説明する模式図であ
る。
交番磁界からトルクを受けること 説明する模式図であ
る。
【図3】従来の光走査装置の構成を示す斜視図である。
【図4】従来例の超弾性合金の横弾性係数と温度の関係
を示す図である。
を示す図である。
1 ハウジング 2 治具 3 小磁石 3m 小磁石の鏡面 4 アモルファス合金からなるト−ションバネ 5 チップコイル 6 交番電流発生器 7 レ−ザ−ビ−ム 8 反射ビ−ム
Claims (3)
- 【請求項1】トーションバネをハウジングに張設支持
し、そのト−ションバネの中央部に固定された小磁石
を、磁界発生手段により発生される交番磁界の作用によ
り前記ト-ションバネを軸線としてねじり振動させて、
その小磁石に伴って形成された鏡面をねじり振動させ、
光源より発せられる光ビ−ムをその鏡面に入射させ、前
記鏡面のねじり振動に基づいて前記光ビ−ムを走査させ
る光走査装置において、 前記ト−ションバネは、鉄あるいはコバルトあるいはニ
ッケルを主成分とし、クロム,シリコン,ボロン、モリ
ブデン等を添加したアモルファス合金からなる線材ある
いは箔材であることを特徴とする光走査装置 - 【請求項2】前記小磁石は、半田接合可能な皮膜あるい
は治具を伴い、間接的に半田接合により前記ト−ション
バネに固定されることを特徴とする請求項1に記載の光
走査装置 - 【請求項3】前記磁界発生手段は、微小フェライトある
いは微小軟磁性材料をコアとし、該コアに導線が巻かれ
たチップコイルからなることを特徴とする請求項1およ
び請求項2に記載の光走査装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9104076A JPH10293263A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 光走査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9104076A JPH10293263A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 光走査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10293263A true JPH10293263A (ja) | 1998-11-04 |
Family
ID=14371068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9104076A Pending JPH10293263A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 光走査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10293263A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003268761A (ja) * | 2002-03-19 | 2003-09-25 | Japan Construction Mechanization Association | 地盤改良機の改良材供給方法及び同装置 |
JP2008516282A (ja) * | 2004-10-05 | 2008-05-15 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | 微小電気機械システムにおけるアモルファス屈曲部 |
JP2013104880A (ja) * | 2011-11-10 | 2013-05-30 | Seiko Epson Corp | ミラーデバイス、ミラーデバイスの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 |
JP2013105117A (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Seiko Epson Corp | ミラーデバイス、ミラーデバイスの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP9104076A patent/JPH10293263A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003268761A (ja) * | 2002-03-19 | 2003-09-25 | Japan Construction Mechanization Association | 地盤改良機の改良材供給方法及び同装置 |
JP2008516282A (ja) * | 2004-10-05 | 2008-05-15 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | 微小電気機械システムにおけるアモルファス屈曲部 |
JP2013104880A (ja) * | 2011-11-10 | 2013-05-30 | Seiko Epson Corp | ミラーデバイス、ミラーデバイスの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 |
JP2013105117A (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Seiko Epson Corp | ミラーデバイス、ミラーデバイスの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 |
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