JPH10292014A - アクリル系樹脂成形材料の製造方法 - Google Patents

アクリル系樹脂成形材料の製造方法

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JPH10292014A
JPH10292014A JP5451798A JP5451798A JPH10292014A JP H10292014 A JPH10292014 A JP H10292014A JP 5451798 A JP5451798 A JP 5451798A JP 5451798 A JP5451798 A JP 5451798A JP H10292014 A JPH10292014 A JP H10292014A
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JP5451798A
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Hiroshi Anno
浩 安納
Satoji Isomura
諭治 礒村
Kazuhiko Hazama
和彦 間
Shinji Ebe
真二 江部
Masaya Nagai
正哉 永井
Tamio Azuma
民男 東
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変色がなく、美麗性、耐熱性、耐薬品性、耐
候性等が良好なアクリル系人工大理石が製造でき、熱プ
レス成形法などに好適である。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステルを主体とす
る不飽和単量体、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂お
よび無機充填材を混合する第1工程、第1工程で得られ
る混合物を65〜120℃で混練する第2工程、第2工
程で得られる混練物を冷却して硬化剤を混合する第3工
程、および第3工程で得られる樹脂組成物を賦形する第
4工程から主として構成されることを特徴とするアクリ
ル系樹脂成形材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系樹脂成
形材料の製造方法に関し、より詳細には人工大理石用の
成形材料などとして有用な、無機充填材を含有したアク
リル系樹脂成形材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂に無機充填材を充填したア
クリル系人工大理石は美しい外観と優れた特性を活かし
て、キッチン天板や各種カウンタートップ、洗面化粧
台、シャワートレー、床材、壁材、間仕切板などに広く
利用されている。アクリル系人工大理石は、一般的に
(メタ)アクリル酸エステルを主体とする不飽和単量体
またはそのシラップに無機充填材を分散含有せしめたス
ラリーを型に沿わせて重合硬化する注型法により製造さ
れている。しかし、この注型法は、硬化に長時間を要し
生産性が低いという問題がある。
【0003】硬化時間を短縮する方法としては、加圧下
で加熱する方法(熱プレス成形法)が提案されている。
熱プレス成形法においては、原料組成物に形状安定性が
あることが必要であり、注型法において用いられている
ものと同様の低濃度樹脂シラップに、無機充填材と、さ
らに芳香族ビニル化合物、イソシアネート化合物(特開
平5−124844号公報)、あるいは架橋重合体微粉
末(特開平6−313019号公報)のような増粘剤を
添加して組成物に形状安定性を付与する方法が知られて
いる。しかし、これらの方法においては、増粘するのに
長時間を要し、熟成時間と呼ばれる放置時間が必要であ
り、また増粘剤の添加でアクリル系人工大理石の美匠
性、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の特長が低下する傾向
があるなどの問題がある。
【0004】また多官能(メタ)アクリレートを含有す
る単量体、メタアクリル系樹脂粉末、無機充填材、硬化
剤および必要によりその他の添加剤を、常温または硬化
温度未満の加温下に混練・熟成して得られる常温で粘土
状あるいは固体状の成形材料を製造し、これを熱プレス
成形する方法が提案されている(特公平5−13899
9号公報)。この方法は、アクリル系人工大理石の特長
を低下させる増粘剤を使用しておらず、また高濃度シラ
ップの製造および取り扱いを省略できる利点があるが、
熟成工程が必要である、熟成を早めるため長時間混練を
続けると組成物が着色してくるなどといった問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、変色がなく、美麗性、耐熱性、耐薬品性、耐候
性等が良好なアクリル系人工大理石などが製造できる、
熱プレス成形法などに好適なアクリル系樹脂成形材料を
製造できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、(メタ)アクリル酸エステルを主体とする不飽和
単量体、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂および無機
充填材を混合する第1工程、第1工程で得られる混合物
を65〜120℃で混練する第2工程、第2工程で得ら
れる混練物を冷却して硬化剤を混合する第3工程、およ
び第3工程で得られる樹脂組成物を賦形する第4工程か
ら主として構成されることを特徴とするアクリル系樹脂
成形材料の製造方法によって達成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する(メタ)アクリル酸エステル(アクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを意味する。
以下同じ。)を主体とする不飽和単量体とは、(メタ)
アクリル酸エステル単独、あるいは(メタ)アクリル酸
エステルと他の不飽和単量体の混合物をいう。(メタ)
アクリル酸エステルの割合は、人工大理石などの成形品
の耐候性、美麗性、耐薬品性などの点から30重量%以
上が使用され、50重量%以上が好ましく、70重量%
以上がより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、例えばメタクリル酸と炭素数が1〜18の一価ア
ルコールとのエステル;アクリル酸と炭素数が1〜18
の一価アルコールとのエステル;メタクリル酸とエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、テトラメチロール
メタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ルなどの多価アルコールとのエステル;アクリル酸とエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、テトラメチロ
ールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トールなどの多価アルコールとのエステルなどが挙げら
れ、これらを混合して使用することもできる。特にメタ
クリル酸メチルは、美麗性、耐熱性、耐薬品性、耐候
性、強度などバランスのとれた成形品が得られるため、
好ましく使用される。多価アルコールとメタクリル酸あ
るいはアクリル酸のエステルは、耐汚染性、耐熱性が必
要な用途において好ましく使用され、通常単量体総量に
対して20〜60重量%用いることが好ましい。(メ
タ)アクリル酸エステルと混合して用いられる他の不飽
和単量体の例としては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレ
ン、α−メチルスチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる
が、これらに限定されるものでない。
【0008】(メタ)アクリル酸エステル系樹脂として
は、人工大理石などの成形品の耐候性、美麗性、耐薬品
性などの点から、メタクリル酸メチルの割合が30重量
%以上のものが使用され、50%以上が好ましく、70
%以上がより好ましい。例えば、メタクリル酸メチルの
単独の重合体;メタクリル酸メチルとアクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルとアクリル酸エチルとの共重合
体などメタクリル酸メチルとメタクリル酸メチル以外の
(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体;メタクリル
酸メチルとスチレンの共重合体などが好ましく使用され
る。(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、前記不飽和
単量体に溶解するものであれば使用可能であるが、溶解
性などの点からその重量平均分子量は5万〜60万が好
ましく、特に7万〜20万のものが好ましく使用され
る。(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の形状は、他の
構成物と混合、混練ができるものであれば特に制限はな
いが、取り扱い性が容易で、混練時間が短くなる、粒径
が50〜1000μm程度の粒状物が好ましく、懸濁重
合物が好ましく用いられる。
【0009】(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の使用
量は、(メタ)アクリル酸エステルを主体とする不飽和
単量体100重量部に対し、通常50〜400重量部が
使用され、好ましくは80〜300重量部である。また
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂には、(メタ)アク
リル酸エステルを主体とする不飽和単量体の一部が予め
含有されていてもよい。
【0010】本発明に使用する無機充填材としては、水
酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、硫酸カル
シウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレ
ー、ガラスビーズなどの粉末を使用することができる
が、これらに限定されるものではない。アクリル系人工
大理石の高級感、耐汚染性能、加工性能などの点から、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、ガ
ラスビーズなどの粉末が、とりわけ水酸化アルミニウム
粉末が好ましく用いられる。無機充填材の粒子径は通常
0.1〜100μmが使用され、より好ましくは1〜3
0μmである。シラン処理など表面処理した無機充填材
も好ましく使用される。無機充填材の使用量は、(メ
タ)アクリル酸エステルを主体とする不飽和単量体10
0重量部に対し、通常50〜500重量部が使用され、
好ましくは100〜400重量部が使用される。
【0011】本発明に用いる硬化剤には特に制限はな
く、通常のラジカル重合に用いられるベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシ
ル)ジカーボネート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキ
シ−3,3,5ートリメチルシクロヘキサン等の有機過
酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物
等が用いられる。これらの硬化剤は1種または2種以上
で用いられる。硬化剤の配合割合は、メタクリル酸エス
テルを主体とする単量体100重量部に対して、通常1
〜10重量部、好ましくは3〜7重量部である。
【0012】また本発明の方法においては、本発明にお
いて得られる成形物の靱性や強度の向上あるいはクラッ
クの発生・進行の抑制などの補強効果の発現を目的とし
て、混練時または混合時などに補強単繊維を添加するこ
とができる。選択される繊維としては、アスベストやガ
ラス繊維等の無機繊維、アラミド繊維やビニロン繊維な
どを含む各種有機繊維、カーボン繊維、金属ウィスカー
などである。使用される補強単繊維の形状および添加量
は所望される成形品の特徴によりその組合わせが変化す
るため、これらを厳密に規定することはできないが、例
えば、靱性向上やクラック発生の抑制を目的としてビニ
ロン繊維の収束タイプのチョップドストランドを使用す
る場合には、繊維形状としては、繊維径5〜300μ
m、繊維長3〜50mmの範囲にあることが好ましく、
また添加量としては、本発明において使用されるメタク
リル酸エステルを主体とする単量体100重量部に対し
て、5〜200重量部の範囲にあることが望ましい。添
加量が5重量部未満では補強効果を発現させることが困
難であり、また添加量が200重量部を越えると通常の
装置による混練が甚だしく困難となる。
【0013】また、本発明において、さらに低収縮性や
加工特性の向上、意匠性の付与を目的としてメタクリル
系部分架橋ゲル状重合体を添加することができる。この
目的のため好ましく用いることができるメタクリル系部
分架橋ゲル状重合体は、例えば特開昭60−20212
8号公報、特開昭62−1705号公報等に記載されて
いるような、(a)アルキルメタクリレ−ト単独、アル
キルメタクリレ−トを主成分とするα,β−エチレン性
不飽和単量体との単量体混合物およびそれらの重合体を
含有するシラップからなる群から選ばれた樹脂原料、お
よび(b)該樹脂原料100重量部当たり2〜250重
量部の架橋剤よりなる混合物を部分的に重合させて全重
合体含有率が90重量%を超えない範囲で重合体の含有
率を前記混合物中の全重合体含有率よりも4〜75重量
%増加させた部分架橋ゲル状重合体である。アルキルメ
タクリレ−トには特に制限はなく、上記メタクリル酸エ
ステルとして挙げたものの中から適宜選択することがで
き、またα,β−エチレン性不飽和単量体および架橋剤
についても特に制限はなく、上記メタクリル酸エステル
と共重合可能な他の不飽和単量体として挙げたものの中
から適宜選択して使用することができる。
【0014】メタクリル系部分架橋ゲル状重合体は破砕
して用いることが好ましく、通常平均粒径が5mm以
下、好ましくは0.1〜3mm程度のものが使用され
る。またメタクリル系部分架橋ゲル状重合体の配合割合
は、メタクリル酸エステルを主体とする単量体100重
量部に対して、通常0〜300重量部、好ましくは10
〜200重量部、より好ましく15〜150重量部であ
る。
【0015】本発明の第1工程においては、(メタ)ア
クリル酸エステルを主体とする不飽和単量体、(メタ)
アクリル酸エステル系樹脂、無機充填材および、更に必
要であればそのほかの添加物を混合し、樹脂が完全に溶
解しておらず通常スラリーの混合物を得る。混合は、通
常室温〜120℃、好ましくは室温〜100℃程度の温
度で行われ、混合前に原料を予熱しておくこともでき
る。これらの成分を混合する方法としては、特に限定さ
れず、液体と粉体の混合に使用される方法であればよ
く、例えば撹拌翼を具備した撹拌槽、混練機、押出機な
どが使用できる。
【0016】次いで第2工程においては、第1工程で得
られる混合物を混練して、樹脂が完全に溶解した混練物
を得る。混練は、65〜120℃の温度で行うことが必
要であり、好ましくは70〜100℃である。混練する
温度が65℃より低い温度では、(メタ)アクリル酸エ
ステル系樹脂の溶解が遅くなり、生産性の点で好ましく
ない。一方、120℃を超える場合には、単量体の重合
や重合体の分解などが生じやすくなり、安定した生産が
できなくなる。混練する方法としては、特に限定されず
本発明の効果を実現できるものであればよく、例えばシ
グマ型ブレードニーダー、ゼット型ブレードニーダー、
スパイラル型ブレードニーダー、ブレード形連続ニーダ
ー、パドルミキサー、連続パドルミキサー、リボンミキ
サー、コニーダー、ロール形加圧ニーダー、ロール形イ
ンターナルミキサー、コンテニュアスニーダー、単軸押
出機、二軸押出機などを用いて行われる。上記温度で混
練するために、混練機は、通常ジャケット部などの温度
調節部を有し、電熱ヒーター、蒸気、温水または冷却
水、温度調節用油などを用いて混練部が所定の温度にな
るように調節できることが好ましい。混練時間は、混練
機の種類、回転数また混練温度により異なるが、一般に
は2分から10分程度が採用される。混練機で第1工程
と第2工程を一括して行うこともでき、また第1工程と
第2工程をひとつの機械で連続して行うこともできる。
【0017】そして第3工程では、第2工程で得られる
通常粘土状の混練物を冷却し、冷却後または冷却過程中
に硬化剤を混合して樹脂組成物を得る。第3工程では、
硬化剤の種類によって異なるが、例えば80℃以下、通
常5〜60℃程度までに冷却される。冷却は、ジャケッ
トに冷水を通じて、混練物を撹拌・混合するなどの方法
により効率よく行うことができる。硬化剤としては、特
に限定されないが、ラジカル重合開始剤であるアゾビス
化合物や有機過酸化物が通常用いられ、例えばアゾビス
イソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキサイド、クメンヒドロキシパーオキサイ
ド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,
3,5ートリメチルシクロヘキサンなどの一種以上が使
用できる。硬化剤の配合割合は、メタクリル酸エステル
を主体とする単量体100重量部に対して、通常1〜1
0重量部、好ましくは3〜7重量部である。硬化剤が固
体の場合は、あらかじめ少量の単量体に溶解して添加す
ることにより、容易に均一に混合することができる。
【0018】さらに第4工程では、第3工程で得られる
樹脂組成物が続く成形・硬化工程に便利な形状に賦形さ
れる。樹脂組成物は、通常板状あるいは棒状などに予備
的に賦形されるが、塊状、ペレット状などの形状でも差
し支えない。これらの成形材料の製造方法としては、連
続的に板状あるいは棒状に押出された樹脂組成物を所定
の長さに切断する方法が生産性の高い方法として挙げら
れる。賦形する温度は、硬化温度未満の温度であれば特
に制限されず、通常5〜60℃が好ましく使用される。
【0019】本発明の成形材料を製造する装置として
は、例えば、65〜120℃に加熱できるジャケットを
有し、かつ原料供給口側に連続して混合する機能をもつ
部位とその下流に混練する機能をもつ部位からなる装
置、あるいは更にこれらの部位と冷却ジャケットを有し
混合して冷却する機能をもつ部位が連結された装置と、
冷却ジャケットを有し混合して冷却する機能をもち、硬
化剤の投入孔をもつ部位、および賦形する機能をもつ部
位が連結された装置とから構成される製造装置が挙げら
れる。これらの装置を使用する場合には、混合・混練す
る部位と、低温下で硬化剤を混合し賦形する部位を分離
することができるので、条件が個別に設定できる利点が
ある。
【0020】また、本発明の成形材料を製造する別の装
置の例としては、65〜120℃に加熱できるジャケッ
トを有し、原料供給口側に連続して混合する機能をもつ
部位、65〜120℃に加熱できるジャケットを有する
混練する機能をもつ部位、冷却ジャケットを有し混合し
て冷却する機能をもち硬化剤の投入孔をもつ部位、およ
び賦形する機能をもつ部位が順次連結されている装置が
挙げられる。この装置は、コンパクトな製造装置とする
ことができ、製造条件設定が容易な成形材料の製造にお
いて特に好ましい。
【0021】本発明の方法においては、本発明の目的に
支障のない範囲で、必要に応じ混練時または混合時など
に、あるいは別途簡便な混合・混練工程を設けて、各種
模様材、着色剤、カップリング剤、光安定剤、酸化防止
剤、離型剤、重合調整剤、脱泡剤などの添加剤を併用す
ることができる。また、本発明における混合、混練工程
での増粘速度の向上や、樹脂組成物から成形品を製造す
る際の金型に対する転写性の向上を目的として、本発明
において使用される(メタ)アクリル酸エステルを主体
とする不飽和単量体に対して不溶かつ膨潤度を有する樹
脂組成物を添加することもできる。
【0022】本発明の方法で得られる成形材料は、圧縮
成形、射出成形、押出成形などの方法で賦形・硬化する
ことにより、成形品、特に大理石様の製品を得ることが
できる。成形条件としては通常の条件が採用され、例え
ば圧縮成形での成形圧力は10〜200kg/cm2
成形温度は80〜180℃、成形時間は10分程度であ
る。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。実施例は、本発明の一実施態様を示したものであ
り、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、加圧展延性は次の方法により測定・評価した。 (加圧展延性の測定)成形材料を30.0g秤量し、熱
盤温度50℃に加温したプレス機にて、上熱盤/50μ
m厚みナイロンフィルム/成形材料/50μm厚みナイ
ロンフィルム/下熱盤の構成で、3トンの総荷重をかけ
て60秒間加圧し、成形材料の広がり面積を面積計[林
電工(株)製:自動面積計AAM−8型]を用いて測定
する。 (加圧展延性の評価)上記の方法で、成形材料を得た直
後と、成形材料を50μmの厚みのナイロンフィルムの
袋に密閉した状態で約1日室温放置後の加圧加熱による
広がり面積(加圧展延性)を測定し、得られた成形材料
に1日室温放置による粘度変化があったかどうかを評価
した(変化が見られない場合は熟成の必要がないものと
評価した)。またナイロンフィルム間で引き伸ばされた
フィルム状の成形材料を目視観察し、未溶解重合体の有
無を調べた。
【0024】実施例1 ジャケットに90℃の熱媒を通し、原料供給側のL/D
=5までの部分をスクリューにして混合機能を、それ以
降にニーデングバドルを配して混練機能を付与した2軸
混練部(口径50φ、L/D=13)と、冷却水が通水
された冷却ジャケットおよび2軸押出部分の原料供給側
よりL/D=4の部分に設けられた硬化剤供給孔を具備
した2軸押出部分(口径50φ、L/D=6)および2
軸押出部分の先に、20mm×150mmの開口を有す
るダイを具備した1軸の押出部分(口径100φ、L/
D=5)が連結されて構成される冷却・賦形部とを、2
軸混練部の吐出物が、冷却・賦形部の二軸押出部分の原
料ホッパーに入るように配置した。
【0025】2軸混練部に、平均粒径が8μのシラン処
理済みの水酸化アルミニウム274重量部とメタクリル
系樹脂ビーズ(メタクリル酸メチル98重量%とアクリ
ル酸メチル2重量%の共重合体、重量平均分子量110
000、平均粒子径0.3mm)105重量部の混合物
を42.6kg/時間のフィード量で供給し、また液体
混合槽でメタクリル酸メチル57重量部にネオペンチル
グリコールジメタクリレート43重量部を混合した液を
液体混合槽から定量ポンプにより10kg/時間のフィ
ード量で供給し、混練した。吐出口より吐出された82
℃の混練物を冷却・賦形部の原料ホッパーに導き入れ
て、ホッパー部に混練物があふれないように冷却・賦形
部の押出速度を調節した。硬化剤の投入孔より1,1−
ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンを200g/時間のフィード量で供給し
た。硬化剤の供給部の組成物の温度は58℃であった。
ダイより20mm×150mmの断面をもつ板状の成形
材料を得た。この成形材料の温度は35℃で、変色はな
く、表面はなめらかであった。この成形材料の加圧展延
性は304cm2 であり、成形材料中には未溶解ポリマ
ーは見られず、また24時間経過後も加圧展延性は変化
がなかった。
【0026】得られた成形材料10kgを天板部600
mm×1000mm、50mmの高さの前垂れおよびバ
ックガードを有する洗面化粧台用金型中に投入し、成形
温度130℃、加圧樹脂圧100kgf/cm2 、加圧
時間12分の成形条件において加圧成形を行い、600
mm×1000mm×10mmのアクリル人工大理石の
洗面化粧台を得た。得られた成形品にはクラックなどの
成形欠点はなく、美麗な表面を有していた。
【0027】実施例2 原料供給口よりL/D=22の部分までのジャケットに
70℃の熱媒を通し、それ以降は冷水を通し、また原料
供給側のL/D=5までの部分をスクリューにして混合
機能を、それ以降L/D=22までの部分にニーデング
デスクを配して混練機能を付与し、それ以降はまたスク
リューにして混合・送り機能を付与し、原料供給口より
L/D=29の部分に硬化剤投入孔を設け、先端に20
mm×150mmの開口を有するダイを具備した2軸押
出装置(口径40mm、L/D=42)に、平均粒径が
8μのシラン処理済みの水酸化アルミニウム274重量
部と実施例1と同様のメタクリル系樹脂ビーズ105重
量部の混合物を42.6kg/時間のフィード量で供給
し、また液体混合槽でメタクリル酸メチル57重量部に
ネオペンチルグリコールジメタクリレート43重量部を
混合した液を液体混合槽から定量ポンプにより10kg
/時間のフィード量で供給し、混練した。硬化剤の投入
孔より1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
ートリメチルシクロヘキサンを200g/時間のフィー
ド量で供給した。ダイより20mm×150mmの断面
をもつ板状の成形材料を得た。成形材料の温度は35℃
で、変色はなく、表面はなめらかであった。この成形材
料の加圧展延性は300cm2であり、成形材料中には
未溶解ポリマーは見られず、また24時間経過後も加圧
展延性は変化がなかった。
【0028】得られた成形材料10kgを天板部600
mm×1000mm、50mmの高さの前垂れおよびバ
ックガードを有する洗面化粧台用金型中に投入し、成形
温度130℃、加圧樹脂圧100kgf/cm2 、加圧
時間12分の成形条件において加圧成形を行い、600
mm×1000mm×10mmのアクリル人工大理石の
洗面化粧台を得た。得られた成形品にはクラックなどの
成形欠点はなく、美麗な表面を有していた。
【0029】実施例3 実施例1と同様に、ジャケットに100℃の熱媒を通
し、原料供給側のL/D=5までの部分をスクリューに
して混合機能を、それ以降にニーディングバドルを配し
て混練機能を付与した2軸混練部 (口径50φ、 L/
D=13) と、冷却水が通水された冷却ジャケットおよ
び2軸押出部分の原料供給側よりL/D=4の部分に設
けられた硬化剤供給孔を具備した2軸押出部分(口径5
0φ、L/D=6)および2軸押出部分の先に、20m
m×150mmの開口を有するダイを具備した1軸の押
出部分 (口径100φ、L/D=5) が連結されて構成
される冷却・賦形部とを、2軸混練部の吐出物が、冷却
・賦形部の二軸押出部分の原料ホッパーに入るように配
置した。
【0030】2軸混練部に、平均粒径が8μのシラン処
理済みの水酸化アルミニウム212重量部と実施例1と
同様のメタクリル樹脂ビーズ70重量部、石目調模様材
47重量部および補強用ビニロン繊維 〔(株)クラレ
製、RF−S602〕 19重量部を混合した粉体の混
合物を39.4kg/時間のフィード量で供給し、また
液体混合槽でメタクリル酸メチル68重量部にネオペン
チルグリコールジメタクリレート32重量部を混合した
液を液体混台槽から定量ポンプにより10.6kg/時
間のフィード量で供給し、混練した。吐出口より吐出さ
れた85℃の混練物を冷却・賦形部の原料ホッパーに導
き入れて、ホッパー部に混練物があふれないように冷却
・賦形部の押出速度を調節した。硬化剤の投入孔より
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサンを333g/時間のフィード量で
供給した。硬化剤の供給部における組成物の温度は58
℃であった。ダイより20mm×150mmの断面をも
つ板状の成形材料を得た。成形材料の温度は50℃で、
変色はなく、表面はなめらかであった。この成形材料の
加圧展延性は340cm2 であり、成形材料中には未溶
解ポリマーは見られず、また24時間経過後も加圧展延
性は変化がなかった。
【0031】得られた成形用樹脂組成物10kgを天板
部600mm×1000mm、50mmの高さの前垂れ
およびバックガードを有する洗面化粧台用金型中に投入
し、成形温度130℃、加圧樹脂圧110kgf/cm
2 、加圧時問12分の成形条件において加圧成形を行
い、600mm×1000mm×11mmのアクリル人
工大理石の洗面化粧台を得た。得られた成形品にはクラ
ックなどの成形欠点はなく、美麗な表面を有していた。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法は、モノマー成分、ポリマ
ー成分および無機充填材とから一気に樹脂組成物の混合
・混練を完了させ、冷却して硬化剤を添加し、成形に便
利な形に賦形された成形材料を効率的に生産できるもの
であり、人工大理石用の成形材料などを簡便かつ廉価に
製造する方法として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江部 真二 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 永井 正哉 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 東 民男 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステルを主体とす
    る不飽和単量体、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂お
    よび無機充填材を混合する第1工程、第1工程で得られ
    る混合物を65〜120℃で混練する第2工程、第2工
    程で得られる混練物を冷却して硬化剤を混合する第3工
    程、および第3工程で得られる樹脂組成物を賦形する第
    4工程から主として構成されることを特徴とするアクリ
    ル系樹脂成形材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1工程において、さらに補強単繊維お
    よび/またはメタクリル系部分架橋ゲル状重合体を混合
    することを特徴とする請求項1に記載のアクリル系樹脂
    成形材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 65〜120℃に加熱できるジャケット
    を有し、かつ原料供給口側に連続して混合する機能をも
    つ部位とその下流に混練する機能をもつ部位からなる装
    置と、冷却ジャケットを有し混合して冷却機能をもち硬
    化剤の投入孔をもつ部位および賦形機能をもつ部位が順
    次連結された装置とを用いて製造することを特徴とする
    請求項1〜2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 65〜120℃に加熱できるジャケット
    を有し、原料供給口側に連続して混合する機能、次いで
    混練する機能をもつ部位、冷却ジャケットを有し混合し
    て冷却する機能をもつ部位、硬化剤の投入孔および賦形
    する機能をもつ部位が順次連結されている装置を用いて
    製造することを特徴とする請求項1〜2記載の製造方
    法。
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