JPH1028951A - 有機塩素化合物の処理方法 - Google Patents

有機塩素化合物の処理方法

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JPH1028951A
JPH1028951A JP8203168A JP20316896A JPH1028951A JP H1028951 A JPH1028951 A JP H1028951A JP 8203168 A JP8203168 A JP 8203168A JP 20316896 A JP20316896 A JP 20316896A JP H1028951 A JPH1028951 A JP H1028951A
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JP
Japan
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organic chlorine
chlorine compound
hydrothermal reaction
decomposition accelerator
decomposition
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JP8203168A
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English (en)
Inventor
Masaya Uragami
昌也 浦上
Nakamichi Yamazaki
仲道 山崎
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Kimura Chemical Plants Co Ltd
Original Assignee
Kimura Chemical Plants Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな設備コストや運転コストを必要とせ
ず、効率よく有機塩素化合物を分解処理して無害化する
ことが可能な有機塩素化合物の処理方法を提供する。 【解決手段】 有機塩素化合物を、水の存在下に、還元
性雰囲気中で、250〜350℃に加熱して水熱反応を
行わせる。また、有機塩素化合物を、水及び分解促進剤
の存在下に、還元性雰囲気中で、250〜350℃に加
熱して水熱熱反応を行わせる。また、分解促進剤として
酢酸又は酢酸塩を用いる。また、分解促進剤としてZn
粉末を用いる。また、分解促進剤として、白金及びパラ
ジウムの少なくとも1種を含む貴金属触媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、有機塩素化合物
の処理方法に関し、詳しくは、PCB(polychlorinate
d biphenyl)、DDT(p,p-dichloro,diphenyl trichl
oro ethane)、BHC(hexachloro cyclo hexane),ク
ロルベンゼンなどの有機塩素化合物を分解して無害化す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】過去の
一時期において、変圧器の電気絶縁油(トランス油)と
して有機塩素化合物であるPCBが用いられていたが、
PCBの有害性が認識されるようになってからはその使
用が禁止され、その後はPCB以外の電気絶縁油が用い
られている。そして、それまで使用されていたPCB
は、まとめて所定の場所に保管され、その一部は燃焼方
法により処理されたことがある。しかし、PCBを処理
して無害化することは必ずしも容易ではないのが実情で
ある。
【0003】また、PCB以外の電気絶縁油が用いられ
るようになってからも、変圧器内に残留したPCBによ
り汚染した電気絶縁油が発生し、その処理も問題となっ
ている。
【0004】上述のように、PCBなどの有機塩素化合
物は分解して無害化することは容易ではなく、その処理
方法として、高温下での燃焼する方法、活性炭により吸
着する方法、放射線を照射する方法、過酸化物を用いて
化学的に処理する方法、微生物などを用いて処理する方
法などが検討されているが、設備コスト、運転コスト、
有機塩素化合物の分解率などの点において、なんらかの
問題を含んでおり、必ずしも満足できるものではないの
が実情である。
【0005】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、大きな設備コストや運転コストを必要とせず、効
率よく有機塩素化合物を分解処理して無害化することが
可能な有機塩素化合物の処理方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の有機塩素化合物の分解方法は、有機塩素
化合物を分解させて処理する方法において、有機塩素化
合物を、水の存在下に、還元性雰囲気中で、250〜3
50℃に加熱して水熱反応を行わせることを特徴として
いる。
【0007】また、有機塩素化合物を分解させて処理す
る方法において、有機塩素化合物を、水及び分解促進剤
の存在下に、還元性雰囲気中で、250〜350℃に加
熱して水熱反応を行わせることを特徴としている。
【0008】また、前記分解促進剤が、酢酸又は酢酸塩
であることを特徴としている。
【0009】また、前記分解促進剤が、Zn粉末である
ことを特徴としている。
【0010】また、前記分解促進剤が、白金及びパラジ
ウムの少なくとも1種を含む貴金属触媒であることを特
徴としている。
【0011】
【作用】本願発明の方法により有機塩素化合物が分解さ
れる工程は必ずしも明らかではないが、有機塩素化合物
が、水の存在下に、還元性雰囲気中で、250〜350
℃に加熱されることにより水熱反応が起こり、発生期の
H(水素原子)が塩素と置換反応を起こして分解が進行
するものと考えられる。例えば、PCBの場合には、下
記の式(1) 及び(2)に示すように、脱塩素されてビフェ
ニルと塩素に分解される。 C124Cl6+6H→C1210+3Cl2 ……(1) C124Cl6+12H→C1210+6HCl ……(2)
【0012】なお、加熱温度を250〜350℃とした
のは、250℃未満では、上記の反応が十分に生起せ
ず、また、350℃を越えると操作圧力が高くなり過ぎ
て設備コストの増大を招き好ましくないことなどの理由
による。
【0013】また、分解促進剤の存在下で、上記の方法
により水熱反応を行なわせることにより、さらに効率よ
く有機塩素化合物を分解して処理することが可能にな
り、本願発明をより実行あらしめることが可能になる。
【0014】また、分解促進剤として酢酸又は酢酸塩を
用いた場合、熱により酢酸又は酢酸塩が分解して水素を
発生し、上記の水熱反応を促進させるとともに自らは無
害の物質となる。
【0015】また、分解促進剤としてZn粉末を用いた
場合にも、Zn粉末が還元性雰囲気下で有機塩素化合物
の分解を促進する作用を果し、水熱反応を効率よく行な
わせることが可能になる。
【0016】また、分解促進剤として白金及びパラジウ
ムの少なくとも1種を含む貴金属触媒を用いることによ
り、上記の水熱反応をさらに効率よく進行させることが
可能になり、本願発明をより実行あらしめることができ
る。なお、貴金属触媒は、上記の酢酸又は酢酸塩などの
分解促進剤とともに用いることも可能である。なお、本
願発明の有機塩素化合物の処理方法において、分解促進
剤の添加量は、分解させるべき有機塩素化合物の量や、
水熱反応時の濃度などを考慮して適切な値を定めること
が望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を示し
てその特徴とするところをさらに詳しく説明する。な
お、この実施形態では1000ppmのクロルベンゼン
(有機塩素化合物)を含有するトランス油を試料として
用いた。そして、このトランス油(試料)の所定量をオ
ートクレーブに入れ、所定の割合で、水、分解促進剤な
どを添加した後、N2シールを行って、所定の温度で所
定時間、水熱反応を行なわせた。以下、各実施形態の条
件、結果について説明する。
【0018】 [実施形態1](水のみを添加した場合) a.条件 試料(トランス油)投入量 :10mm 水添加量 :40ml 処理温度(最高温度) :275℃,300℃,350℃ 処理時間(上記処理温度での保持時間):30分 b.クロルベンゼンの分解率 上記の処理条件で水熱反応を行わせた場合におけるクロ
ルベンゼンの分解率は表1に示す通りであった。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示すように、水のみを添加して水熱
反応を行わせた場合にも、相当な分解率が得られること
がわかる。なお、処理温度は、必ずしも高いほうが分解
率が向上するというものではなく、上記の条件の中で
は、処理温度を300℃とした場合にもっとも高い分解
率が得られた。
【0021】 [実施形態2](水と酢酸ナトリウムを添加した場合) a.条件 試料(トランス油)採取量 :10mm 水添加量 :40ml 酢酸ナトリウム(3水塩)添加量 :5g,10g,20g,30g 処理温度(最高温度) :300℃ 処理時間(上記処理温度での保持時間):30分 b.クロルベンゼンの分解率 上記の処理条件で水熱反応を行わせた場合におけるクロ
ルベンゼンの分解率は表2に示す通りであった。
【0022】
【表2】
【0023】表2に示すように、酢酸ナトリウムを5g
(5.5重量%)の割合で添加した場合にもっとも高い
分解率(90.7%)を示し、添加量がそれより増える
と分解率が低下することがわかった。したがって、上記
の条件では、酢酸ナトリウムの添加量を5.5重量%の
割合とすることが好ましい。
【0024】[実施形態3](亜鉛粉末を添加した場
合) a.条件 試料(トランス油)採取 :10mm 水添加量 :40ml 亜鉛粉末添加量 :0.5g 処理温度 :300℃ 処理時間(上記処理温度での保持時間):30分 b.クロルベンゼンの分解率 上記の処理条件で水熱反応を行わせた場合におけるクロ
ルベンゼンの分解率は91.6%であった。
【0025】 [実施形態4](貴金属触媒を添加した場合) a.条件 試料(トランス油)採取量 :10mm 水添加量 :40ml 白金触媒(白金5%アルミナ担体)添加量 :0.25g 酢酸ナトリウム(3水塩)添加量 :5.0g 処理温度 :300℃ 処理時間(上記処理温度での保持時間) :30分 b.クロルベンゼンの分解率 上記の処理条件で水熱処理を行わせた場合におけるクロ
ルベンゼンの分解率は92.7%であった。
【0026】上述の実施形態1,2,3,4の結果か
ら、有機塩素化合物を、水の存在下に、還元性雰囲気中
で、250〜350℃に加熱することにより、有機塩素
化合物を効率よく分解することが可能であり、また、分
解促進剤として、酢酸塩、亜鉛粉末、貴金属触媒などを
添加することにより、さらに分解効率を向上させること
が可能になることがわかる。
【0027】なお、上記実施形態においては、N2シー
ルを行った状態で昇温して水熱反応を行わせた場合につ
いて説明したが、シール用ガスとしてはアルゴンガスな
どの不活性ガスを用いることも可能である。また、H2
ガスなどの還元性ガスを用いた場合には、雰囲気ガスに
よる還元作用も期待することができてさらに好ましい。
【0028】また、上記実施形態では特に示していない
が、反応により生成する酸性物質(HCl)によるpH
の低下を避けるため、必要に応じて水酸化ナトリウムな
どのアルカリ成分を予め添加しておいてもよい。
【0029】また、上記実施形態では、トランス油中の
クロルベンゼンを分解する場合を例にとって説明した
が、本願発明の方法によれば、トランス油などに混入し
たPCBを分解することも可能であり、さらにその他の
有機塩素化合物を分解することも可能である。
【0030】また、上記実施形態では、他の物質(トラ
ンス油)中に混入している有機塩素化合物(クロルベン
ゼン)を分解、処理する場合について説明したが、他の
物質中に混入していない、単独の有機塩素化合物を分解
することも可能である。
【0031】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施形態に限定されるものではなく、水の添加量、
分解促進剤の種類や添加量、具体的な水熱反応条件その
他に関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、
変形を加えることが可能である。
【0032】
【発明の効果】上述のように本願発明の有機塩素化合物
の処理方法は、有機塩素化合物を、水の存在下に、還元
性雰囲気中で、250〜350℃に加熱して水熱反応を
行わせるようにしているので、有機塩素化合物中の塩素
を発生期のH(水素原子)と置換させて効率よく分解
し、無害化することができる。
【0033】また、分解促進剤の存在下で、水熱反応を
行なわせることにより、さらに効率よく有機塩素化合物
を分解して処理することができる。
【0034】また、分解促進剤として酢酸又は酢酸塩を
用いた場合、酢酸又は酢酸塩の分解により発生した水素
原子を有機塩素化合物中の塩素と効率よく反応させるこ
とが可能になり、さらに効率よく有機塩素化合物を分解
することができる。
【0035】また、分解促進剤としてZn粉末を用いた
場合にも、Zn粉末が還元性雰囲気下で有機塩素化合物
の分解を促進する作用を果し、水熱反応を効率よく行な
わせることができる。
【0036】さらに、分解促進剤として白金及びパラジ
ウムの少なくとも1種を含む貴金属触媒を用いた場合、
水熱反応をさらに効率よく進行させることが可能にな
り、本願発明をより実行あらしめることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機塩素化合物を分解させて処理する方法
    において、 有機塩素化合物を、水の存在下に、還元性雰囲気中で、
    250〜350℃に加熱して水熱反応を行わせることを
    特徴とする有機塩素化合物の処理方法。
  2. 【請求項2】有機塩素化合物を分解させて処理する方法
    において、 有機塩素化合物を、水及び分解促進剤の存在下に、還元
    性雰囲気中で、250〜350℃に加熱して水熱反応を
    行わせることを特徴とする有機塩素化合物の処理方法。
  3. 【請求項3】前記分解促進剤が、酢酸又は酢酸塩である
    ことを特徴とする請求項2記載の有機塩素化合物の処理
    方法。
  4. 【請求項4】前記分解促進剤が、Zn粉末であることを
    特徴とする請求項2記載の有機塩素化合物の処理方法。
  5. 【請求項5】前記分解促進剤が、白金及びパラジウムの
    少なくとも1種を含む貴金属触媒であることを特徴とす
    る有機塩素化合物の処理方法。
JP8203168A 1996-07-12 1996-07-12 有機塩素化合物の処理方法 Withdrawn JPH1028951A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009273996A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Aoki Asunaro Kensetsu Kk Pcb、ダイオキシン類などの難分解物質による汚染物の無害化方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009273996A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Aoki Asunaro Kensetsu Kk Pcb、ダイオキシン類などの難分解物質による汚染物の無害化方法

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