JPH10288550A - 熱型赤外線センサ及び固体撮像装置 - Google Patents

熱型赤外線センサ及び固体撮像装置

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JPH10288550A
JPH10288550A JP9097240A JP9724097A JPH10288550A JP H10288550 A JPH10288550 A JP H10288550A JP 9097240 A JP9097240 A JP 9097240A JP 9724097 A JP9724097 A JP 9724097A JP H10288550 A JPH10288550 A JP H10288550A
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JP
Japan
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infrared sensor
infrared
thermal infrared
semiconductor substrate
film
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Application number
JP9097240A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Tomofuji
哲也 友藤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で、検出信号のS/N比を大きく
することができる熱型赤外線センサ及びこれを用いた固
体撮像装置を提供する。 【解決手段】 シリコン基板31の上面31Aに空隙S
を介して赤外線受光部30Aが形成され、該シリコン基
板31の下面31Bが鏡面研磨されている。この下面3
1Bは、受光面として機能する。又、下面31Bには光
学層37が形成され、この光学層37に、ロングパス・
フィルタ、ショートパス・フィルタ、バンドパス・フィ
ルタ、及び/又は反射防止膜としての機能を持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱型赤外線センサ
に関し、特にマイクロブリッジ構造の熱型赤外線センサ
に関する。
【0002】
【従来の技術】入射した赤外線のフォトンエネルギーを
吸収して温度が変化する赤外線受光部と、該赤外線受光
部の物性値を示す電気信号を半導体基板上の読出回路に
送るための配線部とを具えた熱型赤外線センサが公知で
ある。かかる熱型赤外線センサにあっては、入射赤外線
の強さに応じて赤外線受光部の物性値(例えば、抵抗
値)が応答よく変化する程、センサ感度が高くなる。
【0003】このため従来より、図7に示すように、赤
外線受光部2Aと半導体基板1との間の熱コンダクタン
スを小さくするために、赤外線受光部2Aと半導体基板
1との間に空隙Sを設けるようにしたマイクロブリッジ
構造の熱型赤外線センサ2が提案されている。このマイ
クロブリッジ構造の熱型赤外線センサ2では、赤外線受
光部2Aがボロメータを構成する物質にて形成されると
共に、該赤外線受光部2Aがこれに連なる2つの架橋部
2C,2Cによって半導体基板1上に空隙Sを設けて配
置されている。尚、図7中、符号4は架橋部2C,2C
に形成された配線であり、符号5はマイクロブリッジ構
造を形成する窒化シリコン膜である。
【0004】又、図8に示すように、半導体基板1に凹
部1Aを設けて、赤外線受光部3Aと半導体基板1との
間の熱コンダクタンスを小さくすべく、赤外線受光部3
Aと半導体基板1との間に空隙Sを設けたダイヤフラム
構造の熱型赤外線センサ3も提案されている。尚、図8
中、符号6は配線、符号7は窒化シリコン膜である。こ
のような構造の熱型赤外線センサ2,3は、赤外線受光
部2A,3Aと半導体基板1との間に空隙Sが設けられ
ているため、赤外線受光部を直付けするタイプの他の熱
型赤外線センサ(図示省略)に比べて、赤外線受光部2
A,3Aから半導体基板1への熱の伝導率が低くなりセ
ンサ感度が向上する。尚、図7,図8中、符号2D,3
Dは、赤外線受光部2A,3Aを透過した赤外線を再び
該赤外線受光部2A,3Aに戻すための反射膜である。
【0005】上記した構成の熱型赤外線センサ2,3
は、図9に示すように、固体撮像装置10に取り付けら
れて、赤外線ビデオカメラ20に搭載される。尚、図9
は熱型赤外線センサ2を固体撮像装置10内に配置した
ものを示し、同図では、模式的に1つの熱型赤外線セン
サ2のみ図示している。赤外線ビデオカメラ20では、
対物レンズ24を介して入射してきた赤外線が固体撮像
装置10内の熱型赤外線センサ2によって検知されるよ
うになっていた。
【0006】ところで、上記固体撮像装置10では、熱
型赤外線センサ2,2…が形成された半導体基板1は温
度調整部(電子冷却装置)12に取り付けられて、入射
してきた赤外線のフォントエネルギーが、熱型赤外線セ
ンサ2の赤外線受光部2Aの温度変化として精度よく現
れるようにしている。又、上記構成の赤外線ビデオカメ
ラ20では、前記固体撮像装置10は、真空容器10A
によって真空断熱され、上記入射した赤外線による温度
変化を、当該赤外線受光部2Aで更に精度よく検出でき
るようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、赤外線
ビデオカメラ20では、対物レンズ24を介して、鏡筒
21内に入射してきた赤外線によって、熱型赤外線セン
サ2,2…を取り囲む装置(例えば図9の真空容器10
A、フィルタ14等)の温度が上昇することがある。
【0008】このように、熱型赤外線センサ2,2…を
取り囲む装置の温度が上昇すると、その温度上昇によっ
て余分な赤外線(背景光成分)が発生し、この赤外線
が、当該赤外線受光部2Aの余分な温度上昇を引き起こ
す。しかして、この背景成分に係る赤外線が、被写体か
らの赤外線の強さを示す信号にノイズとして現れS/N
比が小さくなり、被写体からの赤外線の強度を正確に検
知することができなくなる。
【0009】特に、赤外線の光軸L1上に配置されたフ
ィルタ14の温度上昇が、当該熱型赤外線センサ2の検
出信号のS/N比を小さくする大きな要因となってい
た。このため、従来は、図9に示しているように固体撮
像装置10において、真空容器10Aの内側にアパーチ
ャを有する遮蔽部材13を設けると共に、この遮蔽部材
13を、前記した温度調整部(電子冷却装置)12に取
り付けて、真空容器10A内で発生する余分な赤外線
(特にフィルタ14から発生する赤外線)が、当該赤外
線受光部2Aに入射しないようにすることが試みられて
いた。
【0010】しかし、遮蔽部材13を設けても、フィル
タ14から生じる赤外線(背景成分)による影響を十分
に除去できなかった。又、このように遮蔽部材13を設
けるとその分、部品点数が増えて固体撮像装置10、赤
外線ビデオカメラ20のコスト高を招くことにもなる。
又、上記固体撮像装置10に形成される、マイクロブリ
ッジ構造の熱型赤外線センサ2,2…は、断熱効果を高
めるためその架橋部2C,2C(図7)が細く形成され
ておりその強度が低い。このため、当該固体撮像装置2
0の赤外線ビデオカメラへの組立作業時等において、そ
の取り扱いに注意を払わなければならなかった。
【0011】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、第1の目的は、簡易な構造で、検出信号のS/N
比を大きくすることができる熱型赤外線センサを提供す
ることである。又、第2の目的は、簡易な構造で、検出
信号のS/N比を大きくすることができ、しかも、赤外
線ビデオカメラ等への取付時にその取り扱いが容易な固
体撮像装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、半導体基板の上面に空隙
を介して赤外線受光部を形成し、該半導体基板の下面を
鏡面研磨し、該鏡面研磨された下面に反射防止膜を形成
したものである。
【0013】又、請求項2に記載の発明は、半導体基板
の上面に空隙を介して赤外線受光部を形成し、該半導体
基板の下面を鏡面研磨し、該鏡面研磨された下面にフィ
ルタを構成する膜を形成したものである。又、請求項3
に記載の発明は、前記フィルタを構成する膜に、反射防
止膜としての機能を持たせたものである。
【0014】又、請求項4に記載の発明は、前記空隙を
介して形成された赤外線受光部の直下の半導体基板に反
射防止膜を形成したものである。又、請求項5に記載の
発明は、前記赤外線受光部に、ショットキーバリアダイ
オードを形成したものである。又、請求項6に記載の発
明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の熱型赤外
線センサの前記半導体基板を、一端が閉塞された筒状の
保持部材に、該保持部材の他端を閉塞するように、且つ
前記鏡面研磨された下面が外側を向くようにして配置
し、該筒状の保持部材と前記半導体基板とで画成された
空間を略真空に保持したものである。
【0015】(作用)上記請求項1の発明によれば、上
面にマイクロブリッジ構造の熱型赤外線センサが形成さ
れた半導体基板において、その下面を、当該熱型赤外線
センサにて検出される赤外線の入射面とすることができ
る。又、請求項2の発明によれば、当該熱型赤外線セン
サにて検出可能な赤外線の波長の帯域を、半導体基板の
下面に形成されたフィルタで制限することができる。
【0016】又、請求項3の発明によれば、1つの膜
で、フィルタと反射防止膜とが達成され、これを用いた
固体撮像装置の構造が簡略になる。又、請求項4の発明
によれば、当該熱型赤外線センサの赤外線受光部に効率
よく赤外線を入射させることができる。又、請求項5の
発明によれば、精度よく赤外線を検知することができ
る。
【0017】又、請求項6の発明によれば、簡単な構成
で、所望の帯域の赤外線のみを精度よく検出できる固体
撮像装置が達成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照して説明する。尚、この第1の実施形態
は、請求項1から請求項6に対応する。
【0019】先ず、熱型赤外線センサ30の構造につい
て、図1を用いて説明する。熱型赤外線センサ30は、
同図に示すように、赤外線受光部30Aが、シリコン基
板31上で架橋部30Cで支持されたマイクロブリッジ
構造となっている。この熱型赤外線センサ30では、シ
リコン基板31の上面31Aに赤外線受光部30Aが形
成され、その下面31Bが赤外線の入射面30Bとなっ
ている。
【0020】この入射面30Bは、フィルタ(ロングパ
ス・フィルタ、ショートパス・フィルタ、バンドパス・
フィルタ)及び/又は反射防止膜として機能する光学層
37にて構成されている。又、前記赤外線受光部30A
の直下のシリコン基板31上には、前記入射面30Bか
ら前記赤外線受光部30Aに至る赤外線の反射を、その
界面で防止するための酸化シリコン膜30D及び窒化シ
リコン膜32が形成されている。
【0021】このようなマイクロブリッジ構造の熱型赤
外線センサ30は、赤外線受光部30Aとシリコン基板
31との間に設けられた空隙Sにより、赤外線受光部3
0Aとシリコン基板31との断熱構造が得られている。
しかして、一定の強さの赤外線が入射した際、赤外線受
光部30Aの温度変化が大きくなる。又、赤外線受光部
30Aには、温度センサ部として用いられるショットキ
ーバリアダイオード(以下「SBD」と略記する。)が
形成されている。このSBDは、赤外線受光部30Aに
入射した赤外線の強さに応じて当該赤外線受光部30A
の温度が変化したときに、この温度変化に応じてその逆
方向電流の値が変化するものである。しかして、この逆
方向飽和電流の値を検出することにより入射赤外線の強
さを求めることができる。
【0022】具体的には、熱型赤外線センサ30は、図
1に示すように、n形のシリコン基板31の上面31A
に、酸化シリコン膜30Dが形成されており、該酸化シ
リコン膜30Dを覆うように、その全面に窒化シリコン
膜32が形成されている。そして、前記酸化シリコン膜
30Dと前記窒化シリコン膜32とが協働して反射防止
膜として機能する。
【0023】一方、上記酸化シリコン膜30Dの上方に
は、窒化シリコン膜33が橋状に形成され、その上面に
多結晶シリコン層34が形成されている。多結晶シリコ
ン層34の上面の略中央には、白金シリサイド層35が
形成され、多結晶シリコン層34との間でSBDを構成
している。又、多結晶シリコン層34には、白金シリサ
イド層35との接合面を囲むように、p形の拡散層から
なるガードリング34Gが形成され、ガードリング34
Gの外側の領域に、n+形拡散層34Aが形成されてい
る。
【0024】又、多結晶シリコン層34の表面には、酸
化シリコン膜38が形成され、この酸化シリコン膜38
に設けられたコンタクトホールを介して、チタンからな
る配線36A,36Bが、各々、上記ガードリング34
G、上記n+形拡散層34Aに電気的に接続されてい
る。そして、これらの全面を覆うように保護膜及び赤外
線吸収層としての窒化シリコン膜39が形成されてい
る。
【0025】又、シリコン基板31には、p+形拡散層
(図示省略)が予め形成されており、窒化シリコン膜3
2に設けられたコンタクトホールを介して、各々、上記
配線36A,36Bに電気的に接続されている。次に、
斯かる構造の熱型赤外線センサ30,30…が多数配置
された固体撮像装置50及びこれを具えた赤外線カメラ
60について、図2及び図3を用いて説明する。
【0026】固体撮像装置50は、図2に示すように、
筐体(保持部材)51及び多数の熱型赤外線センサ3
0,30…が設けられたシリコン基板31によって構成
されている。更にこのセンサユニット50Bには、温度
調整部52が取り付けられて、当該センサユニット50
B全体の温度が、常温に保たれるようになっている。こ
の固体撮像装置50は、真空封止された真空容器50A
内に封入されている。
【0027】固体撮像装置50は、その筐体51が、図
2に示すように、断面がコ字型で、一端51Aが閉塞さ
れた筒状となっている。そして、筐体51の他端51B
側を閉塞するように、前記シリコン基板31が、その入
射面30B(シリコン基板31の下面31B)が外側
(図中下方)を向くように取り付けられている。このと
き、筐体51とシリコン基板31の上面31Aとで画成
された空間Mは略真空に保たれている。
【0028】このようにシリコン基板31の下面31B
を筐体51の外側に向けて取り付けることによって、脆
弱な構造の熱型赤外線センサ30の赤外線受光部30A
が、固体撮像装置50の外面に現れないため、固体撮像
装置50の真空容器50A内への封入や、赤外線ビデオ
カメラ60への取付時の作業が容易になる。又、入射面
30Bでは、その表面が鏡面研磨されたシリコン基板3
1の下面31Bに、光学層37が形成されている。この
光学層37は、フィルタ(ロングパス・フィルタ、ショ
ートパス・フィルタ、バンドパス・フィルタ)として機
能するようにその材質、構造が実験的に決定される。こ
の場合、その材質、構造を適宜選択することで、該光学
層37を反射防止膜として機能させることもできる。
【0029】この固体撮像装置50は、図3に示すよう
に、光軸L1に対して、その入射面30Bが垂直となる
ように、当該赤外線ビデオカメラ60内に配置されてい
る。この固体撮像装置50では、その入射面30Bにフ
ィルタとして機能する光学層37が形成されているた
め、レンズ64と熱型赤外線センサ30とを結ぶ光軸L
1上の窓54に、別途フィルタを設ける必要がない。
【0030】又、素子とフィルタが一体に構成されてい
るので、素子温度を一定に制御することにより、フィル
タの温度も一定に制御できる。このようにフィルタの温
度を素子の温度と一緒に制御できると、背景光成分とな
る赤外線の量を一定にすることができ、この結果、赤外
線カメラとしての安定性、再現性の向上を図ることがで
きる。
【0031】更に、上記一定に制御される素子、フィル
タの温度を、測定対象に比べて低温とすることで、フィ
ルタの温度に起因して該フィルタから発生する背景光成
分を除去することができ、S/N比が向上する。又、こ
のような構成とすることで、従来、フィルタの温度制御
のために別個に必要であったフィルタ及びフィルタの固
定具用の温度調整部が不要となり、素子とフィルタの温
度を合わせて制御する分、温度制御の質量を少なくする
ことができる。
【0032】このことは、温度制御能力の小さい冷却・
加熱手段であっても、当該固体撮像装置の温度制御に利
用できることを意味し、素子のサイズを小さくし、安価
で、信頼性の高い赤外線カメラを提供することができる
ようになる。尚、図2に示すように、筐体51の凹部5
1Cに、アルミ等で反射膜55を形成し、該反射膜55
と赤外線受光部30Aの表面との間隔dを検知する赤外
線の波長λの4分のn倍(但しnは奇数)とすれば、オ
プティカル・キャビティが達成できる。
【0033】次に、上記構造の熱型赤外線センサ30の
製造方法について、図4〜図7を用いて説明する。 (1) n形のシリコン基板31上に、周知の半導体製
造技術によって、熱型赤外線センサ30の読み出し回路
(図示省略)を予め形成しておき、その後、シリコン基
板31の表面に酸化シリコン膜を例えば、CVD法によ
って0.4μmの膜厚に形成し、これを周知のホトリソ
グラフィ技術を用いたエッチングにて所望の形状(赤外
線受光部30Aに対応する形状)にパターニングして所
望の形状の酸化シリコン膜30Dを形成する。次いで、
その上面に、例えばプラズマCVD法によって、膜厚が
0.1μmの窒化シリコン膜32を形成する。
【0034】次いで、その上面に液状のシリカ系化合物
を回転塗布し、その後これを焼成して(スピン・オン・
グラス法)SOG膜42を形成する。ここまでの工程で
得られた構造を図4(a)に示す。 (2) 上記形成したSOG膜42の上面にレジストを
塗布し、これを所望の形状に露光/現像してマスク43
を作製し、これを用いて、上記SOG膜42をドライエ
ッチングし、所望形状のSOG膜42Aを形成する。こ
こまでの工程で得られた構造を図4(b)に示す。
【0035】(3) 上記マスク3を除去し、上記形成
されたSOG膜42Aの上面に、上記と同じスピン・オ
ン・グラス法でSOG膜を再び形成し、続いてエッチン
グバックを行って上記SOG膜42Aと窒化シリコン膜
32との間の段差をなくすための傾斜部44,44を形
成する。しかして、当該傾斜部44,44は、上記SO
G膜42Aと協働して犠牲層45を構成する。ここまで
の工程で得られた構造を図4(c)に示す。
【0036】(4) 上記犠牲層45を覆うように、例
えばCVD法で窒化シリコンを0.3μmの膜厚に形成
し、これをパターニングして所望の形状の窒化シリコン
膜33を形成する。このパターニングされた窒化シリコ
ン膜33がマイクロブリッジ構造を構成する。前記窒化
シリコン膜33の上面に、抵抗率が1×1016Ωcmとな
るようにn形の不純物が導入された多結晶シリコン膜
を、例えば、CVD法で1.0μmの膜厚に形成し、こ
れをレジストで覆ったのち当該レジストを所望の形状
(赤外線受光部30Aの形状)に露光/現像してマスク
を形成し、これを用いたドライエッチングで、赤外線受
光部30Aの形状に応じた多結晶シリコン層34を形成
する。上記レジストを除去した後、熱酸化により、多結
晶シリコン層34の表面に、0.1μmの膜厚の酸化シ
リコン膜38を成長させる。ここまでの工程で得られた
構造を図4(d)に示す。
【0037】(5) 酸化シリコン膜38が形成された
多結晶シリコン層34の上面に所望のマスクを作製し、
これを用いたイオンインプランテーションによりボロン
を注入(注入量は5×1015cm-2)する。上記マスクを
除去した後、再び周知のホトリソグラフィ技術によって
マスクを形成し、これを用いたイオンインプランテーシ
ョンによりヒ素を注入して(注入量は3×1015c
m-2)、当該マスクを除去した後、アニール(900
℃,1時間)を施して、ガードリング34G及びn+
拡散層34Aを形成する。ここまでの工程で得られた構
造を図5(e)に示す。
【0038】(6) 次いで、レジストを全面に塗布
し、これを所望の形状に露光/現像して酸化シリコン膜
38の所望の領域(SBDが形成される領域に対応)の
みを露出させ、この状態でウェットエッチングを行っ
て、露出している酸化シリコン膜38を除去する。更
に、その上面に白金シリサイドを例えば、スパック法に
よって0.01μm形成し、その後、上記レジストを除
去して(リフトオフ)、上記所望の領域にのみ白金シリ
サイド膜35を形成する。ここまでの工程で得られた構
造を図5(f)に示す。
【0039】(7) 次いで、シリコン基板31の上面
31Aに形成されている窒化シリコン膜32上にレジス
トを塗布し、これを所望の形状に露光/現像してマスク
を形成し、これを用いたエッチングにより、窒化シリコ
ン膜32に、シリコン基板31のp+形拡散層(図示省
略)に連通するコンタクトホール32A,32Bを設け
る。次いで、少なくとも酸化シリコン膜38を覆うよう
にレジストを塗布し、これを露光/現像してマスクを作
製し、これを用いた酸化シリコン膜38のエッチングに
よって上記ガイドリング34G,n+形拡散層34Aに
連通するコンタクトホールを形成する。上記レジストを
除去した後、その上面にチタン膜を、例えばスパッタ法
によって0.5μmの膜厚に形成し、これを公知のホト
リソグラフィ技術によって所望の形状にパターニングし
て、配線36A,36Bを形成する(図5(g))。
【0040】(8) 次いで、保護膜及び赤外線吸収膜
として、窒化シリコン膜を、例えば、CVD法によって
0.3μmの膜厚に形成し、これを公知のホトリソグラ
フィ技術によってパターニングして、赤外線受光部30
Aに対応する領域に所望形状の窒化シリコン膜39を形
成する。この場合、犠牲層45は、一旦、当該窒化シリ
コン膜39によって全面が覆われるが、その後のパター
ニングによって、その一部が再び露出する。
【0041】次いで、シリコン基板31の、赤外線受光
部30Aに相当する部分以外を覆うように、レジストを
形成し、この状態でウェットエッチングを行って、前記
犠牲層45を除去し、窒化シリコン膜32と窒化シリコ
ン膜33との間に空隙Sを形成して示すマイクロブリッ
ジ構造を得る。ここまでの工程で得られた構造を図6
(h)に示す。
【0042】(9) およそ赤外線受光部30Aが形成
されたシリコン基板31の上面31A側に、レジスト4
6を全面塗布して、表面保護膜とする。ここまでの工程
で得られた構造を図6(i)に示す。 (10) 次いで、レジスト46で表面が保護されたシ
リコン基板31の上面31A側を、ウェーハ研磨装置
(図示省略)のプレッシャ・プレートにワックス(図示
省略)で固定し、シリコン基板31の下面31Bを鏡面
研磨する。ここまでの工程で得られた構造を図6(j)
に示す。
【0043】(11) 上記ワックス(図示省略)とレ
ジスト46を剥離洗浄して、これらを除去し、該鏡面研
磨されたシリコン基板31の下面31Bに、例えばゲル
マニウム(Ge)、酸化シリコン(SiO)、テルル
(Te)、硫化亜鉛(ZnS)を交互にスパッタ法で蒸
着して、特定波長の赤外線を遮断する光学層37(例え
ば、ロングパス・フィルタ、ショートパス・フィルタ、
バンドパス・フィルタ等として機能するフィルタ)を形
成し、図1に示す熱型赤外線センサ30を得る。
【0044】この場合、光学層37を構成する膜の材
質、構造(膜厚等)は所望のフィルタ(ロングパス・フ
ィルタ、ショートパス・フィルタ、バンドパス・フィル
タ)として機能するように、その材質、構造(膜厚等)
が実験的に決定される。尚、この光学層37に反射防止
膜としての機能を持たせるようにその材質、膜厚を実験
的に決定することもできる。
【0045】尚、上記した実施形態では、シリコン基板
31の上面31Aに熱型赤外線センサ30を形成し、そ
の下面31Bを入射面とすべく該下面31Bを鏡面研磨
するとともに、鏡面研磨した下面31Bに、光学層37
を形成した例について説明したが、シリコン基板31に
代えて他の半導体基板、例えばゲルマニウム基板(Ge
基板)を用いて略同一構造の熱型赤外線センサを形成し
てもよい。
【0046】仮に、ゲルマニウム基板を用いた場合、光
学層をロングパスフィルタとして機能させるのであれ
ば、 1.43μmZnS/((0.49μmZnS/0.42μmPbTe/
0.49μmZnS)×7層)/Ge基板 バンド・パスフィルタとして機能させるのであれば、 HLLHHLHLHLLHL/Ge基板(但し、H=0.42μmPbTe;
L=0.96μmZnS) 又、反射防止膜として機能させるのであれば、 ThF4(1.633μm)/Ge(0.213μm)ThF4(0.305
μm)/Ge基板 とすればよい。
【0047】尚、上記実施形態では、光学層37を構成
する膜の材質、構造を、実験的に適宜決定することによ
って、該光学層37をフィルタ、反射防止膜として機能
させる例をあげて説明したが、フィルタとして機能する
膜と、反射防止膜とを別個に形成してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明した請求項1の発明によれば、
赤外線を半導体基板の裏面を入射面として用いることが
でき、この受光部にフィルタを形成する等して、当該固
体撮像装置の構造を簡略にできるようになる。
【0049】又、請求項2から請求項6の発明によれ
ば、赤外線を検知する固体撮像装置において必要なフィ
ルタを、熱型赤外線センサが形成される半導体基板に一
体的に形成されているため、熱型赤外線センサとフィル
タとの間の温度差を防止できる。従って、フィルタを別
途設ける場合に、フィルタと熱型赤外線センサ(特に赤
外線受光部)との温度差によって生じていた赤外線の背
景成分(検出時にノイズ成分となる赤外線)がなくな
り、S/N比が大きくなって、センサの温度分解能が向
上する。
【0050】又、請求項2又は請求項3の発明によれ
ば、固体撮像装置においてフィルタを別途設ける必要が
なくなるため、構成が簡素化し、赤外線ビデオカメラの
部品点数を減少させ、更に、当該赤外線ビデオカメラの
小型化にも有用である。又、請求項4の発明によれば、
半導体基板の下面と上面に反射防止膜を構成することに
よって、各界面で、赤外線の反射による損失を小さくす
ることができ、当該熱型赤外線センサの温度分解能が向
上する。又、請求項6の発明によれば、脆弱なマイクロ
ブリッジ構造の熱型赤外線センサからなる固体撮像装置
の取り扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の熱型赤外線センサ30を示す
断面図である。
【図2】固体撮像装置50の断面図である。
【図3】赤外線ビデオカメラ60の構成を示す模式図で
ある。
【図4】熱型赤外線センサ30の製造工程を示す断面図
である。
【図5】図4に示す製造工程に続いて行われる熱型赤外
線センサ30の製造工程を示す断面図である。
【図6】図5に示す製造工程に続いて行われる熱型赤外
線センサ30の製造工程を示す断面図である。
【図7】従来の熱型赤外線センサ2を示す断面図であ
る。
【図8】従来の熱型赤外線センサ3を示す断面図であ
る。
【図9】従来の赤外線ビデオカメラ20の構成を示す模
式図である。
【符号の説明】
30 熱型赤外線センサ 30A 赤外線受光部 30D 酸化シリコン膜 30B 入射面 31 シリコン基板(半導体基板) 31A 上面 31B 下面 37 光学層(フィルタ、反射防止膜) 45 犠牲層 S 空隙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上面に空隙を介して赤外線
    受光部が形成され、 該半導体基板の下面が鏡面研磨され、該鏡面研磨された
    下面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする熱
    型赤外線センサ。
  2. 【請求項2】 半導体基板の上面に空隙を介して赤外線
    受光部が形成され、 該半導体基板の下面が鏡面研磨され、該鏡面研磨された
    下面にフィルタを構成する膜が形成されていることを特
    徴とする熱型赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 前記フィルタを構成する膜は、反射防止
    膜としての機能を併せ持つことを特徴とする請求項2に
    記載の熱型赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 前記空隙を介して形成された赤外線受光
    部の直下の半導体基板に反射防止膜が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の
    熱型赤外線センサ。
  5. 【請求項5】 前記赤外線受光部には、ショットキーバ
    リアダイオードが形成されていることを特徴とする請求
    項1から請求項4の何れかに記載の熱型赤外線センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5の何れかに記載の
    熱型赤外線センサの前記半導体基板を、一端が閉塞され
    た筒状の保持部材に、該保持部材の他端を閉塞するよう
    に、且つ前記鏡面研磨された下面が外側を向くようにし
    て配置し、 該筒状の保持部材と前記半導体基板とで画成された空間
    が略真空に保持されていることを特徴とする固体撮像装
    置。
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