JPH10288224A - 動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents

動圧軸受装置の製造方法

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JPH10288224A
JPH10288224A JP11345697A JP11345697A JPH10288224A JP H10288224 A JPH10288224 A JP H10288224A JP 11345697 A JP11345697 A JP 11345697A JP 11345697 A JP11345697 A JP 11345697A JP H10288224 A JPH10288224 A JP H10288224A
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柳吉 津野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の動圧軸受装置を低コストにて得る。 【解決手段】 多孔質焼結金属体としての一対のラジア
ル軸受5a,5bを、当該ラジアル軸受5a,5bの間
にスラスト板10を介在させた状態でラジアル軸受取付
体6に取付け、このラジアル軸受5a,5bの内周面
を、対向する一対のサイジングバー21a,21bによ
り同時にサイジング処理し、内径がスラスト板10の内
径より大きく設定され該スラスト板10を間に配置した
一対のラジアル軸受5a,5bを、簡易且つ高精度に加
工し得るように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、モータ等の各種装置において、特
に高速回転に対応し得るようにオイル等の潤滑剤の動圧
を利用した動圧軸受装置が種々検討され提案されてい
る。この動圧軸受装置には、回転部材のラジアル方向の
運動を規制するラジアル動圧軸受装置とスラスト方向の
運動を規制するスラスト動圧軸受装置とがあり、これら
の動圧軸受装置においては、固定部材側の動圧面と回転
部材側の動圧面とが対向配置された動圧軸受部を有して
いると共に、これら両対向動圧面のうちの少なくとも一
方側に動圧発生用溝が形成されており、上記回転部材と
固定部材との両対向面間の軸受隙間に介在された所定の
オイル等の潤滑剤が、回転部材の回転時に動圧発生用溝
のポンピング作用により昇圧され、当該潤滑剤の動圧に
よって回転部材の回転支持が行われるようになってい
る。
【0003】ここで、ラジアル動圧軸受部を2つ、スラ
スト動圧軸受部を2つ合わせ持つ動圧軸受装置が、例え
ば特開昭58−50323号公報等に記載されている。
このような動圧軸受装置では、軸線方向に離間配置した
2つのラジアル軸受に軸を相対回転可能に挿嵌し、当該
ラジアル軸受の内周面とこれに対向する軸の外周面とに
よりラジアル動圧軸受部をそれぞれ構成する一方で、上
記軸における一方のラジアル軸受より軸線方向外側にス
ラスト板を固定し、このスラスト板の一方の端面とこれ
に対向するラジアル軸受の端面とにより一のスラスト動
圧軸受部を構成すると共に、上記スラスト板の他方の端
面とこれに対向する部材の端面とにより他のスラスト動
圧軸受部を構成するのが、一般的である。
【0004】しかしながら、このような構成の動圧軸受
装置においては、ラジアル動圧軸受部同士を軸線方向に
離間する空間がデッドスペースとなり、装置高さが高く
なって小型化を図れないといった問題がある。
【0005】また、上述したように、2つのラジアル動
圧軸受部より軸線方向外側にスラスト動圧軸受部が配置
されるため、回転部材の運動支点、重心がラジアル動圧
軸受部の軸受支点からずれて各ラジアル動圧軸受部の負
荷配分が異なることになり、動圧効率が低下するといっ
た問題もある。
【0006】そこで、これらの問題点を解決する装置
が、例えば特開昭56−20829号公報等に開示され
ている。このものは、上記ラジアル動圧軸受部を構成す
るラジアル軸受の間に、軸に固定したスラスト板を配置
し、このスラスト板の一方の端面とこれに対向する一方
のラジアル軸受の端面とにより一のスラスト動圧軸受部
を構成すると共に、上記スラスト板の他方の端面とこれ
に対向する他方のラジアル軸受の端面とにより他のスラ
スト動圧軸受部を構成するといったものであり、上述の
デッドスペースに、ラジアル動圧軸受部より軸線方向外
側に位置していたスラスト板が配置されるため、装置高
さが低くなって小型化を図ることができると共に回転部
材の運動支点、重心がラジアル動圧軸受部の軸受支点に
凡そ一致することになって各ラジアル動圧軸受部の負荷
配分が均等となり動圧効率を向上できるようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開昭
56−20829号公報等に開示されたラジアル軸受の
間にスラスト板を配置する構成の動圧軸受装置におい
て、上記ラジアル軸受の内周面(動圧面)を加工する場
合には、当該ラジアル軸受の同軸度を確保する必要があ
るため、両ラジアル軸受を、ラジアル軸受を支持する部
材(ラジアル軸受取付体;後述のハブ)にそれぞれ固定
し、この部材をチャッキングして上記各内周面を連続し
て例えば切削加工する必要がある。このため、ラジアル
軸受の内周面加工の後に上記スラスト板を上記ラジアル
軸受間に配置することは不可能である。
【0008】従って、上記スラスト板をラジアル軸受間
に配置した状態で当該ラジアル軸受を上記部材にそれぞ
れ固定し、上述した加工を行うことになるが、この時上
記スラスト板はラジアル軸受間において固定状態にない
ため、加工時にがたつくと共に、当該スラスト板を軸に
圧入固定する関係上スラスト板の内径がラジアル軸受の
内径より小さく設定されているため、一方のラジアル軸
受の内周面の加工から他方のラジアル軸受の内周面の加
工に移行する際に加工具がスラスト板に接触しないよう
に細心の注意を払って逃がす必要がある。
【0009】また、別の製造方法として、ラジアル軸受
同士の軸心を一致させるために個々に高精度に加工した
ラジアル軸受を、高精度に組立る方法も技術的には考え
られるが、製造コストが膨大となってしまう。
【0010】すなわち、ラジアル軸受の間にスラスト板
を配置する構成の動圧軸受装置は、前述した種々の利点
があるにも拘らず、実際の製造には無理があり、採用で
きないものであった。
【0011】そこで本発明は、ラジアル軸受の間にスラ
スト板を配置した動圧軸受装置を簡易且つ高精度に製造
でき、所望の動圧軸受装置を低コストにて得ることがで
きる動圧軸受装置の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の動圧軸受装置の製造方法は、軸と2つの
ラジアル軸受とが相対回転可能に挿嵌されると共に、前
記軸に固定したスラスト板が前記2つのラジアル軸受の
間に配置され、前記ラジアル軸受及び前記軸のラジアル
方向に対向する動圧面同士の少なくとも一方にラジアル
動圧発生用溝が設けられると共に、前記スラスト板及び
前記ラジアル軸受のスラスト方向に対向する動圧面同士
の少なくとも一方に、スラスト動圧発生用溝が設けられ
た動圧軸受装置を製造する方法において、前記ラジアル
軸受を、多孔質焼結金属体とすると共に、両ラジアル軸
受を、当該ラジアル軸受間に前記スラスト板を介在させ
た状態でラジアル軸受取付体に取付け、前記各ラジアル
軸受の外側から前記スラスト板に向かう各サイジングバ
ーにより、前記ラジアル軸受の内周面にサイジング処理
を同時に施すことを特徴としている。
【0013】このような請求項1の動圧軸受装置の製造
方法によれば、多孔質焼結金属体としての一対のラジア
ル軸受が、当該ラジアル軸受間にスラスト板を介在させ
た状態でラジアル軸受取付体に取付けられ、このラジア
ル軸受の内周面が、対向する一対のサイジングバーによ
り同時にサイジング処理される。従って、内径がスラス
ト板の内径より大きく設定され当該スラスト板を間に配
置した一対のラジアル軸受が、簡易且つ高精度に加工さ
れるようになる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項2の動
圧軸受装置の製造方法は、請求項1に加えて、スラスト
板は、その中心孔の径がサイジングバーの外径より小さ
い設定され、サイジング処理の後に、前記スラスト板の
中心孔に軸を圧入固定することを特徴としている。
【0015】このような請求項2の動圧軸受装置の製造
方法によれば、サイジング処理の後に、スラスト板の中
心孔に軸が圧入され、内径がラジアル軸受の内径より小
さく設定され一対のラジアル軸受の間に配置されたスラ
スト板が、簡易且つ高精度に軸に固定されるようにな
る。
【0016】上記目的を達成するために、請求項3の動
圧軸受装置の製造方法は、請求項1または2に加えて、
各サイジングバーを、各サイジングバー取付体に複数の
螺子により取付け、サイジングバーを調心する場合に
は、前記螺子を緩めた状態で、前記各サイジングバー
を、当該サイジングバー間に配置した中空円筒形状のゲ
ージのその両側から同時に当該ゲージに静合挿入または
圧入し、この状態で前記螺子を締めることにより、サイ
ジングバーの同軸調心を行うことを特徴としている。
【0017】このような請求項3の動圧軸受装置の製造
方法によれば、サイジングバー取付体にサイジングバー
を取付けるための複数の螺子が緩められた状態で、各サ
イジングバーが、当該サイジングバー間に配置した中空
円筒形状のゲージのその両側から同時に当該ゲージに静
合挿入または圧入され、この状態で上記螺子が締められ
て、サイジングバーの同軸調心が行われるため、一対の
ラジアル軸受を加工する装置の同軸調心が、簡易且つ高
精度に行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明により製造された動
圧軸受装置を有する軸固定型のHDDスピンドルモータ
を表した半横断面図である。先ず、このモータの構成に
ついて説明する。
【0019】同図において、符号1はフレームを示して
おり、このフレーム1の略中心部には、モータの回転中
心となる固定軸4が図示上方側に向かって立設されてい
る。フレーム1における上記固定軸4の周囲には、円筒
状のコアホルダー1aが図示上方側に向かって立設され
ており、この円筒状のコアホルダー1aの外周部に、巻
線が巻回されたステータコア3が装着されている。
【0020】上記固定軸4の外周に対しては、略円筒状
のラジアル軸受5a,5bを内周側に装着したラジアル
軸受取付体としてのハブ6が、当該ラジアル軸受5a,
5bを介して回転自在に支承されている。このハブ6
は、磁気ディスク(不図示)を外周部に装着する略円筒
状の胴部6aを有しており、この胴部6aの内周側に、
バックヨーク7を介して駆動マグネット8が環状に装着
されている。この駆動マグネット8は、前述したステ−
タコア3の外周端面に対して環状に対向するように配置
されている。
【0021】上述した一対のラジアル軸受5a,5b
は、本実施形態においては、多孔質焼結金属体の一種と
しての例えば焼結含油軸受であり、図示上側のラジアル
軸受5aと図示下側のラジアル軸受5bとの間には、上
記ハブ6の内周側に装着されたスペーサ2が介在し、こ
のスペーサ2によって、ラジアル軸受5a,5bが軸線
方向に離間配置されていると共にその位置決めがなされ
ている。
【0022】ここで、上記固定軸4とラジアル軸受5
a,5bとの周状対向部位により、ラジアル動圧軸受部
9a,9bが構成されており、上記ラジアル動圧軸受部
9aにおいて対向動圧面となる固定軸4の外周面及びラ
ジアル軸受5aの内周面の少なくとも一方と、上記ラジ
アル動圧軸受部9bにおいて対向動圧面となる固定軸4
の外周面及びラジアル軸受5bの内周面の少なくとも一
方に、それぞれ例えばへリングボーン形状の多数のラジ
アルグルーブが環状に並設するように凹設されている。
【0023】上記ラジアル軸受5a,5bの間には、固
定軸4に圧入固定されたスラスト板10が配置されてい
る。ここで、上記ラジアル軸受5aの上記スラスト板1
0に対向する図示下側の端部及び上記ラジアル軸受5b
の上記スラスト板10に対向する図示上側の端部は、そ
れぞれスラスト軸受を兼ねており、スラスト板10とラ
ジアル軸受5aの図示下側の端部との面対向部位によ
り、図示上側のスラスト動圧軸受部11aが構成されて
いると共に、スラスト板10とラジアル軸受5bの図示
上側の端部との面対向部位により、図示下側のスラスト
動圧軸受部11bが構成され、上記スラスト動圧軸受部
11aにおいて対向動圧面となるスラスト板10の図示
上端面及びラジアル軸受5aの図示下端面の少なくとも
一方と、上記スラスト動圧軸受部11bにおいて対向動
圧面となるスラスト板10の図示下端面及びラジアル軸
受5bの図示上端面の少なくとも一方に、それぞれ例え
ばヘリンボーン形状のスラストグルーブが環状に凹設さ
れている。
【0024】そして、これらのスラスト動圧軸受部11
a,11bにより構成される各軸受隙間、スラスト板1
0の外周面とこれに対向するスペーサ2の内周面との間
に形成される潤滑剤溜り部、前述したラジアル動圧軸受
部9a,9bにより構成される各軸受隙間には、例えば
オイル等の潤滑剤12が連続して充填されており、上記
ハブ6の回転時に、ラジアルグルーブのポンピング作用
によりラジアル動圧軸受部9a,9bにおける潤滑剤が
昇圧されて動圧が生じ、ハブ6がラジアル方向に回転支
持されると共に、上記スラストグルーブのポンピング作
用によりスラスト動圧軸受部11a,11bにおける潤
滑剤が昇圧されて動圧が生じ、ハブ6がスラスト方向に
浮上支持されるように構成されている。
【0025】なお、図1中の符号13は、ラジアル軸受
5a,5bの各外側端面との間に潤滑剤溜り部14を形
成しこの潤滑剤溜り部14の潤滑剤を毛細管力により当
該位置に留まらせる遮蔽板を示している。
【0026】このように構成された動圧軸受装置におい
ては、前述したように、ラジアル軸受5a,5bの間の
デッドスペースに、ラジアル動圧軸受部より軸線方向外
側に位置していたスラスト板10が配置されるため、装
置高さが低くなって小型化を図ることができると共にハ
ブ6の運動支点、重心がラジアル動圧軸受部9a,9b
の軸受支点に凡そ一致することになって各ラジアル動圧
軸受部9a,9bの負荷配分が均等となり動圧効率を向
上できるようになっている。
【0027】次に、上記構成を有する動圧軸受装置の製
造方法を図2を参照しながら説明する。この製造方法に
あっては、先ず上記ラジアル軸受(焼結含油軸受)5
a,5bの加工時の同軸度を確保するため、各内周面に
所定の加工代を有するラジアル軸受5a,5bを、上記
スペーサ2に突き当てるようにして上記ハブ6の内周面
にそれぞれ固定する。この時、その内径がラジアル軸受
5a,5bの内径より小さい上記スラスト板10を、ラ
ジアル軸受5a,5b間にセットしておく。
【0028】次いで、上記一対のラジアル軸受5a,5
bの内周面を同時加工するサイジング装置を用意する。
このサイジング装置は、図3に示されるように、当該サ
イジング装置のコラム15に取付けられた証台22と、
この証台22に取付けられた略中空円筒形状のワーク証
(金型)16と、このワーク証16の上方及び下方にそ
れぞれ配置され上下動可能且つその動作位置(停止位
置)を調整可能なサイジングコラム(サイジングバー取
付体)17a,17bと、各サイジングコラム17a,
17bに対しそれぞれの複数の螺子20a,20bによ
り螺子固定された取付台18a,18bと、上記ワーク
証16の同軸上に対向配置され各取付台18a,18b
にそれぞれ固定されたサイジングバー21a,21b
と、当該サイジングバー21aが挿入され上下動可能な
ワーク押え23等と、から構成されている。
【0029】次いで、上述したラジアル軸受5a,5b
及びスペーサ2が装着されると共にスラスト板10がセ
ットされたハブ6を、図2に示されるように、上記ワー
ク証16に嵌め込み、次いで上記ワーク押え23を下降
させ、ラジアル軸受5aを上方から押える。
【0030】次いで、上記サイジングバー21aを下降
させると同時に上記サイジングバー21bを上昇させ、
サイジングバー21aをラジアル軸受5aにその上方側
から挿入して行くと同時にサイジングバー21bをラジ
アル軸受5bにその下方側から挿入して行く。すると、
当該サイジングバー21a,21bは、その外径がラジ
アル軸受5a,5bの仕上げ内径にされているため、ラ
ジアル軸受5aの内周面はサイジングバー21aにより
サイジング処理(圧縮整形)され、ラジアル軸受5bの
内周面はサイジングバー21bによりサイジング処理さ
れる。
【0031】この時、サイジングバー21a,21b
は、その各先端がスラスト板10の中心孔10aに至る
前に停止される。
【0032】斯くの如くラジアル軸受5a,5bに対し
同時サイジング処理を行ったら、上記サイジングバー2
1aを上昇させてラジアル軸受5aから引き抜くと共に
上記サイジングバー21bを下降させてラジアル軸受5
bから引き抜き、上記ワーク押え23を上昇させた後
に、ハブ6をワーク証16から取り出す。
【0033】本実施形態では、このような焼結含油軸受
(多孔質焼結金属体)の塑性加工を容易(簡易)に行い
得るサイジング処理という工法により、一対の焼結含油
軸受5a,5bの内周面が、その軸心同士が合わされて
高精度に加工されるようになっている。
【0034】なお、1本のサイジングバーを用いて単体
のラジアル軸受のその内周面を一方向から貫通させるサ
イジング処理(通称“矢通し”)は、一般的に知られて
いるが、本実施形態の動圧軸受装置では、内径がラジア
ル軸受5a,5bの内径より小さく設定されたスラスト
板10が、一対のラジアル軸受5a,5bの間に配置さ
れているため、上記一般的なサイジング処理を行うのは
不可能である。また、ハブ6を反転させて上記“矢通
し”を各ラジアル軸受5a,5bに対してそれぞれ行う
場合には、作業コストが高くなると共に、ラジアル軸受
5a,5bの軸心同士がずれてしまう。
【0035】さて、このようにしてラジアル軸受5a,
5bの内周面加工が完了したら、上記ハブ6を所定の圧
入機にセットし、この圧入機によって、上記固定軸4
を、内径がラジアル軸受5a,5bの内径より小さく設
定され一対のラジアル軸受5a,5bの間に配置されて
いる上記スラスト板10のその中央孔10aに圧入し、
スラスト板10を固定軸4の所定位置に固定する。
【0036】本実施形態では、このような圧入という簡
易な工法により、固定軸4に、ラジアル軸受5a,5b
の間に配置されているスラスト板10が高精度に固定さ
れるようになっている。
【0037】ところで、前述したサイジング装置にあっ
ては、その加工作業前に、サイジングバー21a,21
bの同軸調心を行う。この同軸調心の方法を図3を参照
しながら説明する。
【0038】先ず、ワーク証16の内径に対し滑合可能
な程度の外径と、サイジングバー21a,21bの外径
と同じ乃至若干小さい内径とを有し、且つ例えばアルミ
合金等の比較的軟質の材料からなる中空円筒形状のゲー
ジ19を用意する。
【0039】次いで、このゲージ19を上記ワーク証1
6に挿入し、上述した螺子20a,20bを緩める。こ
の状態で、上記サイジングバー21aを下降させると同
時に上記サイジングバー21bを上昇させ、これらのサ
イジングバー21a,21bを、上記ゲージ19の内周
面に静合乃至圧入状態で挿入する。
【0040】そうしたら、この状態で、上述した螺子2
0a,20bを締め込み、取付台18a,18b(サイ
ジングバー21a,21b)をサイジングコラム17
a,17bにそれぞれ固定する。
【0041】これにより、サイジングバー21a,21
bの軸心同士が、正確に一致すると共にワーク証16の
軸心とも合致することになる。
【0042】すなわち、サイジング装置の同軸調心が、
上述したように、簡易且つ高精度に行われるため、これ
により内周面が加工されるラジアル軸受5a,5bもさ
らに簡易且つ高精度に得られるようになっている。
【0043】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、上記実施形態においては、より好ましい例として、
ラジアル軸受5a,5bの間にスペーサ2を設け、ラジ
アル軸受5a,5bの軸線方向の位置決めを簡易とする
と共に、サイジング処理時においてラジアル軸受5a,
5bに作用するサイジングバー21a,21bによるス
ラスト方向の押圧力を受け得るようにしているが、上記
スペーサ2はなくても良い。
【0044】また、上述した焼結含油軸受は多孔質なた
め、表面に孔の断面が多数露呈しており、これが動圧効
果を阻害する要因となっている。この対策として、前述
したサイジング処理の前にも、ラジアル軸受単体の状態
でやや大きめの圧入代によるサイジングを行い、表面
(内周面)の孔を潰す所謂目潰しを行うのが良い。
【0045】また、動圧軸受装置の場合、作動中におい
ては、軸と軸受とは潤滑剤により非接触状態であるた
め、摩擦や磨耗について特に配慮する必要がなく、従っ
てラジアル軸受5a,5bを、このことが採用要因の一
つとなっている従来の焼結含油軸受に特に限定する必要
はない。すなわち、上記サイジング工法が有効である点
で共通性を有する多孔質焼結金属体として、例えば粉末
を成型し焼結によりこれを固形化し且つ多数の空孔を有
してなる金属成型体であれば、広く選択の対象となり得
る。この時、上記空孔の度合も特に限定されるものでは
ないが、通常サイジング処理が有効な気孔率約7%以上
とするのが好ましい。
【0046】また、上記実施形態により製造された動圧
軸受装置を、ディスク以外の例えばポリゴンミラー等の
各種回転板を駆動するためのモータ、潤滑剤12として
例えば磁性流体等を用いたモータ、ラジアル軸受5a,
5b側を固定として軸4及びスラスト板10が回転する
所謂軸回転型のモータ、さらにはモータ以外の装置に対
しても同様に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の動圧軸受
装置の製造方法は、多孔質焼結金属体としての一対のラ
ジアル軸受を、当該ラジアル軸受間にスラスト板を介在
させた状態でラジアル軸受取付体に取付け、このラジア
ル軸受の内周面を、対向する一対のサイジングバーによ
り同時にサイジング処理し、内径がスラスト板の内径よ
り大きく設定され当該スラスト板を間に配置した一対の
ラジアル軸受を、簡易且つ高精度に加工し得るように構
成したものであるから、所望の動圧軸受装置を低コスト
にて得ることが可能となる。
【0048】また、請求項2の動圧軸受装置の製造方法
によれば、請求項1に加えて、サイジング処理の後に、
スラスト板の中心孔に軸を圧入し、内径がラジアル軸受
の内径より小さく設定され一対のラジアル軸受の間に配
置されたスラスト板を、簡易且つ高精度に軸に固定し得
るように構成したものであるから、所望の動圧軸受装置
を低コストにて得ることが可能となる。
【0049】また、請求項3の動圧軸受装置の製造方法
によれば、請求項1または2に加えて、サイジングバー
取付体にサイジングバーを取付けるための複数の螺子を
緩めた状態で、各サイジングバーを、当該サイジングバ
ー間に配置した中空円筒形状のゲージのその両側から同
時に当該ゲージに静合挿入または圧入し、この状態で上
記螺子を締めて、サイジングバーの同軸調心を行い、一
対のラジアル軸受を加工する装置の同軸調心を、簡易且
つ高精度に行い得るように構成したものであるから、動
圧軸受装置をさらに簡易且つ高精度に製造でき、上述し
た効果を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動圧軸受装置を適用した軸固定型
のHDDスピンドルモータを表した半横断面図である。
【図2】図1に示される動圧軸受装置の製造方法を表し
た工程説明図である。
【図3】同上動圧軸受装置を製造する装置の同軸調心の
方法を表した工程説明図である。
【符号の説明】
4 軸 5a,5b ラジアル軸受 6 ラジアル軸受取付体 9a,9b ラジアル動圧軸受部 10 スラスト板 10a スラスト板の中心孔 11a,11b スラスト動圧軸受部 17a,17b サイジングバー取付体 19 ゲージ 20a,20b 螺子 21a,21b サイジングバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と2つのラジアル軸受とが相対回転可
    能に挿嵌されると共に、前記軸に固定したスラスト板が
    前記2つのラジアル軸受の間に配置され、前記ラジアル
    軸受及び前記軸のラジアル方向に対向する動圧面同士の
    少なくとも一方にラジアル動圧発生用溝が設けられると
    共に、前記スラスト板及び前記ラジアル軸受のスラスト
    方向に対向する動圧面同士の少なくとも一方に、スラス
    ト動圧発生用溝が設けられた動圧軸受装置を製造する方
    法において、 前記ラジアル軸受を、多孔質焼結金属体とすると共に、 両ラジアル軸受を、当該ラジアル軸受間に前記スラスト
    板を介在させた状態でラジアル軸受取付体に取付け、 前記各ラジアル軸受の外側から前記スラスト板に向かう
    各サイジングバーにより、前記ラジアル軸受の内周面に
    サイジング処理を同時に施すことを特徴とする動圧軸受
    装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 スラスト板は、その中心孔の径がサイジ
    ングバーの外径より小さい設定され、 サイジング処理の後に、前記スラスト板の中心孔に軸を
    圧入固定することを特徴とする請求項1記載の動圧軸受
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 各サイジングバーを、各サイジングバー
    取付体に複数の螺子により取付け、 サイジングバーを調心する場合には、前記螺子を緩めた
    状態で、前記各サイジングバーを、当該サイジングバー
    間に配置した中空円筒形状のゲージのその両側から同時
    に当該ゲージに静合挿入または圧入し、この状態で前記
    螺子を締めることにより、サイジングバーの同軸調心を
    行うことを特徴とする請求項1または2記載の動圧軸受
    装置の製造方法。
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