JPH10287828A - 一次防錆塗料組成物、その塗装方法、一次防錆塗膜および一次防錆塗料組成物セット - Google Patents

一次防錆塗料組成物、その塗装方法、一次防錆塗膜および一次防錆塗料組成物セット

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JPH10287828A
JPH10287828A JP9733997A JP9733997A JPH10287828A JP H10287828 A JPH10287828 A JP H10287828A JP 9733997 A JP9733997 A JP 9733997A JP 9733997 A JP9733997 A JP 9733997A JP H10287828 A JPH10287828 A JP H10287828A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とを含有す
る顔料含有成分と、(b)ケイ酸エステル系結合剤を含有
する結合剤含有成分とからなる一次防錆塗料組成物
(A)並びに該組成物(A)から形成された一次防錆塗
膜。被塗物を一次防錆塗料にて塗装する際に、該一次防
錆塗料として、上記成分(a)と(b)を混合して得られたも
のを用いる被塗物の一次防錆塗装方法。上記成分(a)を
含有する顔料含有ユニットと、成分(b)を含有するユニ
ットとの組み合わせからなる一次防錆塗料組成物セッ
ト。 【効果】この組成物は、貯蔵・保管時に、結合剤系成分
と顔料系成分とからなる二液型一次防錆塗料の一方の成
分である、顔料等が含まれた成分に沈澱等が生じにく
く、大型タンク輸送が可能で、しかも該一次防錆塗料組
成物を塗布硬化してなる塗膜付き基材が溶接性に優れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一次防錆塗料組成
物、その塗装方法、一次防錆塗膜および一次防錆塗料組
成物セットに関し、さらに詳しくは、貯蔵・保管時に、
結合剤系成分と顔料系成分とからなる二液型一次防錆塗
料の一方の成分である、顔料等が含まれた成分に沈澱等
が生じにくく、大型タンク輸送が可能で、しかも該一次
防錆塗料組成物を塗布硬化してなる塗膜付き基材が溶接
性に優れるような一次防錆塗料組成物、その塗装方法、
一次防錆塗膜および一次防錆塗料組成物セットに関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、結合剤含有成分と顔料
含有成分とからなる二液型一次防錆塗料組成物の一方の
成分である顔料含有成分(ペースト)には、比重の大き
い亜鉛末を始め多量の無機顔料が配合されており、沈殿
やケーキングを生じるとの問題点があった。このような
問題点を改善するために、顔料含有成分には、合成シリ
カヒューム系、有機ベントナイト系、酸化ポリエチレン
系、ポリアマイド系、ポリエーテル系などの沈降防止剤
やブチラール樹脂が添加されていた。
【0003】しかしながら無機系の合成シリカヒューム
では沈降防止効果が十分でなく、その他の有機系沈降防
止剤では、沈降防止効果は認められるものの、このよう
な成分を含有する塗料組成物からなる塗膜は、溶接時の
熱により分解ガスを発生し、溶接性を損なうので使用量
に限界があった。また、ブチラール樹脂も顔料の沈降防
止性や顔料の分散性を著しく改善できるが、このブチラ
ール樹脂を含有する一次防錆塗料組成物からなる塗膜で
は、溶接性が著しく損なわれ、今日、求められている溶
接性に応えるには不十分である。
【0004】ところで、一次防錆塗料は、通常、被塗物
にライン塗装されるが、この一次防錆塗料は、通常、缶
にパッキングして取扱われており、このライン塗装の際
には、多数の塗料缶を開缶して、結合剤含有成分(主
剤)と顔料含有成分(ペースト)とを混合しなければな
らず、また多量の廃缶処理費用も嵩む。このため、塗料
成分の混合に要する工数、さらには廃缶処理に要する費
用の削減が望まれており、大型タンク利用による輸送コ
ストの削減などが検討されている。
【0005】しかしながら、大型タンクで顔料含有成分
(ペースト)を輸送しようとすると、タンク内の顔料含
有成分のカサが大きいため顔料のケーキング、沈澱が著
しく、再分散性も低く、大型タンク輸送の大きな障害と
なっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、二液型一次防
錆塗料における一方の成分である顔料含有成分での沈澱
発生やケーキングが防止され、大型タンク輸送に好適で
あり、得られる塗膜が溶接性にも優れているような一次
防錆塗料組成物を提供することを目的としている。
【0007】本発明は、上記のような一次防錆塗料組成
物からなる、溶接性に優れた一次防錆塗膜を提供するこ
とを目的としている。本発明は、上記塗料組成物の塗装
方法を提供することを目的としている。
【0008】本発明は、沈澱発生やケーキングが防止さ
れ、大型タンク輸送に好適であり、各ユニットを混合し
て得られる塗料組成物からなる塗膜が溶接性にも優れて
いるような一次防錆塗料組成物セットを提供することを
目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る一次防錆塗料組成物は、
(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とを含有する顔料含有成
分と、(b)ケイ酸エステル系結合剤を含有する結合剤含
有成分(塗膜形成性成分)とからなることを特徴として
いる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、この一
次防錆塗料組成物では、硝化綿が、顔料含有成分中に
0.05〜2重量%の量で含まれていることが望まし
い。本発明に係る被塗物の一次防錆塗装方法は、被塗物
を一次防錆塗料にて塗装する際に、該一次防錆塗料とし
て、(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とを含有する顔料含
有成分と、(b)ケイ酸エステル系結合剤を含有する結合
剤含有成分とを混合して得られた一次防錆塗料組成物を
用いることを特徴としている。
【0011】本発明の塗装方法の好ましい態様において
は、硝化綿が、顔料含有成分中に0.05〜2重量%の
量で含有されていることが望ましい。本発明に係る一次
防錆塗膜は、上記の一次防錆塗料組成物から形成されて
いる。
【0012】このような一次防錆塗膜は、溶接性に優れ
ている。本発明に係る一次防錆塗料組成物セットは、
(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とを含有する顔料含有ユ
ニットと、(b)ケイ酸エステル系結合剤を含有する結合
剤含有ユニットとの組み合わせからなっている。
【0013】本発明によれば、二液型一次防錆塗料組成
物の一方の成分である顔料含有成分には硝化綿が添加さ
れており、この顔料含有成分では沈澱発生やケーキング
が防止され、大型タンク輸送に好適であり、該塗料組成
物を塗布硬化して得られる塗膜が溶接性にも優れている
ような二液型の一次防錆塗料組成物が提供される。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る一次防錆塗料
組成物、その塗装方法、一次防錆塗膜および一次防錆塗
料組成物セットについて具体的に説明する。
【0015】[一次防錆塗料組成物] 本発明に係る一次防錆塗料組成物は、(a)亜鉛末と硝化
綿と有機溶剤とを含有する顔料含有成分と、(b)ケイ酸
エステル系結合剤を含有する結合剤含有成分(塗膜形成
性成分)とからなっている。
【0016】顔料含有成分 この顔料含有成分(a)に含まれる亜鉛末と硝化綿と有機
溶剤のうちの亜鉛末について初めに説明する。 <亜鉛末>この顔料含有成分に含まれる亜鉛末は、本発
明の一次防錆塗料組成物からなる塗膜(一次防錆塗膜)
において被塗物である鋼材等の防錆に寄与している。
【0017】この亜鉛末は、蒸留亜鉛を製造する際に、
亜鉛蒸気が凝縮器やプロロング中で直接凝固して生ずる
粉状亜鉛であって、ブルーパウダーとも言い、亜鉛末表
面は、酸化していることが多い。
【0018】本発明においては、顔料含有成分には、こ
の亜鉛末以外に、通常、塗料に配合されるような「他の
顔料」が含まれていてもよい。このような他の顔料とし
ては、具体的には、例えば、バライト(重晶石)、沈降
性硫酸バリウム、タルク、クレー、白亜、シリカ(ホワ
イトカーボン)、シリカホワイト、アルミナホワイト
(水酸化アルミニウム)、チタンホワイト(酸化チタ
ン)、カオリン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、長石、酸化亜鉛(亜
鉛華)、ルチルフラワー、イルメナイト、ケイ酸ジルコ
ニウム等の体質顔料;酸化チタン(チタンホワイト)、
チタンイエロー、酸化ジルコン、塩基性硫酸鉛、酸化
錫、カーボンブラック、黒鉛、弁柄(赤色酸化鉄)、マ
グネタイト(黒色酸化鉄)、ゲーサイト(黄色酸化
鉄)、クロームグリーン、エメラルドグリーン、シアニ
ングリーン、フタロシアニンブルー等の着色顔料;等が
挙げられる。
【0019】このような顔料は、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。上記亜鉛末は、防錆性
と溶接性とのバランスをみて配合され顔料含有成分中
に、通常、40〜90重量%、好ましくは50〜70重
量%の量で含まれていることが望ましい。
【0020】また、上記亜鉛末を含む上記顔料は、ディ
スパーやサンドグラインドミルなどの分散機で分散する
のに適し、且つ沈降防止にも有利な粘度となるよう顔料
含有成分中に、合計で、通常、55〜85重量%、好ま
しくは65〜75重量%の量で含まれていることが望ま
しい。 <硝化綿>硝化綿は、顔料含有成分中にあって、亜鉛末
等の顔料の沈殿防止性、ケーキング防止性を著しく高め
る働きを有しており、一次防錆塗料組成物の一度の大量
輸送を可能としており、塗膜の溶接性にも悪影響を与え
ない。
【0021】この硝化綿は、グルコピラノース環の有す
る3個の水酸基の一部または全部を硝酸エステル化して
得られる。本発明で使用可能な硝化綿の硝酸エステル化
の度合は特に限定されないが、市販品では、平均硝酸エ
ステル化度が1程度のセルロイド原料用に市販されてい
るものや、平均硝酸エステル化度が2程度のラッカー用
に市販されているもの等が使用できる。本発明において
はこれらの硝化綿を1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。これらのうちでは、硝酸エステル化
度2程度の硝化綿が、溶剤への溶解性や熱分解性に優れ
ており、本発明では好適に使用される。なお、硝酸エス
テル化度が3に近い硝化綿は、爆薬としての取扱いが必
要となり、安全性等の点から使用上の限界がある。
【0022】硝化綿は、顔料含有成分(この「顔料含有
成分」は、ペースト状であることが多いため、本明細書
中では、「ペースト」とも言う。)中に、通常、0.0
5〜2重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%とな
るような量で添加(含有)されるが、添加量の増加とと
もに顔料含有成分の粘度が低下し、塗膜の物性が低下す
ることがあるため、顔料含有成分の粘度、沈降性成分の
分散性、塗膜物性などを考慮して、さらに好適な量を適
宜選定することが望ましい。
【0023】例えば、硝化綿が、顔料含有成分(ペース
ト)中に0.05〜0.4重量%、好ましくは0.1〜
0.3%の量で含まれていると、従来の沈降防止剤が配
合された一次防錆塗料にそのまま適用しても効果的であ
る。
【0024】例えば、硝化綿が、顔料含有成分中に0.
4〜0.75重量%の量で含まれていると、粘度低下の
ため沈殿を生じ易くなるが、沈殿物は軟かく再分散性は
良好である。この粘度低下による沈殿を防止するには、
顔料含有成分(ペースト)中の顔料の配合濃度を高める
か、吸油量の大きい顔料を併用するなど、顔料含有成分
(ペースト)の粘度を上げるようにすれば良い。
【0025】また例えば、硝化綿が、顔料含有成分中に
0.75〜1.5重量%の量で含まれていると、粘度は
低いが上澄みすら生じず極めて良好な沈降防止性能が得
られる。なお、硝化綿が顔料含有成分中に1.5重量%
を超える量で含まれていると、塗膜の物性が低下するこ
とがあり、2重量%以上ではその傾向が顕著となる。
【0026】このような硝化綿は、顔料含有成分を調製
する際には、そのまま用いてもよいが、後述するように
溶剤に溶解して用いることが好ましい。本発明において
は、従来より沈降防止剤として使用されているもののう
ち、溶接性に悪影響の少ない合成シリカヒュームや有機
ベントナイトなどがこの顔料含有成分中に合計で0.5
〜3.0重量%、好ましくは1.0〜2.0重量%の量
で含まれていることが好ましい。このような沈降防止剤
を硝化綿と組み合わせて用いると、顔料含有成分中の亜
鉛末等の沈降防止にいっそう効果的である。なお、酸化
ポリエチレン、アマイド系、ポリエーテル系などの有機
系沈降防止剤は本発明の目的に反しない範囲で少量含ま
れていてもよいが、本発明ではできるだけ併用しないほ
うが好ましい。 <有機溶剤>有機溶剤としては、二液型有機珪素系塗料
組成物中の各成分に対して不活性である限り、従来より
公知のものを広く使用でき、炭化水素類、エーテル類
(環状エーテル、鎖状エーテル)、エステル類、ケトン
類、アルコール類等が挙げられる。
【0027】このような有機溶媒として、具体的には、
例えば、キシレン(キシロール)、トルエン、エチルベ
ンゼン等の芳香族系、シクロペンタン、シクロヘキサン
等の脂環族系、オクタン、ヘプタン等の鎖状脂肪族系、
その他ホワイトスピリット等の炭化水素類;ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル
類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の鎖
状エーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
等のカルボン酸アルキルエステル系(好ましくはアルキ
ル基の炭素数1〜5程度)、酢酸ベンジル等のカルボン
酸芳香族基含有アルキルエステル系(好ましくはアルキ
ル基の炭素数1〜5程度)、エチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプ
ロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプ
ロピオネート等の、多価アルコールのアルキルエーテル
エステル系(好ましくはアルキル基の炭素数1〜5程
度)等のエステル類;メチルイソブチルケトン、エチル
イソブチルケトン等のケトン類;プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチル
アルコール等のモノアルコール系(好ましくは炭素数1
〜5程度)、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール系(好ましくは炭素
数1〜5程度)等のアルコール類;等が挙げられる。
【0028】これらの有機溶剤のうちでは、炭化水素
類、エステル類、ケトン類、アルコール類が好ましい。
本発明においては、これらの有機溶剤を1種または2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0029】このような有機溶剤は、顔料含有成分中
に、合計で10〜45重量%、好ましくは12〜35重
量%の量で含まれていることが望ましい。 <顔料含有成分の調製>亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とが
含有された上記顔料含有成分(a)を調製するには、例え
ば、まずはじめに亜鉛末を除く顔料を、炭化水素類、
アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類
(例:セロソルブ)などの上記した有機溶剤と混合・分
散してスラリー化する。次いで、得られた「亜鉛末非含
有顔料スラリー」を、高速ディスパー、サンドグライン
ドミル等の分散装置を用いて、該スラリー中に含まれて
いる顔料をさらに微粒化分散[例:JIS K 5400
A 法での粒径が通常、20〜80μm、好ましくは3
0〜60μm]させる際に、硝化綿液を添加し混合し、
次いで亜鉛末を添加し微粒化分散してもよい。
【0030】また、上記硝化綿液添加混合時に、亜鉛
末を添加してもよい。このように、亜鉛末以外の顔料、
硝化綿液等が溶剤中に微粒化分散され、顔料含有成分調
製の最終段階か、できるだけ最終に近い段階で、亜鉛末
を添加し微粒化分散させることができる。これは、亜鉛
末は比較的微粒化分散が容易なためである。
【0031】なお、例えば、沈降防止剤(例:有機ベン
トナイト、合成シリカヒューム)等は、上記亜鉛末非含
有顔料スラリー調製時、硝化綿液添加時、亜鉛末添加時
の何れの時期に配合してもよいが、亜鉛末非含有顔料ス
ラリー調整時が好ましい。
【0032】このような顔料含有成分を調製する際に
は、硝化綿は、そのまま用いてもよいが、上記したよう
な溶剤に溶解して1〜50重量%、好ましくは5〜30
重量%程度の硝化綿濃度の溶液にして用いることが好ま
しい。この際に好ましく用いられる溶剤としては、上記
のうちで、エステル系、ケトン系、セロソルブ系、アル
コール系の溶剤等が挙げられ、特にエステル系(例:酢
酸エチル)が望ましい。硝化綿液の調製用の溶剤として
は、これらの溶剤を主成分(主体)とする限り、上記溶
剤と、これら以外の溶剤とを混合してなる混合溶剤であ
ってもよい。
【0033】本発明においては、上記のように各成分を
分散・混合する際には従来より公知の機械を用いること
ができ、例えば、高速ディスパー、サンドグラインドミ
ル、ペイントシェーカー等の他、スピードランミル、ペ
ブルミルなどの分散装置を用いることができる。
【0034】このようにして得られる顔料含有成分で
は、含まれている亜鉛末等の顔料が経時的に極めて沈降
が生じにくく、沈降防止性に優れており、たとえ亜鉛末
などの顔料成分等が沈降しても容易に再分散可能であ
る。従って、このような顔料含有成分は、後述する結合
剤含有成分と同様に、大型タンク輸送に適している。
【0035】結合剤含有成分 結合剤含有成分(塗膜形成性成分)(b)には、ケイ酸エ
ステル系結合剤が含有されているが、このケイ酸エステ
ル系結合剤は、下記式(b-1)で表される1種または2種
以上のケイ酸エステル(モノマー)が2個以上、シロキ
サン結合(Si-O)にて結合してなる(共)重合体で
ある。
【0036】
【化1】
【0037】式(b-1)中、R10,R11,R12,R13は、
それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭
素数1〜4のアルキル基)を示す。本発明の好ましい態
様においては、上記式(b-1)中、R10,R11,R12,R
13が、全て同一であり、さらに好ましくは全て炭素数1
〜4のアルキル基である。
【0038】上記R10,R11,R12,R13としては、具
体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル
等のアルキル基等が挙げられる。これらのうちでは、上
記R10,R11,R12,R13は、何れも同一で、炭素数1
〜4の上記アルキル基であることが望ましい。
【0039】このようなケイ酸エステル(モノマー)と
して、具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベン
ジルオキシシラン等が挙げられ、これらのうちでは、各
アルキル基(各アルコキシ基のアルキル基も含む)の炭
素数が1〜4の範囲にあるテトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブ
トキシシランが好ましく用いられる。
【0040】このようなケイ酸エステル(b-1)は、例え
ば、溶媒(例:イソプロピルアルコール)中で、水およ
び酸触媒(例:HCl等)の存在下に加水分解し、シラ
ノールを経て、脱水重縮合物であるケイ酸エステル系結
合剤になる。
【0041】本発明においては、このようなケイ酸エス
テル系結合剤は、通常、3〜20量体、好ましくは5〜
10量体程度のものが好ましい。なお、このようなケイ
酸エステル系結合剤には、2〜3量体程度の低重合度の
オリゴマーも含まれる。
【0042】またこのようなケイ酸エステル系結合剤の
シリカ(SiO2)分は、アルコキシ基がエトキシ基の
場合、28〜45wt%、好ましくは40wt%程度で
ある。
【0043】このようなケイ酸エステル系結合剤とし
て、上市されているものとしては、例えば、シリカ(S
iO2)分が約28wt%のテトラエチルシリケート、
シリカ分が約40wt%の初期縮合物である「エチルシ
リケート40」(日本コルコート製)、多摩化学製、ワ
ッカーケミカル製、ユニオンカーバイド製、モンサント
製等が挙げられる。
【0044】このケイ酸エステル系結合剤は、本発明の
二液型塗料組成物に用いるには、前もって、例えば、酸
触媒(例:HCl等)の存在下に、アルコキシ基の40
〜60%程度を加水分解してシラノール基(≡Si−O
H)にしておくと硬化性、塗膜物性、貯蔵安定性のバラ
ンスがとれて好ましい。塗装後は残存するアルコキシ基
は大気中の水分によって加水分解されシラノール基が増
加し、シラノール基はシラノール基同士またはアルコキ
シ基との脱水、脱アルコール反応によってポリマー化が
進行し、三次元網状構造のポリマーシロキサン硬化体が
形成されるのであろうと考えられる。
【0045】本発明においては、このような結合剤含有
成分には、上記ケイ酸エステル系結合剤以外に、前述し
たような各種溶剤(例:イソプロピルアルコール、イソ
ブチルアルコール)、コロイダル・シリカ、硬化触媒
(例:酸、金属塩化物など)等が含まれていてもよい。
【0046】本発明に係る二液型塗料組成物において
は、この結合剤含有成分(主剤)(b)は、該成分中のケ
イ酸エステル系結合剤含有量などにもより一概に決定さ
れなが、通常、10〜80重量%、好ましくは20〜6
0重量%の量で、前記顔料含有成分(ペースト)は残部
量で配合されることが好ましい(但し、顔料含有成分と
結合剤含有成分との合計を100重量%とする。)。
【0047】また、本発明においては、結合剤含有成分
(b)中のケイ酸エステル系結合剤100重量部に対し
て、顔料含有成分(a)中の亜鉛末を含む顔料合計量が、
通常、200〜500重量部、好ましくは300〜40
0重量部となるような量で結合剤含有成分と顔料含有成
分とは混合して用いることが好ましい。
【0048】なお、このように顔料含有成分と結合剤含
有成分とを混合する際には、可搬式のエヤー駆動または
電力駆動の撹拌機を用いることができる。このような量
で結合剤含有成分と顔料含有成分とを混合すると、得ら
れる二液型塗料組成物を被塗物(例:ショットブラスト
処理鋼板)の表面に塗布硬化してなる塗膜(一次防錆塗
膜)は、従来の一次防錆塗膜と同様に、溶接性、含有亜
鉛末の犠牲陽極作用による防錆性に優れる。
【0049】なお、このような一次防錆塗料組成物は、
例えば、1回当たり60〜150g/m2の量で、8〜
25μm厚程度の乾燥薄厚となるように被塗物表面に塗
布される。
【0050】上記塗装方法としては、特に限定されず従
来より公知の方法を採用でき、例えば、エアレススプレ
ー、エアースプレー、刷毛塗り、ローラー塗りなど常法
によればよい。
【0051】塗布された塗料を乾燥・硬化させるには、
常温あるいは加熱下に塗料中の溶剤を揮散させればよ
い。このように溶剤を揮散させると、先述のように大気
中の水分によってケイ酸エステル系結合剤(例:エチル
シリケート)の硬化が促進され顔料等は被塗物表面に固
着されて一次防錆塗膜が形成される。
【0052】なお、上記一次防錆塗料組成物の塗装に先
立ち、ショットブラストやサンドブラスト等の処理によ
って黒皮や赤錆などを除去して塗装される。通常このブ
ラスト処理と塗装とは連続的に行われる。
【0053】このような一次防錆塗膜が形成される被塗
物は、主に船舶や橋梁などの大型鋼構造物用鋼材であっ
て、このような一次防錆塗膜は、建造工程の溶接、切断
などに支障を与えることなく、建造期間中鋼材を錆から
守ることを主目的としている。さらに建造終了後にエポ
キシ系、タールエポキシ系、塩化ゴム系、油性系、エポ
キシエステル系、アクリル系、ビニル系、無機ジンク系
などの防食塗料を上塗りすることができ、本発明の一次
防錆塗膜は、このような上塗塗膜との密着性に優れてい
る。
【0054】[一次防錆塗料組成物セット] 本発明に係る一次防錆塗料組成物セットは、(a)亜鉛末
と硝化綿と有機溶剤とを含有する上記顔料含有成分から
なる「顔料含有ユニット」(a)と、(b)ケイ酸エステル系
結合剤を含有する上記結合剤含有成分からなる「結合剤
含有ユニット」(b)との組み合わせからなっている。
【0055】本発明では、一次防錆塗料組成物を、この
ような顔料含有ユニット(a)と、結合剤含有ユニット(b)
との組み合わせからなる二液型一次防錆塗料組成物セッ
トとして、保存、管理、供給し、使用時にこれらのユニ
ットを前述したような量で混合して用いてもよい。この
ように各ユニットを保存、管理、供給する際には、各ユ
ニットは、それぞれ(大型)タンク、ドラム缶、ペール
缶、石油缶、プラスチック容器等のような各種材質・形
状の容器に入れ、「顔料含有ユニット」、「結合剤含有
ユニット」として取り扱うことができる。
【0056】なお、両ユニットを使用時に混合して一次
防錆塗料組成物として使用する限り、これらのユニット
をそれぞれ別々に保存、管理、供給などしてもよい。こ
れらのユニット、特に顔料含有ユニットでは、該ユニッ
トに含有される亜鉛末等の顔料が経時的に沈降しにく
く、また仮に沈降したとしても攪拌すれば容易に再分散
させることができる。従って、顔料含有ユニットは、上
記したような大型タンクに充填して輸送・保管・供給等
すれば、一度に大量輸送することで輸送コストの低減を
図ることができ、また従来のように多数の塗料缶を開缶
したり、廃缶を処分したりする手間を省くことができ、
また大量の各ユニットを一度に混合すれば、顔料含有成
分(ペースト)と結合剤含有成分(主剤)との混合回数
も低減できる。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る一次防錆塗料組成物中に含
有される硝化綿は低温で熱分解するので溶接性に悪影響
がなく、且つ従来の亜鉛末入り一次防錆塗料組成物に比
して亜鉛末などの顔料の沈降防止性が著しく向上してい
る。
【0058】このため結合剤含有成分(主剤)と顔料含
有成分(ペースト)の混合作業性に優れており、塗装作
業時に塗装機を用いてもそのスプレーチップが目詰まり
を起こしにくく、塗装作業性にも優れている。
【0059】本発明に係る一次防錆塗料組成物は、大型
タンク(大型タンクローリー)で輸送しても輸送時に顔
料含有成分(ペースト)にケーキング、沈殿がほとんど
生ぜず、従って大型タンク輸送が可能であり、輸送コス
トの低減が可能である。このため、従来の一次防錆塗料
の顔料含有成分のように、小型缶で少量ずつ輸送・保存
し、使用時には多数の小型缶を缶切りして開缶する手間
が省け、また廃缶処理などの費用も削減できるなど、省
力化や作業コストの低減に有効である。
【0060】さらに本発明を従来の一次防錆塗料組成物
にそのまま適用すると、顔料含有成分(ペースト)の粘
度が従来のものより低い[例えば、測定法:JIS K
−5400 ストーマー粘度計法にて測定した粘度(K
U値)が最大で30程度低下する。]。このため顔料が
沈降し易くなることがあるが、再分散性は良好である。
低粘度化による顔料の沈降を防ぐには溶剤の配合量を減
らすか、吸油量の高い顔料を用いることができ、沈降防
止性、再分散性ともに非常に良好なペーストとすること
ができる。
【0061】本発明に係る一次防錆塗料組成物セット
は、貯蔵・保管時に、二液型塗料の一方の成分である、
顔料等が含まれた成分にケーキングや沈澱が生じにく
く、大型タンク輸送が可能で、基材表面に一次防錆塗料
組成物を塗布硬化してなる塗膜付き基材は溶接性に優れ
ている。
【0062】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何
等制限されるものではない。
【0063】なお、以下の実施例、比較例等において、
「部」は「重量部」の意味である。また、表中の各成分
量は、特に断らない限りいずれも「重量部」表示で示
す。
【0064】
【実施例1】 [硝化綿液の調製]旭化成工業(株)製の硝化綿(製品
名 HIG 1/2)を酢酸エテルに溶解して硝化綿の
10%液を調製した。 [顔料含有成分(ペースト)の調製]表1に示す顔料
(シリカ末10部、カリ長石17部、亜鉛華2部、弁柄
2.5部、亜鉛末40部)のうちで亜鉛末を除く顔料、
合成シリカヒューム1部、有機ベントナイト0.5部及
び溶剤(キシロール10部、イソプロピルアルコール
9.4部、イソブチルアルコール6.6部)を容器に仕
込み、ガラスビーズを加えてペイントシェーカーで振盪
して粒度が40μm(JIS K5400 A法)とな
るまで分散させた後、亜鉛末40部と硝化綿液1.0部
を加え、さらに5分間振盪して顔料含有成分(ペース
ト)を調製した。
【0065】この顔料含有成分(ペースト)の粘度(K
U)は、84であった。 [結合剤含有成分(主剤)の調製]エチルシリケート4
0(日本コルコート製,SiO2量:40%,7量体程
度)300部、イソプロピルアルコール140部を反応
容器に仕込み、撹拌しながら55℃に昇温し、35%塩
酸0.5部と脱イオン水40.5部を30分かけて滴下
した後、55〜60℃の温度で4時間保持した。次い
で、この反応容器にイソプロピルアルコール369部と
イソブチルアルコール150部を加えて放冷し、結合剤
含有成分(主剤)を調製した。
【0066】この顔料含有成分をトラック輸送試験した
ところ、上澄み率は27%であり、沈澱硬さはランク
「3〜4」であり、再分散性は、ランク「3〜4」とな
った。また、上記顔料含有成分(ペースト)60部と、
結合剤含有成分(主剤)40部(合計100部)とを混
合し、得られた一次防錆塗料組成物からなる塗膜のバク
ロ防錆性を評価したところ6ヶ月となり、付着性は、
5.8メガパスカルとなり、凝集破壊率は0%となり、
溶接性(ピット発生数(個/50cm))は、3個/5
0cmとなった。
【0067】併せて、ペーストの組成、粘度、沈殿の評
価結果等を表1〜2に示す。なお、評価方法などは、後
述する。
【0068】
【実施例2〜7、比較例1】実施例1において、顔料含
有成分、一次防錆塗料組成物の配合組成を表1に示すよ
うに代えた以外は、実施例1と同様にした。
【0069】結果を表1〜2に示す。 [沈殿の評価]顔料含有成分(ペースト)の粘度(K
U)を測定法:JIS K5400規定のストーマー粘
度計法にて測定した後、該ペーストを内容量1リットル
の円筒形のガラス容器に深さ12cmとなるように入
れ、密封してトラック輸送テストを実施した。
【0070】輸送途中でガラス容器の上下をひっくり返
さぬよう厳重に管理して、広島→佐賀→滋賀→広島の順
に、5日間かけて転送した後、次のとおり沈殿の状態を
調べた。
【0071】上澄み層の比率 ガラス容器の外側より上澄み層の厚さを計り、ペースト
の深さ12cmに占める割合を記録した。
【0072】沈殿の硬さ 直径8mm、長さ20cm、末端が球状のガラス棒をペ
ーストにさし込み、以下のとおり評価した。
【0073】 5:ガラス棒の自重で容器の底に到達できる。 4:手で軽く押すと容器の底に到達できる。 3:手でやや強く押すと容器の底に到達できる。
【0074】 2:手で強く押さないと容器の底に到達できない。 1:手で強く押しても容器の底に到達できない。 沈殿の再分散性 長さ20cmのステンレス製薬さじを用いてペーストを
撹拌し、以下のとおり再分散性を評価した。
【0075】 5:沈殿に流動性があり、1分以内で容易に均等に分散
できる。 4:薬さじで沈殿をかき上げると、角ばった感じのない
沈殿塊が認められるが、2分以内で容易に均等に分散で
きる。
【0076】 3:薬さじで沈殿をかき上げると、角ばった感じのない
沈殿塊が認められ、均等に分散するのに5分程度を要
す。 2:薬さじで沈殿をかき上げると、角ばった沈殿塊が認
められ、均等に分散するのは容易ではない。
【0077】1:手撹拌による分散は困難である。 表1に示すとおり、硝化綿を添加することにより上澄み
層の減少、沈殿の硬さ、沈殿の再分散性は著しく改善さ
れるが、硝化綿の添加率0.5%前後(実施例3)でペ
ーストの粘度の顕著な低下に伴い、本発明の効果が、や
や低下する現象が見られるが、実施例4に示すとおり、
顔料の増量による粘度の上昇によって本発明の効果を十
分に引き出すことができる。実施例5、6、7に示すよ
うに硝化綿の添加率が0.75%よりも多い領域では粘
度低下はあっても本発明の効果は顕著である。 [塗膜性能の評価]次に顔料含有成分(ペースト)と結
合剤含有成分(主剤)を混合して乾燥膜厚が15μmと
なるように塗装し、バクロ防錆性、塗膜強度、溶接性を
評価した。
【0078】その結果を表2に示す。評価方法および評
価を併せて以下に示す。 バクロ防錆性 エアースプレーにて乾燥膜厚が15μmとなるように、
比較例、実施例1〜7の塗料を100×300mmのサ
ンドブラスト板に塗装し、7日間乾燥、硬化させて、広
島県大竹市の海岸地域に設置したバクロ台に南面45°
に固定して点錆が発生するまでの月数を調べた。
【0079】実施例5、6、7で防錆性低下の傾向が認
められたが、実用的な防錆性を示した。 塗膜強度 70×150×3.2mm厚のショットブラスト処理し
た軟鋼板を用いてバクロ防錆性の試験片と同様に、乾燥
膜厚が15μmとなるように比較例1、実施例1〜7の
各一次防錆塗料組成物を塗装して作成した試験片に、塗
膜強度の大きい塗料としてエポキシ樹脂塗料(中国塗料
製、製品名:エピコンT−500)を乾燥膜厚が10
0μmとなるようエアースプレー塗装し、25℃で7日
間硬化させた。この試験片について、(イ)2mm間隔
のゴバン目25個によるテープ剥離試験による塗膜残存
率の評価と、(ロ)スペシメンを塗膜に接着し、引張り
試験機(機種:アドヒロプルゲージ)により垂直に引張
り、破断強度(単位:メガパスカル)と破断の状況(一
次防錆塗膜の凝集破壊の状況)の評価を行った。
【0080】硝化綿をペースト中に1.5%添加した実
施例7でゴバン目テープ剥離試験での塗膜残存率の低
下、垂直引張試験で一次防錆塗膜内の凝集破壊の傾向が
見られた以外は、良好な塗膜強度を示した。
【0081】溶接性 比較例1、実施例1〜7の一次防錆塗料組成物につい
て、図1に示すように、100×500×12mm厚の
下板(10)と、50×500×12mm厚の立板(2
0)とをT字型に組み合わせて水平隅肉溶接を実施し
た。
【0082】なお、一次防錆塗料組成物の塗装、乾燥は
バクロ防錆性試験片の場合と同様の方法でサンドブラス
ト処理材に乾燥膜厚が15μmとなるよう実施した。ま
た下板(10)は、立板(20)に接する上面(60)
のみに塗装し、立板(20)では、下板に接する端面
(50)には塗装せず、両サイド(30、40)にのみ
塗装した。また、立板の下側端面(50)は機械加工に
より平滑に処理して、下板とのギャップ(すき間)が極
小となるよう配慮した。
【0083】上記の水平隅肉溶接の様子を図1に、その
他の溶接試験条件を表3にそれぞれ示す。比較例1に比
べて実施例7では、ややピットの発生数の増加の傾向が
認められたが実施例1〜6では比較例1と同等の溶接性
を示した。これは硝化綿が低温で熱分解するため、溶接
性への影響が小さいためと考えられる。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は溶接試験片である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 原 和 美 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 椋 木 靖 雄 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とを含有す
    る顔料含有成分と、(b)ケイ酸エステル系結合剤を含有
    する結合剤含有成分とからなることを特徴とする一次防
    錆塗料組成物。
  2. 【請求項2】硝化綿が、顔料含有成分中に0.05〜2
    重量%の量で含まれていることを特徴とする請求項1に
    記載の一次防錆塗料組成物。
  3. 【請求項3】被塗物を一次防錆塗料にて塗装する際に、 該一次防錆塗料として、(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤
    とを含有する顔料含有成分と、(b)ケイ酸エステル系結
    合剤を含有する結合剤含有成分とを混合して得られた一
    次防錆塗料組成物を用いることを特徴とする被塗物の一
    次防錆塗装方法。
  4. 【請求項4】硝化綿が、顔料含有成分中に0.05〜2
    重量%の量で含有されていることを特徴とする請求項3
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜2の何れかに記載された一次防
    錆塗料組成物から形成された一次防錆塗膜。
  6. 【請求項6】(a)亜鉛末と硝化綿と有機溶剤とを含有す
    る顔料含有ユニットと、(b)ケイ酸エステル系結合剤を
    含有する結合剤含有ユニットとの組み合わせからなる一
    次防錆塗料組成物セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2013043986A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Chugoku Marine Paints Ltd 一次防錆塗料組成物、一次防錆塗膜および一次防錆塗膜付き鋼板

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