JPH10287825A - 騒音防止用アンダーコート剤、アンダーコート膜及びアンダーコート方法 - Google Patents

騒音防止用アンダーコート剤、アンダーコート膜及びアンダーコート方法

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JPH10287825A
JPH10287825A JP11041297A JP11041297A JPH10287825A JP H10287825 A JPH10287825 A JP H10287825A JP 11041297 A JP11041297 A JP 11041297A JP 11041297 A JP11041297 A JP 11041297A JP H10287825 A JPH10287825 A JP H10287825A
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JP
Japan
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undercoat
foaming
agent
parts
foamed
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Application number
JP11041297A
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English (en)
Inventor
Koichi Kubo
攻一 久保
Yutaka Ohashi
豊 大橋
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Asahi Corp
Toyota Motor Corp
Asahi Tsusho Co Ltd
Original Assignee
Asahi Corp
Toyota Motor Corp
Asahi Tsusho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部、分解温度
が130〜180℃の有機発泡剤もしくは発泡助剤の混
合物1〜3重部、充填剤160〜500重量部、可塑剤
180〜500重量部、塩化ビニル系樹脂の架橋剤5〜
40重量部を含有してなり、発泡温度が120℃以上で
あると共に、120〜160℃で発泡倍率が1.2〜
1.6倍であり、かつ反発弾性率5%以上、圧縮変形率
50%以上の架橋発泡装を形成することを特徴とする騒
音防止用アンダーコート剤。 【効果】優れた石ハネ、砂ハネ音による騒音の防止効果
を持ち、2.5〜10kHzの範囲における騒音を75
dB以下にすることも可能なアンダーコート膜を与える
と共に、現行の自動車塗装工程にそのまま適用でき、現
行設備で対応可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の床裏部や
ホイルハウス部のパネルなどの石ハネ音による騒音を防
止すべき箇所に対するアンダーコートとして好適な騒音
防止用アンダーコート剤、このアンダーコート剤から得
られるアンダーコート膜、及びこのアンダーコート剤を
用いたアンダーコート方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
の床裏部やホイルハウス(タイヤハウス)部には、走行
中にしばしば石ハネ,砂ハネが生じ、運転者などに耳ざ
わりな騒音を発生する。
【0003】従来、このような石ハネ音,砂ハネ音を防
止する方法としては、自動車の床裏部やホイルハウス部
のパネルに対し、非発泡型の塩化ビニル系樹脂(PV
C)塗料や未膨張バルーンを利用した発泡倍率50%前
後の低発泡型塩化ビニル系樹脂(PVC)塗料をアンダ
ーコート剤として使用することが行われている。
【0004】しかし、前者の非発泡型PVCを使用した
場合、塗膜層が厚くなれば石ハネ,砂ハネ騒音低減効果
はあるが、コストが高くなり、塗布量の増加による作業
効率の低下を招き、塗布重量の増加により車輌重量が増
大する。
【0005】一方、後者の未膨張バルーンを利用した低
発泡型PVC塗料を使用した場合、非発泡型PVC塗料
に比べ塗膜層の厚さがアップする効果により防音効果は
上がるが、未膨張バルーンを利用した発泡体は発泡剤に
よる発泡体に比べ硬い膜になるため、石、砂衝撃時の衝
撃吸収効果が少なくなり、防音効果面で劣る。また、バ
ルーン膜によりクッション性が低下し、耐チッピング性
が極端に低下する。この場合、耐チッピング性の極端な
低下に対しては、コンパウンドの物性を向上させるよう
な配合(例えば未膨張バルーンの低充填、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体比率を上げるなど)を用いること
で、一定レベル値を確保しているが、なお十分ではな
い。
【0006】また、自動車製造ラインに使用されるため
には、130〜160℃の耐熱性が要求されるために未
膨張バルーンの材質は、耐熱性のよいアクリロニトリル
ポリマー単独或いはアクリロニトリル−塩化ビニリデン
共重合体のアクリロニトリル比率の高いものが用いられ
る。しかし、塩化ビニリデンは耐熱性に劣り、アクリロ
ニトリル比率が高くなると、アクリロニトリルモノマー
の含有率が大きくなり、環境衛生面上から望ましくな
い。
【0007】この場合、下層を発泡型PVC層とし、上
層を非発泡型PVC層としたアンダーコート構造、或い
は下層を発泡型PVC層とし、上層を水性ベースの非発
泡樹脂層としたアンダーコート構造も検討されている
が、これは2層構造であるため作業性が劣る。
【0008】なお、PVCに可塑剤や発泡剤を配合し、
加熱により発泡させる方法又は発泡体は、特開平1−2
87147号、特公平6−18916号、特開平7−3
30937号公報などにより公知の技術である。また、
発泡PVCで自動車の床裏部、ホイルハウス(タイヤハ
ウス)部に塗布する石ハネ音騒音対策方法に関する特開
平2−202560号公報の提案は、発泡による増膜効
果により従来の非発泡塗膜0.5〜0.6mmを発泡す
ることで最大1.2mm厚みにし、防音性の向上と発泡
による少量塗布によるコスト低下、車体重量低減を提案
しているが、発泡塗膜の発泡率が高い場合や発泡塗膜物
性の弾力性が欠ける場合、発泡塗膜2mm以内におい
て、石ハネの衝撃が塗膜の柔軟性によって吸収し得ずに
パネルに伝達し、パネルを振動して発生するパネル振動
放射騒音の比率が高まることで、逆に防音性能を低下せ
しめる。
【0009】本発明は、上記事情を改善するためになさ
れたもので、自動車の床裏部やホイルハウス部のパネル
などの石ハネ,砂ハネによる騒音を防止すべき箇所に対
するアンダーコート膜を形成するために用いられて、そ
れ単層でも該騒音を効果的に防止し、しかも現行の自動
車塗装工程にその工程を変更することなく組み入れるこ
とができる騒音防止用アンダーコート剤、このアンダー
コート剤によって形成されるアンダーコート膜、及びこ
のアンダーコート剤を用いてアンダーコート膜を形成す
るアンダーコート方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記のアンダーコート剤、アンダーコート
膜及びアンダーコート方法を提供する。 (1)塩化ビニル系樹脂100重量部、分解温度が13
0〜180℃の有機発泡剤もしくは発泡助剤を加えるこ
とで分解温度を130〜180℃にならしめる有機発泡
剤又はこれらの混合物1〜3重量部、充填剤160〜5
00重量部、可塑剤180〜500重量部、塩化ビニル
系樹脂の架橋剤5〜40重量部を含有してなり、発泡温
度が120℃以上であると共に、120〜160℃にお
ける発泡倍率が1.2〜1.6倍であり、かつ反発弾性
率5%以上、圧縮変形率50%以上の架橋型発泡層を形
成することを特徴とする騒音防止用アンダーコート剤。 (2)有機発泡剤又は有機発泡剤混合物が、4,4’−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)もしく
は4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ッド)とアゾジカルボンアミドとの混合物又は発泡助剤
を加えることで分解温度を調整できるアゾジカルボンア
ミドである上記アンダーコート剤。 (3)可塑剤がフタル酸エステル系可塑剤が主体である
上記アンダーコート剤。 (4)架橋剤がブロックイソシアネート又はブロックイ
ソシアネートとポリアミドアミンとの併用系である上記
アンダーコート剤。 (5)可塑剤中に沸点が150〜250℃の低沸点可塑
剤を5〜50重量部含む上記アンダーコート剤。 (6)自動車の床裏部又はホイルハウス部のパネルに対
するアンダーコート用である上記アンダーコート剤。 (7)上記アンダーコート剤を自動車の床裏部又はホイ
ルハウス部のパネルに塗布し、発泡させてなり、発泡倍
率が1.2〜1.6倍で厚さが1〜4mmである発泡塩
化ビニル系樹脂層からなる騒音防止用アンダーコート
膜。 (8)2m上方から直径8mm、重さ2.08gのスチ
ールボールを落下させた場合における2.5〜10kH
zの範囲の衝撃音が75dB以下である上記アンダーコ
ート膜。 (9)上記アンダーコート剤を自動車の床裏部又はホイ
ルハウス部のパネルに塗布した後、120〜160℃に
加熱して発泡倍率が1.2〜1.6倍で厚さが1〜4m
mである発泡塩化ビニル系樹脂層を形成することを特徴
とする騒音防止用アンダーコート方法。 (10)上記加熱を自動車の中塗り塗装及び上塗り塗装
の乾燥、焼付工程と同時に行うようにした上記アンダー
コート方法。
【0011】これを詳述すると、本発明は、まず、石ハ
ネ騒音発生メカニズムについて解明し、騒音防止に効果
的な騒音防止剤の選定、騒音防止塗膜の形成方法につい
て検討を進めた。一般に、石ハネ騒音発生メカニズム
は、砂や石が直接当った表皮面から発生する表皮発生放
射騒音と衝撃エネルギーがパネルに到達し、パネルを振
動して発生するパネル振動放射騒音から成り立つものと
考えられている。この場合、当初はパネル振動放射騒音
がかなりの比率を占めるものとして考えられてきたた
め、騒音防止用アンダーコート材としては制振性のより
高い材質の選定が進められてきた。
【0012】しかしながら、現代は道路が完備され、道
路上では、砂や小石が中心で、大きな石はなく、実際に
実車走行した場合の騒音防止効果は表皮発生放射騒音対
策を施したものが効果的と検証された。
【0013】本発明者らは、この点について検討を進め
た結果、まず実車テストより砂ハネ,石ハネ騒音対策と
してOA値(オーバーオール値)の内POA値(パーシ
ャルオーバーオール値)2.5〜10kHzのところを
低くすることが有効であることを見出した。
【0014】即ち、従来は、実車テスト/ラボテストの
相関を得るために、ラボテストとしてスチールボール落
下試験を採用し、OA値のうち、1〜10kHz値、望
ましくは1〜5kHz値の低減が有効と考えたが、車室
外のホイルハウスで発生するこの騒音は、車室内に処置
されている制振材(アスファルト系フロアシート)及び
パネル剛性によって0〜1kHz値の低周波数域が吸収
されることにより、実車テスト/ラボテストの関係が食
い違う面が生じ、後述するようにラボテスト方法を工夫
し(即ち、スチールボールが当たるパネルの厚さを0.
8mmから1.6mmに変更し)、更に周波数分析を行
い、POA値(2.5〜10kHz値)が車室内で聞く
騒音評価に近いことが分った。
【0015】そこで、かかるテスト法に基づき更に検討
を進めた結果、アンダーコート剤としては、衝撃エネル
ギーをこのアンダーコート膜で運動エネルギーとして吸
収(消費)せしめることと、反発弾性によって跳ね返
し、衝撃エネルギーをパネルへ伝達するエネルギーにさ
せないことで、音エネルギーへの転換を少なくすること
が効果的であることが判明した。即ち、アンダーコート
膜としては、パテ状で、押すと容易に変形し、復元しな
い又は復元がゆっくり行われる反発弾性率(跳ね返り距
離)に無関係のものと、押すと変形するが直ちに復元す
る反発弾性率に関係があるものとがあるが、前者のパテ
状のものは衝撃で塗膜が変形していくので、耐チッピン
グ性の点から好ましくない。従って、後者のアンダーコ
ート膜が好ましいものであるが、ここで、反発弾性率は
(h2/h1 ×100(%)で表わすことができる。h
1は質量mのスチールボールの最初の高さであり、h2
このスチールボールを高さh1から垂直にアンダーコー
ト膜に自然落下させた場合における跳ね返り距離であ
る。この場合、h0=h1−h2分だけの位置エネルギー
が失われ、跳ね返り距離h2(反発弾性)が大きいほ
ど、損失エネルギーmgh0の指数となるh0が小さくな
り、音エネルギーも小さくなるものである。
【0016】つまり、石ハネ,砂ハネ騒音を小さくする
ためには、石ハネ,砂ハネによる衝撃エネルギーを塗膜
クッション性で塗膜内において塗膜の変形(圧縮)運動
でエネルギー消費させると共に、反発弾性の高い材料に
よる反発によって衝撃エネルギーすべてを塗膜に伝達さ
せずに一部を跳ね返すことで、音へのエネルギーを少な
くすることが求められる。
【0017】従って、このような点から騒音防止用アン
ダーコート膜について検討を進めた結果、表皮発生放射
騒音対策の有効手段として、塗膜を柔らかくし、塗膜厚
みを増す、即ち衝突時の衝撃をクッション効果によって
吸収せしめることが有効であるが、塗膜の柔軟化と塗膜
厚み増の両面を満足する方法で、塗布重量、コスト面か
ら考えて発泡樹脂層からなるアンダーコート膜が最も適
しているものである。
【0018】このような発泡樹脂層を得る方法として
は、エアーミックス法、未膨張バルーンを用いる方法、
発泡剤を用いる方法がある。このうち、エアーミックス
法は、製造時の塗料よりエアーを抜いておき、ラインサ
イドでエアーミックス装置によりエアーミックスさせた
ものをスプレー塗布する方式であるが、スプレー時に霧
化によってエアーが抜けるので、1.5倍率以下の低発
泡塗膜を得るのに好適な方法と考えられる。しかしなが
ら、エアーミックス法は、エアーミックス装置のライン
サイドへの導入及びエアーミックスの定量化等、今後の
実用化に当っての機械的メンテナンスの調整が必要で、
現行設備を利用する材料を開発するという点からは好ま
しくない。
【0019】また、未膨張バルーンを用いる方法は、未
膨張バルーンの添加量に応じ、ライン焼付条件に左右さ
れずに好みの発泡倍率を得ることが可能であるが、バル
ーンの核によって、発泡剤による発泡体及びエアーミッ
クス発泡体に比べ、発泡体が硬く、柔軟性に欠ける。更
に、ライン適合できるバルーンの核は、アクリロニトリ
ル−塩化ビニリデン共重合体でアクリロニトリル含有比
率が高いものか、アクリロニトリル単独樹脂であるが、
バルーン中にアクリロニトリルモノマーを一定量含有す
るため、環境面・作業衛生面で望ましくない。また、未
膨張バルーンの添加比率で発泡倍率が上がるが、焼付前
のウェット時の塗布厚みを一定とした比較で、未膨張バ
ルーン未添加のものに比べて耐チッピング性は著しく低
下する。即ち、未膨張バルーンを用いる方法は、防音性
能面で発泡体が硬くなるため発泡剤を用いる方法に劣
り、発泡PVCアンダーコート膜に十分な防音性能を持
たせることができず、かつ非発泡PVCと同等の耐チッ
ピング性能を確保できない。また、環境対策面からも望
ましくない。
【0020】これに対し、発泡剤を用いる方法は、未膨
張バルーンを用いる方法に比べてコストが安く、柔軟な
発泡塗膜を得ることができ、好適なものである。
【0021】ところが、発泡剤を用いる方法は、ライン
昇温条件、塗装箇所、塗布量に左右されて均一発泡性に
劣り、また独立気泡になりにくく、特に単に発泡剤を加
えただけで120〜160℃での加熱温度で良好な発泡
を確保することが困難である。つまり、本発明は、単に
発泡PVCを得るということにとどまらず、そのアンダ
ーコート剤を現行の自動車塗装ラインに適用することを
も目的としており、従ってアンダーコート剤を120〜
160℃の加熱温度で良好に発泡しなければならない。
【0022】即ち、上述したように、自動車のホイルハ
ウス(タイヤハウス)、床裏、フロントエプロン等には
アンダーコート用の塗料が塗布され、一般にシーラー炉
と呼ばれる仮焼炉を通して110℃、8〜12分の条件
で乾燥される。その後、中塗り塗料を塗布し、乾燥し、
更に上塗り塗料を塗布後、乾燥して塗装工程が完了し、
次いでガラス、内装材、タイヤなどを取り付ける艤装工
程に移るのが一般的である。従ってかかる中塗り塗装、
上塗り塗装の乾燥、焼付工程と同時に発泡し、発泡PV
Cを得ることが求められる。
【0023】ここで、PVCゾルのゲル化を考えると、
PVCゾル自体は他の材質と異なり、非常に硬化が早
く、130℃では5分でゲル相当まで、10分ではゲル
状態近くまで達しており、硬化層を形成する。好ましい
半ゲルは通常のPVCアンダーコート剤では130℃で
は2〜3分以内と推定される。従って、PVCゾルの低
温域での発泡は難しく、今日まで活用されなかったもの
である。
【0024】このようなPVCゾルに対するゲル化にお
いて、PVCゾルのゲル化速度と発泡速度のバランスが
とれた場合、均一な独立気泡が発生する。つまり、セル
形成は未硬化とゲル化の中間状態、即ち半ゲル時に、ゾ
ル中で分解したガスが良好に発泡セルを形成するものと
考えられる。
【0025】従って、上述したようにPVCゾルのゲル
化速度が130℃で5分以内と考えられるため、この間
に発泡セルの形成を促す必要があり、120〜160℃
で好ましくは20〜60分において良好な発泡セルを形
成することが必要である。
【0026】更に詳述すれば、発泡ガスの発泡セル形成
は、試料が半ゲル状態程度の粘性時に発泡ガスが抜ける
ことなく行われるもので、このためアンダーコート剤は
このような半ゲルの状態をできるだけ長くもたせること
が必要である。このような状態を作るためには、PVC
ゾルのゲル化は早めるが、可塑剤をリッチにすることで
ゲル化したPVCゾルの熱時の溶融粘度を下げ、見掛け
上半ゲル状態にしておくことが有効であり、これは塗膜
の表皮サイドと塗膜のパネル側(下地サイド)との粘度
差が少なくなり、塗膜の表皮サイド、下地サイドが均一
な状態に近く、従来の表皮が硬化し、塗膜内で発泡した
ガスの逃げ場がなくなり、表皮部分に集まることにより
異常発泡する現象を防止でき、しかも見掛け上の半ゲル
状態を長く保つために、セル形成が良好に行われ、発泡
率の向上ができることを見出した。
【0027】つまり、本発明は、上記のように120〜
160℃において発泡PVCを得ると共に、得られる発
泡PVCが優れた耐チッピング性及び騒音防止効果を与
えるようにしたものである。
【0028】しかしながら、このように発泡剤を用いて
柔軟な発泡塗膜を行い、反発弾性率、圧縮変形率を大き
くすることで表皮発生放射騒音の低減の検討を進めた結
果、PVCは材料的には損失係数が低いもので、制振性
能が殆ど期待できない材料でありながら、発泡PVCは
弾力性があり、単層でも砂ハネ騒音に対し、有効な効果
が得られるものであるが、発泡塗膜の防音性能は、発泡
率と塗膜厚みの組み合わせによっては効果が必ずしも期
待できず、逆に非発泡塗膜比較で劣る場合が発生する。
即ち、発泡倍率が高くなると塗膜の弾力性が小さくなっ
て、砂や小石の衝撃力をクッション効果によって吸収し
得ず、衝撃エネルギーがパネルに到達し、パネルを振動
して発生するパネル振動放射騒音の比率が増加すること
によるものである。これに対し、発泡倍率が低いと発泡
塗膜効果が十分ではなく、衝撃吸収性が低下して防音性
能が期待できず、本発明の目的を達し得ない。ここで、
従来の架橋型でない発泡PVCの場合、騒音防止用塗膜
の衝撃吸収効果面で、アンダーコート剤の発泡倍率、塗
膜厚み、塗膜の弾力性が大きく影響し、本発明の目的で
ある石ハネ,砂ハネ騒音を現状のレベルから更に著しく
低減させるために、発泡倍率が70%を超えると、塗膜
厚み2mm以下では塗膜の弾力性が小さくなり、衝撃吸
収力が低下し、パネル振動放射騒音比率の増加で、逆に
非発泡PVC比較で劣ることとなり好ましくなく、また
発泡倍率が70%以下の場合は、塗膜厚み2mm以下で
の非発泡PVC比較で防音性の向上は小さくなり、いず
れの発泡倍率範囲においても、塗膜厚みは2mm以上、
特に3mm以上必要となる。
【0029】しかるに、発泡PVCを架橋型にすること
によって、発泡倍率を70%以下にした場合において、
発泡による塗膜の弾力性の低下を少なくし、塗膜厚み2
mm以下の衝撃吸収力の低下を防止することで、パネル
振動放射騒音の発生を減少せしめ、塗膜厚みが2mm以
下での非発泡PVC比較で劣る現象をなくし、発泡率2
0〜70%の範囲においても架橋による効果で塗膜の弾
力性を上げ、非発泡PVC塗膜の騒音現状レベルを著し
く改善することができることを知見したものである。
【0030】発泡PVCを架橋型にし、反発弾性率を5
%以上、かつ圧縮変形率を50%以上有する柔軟弾性発
泡塗膜を形成するアンダーコート剤にすることによっ
て、塗膜厚みが1〜4mmと広範囲で適用することがで
き、2mm以下においても、非発泡PVC塗膜の防音性
能現状レベルを著しく低減することができ、2mm以上
になると、クッション性のある塗膜によって衝撃が吸収
され、パネルを振動させることが少なくなり、表皮に当
たった時にのみ発生する表皮発生放射騒音が主体とな
る。
【0031】本発明者は、以上の点を考慮し、種々検討
を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂100重量部、分解温
度が130〜180℃の有機発泡剤もしくは発泡助剤を
加えることで分解温度を130〜180℃にならしめる
有機発泡剤又はこれらの混合物1〜3重量部、充填剤1
60〜500重量部、可塑剤180〜500重量部、塩
化ビニル系樹脂の架橋剤5〜40重量部を発泡温度12
0℃以上、120〜160℃における発泡倍率を1.2
〜1.6倍として、反発弾性率5%以上、圧縮変形率5
0%以上の架橋型発泡層を形成することにより、上述し
た課題を達成したものである。
【0032】従って、本発明によれば、発泡PVCを架
橋型にし、反発弾性率5%以上、かつ圧縮変形率50%
以上と規定することで、従来の発泡PVCの発泡率が高
くなると、塗膜が2mm以下の場合、衝撃吸収性が低下
し、防音性能が逆に非発泡PVCより劣る現象を防止す
ることが可能となり、かかる架橋型発泡PVC塗膜を1
〜4mmに形成した場合、非発泡PVC塗膜の石ハネ,
砂ハネ騒音レベルを著しく低減する騒音防止性を有し、
2mm厚みに塗布された場合においては、特に2m上方
から直径8mm、重さ2.08gのスチールボールを落
下させた場合、2.5〜10kHzの範囲の衝撃音が7
5dB以下のアンダーコート膜を形成し得、しかも自動
車の中塗り塗装及び上塗り塗装の乾燥、焼付工程と同時
に行うようにし得るものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。本発明の騒音防止用アンダーコート剤は、塩化
ビニル系樹脂をベースポリマーとし、これに有機発泡剤
と、充填剤と、可塑剤と、塩化ビニル系樹脂の架橋剤と
を配合し、更に必要により発泡助剤、吸湿剤、安定剤、
着色剤等を配合したものである。
【0034】ここで、塩化ビニル系樹脂(PVC)とし
ては、塩化ビニルのホモポリマー、塩化ビニルを主体と
し、これに他の共重合し得るモノマー、例えば酢酸ビニ
ル等を共重合させたコポリマー(塩化ビニル含有量50
重量%以上、特に70重量%以上)、−CH2ROH基
をもつ架橋性コポリマーの1種を単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0035】この場合、PVCとしては、平均粒径が5
μm以下、好ましくは3μm以下、更に好ましくは1.
5μm以下のものを使用する。平均粒径が5μmを超え
る粒径の大きいPVCの使用は、耐チッピング性を低下
させると共に、発泡面において異常発泡が生じ、外観面
上好ましくない。
【0036】更に、PVCとしては、平均重合度が25
00以下、好ましくは2000以下、更に好ましくは1
900以下のものが好ましい。平均重合度が高すぎるも
のは、耐チッピング性能等の発泡PVCの物性が低下す
るおそれがある。なお、平均重合度の下限は通常50
0、好ましくは850、更に好ましくは1000であ
る。
【0037】上記コポリマーとしては、塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマーが膨潤ゲル化性の点から好適に使用
されるが、この塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーにお
いて、酢酸ビニル含有量が1〜15重量%、特に3〜1
0重量%のものが好ましい。
【0038】なお、上記−CH2ROH基をもつ架橋性
コポリマーは、そのOH基が後述する架橋剤としてのブ
ロックイソシアネートと加熱時に反応し、ウレタン結合
を生成する。
【0039】次に、本発明において、PVCの発泡に用
いる有機発泡剤としては、分解温度が130〜180℃
にある発泡剤もしくは発泡助剤を加えることで分解温度
を130〜180℃にならしめる有機発泡剤又はこれら
の混合物を使用する。分解温度が180℃を超えるもの
は、120〜160℃の温度において良好に発泡せず、
一方、130℃より分解温度が低いものは、PVCが硬
化する前にガス抜けが生じ、発泡倍率1.2〜1.6倍
の良好な発泡PVCが得られない上、貯蔵安定性も劣
り、いずれも本発明の目的を達成し得ない。なお、未膨
張マイクロカプセルによる発泡は耐チッピング性を悪く
するので、本発明では使用し得ない。
【0040】具体的には、発泡剤として4,4’−オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド(OBSH)
が好適に使用し得、p−トルエンスルホニルアジド、p
−メチルウレタンベンゼンスルホニルヒドラジッドなど
を使用することができる。また、発泡剤混合物として
は、OBSHとアゾジカルボンアミド(ADCA)との
混合物などを好適なものとして挙げることができる。更
に、単独では分解温度が180℃を超えるが、発泡助剤
と併用することにより、分解温度を130〜180℃に
調整できるADCAも好適に使用することができる。な
お、OBSH等の分解温度が130〜180℃の範囲に
ある発泡剤や発泡剤混合物に発泡助剤を併用してもその
分解温度が130〜180℃にある限りは差し支えな
い。
【0041】発泡助剤としては公知のものを使用するこ
とができ、各種の金属酸化物(例えば酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム等)、金属石けん(例えばステアリン酸亜
鉛)、尿素化合物、アミン等が挙げられる。
【0042】上記130〜180℃に分解温度を有する
発泡剤もしくは発泡助剤を加えることで分解温度を13
0〜180℃にならしめる有機発泡剤又はこれらの混合
物の配合量は、本発明のアンダーコート剤を発泡させた
場合において、発泡温度が120℃以上で、かつ120
〜160℃の加熱範囲において発泡倍率が1.2〜1.
6倍となる量であるが、通常上記PVC100部(重量
部、以下同じ)に対し1〜3部であり、好ましくは、発
泡剤又は発泡剤混合物1〜2.5部、特に1.5〜2.
5部、発泡助剤0〜15部、特に1〜10部である。
【0043】本発明において、充填剤としては、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、クレー、珪藻土、シリカ、タ
ルク等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上
を組み合わせて使用することができる。また必要によ
り、ガラスバルーン、樹脂バルーン等の中空粒子を配合
することもできる。
【0044】充填剤の配合量は、上記PVC100部に
対し160〜500部とする。160部より少ないとス
プレー塗布時の流れ、吐出性が悪くなる。また、500
部より多くなると塗膜の物理的性能が劣化し、弾性が低
下する。
【0045】また、本発明において、可塑剤としては芳
香族系可塑剤を主体とし、これに沸点が150〜250
℃の低沸点可塑剤を組合せて使用することが有効であ
る。ここで、芳香族系可塑剤としては、ジブチルフタレ
ート(DBP)、ジヘキシルフタレート(DHP)、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−
オクチルフタレート(DnOP)、ジイソオクチルフタ
レート(DIOP)、ジデシルフタレート(DDP)、
ジノニルフタレート(DNP)、ジイソノニルフタレー
ト(DINP)、ジイソデシルフタレート(DID
P)、C6〜C10混合高級アルコールフタレート、ブチ
ルベンジルフタレート(BBP)、オクチルベンジルフ
タレート、ノニルベンジルフタレート、ブチルフタール
ブチルグリコレート(BPBG)等のフタール酸エステ
ル類、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシ
レニルホスフェート(TXP)、モノオクチルジフェニ
ルホスフェート、モノブチル−ジキシレニルホスフェー
ト(B−Z−X)等のリン酸エステル類、フェノール系
アルキルスルホン酸エステルなどを挙げることができ、
これらの1種を単独で又は2種以上を併用して使用する
ことができるが、これらの中ではフタール酸エステル
類、特にジアルキルフタレート、アルキルベンジルフタ
レートが好適に用いられる。
【0046】低沸点可塑剤としては、スプレー作業性の
改善などの点から沸点が150〜250℃の低沸点可塑
剤、例えば石油系炭化水素(パラフィン系、ナフテン
系、芳香族系)可塑剤などを配合する。その配合量はP
VC100部に対して5〜50部、好ましくは5〜40
部、更に好ましくは10〜30部とすることが好まし
い。50部より多いと焼付時に低沸点可塑剤が揮散し、
発泡倍率の低下と、焼付塗膜の亀裂や異常発泡が発生す
るおそれがある。
【0047】可塑剤の配合量は、PVC100部に対し
て180〜500部、特に180〜350部である。1
80部より少ないと、PVCゾルのゲル化速度が早ま
り、発泡セル形成に支障をきたし発泡倍率を低下せしめ
ると共に、焼付後の塗膜硬度も硬くなり、発泡PVCの
衝撃吸収性が低下して防音性能が低下する。一方、50
0部より多いと、焼付後の塗膜物性が柔らかくなりす
ぎ、耐チッピング性の確保ができず、本発明の目的を達
成し得ない。
【0048】本発明において、PVCの架橋剤としては
ブロックイソシアネートが有効に用いられる。架橋剤と
してブロックイソシアネートを用いることで、塩化ビニ
ル系樹脂(PVC)の−CH2ROH基をもつ架橋性コ
ポリマーに対し、そのOH基がブロックイソシアネート
と加熱時に反応し、架橋してウレタン結合を生成し、発
泡PVC塗膜に柔軟性、弾力性が付与され、衝撃吸収性
が向上し、音評価面で優れた効果が与えられる。また、
−CH2ROH基を有しない塩化ビニル系樹脂に対して
は、ブロックイソシアネート樹脂とポリアミドアミンの
併用でウレタン結合を生成させることにより架橋型発泡
PVC塗膜を得ることができる。更に、このようなウレ
タン塗膜の生成は発泡PVC塗膜の基材に対する密着性
を向上させる点から好ましく、耐水性、防錆性が顕著に
改善される。
【0049】その配合量はPVC100部に対して5〜
40部、特に10〜30部であることが好ましく、この
場合、ポリアミドアミンはPVC100部に対して0〜
30部、特に5〜20部、ブロックイソシアネートはP
VC100部に対して1〜35部、特に3〜25部であ
ることが好ましい。上記密着成分の配合量が5部より少
ないとその効果を十分発揮せず、40部より多いとPV
Cゾルが液粘性が上がり、スプレー作業性が低下するお
それがある。
【0050】また、本発明のアンダーコート剤には、酸
化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤をゾル中の
水分をキャッチして水分による発泡を防止し、発泡PV
Cの耐水性、耐腐食性を向上させる点からPVC100
部に対して0〜100部、特に10〜40部配合するこ
とができる。
【0051】更に、ジブチルすずラウレート系、亜鉛系
有機複合剤等のPVC安定剤を気泡調整剤としてPVC
100部に対して0〜5部、特に0.1〜3部配合する
ことができる。その他、着色剤として、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、カドミウムイエロー、フタロシアニン
ブルー等の顔料を用いることができ、PVC100部に
対し0〜5部、好ましくは1〜3部配合することができ
る。
【0052】本発明のアンダーコート剤は、上述したよ
うにPVC、分解温度が130〜180℃の有機発泡剤
もしくは発泡助剤を加えることで分解温度を130〜1
80℃にならしめる有機発泡剤又はこれらの混合物、充
填剤、可塑剤、架橋剤を必須成分とし、これに必要に応
じ上記他の任意成分を配合し、これら成分を上述した量
で使用することによって調製されるが、この場合、この
アンダーコート剤は発泡温度が120℃以上、特に12
0〜160℃で発泡倍率1.2〜1.6倍に発泡するも
のである。なお、発泡倍率1.2〜1.6倍になるため
の時間は20〜60分であることが好ましい。発泡倍率
が1.2倍より低いと、発泡PVCの衝撃吸収性が低下
し、防音性能が低下する。発泡倍率が1.6倍より高い
と、発泡PVCの耐チッピング性能が低下し、耐水性も
劣化する。また、発泡温度が120℃より低く、更に1
20〜160℃で発泡倍率1.2〜1.6倍とならない
ものは、自動車の塗装工程などに適応せず、いずれも本
発明の目的を達成し得ない。
【0053】本発明のアンダーコート剤は、特に自動車
の床裏部又はホイルハウス部のパネルに対するアンダー
コート用として好適であり、本発明のアンダーコート剤
を用いて自動車の床裏部やホイルハウス部のパネルにア
ンダーコート膜を形成する場合は、このアンダーコート
剤を上記パネルに塗布した後、120〜160℃に加熱
して発泡倍率1.2〜1.6倍の発泡PVC層を形成す
るものである。この場合、この発泡PVC層(膜)の厚
さは1〜4mm、好ましくは1.5〜4mm、更に好ま
しくは2〜4mmとすることが好適である。1mmより
薄いと、耐チッピング性の低下及び衝撃吸収性の低下に
よる防音性能の低下のおそれがある。一方、4mmより
厚いと、塗布量が多くなり、車体重量増、塗布作業性の
低下及び垂直部の垂れが懸念される。
【0054】本発明によれば、非発泡PVCを用いた場
合には、石ハネ騒音対策を考えると通常6mm以上の膜
厚が必要であるが、このようにアンダーコート膜が薄く
ても十分な騒音防止効果が発揮される。
【0055】なお、上記パネルにアンダーコート剤を塗
布する手段は特に制限されないが、スプレー塗布法が好
ましく、従って本発明のアンダーコート剤はスプレー塗
布用PVC発泡ゾルとして形成することが好ましい。ま
た、上記120〜160℃の加熱、発泡、硬化は、自動
車の塗装工程の中で、中塗り塗装及び上塗り塗装の乾
燥、焼付工程と同時に行うようにすることが推奨され
る。
【0056】また、アンダーコート方法としては、パネ
ル接合部に防水・防塵を目的として行われるシール吹き
塗布と、パネル一般面に防錆及び耐チッピング性を目的
として行われる面吹き塗布とがあり、通常、最初にシー
ル吹き塗布が行われ、その上から面吹き塗布が実施され
る。従って、両者が重なって塗布されるため、両層の乾
燥前(塗布時)における相溶性、乾燥後の密着性が要求
され、このためシール吹き塗布と面吹き塗布に用いるア
ンダーコート剤は同一系のものであることが好ましい
が、本発明のアンダーコート剤はシール吹き塗布と面吹
き塗布との両者に適用できるので、貯蔵タンク、配管、
塗布設備等、設備面及び作業性面において優れているも
のである。なお、本発明のアンダーコート剤をシール吹
き、面吹きの両者に用いる場合、シール吹き面がウェッ
ト状態のまま面吹きを行い、両者を同時に発泡、硬化さ
せることが好ましい。また、面吹き塗布としてのみ使用
される場合は、本発明のアンダーコート剤がPVC系で
あるため、シール吹き塗布用のアンダーコート剤として
は、相溶性、密着性の点でPVC系のものを用いること
が好ましい。
【0057】本発明のアンダーコート剤は、2層構成の
アンダーコート膜において、その下層のクッション材を
構成する使用法、或いは表層(上層)として使用する方
法、更には上下両層への使用といった2層型に適用する
ことも可能であるが、好ましくは単層型として使用す
る。即ち、単層型は作業性がよいのに対し、二層型は下
層のクッション材は物性の悪い素材の選定もでき、表皮
(上層材)を選ぶことで、物性、音性能両面で種々の組
み合わせが可能な反面、塗布時、二層でない部位が発
生した場合は下層材単体となり、耐水性、耐チッピング
性能の保証ができない、二層の構成比率がスプレー塗
布を行う場合、一定化しにくく、二層の性能にバラツキ
を生じやすい、作業面で管理しにくい等の問題点があ
る。
【0058】本発明のアンダーコート剤は、単層とした
場合でも耐チッピング性、騒音防止効果に優れ、しかも
上述したようにアンダーコート膜が薄くてもかかる効果
を発揮するので、単層型の作業性が良いというメリット
を十分享受することができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において、各性能のテスト
方法は以下の通りである。また、下記の例で“ウェッ
ト”とは、発泡、硬化前のゲル状態の塗膜を意味する。
【0060】[テスト方法]石ハネ音低減効果 1.6×300×300mmの電着塗装鋼板上の中央部
に190×190mmの面積で所定厚さの塗膜を形成
し、この鋼板を外寸法300×300mm、内寸法20
0×200mm、厚さ20mmの鋼鉄製四角枠で挟み、
この枠1を図1及び図2に示すように45°に傾けて配
置し、上記塗膜2の上方に内径25mm、長さ2mの塩
化ビニル樹脂製パイプ3を塗膜2の中心にスチールボー
ルが落下するように配置する。そして、直径8mm、重
さ2.08gのスチールボールをパイプ3から一個ずつ
落下させ、上記塗膜2にスチールボールが衝突したとき
に発生する衝撃音を測定する。この場合、パイプ3の下
端位置は塗膜2の中心の上方40mmとし、また衝撃音
を集音するマイクロホン4は、塗膜2の中心部より20
0mm真横で、パイプ3から40mm離間させた位置に
設置した。なお、結果は、8回の測定の平均値である。
【0061】またこの場合、塗膜を形成していない鋼板
の衝撃音は107dBであり、結果はこの衝撃音に比べ
てどの程度衝撃音が低減したかで評価した。
【0062】このテスト方法は従来のテスト方法に比
べ、実車での砂ハネ,石ハネ騒音評価結果に近似する。
【0063】実車の場合、ホイルハウス部は多くの形状
に加工された鋼板をスポット溶接することで組み立てら
れており、1.6mmの正方形の鋼板とは面剛性が異な
るが、種々の実験の繰返しで類似面剛性にする厚みが、
鋼板の形状、この鋼板を上記鋼鉄製四角枠で挟む等によ
って1.6mmであることが判明したものである。
【0064】このテスト方法(実車に近似)では、従来
の通常のテスト方法のブランク値が110dBであるの
に対し107dBとなり、また塗布物がある場合、従来
方法だと30dB低下するものが20dB低下になるな
ど、効果度が下がり、厳しい条件になるが、実車での結
果に近くなることで、テスト方法としてはより正確を期
している。
【0065】また、従来のテスト方法と異なるところ
は、従来はパーシャルオーバーオール値1〜5kHzの
範囲の騒音を0.8mm鋼板を用いて評価していたが、
この方法ではパーシャルオーバーオール値2.5〜10
kHzの範囲の騒音を1.6mmの鋼板を用いて評価し
ていることである。つまり、0〜10kHz値のオーバ
ーオール測定値が砂ハネ,石ハネ騒音の音の総量で騒音
の大きさを示す指標であるが、官能評価では2.5〜1
0kHz値でパーシャルオーバーオール値に比例してい
る。即ち、0〜2.5kHz値は車室内に使用されてい
る制振材やパネル剛性等で抑えられやすい(防音でき
る)が、周波数が高いものはパネルや車室内の制振材を
通過しやすいため、耳ざわりになること、及び高周波数
が官能面で悪くすることにより、2.5〜10kHz値
の低減をいかにするかが砂ハネ,石ハネ騒音対策の重要
な課題であることが明らかになってきたため、上記のよ
うな評価方法としたものである。
【0066】反発弾性率 スチールボール落下試験法に準じるが、試験片は水平に
置く。スチールボールの跳ね返り距離測定による反発弾
性率を求める。試料へ2m上方から垂直にスチールボー
ルを落下し、その時の跳ね返り距離(h2)を求め、そ
の8回の平均値で表示した。 反発弾性率=(h2/h1)×100(%) [h1=2(m),h2=跳ね返り距離(m)] 標準試料厚み:ウェット2mm塗布し、所定の焼付条件
で形成した塗膜。
【0067】圧縮変形率 上記反発弾性率の試料を評価試料とした。JISK28
08アスファルト針入度計試験機を利用し、測定を行っ
た。先端部は、針入度針の代わりにスチールボール8m
mφを取り付け、先端のスチールボールが試料表面に接
するまで調整し、これを零点とする。規定荷重をのせ、
5秒間加重をかけ、圧縮させた距離を読み取り、次式に
より算出する。 圧縮変形率=( 圧縮された厚み/未加重時の試料厚み)
×100(%) 荷重:各検定材料の圧縮距離の有意差判断のとれる荷重
として500gに設定した。 標準試料厚み:ウェット2mm塗布し、所定の焼付条件
で形成した塗膜。
【0068】発泡率 電着塗装鋼板上に試料がウェット2mmになるように塗
布し、規定条件で焼付後、乾燥後の厚みを測定し、焼付
前後の厚み比率で発泡率を算出した。なお、発泡率は、
例えば、0%:発泡しない,50%:1.5倍と表示す
る。
【0069】発泡状態 上記発泡率用テストピースで表面状態及びナイフカット
して内部状態を観察し、表面にふくれが発生しているか
否か、内部に不規則な大きな発泡があるか否かを評価し
た。 ○:異常なし ×:異常発泡
【0070】耐チッピング性 電着塗装を施した鋼板上に試料をウェットの膜厚が1m
mとなるように塗布し、130℃×20分間焼付けた。
上記試料を塗装面を上にして水平から60°の角度にセ
ットし、この塗膜面に垂直に立てた内径20mmで長さ
2mの塩化ビニルパイプの下端を当て、このパイプの上
端からパイプ内を通してJISに定められたM−4ナッ
トを落下させ、素地が露出するまでのナットの総重量を
測定した。
【0071】密着性 電着塗装を施した鋼板上に試料をウェット1mmに塗布
し、130℃×20分間焼付けた。焼付試料にカッター
ナイフで切り目を入れ、爪にて端末部から剥離を行い、
その剥離度合いで密着性の良否を決めた。 ○:凝集破壊 ×:界面破壊
【0072】防錆性 電着塗装板にその鋼板素地に至る5mmピッチの碁盤目
状になるようカットを入れ、次に、試料をウェット2m
mに塗布し、130℃×20分間焼付けた。焼付後の試
料の表面を乾燥後の膜厚が2mmになるようにカット
し、塩水噴霧試験機に10日間入れ、取り出して塗膜を
はがし、電着塗装板状の碁盤目状カット部分における錆
の発生の有無を確認した。表面カットは発泡塗膜の表皮
のない状態を作り上げ、吸水しやすい過酷な条件になる
ように意図的に試みたものである。比較のためにPVC
材(非発泡型)はウェット1mm、焼付後1mmでノー
カットとし、上記発泡PVCとの比較を行った。 評価基準 ○:異常なし ×:錆発生
【0073】耐水性試験 40℃の温水で焼付試料を10日間処理した後、室温で
2時間放置した試料について上記耐チッピング性試験を
行い、耐水後の耐チッピング性を求めた。なお、耐水性
の評価は下記式 (耐水後の耐チッピング性/初期の耐チッピング性)×
100(%) に基づくもので、数値が大きいほど耐水性が良好なもの
である。
【0074】貯蔵安定性 調製した試料を35℃で10日間蓋付きガラスびん中に
保存した後の粘度の増加による評価を行った。 ○:増粘傾向のないもの △:増粘が少し認められるもの ×:増粘するもの
【0075】〔実施例1、比較例1,2〕下記処方の架
橋発泡型PVCゾル及び非発泡型PVCゾルを用い、こ
れを130℃,20分で焼付を行って得られたアンダー
コート膜の反発弾性率、圧縮変形率及び防音性能を評価
した。結果を表1に示す。なお、評価はウェット厚み2
mmで比較した。また、架橋型発泡アンダーコートの発
泡率は42%であった。
【0076】 架橋発泡型PVCゾル処方 非発泡型PVCゾル処方 塩化ビニル樹脂A*1 60 100 塩化ビニル樹脂B*2 40 − 炭酸カルシウム 225 225 酸化チタン 2 2 発泡剤(OBSH) 2 − 架橋剤(ブロックイソシアネート) 10 − ポリアミドアミン − 10 酸化カルシウム 10 10 可塑剤(DINP) 225 225 低沸点可塑剤 20 20 合計 594 592 *1:ペーストポリ塩化ビニル樹脂 平均重合度1200,平均粒径1μm以下 *2:−CH2ROH基をもつ架橋型ポリ塩化ビニル樹脂 平均重合度1900,平均粒径1μm以下
【0077】
【表1】
【0078】表1の結果より、本発明によるアンダーコ
ート剤は、非発泡型のものと比較して、同じ厚さに塗布
した場合、騒音防止効果が優れたものであることが認め
られる。
【0079】〔実施例2、比較例3,4〕実施例1、比
較例2と同様の架橋発泡型PVCゾル及び非発泡型PV
Cゾルを用い、表2に示すように非発泡PVCアンダー
コート、架橋型発泡PVCアンダーコートそれぞれ単層
のものと、下層が架橋型発泡PVCアンダーコート,上
層が非発泡PVCアンダーコートの二層構造のものにつ
いて、その性能を評価した。この場合、架橋型発泡PV
Cアンダーコートの発泡率は50%であり、また二層構
造のアンダーコートにおいて非発泡PVCアンダーコー
トは0.3mmの厚さとした。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】表2の結果より、本発明のアンダーコート
剤は単層構成に形成して、十分な騒音防止効果を与える
ことが認められる。
【0082】〔実施例3、比較例5,6〕更に、実施例
1、比較例2と同様の架橋発泡型PVCゾル、非発泡型
PVCゾル及び制振材として使用されている損失係数値
の高いアスファルト系制振シート材を用い、これを13
0℃,20分で焼付を行って得られた塗膜の反発弾性
率、圧縮変形率及び防音性能を評価した。結果を表3に
示す。なお、評価はウェット厚み2mmで比較した。ま
た、架橋型発泡PVCアンダーコートの発泡率は42%
であった。
【0083】
【表3】
【0084】表3の結果より、本発明にかかるアンダー
コート剤は、損失係数値が低いにも拘らず、反発弾性
率、圧縮変形率共に大きいことにより、騒音防止効果が
優れたものであることが認められる。
【0085】〔実施例4〜6、比較例7〜12〕実施例
1の配合処方から発泡剤を除いたものをベースとして、
発泡剤としてOBSH又は未膨張バルーン(アクリロニ
トリル−メタクリル酸メチル共重合体未膨張バルーン)
を表4の発泡率になるように加えて、130℃,20分
で発泡させ、得られた発泡PVCの性能を評価した。結
果を表4に併記する。なお、評価はウェット厚み2mm
で行った。
【0086】
【表4】
【0087】表4の結果より、本発明にかかるアンダー
コート剤は、耐チッピング性、防錆性、騒音防止効果が
優れたものであることが認められる。これに対し、未膨
張バルーンを用いたものは、防音性能が劣る上に、耐チ
ッピング性能でも劣るものであった。
【0088】〔実施例7〜10、比較例13〜19〕表
5に示す処方のPVCゾルを調製し、これを130℃,
20分で発泡させ、得られた発泡PVCについて同表に
示す性能を評価した。なお、評価はウェット厚み2mm
で行った。
【0089】
【表5】 *1:平均重合度1200,平均粒径1μm以下 *2:平均重合度1900,平均粒径1μm以下,塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 *3:平均重合度1900,平均粒径1μm以下,−C
2ROH基含有塩化ビニル樹脂 *4:平均重合度1600,平均粒径10μm,塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合樹脂 *5:有機亜鉛系
【0090】表5の結果より、音評価POA値を75d
B以下にするためには、反発弾性率が5.0%以上必要
であることがわかる。また、POA値を75dB以下に
する条件として、圧縮変形率が50%以上の物性が必要
であるが、圧縮変形率がこの範囲内であっても十分では
なく、反発弾性率が5%以上であることが必要となる。
即ち、このことは、塗膜が柔らかすぎる発泡構造をとっ
た場合、塗膜の弾力性が乏しくなり、衝撃時の衝撃力を
吸収しきれず、パネルに伝達し、パネル振動放射騒音が
増加することにより発生するものと考えられる。
【0091】比較例14と実施例7,8において、PV
Cゾル配合組成に−OH基をもったPVCを用い、架橋
剤としてブロックイソシアネートを用い、ウレタン結合
の生成乃至はポリアミドアミンとブロックイソシアネー
トによるウレタン結合を形成する発泡PVCの架橋効果
によって騒音防止性が著しく改善されると共に、防錆性
も改善される。これは発泡PVC塗膜がウレタン架橋を
形成することで、柔軟弾力性が付与され、衝撃吸収性が
向上し、音評価面で優れた効果が与えられたものである
と考えられる。
【0092】〔実施例11,12、比較例20〜23〕
比較例2,16,17,19と実施例7,9のPVCゾ
ルを用い、これを130℃,20分で焼付を行って得ら
れたアンダーコート膜の厚み別に騒音防止性について評
価した結果を表6に示す。
【0093】
【表6】
【0094】表6より、架橋していない発泡PVC塗膜
は、塗膜厚み2mm以下では非発泡PVCに劣るのに対
し、架橋型発泡PVC塗膜は、塗膜厚み2mm以下にお
いても非発泡PVC塗膜比較で優れた防音性能を有する
ことがわかる。このことは、弾力性に優れた発泡塗膜が
衝撃を吸収することによるもので、単に発泡により増膜
し、柔軟性があっても騒音防止効果は得られず、逆に劣
る場合が生じる。また、発泡PVC塗膜の厚み増による
騒音防止効果は3〜4mmで目的の効果に達しているこ
とがわかる。
【0095】〔実施例13〜16、比較例24,25〕
表7に示す処方のPVCゾルを調製し、これを130
℃,20分で発泡させ、得られた発泡PVCについて同
表に示す性能を評価した。発泡率については120〜1
60℃で発泡させて焼付条件別の評価を行った。なお、
音評価以外の項目はウェット厚み2mmで評価した。
【0096】
【表7】 比較例24は非発泡PVCゾル配合を示す。 *1:平均重合度1200,平均粒径1μm以下 *2:平均重合度1900,平均粒径1μm以下,塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 *3:平均重合度1900,平均粒径1μm以下,−C
2ROH基含有塩化ビニル樹脂
【0097】表7の結果より、塩化ビニル樹脂と可塑剤
の選定によって、発泡状態を改善することができ、12
0〜160℃,20分で得られる発泡率の変動を少なく
することができる。発泡率が70%を超えると、均一な
独立気泡が形成しにくくなり、また塗膜厚みが2mm以
下で、騒音防止効果が低下することとなり、防音性能面
から発泡率は70%以下が望ましい。特に、耐チッピン
グ性及び耐水性、防錆性の面からみると発泡率は60%
以下が望ましい。
【0098】
【発明の効果】本発明のアンダーコート剤は、優れた耐
チッピング性及び耐水性を有し、パネル間隙をシールす
るシール吹き用アンダーコート剤として、また床裏一般
では耐チッピング剤として用いることができ、優れた石
ハネ,砂ハネ音による騒音の防止効果を持ち、2.5〜
10kHzの範囲における騒音を75dB以下にするこ
とも可能なアンダーコート膜を与えると共に、現行の自
動車塗装工程にそのまま適用でき、現行設備で対応可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】石ハネ音低減効果測定装置の側面図である。
【図2】石ハネ音低減効果測定装置の正面図である。
【符号の説明】
1 枠 2 塗膜 3 パイプ 4 マイクロホン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27/06 C08L 27/06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部、分解温
    度が130〜180℃の有機発泡剤もしくは発泡助剤を
    加えることで分解温度を130〜180℃にならしめる
    有機発泡剤又はこれらの混合物1〜3重量部、充填剤1
    60〜500重量部、可塑剤180〜500重量部、塩
    化ビニル系樹脂の架橋剤5〜40重量部を含有してな
    り、発泡温度が120℃以上であると共に、120〜1
    60℃における発泡倍率が1.2〜1.6倍であり、か
    つ反発弾性率5%以上、圧縮変形率50%以上の架橋型
    発泡層を形成することを特徴とする騒音防止用アンダー
    コート剤。
  2. 【請求項2】 有機発泡剤又は有機発泡剤混合物が、
    4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッ
    ド)もしくは4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニ
    ルヒドラジッド)とアゾジカルボンアミドとの混合物又
    はアゾジカルボンアミドと発泡助剤との混合物である請
    求項1記載のアンダーコート剤。
  3. 【請求項3】 可塑剤がフタル酸エステル系可塑剤であ
    る請求項1又は2記載のアンダーコート剤。
  4. 【請求項4】 架橋剤がブロックイソシアネート又はブ
    ロックイソシアネートとポリアミドアミンとの併用系で
    ある請求項1乃至3のいずれか1項記載のアンダーコー
    ト剤。
  5. 【請求項5】 可塑剤中に沸点が150〜250℃の低
    沸点可塑剤を5〜50重量部含む請求項1乃至4のいず
    れか1項記載のアンダーコート剤。
  6. 【請求項6】 自動車の床裏部又はホイルハウス部のパ
    ネルに対するアンダーコート用である請求項1乃至5の
    いずれか1項記載のアンダーコート剤。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれか1項記載のア
    ンダーコート剤を自動車の床裏部又はホイルハウス部の
    パネルに塗布し、発泡させてなり、発泡倍率が1.2〜
    1.6倍で厚さが1〜4mmである発泡塩化ビニル系樹
    脂層からなる騒音防止用アンダーコート膜。
  8. 【請求項8】 2m上方から直径8mm、重さ2.08
    gのスチールボールを落下させた場合における2.5〜
    10kHzの範囲の衝撃音が75dB以下である請求項
    7記載のアンダーコート膜。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5のいずれか1項記載のア
    ンダーコート剤を自動車の床裏部又はホイルハウス部の
    パネルに塗布した後、120〜160℃に加熱して発泡
    倍率が1.2〜1.6倍で厚さが1〜4mmである発泡
    塩化ビニル系樹脂層を形成することを特徴とする騒音防
    止用アンダーコート方法。
  10. 【請求項10】 上記加熱を自動車の中塗り塗装及び上
    塗り塗装の乾燥、焼付工程と同時に行うようにした請求
    項9記載のアンダーコート方法。
JP11041297A 1997-04-11 1997-04-11 騒音防止用アンダーコート剤、アンダーコート膜及びアンダーコート方法 Pending JPH10287825A (ja)

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