JPH10287532A - 発毛・育毛剤 - Google Patents

発毛・育毛剤

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JPH10287532A
JPH10287532A JP9100091A JP10009197A JPH10287532A JP H10287532 A JPH10287532 A JP H10287532A JP 9100091 A JP9100091 A JP 9100091A JP 10009197 A JP10009197 A JP 10009197A JP H10287532 A JPH10287532 A JP H10287532A
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keto
hair
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Takashi Ueno
隆司 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた効力を有する発毛・育毛剤を提供す
る。 【解決手段】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
を有効成分とする発毛・育毛剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、15−ケト−プ
ロスタグランジン化合物の発毛・育毛における新用途に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン類(以後プロスタグ
ランジンはPGとして示す)はひとおよび他の哺乳類の
組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性を示
す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するPG類
は一般的な構造特性として、式(A)に示すプロスタン
酸骨格を有する。
【0003】
【化1】
【0004】一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格
を持っている。天然PG類は5員環の構造特性によっ
て、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE
類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびP
GJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和および酸化
の存在および不存在によっても 下付1...13,14−不飽和−15−OH 下付2...5,6−および13,14−ジ不飽和−15
−OH 下付3...5,6−、13,14−および17,18−
トリ不飽和−15−OHとして、分類される。
【0005】さらに、PGF類は9位の水酸基の配置に
よってα(水酸基がアルファー配置である)およびβ
(水酸基がベータ配置である)に分類される。PGE1
やPGI2が発毛促進作用を有すること(特開昭61−
218510号)、ベラプロストなどのPGI2誘導体
が育毛養毛効果を有すること(特開平5−331025
号)は知られている。また、幾つかの15−ケト(すな
わち、水酸基の代わりに15位にオキソ基を持つ)−P
G類および13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG類
は、天然PGの代謝中に酵素の作用によって自然に産生
させる物質として知られている。さらに15−ケト−P
G化合物は、特開平1−104040号公報、特開昭6
4−52753号公報、特開平1−151552号公
報、特開平8−48665号公報等の明細書に記載され
ている。しかしながら、15−ケト−PG化合物が、発
毛・育毛作用を有することは未だ知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、優れた効
力を有する発毛・育毛剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、15−ケ
ト−PG化合物の生物活性について研究の結果、これら
を発毛・育毛促進を目的とする処置に使用し得ることを
見出して、この発明を完成したのである。すなわち、こ
の発明は、15−ケト−プロスタグランジン化合物を有
効成分とする、発毛・育毛剤を提供するものである。従
って、この発明の発毛・育毛剤は、禿頭症、毛髪の成長
不良等の処置に有用である。
【0008】この発明において、「処置」の語は、予
防、治療、軽減、悪化防止、悪化の軽減を含めたあらゆ
る疾患の管理を包含する。「15−ケト−プロスタグラ
ンジン化合物」は、以下15−ケト−PG化合物と略称
するが、いずれも13および14位の間の2重結合の存
在または不存在に関係なくプロスタン酸骨格の15位に
水酸基の代わりにオキソ基を持つあらゆるプロスタグラ
ンジン誘導体を含む。
【0009】この発明の15−ケト−PG化合物類の命
名に際しては式(A)に示したプロスタン酸の番号を用い
る。前記式(A)はC−20の基本骨格のものである
が、本発明では炭素数がこれによって限定されるもので
はない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボ
ン酸を1とし5員環に向って順に2〜7までをα鎖上の
炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜20ま
でをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する
場合、2位から順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場
合2位にカルボキシル基(1位)に代わる置換基がつい
たものとして命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少
する場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で
増加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基として
命名する。また、立体配置に関しては、特にことわりの
ないかぎり、上記基本骨格の有する立体配置に従うもの
とする。従って、ω鎖に10個の炭素原子を有する15
−ケト−PG化合物を15−ケト−20−エチル−PG
類と命名する。
【0010】上記式は最も典型的な配位である特定配置
を示すが、この明細書において、特にことわらない限り
化合物は 上記の配置を有するものとする。PGD類、
PGE類またはPGF類とは、一般にプロスタン酸の9
位および/または11位に水酸基を持つ化合物を指す
が、この発明の15−ケト−プロスタグランジン化合物
は9位および/または11位に他の基を有する化合物類
まで拡張して包含する。上記化合物類は9−デヒドロキ
シ−9−置換あるいは11−デヒドロキシ−11−置換
化合物類と称する。
【0011】前述のように、本明細書では15−ケト−
PG化合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいて行う。
これをIUPACに基づいて命名すると、例えば13,
14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フルオロ−
PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロ
キシ−2−〔(4R,S)−フルオロ−3−オキソ−1−
オクチル〕−5−オキソ−シクロペンチル}−ヘプト−
5−エン酸;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20
−エチル−11−デヒドロキシ11R−メチル−PGE
2メチルエステルはメチル 7−{(1R,2S,3S)−
3−メチル−2−〔3−オキソ−1−デシル〕−5−オ
キソシクロペンチル}−ヘプト−5−エノエート;1
3,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−19−メチル−
PGE2エチルエステルはエチル 7−{(1R,2S,3
S)−3−ヒドロキシ−2−(7−メチル−3−オキソ−
1−オクチル)−5−オキソ−シクロペンチル}−6−
オキソヘプタノエートである。13,14−ジヒドロ−
15−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエ
ステルはイソプロピル(Z)−7−〔(1R,2R,3R,5
S)−3,5−ジヒドロ−2−{3−オキソ−1−デシ
ル}シクロペンチル〕−ヘプト−5−エノエートであ
り;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−メチル
−PGF2αメチルエステルはメチル (Z)−7−〔(1
R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−{3
−オキソ−1−ノニル}−シクロペンチル〕−ヘプト−
5−エノエートである。
【0012】本発明において用いられる15−ケト−P
G化合物類は15位に水酸基の代わりにオキソ基を有す
るあらゆるPGの誘導体類であり得、さらに1つの一重
結合(15−ケト−PGタイプ1化合物類)、5位と6
位の間に1つの二重結合(15−ケト−PGタイプ2化
合物)、または5位と6位および17位と18位の間に
2つの二重結合(15−ケト−PGタイプ3化合物)を
有し得る。本発明に用い得る代表的な例は、15−ケト
−PGタイプ1、15−ケト−PGタイプ2、15−ケ
ト−PGタイプ3、13,14−ジヒドロ−15−ケト
−PGタイプ1、13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGタイプ2、13,14−ジヒドロ−15−ケト−P
Gタイプ3等およびそれらの誘導体である。
【0013】置換体または誘導体の例は、上記15−ケ
ト−PG類のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化さ
れた化合物、生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素
結合が2重結合あるいは5−6位の炭素結合が3重結合
を有する化合物、3位、5位、6位、16位、17位、
19位および/または20位の炭素に置換基を有する化
合物、11位の水酸基の代りに低級アルキル基またはヒ
ドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物等である。
【0014】この発明において3位、17位および/ま
たは19位の炭素原子に結合する置換基としては、例え
ば炭素数1〜4のアルキル基があげられ、特にメチル
基、エチル基があげられる。16位の炭素原子に結合す
る置換基としては、例えばメチル基、エチル基などの低
級アルキル基、水酸基あるいは塩素、ふっ素などのハロ
ゲン原子、トリフルオロメチルフェノキシ等のアリール
オキシ基があげられる。17位の炭素原子の置換基とし
ては、塩素、ふっ素等のハロゲンが挙げられる。20位
の炭素原子に結合する置換基としては、C1-4アルキル
のような飽和または不飽和の低級アルキル基、C1-4
ルコキシのような低級アルコキシ基、C1-4アルコキシ
−C1-4アルキルのような低級アルコキシアルキルを含
む。5位の炭素原子の置換基としては、塩素、ふっ素な
どのハロゲンを含む。6位の炭素原子の置換基として
は、カルボニル基を形成するオキソ基を含む。9位およ
び11位の炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルまた
は低級(ヒドロキシ)アルキル置換基を有する場合のこれ
らの基の立体配置はα,βまたはそれらの混合物であっ
てもかまわない。
【0015】さらに、上記誘導体は、ω鎖が天然のPG
類より短い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、フェノキ
シ基、フェニル基等の置換基を有するものであってもよ
い。特に好ましい化合物は、16位の炭素に例えばメチ
ル基、エチル基などの低級アルキル基を有する化合物、
塩素、ふっ素などのハロゲン原子を有する化合物、17
位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲンを有する化合
物、19位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低
級アルキル基を有する化合物、5位の炭素に塩素、ふっ
素などのハロゲンを有する化合物、6位の炭素にオキソ
基を有する化合物、20位の炭素に例えばメチル基、エ
チル基などの低級アルキル基を有する化合物であり、ま
た、16位の炭素以後のアルキル鎖の代わりにハロゲン
原子またはハロゲン化アルキル基等の置換基を有するこ
ともあるフェニル基あるいはフェノキシ基が16位の炭
素原子に結合した化合物である。
【0016】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【化2】 〔式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキソ
(但し、XおよびYの基の内少なくとも1つは水素以外
の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有し
ていてもよい)、Aは−CH2OH、−COCH2OH、
−COOHまたはその官能性誘導体、Bは−CH2−C
2−、−CH=CH−、−C≡C−、Q1およびQ2
水素、ハロゲンまた低級アルキルR1は非置換またはハ
ロゲン、オキソもしくはアリールで置換された、二価の
飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、R2
は非置換またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級ア
ルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級シクロアルキ
ル、アリールまたはアリールオキシで置換された、飽和
または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、低級シク
ロアルキル基、アリール基またはアリールオキシ基であ
る〕を有する。
【0017】上式中、R1およびR2における「不飽和」
の語は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、少
なくとも1つまたはそれ以上の2重結合および/または
3重結合を孤立、分離または連続して含むことを意味す
る。通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不
飽和は若い方の位置番号を表示することにより示し、連
続しない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示
して示す。好ましい不飽和は、2位の2重結合および5
位の2重結合または3重結合である。
【0018】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素
数1〜14の直鎖または分枝鎖(ただし、側鎖は炭素数
1〜3のものが好ましい)を有する炭化水素を意味し、
好ましくはR1の場合炭素数4〜10の炭化水素であ
り、R2の場合炭素数1〜10の炭化水素である。「ハ
ロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包
含する。「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素
原子数1〜6を有する基を包含するものである。「低級
アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝
鎖の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、
ペンチルおよびヘキシルを含む。「低級アルコキシ」の
語は、低級アルキルが上述と同意義である低級アルキル
−O−を意味する。
【0019】「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少
なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記のような
アルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒド
ロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル
−1−ヒドロキシエチルである。「低級アルカノイルオ
キシ」の語は、式RCO−O−(ここで、RCO−は上
記のような低級アルキルが酸化されて生じるアシル、例
えばアセチル)で示される基を意味する。「低級シクロ
アルキル基」の語は、炭素原子3個以上を含む上記のよ
うな低級アルキル基が閉環して生ずる基であり、例えば
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシルを含む。
【0020】「アリール」の語は、置換されていてもよ
い芳香性炭素環または複素環基(好ましくは単環性の
基)を包含し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよ
びチエニルを含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲ
ン置換低級アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低
級アルキル基は前記の意味)が含まれる。「アリールオ
キシ」の語は、式ArO−(ここで、Arは上記のような
アリール基)で示される基を意味する。
【0021】Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る
塩)、エステルおよびアミド類を含む。適当な「医薬上
許容し得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、
無機塩基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム
塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム
塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基と
の塩、例えばアミン塩(例えばメチルアミン塩、ジメチ
ルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン
塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールア
ミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン
塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメ
チル−モノエタノールアミン塩、リジン塩、プロカイン
塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアル
ギニン塩、リジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩
等があげられる。これらの塩類は、例えば対応する酸お
よび塩基から常套の方法によってまたは塩交換によって
製造し得る。
【0022】エステルの例としては、メチルエステル、
エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチ
ルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエ
チルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステ
ル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチ
ニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニル
エステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキ
シ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステル、
1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)
アルキルエステルのような脂肪族エステルおよび例えば
フェニルエステル、トシルエステル、t−ブチルフェニ
ルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフ
ェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所
望により置換されたアリールエステル、ベンジルエステ
ル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のア
リール(低級)アルキルエステルがあげられる。アミドと
しては、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミド
等のモノもしくはジ低級アルキルアミド、アニリド、ト
ルイジド等のアリールアミド、メチルスルホニルアミ
ド、エチルスルホニルアミド、トリルスルホニルアミド
等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミド等があ
げられる。
【0023】好ましいA基の例は、−COOH、−CO
OCH3、−COOCH2CH3、−COOCH(CH3
2、−CONHSO2CH3である。上記式(I)中、
環、αおよび/またはω鎖の配置は、天然のプロスタグ
ランジン類の配置と同様かまたは異なっていてもよい。
しかしながら、この発明は、天然の配置を有する化合物
および非天然の配置を有する化合物の混合物も包含す
る。
【0024】この発明の典型的な化合物類の例は、15
−ケト−PG類、13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PG類および6−オキソ誘導体、△2−誘導体、3R,S
−メチル誘導体、6−ケト誘導体、5R,S−フルオロ
誘導体、5,5−ジフルオロ誘導体、16R,S−メチル
誘導体、16,16−ジメチル誘導体、16R,S−フル
オロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導体、17S−
メチル誘導体、17R,S−フルオロ誘導体、17,17
−ジフルオロ誘導体、19−メチル誘導体、20−メチ
ル誘導体、20−エチル誘導体、19−デスメチル誘導
体、2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)誘
導体および16−デブチル−16−フェノキシ誘導体で
ある。
【0025】この発明で用いる15−ケト−PGE化合
物において、13,14位が飽和している場合に11位
のヒドロキシと15位のケト間のヘミアセタール形成に
より、ケト−ヘミアセタール平衡を生ずる場合がある。
このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在
比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動
し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在するこ
ともあるが、この発明においてはこれら両者を含むもの
とし、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケ
ト型の構造式または命名法によって化合物を表わすこと
があるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール
型の化合物を排除しようとするものではない。この発明
においては、個々の互変異性体、その混合物または光学
異性体、その混合物、ラセミ体、その他の立体異性体等
の異性体も、同じ目的に使用することが可能である。
【0026】この発明に使用する化合物のあるものは、
特開昭64−52753号、特開平1−104040
号、特開平1−151519号、特開平8−48665
号等に記載の方法によって製造し得る。別法として、こ
れらの化合物は、ここで記述したのと同様の方法または
既知方法によって製造し得る。
【0027】この発明で用いる化合物は動物およびヒト
用、特にヒト用の発毛・育毛材として使用することがで
きる。通常、発毛・育毛を必要とする部分へ局所的に外
用にて使用される。投与量は、年令、処置部分の状態、
所望の効果、投与方法、処置期間等により変化するが、
通常0.01−100μg/患部または1日2から4分
割用量または持続形態で投与する場合0.001〜50
0mg/kgの投与量で通常十分な効果がえられる。この発
明による外用剤としては、外用液または軟膏等が含まれ
る。外用液は、有効成分を無菌の水溶液、例えば生理食
塩水、緩衝液等に溶解させるかまたは用時溶解用に組合
せて作られる。軟膏は、基剤に有効成分を混合して作ら
れる。
【0028】
【実施例】以下、この発明を製剤例および試験例により
さらに詳細に説明するが、これらはこの発明を限定する
ものではない。製剤例 例1(軟膏) 下記に示すゼリー基剤に13,14−ジヒドロ−15−
ケト−16,16−ジフルオロ−PGE2を20μg/g
となるように混合した。 プロピレングリコール 10g カルボキシメチルセルロース 10g 滅菌精製水 80g
【0029】試験例 ・試験方法 マウス(C3H系雄性)8週齢(試験供試時体重26.3±
1.3g)を3週間の予備飼育後、背部毛髪を指先で抜毛
し、2.5×2.5cm角の部位を設定した。抜毛した日
を1日目として3日目より被験物質を含む溶液を1日1
回0.3ml抜毛部位に20日間塗布した。被験物質を
含む溶液は、被験物質を特級エタノール(キシダ化学)に
20μg/mとなるよう溶解し、試験に供した。対照群
には、特級エタノール(キシダ化学)のみを供した。
【0030】
【表1】
【0031】塗布開始後20日目に抜毛部位の数カ所か
ら、新たに生じた毛髪をサンプリングし、その中から無
作為に10本選んで実体顕微鏡下で接眼ミクロメーター
を用いて、毛長を測定した。測定した10本の毛髪の平
均値をその動物の毛長とした。毛長について第1群の媒
体対照群に対してStudent's t検定を行った。
【0032】・試験結果 塗布開始後20日目の毛長は媒体対照群6.34±0.1
7mm、被験物質群6.63±0.12mmであり、被験
物質群において媒体対照群の毛長に比較して有為(p<
0.01)な長毛化が認められた。
【0033】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    を有効成分とする発毛・育毛剤。
  2. 【請求項2】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグラ
    ンジン化合物である請求項1記載の発毛・育毛剤。
  3. 【請求項3】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、15−ケト−16−モノまたはジハロ−プロスタグ
    ランジン化合物である請求項1記載の発毛・育毛剤。
  4. 【請求項4】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−モノま
    たはジハロ−プロスタグランジン化合物である請求項1
    記載の発毛・育毛剤。
  5. 【請求項5】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、15−ケト−16−モノまたはジフルオロ−プロス
    タグランジン化合物である請求項1記載の発毛・育毛
    剤。
  6. 【請求項6】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−モノま
    たはジフルオロ−プロスタグランジン化合物である請求
    項1記載の発毛・育毛剤。
  7. 【請求項7】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、15−ケト−プロスタグランジンE化合物である請
    求項1記載の発毛・育毛剤。
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