JPH1028468A - キノコ栽培用培地の製造法及び培地 - Google Patents

キノコ栽培用培地の製造法及び培地

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JPH1028468A
JPH1028468A JP8184448A JP18444896A JPH1028468A JP H1028468 A JPH1028468 A JP H1028468A JP 8184448 A JP8184448 A JP 8184448A JP 18444896 A JP18444896 A JP 18444896A JP H1028468 A JPH1028468 A JP H1028468A
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JP
Japan
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mushroom
water
hemicellulose
soluble
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JP8184448A
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English (en)
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Taro Takahashi
太郎 高橋
Yuichi Maeda
裕一 前田
Mamoru Segawa
守 瀬川
Yoichi Fukuda
洋一 福田
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キノコの発生不良や雑菌類による汚染を防止
し、収量を改善し得るキノコ栽培用培地を製造する方法
及び培地を提供することを目的とする。 【解決手段】水溶性ヘミセルロースを培地に添加混合す
ることを特徴とする、キノコ栽培用培地の製造法、及び
水溶性ヘミセルロースを添加して成るキノコ栽培用培
地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キノコ栽培用培地の製
造法及び培地に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、キノコ栽培用の培地には、原料
としてオガクズと米ヌカを混合したものが使用されてい
る。一方、キノコの発生不良あるいは雑菌類による汚染
を防止する為に、培地に栽培用の補助剤を添加したり、
あるいは培地のpHを酸性にする試みがなされている(特
開平2-177820号公報、特開昭59-118018 号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、キノコ栽
培用の培地について、キノコの発生不良防止あるいは雑
菌類による汚染防止の為に検討が種々なされているが、
添加剤による副作用、培地pHの低下によるキノコの発生
不良等が生じ、必ずしも満足できる効果が得られていな
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、水溶性のヘミセルロース、特
に豆類の水溶性ヘミセルロースをキノコ栽培用培地に配
合する事により、キノコの発生不良を防止し、さらに雑
菌類による汚染をも防止して、キノコの収量が改善でき
るという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて
完成されたものである。
【0005】すなわち本発明は、水溶性ヘミセルロース
を培地に添加混合することを特徴とするキノコ栽培用培
地の製造法、および水溶性ヘミセルロースを添加して成
るキノコ栽培用培地、である。
【0006】本発明における水溶性ヘミセルロースは豆
類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好まし
い。
【0007】水溶性ヘミセルロースは、その分子量がど
の様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100 万である
のが好ましい。なお、この水溶性ヘミセルロースの平均
分子量は標準プルラン(昭和電工(株)販)を標準物質
として0.1 MのNaNO3 溶液中の粘度を測定する極限粘度
法で求めた値である。
【0008】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から弱酸性ないし酸性域にて加熱溶出させる
か、場合によっては酵素により分解溶出させることがで
きる。水溶性ヘミセルロース製造法の一例を示すと以下
の通りである。
【0009】油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コ
ーン、綿実などから油脂や蛋白質を除いた粕、あるいは
穀類、例えば米、小麦などから澱粉等を除いた粕等の植
物を原料とすることができる。原料が大豆であれば、豆
乳や豆腐、分離大豆蛋白を製造する際に副生するオカラ
を利用することができる。
【0010】これらの原料から弱酸性ないし酸性の条件
下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpH、具体的
にはpH3〜6.8 、好ましくはpH4〜6で、好ましくは18
0 ℃以下120 ℃以上、より好ましくは150 ℃以下122 ℃
以上にて加熱抽出して水溶性画分を分取した後にpHを6
〜8に調整し、そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理
あるいは樹脂吸着処理或いはエタノール沈澱処理して疎
水性物質あるいは低分子物質を除去精製後に乾燥するこ
とによって、水溶性ヘミセルロースを得ることができ
る。
【0011】また、この水溶性ヘミセルロースは加熱溶
出されていれば不溶性の画分と分離する必要は無く、抽
出されたスラリーをそのまま使用する事も可能である。
但し、使用に際しては予めpHを6〜8に調整しておく必
要がある。
【0012】本発明で例示される培地の材料としては、
有効成分である水溶性ヘミセルロースが溶出された状態
で添加されいるか、または抽出物が添加されていれば他
に何ら制限が無く、一般にキノコの培地に使用されるス
ギ、ブナ、ケヤキ、ナラ、ヒノキ、カシ、モミ、トチ、
カエデ、サクラ、クリ、カラマツ、アカマツ等のオガク
ズならびにモミガラ、コーンコブ、ワラ、バガス、ソバ
ガラ、アワガラ等が支持体として使用でき、また、米ヌ
カ、フスマ、コーンブラン、オカラ、コーヒー粕、ビー
ル粕等が栄養源として使用可能である。さらに、コメ澱
粉、コーン澱粉等の澱粉類、小麦胚芽、大豆胚軸、酵
母、肉汁、ペプトン、牛乳、卵白、卵殻、魚粉、貝殻、
キチン、炭酸カルシウム等の各種ミネラル成分等の栽培
用補助剤も適宜使用可能である。
【0013】また、本培地は、ヒラタケ、シイタケ、マ
イタケ、シメジ、エノキタケ、ナメコ、シロタモギタ
ケ、タモギタケ、クリタケ、キクラゲ等の食用キノコな
らびにサルノコシカケ等の薬用キノコ等の種々のキノコ
類に対して適用可能である。
【0014】本発明における水溶性ヘミセルロースの添
加量としては、培地中に0.05〜10重量% がよく、好まし
くは0.1 〜5重量% 、さらに好ましくは0.2 〜2重量%
がよい。配合量が下限未満では、水溶性ヘミセルロース
の添加効果が発揮されず、また上限を越えて添加すると
培地中の支持体量が低下して良好な培地を形成し難くな
る。本発明においては、水溶性ヘミセルロースをキノコ
栽培用培地の原料として使用した場合、キノコの発生不
良を防止し、さらに雑菌類による汚染をも防止して、キ
ノコの収量が改善できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
【0016】○ 水溶性大豆ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに2倍
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調製して、125 ℃で
1.5 時間加熱抽出し、冷却後遠心分離して(10000 G ×
30分)、上澄と沈澱に分離した。上澄は中和後乾燥して
水溶性大豆ヘミセルロースとした。一方、沈澱も別に中
和後、乾燥して抽出残渣とした。
【0017】前記加熱抽出物を、冷却後そのまま中和、
乾燥して水溶性大豆ヘミセルロース溶出オカラを得た。
【0018】得られた水溶性大豆ヘミセルロース、抽出
残渣、ならびに水溶性大豆ヘミセルロース溶出オカラの
一般成分は常法により、水溶性の大豆ヘミセルロース含
有量は10倍量の水で2回洗浄して溶出される可溶性炭水
化物量をガラクトースを標準物質としてフェノール硫酸
法により、pHは10倍加水時にガラス電極により測定し
た。結果を以下にまとめる。 ─────────────────────────────────── 水溶性大豆 抽出残渣 溶出オカラ ヘミセルロース ──────────────────────────────────── 水 分 2.3% 3.9% 1.5% 粗蛋白 7.7% 39.5% 19.7% 粗灰分 5.4% 3.9% 4.9% 水溶性ヘミセルロース 81.6% 9.2% 53.2% pH 6.2 6.5 6.2 ───────────────────────────────────
【0019】実施例1 スギのオガクズ2kgと米ヌカ500gと水溶性大豆ヘミセル
ロース50g の混合物に、水を加え水分含量65% の培地と
した。この培地を850ml 容積のポリプロピレン製容器14
本に500gずつ充填し、120 ℃、1時間加熱殺菌を行っ
た。殺菌後冷却を行い、ヒラタケ菌10g を植菌した。植
菌後、温度22℃、湿度65% で25日培養を行い菌掻きを行
った。菌掻き後、温度15℃、湿度90〜95% の条件下にお
いたところ10日目から15日目にかけて1瓶当たり平均13
3gのヒラタケが収穫できた。なお、ヒラタケが発生しな
かった瓶および雑菌に汚染された瓶は1本もなかった。
【0020】実施例2 実施例1において、米ヌカ500gと水溶性大豆ヘミセルロ
ース50g を用いる代わりに、抽出残渣550gを使用した以
外は実施例1と同様にしてヒラタケを栽培したところ、
ヒラタケが発生しなかった瓶および雑菌に汚染された瓶
は1本もなく、1瓶当たり平均102gのヒラタケが収穫で
きた。
【0021】実施例3 実施例1において、米ヌカ500gと水溶性大豆ヘミセルロ
ース50g を用いる代わりに、米ヌカ450gと水溶性大豆ヘ
ミセルロース溶出オカラ100gを使用した以外は実施例1
と同様にしてヒラタケを栽培したところ、ヒラタケが発
生しなかった瓶および雑菌に汚染された瓶は1本もな
く、1瓶当たり平均124gのヒラタケが収穫できた。
【0022】比較例1 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース50g を用い
る代わりに、米ヌカ50g を使用した以外は実施例1と同
様にしてヒラタケを栽培したところ、雑菌に汚染された
瓶が3本あり、また1瓶当たりのヒラタケ収穫量の平均
は95g であった。
【0023】比較例2 比較例1において米ヌカ550gを用いる代わりに、米ヌカ
500gと無処理の乾燥オカラ50g を使用した以外は比較例
1と同様にしてヒラタケを栽培したところ、ヒラタケの
発生が非常に少なかった瓶が1本と、雑菌に汚染された
瓶が3本あり、1瓶当たりのヒラタケ収穫量の平均は80
g となった。
【0024】実施例4 ブナのオガクズ2kgと米ヌカ500gと水溶性大豆ヘミセル
ロース50g の混合物に、水を加え水分含量65重量% の培
地とした。この培地をポリプロピレン製の栽培袋7袋に
1kgずつ充填して立方体に成形後、120 ℃、1時間の加
熱殺菌を行った。殺菌後冷却を行い、シイタケ菌10g を
植菌した。植菌後、温度22℃、湿度65%で90日間の培養
を行った。その後、培地を袋から出し温度15℃、湿度90
〜95% の条件下におき、シイタケを発生させたところ、
15日目から50日目にかけて1袋当り平均252gのシイタケ
が収穫できた。なお、シイタケが発生しなかった培地お
よび雑菌に汚染された培地は1個もなかった。
【0025】実施例5 実施例1において、1回目のシイタケ収穫後に水溶性大
豆ヘミセルロースの1%溶液に培地を浸漬して培地の水分
ならびに水溶性大豆ヘミセルロースの補給を行ったとこ
ろ、その後のシイタケ収量が増加し、1袋当り平均285g
のシイタケが収穫できた。なお、シイタケが発生しなか
った培地および雑菌に汚染された培地は1個もなかっ
た。
【0026】比較例3 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース50g を用い
る代わりに、米ヌカ50g を使用した以外は実施例1と同
様にしてシイタケを栽培したところ、シイタケが発生し
なかった培地が2個あり、また、雑菌に汚染された培地
も1個あり、培地1個当たりのシイタケ収穫量の平均は
193gとなった。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明における水溶性ヘ
ミセルロースをキノコ栽培用培地の原料として使用する
と、キノコの発生不良を防止し、さらに雑菌類による汚
染をも防止して、キノコの収量が改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 守 大阪府大阪市中央区西心斎橋2丁目1番5 号 不二製油株式会社内 (72)発明者 福田 洋一 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性ヘミセルロースを培地に添加混合す
    ることを特徴とする、キノコ栽培用培地の製造法。
  2. 【請求項2】水溶性ヘミセルロースの添加量が、培地全
    量に対し0.05〜10重量% である、請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】水溶性ヘミセルロースが大豆から抽出され
    たものである、請求項1または2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】水溶性ヘミセルロースの抽出が弱酸性ない
    し酸性域で行われたものである、請求項1〜3の何れか
    に記載の製造法。
  5. 【請求項5】水溶性ヘミセルロースを添加して成るキノ
    コ栽培用培地。
JP8184448A 1996-07-15 1996-07-15 キノコ栽培用培地の製造法及び培地 Pending JPH1028468A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101165299B1 (ko) 2010-02-11 2012-07-19 박정헌 톱밥 지면재배를 이용한 개암버섯의 생산방법
JP2019118278A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 株式会社ハイファ研究所 コーヒーの抽出滓を使用するハナビラタケ及びマイタケの栽培方法並びに機能性成分を強化したハナビラタケ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101165299B1 (ko) 2010-02-11 2012-07-19 박정헌 톱밥 지면재배를 이용한 개암버섯의 생산방법
JP2019118278A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 株式会社ハイファ研究所 コーヒーの抽出滓を使用するハナビラタケ及びマイタケの栽培方法並びに機能性成分を強化したハナビラタケ

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