JPH10282611A - 放射線医学画像形成用システム及び方法 - Google Patents

放射線医学画像形成用システム及び方法

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JPH10282611A
JPH10282611A JP6447098A JP6447098A JPH10282611A JP H10282611 A JPH10282611 A JP H10282611A JP 6447098 A JP6447098 A JP 6447098A JP 6447098 A JP6447098 A JP 6447098A JP H10282611 A JPH10282611 A JP H10282611A
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silver
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layer
emulsion
particles
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JP6447098A
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Ann Verbeeck
アン・ヴェルビーク
Freddy Henderickx
フレディ・アンデリックス
Johan Loccufier
ヨアン・ロックフィー
Peter Verrept
ペテル・ヴェレプ
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Agfa Gevaert NV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化銀リッチの乳剤結晶を用いてフィルム−
スクリーンシステムの必要な高速度を達成することにあ
る。 【解決手段】 支持体上に少なくとも一つの緑光放出リ
ン光体の層、及びそれと作用的に組合した予備硬化感光
性写真ハロゲン化銀フィルム材料を含み、かつ支持体及
びその両側に一つ以上の親水性コロイド層を含み、前記
層が35℃で脱イオン水中に2分間前記材料を浸漬した
後200%未満に膨潤度が低下する程度に硬化されてお
り、前記親水性層の少なくとも一つ中に、化学熟成され
た立方晶塩沃化銀粒子又は化学熟成された{111}平
板状塩沃化銀粒子を含有する放射線医学画像の画像形成
システムであり、前記画像形成システムにおいて、前記
塩沃化銀粒子が、セレン化銀を発生する一種以上のセレ
ン化合物で化学的に増感されていることを特徴とする画
像形成システムにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、増感スクリーンとの作用的組合せで好適なフ
ィルム材料による放射線医学写真画像形成用システム及
び画像形成法に関する。
【0002】発明の背景 最近10年間、好ましくは最少の放射線量でX線に患者
を露光した後、真に短い時間で画像を得ることが医学診
断において依然として続いている要求である。患者の露
光と放射線医師による検査の間の合計時間についての決
定的影響を有する重要な工程は処理時間である。塩化銀
リッチの結晶を有する乳剤から被覆した材料は、US−
A 5397687及び5464730;EP−A 0
678772及び0794456に証明されている如
く、臭化銀又は臭沃化銀リッチの乳剤から被覆された材
料と比較したとき迅速処理に関しては有利である(塩化
銀リッチの結晶に対する短い現像時間及び定着時間)。
これらの文献は、0.65μm未満の結晶直径を有する
塩化銀リッチの小さい立方晶粒子及び塩化銀リッチの平
板状粒子乳剤を用いる種々の用途において実行可能な例
証である。
【0003】画像が、フィルム材料が感光性にされた適
切な可視光に対し露光されたハロゲン化銀写真フィルム
材料から発生し(前記可視光は増感スクリーンと密着し
て保たれたX線照射された増感スクリーンの変換によっ
て発生する)、続いて前記フィルム材料の処理をすると
き、前述した迅速処理条件において、それは、現像され
た銀の良好な画像色調(色相)好ましくは純粋に黒い画
像及び高被覆力を得るための重要な要件である。前記画
像色調は、一側での立方晶ハロゲン化銀乳剤の結晶粒
度、及び他の側での平板状ハロゲン化銀粒子の厚さ及び
アスペクト比と密接に関連している(EP−A 055
5897及び0569075から明らかな通りであ
る)。従って小さいアスペクト比を有する厚い平板状粒
子が、好適な黒画像色調に有利であり、一方立方晶粒子
に対しては小さい球等価直径が、ある程度まで、より
“純な黒い”画像色調を与えることが良く知られてい
る。
【0004】湿式処理条件においては、前記材料の処理
後の化学的廃物は好ましくは最少量に減少させるべきで
あることは明らかである。従って現像液及び定着液の補
給量を減少させることが推奨されている。特にハロゲン
化銀写真材料が、強力に硬化されているとき、液体処理
溶液及び洗浄水のクロスオーバーが最小に減少され、処
理される材料の乾燥時間をかなり減少させることができ
る。
【0005】さもなければ、顧客のレベルで環境の負担
を最少にするため、画像形成のための生態学的問題に適
切にされたシステム又は環境に優しいシステムに対する
要求がある:従ってハロゲン化銀材料中のハロゲン化銀
の好ましい低い被覆量が、現像された結晶の好ましい高
い被覆力について重荷になることがある、それは平板状
粒子と比較したとき立方晶結晶を使用したとき益々大で
ある。前記平板状粒子については、US−P 4414
340に、かかる粒子から被覆したハロゲン化銀材料の
高硬化レベルが、好ましいレベルで現像された粒子の被
覆力を維持することが記載されている。EP−A 07
09730及び1996年12月30日出願のEP出願
No.96203728に、用いられた化学組成を有する
現像液が、被覆力を有利に増大させることが更に示され
ている。
【0006】強力に硬化されたハロゲン化銀写真材料
は、例えばUS−A 5296342に記載されている
如く、硬化剤を含有しない濃厚現像及び定着溶液を用い
ることの利点を提供しており、これも環境問題に有利で
ある。
【0007】ハロゲン化銀写真フィルム材料の製造業者
の側からは、従って薬品の少量の消費に有利なハロゲン
化銀の少量から被覆された強力に硬化されたフィルムを
提供することが最も重要である、この場合短い(迅速)
処理時間で、速度及び被覆力を失うことなく、硬化剤を
含まぬ処理溶液を使用する処理サイクルで処理できるこ
とが重要である。写真材料のゼラチン鎖の効率的な架橋
が実際に、12未満のアスペクト比を有する平らな平板
状乳剤粒子又は0.65μm未満の粒子直径を有する立
方晶乳剤結晶を含む前記材料の処理サイクル中での水吸
収量を減少する。
【0008】しかしながら、特に前述した厳しく制限さ
れた環境の下で、一方で結晶晶癖及び/又は組成の側か
ら、そして他方で化学的及び/又はスペクトル増感の側
から前記結晶の感度(速度)を更に改良するための依然
として続いている要求がある。化学熟成法について見る
と、セレン増感剤の使用が、特に最近10年で進歩して
きた。塩化銀リッチの乳剤粒子の化学熟成に関連した特
許文献は、例えばEP−A 0443453;0454
278;0458278;0513748;05905
93;0661589及び0718674、及びUS−
A 4810626;5306613及び534885
0に見出すことができる、これらの場合、セレン増感剤
が、少なくとも金そして場合によって硫黄の如き他の増
感剤と共に通常使用されている。
【0009】発明の目的 従って本発明の目的は、増感スクリーンと作用的に組合
せた形での好適な両側被覆又は二重被覆ハロゲン化銀写
真フィルム材料によって提供される、いわゆる“40
0”−速度(高速度)を有する放射線医学用画像形成の
ためのシステムを提供することにある、この場合X線照
射に対して露光後、画像が硬化剤不含処理で形成され、
環境問題に有利な、薬品の最少の補給量の使用をし、3
0秒〜50秒未満の乾燥から乾燥までのサイクル内で、
かつ前記“400”速度の外に好適な黒画像色調を提供
する。
【0010】特に本発明の目的は、塩化銀リッチの乳剤
結晶を有するフィルム−スクリーンシステムの要求され
る高速度を達成することにある。
【0011】発明の概要 本発明によれば、放射線医学用画像のための画像形成シ
ステムを提供し、前記システムは、支持体上に緑光発光
リン光体の少なくとも一つの層を含む増感スクリーン、
及びそれと作用的に組合せた形での、支持体及びその両
側に一つ以上の親水性コロイド層を含む予備硬化した感
光性写真ハロゲン化銀フィルム材料からなり、前記層
は、35℃の脱イオン水中に2分間前記材料を浸漬した
後200%未満までそれらの膨潤度が低下される程度に
硬化されており;前記親水性層の少なくとも一つ中に、
0.40μm〜0.65μmの平均結晶直径を有する化
学的に熟成された単分散立方晶塩沃化銀粒子、又は20
〜200の平板度(tabularity)及び5〜20のアスペ
クト比を有する化学的に熟成された{111}平板状塩
沃化銀粒子を含有し;前記粒子は、520〜580nm
の波長範囲に対してスペクトル増感されており、540
〜550μmの最大吸収を有し、1m2 について6g〜
8gの銀の全量(前記量は1m2 についての硝酸銀の当
量として表示)で被覆されている;そして前記画像形成
システムにおいて、100〜200mVの、飽和銀/塩
化銀参照電極及び銀電極の間の電位差で、45℃〜70
℃の温度で、前記粒子を含む乳剤中でセレン化銀を発生
する一種以上のセレン化物化合物で化学的に増感されて
いることを特徴としている。
【0012】発明の詳述 全く意外なことに、本発明による画像形成システムの材
料からの感光性乳剤層が、単分散粒子分布及び0.40
μm〜0.65μmの平均粒度を有する比較的小さい立
方晶塩沃化銀結晶、又は20〜200の平板度(アスペ
クト比と結晶の厚さの間の比として定義される)及び5
〜20のアスペクト比を有する{111}平板状塩沃化
銀粒子を含むときでさえも、前述した両種の晶癖に対し
て、現像後褐色着色銀へのシフトが見られないことで、
画像色調の劣化なしに充分な速度が達成されることを、
本発明者等の実験から明らかになった。
【0013】従って、一種以上の不安定なセレン化合物
で前記塩沃化銀粒子を化学的に増感することが要件であ
る。
【0014】不安定性セレン増感剤の特定の良く知られ
ている例には、イソセレノシアネート(例えばアリルイ
ソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレノシアネー
ト)、セレノ尿素、セレノケトン、セレノアミド、セレ
ノカルボン酸(例えば2−セレノプロピオン酸及び2−
セレノ酪酸)、セレノエステル、ジアシルセレナイド
(例えばビス(3−クロロ−2,6−ジメトキシベンゾ
イル)セレナイド)、セレノホスフェート、ホスフィン
セレナイド(例えばトリフェニルホスホルセレナイド)
及びコロイド状元素状セレンがある。
【0015】しかしながら本発明においては、不安定な
セレン化合物は、100〜200mVのみの、飽和銀/
塩化銀参照電極と銀電極の間の電位差で、45℃〜70
℃の温度で前記粒子を含む乳剤中でセレン化銀を発生す
べきである。例えば、トリフェニルホスホルセレナイド
は、本発明の画像形成システムにおいて使用材料中で被
覆された塩沃化銀乳剤結晶にとって好適な化学増感剤で
ないことが証明できた(実施例も参照のこと)。
【0016】上に示したこれらの良く規定された情況に
おいてのみ、本発明の画像形成システムにおける所望の
センシトメトリー安定性を有し、かつ低いかぶりレベル
で、要求される速度に達することができる。
【0017】従って、本発明による画像形成システムで
使用する塩沃化銀乳剤(この場合沈澱及び再分散後、化
学増感剤を加えない限り“基本”又は“非熟成”とも称
する)に前述した条件の下でセレン化銀を発生するセレ
ン化合物の添加が必要である。かかるセレン化合物は、
置換セレノウレウム(selenoureum )、置換トリフェニ
ルホスフィンセレナイド及び置換及び非置換トリフェニ
ルオルソホスフェートセレナイドからなる群から選択し
た化合物が好ましい。
【0018】これらの群の特別の化合物を後掲の式I〜
VII に示す、しかしこれらに限定するものではない:
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】前述した温度及び電位の条件においてのみ
セレン化銀を発生するこれらの化学増感剤の一種以上
が、本発明によるスクリーン−フィルム画像形成システ
ムの放射線写真材料の感光性親水性層中の一つ以上の乳
剤中で被覆された本質的に立方晶又は{111}平板状
塩沃化銀結晶に適用される化学増感法において従って好
ましい。
【0027】好ましい例において、前記単分散立方晶粒
子及び/又は{111}平板状塩沃化銀粒子は、更に一
種以上の硫黄及び/又は金化合物で化学的に熟成すべき
である。
【0028】塩沃化銀粒子の化学熟成のためのセレン増
感剤の使用に関する特許文献は、EP−A 04434
53;0454278;0458278;051374
8;0590593;0661589及び071867
4、及びUS−A 4810626;5306613及
び5348850に見出すことができる、これらの中で
前記セレン増感剤は通常、少なくとも金及び場合によっ
て硫黄の如き他の増感剤と共に使用される。
【0029】硫黄を提供する特に有用な不安定化合物に
は、テトラメチル−チオジチオ酢酸ジアミド(これは本
発明の関係において好んで使用される)、ジメチルアミ
ノ−ジチオメルカプタン、チオサルフェート及びチオス
ルホネート化合物からなる群から選択したより好ましい
化合物がある。他の有用な化合物には、例えばP. Glafk
idesによる“Chimie et Physique Photographiqu
e”,G. F. Duffinによる“Photographic Emulsion C
hemistry ”,V. L. Zelikman等による“Makingand Co
ating Photographic Emulsion”、及びAkademische
Verlagsgesellschaft(1968年)発行、H. Frieser
による“Die Gundlagen der Photographischen Pro
zesse mit Silberhalogeniden ”に記載されているも
のがある。
【0030】前記文献に記載されている如く、化学増感
は、例えばチオサルフェート、チオシアネート、チオ尿
素、サルファイト、メルカプト化合物、ローダミン等の
如き硫黄を含有する化合物の少量の存在下に熟成を行う
ことによって行うことができる、この場合必要なセレン
増感剤と共に金−硫黄熟成剤の組合せが最も好ましい。
しかしながら、それによって非常に少量での例えばテル
ロサルフェート、テルロシアネート、テルロ尿素の如き
テルル化合物の添加を除外するものではない。更にGB
−A 789823に記載されている如き錫化合物の如
きレダクター、アミン、ヒドラジン誘導体、ホルムアミ
ジン−スルフィン酸、及びシラン化合物を使用できる、
しかし制御できない方法でのかぶり形成から乳剤を防ぐ
ための注意を払うべきである。
【0031】セレン化合物の標準量は、銀1molにつ
いて1×10-5〜1×10-7molの範囲である、一方
金化合物(塩化金又は金チオシアネートの如き)の標準
量は、銀1molについて1×10-5〜2.5×10-5
molの範囲である。
【0032】前述した如く、塩化物リッチのハロゲン化
銀乳剤結晶の化学熟成における還元剤の使用は、好まし
くない、しかし条件によっては除外するものでなく、ス
ペクトル増感剤、かぶり抑制剤又は安定剤、例えばUS
−A 5242791に記載されている置換複素環式メ
ルカプト化合物からの抑制作用を相殺するため少量使用
することを推奨できる。銀溶媒は、例えばチオシアネー
トイオンを含有するものの如く、その中で調整役割を有
することができる。
【0033】化学増感剤は、再分散後、そして平板状粒
子の場合においては前述した如くスペクトル増感中及び
/又は増感後に加えることが普通の方法である。化学増
感を開始する前に、制御できない方法でかぶり中心に生
長する小さい銀スペックを減少するため、塩沃化銀粒子
の表面は、例えばトルエンチオスルホン酸及び/又は相
当するその塩の如き僅かに酸化性の化合物で処理すると
よい。
【0034】規則的晶癖を有する塩沃化銀結晶として、
“本質的に立方晶”のみならず“{111}平板状”結
晶は良く知られている。実際的な応用のため、本質的に
立方晶を有する乳剤は、平板状結晶を有する乳剤よりも
長い歴史を有する。
【0035】塩沃化銀結晶の製造工程において、その沈
澱条件は、前記乳剤が、本質的に立方晶晶癖を有する乳
剤であるように選択できる。かかる立方晶の沈澱は、原
則的に一つの二重ジェット工程によって行うことができ
る;或いはそれは、核生成工程及び少なくとも一つの生
長工程を含む連続二重ジェット工程からなることができ
る。沈澱の異なる工程は、物理熟成工程によって変える
ことができる。再現性ある乳剤粒子分布を得るため、前
記の異なる工程は、pH、pAg、温度、攪拌速度及び
添加速度の制御された条件の下で行う、この場合前記添
加速度は、一定に保ってもよく、又は沈澱の合計時間を
短縮するため沈澱が進行するに従って増大させてもよ
い。しかしながら再核生成を避けるため注意を払うべき
である。沈澱中、結晶生長に有利になるよう、更に再核
生成を避けるため、結晶生長促進剤を加えることができ
る。生長促進剤の好ましい例には、チオエーテル化合物
例えばメチオニン、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジ
チオオクタン等、又はポリオキシアルキレンがある、し
かしかぶり形成に関して注意を払うべきである。
【0036】本発明の画像形成システムに使用する材料
の一つ以上の親水性層で被覆される乳剤として分散され
た本質的に立方晶癖を有する結晶は、0.40μm〜
0.65μmの平均結晶直径を有し、高度の均質性を有
する:0.25未満、更に好ましくは0.10〜0.2
0の粒度分布についての変動係数が、所望されるセンシ
トメトリー及び画像品質に寄与する。均質又は単分散粒
度分布を有する粒子を有する乳剤の混合物が有用であり
うる。
【0037】本発明による画像形成システムにおいて、
20〜200の平板度及び5〜20のアスペクト比を有
する{111}平板状塩沃化銀粒子のみならず前述した
(本質的に)立方晶粒子を使用して成功できる。
【0038】{111}晶癖を有する平板状ハロゲン化
銀粒子は、実際的用途のため写真材料において用いられ
ているように、1982年以来奨励されてきた、そして
少なくとも2に等しい、二つの主面の間の距離である厚
さ、及びこれらの面と同じ面積を有する円の直径(いわ
ゆる等価円直径又はE.C.D.)の間の比を有する結
晶加工の二つの平行面として定義される。本発明におい
て、{111}平板状塩沃化銀粒子は、5〜20のアス
ペクト比及び20〜200の平板度を有する。かかる平
板状結晶の平板度は、平均アスペクト比及び粒子の厚さ
の間の比、又はE.C.D.及び厚さ平方の間の比とし
て定義される。現在では、より短い処理時間で処理され
る材料を得るための傾向が存在するので、前記利点を高
感光性材料での応用のため高感度と組合せることが非常
に評価されている、その目的は例えばEP−A 067
8772に記載されている如く実現されている、この文
献は引用してここに組入れる。塩化銀リッチの平板状結
晶のための晶癖変性剤として有用な化合物には、最もし
ばしば使用されるアデニン以外に、EP−A 0481
133及び0532801、及びUS−A 51769
91;5176992;5178997;517899
8;5183732;5185239;521785
8;5221602;5252452;526433
7;5272052;5298385;529838
7;5298388;5399478;540573
8;5411852及び5418125に記載された物
質を包含する。
【0039】{111}主面によって結合された塩化物
リッチの平板状ハロゲン化銀粒子及び/又はその製造法
及び/又は前記粒子を混入した材料は、例えばUS−A
4399215;4400463;4804621;
5061617;5275930;5286621;5
292632;5310644;5320938;53
56764;公告されたEP−A 0503700;0
533189;0647877及び0678772にも
記載されている。沃素イオンは、例えば沃化カリウム、
沃化ナトリウム又は沃化アンモニウムの如きその無機塩
の水性溶液を用いることができる。しかしながら沃素イ
オンは、例えばEP−A 0561415;05637
01;0563708;0649052及び06512
84及びWO 96/13759に記載されている如き
沃素イオンを放出する有機化合物によっても得ることが
できる。
【0040】特に結晶格子中の結晶体積及び全結晶分布
にわたっての更に均質な沃素分布を得るため、モノ沃化
酢酸、モノ沃化プロピオン酸、モノ沃化エタノール及び
沃素イオンを発生できる沃素イオンを含有するヒドロゲ
ルの如き沃素イオンを放出する有機薬剤によって提供さ
れる沃素イオンが好ましい。沃素イオンの発生は、沃素
イオンを放出する前記有機薬剤の添加中又は好ましくは
添加後、反応容器中のpH値を変えることによって開始
させる。沃素イオン源としての沃素カリウムの添加とは
反対に、前記沃素イオンを放出する有機化合物は、異な
る平板状結晶上により均質な沃素イオン分布をもたら
す、従って不確定な不均質性及び非再現性が避けられ
る。沃素イオンの発生を開始させる別の方法は、反応容
器に亜硫酸イオンを加えることによって行う。沃素イオ
ンを提供する無機及び有機薬剤の組合せも有用なことが
ある。沃素イオンの存在は、{111}結晶面を安定に
する。
【0041】固有及びスペクトル感度について見たと
き、好ましいのであるが、全銀量を基準にして、平均沃
化物濃度を3mol%以下に限定すること、更に好まし
くはそれらを0.1mol%〜1.0mol%に限定す
ることが推奨される。これはより大なる濃度は現像を遅
延し、不満足な感度をもたらすからである。更に定着速
度をその場合には妨害することができ、結果として残存
着色が避けられ得ないことがあるからである。EP−A
0678772においては、過剰量の沃化物は、沈澱
の終わりで変換によって提供されている、かくして得ら
れる{111}平板状塩沃化銀乳剤中で1.3mol%
の沃化銀の全濃度を有せしめるため、最後の生長工程の
終わりで提供されている。
【0042】感光性乳剤全体にわたる塩沃化銀結晶の粒
度分布は、使用する沈澱法を制御することによって均質
又は単分散である。沈澱の段階が何であれ、塩沃化銀結
晶に普通少量加えられるドープ剤とも称される金属イオ
ン又は金属イオン錯体は、乳剤中の結晶分布に殆ど影響
を有しない、しかし相互作用、圧力感度等について有利
な効果をもたらすために加えることができる。
【0043】従ってpAg、反応容器の稀釈、生長抑制
剤又は生長促進剤の存在、異なる沈澱工程中(特に、例
えば利用しうる銀塩の全量の10%未満が消費される核
生成工程中及び更に前記銀塩の少なくとも90%が消費
される少なくとも一つの生長工程中)に加える水溶性銀
塩及びハロゲン化物溶液の添加速度を注意深く制御する
ことが非常に重要であり、異なる沈澱工程中の反応容器
における混合方法及び混合又は攪拌速度が、0.20〜
0.30の通常生ずる変動係数の代わりに、0.10〜
0.20以下の変動係数(標準偏差及び平均直径の間の
比として定義される)を有する均質結晶粒度分布をもた
らす。沈澱条件によって、更に不均質な分布を得ること
ができる、そして例えば露光寛容度の観点から更に有利
でさえあることができる、しかし例えば増大した露光寛
容度の同じ効果を得るため、例えば0.05〜0.15
の範囲での非常に小さい変動係数を有する異なる均質乳
剤の混合物を作ることによって達成される。この方法
は、例えばUS−A 4446228及びEP−A 0
555897に示されている如く、更に有利なセンシト
メトリー特性(例えば増大したコントラスト)又は画像
品質(例えば粒状度及び/又は鮮鋭度)をもたらすこと
ができる。
【0044】実際的使用のため、全粒子の全投影表面積
の少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも70
%、なお更に好ましくは少なくとも90%を占める薄い
平板状粒子が存在する。
【0045】前述した{111}平板状塩沃化銀粒子の
アスペクト比及び平板度の限界値は、特に高感度の要件
及びスペクトル増感された平板状粒子の特別の利点が組
合されるべきであるという事実と関係している:前述し
た塩沃化銀平板状結晶の表面での沃素イオンの存在は、
晶癖安定性の観点から好ましいばかりでなく、特にスペ
クトル増感したとき、スペクトル増感剤の改良された吸
着及び改良された光吸収が得られるので、及び光化学法
で検出される量子効率が増大するので特に好ましい。
【0046】結果として、例えばJ−凝集の容易な形成
により、及び/又は平板状結晶の増強された比表面積の
存在の結果としてのスペクトル増感剤の大量の添加によ
り、より容易にスペクトル増感を期待でき、より良い写
真特性を生ぜしめることが期待できる。スペクトル増感
剤は、最良の被覆度に達するのに必要な全量で加えるの
が好ましい、この被覆度は前述した如く平板状粒子のよ
り大きい比表面積が、立方晶粒子に加える量とは、約2
倍又は3倍の分率で異なることがあるからである。
【0047】本発明による画像形成システムにおいて、
(本質的に)立方晶又は{111}平板状晶癖を有する
か否かに拘わらず、塩沃化銀粒子は、ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾオキサゾール及びそれらの組合せからなる群
から選択した化合物でスペクトル増感される。特にベン
ゾイミダゾロ−及びベンゾオキサゾロ−カルボシアニン
の組合せが好ましい。
【0048】前述した一般式による有用なスペクトル増
感剤の例には、アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,
3′−ビス(n−スルホブチル)−9−エチルオキサカ
ルボシアニンハイドロオキサイド又はアンヒドロ−5,
5′−ジクロロ−3,3′−ビス(n−スルホプロピ
ル)−9−エチルオキサカルボシアニンハイドロオキサ
イドがある。本発明の関係で用いられるスペクトル増感
剤の好適な混合物には、アンヒドロ−5,5′−ジシア
ノ−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ(2−アセトキ
シエチル)エチル−イミダカルボシアニンブロマイドと
組合せたアンヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,3′−
ビス(n−スルホブチル)−9−エチルオキサカルボシ
アニンハイドロオキサイド又はアンヒドロ−5,5′−
ジクロロ−3,3′−ビス(n−スルホプロピル)−9
−エチル−オキサカルボシアニンハイドロオキサイドが
ある。
【0049】化学増感前に乳剤に加えられるスペクトル
増感剤としてのイミダカルボシアニン及びオキサカルボ
シアニンの特別の組合せは、例えばEP−A 0443
453及び0608955、及びUS−A 52963
45及び5338655に記載されている。緑短波長帯
域でのスペクトル感度及び染料汚染を改良するために好
適な非対称的に鎖置換されたオキサカルボシアニン染料
及び/又はイミダカルボシアニン染料が、JP−A 0
3−048235に与えられている。例えばオキサゾー
ル−イミダゾール型のカルボシアニン染料と組合せた形
の対称オキサカルボシアニン染料を用いる強色増感は、
US−A 4594317及び4659654に記載さ
れている。
【0050】特にN−フルオロ−アルキル置換イミダカ
ルボシアニン染料を用いる平板状粒子の特定のスペクト
ル増感は、US−A 4675279;519629
9;5210014及び5466822に記載されてい
る。
【0051】古典的な乳剤製造においては、スペクトル
増感は伝統的に化学増感の完了に続いていた。しかしな
がら、前述した如き平板状粒子との関係においては、ス
ペクトル増感は、化学増感工程と同時に又は完全にそれ
に先立ってさえ生ぜしめうることを非常に意図してい
る。従って生長工程の終わりで分散液の冷却直前に乳剤
結晶にスペクトル増感染料のある量を加えることが有利
であることがある。しかし原則的に、前記染料の添加
は、沈澱の任意の段階、再分散中又はその前、又は化学
熟成前、中又は後に行ってもよい。添加は更に一つ以上
の部分で行うこともできる。US−A 5286621
には、例えばスペクトル増感剤は、沈澱の完了後全体と
して又は前記沈澱中及び沈澱後、幾つかの画分で、ハロ
ゲン化銀1molについて10-5〜5×10-3molの
範囲の量で加えることが示されている。
【0052】感光性立方晶塩沃化銀粒子は、 John Wil
ey & Sons 1964年発行、“The Cyanine Dyes
and Related Compounds ”にF. M. Hamer によって発
表されたものの如きメチン染料でスペクトル増感でき
る。スペクトル増感のため使用できる染料には、シアニ
ン染料、メロシアニン染料、錯体シアニン染料、錯体メ
ロシアニン染料、等極シアニン染料、ヘミシアニン染
料、スチリル染料及びヘミオキソノール染料を含む。
【0053】塩化銀リッチの立方晶は、センシトメトリ
ーに有利に選択するばかりでなく、脱色性にも有利に選
択した一種以上のスペクトル増感剤でスペクトル的に増
感することもできる。緑増感イミダオキサカルボシアニ
ンでの特別の増感は、例えばUS−A 470140
5;5219723;5376523;5462850
及びJP−B 95−013732に記載されている。
非対称複素環を有するスペクトル増感剤は、処理後の残
存着色における改良について有用でありうる。
【0054】塩沃化銀粒子の製造において銀核の生長に
影響を与える重要な要件は、反応容器に存在する、又は
核生成中更には究極的に核生成後、形成された核の生長
前及び/又は生長中の物理熟成中に加える保護コロイド
の選択及び量である。塩沃化銀結晶の沈澱中の最も良く
知られておりかつ実際に使用される親水性コロイド結合
剤はゼラチンである。従来のライム処理又は酸処理した
ゼラチンの製造は、例えばAcademic Press 1977年
発行、 A. G. Ward 及びA. Courts 編、“TheScience
and Technology of Gelatin ”の295頁及び次頁
に記載されている。ゼラチンは Bull. Soc. Sci. Phot.
Japan ,No.16,30頁(1966年)に記載されて
いる如く酵素処理することもできる。粒子生長工程で化
学的に変性したNH2 基を有するゼラチン誘導体の使用
をする、そして前記ゼラチンが特別のメチオニン含有率
を有する平板状粒子乳剤の製造法は、例えばEP−A0
697618に記載されている。
【0055】しかしながら、ゼラチンは、一部又は全部
を、合成、半合成、又は天然重合体で置換することがで
きる。ゼラチンに対する合成代替物には、例えばポリビ
ニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリル酸、及びそれらの誘導体、特に
それらの共重合体がある。ゼラチンに対する天然代替物
には、例えば他の蛋白質例えばゼイン、アルブミン及び
カゼイン、セルロース、サッカライド、澱粉及びアルギ
ネートがある。一般にゼラチンに対する半合成代替物に
は、変性した天然生成物、例えばゼラチンをアルキル化
剤又はアシル化剤で変換することにより、ゼラチン上に
重合性単量体のグラフトをすることにより、又は予備硬
化処理の結果としてブロックされた官能基を有する予備
硬化ゼラチン、セルロース誘導体例えばヒドロキシアル
キルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フタロ
イルセルロース、及びセルロースサルフェート及び馬鈴
薯澱粉がある。
【0056】JP−B 52−16365、 Journal
of The Society of Photographic Science and
Technology of Japan ,Vol.29(1),17,22
(1966年)、同Vol.30(1),10,19(19
67年)、同Vol.30(2),17(1967年)、及
び同Vol.33(3),24(1967年)に記載された
別の合成高分子量化合物を分散媒体として使用できる。
又EP−A 0534395に記載された晶癖抑制剤も
使用できる。
【0057】ゼラチンの一部は更に合成又は天然高分子
材料で置換できる。
【0058】ゼラチンに対する興味ある代替物は、公告
されたEP−A 0392092,0517961,0
528476,0649051及び0704749に記
載されている如きシリカであることができる。EP−A
0528476に記載されている如く、保護コロイド
として作用するコロイドシリカ中で沈澱させたハロゲン
化銀の層を導入するハロゲン化銀感光性写真材料を製造
する方法が示されている。この文献においては、ハロゲ
ン化銀は、コロイドシリカ中で作られ、沈澱の終了時に
安定であるが、しかしながら予測しうる平均結晶直径及
び結晶粒度分布を有することのない乳剤結晶をもたら
す。これらの問題は、塩化銀リッチの結晶の製造のた
め、EP−A 0682287に記載されている如く克
服されており、この中でかかる結晶が製造しうる情況が
明らかに規定されており、規則的塩沃化銀結晶の沈澱段
階中、シリカゾルの量及び安定化オニウム化合物の量
を、制御できない凝集物の形成及び生長を避けるため最
適にすべきであることを規定している。
【0059】好適なシリカゾルが要求される沈澱工程の
ため、“Syton ”シリカゾル(Monsanto Inorganic C
hemicals Div.の商標製品)、“Ludex ”シリカゾル
(duPont de Nemours & Co., Inc. の商標製品)、
“Nalco ”及び“Nalcoag”シリカゾル(Nalco Chemic
al Co.の商標製品)、“Snowtex ”シリカゾル(Nissa
n Kagaku K. K. )及び“Kieselsol Type 100,
200,300,500及び600”(Bayer AG の商
標製品)の如き市場で入手しうるコロイド状結合剤の如
きシリカゾルを必要とする。シリカゾル粒子の粒度は3
nm〜30μmの範囲である。達成されうる被覆度がよ
り大となり、そしてコロイドシリカの保護作用がより有
効となるので、3nm〜0.3μmの範囲の小粒子、更
には3nm〜7nmの小粒子が好ましい。
【0060】全ての可能な物理熟成工程に続いて沈澱の
終わりに、アニオン重合体としてpHによって決まる挙
動を与える例えばポリスチレンスルホン酸の如き重合体
化合物である凝集物を加える前又は後に、約40℃に乳
剤混合物は通常冷却する。添加及び攪拌速度の注意深く
制御された条件の下で、前記分散媒体のpHは、酸で、
定量的に良好な凝集物を得るための値に調整する。前記
凝集物は傾瀉し、可溶性塩及び現像抑制晶癖変性剤例え
ばアデニンを許容しうる残存量(好ましくはゼラチン1
gについて多くても0.3mg)まで、洗うことができ
るようになる、或いはResearch Disclosure Vol.10
2,1972年10月, Item 10208、Research
Disclosure Vol.131,3月, Item 13122、及
びMignotのUS−A 4334012に記載されている
如く限外濾過洗浄法を適用できる。前記限外濾過法は、
増大する水の量を減少し、かくして反応容器の稀釈及び
主として生ずる硝酸カリウムの如き可溶性塩の増大する
量を避けるため、全沈澱中オンラインで適用できる。そ
の例は例えばEP−A 0577886に記載されてい
る。沈澱後乳剤を半透膜によってダイアフィルトレーシ
ョンで洗うときには(限外濾過とも称される)、被覆工
程前、中又は後の被覆組成物の安定性を妨害しうる重合
体凝集剤の使用をする必要はない。かかる方法は例えば
Research Disclosure Vol.102,1972年10
月, Item 10208、Research Disclosure Vol.1
31,3月, Item 13122、及びUS−P 433
4012に記載されている。更に余分の親水性コロイド
の添加によって再分散を行うことができる。結果とし
て、gesi及び/又はsisiの値は、安定な被覆溶液を作る
ため所望される値まで増強できる。しかしながらゼラチ
ン又は変性した形でのゼラチンの代わりとして、前述し
た任意の保護コロイドを使用できることは明らかであ
る。
【0061】前述した如く、結合剤材料として好適な追
加のゼラチン又は別の親水性コロイドは、最適の被覆条
件を確立するため及び/又は被覆された乳剤層の必要な
厚さを確立するため、例えば洗浄後の如く、乳剤製造の
後の段階で加えることができる。そして好ましくはゼラ
チン対ハロゲン化銀比(ハロゲン化銀は硝酸銀の当量と
して表示)0.3〜1.0の範囲が得られる。別の結合
剤をゼラチンの代わりに又はそれに加えて加えることも
できる。有用なビヒクル、ビヒクル増量剤、ビヒクル様
添加剤及びビヒクル関連添加剤は、例えば Research D
isclosure No.38957(1996年)、Chapter I
I に記載されている。
【0062】被覆前に、被覆溶液の粘度を調整するた
め、増粘剤を使用できる、但しそれらは被覆写真材料中
の塩沃化銀乳剤の写真特性に特に影響を与えないことが
条件である。好ましい増粘剤には、ポリスチレンスルホ
ン酸、デキストラン、硫酸エステル、ポリサッカライ
ド、スルホン酸基、カルボン酸基、もしくはリン酸基を
有する重合体の如き水性重合体のみならずコロイドシリ
カを含む。被覆溶液の増粘を生ぜしめる文献から良く知
られている重合体増粘剤は、コロイドシリカと組合せて
使用することさえできる。増粘剤に関する特許には例え
ばUS−A 3167410;ベルギー特許 No.558
143及びJP−A 53−18687及び58−36
768がある。場合によって重合体化合物の添加から生
ずる物理的安定性についての負の結果は、これらの化合
物を除くことにより及びコロイドシリカの余分の添加を
制限することによって避けることができる。支持体上に
スライドホッパー又はカーテン被覆法によって親水性コ
ロイド層組成物を被覆するため(この場合前記組成物
は、硝酸銀の当量として表示したハロゲン化銀に対する
ゼラチンの重量比を0.05〜0.4の範囲で与えるた
めの少量でゼラチンを有する)、合成クレー及びアニオ
ン性巨大分子高分子電解質(前記合成クレーは増粘剤の
全量に対して少なくとも85重量%の量で存在させる)
が、EP−A 0813105に記載されている如く推
奨される。
【0063】薄い乳剤層例えば多くてもゼラチン6g/
2 、更に好ましくは2g/m2 〜6g/m2 、そして
なお更に好ましくは約3.5g/m2 を含有する6μm
以下の層の厚さを有する層を有する写真材料は、迅速処
理適用性及び処理された湿潤材料の迅速乾燥以外に、鮮
鋭度の改良が見られる。処理機中での乾燥特性は主とし
て写真材料の親水性層の水吸収によって決まるから、そ
して水吸収は、層のゼラチン含有率に正比例し、層に加
えた硬化剤の量に反比例するから、その組成物は、30
秒から最大60秒迄、更に好ましくは最大50秒までの
乾燥から乾燥までの全処理時間サイクル内で硬化剤不含
処理を可能にするため高硬化度及び低ゼラチン含有率で
最適にする。
【0064】高硬化度を達成するため、層結合剤は、適
切な硬化剤との反応によって充分に耐性の層を与えうる
許容しうる多数の官能性基を配置すべきことは勿論であ
る。かかる官能性基には特にアミノ基があるが、カルボ
キシル基、ヒドロキシ基、及び活性メチレン基もある。
硬化剤は、被覆工程前又は工程中塩化銀リッチの感光性
ハロゲン化銀乳剤層の一つ以上を被覆する応力防止層
に、又は一つ以上の前記乳剤層に加えることができる。
写真材料の結合剤は、特に使用する結合剤がゼラチンで
あるとき、適切な硬化剤例えばエポキサイド系のもの、
エチレンイミン系のもの、ビニルスルホン系のもの例え
ば1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、クロ
ム塩例えば酢酸クロム及びクロム明ばん、アルデヒド例
えばホルムアルデヒド、グリオキサール、及びグルタル
アルデヒド、N−メチロール化合物例えばジメチロール
尿素及びメチロールジメチルヒダントイン、ジオキサン
誘導体例えば2,3−ジヒドロキシ−ジオキサン、活性
ビニル化合物例えば1,3,5−トリアクリロイル−ヘ
キサ−ヒドロ−s−トリアジン、活性ハロゲン化合物例
えば2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシーs−トリアジ
ン及びムコハロゲン酸例えばムコクロル酸及びムコフェ
ノキシクロル酸で硬化することができる。これらの硬化
剤は、単独で又は組合せて使用できる。結合剤は又カル
バモイルピリジニウム塩の如き急速硬化剤で硬化するこ
ともできる。ホルムアルデヒド及びフロログルシノール
は例えば保護層及び乳剤層にそれぞれ加えることができ
る。しかしながら本発明の関係において好ましい硬化剤
はビス−(ビニル−スルホニル)−メタン(BVSM
E)及びエチレンビス−(ビニルスルホン)である。
【0065】本発明による画像形成システムで使用する
材料は、普通には、3分間25℃の脱イオン水中に浸漬
前及び浸漬後の層の厚さ比から測定できる如く、200
%未満、更に好ましくは150%以下の材料の層の膨潤
度に相当する硬化度を有する。
【0066】本発明による画像形成システムにおいて使
用する塩沃化銀乳剤から被覆した材料のための好ましい
迅速処理条件における例えば感度(速度とも称する)、
階調(コントラストとも称され、特性曲線の足、線部及
び/又は肩にて特定される)、かぶり及び最高濃度の如
き好適なセンシトメトリー特性を得るため、多数の他の
成分が更に求められる。
【0067】従って写真材料の製造もしくは貯蔵中又は
その写真処理中写真特性を安定化する又はかぶりの形成
を防止する化合物が要求され、殆どの場合においては、
乳剤沈澱中及び/又は(スペクトル及び/又は化学的)
増感中に既に存在させられている。多くの既知の化合物
が、かぶり防止剤又は安定剤として、ハロゲン化銀乳剤
層又はそれと水透過性関係にある他の被覆層例えば下塗
層又は保護層に加えることができる。好適な例には例え
ば Research Disclosure No.17643(1978
年)、Chapter VI 及び RD No.38957(199
6年)、ChapterVIIに記載されている。
【0068】写真材料は、 RD No.38957(19
96年)、Chapter IX に記載されている如き各種の被
覆物理的性質変性添加剤を更に含有でき、この中には被
覆助剤、可塑剤及び滑剤、帯電防止剤及び艶消剤が記載
されている。
【0069】現像促進は、乳剤層又は隣接層中に各種の
化合物、好ましくは例えばUS−A3038805;4
038075及び4292400のみならずEP−A
0634688及び0674215に記載されているも
のの如き少なくとも400の分子量を有するポリアルキ
レン誘導体を混入することによって達成できる。
【0070】写真材料は更に各種の他の添加剤例えば写
真材料の寸法安定性を改良する化合物、紫外線吸収剤及
びスペーシング剤を含有してもよい。写真材料の寸法安
定性を改良するのに好適な添加剤には、例えば水溶性又
は殆ど可溶性でない合成重合体の分散液、例えばアルキ
ル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リルアミド、ビニルエステル、アクリロニトリル、オレ
フィン及びスチレンの重合体、又は上述したものとアク
リル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアル
キル(メタ)アクリレート、及びスチレンスルホン酸と
の共重合体の分散液がある。
【0071】好適なUV吸収剤には、例えばUS−A
3533794に記載されている如きアリール置換ベン
ゾトリアゾール、US−A 3314794及び335
2681に記載されている如き4−チアゾリドン化合
物、JP−A 56−2784に記載されている如きベ
ンゾフェノン化合物、US−A 3705805及び3
707375に記載されている如き桂皮酸エステル化合
物、US−A 4045229に記載されている如きブ
タジエン化合物、及びUS−A 3700455に記載
されている如きベンゾオキサゾール化合物及び RD N
o.38957(1996年)、Chapter VI に記載され
たもの(この中には好適な光学増白剤も述べられてい
る)がある。
【0072】スペーシング剤は、一般に平均粒度が0.
2〜10μmの間に含まれるものを存在させることがで
きる。スペーシング剤はアルカリに可溶性又は不溶性で
あることができる。アルカリ不溶性スペーシング剤は通
常写真材料中に永久的に残る、一方アルカリ可溶性スペ
ーシング剤は通常アルカリ性処理浴中でそこから除去さ
れる。好適なスペーシング剤は、例えばポリメチルメタ
クリレート、アクリル酸とメチルメタクリレートの共重
合体、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサ
ヒドロフタレートから作ることができる。他の好適なス
ペーシング剤はUS−A 4614708に記載されて
いる。
【0073】X線写真において、材料は、それぞれ支持
体の一側(単側被覆)又は両側(両側被覆)で被覆され
た単一又は二重乳剤層を有する。本発明は、前述した如
き塩沃化銀乳剤粒子を含む両側被覆材料と関係する。
【0074】同じか又は異なる結晶粒度、同じか又は異
なる晶癖、異なるか又は同じ化学熟成処理及び/又は前
述したものの如く相互に異なるか又は同じ一種以上のス
ペクトル増感剤での異なるか又は同じ被覆度を有する二
種以上の乳剤の混合物を、少なくとも一つの感光性乳剤
層に加えることができる、但し、少なくとも一つの乳剤
は、100mV〜200mVの飽和カロメル参照電極及
び銀電極の間の電位差で、45℃〜70℃の温度で、前
記粒子を含む乳剤中でセレン化銀を発生する一種以上の
セレン化合物で熟成された結晶を有することが条件であ
る。前記結晶が有利に使用できる両側被覆材料は、例え
ばUS−A 5397687;EP−A0678772
及びEP−A 0754972及び0754971に記
載されている。
【0075】セレン増感剤以外に、前記単分散立方晶及
び/又は{111}平板状塩沃化銀粒子は、更に一種以
上の硫黄及び/又は金化合物の存在下に化学的に熟成さ
れていることを繰り返して言う。本発明による画像形成
システムにおいて、前記硫黄化合物は、テトラメチルチ
オ−ジチオカルボン酸ジアミド、ジメチルアミノ−ジチ
オメルカプタン、チオサルフェート及びチオスルホネー
ト化合物からなる群から選択した一種以上の化合物であ
る。
【0076】両側被覆支持体の少なくとも一側上に、一
つより多い乳剤層が被覆されているときには、異なる層
中に同じか又は異なる乳剤又は乳剤混合物が存在しても
よい。同じ乳剤又は乳剤混合物が異なる乳剤層中に存在
するときには、(同じか又は異なる)スペクトル増感剤
の別個の量を、本発明の画像形成法による材料に対して
広い露光寛容度を得るため、及びハードコピー材料の処
理中少ないセンシトメトリー変動を得るため、被覆のた
めの化学熟成中及び/又は製造中に加えるとよい。一種
以上のスペクトル増感剤を使用するとき(それらの中の
少なくとも一種は、異なる波長帯域に対して吸収する)
には、それらを異なる層にも加えることが好ましく、ス
ペクトル増感剤のさまようことが問題を形成することが
あるので、支持体の異なる側で位置する層にそれらを加
えることが更に好ましい。かかる配置は例えばUS−A
4978599及び5380636に記載されてい
る。
【0077】感光性層以外に、写真材料は、前記感光性
乳剤層を担持する支持体の側で幾つかの非感光性層、例
えば二つの層に分けることができる保護応力防止層(そ
の一つは“基本”保護応力防止層の上に被覆又はスプレ
ーした最外後層又は下にある中間層である)、一つ以上
の下塗層、一つ以上の中間層例えばフィルター層及び例
えば硬化剤、帯電防止剤、安全光目的のためのフィルタ
ー染料等を含有する後層を含有できる。
【0078】保護応力防止層は、 RD No.38957
(1996年9月発行)、ChapterIXに記載された被覆
助剤及び被覆物理的性質変性添加剤を含有するのが好ま
しい。帯電防止性は、製造中及び/又は露光前の取扱い
中及び/又は処理中の静電荷の突然の放電によるスパー
ク等の形での処理後の黒化を防ぐため、特に好ましい。
例えばEP−A 0534006,0644454及び
0644456,及びUS−A 4670374及び4
670376に記載されている如く、保護応力防止層又
はその上に被覆した後層に帯電防止剤を加えることが非
常に好ましい。これらの最外層の耐摩耗性は、US−A
4766059及び4820615に記載されている
如く改良するとよい。後層のスプレー被覆は、例えばU
S−A5443640に記載されている。塩化銀リッチ
のハロゲン化銀粒子の圧力感度の結果として生ずる画像
に従わない黒化は、立方晶及び平板状の粒子表面での沃
素イオンの存在により、本発明においては低下する。更
に圧力感度を抑制するための測度は、例えばゼラチンの
如き結合剤の増強された量の被覆であることができる。
しかしながらこれは迅速処理に関して不利であり、従っ
て別法としてシリカ中で作った塩沃化銀は、例えばEP
−A 0528476に記載されている如く代わるべき
手段を提供する。更に感光性乳剤層中の結合剤材料に関
しては、その中でUS−A 5478709に記載され
ている如き合成クレーを使用すると圧力感度の改良が期
待できる。しかしながら、前記感光性中のスペクトル増
感した乳剤結晶の存在下では、例えばEP−A 075
7285に記載されている如く好適な合成クレーを選択
するために注意を払うべきである。
【0079】最後に散乱光を吸収し、かくして画像鮮鋭
度を促進するフィルター染料又はハレイション防止染料
を含有する中間層は、例えばUS−A 409216
8;4311787;5344749;538063
4;5474881;5478708;5502205
に;EP−A 0489973及び0586748に及
びEP−A 0786497及び0781816に;D
E 2453217に及びGB−A 1907440に
記載されている。乳剤層及び支持体の間にかかる中間層
が存在しても、感度における小さい無視できる損失があ
るだけである、しかし前記染料はアルカリ性溶液中で非
常に急速に脱色するが、迅速処理条件は、全体の被覆層
の厚さを最小にすることを要し(そのことは前述し
た)、薄い層の多層配置が処理サイクルでの洗浄後短い
乾燥時間を明らかにもたらす。更に前記好適な染料を、
微細に分散した形で有することが脱色性に有利であり、
更に固体粒子分散の形であるのが有利である。そのため
の根拠はEP−A 0724191に詳細に与えられて
おり、更に一般的な方法はEP−A 0756201に
与えられている。
【0080】それに加えて、例えばEP−A 0569
074に教示されている如く写真的に有用な化合物のた
め、コロイドシリカ中の水性固体分散液を作ることが推
奨される。薄い層被覆及び迅速処理能力に関する利点
は、より傷つき易い層の圧力感度を増強することなく、
それに関連して期待できる。
【0081】X線画像形成のため使用される塩沃化銀結
晶を有するハロゲン化銀乳剤を含む写真材料の支持体
は、透明樹脂、好ましくはポリエチレンテレフタレート
の如き青着色ポリエステル支持体であるとよい。かかる
有機樹脂フィルムの厚さは好ましくは約175μmであ
る。他の疎水性樹脂支持体は当業者に良く知られてお
り、例えばポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリ
カーボネート、及びポリエチレンナフタレートから作ら
れる。支持体には、前記支持体と隣接層の間に良好な接
着性を有せしめるため両側で下塗層を更に設ける:親水
性コロイド層をそれに接着させるため当業者に知られて
いる一つ以上の下塗層を存在させることができる。ポリ
エチレンテレフタレートに好適な下塗層は、例えばUS
−A 3397988;3649336;412327
8及び4478907に記載されている。ラテックスと
して共重合体ビニリデンクロライド、メチルアクリレー
ト及びイタコン酸を含む下塗層組成物が、一種以上の染
料を含む少なくとも一つのゼラチン質染料含有層である
親水性層、少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層、少な
くとも一つの保護応力防止層、及び所望により後層で被
覆された好ましい層配置が、EP−A 0752617
に記載されている。その発明において、前記親水性層は
200%以下の膨潤比を有し、前記親水性層において
は、スライド−ホッパー被覆又はスライド−ホッパーカ
ーテン被覆法により同時に被覆される。更に別の好適な
支持体についての情報は、1996年9月発行の、 R
D No.38957、Chapter XV に見出すことができ
る。
【0082】放射線写真においては、被写体の内部を、
X線、γ線及び高エネルギー元素状粒子放射線、例えば
β線、電子ビーム又は中性子放射線の群に属する高エネ
ルギー放射線である透過性放射線によって再現する。透
過性放射線を可視光及び/又は紫外線放射線に変換する
ため、リン光体と称される発光物質を使用する。従来の
放射線写真システムにおいては、X線放射線写真が、被
写体を画像に従って透過したX線によって得られ、いわ
ゆる増感スクリーン(X線変換スクリーン)中で相当す
る強度の光に変換され、ここでリン光体粒子が透過した
X線を吸収し、それを可視光及び/又は紫外放射線に変
換し、これに対して写真フィルムが更に感光性にされ
る:スペクトル増感剤は、X線露光中両側被覆フィルム
材料と接触状態にもたらされた増感スクリーンのリン光
体層中で被覆された発光性リン光体によって放出される
波長範囲とほぼ同じ波長範囲の光を吸収するため及びそ
の機能として選択されることは明らかである。
【0083】従って本発明によれば画像形成システムに
おいて、塩沃化銀結晶は、例えばGB 148939
8;US−A 4431922及び4710637に記
載されている如く、スペクトルの緑波長範囲でスペクト
ル増感される。更に詳細には、塩沃化銀結晶は、520
〜580nmでスペクトル増感され、好ましい緑光放出
オキシ硫化ガドリニウムリン光体から被覆されたX線露
光スクリーンから放出された光を吸収するため540〜
550nmに最高吸収を有する。従来の放射線写真シス
テムで使用するのに好適なかかるリン光体は、X線照射
したとき高い促進発光を有し、画像鮮鋭度に有利な低い
残光を有しなければならない。特にテルビウム活性化オ
キシ硫化ガドリニウムリン光体は、本発明による画像形
成システムにおいて使用するのに特に好適である。緑光
発光スクリーンを、緑増感ハロゲン化銀フィルムと接触
させて使用するスクリーン−フィルムシステムは例えば
EP−A 0678772に記載されている。
【0084】本発明による画像形成システムを使用する
実際的用途において、骨の検出のため、60〜150k
Vp、例えば80kVpのエネルギーを有するX線放射
線源を使用する。
【0085】板又はパネルの形でのX線変換リン光体ス
クリーンで操作するX線記録システムの前述した説明か
ら、前記板又はパネルは中間画像形成材料としてのみ作
用するだけであり、最終記録を形成しないことは明らか
である。最終画像は、別の記録媒体又はディスプレイ上
に作られるか又は再生される:本発明の画像形成システ
ムにおいて使用するX線変換スクリーンのため、二重被
覆フィルムは前記最終記録である。リン光体板又はシー
トは繰り返して再使用できることは明らかである。前記
X線記録システムにおいて、X線変換スクリーンは繰り
返し使用されることから、リン光体含有層を機械的及び
化学的損傷から保護するため、それらに適切な最上被覆
を設けることが重要である。更に有効に機能を改良する
レリーフ構造を設けることは、突出粒子が保護被覆の増
大した厚さを必要とすること、結果として放射線放出リ
ン光体層とそれと接触している写真フィルムの放射線感
光性被覆の間の増大した距離に原因のある低下した画像
鮮鋭度の如き画像品質を犠牲にしてはならない。増大し
た厚さ自体は、リン光体結合剤及び保護被覆の結合剤の
屈折率が異なるとき、放出された光の増大した非鮮鋭度
を生ぜしめうるばかりでなく、保護被覆の結合剤の屈折
率と比較して異なる屈折率を有する粒子自体の存在が増
大した非鮮鋭度を生ぜしめうる。保護層が非常に容易な
操作のためのレリーフ構造を有し、これによって粘着、
摩擦及び静電吸引を避け、すぐれた画像解像の維持をす
るリン光体−結合剤層とそれに適用した保護被覆を含む
例えば板、パネル又はウエブの形での発光物品を提供す
るための良好な妥協は、EP−A 0510754に記
載されている。
【0086】リン光体層の観点から、特に増大した厚さ
自体が、放出光の増大した非鮮鋭度を生ぜしめうる、こ
れは、リン光体粒子の量及び結合剤の量の間の重量比
が、前記リン光体(“顔料”とも称される)の同じ被覆
量に対して減少すると更に不利である。結合剤の量を減
少することによって、より鮮鋭な画像を得るため顔料対
結合剤の重量比量を増強すると、例えばスクリーン中の
被覆リン光体層の不充分な弾性及び脆性により、スクリ
ーンの許容し得ない操作特性をもたらす。
【0087】結合剤及び顔料の被覆量を変えることな
く、そして露光中リン光体層と接触しているフィルム材
料上の画像鮮鋭度に有利になるより薄い被覆リン光体層
を得る一つの方法は、EP−A 0393662に記載
されている如く被覆された層を圧縮する方法の使用をす
る。高度の操作容易性を維持し、これによってスクリー
ンの良好な弾性を与え、支持体とリン光体層の間の良好
な接着性を与え、前記リン光体層の脆性を避け、すぐれ
た解像を得るため、顔料対結合剤の容積比を有するリン
光体層を得るための非常に良い解決法は、WO 94/
000531に記載されている、この特許でリン光体層
の結合媒体は実質的に一種以上のゴム及び/又は弾性重
合体から実質的になり、リン光体対結合媒体の容量によ
る比は少なくとも70:30で、多くても92:8であ
り、充填比は67%未満である。結合剤の種類及びリン
光体対結合剤の高容量比の選択により、EP−A 03
93662に記載されている如く、70%以上の値まで
空隙を減少するように圧縮することによる充填密度を増
大させる必要なく、高解像のみならず高感度を得ること
ができる。更にリン光体層は、機械的損傷に対する高い
保護を維持し、従って操作容易性を維持する。リン光体
粒子のための実際上有利な結合剤媒体はWO94/00
0530に更に記載されている。その中で結合剤媒体
は、ゴム状及び/又は弾性重合体として飽和されたゴム
ブロックを有する一種以上の水素化スチレン−ジエンブ
ロック共重合体から実質的になっている。重合体は式A
−B−A(トリブロック)又は式A−B(ジブロック)
によって表すことができ、Aはスチレンを表し、Bは水
素化ジエンブロック、例えばエチレン−ブチレン又はエ
チレン−プロピレンを表す。
【0088】スクリーン/フィルム組合せは、対称又は
非対称であることができる:これは、速度及び/又はそ
こから放出される放射線において異なるスクリーンが異
なること、及び/又はフィルム支持体の両側で、速度及
び/又はコントラスト及び/又はスペクトル感度に差が
あることを意味する。
【0089】露出光は、EP−A 0580029に示
されている如く、少ない光吸収により、塩化銀リッチの
ハロゲン化銀結晶による回折が小さい。画像鮮鋭度につ
いての別の進歩が、臭化銀リッチのハロゲン化銀結晶と
比較して期待できる。臭化銀リッチの結晶と比較したと
き、塩化銀リッチのハロゲン化銀結晶の良好な溶解度の
結果として、迅速処理能力について見たとき、塩化銀リ
ッチのハロゲン化銀結晶を有する乳剤を含む材料は更に
有利であろう。
【0090】本発明において説明した如くして提供され
る画像形成法は、60〜150kVpのエネルギーを有
するX線の変換後、増感スクリーンの緑光放出リン光体
によって放出される光での露光後の前記フィルム材料の
処理の工程にある、この場合前記処理工程は自動処理機
中で進行する。
【0091】本発明の画像形成法は更に、前述した画像
形成システムで使用した前記フィルム材料の処理工程を
含む、この場合前記処理は、(イソ)アスコルビン酸、
1−アスコルビン酸、レダクチン酸、それらの塩及び/
又は誘導体を含む現像溶液中での現像工程;アルミニウ
ム塩を含まない定着溶液中での定着工程;洗浄及び乾燥
工程を含む。
【0092】前記現像溶液及び定着溶液を補給すること
は、それぞれ100〜200ml/m2 及び50〜15
0ml/m2 の範囲での補給液量で行うのが好ましい。
前記処理のため、好ましくは自動操作装置を使用する、
但し、処理溶液の自動補給のためのシステムを設ける。
その中での処理は、本発明の画像形成システムで使用す
る材料に対して、乾燥から乾燥まで30〜60秒、更に
好ましくは30〜50秒の短い処理時間内で行う。自動
処理装置中で普通に使用される構成は、次の逐次溶液と
して:現像液−定着液−洗浄水に相当する逐次タンクを
示す。
【0093】しかしながら最近の現像は、環境問題の観
点から、特に補給量の減少の観点から、逐次溶液とし
て、現像液−定着液−定着液−洗浄水−洗浄水の順序が
好ましいことを示している。現像及び定着の間の一つの
洗浄工程及び乾燥前の終わりでの洗浄工程も存在させる
ことができる。
【0094】環境問題上疑問のある“ハイドロキノン”
の代わりに又は部分的な代わり(例えば1:1〜9:1
の重量比で)に、現像液中の主たる現像主薬として(イ
ソ)アスコルビン酸、1−アスコルビン酸及びテトラメ
チルレダクチン酸が好ましい。前記現像主薬は、例えば
EP−A 0461783,0498968,0690
343,0696759,0704756,07326
19,0731381及び0731382;US−A
5474879及び5498511及び RDNo.371
052(1995年3月1日発行)に記載されており、
これらの中には前記現像主薬の式をカバーする一般式が
示されている。
【0095】保恒剤として現像液中に存在するサルファ
イトの如き可溶性化剤によって有利である“スラッジ形
成”を減少するため、特に好適な現像溶液は、“低スラ
ッジ”現像液とも称され、主現像剤及び酸化防止剤とし
て作用するアスコルビン酸及びサルファイトの減少した
量を含むものである。
【0096】環境に有利な定着液において、アルミニウ
ムイオンの存在は減少すべきであり、更に好ましくはア
ルミニウムイオンは存在させるべきでない。これは“ス
ラッジ”形成のない有利性が更にある、この現像は、感
光性層中で大量の銀を被覆したときパイライン(pi−li
ne)欠陥をもたらす。“スラッジ形成”を減ずるための
測度は、更にUS−A 5447817,546283
1及び5518868に記載されている。特に好適な定
着溶液は、酢酸の存在することなしに、1lについて2
5g未満の量の亜硫酸カリウムを含有する、前記定着液
は、定着液を少し無臭にするため少なくとも4.5のp
H値を有する。α−ケトカルボン酸化合物の存在は、E
P−A 0620483及び0726491及びRD
16768(1978年3月発行)に記載されている如
く有用であることがある。定着剤としてチオ硫酸ナトリ
ウムを使用することができる、かくすると通常使用され
る環境問題上好ましくないアンモニウムイオンを避ける
ことができる。塩化銀リッチの乳剤結晶の少ない被覆量
のため、約2〜10秒に減少した定着時間を得ることが
できる。
【0097】本発明による方法で使用する現像溶液は、
次の処理溶液中へのクロスオーバーによる液体容量の減
少のみならず、現像剤分子の酸化によるpHの変化のた
め補給すべきである。これは、規則的時間間隔基準で、
又は処理されたフィルムの量に基づいて、又は両方の組
合せによって行うことができる。これらの情況の下で
は、再生瓶を処理単位に調整する前に稀釈及び混合工程
は必要ない。更に再生は最少に保たれる、特に塩化銀リ
ッチの乳剤結晶の非常に少ない量から被覆した材料の処
理に当たってはそうである。好ましい最少再生又は補給
量は、現像液に対しては100〜200ml/m2 、更
に好ましくは100〜150ml/m2 、定着液体に対
しては50〜150ml/m2 、更に好ましくは50〜
100ml/m2 である。アスコルビン酸又はその誘導
体及び3−ピラゾリドン誘導体を含む現像液の補給は、
EP−A 0573700に記載されており、これには
下記の工程を含む画像に従って露光されたハロゲン化銀
写真材料を一定の活性度で処理するための方法が記載さ
れている:
【0098】(a)現像主薬としてアスコルビン酸同族
体、又は誘導体及び3−ピラゾリドン誘導体を含有する
現像溶液によって、連続自動法で写真材料を現像する;
【0099】(b)現像溶液より高いpHを有する少な
くとも一つの補給溶液による前記現像溶液の補給。
【0100】これと関係した他の文献には、EP−A
0552511及びUS−A 5503965及び更に
EP−A 0660175及びEP出願 No.96203
727(1996年12月30日出願)及び97203
096(1997年10月6日出願)がある。
【0101】迅速処理と環境問題の間の完全リンクに関
する目的を達成するため、前述した要件に適合した処理
装置は何でも使用することができるが、処理に関する本
発明の目的は、例えば処理装置CURIX HT530
(Agfa−Gevaert により市販されている商品名製品)で
実現された。
【0102】しかしながら、処理装置に関しては新しい
現像が利用できるようになって来た。従来の処理装置に
おいては、シート材料は一般に水平供給通路に沿って輸
送され、シート材料は、各処理液の表面の下でかつ容器
の間を分ける壁の上を通る巡回供給通路を介して一つの
容器から別の容器へと通る。しかしながら実質的に垂直
方向を有する処理機も提案された、この機械において
は、一つが他の上にある複数の容器が装着されており、
各容器は、シート材料入口として作用する頂部での開口
及びシート材料出口として作用する底での開口、又はこ
の逆での開口を有する。この関係において、“実質的に
垂直”なる語は、シート材料が、何れも正確に垂直であ
るか又は水平構成部分よりも大なる垂直構成部分を有す
る入口から出口への通路に沿って移動することを意味す
るものとする。装置のため垂直方向の使用は多くの利点
をもたらす。特にこの装置は、従来の水平配置によって
占められた床スペースの小部分のみを占める。更に垂直
方向装置でのシート輸送通路は、水平方向装置において
普通である巡回供給通路とは対照的に、実質的に真っ直
ぐである。直線通路はシート材料の剛性とは無関係であ
り、水平方向装置と比較して擦傷の危険を減少する。垂
直方向装置においては、シート材料が装置を通るときの
持越し、及び一つの容器から別の容器への処理液の漏洩
を避けること、又は少なくとも最少にすることが重要で
ある。
【0103】更に一つの容器中の処理液が隣接容器の内
容物によって汚されないこと、即ち次の高い容器の処理
液によって、又は次の低い容器から逃げる蒸気によって
汚されないことが望ましい。処理液の消耗を減少させる
ため、それらの蒸発、酸化及び炭化を減少させることが
更に望ましい。そのための解決がEP−A 07446
56に提案されている、この中には、汚染、及び蒸発、
酸化及び炭化は共に、写真シート材料の処理のための装
置の特定構成によって簡単な方法で減少できることが記
載され、これは装置を通る実質的に垂直のシート材料通
路を規定するため重ねた形で一つの槽を他の槽の上に装
着した複数の槽を含み、各槽はハウジングを含み、ハウ
ジング内には、シート材料通路が間を通って延びるロー
ラーニップを規定するため反応面に向かって片寄らせ、
そして一方でローラーと反応面の間の気密及び液密シー
トを与える作用をする封止手段そして他方でハウジング
の壁を構成する封止手段を組合せた回転可能ローラーが
装着されている。第一の観点によれば、本発明は、密閉
された方法で重ねた状態で各槽が隣接槽に接続するため
の手段を特長とし、第二の観点によれば、この発明はロ
ーラーが駆動ローラーであることを特長としている。
【0104】特に前述した目的は、1996年6月24
日出願のEP出願 No.96201753に記載されてい
る如く、現像液がアスコルビン酸現像主薬を含有し、装
置の現像槽が密閉槽であるとき達成できる。その発明に
よれば、装置を通るシート材料通路を規定するため配置
された複数の処理槽を含み、槽の少なくとも一つが現像
液を含有する現像槽を構成する装置であり、現像槽が密
閉槽であり、現像液がアスコルビン酸系現像主薬である
ことを特徴としている装置を使用して写真シート材料を
処理する方法が提供されている。
【0105】処理装置の別の特徴についてはEP−A
0819992を参照されたい。それは、CPUの実質
的な再プログラムの必要なしに、操作コンポーネントを
容易に置換できる装置を提供することを目的としてい
る。これは各操作コンポーネントの特性に関する情報を
別のメモリー手段に貯えておくとき達成できた。
【0106】一般に、写真シート材料のための処理装置
は、幾つかの処理槽を含んでおり、その大部分又は全部
が、処理液、例えば現像液、定着液又は洗浄液を含有す
る容器の形である。ここで使用するとき、“シート材
料”なる語は、カットシートの形での写真材料のみなら
ず、ロールから巻き出されるウエブの形も含む。処理さ
れるシート材料は、順次これらの容器を通るシート材料
通路に沿って、通路規定駆動ローラーの一つ以上の対の
如き輸送手段によって運ばれ、その後所望によって乾燥
装置へと運ばれる。各容器中でシート材料によって消費
される時間は、輸送速度及びシート供給通路方向での容
器の寸法によって決まる。
【0107】時々、シート材料自体から由来することの
あるくず及び処理液から由来する付着物を除去するた
め、処理装置を清浄にする必要がある。垂直又は水平配
置であろうとなかろうとも、処理装置の清浄化のための
通常の方法は、処理液を排出し、清浄化する液で装置を
流すことである。所望によっては各種の添加剤を含有
し、所望によっては高温での水が普通の清浄化液であ
る。従って通路規定ローラーは、簡単かつ便利な方法
で、開いた位置で相互に分離できる装置を提供すること
をかつては目的としていた。これが達成できる方法は、
1996年8月31日出願のEP出願 No.962021
64に記載されており、通路規定ローラーは、閉じた位
置で固定されている偏心スリーブによって担持されたベ
アリングによって支持され、開放位置に相互に通路規定
ローラーを引き出すためスリーブを部分的に回転する手
段が設けられている。例えば、少なくとも一つの処理装
置、槽を通るシート材料通路を規定する一対の回転可能
通路規定ローラー、閉じた位置(この場合、通路規定ロ
ーラーはシート材料通路が通って延びるニップを形成す
るため相互に接触した状態に片寄らせてある)及び開い
た位置(この場合通路規定ローラーは相互に間隔があい
ている)を有する通路規定ローラーを含むシート処理装
置が提供され、この装置は通路ローラーが、閉じた位置
で固定されている偏心スリーブによって担持されたベア
リングによって支持され、スリーブを部分的に回転し、
これによって開いた位置に相互から通路規定ローラーを
引き出す手段が設けられていることを特徴としている。
【0108】本発明の範囲には、両側被覆フィルムと二
つの緑光放出増感スクリーンの任意の組合せを使用でき
ることは明らかであり、前記フィルムは、銀の最少量か
ら被覆され、しかも緑光に変換されたX線による露光
後、迅速生態学的処理(硬化剤不含現像液で現像主薬と
してアスコルビン酸及び/又はその誘導体及び臭気のな
い定着液を用い、アルミニウムを含まず、これによって
スラッジを減少させる;現像液及び定着液のための補給
量をできる限り少なくする)における充分な被覆力(そ
のためには例えばEP−A 0709730参照)をな
お提供する立方晶及び/又は{111}平板状塩沃化銀
乳剤結晶を含有する、そしてしかも前記二重被覆フィル
ムのための一部低クロスオーバー露光により、センシト
メトリー及び画像品質、特に鮮鋭度の間の最良の関係が
得られることが明らかである。
【0109】実施例 実施例1 本実施例は、他の化学増感化合物よりも、セレンを含む
化学増感化合物で化学的に増感した立方晶AgCl
(I)結晶を含む乳剤の利点を証明する。
【0110】
【0111】溶液1のUAg値は(飽和銀/塩化銀参照
電極に対するmVで表示した電位値)は、脱イオン水1
lについて50gの濃度を有する硝酸銀溶液0.44m
lの添加後、塩化ナトリウム234gを有する溶液約7
mlの滴加によって核生成開始前に+138mVの一定
値で調整した。
【0112】60℃の一定温度で行った前記核生成工程
中、500rpmの攪拌速度で攪拌しながら、溶液1
に、3ml/分の流速で5分間にわたり溶液2及び溶液
3の一部を同時に加えた。この核生成工程後、UAg値
は、溶液2を3ml/分から30ml/分まで変化する
増大する流速で加え、同時に溶液3を加えて+138m
Vの同じ値に再調整した、尚溶液3の流速は、+138
mVの同じ一定UAg値でUAgを維持しながら56分
5秒間にわたって同じ一定UAg値を維持するために変
化させた。
【0113】乳剤は、酸性にした乳剤にポリスチレンス
ルホン酸の添加によって凝集後、1lについて塩化ナト
リウム0.46gを含有する脱イオン水の溶液で洗っ
た。洗った凝集物に130gのゼラチンを加え、続いて
再分散させた。この方法で1mol%の沃化銀含有率及
び99mol%の塩化銀含有率を有する0.48μmの
平均粒度を有する立方晶塩沃化銀乳剤を得た。
【0114】前記乳剤のpHは5.15で調整し、pA
gは7.00で調整した。上述した如くして得られた分
散液に、パラトルエンチオスルホネート5mg、沃化カ
リウム1g、塩化金酸15mg、チオシアン酸アンモニ
ウム30mg及びテトラメチル−ジチオカルボン酸ジア
ミド25mg及び表に示す如きSeを含む化合物3.3
×10-6を40℃で加えた。
【0115】化学増感は150分間46℃で行った。
【0116】スペクトル増感は、0.05mmolのア
ンヒドロ−5,5′−ジフェニル−3,3′−ビス(n
−スルファトプロピル)−9−エチル−オキサカルボシ
アニンハイドロオキサイド及び0.09mmolのアン
ヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,3′−ビス(n−ス
ルホブチル)−9−エチル−オキサカルボシアニンハイ
ドロオキサイドの混合物によって行った。更に安定剤と
して、40mg(Ag1molについて)の1−フェニ
ル−5−メルカプトテトラゾール及び150mg(Ag
1molについて)の1−p−カルボキシ−フェニル
−5−メルカプトテトラゾールを加えた。硬化促進剤と
してレゾルシノールを、Ag 1molについて2.8
gの量で加えた。
【0117】連続的に0.5gのポリグリコール(MW
=6000)を現像促進剤として、20mlのポリオキ
シエチレン界面活性H178 −フェニル−(O−CH2
−CH2 8 −O−CH2 −COOH及び140mg
(Ag 1molについて)のフルオログルシノールを
硬化剤安定剤として、そして可塑剤として使用したポリ
メチルアクリレートラテックス(ゼラチン結合剤の量を
基準にして140重量%の量で)と共に加えた。かくし
て作った乳剤被覆溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体上に、一側についてゼラチン1.9g/m2 及び
一側についてAgNO3 によって3.75g/m2 の被
覆重量を与えるための量で被覆した。
【0118】その上に下記保護層を被覆した(pH値:
6.1)。
【0119】
【化8】
【0120】
【化9】
【0121】
【化10】
【0122】被覆試料の評価 X線露光は、68kVp X線で行った、そしてANS
I−ファントムはスクリーン−フィルムシステムで露光
した。この場合スクリーンは、ORTHO REGUL
AR NEWスクリーン(Agfa−Gevaert からの商標製
品)であった、そしてフィルムは変えることができた
(表1中の乳剤A〜G参照)。得られた曲線の濃度は補
正したlog K値に対してプロットした、前記値は空気吸
収に対して補正した。露光したハロゲン化銀乳剤材料A
〜Gの処理は、下記現像液INVDEVで、続いて定着
液INVFIX中で、そして示した35℃の温度で45
秒間の処理時間での洗浄を行った。
【0123】
【化11】
【0124】
【0125】現像した試料は、定着液INVFIXで定
着し、続いて水洗した。
【0126】前記定着液の組成は次の通りであった:
【0127】新しく作った材料及び34%の相対湿度及
び57℃の温度を有する室中で3日間調湿後の同じ材料
について得られたセンシトメトリー特性の差を後掲の表
1に、接頭文字“δ”と共に、そして続くパラメーター
と共に示す。
【0128】前記センシトメトリーの差は下記に対して
表示する:
【0129】かぶりレベルF、支持体濃度の上の最小濃
度として測定した、この場合濃度は1000倍してあ
る;
【0130】速度値S、かぶりレベルの上1.0の濃度
で測定した、この場合前記値は100倍してある(負の
差は速度損失の指標である);
【0131】階調レベルGG、この場合差は%数として
示してある:GG階調値はかぶりレベルの上1.0及び
3.0の濃度の間で測定した;
【0132】Dmax :得られた最高濃度、100倍して
ある。
【0133】
【表1】
【0134】表1における式VIIIによるセレン化合物に
ついては下記に示す。
【0135】
【化12】
【0136】参考としてCURIX HTUフィルム
(Agfa−Gevaert NV からの商標製品)のスクリーン速
度は0.63の値を有する。
【0137】速度における低強度相反則不軌(reciproc
ity failures )(LIRF)の値は、ここに0.1秒
と0.01秒の間の露光時間に対して得られた速度にお
ける差としてここに示す、そして表1にも加えてある。
【0138】表1に与えた数値から結論できるようにセ
レン化合物VI及びVIIIの使用は、改良された速度レベル
をもたらすが、フィルムの調湿後かぶりレベルにおける
大きな差を与える:これは、前記セレン化合物で化学熟
成した塩沃化銀結晶を有する乳剤から被覆した新しく作
った材料に対して既に高いかぶりレベルを与えていたの
で期待できた。前記化合物VI及びVIIIを除いて、本発明
の画像形成システムにおいて使用するのに好適なセレン
化合物は、明らかに増大した速度(感度)以外に、許容
しうる程度に(多くても0.017濃度点:Se化合物
1参照)比較実施例(乳剤A)のかぶりレベルを越える
尚許容しうるかぶり濃度レベルを与える。階調における
損失は、前述したSe化合物VI及びVIIIと共に熟成した
ものを除き、セレン熟成乳剤に対して10%未満に減少
している。
【0139】最高濃度の損失は、本発明によるシステム
で使用するのに好適なセレン化合物で乳剤を熟成した材
料に対しては更に低い。
【0140】LIRF値(低強度相反則不軌に対する
値)は、速度における前記の低損失についての納得のゆ
く指標であり、得られたスクリーン速度に従って完全で
ある:本発明において使用するセレン化合物で化学熟成
した乳剤結晶を有する材料に対して2倍のスクリーン速
度が見られる。前記値は高速度(“400”システムの
速度又は感度)に達する能力に対する指標である:参考
として0.63のスクリーン速度は、CURIX HT
Uフィルム(Agfa−Gevaert NV からの商標製品)に相
当することを繰返して示す。
【0141】実施例2 本実施例は、セレンを含有する化学的に増感する化合物
で化学増感した{111}主面を有する平板状AgCl
(I)結晶を含む乳剤の利点を証明する。
【0142】下記溶液を作った: (1)0.444molの塩化ナトリウム、15gの不
活性ゼラチン及び270mgのアデニンを含有する3l
の分散媒体(C);温度は45℃で確立し、pHは5.
5に調整した。 (2)2.94モルの硝酸銀溶液(A); (3)4.476molの塩化ナトリウム0.0224
molの沃化カリウム及び420mgのアデニンを含有
する溶液(B1)。
【0143】核生成工程は、分散媒体Cに溶液A及び溶
液B1を同時に、共に30秒間30ml/分の流速で導
入して行った。15分の物理熟成後(この間に温度を7
0℃に上昇させた)、そして97.5gのゼラチン及び
1500mlの水を加え、混合物を更に5分間攪拌し
た。次いで、生長工程は、二重ジェットで66分間、溶
液Aを7.5ml/分の流速で開始し、37.5ml/
分の最終値まで直線的に増大させた速度で、そして溶液
B1を、飽和カロメル電極(S.C.E.)に対する銀
電極によって測定して+92mVの一定mV値を保つよ
うに増大する流速で導入して行った。この乳剤のため、
製造段階の終わりで、更に0.8mol%の量の沃化物
を加えることによって、1.3mol%の塩沃化銀平板
状結晶中の沃化物含有率を得た。
【0144】この分散媒体に、塩化銀1molについて
1.25mmolの量の染料アンヒドロ−5,5′−ジ
クロロ−3,3′−ビス(n−スルホブチル)−9−エ
チルオキサカルボシアニンハイドロオキサイドを加え
た。
【0145】約40℃に冷却した後、前記分散媒体のp
H値を硫酸で3.0に調整し、55.5mlのポリスチ
レンスルホン酸の添加後、得られた凝集物を傾瀉し、存
在する可溶性塩を除くため、6lの脱イオン水で3回洗
浄した。かくして得られた塩化銀平板状乳剤は下記粒子
特性を示した。
【0146】平均直径dEM、平均厚さ“t”、平均アス
ペクト比ARは、電子顕微鏡写真から得た:粒子の直径
は、前記写真で見たときの粒子の投影面積に等しい面積
を有する円の直径として規定した。更に顕微鏡的に微細
な電極を用いハロゲン化銀粒子の還元によって得られた
電気還元電流の測定から得られた平均球等価直径dEM
与えられる:球等価直径は、相当する平板状粒子と同じ
容積を有する仮定の球状粒子の直径として規定する。か
くして1.27μmの“dEM”に対する値、0.14μ
mの“t”に対する値及び8.8のARに対する値が見
出された。
【0147】乳剤を等しい三つの部分A,B及びCに分
けた。化学熟成の開始前に、各乳剤のmV値は、塩化ナ
トリウムを用いて+120mVで調整し、pH値は水酸
化ナトリウムで5.5で調整した。
【0148】熟成溶液の異なる組成をもたらす熟成剤
は: (1)A部に対して:硫黄源としてチオ硫酸ナトリウ
ム; (2)B部に対して:硫黄に代わるセレン源としてテト
ラメチルセレン尿素(式III 参照); (3)C部に対して:B部に対するのと同じであるが、
A部で使用した硫黄源の半分の量で硫黄源としてチオ硫
酸ナトリウムを加えた。
【0149】三つの部分A,B及びCに対して同じ別の
化学熟成剤は、チオシアン酸金であった、そしてトルエ
ンチオスルホン酸を予備熟成剤として使用した。化学熟
成剤の量は、57℃で2時間後、最適のかぶり−感度関
係を得るため最適にした。
【0150】被覆する前に、各乳剤は1−p−カルボキ
シフェニル−5−メチルカプトテトラゾールで安定化
し、通常の被覆添加剤を加えた後、溶液を、厚さ175
μmを有するポリエチレンテレフタレートフィルム支持
体の両側に、一側についてゼラチン1.3g/m2 を含
む保護層と共に同時に被覆した。形成された写真材料
は、一側についてAgNO3 の4.5g/m2 に相当す
るハロゲン化銀の量及び3.55g/m2 に相当するゼ
ラチンの量を含有していた。これらの被覆試料A,B及
びCは、連続光学楔を用い0.1秒間540nmの緑光
で露光した。
【0151】同量の脱イオン水で稀釈すべき前述した濃
縮された硬化剤不含現像液での処理(使用に供する現像
液のpHは10.46である)は、下記センシトメトリ
ー結果をもたらした。
【0152】光線量の関数としての濃度を測定し、それ
から下記パラメーターを測定した: (1)かぶりレベルF(0.001濃度の精度で)、
(2)かぶりの上1の濃度での相対速度S(2倍の前記
速度の増大は、関係が対数であり、そして所望濃度を得
るために少ない光を必要とするので、0.30低い速度
値を与える)、(3)かぶりの上0.25及び2.0の
濃度の間で計算した階調Gとして表示したコントラス
ト、(4)最高濃度DMAX。
【0153】それぞれ乳剤部分A,B及びCからの被覆
を用いて、かぶりF、感度S、コントラストG及び最高
濃度DMAXに対して得た結果を後記表2に集計する。
【0154】90秒の処理サイクルで、それ自体普通の
処理溶液(Agfa−Gevaert からの現像液及び定着液の商
標名G138/G343)中で処理したCURIX O
RTHOフィルム材料(Agfa−Gevaert からの商品名製
品)に対する規格を参考として示す。
【0155】
【0156】かぶり、感度及び階調の間の最も有利な関
係は、乳剤Cで得られた、乳剤Cは不安定硫黄及びセレ
ンの組合せを使用している。
【0157】本実施例において、本発明の画像形成シス
テムにおける如く、平板状塩沃化銀{111}結晶を有
する乳剤から被覆した放射線写真フィルム材料を用いて
も、45秒の短い処理時間に対してさえ好適なセンシト
メトリーを得ることができることが証明された。
【0158】本発明の詳細にして好ましい例に記載した
ことは、特許請求の範囲に規定した発明の範囲から逸脱
することなく多くの改変がなしうることは明らかであろ
う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フレディ・アンデリックス ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 ヨアン・ロックフィー ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 ペテル・ヴェレプ ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に緑光発光リン光体の少なくと
    も一つの層を含む増感スクリーン、及びそれと作用的に
    組合せた形での、支持体及びその両側上に一つ以上の親
    水性コロイド層を含む予備硬化した感光性写真ハロゲン
    化銀フィルム材料からなる放射線医学画像形成用画像形
    成システムであり、前記層が、前記材料を35℃の脱イ
    オン水中に2分間浸漬した後、それらの膨潤度が200
    %未満に低下される程度に硬化されており;前記親水性
    層の少なくとも一つ中に、0.40μm〜0.65μm
    の平均結晶直径を有する化学的に熟成された単分散立方
    晶塩沃化銀粒子、又は20〜200の平板度及び5〜2
    0のアスペクト比を有する化学的に熟成された{11
    1}平板状塩沃化銀粒子を含み;前記粒子が、520〜
    580nmの波長範囲に対してスペクトル増感されてお
    り、540〜550nmに最高吸収を有し、1m2 につ
    いて6g〜8gの銀の全量(前記量は1m2についての
    硝酸銀の当量として表示されている)で被覆されている
    画像形成システムにおいて、前記塩沃化銀粒子が、45
    ℃〜70℃の温度で、100〜200mVの飽和銀/塩
    化銀参照電極と銀電極の間の電位差で前記粒子を含む乳
    剤中でセレン化銀を発生する一種以上のセレン化物化合
    物で化学的に増感されていることを特徴とする画像形成
    システム。
  2. 【請求項2】 前記セレン化物化合物が、セレノウレウ
    ム(selenoureum )、置換トリフェニルホスフィンセレ
    ナイド、及び飽和及び不飽和トリフェニルオルソホスフ
    ェートセレナイドからなる群から選択された化合物であ
    ることを特徴とする請求項1の画像形成システム。
  3. 【請求項3】 前記スペクトル緑増感された単分散立方
    晶粒子及び/又は平板状粒子が、ベンゾイミダゾロカル
    ボシアニン、ベンゾオキサゾロカルボシアニン及びそれ
    らの組合せから選択された化合物でスペクトル増感され
    ていることを特徴とする請求項1又は2の画像形成シス
    テム。
  4. 【請求項4】 前記化学的に熟成された単分散立方晶粒
    子及び/又は平板状塩沃化銀粒子が、一種以上の硫黄及
    び/又は金化合物で化学的に更に熟成されていることを
    特徴とする請求項1〜3の何れか1項の画像形成システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記硫黄化合物が、テトラメチルチオ−
    ジチオカルボン酸ジアミド、ジメチルアミノ−ジチオメ
    ルカプタン、チオサルフェート及びチオスルホネート化
    合物からなる群から選択された化合物であることを特徴
    とする請求項4の画像形成システム。
JP6447098A 1997-03-01 1998-02-27 放射線医学画像形成用システム及び方法 Pending JPH10282611A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002533737A (ja) * 1998-12-23 2002-10-08 デュール デンタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト X線像のための平板記憶素子

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JP2002533737A (ja) * 1998-12-23 2002-10-08 デュール デンタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト X線像のための平板記憶素子
JP4979849B2 (ja) * 1998-12-23 2012-07-18 ミヒャエル トームス X線像のための平板記憶素子及び平板記憶素子を製造する方法

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