JPH10281663A - 溶融金属容器内張り耐火物の補修方法 - Google Patents
溶融金属容器内張り耐火物の補修方法Info
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- JPH10281663A JPH10281663A JP9103994A JP10399497A JPH10281663A JP H10281663 A JPH10281663 A JP H10281663A JP 9103994 A JP9103994 A JP 9103994A JP 10399497 A JP10399497 A JP 10399497A JP H10281663 A JPH10281663 A JP H10281663A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭素含有不定形耐火物を使用すると、補修層
の残厚寸法が十分にあるにもかかわらず、旧耐火物から
補修層が剥離していた。 【解決手段】 溶融金属容器に内張り施工した旧耐火物
1の表面に、補修用の炭素含有不定形対火物を施工して
補修する溶融金属容器内張り耐火物の補修方法におい
て、予めスラグを除去した旧耐火物1の表面に、焼成に
より炭素結合を生ずる接着剤の層2を形成した後、炭素
含有不定形耐火物を施工して補修層3を形成する。
の残厚寸法が十分にあるにもかかわらず、旧耐火物から
補修層が剥離していた。 【解決手段】 溶融金属容器に内張り施工した旧耐火物
1の表面に、補修用の炭素含有不定形対火物を施工して
補修する溶融金属容器内張り耐火物の補修方法におい
て、予めスラグを除去した旧耐火物1の表面に、焼成に
より炭素結合を生ずる接着剤の層2を形成した後、炭素
含有不定形耐火物を施工して補修層3を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属容器、例
えば、転炉、混銑車、樋、取鍋等に内張り施工した耐火
物を炭素含有不定形耐火物により補修する溶融金属容器
内張り耐火物の補修方法に関する。
えば、転炉、混銑車、樋、取鍋等に内張り施工した耐火
物を炭素含有不定形耐火物により補修する溶融金属容器
内張り耐火物の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属容器、例えば、高炉樋や取鍋等
の内張り耐火物は、その損傷の都度、内張り耐火物の表
面に補修用の不定形耐火物を継ぎ足し、或いは吹付けて
施工することにより補修されている。しかし、内張り耐
火物の表面にはスラグが付着しているため、このスラグ
上に不定形耐火物を新たに施工して補修層を形成する
と、補修層と旧耐火物とに熱変化に起因する熱膨張収縮
量の差異があるため、補修層が旧耐火物から剥離しやす
かった。
の内張り耐火物は、その損傷の都度、内張り耐火物の表
面に補修用の不定形耐火物を継ぎ足し、或いは吹付けて
施工することにより補修されている。しかし、内張り耐
火物の表面にはスラグが付着しているため、このスラグ
上に不定形耐火物を新たに施工して補修層を形成する
と、補修層と旧耐火物とに熱変化に起因する熱膨張収縮
量の差異があるため、補修層が旧耐火物から剥離しやす
かった。
【0003】この補修層の剥離を防止する対策として、
特公平7―98266号公報に記載されているように、
内張り耐火物の表面に付着したスラグを高温用バーナー
を用いて溶融除去した後、スラグが浸潤した内張り耐火
物の表面層を回転式のロールを振動させながら切削除去
し、その後に不定形耐火物を施工して補修層を形成する
補修方法が採られていた。
特公平7―98266号公報に記載されているように、
内張り耐火物の表面に付着したスラグを高温用バーナー
を用いて溶融除去した後、スラグが浸潤した内張り耐火
物の表面層を回転式のロールを振動させながら切削除去
し、その後に不定形耐火物を施工して補修層を形成する
補修方法が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の内張
り耐火物の補修方法においては、炭素未含有耐火物では
旧耐火物に付着したスラグ成分が稼動中に旧耐火物から
補修層に拡散するため良好な結合力を生ずるが、炭素含
有不定形耐火物ではスラグの浸透が少なく、スラグも付
着しにくいため、スラグ成分の拡散による結合力を期待
することができない。したがって、補修用の不定形耐火
物を施工する前に旧耐火物の表面に付着した地金やスラ
グを除去し、その後、不定形耐火物の継ぎ足し、或いは
吹き付け補修を行うことが一般的である。しかし、補修
層の残厚寸法が十分にあるにもかかわらず、旧耐火物と
補修層の結合強度が殆どなく、旧耐火物と補修層との間
に溶融スラグや溶融金属が侵入し、或いは熱スポールに
より稼動中に補修層の剥離が多発するという問題があっ
た。
り耐火物の補修方法においては、炭素未含有耐火物では
旧耐火物に付着したスラグ成分が稼動中に旧耐火物から
補修層に拡散するため良好な結合力を生ずるが、炭素含
有不定形耐火物ではスラグの浸透が少なく、スラグも付
着しにくいため、スラグ成分の拡散による結合力を期待
することができない。したがって、補修用の不定形耐火
物を施工する前に旧耐火物の表面に付着した地金やスラ
グを除去し、その後、不定形耐火物の継ぎ足し、或いは
吹き付け補修を行うことが一般的である。しかし、補修
層の残厚寸法が十分にあるにもかかわらず、旧耐火物と
補修層の結合強度が殆どなく、旧耐火物と補修層との間
に溶融スラグや溶融金属が侵入し、或いは熱スポールに
より稼動中に補修層の剥離が多発するという問題があっ
た。
【0005】本発明は、炭素含有不定形耐火物であって
も、簡易な手段で、新たに施工した補修層と旧耐火物と
の間に強固な結合力が得られ、耐用性に優れた内張り耐
火物を得ることができる溶融金属容器内張り耐火物の補
修方法を提供することを目的とする。
も、簡易な手段で、新たに施工した補修層と旧耐火物と
の間に強固な結合力が得られ、耐用性に優れた内張り耐
火物を得ることができる溶融金属容器内張り耐火物の補
修方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、溶融金属容器に内張り施工した旧耐火物の表
面に、補修用の炭素含有不定形対火物を施工して補修す
る溶融金属容器内張り耐火物の補修方法において、予め
スラグを除去した旧耐火物の表面に、焼成により炭素結
合を生ずる接着剤の層を形成した後、炭素含有不定形耐
火物を施工して補修層を形成するようにしたものであ
る。
本発明は、溶融金属容器に内張り施工した旧耐火物の表
面に、補修用の炭素含有不定形対火物を施工して補修す
る溶融金属容器内張り耐火物の補修方法において、予め
スラグを除去した旧耐火物の表面に、焼成により炭素結
合を生ずる接着剤の層を形成した後、炭素含有不定形耐
火物を施工して補修層を形成するようにしたものであ
る。
【0007】好ましくは、上記接着剤が、熱硬化性樹脂
および/または熱可塑性樹脂を含有するものである。
および/または熱可塑性樹脂を含有するものである。
【0008】また好ましくは、上記熱硬化性樹脂または
熱可塑性樹脂として、フェノール樹脂または変性フェノ
ール樹脂を使用するものである。
熱可塑性樹脂として、フェノール樹脂または変性フェノ
ール樹脂を使用するものである。
【0009】さらに好ましくは、上記接着剤に、セラミ
ック粉末が添加されているものである。
ック粉末が添加されているものである。
【0010】そして好ましくは、上記接着剤に、金属粉
末が添加されているものである。請求項1乃至請求項4
のいずれかに記載の溶融金属容器内張り耐火物の補修方
法。
末が添加されているものである。請求項1乃至請求項4
のいずれかに記載の溶融金属容器内張り耐火物の補修方
法。
【0011】また好ましくは、上記接着剤層が、0.5
mm以上の厚みに形成されるものである。
mm以上の厚みに形成されるものである。
【0012】本発明によれば、予めスラグを除去した旧
耐火物の表面に、フェノール樹脂または変性フェノール
樹脂を含有する接着剤の層を形成した後、炭素含有不定
形耐火物を施工して補修層を形成するようにしたので、
稼動中にフェノール樹脂の重縮合反応が進行し、補修層
と旧耐火物との間に炭素結合が生じ、結合力に優れた耐
火物施工体が得られるものである。
耐火物の表面に、フェノール樹脂または変性フェノール
樹脂を含有する接着剤の層を形成した後、炭素含有不定
形耐火物を施工して補修層を形成するようにしたので、
稼動中にフェノール樹脂の重縮合反応が進行し、補修層
と旧耐火物との間に炭素結合が生じ、結合力に優れた耐
火物施工体が得られるものである。
【0013】上記接着剤にセラミック粉末を添加するの
は、接着剤層に適度の施工厚みを得るためである。ま
た、接着剤に金属粉末を添加するのは、低温からの接着
強度を向上させることができるからである。さらに、接
着剤層の厚みを0.5mm以上に設定するのは、0.5
mm未満の厚みでは所望の接着力が期待できないからで
ある。
は、接着剤層に適度の施工厚みを得るためである。ま
た、接着剤に金属粉末を添加するのは、低温からの接着
強度を向上させることができるからである。さらに、接
着剤層の厚みを0.5mm以上に設定するのは、0.5
mm未満の厚みでは所望の接着力が期待できないからで
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。転炉、混銑車、
樋等の内張り耐火物には、MgO−C、Al2 O3 −S
iC−C等の耐火物が使用されている。この内張り耐火
物は溶損等により損傷するが、その補修には炭素含有不
定形耐火物が補修材として適用されることが多い。炭素
含有不定形耐火物は接着力を生ずる成分を含有しておら
ず、残厚寸法が十分にあるにもかかわらず旧耐火物との
接着力がほとんどなく、そのままで旧耐火物の表面に継
ぎ足し、或いは吹き付けにより施工すれば、物理的な接
着力のみに頼ることになる。
を添付図面に基づいて詳細に説明する。転炉、混銑車、
樋等の内張り耐火物には、MgO−C、Al2 O3 −S
iC−C等の耐火物が使用されている。この内張り耐火
物は溶損等により損傷するが、その補修には炭素含有不
定形耐火物が補修材として適用されることが多い。炭素
含有不定形耐火物は接着力を生ずる成分を含有しておら
ず、残厚寸法が十分にあるにもかかわらず旧耐火物との
接着力がほとんどなく、そのままで旧耐火物の表面に継
ぎ足し、或いは吹き付けにより施工すれば、物理的な接
着力のみに頼ることになる。
【0015】そこで、本発明に係る溶融金属容器内張り
耐火物の補修方法は、まず、旧耐火物の表面に付着した
スラグを切削除去し、このスラグを除去した旧耐火物の
表面に、焼成により炭素結合を生ずる接着剤の層を形成
する。スラグの除去作業は、旧耐火物の表面が凹凸にな
るように処理する。これにより接着剤層の接触面積が大
きくなり、旧耐火物との間に良好な密着が得られる。
耐火物の補修方法は、まず、旧耐火物の表面に付着した
スラグを切削除去し、このスラグを除去した旧耐火物の
表面に、焼成により炭素結合を生ずる接着剤の層を形成
する。スラグの除去作業は、旧耐火物の表面が凹凸にな
るように処理する。これにより接着剤層の接触面積が大
きくなり、旧耐火物との間に良好な密着が得られる。
【0016】接着剤は、熱硬化性樹脂および/または熱
可塑性樹脂を含有しており、例えば粉末状または溶剤溶
性若しくは水溶性のフェノール樹脂、または変性フェノ
ール樹脂を使用する。具体的には、レゾール型熱硬化性
フェノール樹脂、若しくは他の熱硬化性フェノール樹
脂、またはノボラック型熱可塑性フェノール樹脂を採用
するが、耐火物製造に使用されるフェノール樹脂または
変性フェノール樹脂であれば何でもよい。具体的には、
レゾール型熱硬化性フェノール樹脂を主体として、ノボ
ラック型熱可塑性フェノール樹脂を加えて適度な可塑性
をコントロールすることが望ましい。なお、本実施形態
では接着剤としてフェノール樹脂または変性フェノール
樹脂を含有するもの例示したが、これに限るものではな
く、焼成により炭素結合を生ずる接着剤であればよい。
可塑性樹脂を含有しており、例えば粉末状または溶剤溶
性若しくは水溶性のフェノール樹脂、または変性フェノ
ール樹脂を使用する。具体的には、レゾール型熱硬化性
フェノール樹脂、若しくは他の熱硬化性フェノール樹
脂、またはノボラック型熱可塑性フェノール樹脂を採用
するが、耐火物製造に使用されるフェノール樹脂または
変性フェノール樹脂であれば何でもよい。具体的には、
レゾール型熱硬化性フェノール樹脂を主体として、ノボ
ラック型熱可塑性フェノール樹脂を加えて適度な可塑性
をコントロールすることが望ましい。なお、本実施形態
では接着剤としてフェノール樹脂または変性フェノール
樹脂を含有するもの例示したが、これに限るものではな
く、焼成により炭素結合を生ずる接着剤であればよい。
【0017】接着剤が溶剤溶性のフェノール樹脂または
変性フェノール樹脂を含有する場合には、溶剤として、
例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル等のアルコール系の溶剤を採用する。
変性フェノール樹脂を含有する場合には、溶剤として、
例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル等のアルコール系の溶剤を採用する。
【0018】また、接着剤には、接着剤層に適度の施工
厚みを得るため、セラミック粉末を添加する。セラミッ
ク粉末としては、例えば粘土、シリカ、ムライト、アル
ミナ、スピネル、マグネシア、ジルコニア等の酸化物
や、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物や、窒化珪素、窒
化チタン等の窒化物や、ピッチ粉末、コークス、黒鉛、
カーボンブラック等の炭素原料を採用するが、旧耐火物
との馴染みをよくするため、旧耐火物中に含まれている
成分と同質ものが好ましい。セラミック粉末の粒径は、
特に限定しないが、旧耐火物のマトリックスとの結合を
生成させるため、74μm以下に設定することが好まし
い。さらに、セラミック粉末の高温での焼結性を考慮す
ると、その粒径は、10μm以下の超微粉であることが
好ましい。このセラミック粉末の添加量は、80重量%
以下とする。
厚みを得るため、セラミック粉末を添加する。セラミッ
ク粉末としては、例えば粘土、シリカ、ムライト、アル
ミナ、スピネル、マグネシア、ジルコニア等の酸化物
や、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物や、窒化珪素、窒
化チタン等の窒化物や、ピッチ粉末、コークス、黒鉛、
カーボンブラック等の炭素原料を採用するが、旧耐火物
との馴染みをよくするため、旧耐火物中に含まれている
成分と同質ものが好ましい。セラミック粉末の粒径は、
特に限定しないが、旧耐火物のマトリックスとの結合を
生成させるため、74μm以下に設定することが好まし
い。さらに、セラミック粉末の高温での焼結性を考慮す
ると、その粒径は、10μm以下の超微粉であることが
好ましい。このセラミック粉末の添加量は、80重量%
以下とする。
【0019】さらに、接着剤には、低温からの接着強度
を向上させるため、金属粉末を添加する。金属粉末とし
ては、例えばAl、Si、Al−Si合金、Fe−Si
合金、Al−Mg合金、窒化珪素鉄等の粉末を採用す
る。接着剤に金属粉末を添加することにより、カーバイ
ドの生成、酸化物の生成等を起こさせることができ、低
温からの接着強度が向上する。なお、この金属粉末の添
加量は、15重量%以下とする。
を向上させるため、金属粉末を添加する。金属粉末とし
ては、例えばAl、Si、Al−Si合金、Fe−Si
合金、Al−Mg合金、窒化珪素鉄等の粉末を採用す
る。接着剤に金属粉末を添加することにより、カーバイ
ドの生成、酸化物の生成等を起こさせることができ、低
温からの接着強度が向上する。なお、この金属粉末の添
加量は、15重量%以下とする。
【0020】旧耐火物上への接着剤層の形成方法として
は、塗布法や吹付け法等を採用するが、これらに限るも
のではない。また、接着剤層の形成厚みは、0.5mm
以上に設定することが好ましい。0.5mm未満の厚み
では所望の接着力が期待できないからである。
は、塗布法や吹付け法等を採用するが、これらに限るも
のではない。また、接着剤層の形成厚みは、0.5mm
以上に設定することが好ましい。0.5mm未満の厚み
では所望の接着力が期待できないからである。
【0021】このようにして旧耐火物の表面に接着剤の
層を形成した後、この接着剤層上に補修用の炭素含有不
定形耐火物を施工して補修層を形成する。炭素含有不定
形耐火物としては、例えばMgO−C、Al2 O3 −S
iC−C等の不定形耐火物を採用する。また、この不定
形耐火物には、その硬化時間を促進すべく、例えばアル
ミン酸カリウム、硫酸アルミニウム、珪酸ナトリウム等
の急結剤が添加されている。不定形耐火物の施工方法と
しては、例えば吹付け法、流し込み法、こて塗り法、ス
タンプ法等を採用するが、これらに限るものではない。
層を形成した後、この接着剤層上に補修用の炭素含有不
定形耐火物を施工して補修層を形成する。炭素含有不定
形耐火物としては、例えばMgO−C、Al2 O3 −S
iC−C等の不定形耐火物を採用する。また、この不定
形耐火物には、その硬化時間を促進すべく、例えばアル
ミン酸カリウム、硫酸アルミニウム、珪酸ナトリウム等
の急結剤が添加されている。不定形耐火物の施工方法と
しては、例えば吹付け法、流し込み法、こて塗り法、ス
タンプ法等を採用するが、これらに限るものではない。
【0022】かくして本実施形態の内張り耐火物の補修
方法によれば、予めスラグを除去した旧耐火物の表面
に、フェノール樹脂または変性フェノール樹脂を含有す
る接着剤層を形成した後、炭素含有不定形耐火物を施工
して補修層を形成するようにしたので、稼動中に摂氏8
00度程度でフェノール樹脂の重縮合反応が進行して強
度が発現し、補修層と旧耐火物との間に炭素結合が生じ
ることにより、結合力に優れた耐火物施工体を得ること
ができるものである。
方法によれば、予めスラグを除去した旧耐火物の表面
に、フェノール樹脂または変性フェノール樹脂を含有す
る接着剤層を形成した後、炭素含有不定形耐火物を施工
して補修層を形成するようにしたので、稼動中に摂氏8
00度程度でフェノール樹脂の重縮合反応が進行して強
度が発現し、補修層と旧耐火物との間に炭素結合が生じ
ることにより、結合力に優れた耐火物施工体を得ること
ができるものである。
【0023】
【実施例】高炉の大樋のライニングには、Al2 O3 −
SiC−Cが一般的に使用されている。数万t通銑後の
ライニング補修では、乾式の吹付け補修が多用されてい
るが、その耐用性に課題が残されている。この中修後の
補修層の損傷形態は、旧耐火物との界面から補修層の剥
離が生じ、それを起点として旧耐火物と補修層との間に
溶融スラグや溶融金属が浸入することにより剥離が拡大
し、補修層の残厚が30〜50mm程度あるにも拘わら
ず、補修層が剥離損傷するというものである。そこで、
本発明に係る溶融金属容器内張り耐火物の補修方法の作
用効果を確認すべく、本発明を高炉の大樋の補修に適用
した。
SiC−Cが一般的に使用されている。数万t通銑後の
ライニング補修では、乾式の吹付け補修が多用されてい
るが、その耐用性に課題が残されている。この中修後の
補修層の損傷形態は、旧耐火物との界面から補修層の剥
離が生じ、それを起点として旧耐火物と補修層との間に
溶融スラグや溶融金属が浸入することにより剥離が拡大
し、補修層の残厚が30〜50mm程度あるにも拘わら
ず、補修層が剥離損傷するというものである。そこで、
本発明に係る溶融金属容器内張り耐火物の補修方法の作
用効果を確認すべく、本発明を高炉の大樋の補修に適用
した。
【0024】実施例1 実施例1は、高炉の大樋の内張り耐火物を冷間補修する
ものである。すなわち、4000m3 の高炉の大樋にお
いて、5万t通銑後冷却し、まず稼動面に付着している
スラグや銑鉄を取り除き、図1(a)に示すように、旧
耐火物1上に接着剤を5mm程度の厚みとなるように均
―に吹き付け、接着剤層2を形成した。接着剤には、下
記表1に示す接着剤1〜接着剤5を使用した。その後、
図1(b)に示すように、Al2 O3 −SiC−C系の
不定形耐火物を乾式吹付けして100〜150mmの厚
みの補修層3を施工した。なお、不定形耐火物には、急
結剤を添加した。
ものである。すなわち、4000m3 の高炉の大樋にお
いて、5万t通銑後冷却し、まず稼動面に付着している
スラグや銑鉄を取り除き、図1(a)に示すように、旧
耐火物1上に接着剤を5mm程度の厚みとなるように均
―に吹き付け、接着剤層2を形成した。接着剤には、下
記表1に示す接着剤1〜接着剤5を使用した。その後、
図1(b)に示すように、Al2 O3 −SiC−C系の
不定形耐火物を乾式吹付けして100〜150mmの厚
みの補修層3を施工した。なお、不定形耐火物には、急
結剤を添加した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、補修後の大樋の寿命
は、従来の接着剤無の場合10000t程度の通銑寿命
であったが、旧耐火物1上に接着剤1〜接着剤5の接着
剤層2を形成した本発明による大樋の寿命は15000
〜20000tに飛躍的に向上した。従来は前述したよ
うに補修層の剥離損傷が主体であったが、本発明を適用
した補修層の損傷は化学的な反応による損傷が主体とな
っていた。なお、本実施例における溶銑温度は、約摂氏
1530度程度であった。
は、従来の接着剤無の場合10000t程度の通銑寿命
であったが、旧耐火物1上に接着剤1〜接着剤5の接着
剤層2を形成した本発明による大樋の寿命は15000
〜20000tに飛躍的に向上した。従来は前述したよ
うに補修層の剥離損傷が主体であったが、本発明を適用
した補修層の損傷は化学的な反応による損傷が主体とな
っていた。なお、本実施例における溶銑温度は、約摂氏
1530度程度であった。
【0027】実施例2 実施例2は、高炉の大樋の内張り耐火物を熱間補修する
ものである。すなわち、実施例1と同じ大樋において、
5万t通銑後、稼働面温度が摂氏600度〜800度に
なるまで水冷し、まず稼働面に付着しているスラグや銑
鉄を取り除いた。そして、図2に示すように、旧耐火物
1上に接着剤を5mm程度の厚みとなるように均―に吹
き付け、接着剤層2を形成した直後、直ちに実施例1と
同様に、Al2 O3 −SiC−C系の不定形耐火物を乾
式吹付けして100mmの厚みの補修層3を施工した。
すなわち、接着剤を吹き付けた後、接着剤層2が硬化し
ないうちに、すぐに不定形耐火物を吹き付けて補修層3
を形成するようにした。接着剤には、上記表1に示す接
着剤5を使用した。なお、不定形耐火物には、急結剤を
添加した。
ものである。すなわち、実施例1と同じ大樋において、
5万t通銑後、稼働面温度が摂氏600度〜800度に
なるまで水冷し、まず稼働面に付着しているスラグや銑
鉄を取り除いた。そして、図2に示すように、旧耐火物
1上に接着剤を5mm程度の厚みとなるように均―に吹
き付け、接着剤層2を形成した直後、直ちに実施例1と
同様に、Al2 O3 −SiC−C系の不定形耐火物を乾
式吹付けして100mmの厚みの補修層3を施工した。
すなわち、接着剤を吹き付けた後、接着剤層2が硬化し
ないうちに、すぐに不定形耐火物を吹き付けて補修層3
を形成するようにした。接着剤には、上記表1に示す接
着剤5を使用した。なお、不定形耐火物には、急結剤を
添加した。
【0028】補修層3の施工後、爆裂等の問題はなく、
外観上は従来と同様な耐火物施工体が得られた。耐火物
施工体の乾燥,予熱は、樋に蓄積された残熱のみで実施
し、2時間後に通銑を開始した。熱間補修を行う場合、
従来は5000t程度の通銑寿命であったが、本発明を
適用した樋は約10000tの通銑寿命を示した。
外観上は従来と同様な耐火物施工体が得られた。耐火物
施工体の乾燥,予熱は、樋に蓄積された残熱のみで実施
し、2時間後に通銑を開始した。熱間補修を行う場合、
従来は5000t程度の通銑寿命であったが、本発明を
適用した樋は約10000tの通銑寿命を示した。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る溶融金
属容器内張り耐火物の補修方法によれば、旧耐火物の表
面に、焼成により炭素結合を生ずる接着剤層を形成した
後、炭素含有不定形耐火物からなる補修層を施工すると
いう簡易な手段で、新たに施工した補修層と旧耐火物と
の間に強固な結合力が得られ、耐用性に優れた内張り耐
火物を得ることができるという優れた効果を発揮する。
属容器内張り耐火物の補修方法によれば、旧耐火物の表
面に、焼成により炭素結合を生ずる接着剤層を形成した
後、炭素含有不定形耐火物からなる補修層を施工すると
いう簡易な手段で、新たに施工した補修層と旧耐火物と
の間に強固な結合力が得られ、耐用性に優れた内張り耐
火物を得ることができるという優れた効果を発揮する。
【図1】本発明に係る溶融金属容器内張り耐火物の補修
方法の実施例1であり、(a)は接着剤層の形成状況を
示す概略図、補修層の施工状況を示す概略図である。
方法の実施例1であり、(a)は接着剤層の形成状況を
示す概略図、補修層の施工状況を示す概略図である。
【図2】本発明に係る溶融金属容器内張り耐火物の補修
方法の実施例2を示す概略図である。
方法の実施例2を示す概略図である。
1 旧耐火物 2 接着剤層 3 補修層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21C 5/44 C21C 5/44 Z
Claims (6)
- 【請求項1】 溶融金属容器に内張り施工した旧耐火物
の表面に、補修用の炭素含有不定形対火物を施工して補
修する溶融金属容器内張り耐火物の補修方法において、 予めスラグを除去した旧耐火物の表面に、焼成により炭
素結合を生ずる接着剤の層を形成した後、炭素含有不定
形耐火物を施工して補修層を形成するようにしたことを
特徴とする溶融金属容器内張り耐火物の補修方法。 - 【請求項2】 前記接着剤が、熱硬化性樹脂および/ま
たは熱可塑性樹脂を含有している請求項1に記載の溶融
金属容器内張り耐火物の補修方法。 - 【請求項3】 前記熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と
して、フェノール樹脂または変性フェノール樹脂を使用
する請求項2に記載の溶融金属容器内張り耐火物の補修
方法。 - 【請求項4】 前記接着剤に、セラミック粉末が添加さ
れている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の溶融
金属容器内張り耐火物の補修方法。 - 【請求項5】 前記接着剤に、金属粉末が添加されてい
る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の溶融金属容
器内張り耐火物の補修方法。 - 【請求項6】 前記接着剤層が、0.5mm以上の厚み
に形成される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の
溶融金属容器内張り耐火物の補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9103994A JPH10281663A (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 溶融金属容器内張り耐火物の補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9103994A JPH10281663A (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 溶融金属容器内張り耐火物の補修方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10281663A true JPH10281663A (ja) | 1998-10-23 |
Family
ID=14368860
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9103994A Withdrawn JPH10281663A (ja) | 1997-04-08 | 1997-04-08 | 溶融金属容器内張り耐火物の補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10281663A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6638473B2 (en) | 2000-04-14 | 2003-10-28 | Nippon Steel Corporation | Cooling device for blast furnace bottom wall bricks |
KR100515600B1 (ko) * | 2000-12-22 | 2005-09-16 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 슬래그를 이용한 잔존 유입재의 덧붙임 시공방법 |
JP2013040722A (ja) * | 2011-08-17 | 2013-02-28 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | ライニングの補修方法 |
CN103567427A (zh) * | 2012-08-02 | 2014-02-12 | 西林钢铁集团有限公司 | 浇筑成型钢包衬免拆工作层直接浇筑方法 |
JP5937259B1 (ja) * | 2015-06-30 | 2016-06-22 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 放射性物質除去方法 |
-
1997
- 1997-04-08 JP JP9103994A patent/JPH10281663A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|
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